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大河×竜児ラブラブ妄想スレ 避難所2

18虎注2/7 ◆wVNPBvxl56:2009/11/05(木) 08:09:01 ID:???
 北村は心底どうでもいいことに引っかかった。死んだような目をしている割にはよく口が回る。
何か言いたくないことを糊塗するかのように。

「なんでそこまで重大だよ。重要度で言ったら精々能登が時々コンタクトにするくらい心底どうでもいいよ。
 お前俺たちを不断の愛を誓った恋人か何かだと思ってんだろ」

 出てくるたとえがおかしい。竜児は自分の発したフレーズにドキッとした。言うなれば心臓が不整脈的な動きをしたのだ。

「恋人……恋人ね。お前たちの場合はいっそ夫婦だ」
「た、確かに泰子は完全にウチの子扱いしてるけど……って、違う違う、なに言ってんだ。
 ……あー、だからこんな話したいんじゃなくてだな」

 竜児が言葉を探して意味もなく前髪を引っ張っていると、殆ど聞こえるか聞こえないかの声で、北村がぼそっと呟いた。

「……羨ましいよ」
「え?」
「いや?」

 なんでもないさ――北村は夕焼けを眩しそうに見て、深々と嘆息した。

「……まあでも実際珍しいよな、高須と逢坂が一緒じゃないのは。かえって新鮮だよ」
「いや、だからそれは」

 北村はどうしても話を逸らしたい様子だったが、その割に態度はいかにも悩ましげで、
口では全然関係のないことを喋ってその内実は別のことに気を取られている風で、本当はそんなことを
話したいようには見えない。余計はおしゃべりは北村の中で何か葛藤が起きていることの表れなのかもしれなかったし、
意図的に自分自身の意識をも逸らせようとしているかもしれなかった。

「そういえば朝も別々だったな。ケンカしてるってわけじゃないんだろうが。高須は高須で意味もなく掃除してるし」
「ばかやろう。意味はあるし高須竜児が掃除をするのは人間が呼吸をするのと同じように自然なことだ」

 そうとも、うんうん。こと掃除に関しては一家言ある竜児である。自分の趣味を意味もなくなどと
評されては黙っていられず、話を進めたいのにうっかり乗ってしまう。案外竜児も、北村自身の話をすることに
ためらいがあったせいもあるのかもしれない。
 北村のことは心配だけど、どこまで踏み込んでいいものか分からないのだ。
 しかし、あれだけ燃え尽き症候群な一日を過ごしてはいても、身体に染みついた委員長体質なのか、
意外に周りのことは見ていたらしい。

「櫛枝もなんだかいつもと違ったしな。何かあったのか? 亜美もさっき……いや、いいか」
「よかねえけどよ」

 気になることを言う。竜児とて親友の様子に気づくまでは自分のことに気を取られていたのだ。
ともすれば思考は逸れがちだった。思わせぶりなことを言われればなおさらである。

「俺の話はいいだろ、ほんと」
「いや、高須よ」


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