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仮投下スレ2
543
:
Hard Luck Duo
◆5xPP7aGpCE
:2009/07/30(木) 03:15:39 ID:HUBhMMTs
時計に目を遣れば放送まであと僅か、一通りの物は手に入れた事だしハムと合流して一緒に聞くべきだろう。
念の為取りこぼしは無いかと別の部屋を覗いてみる。医療品が第一だったがそれは終わった、他に何か有れば僥倖だ。
探すまでも無くそれはあった、診療室らしきその部屋の机に設置されていたのはモールとゴルフ場で見たアイボリーの箱、即ちパソコン。
だが夏子の瞳は険しかった。
「S、O、S? こんな文字は前見たパソコンには無かったわね……」
そのパソコンは奇妙であった。
モールのパソコンもゴルフ場のパソコンも最初は電源が入っておらず当然画面も消えていた。
なのにこのパソコンは点いている、三文字のアルファベットが浮かんでいる―――となれば。
まさか他に誰かが入り込んだのか!? 夏子は銃を取り出して警戒を強める。
しかし気配は何処にも無い、不審に思いながらも夏子は銃を下ろさない。
パソコンを調べる? いや時間が無さ過ぎる、ここは一旦ハムと相談して―――
「夏子さん」
―――!!!
突然背後から声が掛けられた。
一瞬で振り向くと銃口の先には見慣れた兎が立っていた、危うく発砲しかけた指先が脱力する。
「何よ、脅かさないで。本気で焦ったわよ」
「それはこちらの台詞ですよ夏子さん、放送が近いから来てみたのですが……何かあったのですか?」
夏子の銃と共にハムも思わず上げた両手を下ろす。
視線だけで夏子が示す、ハムも視線を追って文字の浮かんだパソコンに気付く。
「言っておくけど私は何もしてないわよ、最初に見たときからあの状態だったの」
ここには誰も来てない筈、奇妙だと言いたげな声で夏子は語った。
薄暗い部屋に浮かぶSOSの文字、得体の知れないそれは確かに不気味な雰囲気を放っている。
ハムは一瞬目を細めたもののすぐ夏子に視線を戻した、夏子も理解して頷く。
今構ってる暇は無い、パソコンはひとまず放置してその場で地図と名簿を広げる。その直後に放送は始まった。
『全員聞こえているかな? まずは君達におめでとうと言ってあげるよ。
辛く厳しい戦いを乗り越えてここまで生き残っているなんてそれだけで褒められるものだしね』
夏子もハムも一言も発しなかった。
一語一句を聞き逃すまいと集中する、夏子達にとって放送は数少ない情報源だ。
特に今回は繰り広げられる動乱を目撃しただけに敏感にならざるを得ない、ペンを構えながら言葉を待つ。
(炎上する市街地といい、この言い方といい、よほど今回は動きがあったらしいわね……)
その内容はどうせすぐに解る、今は覚悟だけを決めておく。
『だからといって油断しちゃ駄目だよ? 友達が出来た人も多いみたいだけどその人は隙を伺ってるだけかもしれないんだからね。
できれば堂々と戦って死んでくれる方がいいなあ。
あ、これはあくまで僕の好みの話だよ? 油断させて仲間を裏切るのは賢い方法だし大いに結構さ』
チラリ、と顔を上げたハムと目が合った。
お互い何も感情を顔を表わさずに視線を戻す。
夏子にとってハムに限らず他人は全てが警戒の対象だ、ハムとて似たようなものだろう。
しかし今は利害が一致している、仲違いしたところで得るものが無いと解っているからこそ隙を見せられる。
わざわざタツヲがそんな事を言うという事は参加者の結束は思った以上に固いのかもしれない、一瞬だけそんな可能性を考える
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