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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜

65凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2018/05/05(土) 17:10:14
≪メルヴィオン東部戦線≫

サラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領が送り込んだ黒三日月隊により、
メルヴィオン聖王国は王都ネクナールを攻め落とされ国王アディラス十六世も死亡。
ラウール王子が南のリジナス州へと命からがら落ち延びる中、
破竹の勢いで各地に兵を進めた黒三日月隊は次々と占領地を広げてゆく。

ザイアン「ヒャハハハハ!
 この国の民なんて雑草のようなもんだ!
 片っ端から斬り殺して財貨を奪ってやれ!」
孫市「戦に敗れた国の定めとはいえ、
 力なき民衆をここまで容赦なく虐げるのはさすがにどうかと思うがな」
ディザブロス「いや、敵国の者どもに情けなど無用ぞ。
 それにしても、このメルヴィオンはなかなか豊かな国のようだ。
 どの州にも奪う価値のある物が山ほどあり、略奪のし甲斐がある」

アルハザードは今回のアセーリア侵攻にサラジアの正規軍は一切動かさず、
自分が雇った傭兵団である黒三日月隊を代わりに投入している。
他国には今のところ秘密にしているアセーリアの存在とその侵略がもし明るみに出た場合、
サラジア政府による公式の国家戦争という形では国際社会や地球連邦から猛烈な非難と制裁を受けるのは必至なため、
あくまで公人ではなく私人としてのアルハザードのプライベートな私有地の取得・開発という建前にし、
「国が行なっている事ではないので、戦時国際法や国際人権規約など、国家を対象とした条約の違反には該当しない」
という強弁の余地を作って世界からの圧力をかわそうという魂胆だ。
この理屈で地球での戦争のルールを守る必要無しと考えた黒三日月隊は、
虐殺や略奪、奴隷狩りや強制労働といった地球では許されない非人道的行為を平然と行なっていた。

ザイード「此度、シンドゥラ人部隊が平定したカルメネス州はガーデーヴィに与え、
 ガーデーヴィを公主とするシンドゥラ公国の樹立を許すとの閣下のお言葉である。
 ただし、領内にある三つの金山と、地下にウランが埋まっている可能性のある二つの湿原は、
 いずれも閣下直轄の私有地とする。
 州の南部にある三つの銀山と二つの銅山についてはシンドゥラ公国の所有を許可するが、
 採掘した銀と銅の四割は税として閣下に納めるように」
ガーデーヴィ「ありがたき幸せ、恐悦至極に存ずる。
 (フン…属国扱いは癪に障るがひとまず今はやむを得ぬ条件か)」

アルハザードは制圧した地域をガーデーヴィやザイアン・テナルディエらの諸将に恩賞として与え、
それぞれを公主とする公国の建国を許可して自らはその上に君臨するという間接統治を進める。
ただし金銀や石油、レアメタル等、地球で価値のある資源が眠っている土地はアルハザードが押さえ、
資源を採取してまず一旦アルハザードの私財とした上で、
黒三日月隊の軍資金にしたり、必要に応じてサラジアの国家予算にも回して行こうという計画である。
この辺りは法律をも超えた権力を持つ独裁者ゆえ、いくらでも融通は利かせられる。

ファイサル「後は南端のリジナス州と、
 東端のイマレス州からコンクェイテューラの山岳地帯にかけての地域を残すのみ、か。
 中世並みの軍事技術しかない未開人どもがろくに戦えねえのは当然だが、
 それにしても呆気なく終わりそうだな」
ザイード「ムオジネルのカシム将軍が率いる東部方面軍は、
 既にイマレス州を治める領主らの軍勢を野戦で大いに破ったと報告が届いております。
 まだ油断はなりませんが、東の半島の平定完了は時間の問題でしょう」
ファイサル「後はノアトーンに立て籠もるラウール王子の首さえ取っちまえば、
 王家が滅亡してメルヴィオンは完全にジ・エンドだな。
 直ちにラウール討伐の軍を編成してリジナス州へ差し向けろ!」
ザイード「了解しました!」

こうして南と東に残されたリジナス州とイマレス州〜コンクェイテューラへも黒三日月隊の侵攻が始まり、
メルヴィオンの命運は今や風前の灯となっていたのであった。


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