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房州軌道物語

14兎の集会@虚妄の宴:2003/12/22(月) 22:33
タール塗りの真っ黒な家々。煙突からは昼餉を煮炊きする薄い煙と炭の匂い。
板塀のほんの少しの隙間から顔を出す「けーべん」の軌道。
木枯しの駅構内には黒くて長い貨車を繋いだ午後一番の列車。
荷の積み込みが済んでいるのか今は人足達も詰所の中で火に当たっている。
棒に差した彼等の昼食−それは馬鈴薯と何かの干物に過ぎなかったが−は、勢い良く燃え盛る粗朶の傍らで良い匂いを立て始めている。
彼等の言うよう「今年は荷が少なくて助かるっぺい」「何、荷が軽いっちゅう事は俺らの給金も軽いって事だっぺよ」
会話はそれぎりで止む。
詰所の裏は、やはり黒い民家が数軒。そして松林、そして今年に限っては不漁の灰色の海。
松籟を静かに耳にしながら、彼等の慎ましやかな午餐は進行する。

やがて−

駅長の吹き鳴らす大仰な笛。ややあって甲高い汽笛が、ポッ…、そしてせわしない排気の音が遠ざかる。
後に残るのは相変わらずの松籟と、人夫達の寝息ばかりである。昭和11年師走。

http://www6.plala.or.jp/takatsukasa/boshu-r1.jpg
戦前期にはこんな列車が走っていた事でしょう。


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