したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

仮投下スレ2

658Monster(反逆者の結末) ◆5xPP7aGpCE:2009/09/12(土) 10:39:32 ID:HUBhMMTs

「楽にしてやりな、晶。それがこの場合情けってものだぜ」
「……ッ!!」

怒りが込み上げて差し出された手を振り払う。
どうしてもそんな真似はしたくなかった。

「スエゾーは、スエゾーと小トトロは死なせません! 俺が必ず助けます!」

今度こそ譲るつもりは無かった。
何が出来るか解らないが絶対にスエゾーを救うと晶は決意する。
恩知らずと罵られようが構わない。

「てめぇはまだわからねえのか? そいつの苦しみを長引かせるだけだぜ〜?」
「……だとしても殺すなんて嫌です! スエゾーを治せる人だって何処かにいるかもしれない!!」

晶に引く様子が無い事を見て取った雨蜘蛛は自ら銃を向けた。
これ以上足を引っ張られたくない、さっさと片付けるとばかりに引き金を引きかけるが出来なかった。

ガイバーがビームを放ったのだ。
額の金属球から放たれたそれは雨蜘蛛の真横を掠めて壁を穿った。
狙いは威嚇だったが次がどうなるかはわからない。

一気にその場が緊張する。
このまま決裂に至ると思われたその時、またしても予想外の事態が起こる。
雨蜘蛛、スエゾーを抱えた晶と三角形を描く位置に一人の少女が出現した。

それは灰色の髪にセーラー服、その上にガーディガンを纏った小柄な少女。
名を長門有希、れっきとした主催者の一人が其処に居た。




『第三幕:救いと絶望』




「主催のガキ……!」
「長門! よくもスエゾーを!」

突然の乱入者に雨蜘蛛も晶も動きを止めざるを得なかった。
雨蜘蛛は放送で語っていた主催者の制裁を警戒し、晶はスエゾーを巻き込みたくないという思いが何よりも上回った。

対する長門は場違いな程涼しい顔をしている。
まるでケース越しに水族館を見るように、自分が安全圏に居る事を確信しているかのように。

「私は貴方達の邪魔をする気は無い、その人の事で来た」

彼女の視線は晶の腕の中に向けられていた。
雨蜘蛛も晶も他に心当たりが無い以上、それを素直に受け入れた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板