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仮投下スレ2

650それは、侵してはならない「領域(ライン)」−−。 ◆igHRJuEN0s:2009/09/02(水) 20:35:42 ID:YrRABrO.


場所は変わって、会場に設置された博物館。
スエゾーと小トトロがテレポートする前にいた場所。
その入口のど真ん中には、麻袋と首輪が置かれている。

突如、麻袋がもぞもぞと動き出し−−中から現れたのは小トトロであった。
そう、小トトロは生かされていたのだ。

タツオの良心が働いたのか、武士の情けをかけられたのか−−そんな理由ではない。
麻袋から出た小トトロを見てみると、白い毛皮は所々が血で汚れ、今もまだ腹の辺りから出血している。
つまり小トトロは瀕死の身体のまま、返されたのだった。

出血の度に失われていく自分の命、断続的に続く撃たれた腹の痛み、主催者への恐怖が小トトロへ襲いかかってくる。
これだったら殺した方が慈悲と言えるくらいの仕打ちを、小トトロをその身に受け続けているのだ。
なんのために?
小トトロが一秒でも多く苦しむほど、悲劇性が増すからだろう。
それをタツオが愉しむためか、主催者に抗おうとする者たちの感情を揺さぶるには死体より瀕死体の方が効果があるとでも思ったのか。
いずれしろ、残虐極まりないことに変わりない。

小トトロ自身もまた、このままでは助からないと自覚しているためか、床に血を垂らしながら晶と雨蜘蛛がいるであろう部屋へと向かう。
一秒でも早くそこへ辿りつき、二人に助けてもらわねば生きる道はないだろう。

同時に、心は主催者二人への恐怖心に支配され、あの二人には何をしても勝てないような絶望感に支配される。
親友をあっさりと殺され、凶弾を受けた身であるからこそ、そう思えるのかもしれない。
何より彼は獣、ひょっとしたら本能的な面でも恐怖を刷り込まれてもおかしくはない。
ゆえに、今は心の寄りどころでもある仲間に会うことしか頭にない。

スエゾーの形見である首輪も入口に置き去りにしてきた・・・・・・仕方ないことだ。

自分の毛皮の中には、まっくろくろすけから拾った小さな『金属のようなもの』が張り付いたままであることも忘れている・・・・・・仕方がないことだ。


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