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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
22
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2017/11/26(日) 14:35:56
≪ノンマルトの葛藤≫-続き
ミュータントノンマルト・ネヴィルに伴われてゼベックの元から脱出し、
地上へ戻った錦織佳代は急いで事の次第を牧村光平に伝えた。
光平もすぐにこの一大事をフランスにいるフィリナ・クラウディア・アルシャードに国際電話で連絡。
ジョンスン島の石油採掘が思いがけない事態を招こうとしていたと知って、
驚いたフィリナは間近に迫っていた油田の開業をすぐに中止させる。
メッツ「油田の改修工事がようやく終わって、
後はオープンセレモニーを開いて稼働させるだけだったのですが…。
せっかくここまで進めてきた投資が無駄になってしまいましたか」
フィリナ「確かに痛い損失だけれど、仕方がないわ。
我が社の利益のためにテュリアス市民の生命にも関わる重大な被害、
そして人類とノンマルトの戦争という悲惨な事態を誘発するわけには絶対に行きません。
ジョンスン島の事業からは直ちに撤退しましょう」
メッツ「それにしても、ノンマルトの海底都市全体を覆うほどの巨大な原油の地底湖…。
致し方ない事とはいえ、逃がした魚は大きいですね」
フィリナ「でも、ここで無理に押して強引にその石油を手に入れるよりも、
潔く油田開発を放棄してノンマルト側の信頼を勝ち取る道を選んだ方が、
我が社としても長い目で見れば得られるものは大きいはずです。
将来、人類とノンマルトが正式に講和して友好関係が築かれた時には、
ここで培われた信頼次第で更なるビジネスチャンスが私達に巡って来るかも知れないわ」
人道的見地からもビジネスとしてもここは穏便に譲歩するのが適切と判断したフィリナは、
いつかノンマルトと人類がわだかまりを捨てて和解できる日が来るのを願いつつ、
ジョンスン島のプロジェクトから手を引く事を決めたのであった。
ウィーザー「錦織さんがしっかりと我々のメッセージを伝えて下さったようだな。
クラウディア・エレクトロニクス社の迅速で寛容な対応には心から感謝する。
これで戦争を起こすべき正当な理由も無くなったわけだ」
ゼベック「ぐむむ…」
ウィーザー「むしろ、北上さんを監禁してブラックテクノロジーを強制的に採取した君の行動こそ、
地上人の怒りを招いても仕方のない犯罪行為だ。
直ちに彼女を解放して地上に返したまえ。
無論、このような事をした君の引責辞任も避けられないだろう」
原油の汲み上げが中止されたと聞いて、主戦論に傾いていたノンマルト議会も冷静さを取り戻し、
軟禁を解かれて復職したウィーザー長官の下、
もはや武力に訴える必要はないとの判断で地上攻撃はひとまず取り止めとなる。
基本的に平和を愛する種族であるノンマルトはテュリアスの被害を防ぐためという正当防衛の大義がなければ、
敢えてこちらから戦争を仕掛けようという過激な意見にはなかなか賛同は集まらない。
クラウディア・エレクトロニクス社が見せた高潔で寛大な対応に評価の声が上がる一方、
反対に地上の一般市民に手荒な事をしてしまったゼベックは糾弾され議員辞職が求められるようになった。
万丈「北上さん、どうやら無事だったようで本当に良かった。
我々が迎えに来たからもう大丈夫だ」
紗希「ありがとうございます、破嵐さん。
でも私、もう少しだけこのテュリアスでやりたい事があるんです」
岩屋村の事件以来、故郷を離れて東京で暮らす北上紗希の後見人となっている破嵐万丈が迎えに来たが、
紗希は意外にもすぐには地上へ帰らずテュリアスに留まりたいと希望。
テュリアスでは現在、近隣の紛争地帯であるバリク共和国の化学兵器工場から垂れ流された、
高濃度の有毒な廃液が流れ込んできて水質汚染が起こっており、
既存の浄水システムでは十分な浄化ができずに困っていた。
事情を知った紗希は、ウィスパードである自分のブラックテクノロジーでもっと高性能な浄水装置を開発できないかと考え、
親切心からノンマルトのために協力しようとしていたのである。
紗希「ゼベックさんは確かに怖かったけれど、
他のノンマルトは皆さんとても優しくて親切です。
お陰で快適に過ごしていますから、ご心配なさらないで下さい」
万丈「分かった。ではしばらく後でまた迎えに来るよ。
だが、もし何かあったらすぐに連絡するんだ」
温厚で心優しいノンマルト達とすっかり仲良くなっていた紗希。
市民の暮らしの助けとなる技術提供もしてもらえるとあって、
地上人へのヘイト感情に流されていたノンマルトの主戦論者も認識を改める者が続出。
人類への好感度は上がって友好の機運が高まり、
こうして戦争勃発の危機は去ったかに思われた。だが…。
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