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Digimon Adventure BRAVE
1
:
SORA
:2008/02/16(土) 17:58:13
初めまして!SORAと申します!
主人公は太一で、02の後の物語を書こうと思っています。
先に言って(書いて)置きますが、技名とかデジモンの名前すらアヤフヤです(汗
最初しばらくは、敵の影も形も出てこないかもしれません…。
表現が苦手なので見苦しい所は多々あり、戦闘シーンが少なくなると思います。
おまけに今年受験生…(汗
でも、頑張って更新していきたいと思います!!
78
:
SORA
:2008/03/26(水) 22:35:28
Data.08 泉家
ピンポーン
「はーい。」
玄関の呼び鈴を聞いた光子郎の母・佳江は、玄関の扉を開けた。
「どちら様で……あら?」
懐かしい顔を見た佳江は、少し驚いた顔をした。
息子の光子郎の先輩にあたる、八神太一が、玄関の前に立っていた。
「おはようございまーす。」
ペコリと頭を下げた彼は、少し見ない間に背がずいぶん伸びたようだ。
昔はしょっちゅう遊びに来てくれたのだが、最近は部活等で忙しいのか、ずっと彼は来ていなかった。
視線を下ろすと、黄色い小さな恐竜のような姿をしたデジモン・アグモンも、「こんにちは!」と挨拶をした。
「おはようございます。久しぶりね、太一さんにアグさん。」
佳江は、名前の後に「さん」を付ける癖があるようで、デジモンにも「さん」付けだ。(「さん」を付ける位置が微妙だが…。)
「光子郎、テントさん?太一さんとアグさんがいらしてるわよ〜。」
「僕の部屋に入ってもらってくださーい。」
光子郎の部屋から、声だけが聞こえた。
「どうぞ。」
「お邪魔します。」
太一とアグモンが家に上がり、光子郎の部屋のドアノブに手をかけると、
「お茶持ってきますね。」
「いえ!お構いなく。」
「でも…。」
「良いですよ、お母さん。後で僕が取りに行きます。」
太一と部屋から聞こえてきた光子郎の言葉に、少し残念そうに
「そう?じゃあ、準備だけしておきますね。」
と言って、家の奥へ姿を消した。
「入るぞ〜…って、うお!?」
光子郎は勉強机に向かっていて、太一から見えるのは後ろ姿だけ。
それより目を引いたのは、その光子郎の足元に何かの部品やら、何度も書き直した設計図らしきものが書かれている紙くずやらが、散乱していた。
「えらい、すいません。太一はん。もう少しで終わるさかい。」
太一達に気づいたテントモンが、羽をばたつかせて太一の顔の高さに合わせて飛び、そう言った。
光子郎のパートナーだが、何故か関西弁だ。(しかも結構“なまり”がキツイ。)
「おう…なにやって…」
「できたぁーーー!!!」
太一が尋ね終える前に、光子郎から高らかに終了宣言が出された。
そして思い出したように振り返り、
「太一さん、アグモン、おはようございます。」
と、挨拶をした光子郎の目の下には、クマがあった。
79
:
ユッケ
◆h8PPKSmgM6
:2008/03/26(水) 22:47:02
懐かしの光子郎の家に訪れた太一。
泉お母さんのアグモンやテントモンの呼び方がナイス(笑)
そして光子郎が作り上げた物とは……?
次回も頑張って下さい!
80
:
デジロル
:2008/03/26(水) 22:51:19
太一が光子郎の家に辿り着いた。
しかし光子郎の母さんのデジモンの呼び方、なんかナイスですね。
まさしくユッケさんと同意見です。
しかし光子郎ガ作り上げたものとは一体どのような代物なんでしょうか、気になります。
次回も頑張ってください!!
81
:
SORA
:2008/03/27(木) 17:53:20
ユッケさん&デジロルさん、ありがとうございます!
光子郎の母・佳江さんは、テントモンの事を「テントさん」と呼んでいたことを思い出したんです。
だったらアグモンは「アグさん」かな…と。
この方は、他のデジモンに会う機会があれば、きっと皆に「さん」付けしますよ(笑)
さて、光子郎が目の下にクマまでつくって完成させたものとは…?
82
:
カイザー
◆W1bwfJDcQU
:2008/03/27(木) 20:24:37
初めましてSORAさん。
「デジモンバトルワールド」を書いてる者です。
さきほど、読み始めたんですが集中していて、気づけばこんな時間に(笑)
面白いですよ。大輔を起こした賢の言葉とかもww(内容古ッ)
頑張ってください!! 期待してます!!
83
:
SORA
:2008/03/27(木) 21:30:59
初めまして、カイザーさん。
面白いと言っていただけて、とっても嬉しいです!
遅刻魔の大輔の起こし方は、あれしか思い浮かばなかったんです…(苦笑)
少しでも期待に応えられるよう、がんばります!
84
:
SORA
:2008/03/27(木) 21:33:45
Data.09 D-ターミナル
「…徹夜でもしたのか?」
「そうですね…。昨日、家に帰ってからほとんど寝てませんね。」
「一睡もしとらんで、光子郎はん。」
太一の質問に答える光子郎に、テントモンが少し訂正を加える。
「で、一体何が完成したんだ?」
「ふふふ…。驚かないで下さい…。」
待っていましたと言わんばかりに光子郎が不気味な声を出す。
机の上に置いていた完成品を手に取り、太一とアグモンの前に突きつけた。
「D-ターミナル改良バージョン7!!これで、僕達のデジヴァイスでもデジタルゲートが開けます!!」
「まじ!?」
「本当!?」
「ほんまでっせ〜。」
太一とアグモンの反応に満足げな光子郎とテントモン。
光子郎は以前からD-ターミナルに改良を加えていた。
バージョン7という事は、7回改良した事になるが、細かい改造も加えるなら、余裕で20回は超えている。
メール機能の他、12人のメンバー内であれば、通信も出来る。
ただし、アメリカにいるミミとはこの機能は使えない。(遠すぎるから。)
他にもいろいろな機能が追加されている。
「これで、大輔達に頼らず俺達だけでも行けるってことだよな!?」
「そういう事です。」
「メールで太一呼んだのって、これで?」
アグモンが光子郎の手に握られているD-ターミナルを見ながら聞くと、光子郎の表情が少し曇った。
「いえ…。これは、必要だったから完成させただけなんです。」
「…必要?」
「太一さん。」
首を傾げる太一に、光子郎が改まって太一を呼ぶ。
「…なんだよ。」
「正確には、僕が太一さんを呼んだのではありません。」
「じゃあ誰だよ?」
「…ゲンナイさんが、折り入って、太一さんと話したいそうです。」
「ゲンナイのじいちゃんが?」
ゲンナイとは、デジタルワールドに住む老人だ。
若い姿をとることも出来るが、本人は老人の姿の方が過ごしやすいらしい。(京は若い方が良いと、頑固主張していた時期がある。)
太一は「ゲンナイのじいちゃん」や「じいさん」と呼んでいた。
ゲンナイ本人は、「じいさんと呼ぶでない!」と言っていたが、太一は全く改めないので、あきらめたようだ。
「なんで、俺?」
「分かりません。昨日、太一さんの家にお邪魔していた時に、ゲンナイさんからメールがあったんですが…。」
光子郎曰く、ゲンナイは太一だけをデジタルワールドに呼んで欲しいと言ってきたそうだ。
だが、デジタルゲートは大輔ら2002年に選ばれた子供達とヒカリとタケルが持つ、D-3でしか通れない。
ゲンナイは、出来れば太一以外には知られたくないようで、光子郎にD-ターミナルの改良を早急にと、頼んできた。
太一達の持つデジヴァイスでもゲートを開けるように。
元々、バージョン7は光子郎とゲンナイで共同開発していたものだ。
まだ、完成していないし、ゲートを通る実験すらしていないものの完成を、ゲンナイは急いだ。
何故、太一だけ…。
光子郎が何度聞いても、ゲンナイは答えてくれなかった。
疑問を抱いたまま、光子郎は作業に取りかかったのだ。
「ふーん…それで昨日、様子がおかしかったのか。」
「あはは…ばれていましたか。」
「あったり前だ!俺を舐めんなよ?」
…ほんの少し、部屋に沈黙が起きる。
「行くの?太一?」
「まぁ、行かねえとな。ご指名されたんだし。」
その沈黙を破ったアグモンに、太一は軽い調子で応えた。
「光子郎、パソコン借りて良いか?」
「もちろんです。」
「では、バージョン7の使い方を…。」
部屋にいた2人と2体は、一箇所に集まって一つの機械を覗き込んだ。
85
:
デジロル
:2008/03/28(金) 23:05:56
おお、バージョン7というものを完成させていたんですか、光子郎。
さすが光子郎ですね。
しかしゲンナイは太一だけになにか用があるようで。
その用とは一体なんなのでしょうか、気になりますね。
次回も頑張ってください!!
86
:
カイザー
◆W1bwfJDcQU
:2008/03/28(金) 23:20:06
バージョン7ですか!? 頑張りましたね光子郎!!(そこかよ)
そんだけ修正すれば評価が欲しいのは当然ですよね〜。
確かにゲンナイを「ジジイ」とか「じいさん」しか呼びませんよね太一は。
(39話は別だったが…)
頑張ってください!!ブラックウォーグレイモン優しいですね(今頃かよ)
87
:
ユッケ
◆h8PPKSmgM6
:2008/03/28(金) 23:27:22
バージョン7ですか……しかし、そこまで改良するのに費やした日数は僅か徹夜一日だけ。
あんた偉いよ!(何)
ゲンナイじいさんも久しぶりの登場のようですね。
果たして、新たなデジヴァイスの使い方をマスター出来るのか!?(そこかよ)
次回も頑張って下さい!
88
:
SORA
:2008/03/29(土) 10:49:07
デジロルさん
バージョン7…まぁ、ネーミングセンスの無さが感じられます…(自分の)。
ゲンナイさんは、太一だけに来て欲しいので光子郎にD-ターミナルの改良を…。
その過程で光子郎にはどうしても頼らなければいけなかったので。
光子郎はきっと、気になって仕方がないでしょうね〜…。
カイザーさん
頑張ったんです、光子郎っ(笑)
太一曰く、ゲンナイは「じいさん」で十分だそうです(←言ってない)
39話は別だったんですか…。知らなかった!!
ブラックウォーグレイモンは、私の中ではとっても優しい子なんですよー(叫)
ユッケさん
バージョン7は、光子郎の力作です。実際に改良を施したのは1日だけですが、
そこまでに、ゲンナイと協力して試行錯誤を繰り返し、その結果のたまものなのです!!
デジロルさん&カイザーさん&ユッケさん、ありがとうございます!!
89
:
SORA
:2008/03/30(日) 20:02:23
Data.10 デジタルゲート
「じゃあ、行ってくるぜ。」
パソコンの前に立ち、太一は後ろにいる光子郎とテントモンに声をかけた。
光子郎達もついて行きたい気持ちでいっぱいだったが、ゲンナイは太一だけと言っていたし、D-ターミナルとデジヴァイスの相互利用でゲートを通れるのは、人ひとりとデジモン一体が限度だった。
「…ホントに太一一人だけで行くの?」
アグモンが心配そうに見上げてきた。
「大丈夫だって!話聞いてくるだけなんだしさ。」
「…うん。」
「実際、それでゲートを通るのは初めてなので、気をつけて下さいね。」
「おう!お前は一度寝ろよ。目の下のくま、ひでえぞ。」
太一の言葉に光子郎が苦笑した。
「あと、アグモンをしばらく頼む。」
「まかしときー、太一はん。」
「光子郎のD-ターミナル借りるぞ〜。俺の方もよろしく。」
「はい。一度仮眠をとった後にでも改良しておきます。」
最後に、まだ少し不安そうなアグモンの頭を、太一は乱暴に掻き回してやる。
「じゃ、行ってくるな。」
「うん。いってらっしゃい。」
再び太一はパソコンを見据えた。
手に持っている光子郎のD-ターミナルの画面の表示を切り替える。
デジタルゲート
◆ゲート選択
→湖・ゲンナイの家
画面の表示上で、デジタルワールド内の行きたい場所を指定した太一は、それをパソコンの画面に向かって掲げた。
そして、右手でデジヴァイスを掲げ、二つを太一の前で重ね合わせると…。
眩い光が、デジヴァイスとパソコンの両方からあふれ出した。
「あ!わりぃ光子郎。俺、戻ってくるの遅かったら、アグモンの昼飯頼む!そいつ滅茶苦茶食うから気をつけろよ!」
太一が思い出したように振り返ったのが光子郎の視界に入ったが、その後すぐに眩い光が部屋を覆いつくし、耐え切れずに目を閉じた。
【成功したぞ、光子郎。】
そんな太一の声がしたので、光子郎は目を開けたが、部屋から太一の姿は消えていた。
どうやら“パソコンの向こう”から声をかけてきたらしいが、光子郎がパソコンに映っているゲートを見ても、太一の姿は映っていない。
報告をするだけして返事を待たずに、ゲンナイの家に向かったようだ。
「…そういえば、太一さん、何故サッカーの練習着だったんです?」
思い出したように、光子郎が呟く。
「あぁ、サボちゃったしね、練習。家にはサッカーに行ってくるって言ってあるんだけど。」
「無断欠席ですか…。」
「太一はん、サッカー上手いんやろ?問題ないんちゃいますの?」
「今回はこっち優先って言ってたし〜。」
淡々と、話は進んでいく。
「…お腹減ったぁ〜。」
「ええ!?もうですか!?」
「ほな、佳江はんが用意してくれとるお菓子を持ってきましょか。」
「僕も手伝う〜。」
そう言って、テントモンとアグモンが部屋を後にした。
一人残った光子郎は、パソコンを見つめる。
デジタルゲートの向こうで、一体ゲンナイは何を伝えるのだろう。
「また何かが、起こるんですかね…。」
ぼそっと、光子郎は呟いた。
90
:
デジロル
:2008/03/30(日) 20:24:33
太一はゲンナイのところへ行く事に成功する。
しかしアグモン、もう御腹減ったのですか、さすが大食い。
これからどうなるのか気になります。
次回も頑張ってください!!
91
:
カイザー
◆W1bwfJDcQU
:2008/03/30(日) 22:46:04
これから何が起こるんでしょうかねぇ…
って、アグモン早ぁぁ!!
光子郎もテントモンもお母さんも大変です(笑)
頑張ってください!!
P・S "02第39話"はゲンナイの若返りバージョン(笑)が登場したので「ゲンナイさん」でした。
若いのに"じいさん"はあまりに酷いかと(笑)
92
:
ユッケ
◆h8PPKSmgM6
:2008/03/31(月) 14:24:32
太一もゲンナイの所に行くのに成功しましたね。しかし、一体何の目的で彼を呼んだのか?
そしてアグモンの食欲も驚くばかりです……(汗)
光子郎も薄々予想しているようですね。戦いの日々がやってくると……。
次回も頑張って下さい!
93
:
SORA
:2008/04/04(金) 23:24:56
デジロルさん
アグモンの胃は、ブラックホールかもしれません(苦笑)
次回を楽しみにしていてください!
カイザーさん
消化がめっちゃ早いんです、アグモンは!
あ〜…確かに、若い姿で「じいさん」と呼ぶのは…。
そういう事でしたか。ありがとうございます!
ユッケさん
ゲンナイさんが伝えることとは…!?
少しずつ、戦いの色が見えてきた…かな?(←え)
次回も頑張りますので、お楽しみにっ!
94
:
SORA
:2008/04/05(土) 09:12:47
Data.11 行方捜し・Ⅰ
「…あいつ、練習サボったのか?」
たまたま学校に用があったヤマトは、グランドを見て呟いた。
学校の大きなグランド。
どうやら朝からサッカー部が練習しているようで。
でも、いつもいるはずの太一の姿が見当たらない。
あの特徴的な髪型に加え、元気過ぎる程サッカーコートを走り回る奴だ。
いるなら一発で分かる。
ヤマトは伊達に太一の親友をやっていない。
だが、何処を見回しても、太一の姿は無かった。
ヤマトの知る限り、太一は部活をそうそう休む奴では無い。
それが只の練習であっても、だ。
部内で一番、部活を休む事が少ないとも、いつだったか誰かに聞いた覚えがある。
「珍しいな…。」
「何が?」
「!?」
いきなり後ろから声が聞こえて、ヤマトは振り返った。
「…空?部活か?」
「うん。午前中だけね。もう終わったから今から帰る所よ。」
声をかけたのは空だった。
ジャージを上に羽織り、テニスラケットが入ったカバンを持っていた。
「で、どうしたの?」
「いや…。」
ヤマトは口で答える代わりに、視線をグランドに向けた。
空も同じように視線をたどって、気づいた。
「太一がいないわね…。」
「だろ?休みか?」
「えぇ〜!太一がぁ?」
ヤマトの言葉に、空が心底驚いた顔で言う。
「私の知る限りじゃ、相当な理由が無い限り休まないわよ?」
「だよなぁ〜。」
「ちょっとの風邪・熱・怪我なんかお構いなしに練習に来るし、元々風邪引きにくいタイプだし…。」
空の言葉を聞きながら、ヤマトは腕を組んで考える。
「…あいつが休むと言ったら………相当重い風邪引くか…。」
「昨日、皆集まった時は元気だったじゃない。」
「…ヒカリちゃんの方が風邪引いて、看病してるか…。」
「無いとは言い切れないけど、それならヒカリちゃんが、自分の事は良いから練習に行けって言うと思うわ。」
「………何の理由もなくサボり?」
「………可能性は限りなくゼロに近いと思うわ。」
ヤマトが思いつく理由を、空がバサバサと切り捨てていく。
「…行ってみる?」
「何処に?」
突然の空の提案に、意味を正確につかめなかったヤマトは問う。
「太一の家よ。行けば分かるでしょ?」
「…百聞は一見に如かず…か?」
「そんなところね。」
そういう訳で、ヤマトと空の二人は、昨日お邪魔していた八神家へと向かう。
95
:
SORA
:2008/04/05(土) 09:15:28
Data.12 行方捜し・Ⅱ
「ヒカリ、おはよう。」
「おはよう、テイルモン。」
朝の散歩から帰り、ベランダの窓から家に入ってきたテイルモンは、リビングでテレビを見ながらくつろいでいるヒカリを見つけて、遅めの挨拶をした。
既に、ヒカリも朝食を食べ終わっており、母・裕子は仕事に行ったらしく見当たらなかった。
「太一とアグモンは、部活?」
二人の姿も見当たらなかったので、テイルモンは聞いてみる。
「お母さんが、そう言ってた。遅くなるみたい。」
「そう。」
予想通りの返事に、短く相槌を打った。
お昼ごはんは二人だけになりそうだ。
ピンポーン
ふと、玄関の呼び鈴が鳴る。
「誰かな?」
ヒカリが立ち上がって、玄関に向かっていく姿を見送り、テイルモンはヒカリが座っていたソファの上で丸くなった。
「ニャー。」
何処からか現れた八神家の飼い猫・ミーコも、テイルモンの横で同じように丸くなる。
意外に仲が良かったりする。
「あれー?空さんにヤマトさん!どうしたんですか?」
リビングから廊下に通じる少しだけ開いたままのドアから、そんなヒカリの言葉が聞こえた。
猫二匹の耳が、同時にピクリと動く。
テイルモンは立ち上がり、玄関へと向かって行った。
対するミーコはその姿を目で追うが、自分は行かないと主張するように、ソファの上でさらに丸くなった。
「こんにちは、ヒカリちゃん。」
「太一いる?」
ヤマトと空の言葉に、ヒカリは少し申し訳無さそうな顔をする。
ヒカリの足元には、テイルモンがいつの間にかいた。
「ごめんなさい。お兄ちゃん、部活で学校に行ってるんです。」
その言葉に二人は顔を見合わせた。
ヒカリは首をかしげ、何か思い至った顔をする。
「もしかして、何か約束とかしていたんですか?」
「あ、いや。約束してたんじゃないんだ。」
「ちょっと近くを通ったから、いるかなーと思って、ね?」
「そうそう。」
二人の反応に、ヒカリは首を傾げながら、足元にいるテイルモンと目を合わせた。
テイルモンも、同じように首を傾げる。
「そっかー、いないかぁ…。」
「じゃ、帰りましょ?」
「だな。悪いな、ヒカリちゃん。」
「あ、いえ。」
「また今度、一緒に遊びましょう?」
ヤマトと空は、そう言うと、八神家を後にした。
玄関の扉を閉め、ヒカリはまた首を傾げる。
兄・太一とヤマトと空はとても仲が良い。
多分、親友とか、そんな所。
特に用が無くとも、今みたいに尋ねてきたり太一が遊びに行ったりする事は、珍しくない。
でも。
「何かなぁ〜…。」
腑に落ちないような。
ケンカでもしたかな?
でもそんな感じじゃ無かった気がするけど。
「ヒカリ。」
「ん?」
玄関に立ちっぱなしだったヒカリに、テイルモンは声をかけた。
「お昼にしよう?」
「そうだね。お腹減ってきちゃった。」
とりあえず、小さな疑問は胸に閉まった。
96
:
ユッケ
◆h8PPKSmgM6
:2008/04/05(土) 12:16:41
空もヤマトも太一が無断で部活を休んだ事に何かあると勘付いたようですね。
しかし、ヒカリは二人が尋ねてきた理由は分からぬまま……。
果たしてヒカリの疑問は解消されるのでしょうか?
そしてゲンナイの所へ向かった太一は……?
次回も頑張って下さい!
97
:
デジロル
:2008/04/05(土) 15:36:01
ヤマトと空は無断で部活を休んだことに気付く。
だが家に行っても太一は部活に行ったことになっている。
まあなにか感づいたようなので荒波たてるようなこと言いませんでしたが。
しかし太一はどうなっているのでしょうか、気になりますね。
次回も頑張ってください!!
98
:
SORA
:2008/04/19(土) 09:26:12
ユッケさん、デジロルさん、お久しぶりです〜♪
いろいろとあって、全然更新できていませんでした(汗
部活を休んだ太一。
その事を知らないヒカリ。
休んだ理由を知らないヤマトと空。
どうなっていくんでしょうか。
すぐに続きを更新しますね!
99
:
SORA
:2008/04/19(土) 09:33:21
Data.13 行方捜しから…。
「ヒカリちゃん、太一が練習休んでいる事知らなかったみたいね…。」
「風邪・怪我またはヒカリちゃんの看病…の線は消えた、な。」
どこへ行くとも無く、とりあえず歩くだけの空とヤマト。
「…サボり?」
「考えられないけど…。」
「でもそれ以外になぁ…。」
二人揃って難しい顔をして考え込んでいると、
「あれ?どうしたんすか?こんなところで。」
と、少年が声をかけてきた。
「大輔?」
ノースリーブにハーフパンツとラフな格好に、太一からもらったゴーグルを額の位置にかけている少年、大輔が立っていた。
その足元には、彼のパートナーのブイモンもいた。
「大輔くんこそ、どうしたの?こんな所で。」
「…………っす。」
「は?」
空の問いに、大輔が小さな声で答えるので、聞き取れなかったヤマトは聞き返した。
「……姉貴のパシリっすよ…。」
もう一度言い直した大輔の言葉に、空は苦笑し、ヤマトは…
「…相変わらずだなぁ。」
何か苦い物を食べたような、複雑な表情になった。
「太一先輩っすか?見てない…です。」
「そっか。」
「どうかしたんっすか?」
大輔も太一の行方を知らず、とりあえず大輔に、太一が練習を休んだ事を伝えた。
「…太一先輩が……サボリっ!?」
その事実に大輔は心底驚いた様子。
「本当に練習休んだんですか!?あの太一先輩がっ!何の理由も無く!練習さぼるなんてっ!?」
「そんなに珍しいことなのか?大輔?」
「そりゃ〜もう!どんなに体調悪くても、試合だろうが練習だろうが、とにかく部活があれば意地でも行く人だぜ!?」
大輔の驚きようがいまいち理解できていないブイモンの問いに、大輔は(自分の事でも無いのに)胸を張って答える。
その反応に、ヤマトと空の二人も「やっぱり…。」という表情だ。
「…あれ?でも、そういや、何で太一先輩を探してるんですか?」
「え?………特には、理由……ない、わ…ね。」
「……そうだな。」
大輔の素朴な疑問に驚いた二人。
そう言えば、特に太一に用がある訳でも無いと、ここで二人は思い至った。
まぁ実際、仲が良いので特に用が無くても話が弾むし、問題無いのだが…。
わざわざ、太一を探す理由が無かった。
何故、こんなに悩んでいたのだろう?
『……………。』
その場にいる三人と一体は、仲良く首を傾げた。
「…って、いっけねぇ!早く帰らねえと、姉貴に怒られるっ!」
ふと、現在時刻を確認した大輔が、大きな声を上げた。
「そうだったな。悪い、引き止めて。」
「いいえ!じゃ、俺、帰りますね!」
「ごめんね。」
大輔とブイモンの走っていく姿が遠くなると、ヤマトは呟いた。
「…何やってんだろ?」
隣の空が見上げてくる。
「ヤマト。何処かでお昼にしない?お腹減っちゃった。」
「あ〜…そうだな。」
「奢ってね?」
「う…。」
ヤマトの反応に、空は嬉しそうに腕を組んだ。
「奢ってね?」
もう一度言うと、ヤマトは観念したように、「ハイハイ…。」と、呟いた。
いつの間にやら、太一捜しからデートに変わっていた…。
100
:
デジロル
:2008/04/19(土) 21:28:39
姉貴にパシらされている大輔。
うわ〜、ものの見事に姉の方が地位的に上ですね〜。
太一が部活をサボるということがとてつもなく珍しい。
なのにサボるとはこれどういうか、と考えています。
が……何時の間にか太一捜し……デートになっとりますね。
これからどうなるのでしょうか、気になります。
次回も頑張って下さい!!
P.S.
SORAさん、たまには『駆け巡るW・D』、宜しくお願いしますね。
101
:
SORA
:2008/04/29(火) 11:49:12
デジロルさん、こんにちは〜☆
大輔のお姉さんは最強です(笑)
そういえば、お姉さんも“選ばれし子供”になったはずなんですよね〜(ドラマCDで)
詳しくは知らないんですけど。
誰か、お姉さんのパートナーデジモンが何か知ってませんかね〜?
小説で使いたいのに…!それともパートナーまでは決められてないのでしょうか?
P.S 全然感想書いてなくてスミマセン(汗)しっかり見させてもらっています!
…何だかんだで100レス(あれ?スレだっけ?どっちだ(汗))達成っ!
102
:
SORA
:2008/04/29(火) 12:06:07
Data.14 太陽のような人
「じいさ〜ん?いるかぁ?」
現在、太一はゲンナイの家の中。
相変わらず、ゲンナイの家は湖の中にあった。
「そんな大声を出さんでも聞こえとるわい。」
部屋の奥から、老人が顔を出した。
その彼が“ゲンナイ”であり、デジタルワールドのエージェントである。
「で、何だよ?」
太一は回りくどい事もせず、単刀直入に本題に移った。
その瞳は、いつも見せる無邪気な…見る人を和ませるような光を帯びたものではなく、鋭い光を宿す真剣なものになっていた。
彼…“八神太一”という人は、12人の選ばれし子供の中心的存在で、それは今も昔も変わらない。
他の選ばれし子供やそうでは無い人も、太一をよく知る人達は、彼を“太陽”のような人だ、という。
どんな絶望の中でも暗闇の中でも、前を見て歩く…皆を導く人。
光を放つ、世界の太陽のような人。
ゲンナイは、何も言わず、太一を見つめた。
太一も無言で、ゲンナイの言葉を待っている。
悩みなんてものが存在しない…と思われがちな少年…否、もう青年と言って良いだろう。
だが、それは間違っている。
彼も人であり、やはり悩みはある。
ただ、それを見せないだけ。
皆を導く中心的存在だからこそ、弱い姿を見せないように意地を張る。
彼の親友というポジションにいる二人にだって、そう簡単には自分の弱さを見せない彼は、いつも自分だけで重荷を背負おうとする。
きっと、今回も背負うだろう。
今から伝えることを、
彼は一体何人の人に話すだろうか。
一体どれだけを話すだろうか。
きっと、今回も背負うだろう…否、わし達が背負わせてしまうだろう。
わしも、太陽にすがる一人なのだ。
わしだけでは無い…。
デジタルワールドも、“八神太一”という太陽にすがるのだ。
「では、話すかのう…。」
長い沈黙を経て、ゲンナイは目の前の青年に伝える。
103
:
デジロル
:2008/04/29(火) 19:49:37
こんにちは、SORAさん。
いや〜、僕ドラマCDとかはあんま聞かないんであんまし知らないんですよ。
しかし太一のこと、太陽ですか。確かにそうだね。
彼は太陽みたいな存在ですし。大体勇気の紋章も太陽の形してますからね。
ゲンナイさんは太一に背負わせることに負い目を感じているようですね。
これからどうなるのか、気になります。
次回も頑張ってください、SORAさん!!
104
:
SORA
:2008/05/05(月) 21:44:25
こんばんはーデジロルさん!
私の中では、太一を何かに例えるとしたら太陽なんですよね〜。
他に思いつきません。
だれかー!
ドラマCD事情に詳しい方はいらっしゃいませんかねー??
大輔の姉…(名前も忘れた(汗))と丈の兄…(えー…『シュウ』だっけ?)の、パートナーデジモンを知りませんか!?
まぁ、この二人が選ばれし子供になったのかもアヤフヤですけど(←オイ!!)
105
:
SORA
:2008/05/05(月) 21:49:11
Data.15 満面の笑み
「遅いですね…。太一さん。」
光子郎は、自室で呟いた。
仮眠は取ったので、目の下のクマは薄くなっている。
アグモンは昼食をこれでもかと食べ、テントモンと一緒に先程からベッドの上で眠っている。
アグモンの食欲には、正直驚いた。
母は、アグモンの食べっぷりにとても嬉しそうだったが。
思わず八神家の食費は凄いだろうなぁと思ってしまった。
あれからもう何時間経ったのだろうか。
空は段々とオレンジ色を帯びてきた。
夏は暗くなるのが遅いが、これならもう1・2時間もすれば暗くなるだろう。
頼まれていた太一のD-ターミナルの改良も終えてしまい、やる事が無くなってしまった。
(一体、ゲンナイさんは何を話しているのでしょう……。)
そんな事を思い、自椅子にもたれて、天井を見上げた。
そして知らず知らずの内に、目を閉じていた…。
…きろ、……う…ろ…!…お…い…。
「起きろ!光子郎っ!!」
「はいっ!?」
大きな声が降ってきて、光子郎は目を開けた。
視界には、部屋の天井では無く、太一の顔が映っていた。
「…太一さん?帰ってきていたんですね。」
「今さっきな。悪いな、遅くまで。」
太一に言われて光子郎は部屋の窓から外を見た。
真っ暗…とまではいかないが、日は殆ど落ちてしまっている。
時計を見ると、もうすぐ7時になる所。
「いえ、だいぶ時間がかかったようですが…。」
「う〜ん…。また、デジタルワールドとこっちの世界の時間の流れがずれてきてるみたいなんだよなぁ…。」
「そうなんですか?」
「あぁ。いくらなんでも10時間近く話し込んではいなかったし。正確な誤差は分からねえけど。」
そう言って、太一は腕を組み、
「でも結構話してたり…したからなぁ〜…。デジタルワールドでは5時間ぐらいか?」
と、ぶつぶつと呟いていた。
光子郎は足元を見ると、いつの間にか起きていたテントモンとアグモンが揃って二人を見上げていた。
「あ〜、光子郎。これ、サンキューな!」
差し出された物は、光子郎のD-ターミナルだった。
「いえ。支障はありませんでしたか?」
「おう!全然平気だったぞ。流石だな〜!これ、ヤマト達に伝えたら大喜びするぜ!」
「良かった。太一さんの方も改良しておきましたよ。」
代わりに光子郎から差し出されたD-ターミナルを、太一は嬉しそうに受け取った。
「太一ぃ。それで、デジタルワールドに行けるんだよねぇ?」
「おう!喜べアグモン!何時でもデジタルワールドに行けるぜ!?」
太一とアグモンの会話が続く中、光子郎が気になっていた事を切り出した。
「…太一さん。ゲンナイさんの話とは、一体………?」
「何を言うとりましたか?」
テントモンも太一を見上げて訪ね、アグモンも心配そうに見上げた。
「あ〜………。」
一人と二体の視線を浴びた太一は、少し罰が悪そうに、頭をかく。
「…良く分からないとか、自分だけの問題だからとか、まだ不確かな事だからとか、そんな言い訳無しで、包み隠さず教えて下さいね?」
「………。」
何かを言う前に、光子郎が“誤魔化すな”と釘を刺した。
太一が無言でもって応えると、
「教えて下さいね?」
強調して、光子郎は言ってきた。
満面の笑みを顔に浮かべて。
…その満面の笑みに、どことなく冷たく、逆らえないようなものを感じるのは、きっと太一の気のせいでは無い。
「……………ハイ。」
太一は、乾いた笑みで応えるのみである。
106
:
デジロル
:2008/05/05(月) 22:27:04
誤差とかが生まれてきているみたいですね、デジタルワールドと現実世界では、
そしてよく話をはぐらかされる方法を事前に封じておく光子郎。
うわ、さすがですね。光子郎。
はてさてこれからどんな展開になるのか気になります。
次回も頑張ってください、SORAさん!!
107
:
SORA
:2008/05/25(日) 21:24:11
久しぶりの更新となりました。
最近、模試やらバイトやらで、忙しくて…(汗
すぐに次を更新しますね!
108
:
SORA
:2008/05/25(日) 21:28:38
Data.16 必要
―――まだ確証では無い。が、何かが起こるかもしれん。
ゲンナイのじいさんは俺に言った。
「何かって…。」
中途半端な忠告に少し呆れたが、無視するわけにもいかなかった。
夢で……ブラックウォーグレイモンと会った夢で、“あいつ”も同じような事を言ってたから。
「……“デジタルワールドの安定を望む者”からの忠告か?」
俺がそう言うと、ゲンナイのじいさんが少しだけ眉を上げて、訝しげにこちらを見た。
「なんじゃ、もう聞いておったか。」
「まーね。もっとも、伝えてくれた本人は詳しい事は知らないって言ってたから、俺も詳しくは知らねーぞ?」
ゲンナイのじいさんの口ぶりからして、全て知っているようなので、敢えて“あいつ”の名は口に出さなかった。
「そうじゃろうて。“彼”にはとりあえず、お主に危険を伝えるように言っただけらしいからのう…。」
「で?その危険って?」
忠告をしてくれるのはありがたい事なのだが、“何か”やら“危険”だけでは、全くもって役に立たない。
いくら危険だの気をつけろだの言われても、対策の立てようが無い。
「分からん。」
ゲンナイのじいさんはきっぱり、はっきりと言い切った。
「………。」
「そんな呆れたような目で人を見るんでない。しょうがないじゃろう?“デジタルワールドの安定を望む者”でさえも詳しい事は分からんのじゃ。」
「でもさぁ〜、何で“俺”だけ呼んだんだよ?わざわざ光子郎にD-ターミナルの改良を急がせてさ。」
「まぁ、本人に聞くが良いじゃろ。」
「…は?」
俺はゲンナイのじいさんが言った意味が理解できなかった。
ここでの“本人”は“デジタルワールドの安定を望む者”だという事は分かる。
が、話を聞こうにも、向こうは実体と呼べるものが無いと聞いている。
1999年の冒険では、ヒカリの体を借りて、俺達に接触してきた。
でも、ここにヒカリはいない。
当たり前だ。
ヒカリを連れてきていないし、そもそも呼ばれたのは俺一人なのだから。
「大丈夫じゃて。」
そんな俺の心を読んだのか、じいさんは朗らか(?)に笑っていた。
そして、おもむろに片手を上げた。
「?」
俺は何をするのか理解出来ず、ただただじいさんの行動を見守っていた。
「じゃあ、会って来い。」
そう言うなり、じいさんはその手で、俺の頭を軽く叩いた。
「!?」
本当に、全然痛く無いはずなのに、軽く叩かれた瞬間、視界が気持ち悪いぐらいに揺れた。
体が傾いて、視界が暗くなり、じいさんの姿が見えなくなっていく。
―――デジタルワールドは、お主を…。
暗くなっていく視界の中で、じいさんの声が遠くなる。
―――お主の存在を、必要としてしまった。
そこで、俺の意識は、ぷつりと途絶えた。
109
:
デジロル
:2008/05/25(日) 21:55:19
何故、どうして……?
それは分からない。ゲンナイにも。
そして太一は出会いに行く。その本人の所へ。
これからどうなるのか、気になります。
次回も頑張ってください、SORAさん!
113
:
龍牙
:2008/06/08(日) 14:32:10
どうも初めましてSORAさん。
『DIGITAL MONSTER 〜二つの物語〜』を書いている龍牙と言います。
SORAさんの小説は文章のまとめ方がうまいくて良いと思いました。
自分の小説なんかただ文を並べてるだけのような駄文でorz
これからも頑張ってください。
117
:
hitomi
:2008/07/14(月) 13:46:09
初めまして。初めて読ませていただいています。
話の内容がとても良く分かり、楽しく読ませてもらっています。
次回もがんばってください。
118
:
ダーク
:2008/07/20(日) 16:42:23
とても読みやすいですね 次回作もがんばってください 応援してますよo(^-^)o
119
:
美浦
:2008/07/28(月) 04:43:14
初めまして!読ませていただきました。キャラの書き分けが出来ていてとても読みやすく、またとても面白くて続きをわくわくドキドキで楽しみにしています。これからも頑張ってください!
120
:
SORA
:2008/08/11(月) 21:41:12
…お久しぶりです。
うわ〜何ヶ月ぶりに更新するんでしょう…?
大学受験で忙しいので、ますます更新停滞しそうです(汗
…がんばりますけどね?
あと、たくさんの方に書き込みをしていただいたみたいで…!
デジロルさん、龍牙さん、hitomiさん、ダークさん、美浦さん…
コメント、ありがとうございます!!
一話だけですが、すぐに更新いたしますッ!
121
:
SORA
:2008/08/11(月) 21:43:14
Data.17 白い世界の中で
―――………さ…、た………ん、お…て……さい…
誰かが呼んでる。
俺、どうなったんだっけ…?
―――太一さん!!
「!?」
目を開けると、視界に自分の妹…ヒカリの顔があった。
「ヒ……カリ…?」
思わず呟いたが、その返事を待つ前に、太一は起き上がった。
「ここは…?」
「デジタルワールドであって、そうではない所。」
辺りを見回した太一に、ヒカリは静かに告げた。
そこは、辺り一面“真っ白”な世界だった。
太一はじっと、ヒカリを見つめた。
…ヒカリは、1999年の冒険の時の、幼い姿だった。
「お前………“デジタルワールドの安定を望む者”か?」
「ええ。この姿の方が話しやすいと思って。と言っても、ヒカリさん御本人ではなく、ただデータを形にしただけですが。」
ヒカリ…否、デジタルワールドの安定を望む者は、微笑んだ。
「こうして、あなたの前に姿を見せられるのは、この世界にいる間だけですけど。」
―――肉体というものは、私にはありませんから。
どこか悲しげな表情を滲ませていた。
「なぁ、デジタルワー………面倒だな、ヒカリで良いか?」
「ふふっ、良いですよ。」
「ヒカリ、危機ってなんだ?俺だけって…。」
太一は途中で言葉を切った。
幼いヒカリは、表情を曇らせる。
「…詳しい事は、私にも分かりません。私に聞こえてきた声は、勇気の子を欲していました。」
「あぁ、ブラックウォーグレイモンに聞いた。でも、何で大輔ではなく、“俺”なんだ?」
「…お恥ずかしい事ですが、確証も無い…あなたたちの基準でいうと…“勘”です。ですが…」
「確信は、ある?」
ヒカリの言葉を遮り、太一が後に続けた。
ヒカリは、少し驚いたのか、目を見張り、小さく頷いた。
「…仰るとおりです。それと、“勇気”だけが狙われているわけではありません。」
ヒカリに視線を合わせるためか、立たずにあぐらをかいていた太一が、ヒカリを見つめる。
「その他の紋章…特に“光”も、狙われています。」
「……まぁ、今まで“光”がまず狙われる対象だったからな。」
「しかし、今回は“勇気”。その他の紋章も狙われているとはいえ、“ついで”といった感じなようです。」
「…なんで?」
「…分かりません。」
しばらく、沈黙が続く。
「勇気が、そいつにとって、どれだけの価値があるんだろうな…。」
ぼそっと呟いた太一の言葉に、ヒカリは答えることが出来なかった。
「…あのさ。」
「はい?」
太一の呼びかけに、デジタルワールドの安定を望む者…幼いヒカリは、振り向く。
「なんで、俺が、あんたと話せてるんだ?」
「と、言いますと?」
「…初めて話した時、ヒカリの体を借りて俺達と話したよな。」
「ええ。」
「確か、そうやってしか俺達と話す事は出来ないし、体を借りるのもヒカリしか駄目なんじゃなかったのか?」
「………。」
太一の質問に、ヒカリはしばらく無言だった。
太一も何も言わず、ただヒカリの言葉を待つ。
「それは――――………。」
122
:
SORA
:2008/08/22(金) 23:01:40
Data.18 謎
「ふぁぁぁぁ〜〜〜〜。」
大きな伸びをして、太一は起き上がった。
見覚えのある、部屋にいた。
ゲンナイの家の中だ。
「帰ってきおったか。」
後ろから声をかけられたので、振り返ると、ゲンナイが立っていた。
「………じいさん。微妙にまだ気持ち悪いんだけど…?」
まるで車酔いにでもなったみたい、と太一は頭を抱える。
どうやら少し頭痛もあるらしい。
「初めてじゃからのう。まぁ、すぐに治るじゃろうて。」
朗らかに笑いながら、太一にある物を差し出した。
「!…これ……。」
「また、必要になるやもしれん。」
「………そっか。」
太一は差し出された物を受け取った。
「どこまで話すんじゃ?」
受け取ったものを見て俯く太一に、ゲンナイは問いかけた。
誰にとは言わなかった。
そんな事は、とっくに分かっているから。
“全てを話すのか?”とは言わなかった。
太一が、“全てを話す”事は無いと分かっているから。
「新たな危機…ですか。」
光子郎は、自分とテントモンしかいない自室で、ぼそりと呟いた。
太一とアグモンは、一通り話を伝え、先程家に帰った。
パソコンのキーボード操作をしていた手を止める。
「光子郎はん…。」
テントモンが不安げに(といっても表情の変化を読み取るのは非常に難しいが)、光子郎を見上げる。
太一から聞いた話を、光子郎は頭の中で整理する。
まだはっきりと見えてこない敵。
そしてその目的。
確証の無い危機の予感。
現時点ではどこにもおかしな所が無いデジタルワールド、そして現実世界。
「確証の無いものですが………太一さんも気を付けた方が良いと言っていましたし。」
直接ゲンナイさんと話をした太一がそう言っているのだ。
きっと、場の雰囲気などからも推測して、彼も言っているのだろうと、光子郎は考えている。
分かっている事とすれば、“1999年”の選ばれし子供達と、その紋章が狙われている事。
だが、光子郎の知る限りでは、二つの世界に敵の影も形も見られない。
敵が“いる”事しか分かっていない。
「…これでは、後手に回ってしまいますね…。」
今は世界中にいる選ばれし子供達の中の代表グループ、12人の中で参謀を務める人、泉光子郎は、そう呟いて行動を起こすべく、パソコンに向き直る。
そのパソコンの傍には、“知識”の紋章が入っているタグが置かれていた。
123
:
みけ
:2008/11/02(日) 15:45:32
はじめましてSORAさん!
さっきから読ませていただいたんですけど、すごい楽しくて一気にここまで来てしまいました(笑)
自分もBLウォーグレイモンが好きだったので、こういう形で出てきてくれて嬉しかったです!!8月1日計画も太一達らしい過ごし方ですよね^^
続き頑張ってください!応援してます!!
124
:
ばうむ
:2009/11/20(金) 07:01:59
はじめまして^ω^
楽しく読ませて頂きました!
ほんとに読んでてわくわくする作品ですね。
登場人物の描写も上手いです!
これからの展開がすごく気になります(*^^*)
更新頑張ってください!
125
:
SORA
:2010/02/15(月) 11:00:03
お久しぶりでーす!!
やぁっと、ここに来れました。
1年半ぶりですか…うわぁ(汗)
長らく、放置してすみませんでした。
また、少しずつ更新していくつもりです。
みけさん、ばうむさん、大分遅くなりましたが、ありがとうございます。
これからまた読んで下さる方々がおられましたら、不定期更新な小説ですが、SORA共々よろしくお願いします!
126
:
SORA
:2010/02/15(月) 11:09:19
Data.19 夢の世界へ
「………疲れた。」
光子郎の家から帰ってきて数時間後、夕飯や風呂などを済ませた太一は、自室のベッドに仰向けになっていた。
今はヒカリとは別の部屋になり、寝る時はいつもアグモンと太一しかこの部屋にいない。
ちなみに部屋を離れる時、ヒカリは相当渋っていたが。
「いろんな話聞いて頭パンクしそうだ…。」
その呟きに答える者はいない。
アグモンはまだリビングでテレビを見ている。
寝返りを打とうとして、首にかけてあるタグの存在を思い出す。
首にかけたままそれを手に取り、目の前に持ってくる。
“勇気”の紋章が入れられているタグ。
他のタグも、今回の事についての会議を開く時まで預かり、机の引き出しの中に大事に閉まってある。
ある程度状況の整理がつき次第、召集すると光子郎が言っていた。
「ほんと、頼りになる参謀だなぁ〜…。」
苦笑し、タグを服の中にしまい込んだ。
光子郎には、“デジタルワールドの安定を望む者”と会話した事は伝えていない。
全部、ゲンナイから聞いた話という事にした。
話の内容に関しても、所々言わなかった部分もある。
悪いとは思いながらも。
「太一ぃ。」
部屋のドアから、アグモンが目をこすりながら入ってきた。
「寝るか?」
「うん…。」
太一は少しベッドの中心から奥のほうにずれ、アグモンも寝られるスペースを作る。
そこにアグモンが横になり、太一の方を見た。
「太一ぃ?」
「ん?」
呼ばれた太一もアグモンを見つめる。
「ブラックウォーグレイモンに、会いに行けるかなぁ。」
太一はほんの少し目を見開いて、すぐに優しい眼差しになり、アグモンの頭を優しく撫でた。
「あぁ。一緒に会いに行こうか…。」
「うん!」
目を閉じると、意識が沈んでいくのが分かる。
心の中で、彼の名を呼ぶ。
太一とアグモンは、夢の世界へと旅立った。
127
:
SORA
:2010/02/18(木) 08:24:43
Data.20 お前に会いに来たってとこだな
彼は灰色一色の世界にいた。
今さっきまで光が丘とデジタルワールドを結ぶゲートにいたのだが、“呼ばれた”と思ったら此処に来ていた。
『……なぁ、またこうやって会えるか?』
この世界で会った、人間の言葉を思い出す。
(会えるとは答えたが……。)
「あ、いた!」
聞き覚えのある声がした方を見ると、黄色い体をした小さなデジモンが、こちらに走ってきていた。
灰色の世界で、その色は妙に映える。
(本当に会いに来るとはな……。)
彼は自分から近づかず、ただ立っている。
「ブラックぅ〜……」
こちらへと走ってきた黄色いデジモンは止まるかと思えば、
「……ウォーグレイモンっ!」
『うおっ!?』
その小さな体で走ってきたスピードのままジャンプし、ブラックウォーグレイモンに突進…もとい、抱きついた。
ブラックウォーグレイモン……彼は彼で、予想外の行為に大きく仰け反るが、まともにくらった。
アグモンの抱きつくという名の突進に加えて、半端に仰け反ったため、バランスを崩し、アグモン共々後ろに倒れこんでしまった。
「あははは。しっかりしてよ〜!」
『……貴様っ』
とりあえず起き上がり、アグモンを引き剥がし自分の前に片手で持ち上げると、猫みたいな扱いを受けた本人は笑っていた。
謝る気ゼロだ。
「……仲良いなぁ、お前ら。」
下の方から声が聞こえたので視線を向けると、いつの間にかアグモンのパートナーが見上げていた。
「わーい!仲良し〜♪」
相変わらずぶら下げられているアグモンは、そんな自分の状況を気にすることなく喜んでいる。
『これが仲良く見えるのか……?』
「おう。」
『……………。』
ブラックウォーグレイモンの身長の半分ぐらいの高さしかない太一は、ブラックウォーグレイモンを見上げて頷くと、彼は無言…というより返せる言葉を失ったようだ。
『……で、何の用だ?』
ため息をつき、彼はアグモンを無造作に手放しながら、太一に問う。
アグモンは“どすん”という音を立てながら着地した。
「用? ……これと言って特には無いよな〜、アグモン♪」
「ね、太一♪」
二人して楽しげに顔を見合わせる。
彼は呆気に取られて、またため息をついた。
そんな姿に太一は笑いを堪える。
「あぁ。敢えて言うなら………。」
思いついたような太一の言いように、ブラックウォーグレイモンだけでなく、アグモンも不思議そうに太一を見る。
「お前に会いに来たってとこだな。」
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