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仮投下スレ2

634それは、侵してはならない「領域(ライン)」−−。 ◆igHRJuEN0s:2009/09/02(水) 20:12:09 ID:YrRABrO.

スエゾーが悩み出したすぐ後に、黒い物体は再び宙を漂いだし、スエゾーの下から逃げようとする。

「あっ、コラ待てやぁ!」

逃げようとする物体を、スエゾーは舌を伸ばし、巻き付けて捕まえる。
コレは草壁の表札がついた屋敷にいた、つまり、断定こそできないが、主催者たちと何か繋がりがあるかもしれない以上、スエゾーは見逃すわけにはいかなかった。

「・・・・・・オエッ。
 あんやホレ、アズ・・・・・・(なんやコレ、マズ・・・・・・)」

捕まえたは良かったが、物体が埃に似た味をだしていることを、スエゾーは舌を通して感じていた。
そこで一度、巻いていた舌を広げてみる。

「うわっ、舌が真っ黒や!?」

物体を捕らえていた部分が、ピンク色の舌を黒く染まっている。
さらに、例の物体までいずこへと消えていた。

「アイツはどこへ行ったんや?
 確かに捕まえたと思ったんに!」

捕まえた瞬間の感触はあったが、気がつくと物体は無くなっていた。
死んだのか?
どこかへとテレポートしたのか?
スエゾーにはわからない。
わからないことづくめの事態に、スエゾーは小トトロと一度眼を合わせるが、小トトロもまた首を傾げるだけであった。
ただ舌の上には苦い味が残っているだけである。

いつまでも呆けているわけにもいかないので、舌を口の中へしまい込んだスエゾーは、ペッペッと唾液と共に埃または灰のような汚れを吐き出し、一息つく。

「ふぅ・・・・・・」

一度、スエゾーは状況を整理してみる。
草壁の表札がついていたこの屋敷を見つけ、屋敷を隅々まで探索していった結果、さっきの黒いケサランパサランのような生物らしき物体を見つけた。
『物体』自身からは特に何も見つけられず、気配も完全に消えてしまったが、主催者と関わりがあるかもしれない屋敷見つけたという点は大きい、確かに何か秘密がありそうな可能性はあるのだ。
すなわち、屋敷とこの周囲を探索していく価値はあり、その内に討つべき主催者とあいまみえる可能性だってある。
スエゾーは、その可能性にかけてみたくなり、探索の続行を決意する。

「やっぱり、ここら辺には何かあるハズや。
もうちょい探り続けて見るで」


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