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ザフト@女だったら避難所

171医務室でのアスランとメイリン 2:2005/09/25(日) 01:54:23
──ユニウスセブンの一件の後、オーブに戻ってキラを訪ねた、その夜。
まるで、離れていたほんの僅かな時間を埋めるように。
或いはこれから訪れる、長い別離を予感するかのように、キラは一晩中自分を求めてきた。
自分もまた彼を受け入れ、愛する男の腕の中で、束の間の安らぎを享受した。
その時に宿ったのであろう生命は、その後の過酷な状況にも屈する事無く、
こうして今も、自分の中に確かに息づいている。
『気にすることは…ないよ。
元はと言えば、俺が君を……巻き込んだ所為なんだから』
『でも……っ!!』
『それに……君のお陰でここまで来れたんだ。
ありがとう……』
努めて優しく、安心させるよう微笑んでみせる。
正直、彼女の助力がなければ脱出は不可能だったろう。
そうなれば、自分は──お腹の子もろとも、無事では済まなかった筈だ。
ここまで来れて、初めて自分の中の新しい生命への実感が湧いたとも言える。
『それに……この子も、きっと同じ気持ちだよ。
……そんな気がする』
自分でも驚く程自然にそう思えた。
それを聞いた彼女は、瞳に涙を溜めて、ぺたりとその場に座り込んでしまった。
『アスランさん……っ』
小さく呟いて項垂れる彼女に掛ける言葉が見つからず、黙って手を伸ばし、その髪を撫でる。
暫くそうしていると、落ち着いたのか目元を袖で拭って鼻を啜る。
そしてこちらを見上げ、暫し逡巡した後、恐る恐る口を開いた。
『あの……お腹、触ってみても、いいですか?』
『え?』
『あ、いえ、その、嫌なら全然そんなっ』
ただ聞き返しただけなのに、メイリンはあたふたして、
やっぱりダメかな、と言わんばかりにしゅん、と俯いた。
その様子は小動物を思わせて、彼女を実際の年齢よりも幼く見せた。


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