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仮投下スレ2

628それは、侵してはならない「領域(ライン)」−−。 ◆igHRJuEN0s:2009/09/02(水) 20:03:24 ID:YrRABrO.





「ここはどこや?」



辿りついた地でスエゾーが最初に受けた印象は、拍子抜け、だった。
なぜなら、目の前に広がる光景は、明かりのついてない古い一つの民家が静かな森に囲まれたのどかな場所。
森独特の澄んだ空気に、夏の虫や鳥たちのさえづりをBGMにしたこの場所は、日本的な部分を除けば、スエゾーの知る田舎の雰囲気と同じだった。
スエゾーの抱いていた主催者たちの本拠地のイメージは、物騒な要塞や砦、もしくは厳かな宮殿や城である。
以前戦っていたワルモン四天王たちも、たいていがそのような場所に根付いていたためである。
しかし、この平凡な光景、特に例の民家に対してはとても悪の本拠地には見えなかった。
これにはズッコケたくなる手前までスエゾーは呆れかえるしかなかった。

一方でいつの間にかスエゾーの頭上から降りていた小トトロ。
小さな獣には光景が懐かしく映り、まじまじと眺めていたが、そんな些細な変化に気を回すほど、スエゾーには余裕がなかった。


首輪も発動している様子もない(発動したら発動したで困るのだが)。
敵の本拠では発動しない仕様なのか・禁止エリア以外の会場のどこかか、周りの森が先程まで晶たちと共にいた博物館周りの森と謙遜無いところから後者の可能性が大きい。
さらに、お目当てである主催者たちだけでなく、人が周辺にいる気配も感じとれない。

「・・・・・・まさか、ワイはテレポートに失敗したんか?」

スエゾーは焦りを感じていた。
ここは主催者たちのいる場所ではなく、間違えて会場のどこかに飛んだだけなのではないか?
ガッツを大きく注いだテレポートは失敗に終わったかもしれない、スエゾーはそう思い始めていた。
それでもスエゾーは、まだそれを認める気にはなれなかった。

「いいや、確かに手応えはあったんや。
 きっと奴らはここにおる、ここにおるハズやなきゃおかしいんや!」

スエゾーは、自信とガッツを持って行ったテレポートが失敗で終わったとは考えないようにした。
少なくとも、確証を持つまでこの答えは変わらないだろう。


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