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本スレに書き込めない職人のための代理投稿依頼スレ

954R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA:2011/05/29(日) 14:42:13 ID:.jmCVDEE
ストラーダに索敵を命じるエリオ。
しかし、高密度の圧縮魔力が炸裂した余波か、生体探知機能が動作しない。
魔力素を介して索敵を行うデバイス類に対し、魔力爆発は最も効果的な撹乱効果を発揮するのだ。
舌打ちをひとつ、エリオは周囲を見回し索敵を行う。
ある程度ベストラから離れた為か、周囲は薄暗く視界が利かない。
それでも彼は、無駄とは理解しつつも、敵影を探さずにはいられなかった。
せめて、自身が撃破した敵性体の残骸、その程度は確認したかったのだ。

「駄目か」

だが、それは叶わない。
先程の様に其処彼処に光源となる爆発が発生している訳でも、ベストラから照明弾が放たれている訳でもない。
外殻から2kmも離れてしまえば、其処はもう漆黒の闇の中だ。
現在位置からは外殻上の各種光源を薄らと視認する事が可能だが、更に500mほど離れれば完全にベストラを見失う事だろう。
これ以上の単独行動は危険であると判断し、エリオはストラーダの矛先をベストラへと向ける。
だが、直後。

「・・・これは?」

エリオの意識へと飛び込む、奇妙な異音。
鋏の刃を打ち鳴らしているか様な、金属的なそれ。
微かではあるが、その音が幾重にも連なり、周囲の空間に響いている。
デバイスによる集音機能が、微かな音を拾い上げているのだ。
咄嗟に周囲を見回すが、それらしき異音の発生源は見当たらない。
だが、この瞬間も耳障りな金属音は、確かに発せられ続けている。
そればかりか、徐々にその音量と数を増し続けているのだ。

「誰か・・・この音が聴こえるか? 誰も居ないのか!」

全方位通信。
だが、応答は無い。
闇より迫り来る音は、更にその数を増している。
湧き起こる焦燥感に圧され、知らず声を荒げるエリオ。

「こちらライトニング01! 誰でも良い、何か・・・!?」

しかしエリオは、その呼び掛けを中断した。
せざるを得なかったのだ。
彼の意識は、視界へと映り込んだ何かに集中していた。

「今のは・・・」

その輪郭を、明確に捉えた訳ではない。
だが、確かに見えたのだ。
闇の奥に蠢く、奇妙に歪んだ無数の影。
ベストラ外殻上より発せられる光、それを微かに照り返す褐色の生体表層。
金属音が更に数を増し、音と音の間隔までもが徐々に短くなる。
音源、接近中。

「ストラーダ!」
『Sonic move』

迫る危険を察知し、エリオはソニックムーブを発動。
下肢に奔る、微かな痺れ。
一瞬にして加速し、僅かに4秒前後で外殻へと到達する。
推力偏向ノズル稼動、逆噴射実行。
エリオは両脚部を進行方向へと突き出し、接地に備えた体勢を取ると同時、それに気付く。




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