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仮投下スレ2

671カッコつけた言葉じゃない強さを見せてくれ ◆NIKUcB1AGw:2009/10/29(木) 21:32:58 ID:Hjfhj94g
きしむ体を引きずり、ウォーズマンは改めてギュオーの前に立つ。
その体からは、未だ勝利を諦めぬ気迫の炎がみなぎっていた。
だがそんなウォーズマンの姿も、ギュオーの目には滑稽としか映らない。

「哀れだな、ウォーズマン。それほどの深手を負って、まだ私に勝てるとでも思っているのか。
 ならばこの私が直々に引導を渡し、そのわずかな希望を粉砕してくれる!」

醜悪な笑いを浮かべながら、ギュオーはウォーズマンに殴りかかる。
その拳を回避しようとするウォーズマンだが、脚へのダメージが回避運動を遅れさせる。

『あーっと! ギュオーの豪拳が、ウォーズマンの顔面に直撃ーっ!
 ボロボロのウォーズマンに、これはきつい! 勝負が決まってしまったかー!』

プラカードを掲げる中トトロの顔に、汗が浮かぶ。だが彼の予想とは裏腹に、ウォーズマンはギュオーの拳を受けてもしっかりと立っていた。
その代わり、その一撃はウォーズマンの象徴たるものを葬り去っていた。
ウォーズマンの顔面を覆う、漆黒の仮面。先程の重力波ですでにヒビが入っていたそれが、完全に粉砕されたのである。

「ほう……」

あらわになったウォーズマンの顔を、ギュオーはまじまじと見つめる。その顔に浮かぶのは、侮蔑という感情だ。
ひときわ目をひく、作り物めいた眼球。むき出しの基盤。密集した機械の中に組み込まれた、赤い筋肉。
ギュオーが目撃したウォーズマンの素顔は、目にしたものが十中八九嫌悪感を示すであろうグロテスクなものだった。

「なるほどな。貴様の仮面は、その醜悪な素顔を隠すためのものだったか」
「ああ、否定はしない」

嘲りの色を多分に含んだギュオーの言葉に、ウォーズマンは淡々とした口調で答える。

「たしかに俺が仮面を付けたのは、醜い素顔を衆目に晒すのがいやだったからだ。
 俺は自分の素顔を疎み、幼い頃からずっと素顔を隠して生きてきた。
 だが今となっては、俺の仮面はただ素顔を隠すためのものではない。
 貴様が砕いた仮面は、伝説超人(レジェンド)ウォーズマンとしての誇り。
 長年身につけて悪と戦ってきた、俺の体の一部だ。それを破壊したつけ、ただで済むと思うな!」

咆吼と共に、ウォーズマンは跳躍。ギュオーの顔面目がけ、跳び蹴りを放つ。
だがそのキックは、ギュオーの腕にあっさり防がれてしまった。

「貧弱だなあ、ウォーズマン! こんな蹴りでは、私を殺すのに100年かかるぞ!」

自信に満ちたセリフとともに、ギュオーは空中のウォーズマンに対し空いた片腕から重力指弾を飛ばす。
宙を滑る重力の弾丸は吸い込まれるようにウォーズマンに命中し、その体をはじき飛ばした。

「終わったな……」

勝利を確信したギュオーは、余裕の笑みをその顔に浮かべる。だが、その笑みはすぐに消え去る。
マットに伏したウォーズマンが、すぐさま立ち上がったのだ。

「終わっただと? 何を言っているのだ、ギュオー。貴様の相手は、こうして貴様の目の前に立っているではないか」
「貴様ぁ……」

今にも息絶えそうな無惨な姿でありながら、飄々とした台詞を吐くウォーズマン。
その態度は、ギュオーの怒りを掻き立てる。

「なぜだ! 貴様はもう、立っているのがやっとのダメージのはず。なのになぜ、そんななめた口がきける!」

激情のままに、ギュオーはウォーズマンへ幾度も拳を振るう。だが、ウォーズマンはボロボロの腕を盾にしてその拳を受け止める。
そのたびに彼の腕はさらに傷つき、赤い液体と黒い液体が飛び散る。それでも、ウォーズマンは一切苦痛を表に出さない。


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