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仮投下スレ2

655Monster(反逆者の結末) ◆5xPP7aGpCE:2009/09/12(土) 10:37:46 ID:HUBhMMTs

―――だとすればスエゾーは何処に行ってしまったのか?

晶は腕を組み、冷えてきた頭で考える。
これは制限から推測するしか無い、まず既知の例を挙げてみる。
ガイバーに掛かっているそれは『威力、出力の制限』と『回復力、消耗度の悪化』、いずれも身をもって経験した事だ。
テレポートに当て嵌めれば前者は移動距離の制限、後者はより疲労するという事だろう。

その場合許される距離が問題だが島の端から端まで移動できるとは思えない。
数エリア、いや一エリアに抑えられても厳しすぎる事は無い。
連続使用も難しい筈だ、便利さを考えればマラソン並みの消耗を課されてもおかしくない。

それならばスエゾーは案外近くに居るのではないか、長距離のテレポートが出来ないなら禁止エリアにも引っ掛からない筈だ。
待ってれば諦めて戻ってくるかもしれない。
そんな希望を抱きかけるがどうしても晶の胸からは不安が消えなかった。

「もしスエゾーが本当に連中の元へテレポートしていたとしたら……、そうじゃなくても未知の制限がかかっていて何か問題が……」

つい独り言のように呟いてしまう、何故だろうかこの胸騒ぎは。
恐らくスエゾーの気合の入れ方を見てしまったからだ、万が一制限の枠を超えたのだとしたら考察には何の意味も無くなる。
そう考えるとまた居ても立ってもいられない気持ちになる、これでは堂々巡りではないか。

「……静かにしろ晶」

突然冷たい声が掛かる、気が付けば雨蜘蛛が晶の腕を掴んでいた。
まるで氷に触れたように冷え冷えとした感触、感情さえも削ぎ落とされるような―――
思わず意地を張っていたのも忘れて雨蜘蛛に顔を向けて気付く、男は警戒態勢に入っていた。

一体何に気付いたのか、雨蜘蛛は銃を抜き扉の方を向いていた。
だが動画はそのままでボリュームも絞られていない、気付いた事を知らせない為だという事は晶にも判る。
晶もすぐ扉に向き直り警戒した、背後の音声が空しく二人の間を通り抜ける。

―――スエゾーが帰ってきたのか?

その可能性が真っ先に浮かんだ。
しかしそれなら一声ぐらい有ってもいいはず、落胆してるとしても主催者への罵りぐらいは言うだろう。
だとすれば―――敵か。

もはや二人に動画の事など頭に無い。
雨蜘蛛は銃を、晶はヘッドビームを何時でも撃てるように構えながら無言で入り口を注視する。

(スエゾー……でしょうか雨蜘蛛さん)
(俺に聞くな、ツラを拝めばすぐにわかる)

とん、と僅かに扉が揺れた。
間を置いてもう一度揺れる、先程より力が強くボールがぶつかったような音がした。
―――続けて間違いなくその向こうには何かがいる。

しかし数分経過しても扉は空かない。
襲撃ならとっくに済ませている筈、さすがに雨蜘蛛も不審に思う。
一つの可能性に気付いて晶が動く。


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