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仮投下スレ2

582耐えきれる痛みなどありはしない ◆0O6axtEvXI:2009/08/12(水) 00:06:19 ID:kTlD9VdQ
「これは……」

切り替わったノートパソコンの画面を見て、その場の全員が息をのむ。
そこに表示されているのは、この殺し合いの会場となっている島の地図。
その各所にいくつもの名前と時刻が記入されている。
そして、記入されている全ての名前に三人は覚えがあった。

「フェイト、ちゃん……」
「ゲロ……冬樹殿、ガルル中尉……」
「……死亡した者たちの位置と、その時刻か」

『第三回放送までの死亡位置・時刻』と地図の横に書かれているのが冬月の目に入る。
時間に関しては「朝」や「夕方」等かなりアバウトであったが、死亡した順番も書かれておりそれを考慮すればかなり有利となり得る情報だ。

例えば学校近辺を見てみる。
殺し合いの開始からそれほど経たない内にケロロの知り合いでもある日向冬樹が殺され、別所のフェイト・モッチーを挟んで明け方には涼宮ハルヒという人物が殺されている。
つまり朝方あの付近には危険人物が潜んでいたはずだ、同じころなのはがズーマと名乗る男と交戦している、小砂を殺そうとしていたということも考えると、二人を殺したのもこの男である可能性が高い。
冬月も同じころには市街地の東に入っていたがその男とは出会っていない、このことから恐らくは南下したか、学校に潜んだかと予測が立つ。
更に昼頃なのはが再びズーマと交戦した、そしてその後の夕方、小砂と佐倉ゲンキの二人が近辺にて殺害されている、一連はズーマの犯行と見て間違いないだろう。
……これにより、ズーマという男の殺し合い開始からつい先ほどまでの行動ルートが特定できた、上手く使えば大きなアドバンテージとなる。

他に目を引くのは加持とキョンの妹の死亡位置。
そこに記された加持の名前にわずかに目を伏せるが、悔むだけではそれこそ彼の死は無駄となってしまう。
彼らと自分達が別れたのは昼前だった、そして加持が死亡したのが昼過ぎ。
あの部屋にあった転移装置でH-4まで飛ばされ、そこで何者かの襲撃を受けたといったところか。
近くの死者を見れば、掲示板で危険な相手と書かれていたナーガが夕方に死亡している。加持がナーガに殺され、そのナーガをタママが殺した……という図式も一応は成り立つ。

(しかし、やはりこの件に関しては決め手に欠けるな)

せめてもう少し詳しく時間が出ていればよかったのだが、と思うが無いものねだりをしても始まらない。
続けてキョンの妹へと目を移す。
彼女に関して自分たちが知っていることは何もないに等しい、気になったのは死亡位置だ。

「やっぱり、ただ脱出するだけじゃダメみたいですね」
「ゲロ、用意周到でありますな……」

二人の声に頷き同意する。
彼女が死亡したのは海上……それも地図の外のようだ。
なのはのような魔法で空を飛んでいったか、それともイカダのようなものでも用意したのか、何らかの方法で島からの脱出を試みたのだろう。
だが、草壁タツオ達は脱出しようとする彼女を殺害した、共に脱出しようとした他の参加者に殺されたという可能性もあるが、この島から脱出したというのに殺す理由は少ない、可能性は低いと思われる。
ただ脱出するだけでは草壁タツオ達の手から逃れられない、そのことを認識させられ思わず表情を顰めてしまう。

「そういえば……」
「何かね?」
「いえ、この位置や時刻って、どうやって調べてるのかなって」

なのはの言葉にハッとし周囲を見渡す。
その程度では目当ての物は見つからない。

「冬月殿、どうしたのでありますか?」
「監視されているとは思っていたが、具体的にその監視方法に考えを回していなかった事に気づいてね、このままでは脱出方法を見つけたところで向こうに筒抜けになってしまうかもしれん」
「あ……!?」
「げ、ゲロッ!?」

わずかに焦りの感情を出しながら首輪に触れる。
自分たちは殺し合いを望む草壁タツオ達にとって面白くない会話を繰り返している。
そんなこと不可能だと思われているから見逃されているのだろうが、実際に脱出できそうになったらこの首輪によってLCLとされかねない。
脱出に関する情報については筆談を……とも考えたが音声だけの監視なはずがない、焼け石に水だろう。
二人もどれだけ危険な状況か理解できたのだろう、顔を青くしている。


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