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金融市場総合予測
18
:
2011年相場をどう見るか
:2011/01/01(土) 17:46:10
■ユーロは? 金は? 2011年はこうなる!
――
ドル売りパニックが生じる背景としては、やはり米国経済に何らかのネガティブな材料が浮上するということでしょうか?
若林
今、ユーロ圏内を中心にして、アイルランド、ポルトガルといった国々のソブリンリスク問題が盛んに取り沙汰されていますが、いずれその流れは米国のソブリンリスク問題に波及していくのではないかと見ています。その前兆が、2011年から徐々に見えてくるのではないでしょうか。
まず2011年前半は、米国の上院・下院での与野党ねじれ議会が波乱要因になってきます。2011年4月には米国政府の借入額が、デッドシーリングという借入限度額の14兆ドルに達します。それ以上の借金をするためには、シーリングの拡大を議会で通す必要があるのですが、周知の通り、下院の多数派を形成している共和党は、これ以上の財政赤字の拡大を容認しません。当然、シーリングの拡大を巡って、与野党の駆け引きが行なわれます。仮に、シーリングの拡大を認めないということになったら、ガバメント・シャットダウン※3です。そこまで行くかどうかは分かりませんが、いずれにしても、米国の財政赤字とねじれ議会が、前半の大きな波乱要因になるでしょう。
そして2011年後半は、この間、米国の長期金利が上昇を続け、10年利回りが4%を超えてきた段階で、改めて米国のソブリンリスク問題がクローズアップされてきます。これがドル売りパニックに火を付け、2012年の1ドル=74円台に向けた、ドル安の引き金になってくるのです。
ちなみに、ドル安が進めば、円だけでなくユーロも買われます。今はユーロ圏のソブリンリスク問題が注目されていますが、基本的にユーロは、2010年6月につけた1ユーロ=1.18ドル台がボトムで、今後は1.65ドルを目指したユーロ高の展開になると見ています。
※3ガバメント・シャットダウン ねじれ議会の為に予算が通らず政府の法案などが滞ってしまう事。
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