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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2

1まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY:2009/10/29(木) 01:36:02 ID:???
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレの避難所です。
アクセス規制で本スレに書けない、とかスレに書けないような18禁のエロエロ話を投下したい時とかに
お使いください。
    / _         ヽ、
   /二 - ニ=-     ヽ`
  ′           、   ',
  ',     /`l  / , \_/ |
  ∧    〈 ∨ ∨ ヽ冫l∨
    ',   /`|  u     ヽ
    ', /          /
    /  ̄\   、 -= /                   __
  / ̄\  `ヽ、≧ー                    _  /. : : .`ヽ、
 /__ `ヽ、_  /  、〈 、           /.:冫 ̄`'⌒ヽ `ヽ、 / 〉ヘ
/ ==',∧     ̄ ∧ 、\〉∨|         /.: : :′. : : : : : : : . 「∨ / / ヘ
     ',∧       | >  /│        /: :∧! : : : :∧ : : : : | ヽ ' ∠
      ',∧      |、 \   〉 、_       (: :/ ,ニ、: : :ィ ,ニ=、 : : 〉  ,.イ´
      ',∧      |′   ∨ ///> 、  Ⅵ: '仆〉\| '仆リヽ:|\_|: :|
      / /     |     └<//////> 、 八!`´、'_,、 `´イ. :|////7: !
    /_/       |、       ` </////>、\ ヽ丿  /. : :|//// : .丶
    ,'          |′         ` <//∧ : > </.: : :////〉: : : . ヽ
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本スレ
【とらドラ!】大河×竜児【アマアマ妄想】Vol17
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1255435399/

616 ◆Eby4Hm2ero:2011/06/09(木) 13:17:02 ID:???
本スレに大作が続々と……皆様方GJ!

そして私は規制中orz

617とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero:2011/06/09(木) 13:18:06 ID:???
お題 「へえ」「違う」「うまく」



「たっだいま〜」
「おう、お帰り大河」
「はい竜児、おみや〜」
「おう、サンキュ。ホテルのレストランなんて、そうそう行く機会ねえからなあ……」
「ぷっくくく……」
「な、なんだよ」
「だって、竜児へのおみやげがドギーバッグなんて……ぴったりすぎて……ぷぷっ……」
「ほっとけ。で、どうだった?」
「んー、みのりんもばかちーも元気だったわよ」
「おう、そいつはよかった」
「ばかちーってば、今度映画の主役やるんだって」
「何!? マジか?」
「マジ」
「へえ……あいつはどんどん凄くなるなあ……何かお祝いでも贈るか」
「あ、それならうちでホームパーティでもやらない?」
「おう? なんでだ?」
「普通のプレゼントなら、もうあちこちから貰ってそうじゃない? それに、今ならスケジュール調整の関係でちょっと暇があるんだって」
「なるほど……そいつはいいアイデアだな」
「でしょでしょ。みのりんもばかちーも久しぶりに竜児に会いたがってたしね」


「櫛枝、川嶋、ちょっとこのテリーヌも食べてみてくれねえか?」
「どれどれ、いっただきま〜す」
「……! ひょっとして、これって……」
「おう、この間大河が持ってかえってきたやつをさ、自分なりに再現目指してみたんだけど……実際に食べた事ある二人から見てどうだ?」
「うっまあぁぁい! でも……」
「んー、そうね、再現というにはちょっと味が違うかしら」
「おう、そうか……やっぱそう簡単にうまくいくもんじゃねえか」
「あー! みのりんとばかちーばっかりずるーい! 私もそれ食べるー!」
「おう、大河……ほれ、どうだ?」
「んー、美味しい! この間のホテルのやつよりこっちの方が好きかも」
「……ねえ、高須君」
「おう川嶋、何だ?」
「ひょっとしてさ……殆ど無意識に大河好みの味付けに変えちゃってるんじゃないの?」
「!」

618 ◆oLWU/inCrU:2011/06/21(火) 20:32:29 ID:???
数レスお借りします。
気になると言ってもらえたので、ボツにした能登バージョンこちらに置かせてくださされ。
大筋は本スレの話とまったく同じです。


『永遠の昼(能登かわいくないよ能登Ver.)』


 風爽やかな初夏の校舎裏、ベンチで仲良くお食事中の影が二つ。
 やがて長身の影が手際よく弁当箱をしまうと、小柄な影がぺそっと肩にもたれ、そのまま彫像のように動かなくなる。
 それから、しばし。


          # # #


「どした?」
 図書室からの帰り道。校舎裏の角に下級生が溜まっているのを見つけ、能登久光は何気なく声をかけた。
 するとあっという間に囲まれて、「物置きから備品を取りたいんですが……」「お邪魔するのが怖くて」「もとい悪くて」「恐れ多くて」などと口々に言い募られる。
 どうも要領を得ないので、指差された方向を覗きこむと、そこには。

「──うひゃー。」

 ヤンキー高須こと高須竜児と、手乗りタイガー逢坂大河が、まるでペイネの絵のように寄り添う後ろ姿があった。
 普段あからさまにベタベタしない分、こういう所で補っているらしい。
 こっそりイチャつくのは結構だが、うっかり見てしまった時のダメージたるや。
 ──ちくしょー、高須羨ましいよ高須!
 リア充を爆破すべく、能登は危険を承知で本を盾にベンチへ歩み寄り──
「……!」
 とっさに声を飲んで、そうっと前に回りこむ。

 ちょいちょい、と手招きをすると、下級生たちは恐る恐るこちらに近づいてきた。
「……寝てる……。」
 誰かが思わずそう呟き、慌てて口元を覆う。
 片手の指を絡めて握りあったまま、二人はぐっすりと眠りこんでいた。
 竜児はまるで宝物を手にした少年のような表情で。大河もめったに見られない柔らかな表情で──ただしいかにも昼食後らしく、竜児の学ランに涎のしみをくっつけて。
 そこには、かつて“大橋高校の魔界コンビ”などと称された面影は微塵もない。

619 ◆oLWU/inCrU:2011/06/21(火) 20:35:24 ID:???
 能登が「今のうちに済ませろ」とジェスチャーをすると、下級生たちは我に返ったように数メートル先の物置きへ、物音を殺して入ってゆく。
 彼らが製図用の大道具を担いで立ち去るまでの間、能登はシャッター音で驚かさぬよう、少し距離をとってから二人の姿を携帯カメラにおさめた。
 すぐさま悪友たちに『爆睡カップル:略してバカップル@校舎裏』なるタイトルで一斉送信。
 昼休みは残り10分ほど。他の誰かがやってきたら、早速起こして一緒にいじり倒すつもりだ。リスク分散、賢い投資。
 それまでもう少しだけ、二人に穏やかな微睡みを。

 斜向かいのベンチに寝転がると、能登は持っていた短歌集を日除け代わりに開いた。
 ぺらぺらとめくるうち、とある歌に目を止めてクスッと笑う(かわいくない)。
「……『プレンソーダの泡のごとき唾液もつひとの傍に昼限りなし』……ねぇ。」
 刹那の恋を詠んだ歌だが、目の前のこの二人には、“昼”のような明るさと暖かさが、永遠に続くことだろう。
 何故なら、高須は本当に良い奴で──タイガーはその良い奴に惚れた女の子なのだから。
「……でもさ、妬けちゃうよ高須。妬けちゃうよ。」
 いつかは自分も、こんなふうに誰かさんと手を取り合ったりできるのだろうか。
 気の強い澄まし顔がちらっと脳裏に浮かび、思わず溜め息をつく。
 どうやら先は長そうだ。

「あっいたいた! 能登っち〜〜〜!」  校舎の裏窓から、メールを見たらしい春田が空気を読まない大声でこちらに手を振ってくる。
「高っちゃんとタイガーまだ寝てる〜!?」
 ──馬鹿!シーッ!シーッ!!
 慌てて合図をするも既に遅し。竜児が煩そうに肩を震わせて。
 仕方なく冷やかしの文句を考えながら、能登はその目蓋が上がるのをニヤニヤと待ち構えた。


        《了》


叙情性がなくなっちゃうのでボツにしましたが、能登のままでも良かったかな…?すまん能登。
気になると言ってくれた方に捧ぐ。ありがとうございます!

620高須家の名無しさん:2011/06/21(火) 21:13:02 ID:???
おおお、能登ver.ありがとうございます。
確かにこの短さだと文学少女・香椎という方がモチーフには合っていて完成度は高いかな。
でも個人的には能登の思いにリレーして少々の泥臭さあるこちらが好きです。
先は長そうだって(能登にしては)前向きなとこや春田が1番ギャラリーなとこもね。
乙でした!

621高須家の名無しさん:2011/06/21(火) 22:12:10 ID:???
うわぁ、言ってみるもんだ。ありがとう。私は能登verに一票ね。

能登がらみの(かわいくない)とか、「高須、心配だよ高須」とかは、やっぱり「能登かわいいよ能登」から来ているのかな。

622高須家の名無しさん:2011/06/21(火) 23:28:04 ID:???
同じく能登verに1票!スピンオフ3に繋がるところに、
2828しました。

623高須家の名無しさん:2011/06/22(水) 21:50:25 ID:???
おお、能登verも読めるとは…!
優しさに満ちた奈々子様verも素敵ですが、こちらは能登自身のドラマも絡み、より瑞々しくていいなあ。能登がんばれ能登
寄り添い寝てるだけなのに竜虎カップルの幸福オーラたるや。本当にかわいい。写メ送ってほしいw
ドタバタな締めもとらドラ!らしく。GJでした!

624 ◆0/FKyHtS2M:2011/06/22(水) 23:52:26 ID:???
ラブラブセックルしてるのに前よりエロ度ゆるめの変なのを投稿させて下さい。

【タイトル】秋への brilliant road
【内容】ガチエロコメです。本番あり、というかメイン。例によって竜虎ともども重度の浮か
れポンチ状態でコメディ寄りです。他では大河のおっぱいにこだわってみました。趣味に合わ
なそうと思われる場合はご注意ください。
タイトルが内容にそぐわない清々しさですが、虎の重さこの手に抱いてgo far away な竜児を
気に入ってもらえれば幸いです

↓7レスほどいただきます。宜しくお願いします。

625秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/22(水) 23:54:20 ID:???

【これまでのあらすじ】親元で一年を過ごし進学した逢坂大河は大橋の町に帰ってきた。高須
家から徒歩3分のワンルームマンションで独り暮らし。ぶじ嫁入りのその日まで!などと大げ
さな話は置いといて瑣末事を綴ったエロコメディ(要するにアニメ版アフターです)
 恋人以上夫婦未満。19歳になった逢坂大河と、来月19歳になる高須竜児。
 “平日はエロごとを自重しましょう”という制約を解放しても良いとふたりが暗黙に決めて
いる休日がまたもやってきて、今回のブリリアントバカップル話が始まる。

****

 掃除掃除大掃除〜。午後はあっちに行ってるからな〜。と竜児は泰子に告げて、大河の暮ら
すワンルームマンションを訪れていた。
 嘘ではない。もちろん道具を持ってきて実際に掃除(部屋の)をする。
 するのだが、近頃では部屋の主が前日辺りまでに掃除(部屋の)を済ませているため、さほ
どの時間はかからない。それでも竜の目は見つけて、なにかと綺麗に掃除(部屋を)をする。
しまいにはベランダの排水溝辺りにまで目を付け掃除(排水溝の)を始めたりして、半笑いの
大河に「あんた何しに来たの?」と。
 そんな、こんなで、大型連休前。ぼやっと薄曇りな休日の昼下がり。
 いっしょに出かける用はなく、朝食昼食家事とひととおり済んで、夕方の買い物まではふた
りっきりとなっていた。
 竜児は胡座、大河はちょっと伸びて正座。寄り添ってすわり、淹れたお茶を飲んでいろんな
話を。日々の暮らしのことや、学校でのこと。お互いが離れていた間に何があったかを思い出
して。もちろんくだらないネタトークだってする。
 それがいつものように将来の夢の話へとつながっていくと、本当の家族になりたい思いはた
くさん湧くのに、まだそれに見あう具体的な姿までは描けなくて少しの不安も呼び覚ましてし
まうから「ねえ?」「ん?」「ほら……」「おう……」会話が短くなる。
 それが途切れるたび、手を握りあって。指を絡ませて、顔を寄せる。
 視線をあわせずに頬と頬をつける。満たしたいと思う。
 もっと、もっと触れたくなって、空いた手で互いの髪や耳に、肩や胸に触れあう。
 頬に唇で触れて、唇で瞼にも触れ、次第、次第に座っていた脚が崩れて、唇が唇を求めて触
れ始めると、おもしろいぐらい気持ちが高ぶりだした。
 つまらない不安が消えていき、お前が、あんたが、ここにいると。刻みつけられていく。
 着ていたものを交互に脱がし始めて、きょうはどちらから駈け出すのだろう?
 大河の身体からうっすら花の香りが立ってきて、竜児の意識からも、大河の意識からも、今
だけは家族のように思う気持ちを追い出した。
 息を熱く感じあいながら、脱がされて、舌を絡ませて。喉を鳴らし手を差し込んで肌に触れ
て、その感触に後押しされるようにまた脱がして。何度めかの。頬に掌を当てて、互いをしっ
かりとつかまえて、いつまでも貪るようなキス。
 やがて濡れた唇を離し目があうと、もう止まらない。
 彼氏は彼女を、半身を預けていたベッドに抱え上げて、そっと横たえる。
 口の端をついっとあげた竜児は、んっふ、と息づかい。
 ――掃除……しねえとな?
 眉の端をくいっとあげた大河は、ふひゅっ。
 ――ばぁーか……

 竜児は前戯が割と念入りなほう。
 とはいっても、性格に少し偏執的傾向があるのとは関係なかった。単にいちゃいちゃするの
が好きで、大河とも好みがぴったり合っているだけ。

 そろそろかな?と思った竜児は、結構な時間、オモテウラと念入りにちゅっちゅレロレロし
ていた大河に密着させていた身体を起こした。
 はっふはっふ息を荒くして仰向けに横たわる小柄な彼女は、でもまだ1回もいかされてはい
なかった。ひとりだけはつまんない。いっしょにいきたいという嗜好を、竜児は何度も肌を合
わせるうちに分かって、大河が切なくてつらく感じる直前でちゃんと留めている。
 傍らに置いたスキンを手に取り、準備も済ませたこのとき。

626秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/22(水) 23:55:55 ID:???
 大河のすらりと伸びた脚をM字にたたみ、折り曲げた膝を抱えて自分の肩に宛て……という
ときに竜児は、シンメトリなMの真ん中を凝視して動きを止めた。
 そろーり……と後退して、土下座をするように背を屈め、大河の恥っずかしいその部分を、
凶悪な目をこらして眺めている。なんだろ……?も一回お掃除するの?と、いい具合に高まっ
た大河が首だけ起こして股間を見やると、それはこんなタイミングに似つかわしくない、びみ
ょーぉな表情と目が合った。その竜児の口が動いて。
「なあ……?」
 なにっ?なんかやばいっ!?大河の勘はよく当たる。悪ければ悪いほど。
「ここの毛、こんなに薄いんだっけ?」
 ……とか。ふと気になってよ。
 大河は眉を八の字にして困惑する。なに……言い出す気なのか。
 薄いと言われれば、それは確かに薄かった。
 髪の毛はいわゆる猫毛で細く、それに応じて細い。密度も薄い。加えてやはり髪と同じく色
も淡い。ぽやぽやっと覆っている程度で、生えている範囲も狭かった。実はムダ毛処理という
行為を大河はこれまでの人生において一度もしたことがない。
 だけど。竜児は何度も見たことがあるはずだった。この生え方が好きだと言われた。なぜ今
日になっていきなり気にしてるの。
「ほら。前にこのへんが『ぼーん!』とか言ってた……よな?」
 急に思い出してさ。と竜児は真顔。
 よりにもよってこんな時に何てことを。しかも半端に思い出すのよ?
 大河は全貌が見えて、ああ、と納得しながらも内心でボヤいた。仕方なく仰向けに寝たまま、
脚をM字にしたまま。ひざの間に竜児の顔を挟んだままで動作に及ぶ。
 ささやかな膨らみの右乳の辺りで右手を開き「ぼん!」
 同じく、ささやかな左乳の辺りで左手を開き「ぼん!で、」
 竜児の顔の真ん前に両手を持っていって重ねて丸めて、思いっきり開いて見せた。
「っっぼぉんっ!」
 おおうっ!?
 それで竜児の深層記憶は正確にデフラグ完了。
「すまん。馬鹿なこと訊いちまった。悪かった……」
「……私ゃなんでこんなときに他の女の股間を想起せしめられねばならないのか」
「ごめんな。ほんとに錯覚しちまってた。あれ?大河の言い分だともっと毛深くなかったかって」
「あんたの脳裡に見たことないばかちーの股間イメージが今あると思うと死にたいわっ」
「そ、そりゃ考えちゃうけどよ、心配すんな。映像の元データはお前しかないし」
 そんなのさらに酷いじゃんよっ!うおっと!そうだった。悪りぃ悪りぃ悪りぃっ!
 なんという墓穴。
 もうほとんど浮気バレ亭主。
 瞳孔を開いて黒目がちにして拗ねる、横を向こうとする大河をずり上がって優しく抱きなが
ら竜児は必死に謝っていた。
 ただ、拗ねまくる大河を目の当たりにしても、挿入直前のタイミングではあったから、男と
しては謝るより先にすることがある。大河を蕩かせる重要攻略拠点はとうに知っている。労を
惜しまずもう一巡してお互いの平和と幸福を取り戻さないといけない。
 ていうかこれが好きだから、労だなんて竜児は全く思っちゃいない。
 なあ〜?ちゅっちゅっちゅ〜のちゅっ。
 なあ〜?ちゅうちゅうちゅう〜のちゅう〜。
 指も……吸っちゃうぞ?手ーちっちゃいなー。
 その次は、脇なー。乳も揉むぞー。
 もう〜、しょーがないなあ〜♪と、中指をちゅぽぉん!と思いっきり吸われた辺りで、大河
が黒目がちな瞳を元に戻すまで約120秒。
 すねてしたっていいじゃない。とらだもの。たいが。

 また念入りにちゅっちゅレロレロされて、ほどなく大河の息が荒くなってくる。途中だった
し。やっぱりいいものはいい。切ない気持ちがたまっては自然に腰がくねる。
 好きな男の子が嗜好を分かっていてくれて、ディナーコースを味わうみたいに、よく見なが
ら、手を引いてじっくり合わせてくれてる。それが義務感ではなくて、好きでやってくれるの
も分かるから……。

627秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/22(水) 23:57:48 ID:???
 だからこの時間は好きなのよ。
 ゆっくりゆっくり高められて、追い立てられたりしない、こんな時間が。
 そうしているうち、もっと好きな時間もやって来る。入口でくりくり馴染ませられて、急に
がまんできなくなってくる。
 でも、あんまりきもちいいよ!って知らせちゃうと竜児の方もがまんできなくなってしまう
から、出来るだけ普通に。そうやって抑えているとどんどん、どんどん自分の中に切ない圧力
がたまっていく。
 うっんっ!?
 ずにゅるってカンジで、入ってきた。
 いつものように、挨拶代わりな意味で、きゅっと締めつけてみる。最近はもう驚かないのか
「おうっ!?」って言わなくなった。ゆっくり、浅いとこを進んだり引いたりしている竜児と
目をあわせて、どーぞ、と。緩めてやって奥に迎え入れる。
 ぴったりと収まって、お互いにふーーっと息を継いで。目があうとしぜんに頬が緩んでくる。
大河が笑みとともに伸ばす両手の間に竜児は身体を沈める。 

 入ったとき一瞬だけ、大河は泣きそうな顔をした。
 最初の何回かは痛いのかと思っていちいち訊いた。たとえ痛くても言わないでがまんするや
つだから。そのうち泣き顔なんかしていないっ痛くもないっいちいち訊くんじゃないっとキレ
られた。単純にそういうクセかもしれねえ。
 俺はその顔が好きなんだ。
 かと言って、まさか泣かせて見るわけにいかない。そもそも近頃の大河はめっきり泣かなく
なって、それは良いことだが、「あ、泣く?」って顔を見て刷り込まれた俺にとっては、こん
な時にでも見られるのはひそかに楽しみだ。ただ、腰をあわせると、それを抱きしめながらは
見られない。身長が違いすぎて大河の顔は俺の胸元に来てしまう。
 見たくていろいろとやってみて、いまはこれかなと思う。
 落ち着いたら、ぴったり合った胸を離して、大河の肩や頭でなく、もっと下。肩まわりより
もずいぶん細い腰に手を回す。その華奢なつくりに触れるたび、本当に同い年なんだろうかと、
ちょっとした罪悪感も湧く。けどだいじに触るからな。許してくれな。
 腰を抱いて少し起こすようにすれば背が弓なりに反って表情を見られる。
 大きく動くよりも浅いところを小刻みにいじめられる方がいいみたいで、その方がやり易い
というのもあった。そんなふうにいじめていると俺も保つし、ちょっとずつ大河も良くなる。
上体がフリーだから、どんなリアクションをするのか見ることもできる。

 竜児が私の腰を抱えて遊んでる。
 浅いとこを攻められてるとジワジワきもちいい。……ほんとは思い切りのしかかって、押し
つぶすように重みをかけてほしい。ぴったり包み込んで、ぎゅうっと抱きしめてほしい。そう
されたら、深いところもじんとしてきて、たぶん、すぐ。
 でもそれじゃつまらない。竜児も、やっぱりそんなのだけじゃつまらなく思って、急いでし
なくなったんだと思う。
 どんなふうにいじめて気持ちよくしてやろうかって考えた。どんな感じにいじめられるのか
想像してわくわくした。怖くて緊張するだけと思っていたのに、いちど橋を渡ってしまうとこ
んなにおもしろいなんて。
 ゆっくりいっしょに山を登って行くような感じのこういうのも好き。腕も自由で竜児にさわ
り放題の吸い付き放題、よくなってきたらそのまんま休めるのも。
 そうなんだけど。
 ゆっくりとは言ってもちょっとずつは登ってるわけで。も……もどかしくなって……きちゃ
うのよ。いずれ。この切なさに耐えても、それは見つけられてしまう。
 意地悪されてじっくり眺められてしまうのか、乗って、いっしょにペース上げてくれるのか
は竜児の気分ひとつ。どっちに舵を切ってもいいから、い、いいんだけど。いいけど。
 ずん、といきなり奥を突かれて、喉から悲鳴が出そうになった。
 それを抑えて、夢中でしがみついた。広い肩ごしに手を回し切れなくて、肩甲骨のくぼみに
指をひっかけてつかむ。爪……整えてあったっけ?刺さらないよね?って考えもすぐに飛んで
いき、汗がじわっと浮きかけた薄い胸板を引き寄せる。ぴとっと頬をつけ、口をつけてちゅう
うっと吸いついてみたら、んんーっとくすぐったそうに唸る。
 いつもは考えない、考えたくないことがこんな気持ちになるとどうしても浮かぶ。
 なんできもちいいんだろう?好きだから?竜児だから?

628秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/22(水) 23:59:49 ID:???
 他の誰でも、いいの?ママみたいに?こんなに好きなのに、嫌いになる?
 私はこうだ。幸せでも、きもちよくても、喪う怖さを先に感じてしまう。奪われるならまだ
戦おうと思えるだけいい。自分から棄てようと思えるときが来るのが……怖い。まだ。
 少しだけ怖くて、でもこうしていれば……だいじょうぶ。お願いだから。
 ぎゅっとしがみついて、瞼に当たる骨の感触。ここにいる現実。
 竜児の鎖骨。
 上を向いて、夢中でちゅうちゅう吸うとかすかに塩の味がして、欲が抑えられなくなる。
 牙を打ちこんで、引き裂いて、食べちゃいたい、という欲。私のものになってよ、お願い。

 最近になって、大河は噛むようになった。
 まさか食べることはできないが、高まりのたび思わず竜児を噛んでしまう。やばいおかしい
と本人も思ってはいて、かぷっとあま噛みのつもり。
 それでもときどきは力の加減を間違えてしまうらしく。
「……っ!」
 竜児が痛がる。
「……ご……ごめっ。痛かっ……た?」
「気にすんな。噛め噛め。いくらなんでも食いちぎりまでしねえだろ?」
 ずん。
 かぷっ。
 ……っっ!
 ぐぐっ!!
 ん?
 ぐぐっ。って……なに?
 痛くないように気をつけてあま噛みしてもそうはならない。竜児ははぁはぁ言って、また予
期しないタイミングで、ずん!ああぅっ!って感じで思わず、今度は肩に噛みついてしまった。
かぷっ、じゃなくがぶっっ!と。
 うわ、相当痛かった?
「あっ……つっっ!」のあと少しの間があって来た。ぐぐっ!!と。私の奥を広げる感じに竜
児が大きくなりながら、びくん!と大きく震える。
 間違いない。連動してる。こんなのって?
「いっ……いくの?」
「いや……ま、まだだけど?」
 すーーっと引いて、また浅いとこで遊んでる。よーく見ると目の周りを染めてマジ顔だ。
 きもちいいんじゃん?なんでごまかすの?
 これは確かめてみないと!とムラムラしてくる。ごまかされるのはいや。隙をみて、がぶっ。
ぐぐっ!!と入口が広げられて、あ、おっきいっ。
「ちょっと……!もしかして、あんた。噛まれると……いいの?」
「……へ」
 なんだろう?なんでそんなに決まり悪そうな顔に。
「へ?」
「変態だとか言うなよな?……おう、そうだよ。いいよ」
 ……変態じゃん。まごうことなき。
「い、痛いんでしょ?それなのに?……まさかド」
「ドMじゃねえ。そんなんじゃねえって」
 竜児は、仕方ねえ、というふうで、ちょっと恥ずかしそうに語り出した。
 俺は、乱暴者だった頃からお前のことが好きだった。乱暴で凶暴だけど他がいいから、じゃ
なくな。でも、近頃はすっかり角が取れて素直で可愛くてさ、それももちろん好きだぞ?でも
凶暴なお前をなかなか見れなくなったなあとか。さ。
「すこし寂しく思ってた」
「そ、そうなんだ……だって暴れる理由なんかもうないし……こ困るわ」
「理由もなく暴れられたら俺だって困るわ。そうじゃなくてよ」
 よくなるとガッと噛まれる、ってのがさ。その……凶暴さが消えたわけじゃないって分かっ
てからさ。……俺には……いいんだよ。なにかと言えば暴れていた頃のお前と……こんなこと
してるみたいな気分にちょっとなれて。
 分かるような分からないような。
 こんな時に微妙な話を始めるべき?とも思うけど、どうにも気を削がれて、聞きたくなって
しまった。

629秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/23(木) 00:01:26 ID:???
「変態とはちょっと違うみたいだけど……別の危うさを感じてきたね?」
「なんでだよ?」
「だってあんた……あの頃こんなことしたいって。妄想してたってことに、なる……じゃん」
「おう!……し、してたよ。悪いかよ。……もし本気でしようとしてたら、お前だってさ」
「あ、開き直った。……噛んだかも、ね。本気の力じゃかなうわけないから……ね」
「ただ、思うのとできるのは別だからな。お前だって気づかなかっただろ?」
「そうだけど……おっそろしいカミングアウトだわ。なんか心臓バクバクなってきたよ」
 あの頃の私の貞操って、あんたの性欲ひとつに左右されていたわけか。うわっ!怖ぁっ♪
 なんてね。
 そんなこともね。べったり縋っていたら、いつかそうなるかもしれないのかなぁくらいはね。
考えてたよ。そしたら……。教えないけど。
「そう……だよな。そういえばいちいち釘刺されてた気もするな、俺」
「怖いってのは半分うそだけど……ところでさ?」
 話し込んでる場合じゃないよ?ときゅいきゅい締めてみた。ふひっ♪
 ふにょふにょになっちゃってるよ?
 うぉっ、やべえ!漏れ出てねえだろうな?我慢汁だって妊娠することあるらしいからな!と
慌てて竜児が抜き去った。あー、馬鹿な質問しちゃったから、また中断。
 でもいいや。これも、あれも、竜児といっしょにすることはぜんぶね。大好き。さっき怖い
って思えたことも飛んでった。ただ、大好き。

 お互いいきかけだったから、もう一度抱き合っていたらすぐに竜児の準備はできた。スキン
着け直して、さっきのつづき。今度は余計なこと考えないでしようねと申し合わせて。
 でもやっぱり大事なことがひとつ。
 よくなってるのを悟られると、竜児の方がもたなくなっちゃう。これは、どうしても慣れな
い、我慢できないことらしい。
 だから、最後には体重を預けてもらって、押しつぶしてもらえていっしょにいける、いつも
のやり方を期待して、私はできるだけ普通にしていよう。その辺を気取られないように。
 ……それでも、今日はずいぶんと竜児の方が早そうな気配。
 二度も中断したせいなのか、さっきもう限界だったのか。噛みついたのがいけなかったのか。
とにかくつながったままちゅっちゅしてくれたりの余裕は全然ない感じで、私の方から何かす
るとトリガーになりそうで、どうしよう?
 大河……今日はどうしたんだ?といきなり竜児が訊く。
「どうしたって、どういう意味?」
「妙によさそうで……そんなの見せられると俺、我慢できねえ」
「かっ……変わんないと思う……けど?」
 いろんな、余計なことをやっぱり考えてしまう。顔に出てるんだ?と大河は思う。さっきの
もしも、の話のせい。竜児も同じように興奮してるんだろう。
 二年前、出逢ったのもこの季節だった。
 私、そのときと同じ貌(かお)をしている。同じ貌に見えている。おそらく。
 私の目にも竜児がそう見えてしまっていた。そばに居るぞ、と告げられたあの顔がすぐそこ
に見える気になってる。
 こんなことをされる、恐怖と、予感と。教えられない、伝えられない心も混じり合った、現
実の貌とあの時の区別が曖昧になってる。
 それをいいって、よさそうって思ってくれる。
 あの時ちぎれそうだった気持ちは、綺麗に縫い合わされて、今は痕すら残っていない。
 だから……今こうしてるんだよ。めんどくさいよね?私ってさ。
 大好き。
「がまんすんな……エロいにゅ。心配いらないよ」
「もうちょっと、ゆっくり頑張るからよ……」
 大好きだよ。
「いい……んだよ。わ、私とえっちできて……嬉しいでしょっ?竜児っ」
 でも、とまだ男のメンツにかけて言い淀む竜児の前で、抑えるのをやめた。
 見てよ。
 見ればすぐに分かるでしょ。あんたにこんなことされてどんだけ幸せか。
 好きなとき、好きなようにいけっ!背中をつかんだ指に力を込めると、ようやく。おうっ!
と返事されて、肩越しに頭ごと抱かれて上体に竜児の重みがかかってくる。
 きっつい。きつくて……いい。

630秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/23(木) 00:03:17 ID:???
 同時に深く挿しこまれて奥を強く突かれる。お腹に響いて、波が頭にまで駈け上がってくる
よう。うん、私も……。追いつける……かも。
 ふっっ!んあっ!って首が上に反って、声も漏れる。これが竜児にとってもトリガーになる。
もう意識もしていないのにお腹が震えて、脚をくるんと竜児の腰に回して、つかんで、自分か
ら押しつけてしまうのも止められない。
 ふっ、もうちょっとっ、んくっ、どっちが先か。ギリギリな今日は運まかせ。うまく合わせ
られるか、誘導?もういいっ、集中、集中!んっ!
 っんぐ、と竜児の息が止まって、どっくん、どっくん。そのすぐあと、私にも……来た。
 きっつい、重い。息ができない。……でも。でもいっしょにっ!
 ……いいっ、りゅうじぃ。
 がぶっ、と肩口を噛んだ。私のもの。今だけでもいい、私のだから。

 背中見せて……うん、跡は付いてるけど大丈夫。引っかいてない。爪まるめておいて良かっ
たわ。でもこっちは。
「ごめん、ほんとに食いちぎるとこだったわ」
 くっきり半円の跡を付けてしまった肩をぺろぺろ舐めて謝る。
 めでたく円満に事を終えたふたり。いつものように竜児にきれいに拭いてもらってから起き
上がった大河は彼氏のボディーチェックをして、そのまんまぴったり寄り添って、ベッドに腰
かける。
 大丈夫、大丈夫。しみてねえし、傷になってねえだろ?と、竜児も裸のまま彼女を横抱きに
して膝の上に座らせる。
 解れて頬に張り付いている長い髪を掬っては背に落としてやると、気持ち良さそうに大河が
目を閉じる。それならもうキスするしかない。
 腰に回した手で引き寄せて、賢者モードらしくちゅっちゅ可愛らしくついばむ。少し強面の
竜児が、頬を火照らせてそんなキスをしている姿は傍目にどう見えるのだろう。
 そんな目なんかここにないからいいけど、と大河は思って、この体勢なら身長差をほとんど
補えるからと、竜児の両肩に自分の肘を置いて背に腕を回した。そしてキスのお返しを……と
考えた矢先に竜児の唇は喉へ移動する。
 顎を反らせて受け取りながら、んー?このまんま2回目かな?と思った。一度いっしょにい
けたから自分としてはなんら不満はない。竜児が食べ足りないならご馳走してあげる、といっ
た満ち足りた気分だった。
 だからすっかり気を許していて、首筋にそっと歯を立てられると。
「ひぇあっ!?」
 びっ……くりした。こっ、ここここ、怖いじゃんよっ、吸血鬼かっ!
 確かに、面相から言ったら竜児の場合はそのものだ。あれ?そんなに怖かったか、ごめん
な、とニヤニヤ笑っている。
 肩に回した腕は外さないけど、お返しだよというそのツラから伸ばせるだけ距離をとって、
もー、と睨みつける。じゃれつきはするけど、されるのには慣れてないんだから。それでな
くともあんたは私より身体大っきいんだから急に驚かすんじゃないよ。
 と、照れかくしで心にもない説教をする。
「え?あ、そうかー。済まねえ、平気だと思ってた」
「そ、そんなに気にしなくてもいい……。別にダメとは言ってない」
「俺だってお前にじゃれつきたいから、少しずつ慣れてくれよ」
「わ、分かったっ。あっ、ちょ!?」

 密着していた身体を離してしまったのが運の尽き。じゃれるぞーと宣言して、腰を支える手
を片方離して、竜児は大河のおっぱいを揉み始める。
 これは、じゃれる、というのとは少し違うんじゃないだろうか。えっちに至るためのマイル
ストーンとしてではなく、こう嬉しそうな顔で触られるのは変な気分。
「な、内心『大っきくなーれー』とか念じてるんじゃないでしょうね?」
「でかい小さいの話はもういいだろ。何度もこれが好きだって言ってるじゃねえか」
☆ 大っきくなくてもちゃんと膨らんでるからこうして揉めるし、柔らかいし、形は綺麗だし、
乳首はピンク色だし、色っぽくて可愛くて文句のつけようもねえ。神が与えたもうた唯一無二
の乳と言ってもいい。
「あ、あんたの語りは……こっ恥ずかしいから、かかか勘弁して」
「お、おう……じゃ、やめとく」
「……片手だけじゃなく両手で触ったらい、いいんじゃない?」
 そんなに好きなら……と、大河は膝に座ったまま向きを変えて、竜児に背中を向ける。少々
支えが危なっかしくなったが、今度は胸に回した手でホールド。心おきなく、後ろからおっぱ
いもみもみ。

631秋への brilliant road ◆0/FKyHtS2M:2011/06/23(木) 00:06:55 ID:???
 竜児の思い入れというのも、そこそこに複雑だった。
 母親が若くて巨乳だから、でかい乳なんざ見慣れていて、自分はその方面に耐性があるんだ
と思っていた。大河に逢うまで。
 乱暴にすんな、急に驚かすな、と。向こうっ気の強い割には臆病で繊細な、この小柄な彼女
の要望どおりに優しく、掌にすっぽり収まる柔らかなふくらみを撫でる。
 そう言えば、互いに離れていた高三の間に大河の乳は1サイズ育っていたな。
 ちょっと肉付きがよくなったせいかなと思うが、確かいつぞやの秋、小デブに育ったときに
はそうじゃなかったはずだ。見ても触ってもいないから断言まではできないが。
 竜児はまたフッと変な思い出しを始めた。
 揉まれリズムが単調に変わって気になったのか、大河が振り向いてキスをねだる。お互いに
首を曲げて、ちょっと苦しい姿勢。それでもちゅっと。
 親元の方が栄養状態は最適なのかと思うと、少しの屈辱を感じるが、それでもあの軽肥満状
態のときはどんな乳だったのだろう?と、気になりだしたら気になって気になって。そして見
て触って確認できる立場になった今年は、上手いことおだてて、旨いものをたくさん食わせて
やったら再現も?などと、ひそかに余計な事を思いついた。
 はううぅ、と抱かれた大河が可愛いため息をついている。が、竜児の妄想は続く。
 俺はあのふくよかなツラ、実はかなり好きだった。だからなかなかデブってることに気付け
なかったんだよな。あの頃は基本が不機嫌ツラだったが、今年はにこやかな時が増えたから、
あれでニッコニコしてくれたらどんだけ可愛いことか。想像するだけでもう、たまんねえ。
 そんな想像と共にもみもみ動作に込められた愛おしさの波動たるや半端なかった。
 面と向かっては到底言えないがなー。などと思う竜児のふところで、大河は身をよじらせる
寸前。あんたはランジェリーメーカーに就職したらこの才能発揮できるんじゃないのっ?など
と。こっちはこっちで悩ましい。

「竜児ぃ、竜児ってば……」
 はっと気がつくと、抱え込んだ彼女は半身で振り返り、はぁはぁ肩で息をして、頬を薔薇の
色に染めていた。延々と揉みしだいていたおっぱいの真ん中にはこりっと硬くなった乳首。
 どうやら無意識のうちに指でいじめてもいたらしい。
「おう大河。夢中になってて悪いな。痛くしてないよな?」
「痛くない。謝んなくていいっ。竜児ぃー」
 りゅうじりゅうじりゅうじーっと。大河は向きを変えて首に腕を回し込む。く、苦しいっ。
 ねえっ!と耳元で。
「もう一回しよう!とか。考えてるよねっ?」
 わ、私はね?一度いけたから今日はもういいけど。でも、りゅうじがしたいんならつきあっ
てもいい。ほ、ほら、私あんたよりお姉ちゃんだし別にわわわがまま言わないから。
「したいよね?ねっ?するって言えっ」
「おうっ、したいとも。いい「うんっ!!」か?」
 言うが早いか、かぶさる返事。竜児は大河をお姫さま抱っこで持ち上げて、くるっと回って、
そーーっとベッドに置く。
 この40kgを42kgくらいにしてやればいいのか。
 ある意味そんな悪辣なことを考えているとは、さすがの大河にも計り知ることはできまい。
 一旦デブらせたら、今年は強制ダイエットに協力してくれる紙袋覆面チームなど召集はかな
わぬはずなのだが。浮かれた竜児にそこまでの考えは巡っていない。

 2回目の申し入れを快諾してもらった大河は、目を細めてひゃほー、などと小さく歓喜の声
を上げている。傍らに添う竜児に回した腕を外さずに、ちゅっちゅちゅっちゅ、もうオープン
リーチで、幸せいっぱい。
 好事魔多し。フィギュア体型、ぴんち。

 だがこのお話は、なんの心配も要らずにここで終わる。
 なぜかって?
 美味しくたくさん食べまくり、あんたのせいよ!どうしてくれる!?という罵声の飛ぶ季節
が訪れたとして、竜児も、大河も、かつての秋とは違うのだ。

 ふたりで運動するに決まっているのだから。



――END

632 ◆0/FKyHtS2M:2011/06/23(木) 00:41:32 ID:???
以上でございます。失礼いたしました。

まとめ人様へ。
レス番>>630の下から9行目、ミスしてしまいました。

>「でかい小さいの話はもういいだろ。何度もこれが好きだって言ってるじゃねえか」
>☆ 大っきくなくてもちゃんと膨らんでるからこうして揉めるし、柔らかいし、形は綺麗だし、
>乳首はピンク色だし、色っぽくて可愛くて文句のつけようもねえ。神が与えたもうた唯一無二

行頭の☆は単にマーカーで打ったものです。もしまとめていただける機会がございましたら消去のうえ詰めていただければ幸いです。
お手数掛けてもうしわけございません。いつもありがとうございます。

633高須家の名無しさん:2011/06/23(木) 00:55:22 ID:???
>>632
ありがとうございました。楽しめました。
ガチエロなのにほのぼのとはこれ如何に?
って感じでした。

634高須家の名無しさん:2011/06/23(木) 08:38:56 ID:???
ああっ!俺もラブラブな運動がして〜。GJ!

635高須家の名無しさん:2011/06/23(木) 22:05:04 ID:???
>>632
ほのぼのイチャイチャラブラブでたいへんご馳走さまです。しかもそれだけじゃなくて、
>自分から棄てようと思えるときが来るのが……怖い。まだ。
っつードキッとする描写を入れてくるところはさすが。
氏の作品にあった"竜児のデコちゅー"のように、大河の心についた傷も(本人は綺麗に治ったと言ってはいても)まだ時々痛むんだろうなあと感じました。
ますますラブラブにしてやりたくなる話を乙でした。

636632:2011/06/24(金) 12:48:14 ID:???
レスありがとうございます。噛みつき引かれちゃうかなと心配でした。
>>635
竜虎はお互いの傷を癒して貰い合うだけでなく、びびりながらも自分の傷を見て向き合うカップルになると思います。
自分の想像の中では、竜児の方は初めての彼女に夢中っぽく、大河は女として少しだけ先を夢想する感じです。
互いに少し違う事を考えてることを受け入れていって、ふたりの子供が生まれて、いつのまにか望みがかなっていたとある日気づく。
そのときは恋心なんて欠片も残っていないのが可笑しくてお互い笑っちゃうかも。
そこに至る浮かれポンチな日々に幸あれかしと。

637高須家の名無しさん:2011/06/24(金) 23:35:47 ID:???
あちこちでツボを突かれたけど、噛みつきエピソードに一際萌えた自分が通りますよw
あの頃があるから今がある。とわかっていても、思っちゃいそうだよなぁ。
ほのぼのエロエロなんて最高です、GJ!

638 ◆0/FKyHtS2M:2011/08/03(水) 16:57:49 ID:???

【タイトル】ねむとら!
【内容】夏のパン○祭りまたまた参加だぜヒャッハー。3レスもらうぜイヤッピー。8/2が“パンツの日”だなんて気づかなかったぜorz
でも気を取り直して暑苦しい竜虎イチャイチャを妄想!エロスじゃありませんが規制のためこちらに投稿させて下さい。

****

「あれ?」
 麦茶のグラスをふたつ、盆に載せて居間に戻って来た高須竜児は呟いた。早えな、もう落ち
たのかよ。

「ご飯がおいしいのよね」
「そりゃ良かったな。夏バテ知らずで」
 婚約者にして彼女の逢坂大河が例によって健啖家ぶりを見せつけた遅い朝食が終わり、ぷう
と息をつきながら仰向けに寝転がったのを見て竜児が後片付けに立ったのがたしか10分ほど
前だった。
 溜め水でちゃちゃちゃっと食器を洗い、ゆすいで、水切りかごに並べて埃よけの布巾を掛け、
ついでにシンクとガスコンロを磨き上げてから、この季節はすぐ腐ってしまう生ゴミを詰めた
袋を冷凍室に収めて、麦茶を注いで、さあ大河とウダウダすんべーと戻ってきたら、あらどう
したことでしょう、定位置の窓側で二つに折った座布団を枕代わりにした、白いほわほわフリ
ルの塊となってすでに落ちたあとだった。

 居間と竜児の部屋のサッシは全開で、真夏とはいえ風通しがよい日だから満腹感も相まって
気持ちよく寝入ってしまったのだろう。大学生になっても、夏休みの過ごし方はさほど変わる
ものでもない。
 竜児はちゃぶ台に麦茶のグラスを置くと、しょうがねえなと向かいに座り込んだ。母の泰子
も自室で寝てるし、家族ふたりが起きるまでは掃除を始めて物音をたてるわけにもいかなかっ
たから。ただ、ひとり暇を持て余して、幸せそうな寝姿を眺めるのも時にはいいかもしれない
と思い直した。

 今日の大河は、白いフリフリワンピースで白ソックスの折り返しにもフリル、暑いのか白い
カチューシャでサイドを背に流していて、それを肩の辺りで軽く絞るようにまとめたリボンも
白。正確には少しアイボリーがかっていて、天然茶髪の淡い色合いと服の輝く白さとをきっち
りと繋ぎとめる品の良さ。そういえば履いてきたサンダルもエナメルな白で、つま先を眩しく
締めていた。
 白白白でキメた純白のお嬢。色素の薄い肌が対比でとても健康的に映り、こんな一発芸や罰
ゲームみたいな装いでも可愛らしく見せるのは、やっぱり中身が洒落にならぬほど綺麗だから
だろう。
 そうだ、こんなの見れる機会はめったにねえ。写メとか撮っといた方が良いかなと竜児が腰
を浮かしかけた時、窓から強めの風が吹き込んだ。薄いワンピースの裾がまるでヨットのセイ
ルのように南風をはらんでふうわり、まくり上げられて。
 めでたくというか、眩しくというか。色白の腿が晒された。

 ちなみに白ワンピは今朝ドアを開けた時に差し込んだ逆光に短時間ながら透けて見え、下着
もおそらく白であろうと、偶然ながらも竜児は確認を済ましていた。それがコットンかシルク
か細部までは分からないが、興味はあるから後で聞いてみようかなくらいは考えた。男子のた
しなみ、というやつも分かってくれるはずだから怒ったりしないだろう、とも。

 数秒間、竜児は大河の腿チラを見ながら固まった。チラというよりはモロだ。もももろ。カ
タカナで書けばモモモロ。ダマレコゾウ!いやそれは関係ないか。ひざ下のすらっと伸びた印
象とは違ってそれなりに肉づきはあるけど、ぴったり合わせても僅かにすき間があるところが
なかなか……いやどうして。素早くいろいろと考えが浮かぶものだ。
 そうして竜児は、布巾を取り出すとちゃぶ台を拭き始めた。それはすぐに終わり、今度はち
ゃぶ台の脚を拭き出した。まあ、要するに掃除だ。たまにはこういうところも綺麗にしないと
な、という設定で頬を畳に擦り付けるほど腹這いになってちゃぶ台の下に潜り込んだ。

639ねむとら! ◆0/FKyHtS2M:2011/08/03(水) 16:59:32 ID:???
 う〜ん。残念だが角度的に惜しいところで見えない。まあ脚は4本あるのだし、色んな角度
から掃除しても別におかしくねえだろうと思い直し這い出ようとして、ごん!と頭をぶつけた。
と、背中に冷たいものがばしゃーーっっ。
 ああ。麦茶だよそう言えば。こんな時にほんとにもうっ!

 あわてて畳を拭いて、ちゃぶ台の上ももう一度拭いて、足音を忍ばせて風呂場へ行き、ぐし
ゃぐしゃの、先日安売りだったのでまとめて何枚か買ってきた、『乾坤一擲』なる変な熟語が
プリントされたアーミーグリーンのTシャツを脱いで簡単に水ですすぐ。
 こぼしたのが麦茶で惨事にならずに良かったと思いつつ、洗濯は後廻しにして自室へと向か
う。居間通過の際ちらっと見やれば現状維持、まだ間に合う!今度は同じ由来の『隔靴掻痒』
とプリントされている白いTシャツに急いで着替えて元の場所に戻った。
 以上、麦茶をこぼしてからわずか1分間。

 なぜこんな事で俺は息を切らしているのだろう?と少し思いながらも竜児はもう一度先ほど
の“掃除”を続行しようとした。と、そこに風が。ワンピの裾が再びふうわりと……ラストパ
スが通ったそこにフリーのストライカー!1対1!邪眼もきらめいて!みたいな高揚感。
 しかし。う、うう〜ん。大河は寝がえりで横向きになる。

 ――大河ァァァ…………まじめにやってくれェェェっ

 いや、言いがかりではない。決して、断じて。
 この時の竜児が心中呟いた、血を吐くような叫びを否定できる者が居ろうか。絶望の断崖で
竜児は必死に考える。まだだ、まだ終わっちゃいねえ、そうだ!あのときだってかすかなオレ
ンジ色の光を頼りに大河を見つけられたじゃねえかっ。なぜか真夏の真っ昼間というのに竜児
の心象風景は吹雪の雪山。

 まだめくれている。危うくドリクラしそうになった弱い心を必死に抑えて、竜児はちゃぶ台
の“掃除”に戻る事ができた。そうだそうだ。ちゃぶ台をちょっと斜めに向きを変えればいい
角度を取れると気づいて手を掛けて、はっとする。駄目だ、その状態だと見つかった時に掃除
をしていると強弁しにくい。
 どうしたものかと思案顔で見やると、寝転んだ大河の腰の脇に落ちているものが目に入る。
 なんだあれ?と這い寄って拾い上げたそれは、薄いパールピンクで丸く固まった布。生地は
シルクであろうか。輝く光沢に目を奪われる。
 ああ……これぞ念願のパンツ。

 寝がえりをうったときにこぼれ落ちたのだろうけど、なぜ大河は替えのパンツをポケットな
んぞに入れておいたのか。ポーチとかバッグに……と考えて竜児は思い至った。

 大河は高須家に手ぶらで来ている。もうずいぶん前から。
 だって身の回りのものはぜんぶここにあった。タオルだって着替えだってシャンプーだって
スキンケア用品だって専用のものがちゃんと置いてある。
 ないのは下着だけだった。それだけは分けて自分ちで洗っていた。ずっと。

 そうかそうか。こんなに仲良くはなったけどやっぱり女の子なんだ、そういうのは恥ずかし
いんだよなあ、と気づいて、竜児はピンクパンツを自分のポケットに仕舞った。落としたまま
放っとくわけにはいかないし、いま気づかれないように元の場所に戻すのは難しい。

 背中側からそーっと覗きこんでみれば、前面はまくれ上がって白いパンツがちょっとだけ見
えていた。よし、当初の希望とは全然違うがひとまずミッションコンプリート、と起こさぬよ
う裾を戻してやる。
 その際に大河の膝が目に止まった。転んだり、ぶつけたりで歴年の古傷がいっぱい。竜児は
何の気もなく、いつも見ればそうしているように、ここでも膝小僧をつるんと撫でた。

「あ?……ん?……りゅうじ……?」
「お、おう。起こしちまったか。悪かったな」

640ねむとら! ◆0/FKyHtS2M:2011/08/03(水) 17:00:34 ID:???
 背を向けて寝ていた大河が首だけ起こして見上げる。眠りがちょうど深いところだったのだ
ろう、醒めきらぬままこどものような、あどけない表情をしていた。
 あ、しまったと竜児は思った。写メも撮ってねえし、パンツなんかより寝顔をよく見りゃ良
かったか、と、少しばかり後悔する。

「ん……んーー、ははっ、竜児ぃ〜」

 仰向けになって、両手を竜児の方に差し伸べる大河は、そんな葛藤を何ひとつ知らない。
 その手は吸い寄せられるように顔を近づけていった竜児の首に回された。竜児も大河を抱っ
こして身体を起こして、座り込んだ。小さくて、華奢で、柔らかく熱い。真夏になってから、
こんなふうにくっ付くのは、そういえば久しぶりだった。

「……ねむいぃ……ふわふわして……気持ちいいの」

「おう。じゃまた横になるか?」
「ううん。ちょっとこうしてる……」
「そのうちじわじわ暑くなっちまうけどな、ま、それまでな」

 まだ半分眠っていてぐにゃぐにゃな大河の姿勢を楽にしてやろうと抱き直す間に、竜児はさ
っきのパンツをこっそりとワンピのポケットに戻すのも忘れなかった。スケベで、だけど優し
い男だから。
 その耳にちゅっと唇をつけて、大河が変な声でぐふぐふ笑う。

「りゅーうじ……えっちなこと……するうぅ〜?」
「ばぁーか、すぐそこに泰子いんだぞ?真昼間だぞ?」
「あー、はぁー、そっか……。そうね。うー」

「ん〜〜。……りゅーうじ♪」
「おう、なんだ?」
「呼んだだけー。りゅーうじっ?んふ、んふふふふ……おう?」
「……あごしゃくって恥ずかしい要求するんじゃねえよ……たーいが」

 仕方ねえなという振りをしてみるけど、カチューシャでサイドの髪を背に流してさらけ出し
た、少し桃に染まった大河の耳元で、竜児も同じようにささやいてみる。

「いいじゃん……ぶぁーか。……ぐふ、ふふふふ。……もいっかい」
「たーいが」
「りゅーうじ……りゅーーぅじっ」
「おう。たーいが♪」
「ぷっくくっ、ひるまっから……何やってんの……あんた」

 言えと促しておきながら何がそんなにツボだったのだろう、くっくっくっ、っと身体を震わ
せている大河をきゅっと抱きしめながら、半覚醒の虎、というのもめちゃめちゃいいもんだな
あと、竜児は思った。

 ああっ、はんかくせえ!(津軽弁)

 ちなみに、この日の夕食は締まり屋の竜児が珍しくローストビーフを焼いたという。かのう
屋で塊肉のトレーを手に取った時、ぴょんと小さく跳ね、オーブンモードのレンジで焼き上が
った時には思わずバンザイをしたという一日中ゴキゲンさんな大河の姿を見た者は、そうは多
くなかったが。



〜おしまい〜

641高須家の名無しさん:2011/08/03(水) 22:26:51 ID:???
>>638
>たまにはこういうところも綺麗にしないとな、という設定で頬を畳に擦り付けるほど腹這いになってちゃぶ台の下に

竜児さん何やってるんすかw頭ぶつけてるしwwww麦茶wwwwwアホスw
すがすがしいくらいの男子っぷりですなあ!
そう、自然にめくれてこそエロス!あっさり自分でめくるなどロマンが無いのです!ビバふんわり!ビバ白シルク!
もうおねむの大河かわいすぎて飯が三杯食えるわ。乙乙乙でした!

642高須家の名無しさん:2011/08/03(水) 23:28:33 ID:???
いいねいいね!
いちゃえろ成分っつーか、あなたの作品のそこが好きだw

643高須家の名無しさん:2011/08/04(木) 22:10:39 ID:???
パンツ返すのかwさすが竜児
てっきりお宝ゲットだぜ!かと

644 ◆oLWU/inCrU:2011/08/26(金) 02:13:30 ID:???
レスの流れで思いついて、いざ書き込もうとしたら全鯖落ちてたでござるorz
>本スレの282
間違えちまったてwwいいなあ、顔がにやけたまま戻らなくなりますな…

新生児への数時間おきの授乳で目の下真っ黒にした大河、それをやたら心配する竜児、
手伝うべくやっちゃんが泊まりに来て、的な妄想がむくむくと。
以下数レスお借りします



「お〜よちよち、世界一かわいいでちゅね〜♪」
「……ねえ、やっちゃん。」
「なぁ〜にぃ、大河ちゃん?
 やっちゃんがちゃ〜んと見てるからぁ、休んでていいんだよ〜?」
「うん、ありがと。
 あのね、やっちゃんが竜児を……。
 ──やっぱ何でもない。」
「竜ちゃんがぁ、このくらいちっちゃかった時はぁ〜、」
「!」
「やっちゃんには竜ちゃんしかいなかったんだ〜。世界で二人っきりだったんだよ〜。
 だからぁ、ちょ〜っと大変だったけどぉ、ち〜っとも嫌じゃなかったよお!」
 ちょっとどころじゃなかっただろうな、と大河は思う。自分には安心して住める家があり、収入があり、家族みんなに祝福され、何より愛する伴侶が傍にいるのだ。
 大河は唇を噛んで、相変わらず年齢を感じさせない義母の柔和な笑みを見つめた。
 この人は、一体どれほどの寂しさを、苦しみを、ひとりで──。
「私……。やっちゃんにとても、とてもひどいことをしたんだね。」
「え〜?」
「やっちゃんの大事な竜児を。やっちゃんから奪おうとしたよ。
 ずっとずーっと長い間会えないような遠くへ、連れて行こうとしたよ……。」
 子を持って初めてわかる親心。
 涙声でうつむいたつむじを、赤ん坊を抱いていない方の手が優しく撫でた。
「大河ちゃんは〜、竜ちゃんを奪ったりなんかしてないよ〜。」
「だって、バレンタインのあの夜……!」
「大河ちゃんは竜ちゃんを連れて帰ってきてくれたんだよ〜。
 もしあの時大河ちゃんが一緒じゃなかったらぁ、竜ちゃんとやっちゃんはあのまま、二度と会えなかったかもしれませ〜ん。」
「そんなこと……!」
 あり得ない、と叫ぼうとした大河を遮るように、泰子は小さく首を振った。
「あるんだよ〜。
 それにぃ、前も言ったけどぉ。大河ちゃんがず〜っと竜ちゃんと一緒なら〜、やっちゃんはそれでいいやって思ったよ。
 だからぁ、やっぱり大河ちゃんにはいっぱいい〜っぱい、ありがとうなんだよ?」

645 ◆oLWU/inCrU:2011/08/26(金) 02:25:02 ID:???
 こんなにかわいい天使ちゃんにも会わせてくれたしぃ〜、と孫のふくふくほっぺに頬ずりする姿は、大河にかつて見た聖母のイコンを思い出させる。
 その時、その腕の中の小さな命がむずかるように声を上げた。
「や〜ん、すぐおっぱいの時間がきちゃう〜!
 やっちゃんは残念だけどもう出ないから〜、今のうちに寝ちゃわなきゃ〜。」
 いやんいやんとかぶりをふるたび、その大迫力の膨らみがゆさゆさ揺れて、説得力が無いこと甚だしい。
「──ありがとう。じゃそうさせてもらうね。
 お休みなさいやっちゃ……、“おかあさん”。」
 一瞬だけきょとんとして、すぐに破顔し。泰子は“娘”の少し痩けた頬を、手のひらで優しく包みこんだ。
「お休みなさい、大河ちゃん。」
 ──かわいいかわいい娘ちゃん♪
 歌うようにそう囁かれ、大河はこみ上げる感情を堪えるように、深々と頷いた。

      おわり。

646 ◆oLWU/inCrU:2011/08/26(金) 03:23:53 ID:???
↑注意書き忘れてました、エロ無しほのぼの、やっちゃんと大河の会話です
エロイチャスレに親心の話を混ぜてすんません!萎えた方まじすんません!!

647高須家の名無しさん:2011/08/26(金) 03:35:48 ID:???
ええのうwww
やっちゃん頼まれなくても出動してきそうだ、ってか初手から二世代同居してそうw
園子ばあちゃんも来そうだし、大河ママも出産時は里でとかツンデレ主張しそうだし。
結局赤ちゃんに一番触れ合わせてもらえなさそうなのは竜児かもしれんwww

648 ◆Eby4Hm2ero:2011/08/26(金) 12:48:15 ID:???
よくわからんけど本スレ書けない……

649とらドラ!で三題噺 ◆Eby4Hm2ero:2011/08/26(金) 12:48:43 ID:???
お題 「ピンク」「当然」「極道」



「いらっしゃいませー!」
 元気のいい店員の声に迎えられて、ファミレスに入って来たのは地味目の服装に大きめのサングラスで顔の半ばまでを覆った女性。
 だが、隠しきれない美貌とスタイル、何よりオーラとでも呼べばいいのであろうか、かもし出す雰囲気が周囲の視線を惹きつける。
 案内を断わり、その女性が向かった席に居たのは、逆に周りの人間に視線を逸らさせる眼光を振り撒く極道の若頭……ではなく。
「やっほー、久しぶり、高須君。元気だった?」
「おう川嶋、お前も元気そうだな」
「そりゃもちろん。この業界、体が資本だもの」
「だけど、忙しいんだろ? 最近はしょっちゅうテレビとか出てるじゃねえか」
「まあね。実は今日も久しぶりのオフだったり」
「すまねえな、そんなめったにない機会なのに大河の奴熱出しちまって」
「ねえ、それって本当に熱?」
「おう?」
「昨日の夜、休み前だからって頑張り過ぎて、足腰立たなくしちゃったんじゃないの?」
「っ! ん、んなわけねえだろ!」
「どうだかねー。あんた達の『せいかつ』を聞くかぎりじゃあながち外れてもいないんじゃないの? あ、もちろんりっしんべんの方ね」
「……そーゆーことをどこから聞いてくるんだよ」
「当然、タイガーから聞き出したに決まってるじゃない。ま、あたしは半分以上実乃梨ちゃん経由だけどね」
「……おまえらなあ……」
「や〜だ、怒らないでよ。そのぐらいガールズトークの範疇なんだから。あ、そうそう、これお土産ね。高須君にぴったりの選んできたから」


「……で、これ何?」
「ドラゴンフルーツ、だそうだ」
「なにそれ、駄洒落?」
 川嶋亜美の沖縄土産は尖った鱗が生えた赤い大きな卵のような外見で、なるほど竜の卵と言われればさもありなんといった風情。
「なんでもサボテンの果実だとかいう話だけど……」
 言いながら果物ナイフで二つに割ってみると、その中身は……
「うわぁ……」
「おう……」
 思ったより薄い皮に包まれた果肉は、皮よりも薄い赤……というか、むしろピンク。それも蛍光色に近い感じの。点々と散る黒い粒は種だろうか。
「……これ、本当に食べられるの?」
「……そのはずだが……」
ともかく一口大に切って、おそるおそる口に運んで見れば。
「あら、美味しい」
「おう、これは意外に……」
「甘すぎないのがいいわねー。私この味好きかも」
「おい大河、だからって俺の分にまで手を出すんじゃねえ」
「いいじゃない、病人は労わりなさいよ」
「おまえさっき、もう大丈夫だって自分で言ったばっかじゃねえか」
「あー、ところでこれがどうして竜児にぴったりなのかしらねー?」
「おう? ……やっぱ、名前じゃねえのかな」
「あんたが実は、一皮剥いたら頭の中どピンクのエロエロ犬だってことだったりして」
「そうだ大河、おまえ、櫛枝や川嶋に何話してるんだよ」


「んであーみん、正解は?」
「実乃梨ちゃんならわかるでしょ?」
 ドラゴンフルーツをつまみながら、亜美は僅かに微笑んでみせる。
「んー、見た目でちょっと引かれがちだけど、実際の所中身は優しくて甘いってとこかな?」

650 ◆oLWU/inCrU:2011/08/26(金) 15:15:10 ID:???
>>649
>あ、もちろんりっしんべんのほうね
いかにも亜美たんが言いそうだw実際はどうなんだ竜児!
女子だけで何喋ってんだろね本当にww
ドラゴンフルーツの解釈には参りました。確かにあれ、見た目を裏切る優しい甘さっすなー。

すんません、どなたか>>644-645も転載して下さると助かります
やっぱりここには相応しくないような気が。
自分まだ本スレに書き込めないみたいっす

651ms07b3:2011/09/18(日) 20:21:28 ID:OHZ2X3C6
高須夫妻の日常②
竜児は、祖父の金銭的援助のおかげで、大学の建築学科に入学する事が出来た。
これは大河の父母の影響。竜児としては、大学卒業と同時に大河と結婚する為、
大学で学ぶことは将来、自分が生計を立てられるような実学である必要があった。
では何を学ぶべきかと考えたところ、身近なところに2つのお手本があった。
一つは、高須の祖父ちゃんのような公認会計士の道。もう一つが、大河の母のよ
うな建築士という道だった。
高3の夏休みまでは、会計士になろうと考えていたのだが、夏休みに鈍行電車専
用切符を使って、12時間近く電車に揺られて大河に会いに行った時に、大河の
家のリビングで目にした一枚の住宅写真が竜児の運命を変えた。
一組の老夫婦が平屋の玄関先で、満足そうな笑顔を浮かべている。その笑顔は良
く似ていて、二人が重ねてきた年輪のような皺も、同じような深さを刻んでいた。
大河の母親は、大きな建物を造った実績はないが、限られたスペースを極限まで
活用した一般住宅や、女性の視点から考えた建物の設計が得意だった。
この写真の家も、子育てを終え、定年を迎えた2人が、残りの人生を過ごす終の
棲家として注文されたものだった。
注文主にこんな風に満足して貰えるうえに、高価なポルシェを乗り回す事ができ
るのだから、それなりに収入も良いはず。
会計士よりも、人の幸せに直接携わる事ができる建築士という仕事は、竜児に
とって理想的な仕事だった。
2泊3日で大河の家を訪ねたのだったが、初日だけオランダの町並みを模した
テーマパークで大河と過ごしただけで、残り2日は大河の母親に頼み込んで、
建築事務所の見学や現場作業への同行で終わってしまい、大河をむくれさせる
結果になった。
帰りの夜行電車に乗る前に、大河の義父・母と夕飯を共にした際に、竜児は建
築士になる為に、建築学科のある大学に進みたいという希望を伝えた。
大河の母親は、自分の機嫌を取るための阿りと受け止めたのだが、義父の方は、
建築士という仕事が判り易く解説している何冊かの本を読むように勧めた。
正直、高校3年の夏にいきなり建築士になる道を選んだのだから、一浪くらいは
覚悟するのが普通なのだが、竜児は持ち前の粘着質と努力で寸暇を惜しんで勉強
を続けて、晩秋の模試では、合格圏内という判定を受ける事ができた。
竜児が入学した大学は、大河の母親が卒業した多摩地区にある技術系の大学で、
東京の大学に進む為に単身で上京した大河のキャンパスにも近かった。
高校卒業と共に入籍を望む大河と一悶着あったが、収まるところに収まって、2人
の大学生活はスタートした。

652高須家の名無しさん:2011/09/21(水) 04:56:22 ID:???
乙!続きに期待
②になってるが①はどこだろう

653652:2011/09/21(水) 04:59:17 ID:???
まとめサイトにありましたわ

654ms07b3:2011/09/30(金) 21:14:53 ID:???
車のフロントガラスを叩く雨粒は風の加勢を得て盛大な音をたてる。
ワイパーは最速モードで動かしているのだが、雨粒はガラスを滲ませる。
沖縄あたりをウロウロしていた台風が、思い出したかの様に、日本列島を一直線に貫く軌跡を描いて動き出したのは
つい昨日。 三連休を潰して、幾つかの設計事務所が参加するコンペティション用の模型を完成させたのだが、それ
に気を取られている間に、施工物件の台風対策をする時間がなくなってしまった。
会社から支給されている合羽もレインブーツは既にずぶ濡れ。
作業車はビニール製のシートだから、濡れてもあとで拭き掃除をすれば良いのだが、やっぱり良い気分はしない。
台風対策を講じなければいけない物件はあと3件。
家族の送り迎えの車で普段以上に道が混雑しているから、全てが終わって家に帰れるのは日付が変わる頃になり
そうだった。学校に行っている大河は無事に帰れたかな?
自分の事よりも大河の事が心配だった。

池袋で乗った電車はすぐ隣の駅で止まったまま動かない。
吹きっさらしのホームで扉を開けたままでいるから、風に煽られた雨粒が時折、車内に
吹き込んできて、扉の近くのシートに座った大河の膝を濡らした。
大橋まではあと2駅。台風が通過するまでは間違えなく運転再開はしないだろう。
強い風が鋼鉄製の電車の車体をゆらゆらと揺らす。向かい側の窓に広がるのはホテルの
レストラン。風雨を避ける人が多いのか、天気の割には混雑しているようだ。
カバンから携帯を取り出してメールを確認。メール無し・・・。着信なし・・・。
大学を出る前に竜児からメールがあった。
《今日は遅くなりそうだ。しっかり戸締りして先に寝ていろ。風に飛ばされて怪我でも
したら困るから絶対に出歩くな!》
あんたは私の母親かっての。
竜児の優しさが嬉しい半分、いつまでたっても子供扱いする心配性に少し腹も立つ。
今はどうしているんだろ・・・。屋根とか高い場所から落ちなけりゃ良いけど・・。
竜児の事が心配だった。
きっとずぶ濡れで帰って来る。なにか暖かいものを作ってあげよう。

台風は駆け足で関東地方を通過していった。
台風の後始末を終えて事務所に帰り着いたのは午前0時過ぎ。
建物に被害はなかった。
雨合羽のポケットから携帯を取り出す。防水じゃない竜児の携帯は濡れないようにスーパー
のビニール袋にいれておいた。
電源を入れる。ボディーを軽く震わせて電源が立ち上がり、着信やメール受信を知らせる
小さなLEDが点滅を始める。メールの受信件数は15件。2・3通仕事関係のメールが入って
いたが、残りはすべて大河からだった。最初は竜児を心配する言葉が綴られたメール。
返信がないと返信を催促する言葉。最後は返事を寄こさなきゃ殺すという物騒な文章。
でも、大河の愛情にあふれていた。
普段なら勿体無くて乗らないタクシー。でも今日は一刻も早く大河の顔が見たい。
事務所の前の通りを流すタクシーに手を上げて乗り込む。「大橋まで。」

古くて小さなエレベーターを降りてポケットからキーケースを取り出す。
台風が過ぎ去った空には星が光っている。
玄関先に立つと鍵が開く音。勢いよく扉が開け放たれる。
不機嫌さとホッとした気持ちが複雑に絡み合ったような表情で大河が出迎えてくれた。
「ただいま。大河。」そういったら小さく笑った。

655ms07b3:2011/09/30(金) 21:16:20 ID:???
高須夫婦の日常③
車のフロントガラスを叩く雨粒は風の加勢を得て盛大な音をたてる。
ワイパーは最速モードで動かしているのだが、雨粒はガラスを滲ませる。
沖縄あたりをウロウロしていた台風が、思い出したかの様に、日本列島を一直線に貫く軌跡を描いて動き出したのはつい昨日。
三連休を潰して、幾つかの設計事務所が参加するコンペティション用の模型を完成させたのだが、それに気を取られている間に、施工物件の台風対策をする時間がなくなってしまった。
会社から支給されている合羽もレインブーツは既にずぶ濡れ。
作業車はビニール製のシートだから、濡れてもあとで拭き掃除をすれば良いのだが、やっぱり良い気分はしない。
台風対策を講じなければいけない物件はあと3件。
家族の送り迎えの車で普段以上に道が混雑しているから、全てが終わって家に帰れるのは日付が変わる頃になりそうだった。
学校に行っている大河は無事に帰れたかな?
自分の事よりも大河の事が心配だった。

池袋で乗った電車はすぐ隣の駅で止まったまま動かない。
吹きっさらしのホームで扉を開けたままでいるから、風に煽られた雨粒が時折、車内に吹き込んできて、扉の近くのシートに座った大河の膝を濡らした。 大橋まではあと2駅。台風が通過するまでは間違えなく運転再開はしないだろう。 強い風が鋼鉄製の電車の車体をゆらゆらと揺らす。
向かい側の窓に広がるのはホテルのレストラン。風雨を避ける人が多いのか、天気の割には混雑しているようだ。
カバンから携帯を取り出してメールを確認。メール無し・・・。着信なし・・・。
大学を出る前に竜児からメールがあった。
《今日は遅くなりそうだ。しっかり戸締りして先に寝ていろ。風に飛ばされて怪我でもしたら困るから絶対に出歩くな!》
あんたは私の母親かっての。
竜児の優しさが嬉しい半分、いつまでたっても子供扱いする心配性に少し腹も立つ。
今はどうしているんだろ・・・。屋根とか高い場所から落ちなけりゃ良いけど・・。
竜児の事が心配だった。
きっとずぶ濡れで帰って来る。なにか暖かいものを作ってあげよう。

台風は駆け足で関東地方を通過していった。
台風の後始末を終えて事務所に帰り着いたのは午前0時過ぎ。
建物に被害はなかった。
雨合羽のポケットから携帯を取り出す。防水じゃない竜児の携帯は濡れないようにスーパーのビニール袋にいれておいた。
電源を入れる。ボディーを軽く震わせて電源が立ち上がり、着信やメール受信を知らせる小さなLEDが点滅を始める。
メールの受信件数は15件。2・3通仕事関係のメールが入っていたが、残りはすべて大河からだった。
最初は竜児を心配する言葉が綴られたメール。返信がないと返信を催促する言葉。最後は返事を寄こさなきゃ殺すという物騒な文章。
でも、大河の愛情にあふれていた。
普段なら勿体無くて乗らないタクシー。でも今日は一刻も早く大河の顔が見たい。
事務所の前の通りを流すタクシーに手を上げて乗り込む。「大橋まで。」

古くて小さなエレベーターを降りてポケットからキーケースを取り出す。
台風が過ぎ去った空には星が光っている。
玄関先に立つと鍵が開く音。勢いよく扉が開け放たれる。
不機嫌さとホッとした気持ちが複雑に絡み合ったような表情で大河が出迎えてくれた。
「ただいま。大河。」そういったら小さく笑った。

656ms07b3:2011/09/30(金) 21:18:46 ID:???
すみません。題名を入れずに投稿してしまいました。

657高須家の名無しさん:2011/10/10(月) 23:40:47 ID:???
とらドラ! キッズステーション放送第一回を見た。実は初回放送はテレビで見ていない。
Youtubeで見た後、金払ってバンダイチャンネルでもう一度見たりした口。正直、すまん。

アバンで「優しさの足音」が流れ始めたとき、思わずうるっときたわ。

しかしまぁ、大画面はいいね。早くBD来ないかな。

658高須家の名無しさん:2011/10/12(水) 10:12:09 ID:.o36Pw5Q
見て楽しんだらお代を払わねばとは思うけど、再見動機が得られないと正直つらいね。
高解像度で細部見たいとか、繰り返し見て謎を知りたいとかいろいろあるけど、やっぱり作中の時間に何度か浸り直したいっていうのが大きいかな。
とらドラ!はその点申し分なかったから流れるようにDVD買っちゃったなw

クリスマスEDや最終回エピローグ、あと1話メインタイトルカットは本編の一部を成しているのでノンクレジット版が収録されてると疑わなかったのになくて不満。
仕様上で一瞬止まっても連続再生モードを入れておいてほしかったなあ。
BDのスペック表記見る限り今度もなさそうだし(やるなら新規映像特典に表記するはずだから)ノンクレデータがそもそもないのだろう。
2008年制作なのにHDで作ってないとか、ほんと売れると思わずに作ったアニメなんだなあ。

その辺も愛おしいw

659なぜか本スレ落ちてるでござる:2011/10/12(水) 15:07:58 ID:???
立てようとしたがエラー出たのでアイテムだけ置いときますね
AAまずかったら復旧して下さい。スレタイはクスクスに一票


ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレです。
どんなネタでも構いません。大河と竜児の二人のラブラブっぷりを勝手に想像して勝手に語って下さい。
自作のオリジナルストーリーを語るもよし、妄想シチュエーションで悶えるもよし、何でもOKです。
次スレは>>970が立ててください。 もしくは容量が480KBに近づいたら。
             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
           /:::::::::::::::::} ::::::::::::::::::::::::::::::::トゝ
           /::::::::::::::::、::ヘ::::::::::::::::::ィ:::::::::',
          ノイ:::::::::/厶トハ:::::::::/厶」::::|:ト|
           | lヘ /V-。ミヽ:ハ //。--}ハN
           Vトハ{ `ー‐'  ` ー ' .|リ
            {ヘハ :::::    }   ::::: l'
              }:.、   、    ,   ,′
               N个 、  ̄   イl
              r<|   > < |‐- 、
              |  `ー‐┐ r‐'~ ̄}    _
             ,.人__    {  }  _ L 、 /´: : :\
           /     ̄`  く_ノ '´ , < {__: : : : : : ヽ
      _ .. -<           ○  /r :⌒: : : \⌒ヽ : : :\    
    r‐'                  { /: : : :i: : : : : : : : : :\:: : :}
   .}  ∧               |/: : : ,: :|: : : : : : : : : : : : : : {       
   |   ∧   !          /: : ::/厶|_: : : :∧:ヽ : , : : : :.|
   |     ヘ  |          }: :|: Ⅳ=、|: ! : :|⌒V、: }: : ! : |
   |      '  i          (_|: : !{"芹代ィ: : {ィ示ミy: : ::| : |
   |      } }  ,          {: .:r.{l ヾ= ' \jゞツY: : |: :| : |
   |      リ/          .∧: |: :ゝ:::::  '  :::::∠ イ: |: :} : |
    }      |          /: :.V ::::>  ` '  , イ l}:ノレ: : :ヽ
    |  :.    |          /:/: : : .:::,:⊥| `¨ {_:::::. : : : : : : : 八
    |   \  |          /::ル--っ: \〈    ノ`):: : r‐ 、: : : : : :、
    |    \人        /:// 二つミ: :r)ヘ ∠//7フ7二ヽ:_: : : ::\
    |   __` }       〃/ ,仁二) )乂ミl彡': : {  _ト┬ } ∨:::ト、: \
    | / ――L____ ノ// / r―'’v: : ゝV (: : : |三彡} と |  }: :| 〉: : }
   〔            //¨{  /  y _)ノY_入_/ V礀  ハ | l ∧ ∨: : /
     ト           /:′ !  }  |    厂「 } {Ⅹl    ',|./ /  }: : : /
    |          /: |  |___/|  l   , ′ | '、 ̄ !     }|_/ /: : :(
    `ー‐---=≧_(|: :{_O| /: :|  ! /   ,j  ', ∧   ハ: }/: : : : : :}
       |       ∧: :\「: :|  | /   / |   ', |\   〉: : : : :/

まとめサイト
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/

前スレ
【とらドラ!】大河×竜児【ナデナデ妄想】Vol25
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1308756083/



449 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/22(水) 23:59:25.04 ID:rdaKOPK+0
スレタイ案拾ってきました。
【クスクス妄想】
【キュンキュン妄想】
【モエモエ妄想】
【ピカピカ妄想】
【スヤスヤ妄想】
【ヌクヌク妄想】
【ホカホカ妄想】
【モヤモヤ妄想】
【ポカポカ妄想】
【トロトロ妄想】
【ソワソワ妄想】

660高須家の名無しさん:2011/10/12(水) 19:19:11 ID:???
立ててくる

661高須家の名無しさん:2011/10/12(水) 19:26:07 ID:???
次スレ
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1318414786/

仲良く使ってね!

662高須家の名無しさん:2011/10/13(木) 03:22:03 ID:???
>>658
見て楽しんだから罪滅ぼしに原作を買って、もう何回読み返したか数え切れない。書いたSSも数え切れない。
むぅ。

密かにBDで注目しているのは例の「女性徒」が修正されるか否かだ。

663高須家の名無しさん:2011/10/21(金) 21:39:14 ID:???
アニメ見始めて3話目で「なんでここからテンプレラブコメやねん」と萎えていいやラストだけ見よと
25話に飛んで「どうしてこうなった!?」、24話に戻って、それでも納得できずに23話と遡り、それでまた1話からじっくりとw
どうしてこうなったのか納得したくて原作も読んで、延々と納得しきれずにSSまで書いちゃったり。

竜児が大河を必要とした思いは原作読んで初めて一応の理解ができたのだけど、
アニメは台詞が改変されていてその刷り込みからなかなか逃れられない。
「俺の残りの人生をおまえにやる!」
これを聞いた時のなんか贖罪めいたニュアンスが忘れられない。分かったような顔をして本当のお前を見なかった、ごめん。
そう竜児が言っているように聞こえてしかたなかった。
でもこれって解釈のしようによっては原作の同シーンと真逆の意図を大河は受け入れたことになっちゃうじゃないか。
いろんな場面で大河は何を思ったのか、竜児は、とふと気がつけば考え込む。

とらドラ!ライフはなかなか充実して楽しいものです。
竜虎はその辺にいつもいて、ふたりだけのひそひそ話をしてはいちゃいちゃしてる。

うん。自分語りごめんね。

664高須家の名無しさん:2011/10/21(金) 22:56:24 ID:???
好きな人多いから言い難いが、ぶっちゃけアニメ版は好きじゃない
何も逐一原作通りになぞってほしかったわけじゃない、媒体の違いも理解しているつもりだが
竜児と大河の物語としてもっと描き様があっただろうと

その点、漫画版には結構期待してる
…まず完結するかが謎だけどな!

665高須家の名無しさん:2011/10/23(日) 07:39:52 ID:???
あまりにも原作読みすぎたんで、だいぶアニメ版の印象が薄くなってはいるんだが、
原作9巻あたりでみっちりと描かれた「もう、大河が傷つき続けるなんて我慢できないんだ」
という気持ちのせり上がりがアニメには無かったよな。

アニメのあの流れだと「あんたは同情してくれるんだ」っていう大河の問いを、
竜児ははねのけられないようではある。

666高須家の名無しさん:2011/10/30(日) 22:05:59 ID:???
あんな同人ゲー作ったんだから、アニメでは
原作並に深い濃い二人の描写をしてほしかったわ。
主人公とヒロインなのに、一番割食ってる気がする・・・

疑似結婚式とかシーン単体は良かっただけにね。

667高須家の名無しさん:2011/11/05(土) 02:18:34 ID:???
アニメ5話見た。

いいわぁ。引きこもりタイガーに「北村は全部知ってるから心配するな」
っていうときの、竜児。凶眼がほんと優しげだ。

668本スレ26の178:2011/11/13(日) 23:08:14 ID:???
本スレで話題に出てた紳士淑女の正装
一応R指定なのでご注意を

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2259444.png

669高須家の名無しさん:2011/11/20(日) 23:27:59 ID:???
『クリーム・ソーダ』で、「じゃ、じゃぁ、本当にできるかどうか、見せて」と大河に迫られて、
ズボンの上から竜児が触らせるという純愛アナザーを妄想中。あくまで純愛に徹するのがポイント。

670高須家の名無しさん:2011/11/21(月) 16:25:30 ID:???
ご、御本人であれば妄想と言わず形にry

671高須家の名無しさん:2011/11/22(火) 00:20:37 ID:???
すごく…読みたいです

672高須家の名無しさん:2011/11/22(火) 01:33:51 ID:???
アニメの竜児は1話や5話でめし時に大河が涙目になると頬を染めるようなムッツリスケベ野郎だが原作では純愛一路だなw

673 ◆fDszcniTtk:2011/11/22(火) 08:21:13 ID:???
>>670
くそ、なぜ本人だってばれたんだ(w

674高須家の名無しさん:2011/11/22(火) 19:00:12 ID:???
すでに読める形であるSSを改変する妄想はしてもそれを堂々と表明するやつぁ普通本人しかいないだろう(棒

675高須家の名無しさん:2011/11/22(火) 23:57:35 ID:???
なるほど

676高須家の名無しさん:2011/11/23(水) 04:47:37 ID:???
>>673
御本人だったらかか書いてくれないかな!という欲望に駆られて
書き込んでしまいましたが、当たっていたようで…w
すごくすごく読みたいです

677高須家の名無しさん:2011/11/27(日) 23:28:36 ID:???
来年1月放送の「輪廻のラグランジュ」には、能登、春田、独身の中の人が出てるな。

678高須家の名無しさん:2011/12/02(金) 21:10:26 ID:???
また大規模規制でもやってるのか?せっかく盛り上がってたのに水差されたな。

679高須家の名無しさん:2011/12/05(月) 21:54:19 ID:???
本スレ移転した
ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1318414786/

680こたつイチャイチャ〜オチパート『寝落ち』 ◆0/FKyHtS2M:2011/12/06(火) 19:10:42 ID:???
本スレVol.26【クスクス妄想】>>306からの〜、オチパート(の一種)です。
大変申し訳ないのですが、さほどエロくはありませんで、その代わり一般的にはきちゃない話です。

原作で言えば鼻の内容物とか、足汗とか尻汗の類ですので、その辺がきもかった向きにはお勧めできませんし、
原作ではゆゆぽ記述によってセーフであっても数段記述力が劣るこちらSSではアウトという事も十分考えられます。

はい注意は喚起しましたからね?

なんで書いたし?それは足汗とか尻汗とかおトイレ借りたいのとか唾液の交換とか、
およそ萌えヒロインとしてふつう言及されないところが描かれる大河に実在感を得られて大好きだからです。
すまん、変態だー!orz

↓では

681こたつイチャイチャ〜オチパート『寝落ち』 ◆0/FKyHtS2M:2011/12/06(火) 19:12:58 ID:???

 ――承前。

 「しゅき……だもの」

 大事な事だから二度言ったらしい。
 で、早くも二度目にはすーすー寝息混じりになって必死に起きていようとしてる。瞼を閉じ
たらさいごとばかりに竜児の目を睨みつけ耐える大河の身体がもわ〜っと暖かくなってきてい
て落ちるのは時間の問題。
 竜児からしてみても丹前羽織って乗られていると暖かなふとんを掛けて横たわってるのと体
感的にはほとんど同じだ。おまけに眠気というのは伝染するもの、ふーん、ふぃーんと気持ち
良さそうな鼻息を耳の後ろに感じて、あ、先に独りで寝るなこら、もっといろいろ……してえ
の……に……。



****


(重てえ……)

 重いよ大河。それにちょっと寒みいし。
 少し覚醒したものの目を開けられる気がしない竜児は、抱き合った柔らかい者に擦りよって
顔を埋めてみた。肩ごと左右に揺するように擦りつけて、あああったけえ、ふよふよして気持
ちいいよ。ちゅっちゅっちゅ、たいがのきょにゅ〜いい匂い、たいが、ぁ……?

 がばっ!

 さすがに目が開いた。くそっ、いつの間に泰子が。ああもう5時過ぎか。テレビの上の時計
に首を向け、夜光塗料のつくる角度を見て時刻を知って、ゆっくりと上体を起こすとどっくん
どっくん拍動を感じる。増した血流ですっかり目も覚め、あらためて状況を把握する。

 まだ薄暗い夜明け前の八畳居間、いつものように帰宅した泰子はいつものような酔っ払いの
勢いのまま、抱き合って寝落ちしていた俺たちに覆いかぶさり力尽きた……とみた。確か寝落
ちする前に大河が占めていた位置にまるっと収まっているから、二人の隙間をこじ開けながら
ズブズブ落ち込んだわけだ。
 その大河はと見れば、ほとんどこたつからななめに蹴り出されて丸くなっていた。まあ寒け
れば自力で入り直すだろうから暑くて自分から這って出たのかもしれない。

 卓上には貪り尽くされたコンビニおでんと新作プリンの空きカップが転がって二時間ほど前
のささやかな饗宴を想像させた。いちおう泰子はじぶんの定位置で仕事を終えたあとのくつろ
ぎタイムを堪能してからこの不埒な行動に及んだらしい。

 子供っぽいほえほえアタマではあっても母は母。普段しない行動に出た動機が問題だが、と
考えた竜児はこたつ布団をめくって自分の着衣を確かめる。良かった、乱れてはいない。別に
泰子から性的に悪戯をされたなんて疑ったわけではもちろんなく、大河と自分が傍目にはケシ
カランと思しき状況で寝落ちしていたからこうなったんじゃないかと思っただけだ。

 とまあ、先ほどから竜児が大勢に影響のないつまらん事を一生懸命考えているのも、寝ぼけ
半分とは言えいい齢して母のおっぱいしゃぶっちまったぁ(谷間だが)というショックに加えて、
しばらくの間それをよりによってな方向で誤認していた事実にも竜児は大いに傷ついたからで
もある。“大河の巨乳”なんだよそれ?“でっけえミニ四駆”みたいだが、位相幾何学的に解
釈すればどんなに大きくとも何ら不思議はなく、aの膨らみが慎ましやかな大河が一番好みだ
がbのFカップ大河も同じ大河と言えて、cのムネが背中側に膨らんでる大河だけを別扱いで
……なに考えてんだ俺。

(忘れよう……秘密秘密……ん?)

 ようやく落ち着いてきたら、酒くさい。というか唾くさいのに竜児は気づいた。あちこち嗅
いでみたら、うへえ、やられた。

682こたつイチャイチャ〜オチパート『寝落ち』 ◆0/FKyHtS2M:2011/12/06(火) 19:13:55 ID:???
 抵抗がないのをいい事に乱入母がべろべろ蹂躙しまくったのだろう、カオがくさい。まあこ
れは中学生くらいまで連日やられていたことだからそれほどのショックはないけど、唾は乾く
となんでこんなにくさいのだろう。他人じゃなく親子なんだからもうちょっと親しみを感じる
ようになっていてもいいはずだが、進化論的に。

 ともかくカオ洗おうと、竜児は静かにこたつを抜け出して迂回。ついでに哀れに丸まってる
大河の側にしゃがんで寒がっていないか確かめる。

(うん。こいつもやられたのか)

 寝入る前に髪を編んでおかなかったせいで盛大にほつれ毛を絡ませてる大河の頬に顔を寄せ
てくんくん嗅いでみれば、自分と同じような酒くささ。たぶん眠りが浅くなったときに夢うつ
つで「くさぁ」などと思ったのだろうか不機嫌なツラしてる。
 丹前の襟をかき合せて縮こまってるのを抱きあげて、台所から入ってすぐ本来は竜児の席に
なってるところで腰までこたつに突っ込んでやってもぐにゃぐにゃ脱力していて起きず、竜児
はしばらく眺めてから洗顔に行った。

 物音を立てないようちょろちょろ流した冷たい水できれいにカオを洗い、居間に戻って泰子
を抱え上げるも引きずって部屋に敷いておいた布団に押し込んでやった。仕事着がシワになっ
ちまうが……まあ、いいか。ふすまをそっと閉めて嫁との仲を裂いた姑の隔離完了。

 明け方の冷え込みが身に沁みて、こたつに戻り明るくなるまでもうひと寝。……の前にどう
しようかちょっと迷ったが、結局竜児はポットのぬるま湯をガーゼタオルに絞って脇に座ると
丁寧に大河の顔を拭き出した。。

(起こしたら可哀想だが、クサくてうなされるのもなあ)

 彼女のほつれ毛を指先で梳いて、力を込めずに少しずつ頬から拭っていった。いつの間にか
身体を伸ばしていた大河に添うようにこたつに入り込んで作業に没頭し始める。最初に寝顔を
見たのはいつだったか……ああそうだ出逢った翌朝だった。あまりにかわいらしくて心臓をギ
ュッと掴まれたような感じになって。

 触れた時に冷たくはないだろうけど、水気を含んだもので顔を拭われて目を覚まさない人と
いうのはまあ、普通いない。うーんとか、あーとか微かな声を大河がもらすたびに竜児は手を
止めて寝息が戻ったらそうっと続行する。
 そんなことを繰り返しているうちに親心なのか男心なのかよく分からなくなってきた。寝顔
から不機嫌さが次第次第に消えていったのを見て湧くのは親心であろうし、(ちゃんと拭けた
かどうか確認するだけだからな……)とか何とか心で言い訳しながら大河のこめかみや額の生
え際をくんかくんか嗅いでみるのはたぶん男心のうち、と自分でも分かってはいる。

 そんな、あらかた用は済んだのに作業を終えたくない竜児が顔を寄せていると、突然大河の
目が開いた。

「りゅー、ぅー、」

 とろんと半眼で光なく。おそらくは眠りの底に近い表情を間近で認めた竜児は、反射的に言
い終わりの、じ?を発声しようとする唇をちゅっと塞いでしまった。さっきからしたくてした
くて疼くような塊を胸に抱えていた。
 しょうがない、と思い、口実だよなとも思い。そうしてやっぱり起こしたらいけない気持ち
も投げ捨てはせず、大河の息を邪魔しないよう触れるだけの優しいキスをと思うのはなにも竜
児がことさらにロマンチストだからというわけでもないだろう。こんなとき男という者は大抵
そうする。

「もっ……とー」

 しまったと思った。こいつは起こすタイミングによっては寝惚け方が尋常ではないと知って
いて忘れていた。ごめんうそ。忘れてなんかいなくて無視していただけ。誰に謝ったのかは竜
児自身にもわからないが、宙を彷徨った細い腕にまたも首根っこを捕まえられ激しく水っぽい
お返しのキスを受け始める。

(あああ、せっかく顔洗ったのに)

683こたつイチャイチャ〜オチパート『寝落ち』 ◆0/FKyHtS2M:2011/12/06(火) 19:14:59 ID:???
 もうキスと言うよりは上下の唇と舌で顔の上を歩きまわられてると言った方が正確だ。本人
としては朦朧としながらもちゃんとしている気でいるかも知れないが、半開きの目にはきっと
視覚はなく、触覚だけを頼りにべーろべろ。その証拠に全然唇を探り当てていないし、ヨダレ
流しっぱなし。部屋の冷気に触れたほっぺた寒い。
 うわーん、もういいだろ!
 ついに竜児もヤケを起こして大河のカオをちゅうちゅう吸い返し始めた。まあこっちは目が
覚めているので「起こしちゃってもいい」程度ではあったけど彼にとっては綺麗に取り繕った
直後の台無し感と親心男心をミキサーに掛けた青汁まずい!もう一杯!状態と言えた。

 薄暗く寒い部屋で、割と緩慢に、ロマンもヘッタクレもないちゅっちゅぺろぺろ行為をして
いると何故かそれでもヌクヌクと幸せ感に包まれてきて、そのうちにまたしてもこたつめの魔
力が……。


****


「……なんだろーね?つーんとくさい」
「……カオ洗ってこい」
「それに寝たの窓側だったはずなのに……はっ?まさか」

 遅い冬の朝も明けきって、窓の外では雀がちゅんちゅんやかましい。
 頭ぼさぼさで半身を起こした大河は傍らに寝そべる竜児を見下ろしてぶちぶち不審そうに文
句を垂れ、次いで着衣の乱れがないか確認したり。

「なんにもしてねえよ……ふぁーーあ」
「……あんたも唾くさい。なんにもってことはないでしょ」

 屈みこんでくんくん竜児の顔を嗅いで、さらに問い詰める。

「お前はなーんにも覚えてねえのか?」
「え?あ?……えと」

 ぺたんこ座りの股間に両手を挟みこんで肩を落とし、大河は小さく俯いて真っ赤に染まって
いく。それを仰向けに見上げた竜児には寝惚けでなく寝たふりだったのかなと思えたくらいだ
ったけど、そんなわけもなく。

「ゆ、夢見たんだと思って……た」
「そっか。……んしょっ。夢ってことにしとこうか?」

 竜児も起き上がって片手でもこもこ丹前を抱き寄せると、力なくぽてっと倒れこむ。

「覚えがないのってやだなー。1回損した気分になっちゃう」
「損はしてねえから安心していい。……わかった。全部順を追って教えるからお前の見た夢も話せよ?」
「し、仕方ないわね。でもご飯が先」

 首を伸ばして竜児の耳元にちゅっ。前髪をたくし上げて大河のでこにちゅっ。その動作でで
きた隙、竜児の喉にもう一度大河がちゅっ。きりがねえ、と彼女の目を見て彼氏が微笑むと少
しばかり恥ずかしそうに俯いて、視線だけを上げてくる。

「あーーーーっ唾くさい♪」
「朝っぱらから何してんだろうな?俺たち」
「こたつのせいね。あ、やっぱりうちには要らないわ。エアコンあるしね」
「なんでだよ。気に入ったんじゃねえのか」
「ここで入ればいいもの。独りで入ったってMOTTAINAIよ……ねえ?」

 そんな同意を求められても竜児は困ってしまうのです。



〜おしまい〜

684高須家の名無しさん:2011/12/08(木) 20:22:03 ID:???
今から初投稿……と思ったら書き込めないようなので、こちらに。
もしよろしければ、代理投稿お願いします。

以降5レス使う予定です。

※SSはフィクションであり、医学的助言を提供しません。体調不良は専門家にお願いします。

685やぶさかではない 1/5:2011/12/08(木) 20:24:22 ID:???
 虎と並び立つものは昔から竜と決まっている、なんて必死に言ってたけど。
 本当は、虎だって竜と並び立つのに必死だったりする。

 竜児のスーパー家事スキルはモテとは程遠いかもしれないが、本当に彼女泣かせなのだ。
 何をやっても勝てる気がしない、というか勝てない。
 私だってドジなりに練習してるけど、料理も掃除も落第点。散々お世話になったから、力量差は痛感している。
 焦る必要は無い、傍に居てくれればいい、そう言ってくれるのは嬉しいけど。
 私だって。してもらうばっかりじゃなくて、何かしてあげたい。
 触ればしあわせ? の手乗りタイガーなんかじゃなくて、恋人として。
 遠い未来なんかじゃなくて、今すぐに。

 今の私に出来て、竜児に出来ない事。普通じゃない私に出来る、普通の事。
 それを、ずっと探していた。

 ……そして、ついに私はそれを見つけたのだ。


***


「なあ大河、その……今日、出来るか?」

 本当は、それも竜児のほうが上手だ。でも「竜児に」という条件を付ければ、話は別だ。

「今日?」
「……おぅ」

 竜児がいかに家事の完璧超人であっても、身体構造までは変えられない。

「そんな、いきなり言われたって準備してきてないし」
「こっちで全部用意するからさ」

 自分の肩や背中まで、手はうまく届かない。届いたって力は入れられない。それが人型の限界だ。

「だいたい、もっと早く言いなさいよ。平日なんだし、こっちだって予定ってものが」
「そんな事言わずに、頼む。メシも付けるから、な?」
「全く……ちょっと待って」

 多くを背負う竜児の肩は、何時だってガチガチに硬い。並の女じゃ歯も立たないだろう。

「……ママ? 今電話大丈夫? ごめん、今日遅くなりそう……ちょっとね……食べてくるからいい……うん、分かってる。ありがと」

 あるいは、みのりんなら別だったかもしれない。でも、先に気付いたのも、傍に居るのも私。

「いいわよ。そこまで言うなら、やぶさかではないわ」

 だからきっと、これが今の私に出来る「普通の事」なのだ。


「すまねぇ、今日は何でも好きなもん作ってやるからさ」
「……じゃあ肉、簡単なのでいいから」

 いつもの放課後、いつもの通学路、いつものように竜児と帰る。
 でも今日はそのまま竜児の家に、去年と同じように。


***

686やぶさかではない 2/5:2011/12/08(木) 20:25:11 ID:???
 ――二人で早めの夕食を終え、竜児がお風呂に入っている間。私は用意された室内着に着替えていた。
 室内着、なんて言うと聞こえはいいけど。
 実際は竜児の中学時代の芋ジャージだ。緑色一色で、もちろん胸には『3−1高須』の名札付き。
 ダサいし、貧乏臭いし、ぶかぶかで裾が余っちゃう生き恥ドレスは今もなお現役である。
 まったくもう。登校前に言ってくれれば、もっと可愛い服持ち込んだのに。

 しかし、ない物ねだりしても始まらない。
 高須家にはマイ茶碗、マイカップ、マイ座布団、マイ歯ブラシ……と大抵揃っているけど、私の着替えは無いのだ。
 毎回持ち込みも面倒だし、本当は何着か置きたいけど。洗濯して干している所を、誰かに見られるかもしれない。
 そう思うと、さすがの私も気が引けた。
 竜児に何かあったら困る。今は一番厳しくて、そして将来を決める大切な時期なのだから。
 本当は婚約者なんだし、やましい事なんて何も無いのだけど。合鍵だって預かってるし。

 まあ、今は芋ジャージでいい。卒業するまでの短い間だもの。
 それに、お古の芋ジャージだって考えようによっては悪くない。緑色だけど。
 裾は折ればいいし、着心地も悪くは無い。それにこの名札……

「……へへへ」

 おっと、つい独り言。今の時間やっちゃんは居ないし、誰にも聞こえてないだろうからいいけど。
 ちょっと恥ずかしいけど、3−1の部分だけ切り取るように頼んでみようかな?なんて他愛も無いこと考えながら。

 竜児の部屋で、
 竜児の服を着て、
 竜児のベッドに座り、
 竜児のいれたホットミルクを飲み、
 竜児の編集したMDを聞きながら、
 竜児の戻りを待つ。

 ああ、これで門限が無ければ最高なのにね。

 遺憾ながらここまでキス無し、そして今日はこのまま自粛の予定。
 だって、これから同じベッドにって時にそんな事したら、その、妙な気分になってしまう。
 心臓バクバクになって、テンションおかしくなって、マッサージどころじゃ無くなってしまう。
 もっとも、竜児のほうから求めてきたなら話は別で、私もやぶさかではないけど。
 でも、きっと無いと思う。
 竜児だって「猛毒」と言ってたぐらいだし、今日はとても疲れてるはずだもの。

 今日の目的はあくまで竜児のメンテ、残り少ない時間は全て竜児の為のもの。
 我ながら何もここまでしなくても、と思わなくも無いけど。
 マッサージの理想の条件が「お風呂で温まった後」「柔らかい場所で」なら、私はそれに応えたい。
 私からベタベタするのは明日からでいい、今日足りない分は明日取り戻せばいい。
 ……だから、我慢する。
 たった半日だけだもの、我慢できないはずがない。


 ――竜児が戻ってくるまであと1000秒、門限まであと6000秒。


***

687やぶさかではない 3/5:2011/12/08(木) 20:25:49 ID:???
「お待たせ」
「相変わらず早いわね。ちゃんと温まった? 髪乾かした?」
「ほっとけ、俺はカラスの行水なんだよ。手抜きした訳じゃねえから安心しろ」
「そ。じゃあ、始めよっか」
「もし寝たら起こしてくれよ、まだやる事あるんだ」
「はいはい」

 意識しないよう、さりげなく。
 まずは竜児をベッドに座らせて、私は膝立ちになって肩を指圧する。
 ベッドと言っても竜児の私物だから通販のシングルベッド、本来なら二人乗りは厳しい。
 それでも、私なら何とかなる。低すぎる背を何度も嘆いたものだけど、世の中そう悪い事ばかりでもないものだ。

「この前やったと思ったら、また硬くなってるし」

 両手の親指を使って、こうグリグリと。……しかし硬い。お風呂で温めてほぐしたはずなのに、まるで鎧でも押してるみたい。
 コリコリというか、ゴリゴリという感触が指に伝わってくる。鎧は鎧でも、錆付いた鎧だ。
 今すぐ、錆を落としてあげないと。

「ったくもう。一体なにをやったら、こんなになるの?」
「休憩中にどうしても汚れが気になってな。あっちもこっちも、と掃除してたらつい深夜に……」
「何やってんのよ、このポンコツ犬。勉強は?」
「や、やったぞ一応」
「だったら早く寝なさいよ。いくら気分転換だって、物には限度ってモノがあるでしょ。馬鹿じゃないの?」
「お前にゃ言われたくねえ」

 何よ。平日は弟の面倒見なくちゃいけないのに、今日もママに無理言って変わってもらったのに。

「あっそ、じゃあもう帰ろうかな?」
「ま、待てまて! 俺が悪かった」
「分かればよろしい。……で、ここでいいの?」
「もうちょい上、手の間隔を狭くして……そうそう。後、もうちょい強く」
「ん」

 それにしても。こうして間近で見ると、やっぱり竜児の背中は大きい。
 だから、一箇所だけやっててもカバーしきれないわけで。押す場所は徐々にずらしていかないといけない。
 肩甲骨まわりを、竜児の反応を見ながら押していく。
 本当はどの辺を押せばいいのだろう?ちゃんと勉強してないし、良く分からない。確か、資格とかあった気がする。
 まあ私は、竜児以外にはやるつもりは無いし、竜児が満足してくれるならそれでいいのだけど。

「……ちゃんと効いてる?」
「おう、いい塩梅だ」
「何そのジジ臭い言い回し、時代劇の見過ぎじゃない?」
「何を言う、料理の基本だぞ」
「あんたは筋金入りね」

 褒めるならもうちょっと気の利いた言葉にすればいいのに、ホント鈍いんだから。
 ……でも、そんな古風な言葉を知ってるぐらいなら、さっきも気付いて欲しかったな。
 ねえ竜児、私「やぶさかではない」って答えたのよ?
 すまねぇ、なんて言わないで。

688やぶさかではない 4/5:2011/12/08(木) 20:26:19 ID:???
「……もういい?」
「もっと……」
「じゃあ、肘でもいい?」
「おう」

 続ける事15分、さすがに指が痛くなってきたのでやり方変更。腕まくりして、肘のとがった部分を竜児の背中に押し当てる。
 両手から片手になるので作業効率は悪いけど、指よりも体重を掛けやすく疲れずに済む。
 それに私の肘は小……細いから、よりツボに入りやすいはず。問題は加減が難しい事で、慎重にやらないといけなくて。

「痛てえっ!」
「やだ、遺憾だわ」

 おおっと。ドジって変な秘孔を突いてしまい「ん、間違ったかな?」とはならなかったが、ノーミスにはまだ遠いようだ。
 やっぱり、ちゃんとやり方勉強したほうがいいかもしれない。後で調べてみるかな。

「これぐらい?」
「もうちょい弱く……いいぞ、そこ百やったら左頼む」
「回? 秒?」
「百数えたら、だ」

 くりくりこりこり……軽く肘を入れる度に、竜児の頭も小さくゆらゆら揺れる。
 本人は気付いて無いみたいだけど、起き上がりこぼしみたいでちょっと可愛い。竜児のくせに。
 百で終わりは味気ないので、数え忘れたフリしてちょっとサービスしておこう。もちろん竜児には内緒で。

「はい、おしまい。次は手でいい?」
「おう」

 軽く背中を叩いて合図すると、竜児は「待ってました」と言わんばかりに横になる。
 私はそのすぐ脇に移動、何度か調整してベッドからずり落ちない位置に座る。
 本当はベッドから降りたほうが動き易いんだけど、もちろんこのままで。
 ここから先は二の腕から徐々に下がって、指の付け根まで揉むだけだ。後は指を回したり、手の甲をさすったり。
 硬くは無いので、さっき休めておいた指とマッサージローラーで十分通用する。

「ほら、次。あっち向いて」
「……拭いたか?」
「気のせいよ」

 汗ばんだ手の平は竜児のシャツで拭いて、今度は反対側の腕。
 手にはツボが集中していて、肩にも効くらしいけど。やっててイマイチ物足りない。
 それは竜児の反応が薄いせいかもしれないし、その気になれば竜児自身にも出来る場所だからかもしれない。
 一年前には指を繋ぐのでさえ恥ずかしかったのに、今じゃこんなに堂々と触ってて物足りないなんて。
 私もずいぶん慣れたというか、贅沢になったものだと思う。

 ……それにしても、大きな手。そのくせ器用で、繊細で、温かくて、魔法みたいに何でも出来て。
 比べて見ると、私の手はまるで玩具みたい。……どうしてこうも違うのだろう? と思わなくも無いけど。
 今は私に出来る事をしよう。
 次は腰、背中、時間があれば足。コース内容は毎回似たようなものだ。

「腰の、どのへん?」
「……」
「このへん?」
「……ぉぅ」

 竜児の返答が鈍くなってるけど、これも平常運転。
 手からマッサージしないのも、わざわざ狭いベッドでマッサージする理由もこの辺りにある。
 畳で寝かせておいたら風邪引いちゃうし、かといってベッドまで運ぶには重い。
 そういう場面でも体格差は露骨に響く、もちろん悪い方向に。
 叩き起こせばいい? そうするのは簡単だ、実に簡単だ。でも、それじゃあまりにも味気ない。
 こういうのは最後が一番おいし……肝心なのだ。

689やぶさかではない 5/5:2011/12/08(木) 20:27:08 ID:???
 ――時計はもう50分を回っている。
 ここまで休憩無し、さすがの私だって疲れてくるわけで。
 だから、隣で寝転がって省エネ運転になったとしてもそれは正常なことであり。
 押すというより、さするという動作になってもそれは仕方の無いことであり。
 掛け布団が邪魔だから、一緒に中に入っていても何も問題など無いのだ。

 感じるのは体温と嗅ぎ慣れた匂い、マフラーよりずっと深く私を包んでくれる。
 私はもう一人じゃない。かけがいの無い、幸せなひと時……
 でも、こういう時に限って時間は早く過ぎてしまうのだ。

「……そろそろ時間だけど、どうする?」
「……」
「……竜児?」

 返ってくるのは規則正しい寝息。竜児はみっともなく涎まで垂らして、安穏な顔で眠っていた。
 ホント、目さえ瞑っていれば悪く無い顔だけど……やっぱり連日の疲れが溜まっていたのだろう。

 出来ればこのまま、ゆっくり寝かせてあげたい。
 一緒の布団で添い寝して、寝顔をずっと眺めていたい。
 そして朝になったら、おはようのキスして起こしてみたい。

 ……でも、今はこれが精一杯。
 まだ高校生だから。私は門限までに帰らなくちゃいけないし、竜児もこれから勉強しなくちゃいけない。

 それに今着ているのは貧乏臭い芋ジャージ、ベッドだってシングルだし、そもそも私お風呂に入ってない。
 そういうのはもっと準備とかムードとか、整えてからのほうがいい。
 どうせやるなら、その時はもっと盛大にやろう。
 私の作った手料理をいっぱい食べさせて(その頃には作れるようになってるよね?)
 入浴剤たっぷりのお風呂に入れて、私も入って。
 服は趣味に走ったフリフリのネグリジェ……いや、あえて触感重視でシンプルなパジャマも。
 照明だって蛍光灯じゃなくて、もっと薄暗くて暖色系の照明に。
 もちろん、ベッドはセミダブル以上で。
 うるさい門限も無し。キスだって解禁して、それから……

 竜児も喜んでくれるかな、それとも贅沢だってぼやくかな?
 疲れているんだ寝かせてくれ、なんて言ったら殴るけど。

 よくよく考えてみれば、物だけだったら隣に住んでた頃に揃っていたのにね。
 やろうと思えばいくらでも出来た環境だったのに、何もしなかっただなんて。今から考えると惜しい事したかも。
 でも、いい。
 他人から押し付けられた物より、自分たちで掴んだ物のほうが良いに決まっている。
 まだ機は熟していない。今がっついても渋いだけ、それこそMOTTAINAI。


 そう言えば、寝たら起こしてくれって竜児に頼まれている。だから今すぐ起こして、今日はおしまい。
 そうするのが正解。
 でも……ああ、やっぱり起こせないよ。少しでも長く、寝かせてあげたい。
 だって、こんなに幸せそうなんだもの。
 いっそ、このまま時間が止まっちゃえばいいのに。

 でも、時間は止まってくれないから。明日も幸せでいたいから。
 我慢する、我慢はするけど……
 私、フィアンセだもん。少しぐらいなら、いいよね?


 だから私は目覚ましを一時間後にセットして、布団を掛け直して、涎も拭いて。
 仕上げに軽くキスを落としてから、そっと部屋を出た。

[fin]

690684:2011/12/10(土) 14:08:12 ID:???
代理投稿ありがとうございました、本当に助かります。

以下、本スレコメント御礼です。

>>325
竜児→大河の癒しは多いので、あえて逆をやってみました。
スピンオフ2で芋ジャージ出た時、いつかやってみたかったネタが上手くいって、嬉しいです。

>>326
ありがとうございます。文体を褒められた事って初めてなので、びっくりしてます。

691684:2011/12/11(日) 18:29:04 ID:???
連投申し訳ないです。
レス後にまたコメントもらえていたので、引き続き本スレコメント御礼です。

>>328
やりすぎて「にせトラSSですか?」と言われるかも、と密かに心配してました。
おかしくないって言ってもらえてほっとしてます。

>>329
芋ジャージネタ以外にも、こっそり使ってみました。見つけてもらって凄く嬉しいです。
ちなみに原書の猛毒ネタは、私も大好きです。どれぐらい惚れていたのか良く分かるので。

692 ◆x6jzI2BeLw:2011/12/19(月) 00:51:08 ID:???
もうすぐ発売日ですね。
記念にって訳じゃありませんけど、本スレ337のアフターみたいな物です。

なお、わざわざ本スレに載せないで避難所なのはエロいからじゃありません。
真面目に書いてますけど、読む人によっては不快を感じる可能性があるのでこちらへ投下します。
別に大河が不幸になったりはしませんし、ひどい目にもあいません。
ちょっと気を使いすぎかも知れませんけど、転載不要です。

では、以下投下します。

693 ◆x6jzI2BeLw:2011/12/19(月) 00:52:15 ID:???

「遅せぞ、大河」
待ちくたびれた様子を見せながら竜児はやって来た大河の姿に複雑さの混じった安堵の表情を浮かべる。
「仕方ないじゃない、竜児が先に行くからいけないんでしょ」
「しょうがねえだろ・・・気苦労ばっかでストレス溜め込んじまったんだから」
「ふん、ずっと側に居るって誓ったのは誰?」
不満気な口調で大河は竜児を非難する。
「だから・・・こうして待ってたんだろ・・・お前が来るのを」
「ま、許してあげる」
花が咲くような笑顔を見せてあっさり大河は情けなさを前に出して謝る竜児に、矛を収めた。

「しかし、なんで制服なんだ?」
「知らないわよ・・・こっちに来たらこのカッコだったし」
大橋高校の制服を着た大河は竜児の前でくるりと片足を軸に回って見せた。
「ふうん・・・大河さ」
「何?」
「今さら言うのもなんだけど・・・お前、かわいいな」
たった今、気が付いたと言う様に竜児はあっけらかんと大河を誉めた。
「・・・高校生の頃に言いなさいよ、そんなこと」
「言えるか」
ギラギラする鋭い視線を伏せて竜児はそっぽを向く。
「ふう〜ん」
そんな竜児の前に回り込んで、大河は下から顔を覗き込んだ。
「あんたこそ・・・ビビるじゃない・・・高校生にしてその顔」
よく、こんなオトコを好きになったもんだと我ながら感心すると大河は何度もうなづく。

10年ぶりと言ってもいい竜児と大河の直接の再会・・・
話は尽きない・・・。


「もう、誰かここ通った?」
「ああ、ちょっと前に北村がな」
大河の問にそんな風に答える竜児。
「元気そうだった?北村くん」
「少しやつれてたな・・・苦労したんだろな、あいつなりに」
しみじみと竜児は言う。
「みのりんは?」
「櫛枝はまだだな・・・見てねえ」
「そう、良かった」
顔をほころばせる大河。

櫛枝実乃梨が来てない事を喜ぶ大河だが、それは不自然なことではない。
なぜなら・・・

694 ◆x6jzI2BeLw:2011/12/19(月) 00:53:23 ID:???

「ちゃんと持って来たか?」
「もち」
問い掛けた竜児に大河は得意になって手のひらに握った物を見せた。
・・・10円玉が六枚。
竜児はため息をつく。
「ちげーよ・・・六文銭だって言っただろ」
「え?うそ」
「ちゃんと書いてあるだろ、そこに」
「あ、ホントだ」

渡し賃 六文

竜児と大河の前に大きな川が見えていて、そのほとりにある船着場に出ている看板には確かにそう書いてある。

「ど、どうしよ」
乗れないよと慌てる大河に竜児は仕方ねえとばかりに大河の手を取るとその手のひらに六文銭を置いた。
「お前の分・・・ちゃんと用意しておいた」
「ありがとう、竜児」
頼りになるねと嬉しそうに言う大河。
「まったく、そのドジ、死んでも直らねえな」
「むう・・・ほら、さっさと行くわよ」
痛いところを突かれた大河は照れ隠しの様に怒った風情を見せながら、竜児の先にたって歩き出す。
・・・昔から変わらねえな、大河のそういうとこ。
優しげな目線で大河の後姿を眺め、竜児は急いで大河の後を追い掛けた。


チケットの無い方はご乗船できません・・・三途の川汽船
取り様によっては怖いことが書いてる掲示番の脇をちょっとおっかなびっくりに通り抜けた大河と竜児は待っていた船の大きさにびっくりする。
「渡し舟って言うくらいだから、小さなの想像してたけど」
「ああ、なんかすげえな」
大型の遊覧船のような船が竜児たちを出迎える。


「なんか、旅行にでも来た気分」
動き出した船の中で楽しそうに大河は笑う。
「良くそんな気分になれるな」
あきれたように竜児は言う。
「いいじゃない・・・竜児とふたりだけでこうしていられるの何年ぶりだろう」
大河は目を細め、少しだけ体重を竜児へ預けた。
「・・・結婚したら、すぐあいつが生まれて・・・」
「それから立て続けだったでしょ」
歳の近い3人の子供たち・・・竜児と大河の愛の結晶。
お互いのいいとこも悪いところもみんな受け継いで、しばらく子育てに追われた日々。

「子供たちを入れて川の字になって寝るのも楽しかったけど・・・もうちょっとだけ新婚気分ってやつ・・・味わいたかったな」
あの頃を懐かしむように大河はつぶやく。
「じゃあ、これが2回目の新婚旅行だ」
竜児はそう宣言する。
「あ、あんたこそ、よくそんな気分になるわね」
驚いたように大河は竜児を見つめる。

そんな大河を竜児は抱きかかえる。
「ほら、しっかり掴まれ」
大河を腕の中に収め、竜児は真上から大河を覗き込む。
大河、両手を無言で竜児の首へ回した。
間近にお互いの瞳を映し合い、どちらからともなく、口元をほころばせる。

竜児はそっと大河への距離を詰める。
大河は大きくまばたきをし、目を閉じた。
久しぶりのそれは糖度マックスの果実よりも甘く大河には感じられた。

695 ◆x6jzI2BeLw:2011/12/19(月) 00:54:04 ID:???

「ここが、あの世?」
「だろうな・・・三途の川を渡ったんだから」
竜児も大河も首を傾げている。
閻魔の庁とでも書かれたおどろおどろしい建物でも出迎えるかと思ったのだ。

現実には川辺からまっすぐの一本道が伸びているのに過ぎなかった。

「ここで立ち止まっても仕方ないでしょ、行こう」
「おう」
大河に引っ張られるように竜児も歩き出す。

のどかな田園地帯とでも言う中を道は通っていた。
「花は咲いてるし、チョウも飛んでる」
「あの世、らしくねえな」
「案外さ・・・ふたりともあの借家の2階で昼寝してるだけで、たまたま同じ夢を見てるだけかもよ」
いたずらっぽく大河は言う。
「かもな」
あはは・・・と、そのままふたりは笑い合った。
「・・・でも、ホントに夢みたい。竜児と出会って・・・好きになって・・・みんな幸せにって・・・」
「夢じゃねえ・・・現実だ・・・俺とお前は結婚したし、一緒に歩いて来ただろ・・・人生って言う道のりを」
「・・・あんた、何カッコ付けてんの」
「いいじゃねえか、これくらい」
「でも、いろんなことがあったけど・・・竜児に出会えて良かったって思う。それが・・・逢坂大河って言う私の一生での最高の贈り物」
「・・・大河」
「あは・・・そだ、手、繋ごう」
恥ずかしいこと言った照れ隠しに大河はそんなことを言う。
おずおずと伸ばした大河の手を竜児は付き合い始めたばかりの恋人同士の様にそっと手を握った。
竜児の手をさらに握り返す大河・・・。

「もう、離れないよ、何があっても」
大河は決意を口にする。
「ああ、この先、生まれ変ったとしても必ず、探し出してやる・・・大河をな」
「うん、待ってる・・・きっと生まれ変ってもドジで泣き虫で・・・ワガママだから・・・見つけてね、竜児」
「任せとけ・・・間違わねえぜ」
竜児はそう確約した。


「あれ、分かれ道」
一本道だった道が二股に分かれていた。
「左か?」
幅の広い歩き易そうな道が丘の向こうになだらかに続いているのが見える。
「こっちね」
その反対の右へ歩き出そうとする大河。
うっそうと木々の生茂った森の中へ道は続いていた。
「絶対、こっちが正解」
自信満々に大河は言う。
「そうか?でも、どうしてそっちなんだよ?」
「だって、普通の道じゃつまんない」
「お前らしいって言うか・・・いいぜ、一緒に行こう」
笑う大河に竜児は賛意を示す。

手をつないだまま・・・薄暗い森へ消えて行くふたつのうしろ姿。

そのうしろ姿がまばゆく金色に光っているのを歩き続ける竜児も大河も気が付かない。
そして背を向けた丘の向こうの空模様が怪しくなって行くのを知る由も無かった。

696 ◆x6jzI2BeLw:2011/12/19(月) 00:55:02 ID:???

以上です。

ま、あの世の話ですから・・・縁起でもないって思う人がいるかもしれませんので。

しかし、ここまでアフター書くとは思わなかったw

697高須家の名無しさん:2011/12/19(月) 22:08:42 ID:???
でも、自分もこんな感じの幸せな最後を迎えたいと思えました。

698高須家の名無しさん:2011/12/20(火) 00:16:23 ID:???
>>695
アフター過ぎ(ww
しかし、竜児が先か。それはちょっと。約束違反だよねぇ、大河。

699高須家の名無しさん:2011/12/20(火) 00:17:00 ID:???
そしてAmazonからはBD発送の報が

700高須家の名無しさん:2011/12/20(火) 13:34:47 ID:???
>>695
むしろ結婚より確実に訪れるアフターだから共感しやすい
10年も先に逝って成仏もせず迷いもせず待ってたのが竜児らしいな
そこでまあ約束は果たした事になるんじゃないかな、仏教的に

701高須家の名無しさん:2011/12/21(水) 15:26:41 ID:???
新作「弁当の極意」を三連休の楽しみにしてる人も多そうだから感想をこちらに。

冒頭のから揚げ大河のショットを見た時点でアフターからの回想含みと思ったから楽しみにしてた。
このキッチンは新規デザインだから卒業後の大河の家ということになり、どう見ても単身世帯の作りじゃなかったから
原作同様一家そろって引っ越してきた含意がありますね。
やべえwもう大河独り暮らし前提のいちゃえろSS書く大義名分がねえwww

思ったより仲間たちと一緒に卒業した感を大事に扱っていたのは好感。
花見シーン冒頭で北村が手帳見ながらなのは壮行会みたいなの兼ねてるのかな?

スピンオフの弁当話はいちゃいちゃコメディだったけど、大河からのリプライ要素を絡めたことで寓話っぽくきれいなパッケージになった気がする。
餌付けという刺激的な単語を聞いた後に竜児のため大河が作った食いものが(失敗作とはいえ)登場する嬉しさの表現が地味に素晴らしい。
最終的に竜児の口に入るところまで見せてくれて嬉しいよ。
原作ではバレンタインチョコに集約されてるネタをうまくほどいて映像で見せた感。

ラストカットの撮影者は誰?と問えばこれは野暮を言いたくないw
原作の公式アフター『〜雨宿り』と同じく、作品の受け手からの目線で締めたように思いたいね。

作画的には時系列で10月辺りの微妙な表情を統一的に再現するのは難しかったのかなと。
夏休み以前の感じにまとめたようで、ただまあこれはお話から言ってその方が向いている判断だろうか。
中の人たちの演技も同じような傾向を感じた。
能登の人だけやけに二枚目声に聞こえるのは某他作品の印象のせいかもw

というわけで満足した!新作はいいね!
OVAスピンオフ新作シリーズ出してほしいものだ。年1,2回でいいからさ。

702高須家の名無しさん:2011/12/22(木) 07:34:11 ID:???
>>701
スーパーで竜児が「弁当、弁当」と呟いているシーンで、その某作品を思い出した(w
この作品では大河が暴れないから、らしくないっちゃらしくないんだけど、その分 701が
言うように道を踏み外して弁当の闇へと堕ちていく竜児を気遣う表情がよかったね。

それにしても、間島の一人語りは泣かせる。このストーリーにぴったりだ。同じ台詞を
冒頭とラストで違う意味に取らせるアニメスタッフもいいし、久々のとらドラ!で熱演して
くれた声優にも拍手を送りたい。

703123 ◆n0CyHpL66I:2011/12/22(木) 08:45:08 ID:???
放送時からこんなにたっても当時と同じ声が出てるすげぇ
これが声優か

704高須家の名無しさん:2011/12/22(木) 08:45:28 ID:???
変なコテ出ちまったすまん

705高須家の名無しさん:2011/12/22(木) 10:55:53 ID:???
暴れる大河って4巻までと5巻以降で意図が少々異なるわけでさ
秋からの暴れ方というのは竜児はじめ周りの好きな人に自分は大丈夫普通だよと伝えるためって感じがする
本当に暴れたのは会長ブッ殺しに行ったときくらいで、不機嫌そうな見た目もそれに沿ってると思ってるんだ

だからエンジェル大河なんて浅知恵のギミック始めるかなり前からわかりにくいけどいいこなんだなーと
アニメの後で原作読んでそう思ってたから、気遣い描写がアニメで見られて実に納得がいったw

あと何度か見返したら、ごく自然に受け止めてたけど竜児の表情がすばらしくバラエティに富んでるね
「知らね」「構ってられるか」がよく考えたら通常態の竜児らしからぬ刺激的な台詞で、間島の演技を信頼したんだろうな
それで竜児の執着が弁当に逸れていくと認識したら可愛い声が出てくるくぎゅたまらんw
「おかかもいいねー♪」
そのおかか爆発しろっ!

706高須家の名無しさん:2011/12/27(火) 22:53:09 ID:???
とらドラBD-BOX, 18000も売れたのか。DVDが単刊で10000くらいだったのに。
もう、原作完結、TV放送終了から3年近いのにどうなってるんだ。BOX買った俺が
言うのも変だが、みんなおかしいぜ。とらドラを愛しすぎてる!

つーか、BDを出し渋っていたキングの担当者、クビ大丈夫か(汗

707高須家の名無しさん:2011/12/29(木) 19:15:33 ID:???
なぜか本スレ落ちてるから立ててくる
スレタイを竜児×大河にするのはダメ…だろうか

708高須家の名無しさん:2011/12/29(木) 22:38:14 ID:???
今まで通り大河×竜児の方が統一感があって良い

スレタイ案は結構前から残ってる
【とらドラ!】大河×竜児【キュンキュン妄想】が良いと思う

709高須家の名無しさん:2011/12/29(木) 22:40:29 ID:???
三つ目のテンプレのURL修正した
立てられる人使ってください

【※CAUTION※超重要事項!※CAUTION※】

非エロ(ギシアンレベルまで)はここに投下

ガチエロは新避難所に投稿、ここへは告知誘導のみ

アク禁に巻き込まれたなど直接投下できなかった非エロ作品の代理投稿は作者が望んだ場合に可

大河×竜児ラブラブ妄想スレ 新避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/7850/

★関連スレ
竹宮ゆゆこ114
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1319456706/
【竹宮ゆゆこ】とらドラ4!【絶叫】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/comic/1277527895/
とらドラ!手乗りタイガー272匹目
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1325134825/
【間島淳司】とらドラジオ!【喜多村英梨】
http://atlanta.2ch.net/test/read.cgi/netradio/1229772543/
【PSP】とらドラP!part12【ポータブル】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1306069057/

★キャラスレ
【とらドラ!】キャラ総合スレ
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222905488/
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http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1280756770/
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http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1320227957/
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http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1273070058/
■とらドラ! 総合スレッド Part.1■
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1215959570/
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http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1300019672/
【田村くん】竹宮ゆゆこ 35皿目【とらドラ!】(エロパロ板)
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1313928691/

710高須家の名無しさん:2012/01/11(水) 23:28:46 ID:???
『あの夏で待ってる』の脇役、山乃檸檬が原作大河に見えて仕方ない。
生姜ーっなんでこのラインで描いてくれなかったーぁっ!と吠えてみる。

アニメ大河は4巻までの機能でデザインされたように思うんで、
後半はしばしばありえない表情にいきなり変わるのが違和感あったんだよね。

711高須家の名無しさん:2012/01/22(日) 00:02:36 ID:???
また堀江と喜多村が男の取り合いをするのか、と思ってみていたら、
キモいぶさ面が間島だった。

712高須家の名無しさん:2012/01/22(日) 07:42:43 ID:???
パパ聞きか。やっちゃんも居るぞ。2話で行方不明になっちゃったけど。
リコランのあつみお姉ちゃんもちょっと気になるw

713高須家の名無しさん:2012/01/22(日) 16:48:26 ID:???
ああ、そうだ。大原さんもいたんだった。
大原さん、ほんとうに優しいお母さん役が板に付いてるな。

714高須家の名無しさん:2012/01/22(日) 19:09:10 ID:???
しかしなんであの部長の作り声がマジーなのやらw
常時イケメン声すぎるのかもしれないな。崩れてもいい男みたいな。

715竜虎のいやらしいまぐわい?:2012/01/26(木) 21:11:32 ID:???
うーん。本スレ104のもの言いに興奮して書き始めたらこうなった。
どう好意的に読んでもいやらしくまぐわってない。駄目だ俺。上級者求む。

****

 ただいまーと鉄製の扉を開けて大河が帰宅した。
 と言っても、高須家から徒歩10分くらいの距離に親元は別にあり、日が変わらないうちには
そこへ帰るのだけれど、まず大学から帰るとここに寄る。竜児・泰子といっしょに夕ご飯を食
べてくつろいだのち、竜児に送られて帰るのが日々の決まりだ。
 大河の母には公認の仲となってはいるが母の再婚相手、つまり義父の手前は実家で夕食を共
にすべきと思ってるらしく、でもさすがに二度目の夕飯を食べるのも無理で、専ら遅くなって
から帰宅する義父の晩酌に付き合っておつまみを出すくらいに落ち着いてると聞いた。

「で、何作ってんだ?」
「ん。ちーちくときゅーちく、が多いかな?」

 要するに棒状に切ったチーズ、もしくは胡瓜を竹輪の穴に詰めて切るだけのこと。

 手抜きっちゃあ手抜きだけれど、季節も温度も湿度も酒の種類も問わずに時間も掛けずには
いっとひと皿出して、テーブルの角越しに頬杖ついて父娘団らんの時を過ごすためには悪くな
いチョイスと竜児は思っている。

「うん。そういうことならな?オボロ昆布の吸い物を覚えていけ」
「おぼろ?なにそれ?」
「これだ。ダシ昆布のキズモノを鉋でかいたやつ。これを適当に椀にとって、醤油と化学調味料軽く振って」
「おお〜」
「熱湯を注ぐだけ。すすってみ?」
「ふー。わ。意外なほど上品な……」
「だろ?わけぎや三つ葉散らして軽く料亭気分。締めにはいいんじゃねえ?」
「うん、いいかも。お義父さん付き合いで外で呑んできても必ずうちで何か食べる人だからねー」
「買い置きがあるから持ってけよ」
「うん」

 高須家での夕餉を終えて、泰子が行ってきまする☆した後の台所での立ち話がひと区切りつく
と、大河はシンク脇に椀を置いてちょっとためらい、竜児の腰に腕を回して抱きついた。

「うん……(はぁと)」
「お……ぅ」

 大河の身長は相も変わらず143.6cmでぴたりと止まっていて、竜児より30cmほど低い。どうし
たって腰周りに抱きつく事になる。反射的にミスター・マリックのような手つきをしてしまう
が、そんな大河の気分を受け止めるのも竜児だって初めてではない。
 少し膝を緩めて華奢な肩を撫でるように、慈しむように抱き返してつむじに顔を落とすとふ
うわり立ち昇る、雨上がりに錆びた鉄のような匂いを、ああそうか、と当たり前のように受け
入れて納得をし、同時に抑えがたい熱が下から上へと昇り始めたのを感じる。

 肩越しに優しく回していた腕を、大河の脇下に差し込んで弓なりに持ち上げると、彼女は抵
抗もせず反りかえってきつく抱かれるままに息を吐き出した。だんだんと力が抜けて腕に重み
を増すなかで、かろうじて竜児は日常を忘れずに、

「お前、着替えは?」
「あ……ないや」


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