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仮投下スレ2

605狼少年の午後 ◆qa9kJ2E3OY:2009/08/29(土) 06:44:31 ID:DJQC8KhE
「……これで、後はスバルの頑張りにかけるしかないかな」

脱衣所で横たわるスバルを見つめながら、なのはは硬い表情で呟く。
温泉に到着したなのは達は、すぐさまスバルを運び込み、人を呼ぶと同時に治療に移った。
なのは、リインフォースに加え、ピクシーも行った治療と、冬月、ケロロの手当てを受け、スバルの容態は心なしか回復したように見える。
だが、依然として危険な状態にあるのは変わらず、今尚スバルの目は閉じられたままだ。
……ちなみに何故脱衣所なのかというと、止血などに使える布製品が多くあるという理由もあるのだが、一番の理由は怪我人を背負ったトトロがなぜかダイレクトに温泉に直行したため、そこから一番近い屋内を選んだというものだろう。

「なのは君もリインフォース君も十分に頑張ったよ。
 だが、これ以上の無理はしないほうがいい。でないと君たちが持たないよ。
 あとはスバル君の精神力を信じるんだ」

冬月が諭すように声を掛ける。彼の言葉の通り、なのはとリインフォース、ピクシーは、総力を尽くしてスバルの治療にあたり、限界を超えそうになるのを見かねた冬月達によって止められるまで、手を休めず治療に専念し続けていた。

「ええ。スバルならきっと元気になってくれます。……冬月さん。お話したい事があります」

「――それは、キョン君のことかね?」

唐突な言葉にもかかわらず、冬月は間を置かず質問を投げかける。
胸の内を見透かされたかのような問いに、なのはは若干の驚きと共に答えを返す。

「……ええ。そうです。――どうしてそう思われたんですか?」

「まあ、半分はあてずっぽうだったが……キョン君のやってきた方向からスバル君が現れた。
 そしてスバル君と一緒に帰ってきたなのは君が話があるという。
 なによりリインフォース君は、私とケロロ君と顔をあわせたときに何故か安堵したような表情になり、直後私達がやってきた方向に敵意の混じった視線を向けた。
 何かがあると思ったのはそんな所が原因かな」

なのはの問いに整然と答えた冬月。なのははその考察に素直に感心しながら本題を切り出す。

「鋭いですね。それに観察眼もさすがです。では、冬月さんの目からみてキョン君の状態はどのように見えますか?」

「そうだね……。彼の精神状態は極めて不安定なようだ。状況が状況なだけに仕方ないと言えなくもないが。
 いまはロビーで落ち着くようにと言ってあるよ。
 話してみたのだが、随分混乱しているようでね。落ち着くまで暫く中に入らないほうが――」

唐突に言葉を切って顔を横に向ける冬月。なのはもつられて顔をそちらに向ける。
そこ――冬月達が先程出てきた戸口に立っているのは、他でもない渦中の人物、キョン。
近くにいる冬月達に視線を向け、彼はおもむろに口を開いた。


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