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仮投下スレ2

636それは、侵してはならない「領域(ライン)」−−。 ◆igHRJuEN0s:2009/09/02(水) 20:15:15 ID:YrRABrO.

家屋から出た二匹。
今度は家屋の周囲を調べてみるべく、探索を開始する。

目の前に広がる夜の森。
静かで豊かな自然が広がっているが、さっきの黒い物体同様、何が飛び出すかさっぱりわからないので、スエゾーは今まで通り一つ眼を凝らして全周囲への警戒を怠らない。
・・・・・・しかし、スエゾーが注意をしていたのは、人物や罠に対するもの。

ドカッ
「痛ッ!」

−−まさか、『景色とぶつかる』など、スエゾーは思わなかっただろう。

「な・・・・・・ここに見えない壁でもあったんか?」

いきなり壁か何かにぶつかったスエゾーは、小トトロと共に目の前の景色へと注意を向ける。
そこで彼は、今まで気づかなかった景色への違和感に気づくことになる。

「・・・・・・おかしい、おかしいで、この真ん前にある景色は何かがおかしいで!」

上下左右を見回し、『見えない壁』を舌で舐めたりして、違和感の正体を探る。
わかったのは、この感覚をどこか別の場所で知っていること。
そしてスエゾーは、一つの答えに辿りつく。

「こりゃあ・・・・・・まるで、晶が扱っていたパソコンの画面とそっくりやないかい!!」

よく調べ、その質感を感じることで、ようやく『景色』の正体がわかった。
一見すると、景色の前に見えない壁があるだけのように見えるが、実際には壁の中に『景色がある』のだ。
詳しく述べると、画面の中に景色が映っている・・自然が広がる夜の森に見えたそれは、精巧な『映像』だったのだ。
晶や雨蜘蛛と共に、パソコンのディスプレイを見てきたスエゾーだからこそわかったことである。

自然の映像を映し出した非常に大きな画面が、スエゾーの目の前に壁としてたちはだかっている。
それだけではなく、一度、景色の正体を見破ったスエゾーは、感づき始めていた。
正面だけで無く、前後左右に映し出された遠くの景色は、全て巨大な画面に映し出された映像。
月夜を映す空すら、映像にしか思えなくなってきた。
ここは四方を画面に囲まれた大きな部屋であり、そこに家屋や草や木を置いてあるのではないか。
頭が良い方では無いスエゾーにも、なんとなくそれがわかるような気がしていた。


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