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仮投下スレ2
670
:
カッコつけた言葉じゃない強さを見せてくれ
◆NIKUcB1AGw
:2009/10/29(木) 21:32:15 ID:Hjfhj94g
「もらった! マッハパルバライザー!」
ここぞとばかりに、ウォーズマンは温存していた大技を繰り出す。
高速回転しながらの突進により両の腕で相手の体を穿つ打撃技、マッハパルバライザー。
至近距離からの発動ゆえ充分に加速できず威力は半減しているが、カウンターで放ったがゆえにそれでも破壊力は充分。
「ぬあああああ!!」
攻撃のことしか考えていなかったためにバリアを張ることもままならず、胸を抉られたギュオーは苦悶の声をあげる。
(さあ、ここからは反撃の時間だ……。一気に勝負を決めさせてもらうぞ、ギュオー!)
痛みがギュオーを硬直させている間に、ウォーズマンは股抜きスライディングで相手の背後に廻る。
そしておのれの両手両足を全て使い、ギュオーの四肢をホールドした。
『こ、これはー! ウォーズマンの伝家の宝刀! 超人界の名門・ロビン一族に代々伝えられてきたとされる至高のサブミッション!
パ ロ ・ ス ペ シ ャ ル だ ー!!』
興奮気味の中トトロの前で、ウォーズマンは容赦なく両手両足に込める力を強めていく。
「貴様相手に、ギブアップに追い込もうなどという中途半端な心構えは命取りになる。
ギュオー、貴様の手足を破壊させてもらうぞ!」
『パロ・スペシャルが、さらにギュオーの体に食い込んでいくー! これはウォーズマンの勝利も時間の問題かー!』
「脱出しようとしても無駄だぞ。このパロ・スペシャルは、別名『アリ地獄ホールド』と呼ばれている。
抜け出そうともがけばもがくほど、技はさらに極まっていくのだ!」
ウォーズマンの言葉を証明するように、彼の手足はさらにギュオーの体を締め付けていく。
だがこの状況においても、ギュオーはその表情に余裕を残していた。
「ククク……。アリ地獄ホールドだと?」
「なんだ……。何がおかしい!」
「アリ地獄にかかったのは貴様の方なのだよ、ウォーズマン!」
「何を言って……」
ウォーズマンがギュオーの言葉に異を唱えようとした、その瞬間。彼の体は、急激な圧力の増加により木の葉の如く吹き飛ばされていた。
「ハーハッハッハ! 私が重力使いであることを忘れていたのか?
重力指弾だけが私の技ではない! 自分を中心に、重力波を全方位へ放射することも可能なのだ!
相手に密着する技を選んだのが、貴様のミスよ!」
自らの技で大きく変形したリングの上で高笑いをしてみせるギュオーだが、その息は荒い。
自分にかかる負担も大きい技を使用したのだから、それも当然のことである。
だが、ウォーズマンのダメージはそれ以上に深刻だった。
ロープが絡まってリングアウトは避けられたが、それが些細に思えるほどの重傷だ。
至近距離から避けることも出来ずに重力波を受けたせいで、ダメージは全身に及んでいる。
そしてダメージで破損した機械部分が皮膚を突き破り、血とオイルを吹き出させていた。
超人としての驚異的な生命力がなければ、とうに死んでいておかしくないほどの状態である。
一撃。たった一回の攻撃で、ギュオーはウォーズマンの体をここまで破壊したのだ。
(くそっ、俺としたことが……。やつの実力を把握しきれていなかった……。まだ仕掛けるには早かったのか……!)
どうにか体を起こすウォーズマンの脳内には、後悔が渦巻いていた。
一瞬の判断ミスが命取りになることは、十分に理解していたはずだった。
だというのに、そのミスを犯してしまったのだ。全ては、ギュオーという男の器を計り損ねた自分の責任だ。
(だが……! まだ勝負は決していない! 正義超人が、悪に屈してたまるか!)
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