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仮投下スレ2

528なるか脱出!? 神社の罠(後編) ◆YsjGn8smIk:2009/07/27(月) 18:43:38 ID:rXOZgaF.

ウォーズマンが驚愕すると同時に、超人の凄まじさに絶句していたギュオーもそこでようやく立ち直ったのか。

「ぐううッ、このくたばりぞこないどもがッ!!」

怒鳴りながら猛然と重力指弾を撃ち出してきた。
ウォーズマンはスバルの身体を抱きかかえながら、大きく飛び退き重力指弾の雨から逃れる。
そして追うようにとんできた重力指弾が様々な物が破壊していく。
神木を、鳥居を、そして狛犬を……ギュオーとの射線上にあったあらゆるモノが破壊されていく。

そしてその時、不思議な事が起こった。
急に大地が鳴動し始めたのだ。

「な、なんだ!?」

再度振動する地面に流石に警戒したのかギュオーは空中へと跳び退る。
だが、今度はギュオーの足元だけではなく神社全体が鳴動していた。
物陰に隠れながらそれを見ていたウォーズマンが口を開く。

「スバル。ここはオレに任せてお前はキョンを追え」
「え、でも……ウォーズマンさんは?」
「オレは正義超人としてギュオーとの決着をつけなければならない。
 ……だが、このままキョンを放っておくわけにもいかないんだ」

そこまで厳しい表情だったのだがふと、表情を緩めてウォーズマンは続ける。

「元・残虐超人だったオレにはわかる。
 放送時のあの動揺……奴は自らが行った残虐行為を後悔している。
 だが、一人になれば奴はまた罪を犯してしまうだろう。しかし……お前が居れば。
 お前のテンダーハート(優しい心)が隣にあれば……奴は正道へ帰る事が出来るかもしれないぜ!」

そのウォーズマンの言葉に、スバルは嬉しさと不安がない交ぜになる。

「で、でも! いくら何でもウォーズマンさん一人じゃ!」
「行けスバル! これはギュオーを信じたオレの責任。お前はお前が出来る事をするんだ!」

その強い言葉に押されるようにスバルは吹っ切る。

「わかり……ました! ウォーズマンさん、どうか無事で!」
「ああ、お互いやるべき事が済んだら先ほどのリングで合流しようぜ!」
「はい!」

そしてギュオーが振動する神社に気を取られているのを確認するとウォーズマンが叫ぶ。

「いまがチャンスだ。行けっ、スバーーール!」

ギュオーの注意が逸れているその隙に――スバルはキョンが消えた草むらへと飛び込んでいった。





沈みかけの太陽の光が木々の隙間から僅かに漏れる。
そんな薄暗い山道を俺はひたすら走り続けた。
視界ははっきり言って悪い。何度も木の根に足を取られかけて転びかけていたぐらいだ。

こういう薄暗い夕暮れ時の事を逢魔時とか言うんだったか。
確か魔物が出るような時間帯って話だったはずだが――現状では洒落にもならない。
今現在俺は魔物から命がらがら逃げ出しているんだからな。


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