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仮投下スレ2

556鬼になるあいつは二等兵 ◆igHRJuEN0s:2009/08/08(土) 20:38:21 ID:YrRABrO.


放送が終わって、泣きだしてからどれほど時間が経っただろう。
涙を流す度に体内の水分が失われていったため、身体がだいぶ乾いているのがわかる。
サツキ喪失のショックによるものか、今までの疲れがどっと押し寄せ、再び立ち上がる気力が湧かない。
知り合いの冬樹やガルルが死のうとも、たいした感情は抱かなかったが、ここにきて初めて『大切な友』を失ったがために大きな精神的ダメージを負った。
共に泣く者も慰める者も叱る者もいない中では、心の痛みを和らげることもできない。


そのように彼が弱っている中で突如、二つの聞き覚えのある声が聞こえてきた。
それらはうなだれるタママを嗤う。

『守りたかった女の子を守りきれなくて残念でした。トンだお笑い草ね、あははははははははは』

一つはアスカ。
放送で死を告げられたハズなのだが、何故かタママの耳には、彼女が気に障る言葉で嘲笑ってくるのがわかった。

『俺を引き離したからあの子は安全だとでも思ったか?
 殺し合いに乗ったのは俺一人とは限らないんだぜ?』

もう一つは加持。
間違い無く死んだ男だが、口調こそ涼しいが腹の中は真っ黒であり、タママを責めてくる。
それ以前に死人が語りかけてくるなどありえないことだが、今のタママには、そんな細かいことを気にしていられるほどの心の余裕はなかった。

「黙れ・・・・・・黙りやがれですぅ」
『あはははははは』
『ハハハハハハハ』

普段から高い声であるタママにしては低い声で言葉を吐き出し、血走った眼を涙の染みた地面から二つの声がする方向へギロリと向ける。
彼の放つ言葉にも眼力にも、激しい怒りと憎悪が宿っている。
しかし、タママの怒りなど知ったことかと言わんばかりに、加持とアスカは嘲笑い続ける。
それが余計にタママのハラワタを煮え繰り返させ、虫酸を走らせる。
まず、怒りを叩きつけるようにタママは言い放った。

「おめーらのような奴らのせいでサッキーが死んだんですぅ!」
『それは違うんじゃないか?
 俺らのような殺し合いに乗った奴らからサツキ君を守れなかったのは君のせいだろ?』
「僕は、サッキーを守ろうとしてたですぅ!!」
『言い訳がましく「自分は頑張ったから仕方ないんだ」みたいなことをほざいてんじゃないわよ』


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