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仮投下スレ2

553鬼になるあいつは二等兵 ◆igHRJuEN0s:2009/08/08(土) 20:35:04 ID:YrRABrO.
「放送・・・・・・ゴクッ」

主催者・タツヲの声が流れる放送に、タママは心臓の鼓動が早くなり、唾を飲んだ。
今までは放送一つでこれほど緊張することはなかった。
最初の放送はケロロやサツキたちが目の届く距離にいたため、親しき者だけは死なない安心感があった。
二回目の放送は加持の一方的な折檻(本人いわく仲間のため)をしていて、聞いた後はともかく、聞く前はそれほどの実感もなかった。
三回目にあたるこの放送を聞くのは、今までと状況が違う。
仲間たちとは離ればなれになり、いまだに合流は果たされていない。
つまり、自分の眼の届かない内に仲間たちが死んでいる可能性は大いに有り得る。
仲間たちがいたと思わしき公民館とその周辺が火事になっているのが、タママの不安を誘う。

(いいや、軍曹さんたちはきっと無事ですぅ。
僕はそれを信じるだけですぅ)

不安も弱気も振り払い、ただ愚直に仲間の生存を信じてタママは走り続けることを選んだ。
悠長に記録している暇があるくらいなら、ケロロたちとできるだけ早く捜した方が良いと思い、メモは取らずに走りながら聞き耳を立てることにした。


禁止エリアは、F-5・D-3・E-6。
いずれも気にするほど近場にできるわけでもなく、市街地にいるハズの仲間たちが困るような配置でもないだろうと安堵する。

問題はここからだ。
禁止エリアの発表の次は、死者の発表になる。
タママの胸の高鳴りがいっそう速くなる。

(神様、仏様、ご先祖様・・・・・・一生のお願いですぅ、軍曹さんやサッキーとフッキーが無事でいるようにお願いしますですぅ)

死者の名前が呼ばれ始める前にタママは不安に押し潰されないように強く神頼みをした。

そして、いよいよ死者の名前が発表される。
これが一生の中で最も長い数分間になりそうだと、タママは予感していた。


『朝比奈みくる』

−−知らない、どうでも良い、他に死人がいるならとっとと言ってくれ。
それが面識の無い朝比奈女史への、タママの感想である。

『加持リョウジ』

「ターマタマタマタマ!
ざまぁみやがれですぅ!!」


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