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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
21
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2017/11/22(水) 22:10:17
ウィーザー「地上人との和平については、
目下、星間評議会が仲裁に動き出そうとしてくれている最中だ。
宇宙からの裁きを得て公正に問題を解決できるチャンスが巡って来ようとしているんだ」
ゼベック「星間評議会が間に入ったところで、
どうせ領土問題は現状維持、地上奪還など寸土さえ認められまい。
そうなれば奴らに地上を明け渡す事が宇宙全体のお墨付きを得た正式な判決となってしまうのだ。
宇宙からの介入がある前に、我々は地上を力ずくで占領し、
地上の支配権がノンマルトにあるという既成事実を作る。
それから講和に持ち込めば、例え100%の地上平定までは行かなくとも、
星間評議会も譲歩して相当の領土の割譲を認めざるを得ないだろう」
ウィーザー「絵空事もいいところだ。
地上人と戦争したところで、またこっぴどく負けるだけなのは目に見えている」
ゼベック「既に我らは海底同盟の一員となり、多くの味方を得たではないか。
シートピア海底王国は援軍として昆虫怪獣メガロの派遣を密約しているし、
更に彼らがM宇宙ハンター星雲との間に築いたパイプを通して、
宇宙連合やETFからの応援も望める」
ウィーザー「目を覚ませゼベック!
事もあろうにあの暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人と手を組むなど、
ノンマルト一族の未来を悪に売り飛ばす狂気の沙汰ではないか!」
ゼベック「目的のためなら手段は選ばん!
…ウィーザー長官、貴公にはしばらくご休養願います。
別荘に戻って、日頃の激務の疲れをゆっくりと癒されるがよい」
ウィーザー「くっ、クーデターか!」
ゼベックは私兵を動かして力ずくで政権を掌握。
ウィーザーを解任してテュリアス郊外にある彼の別荘に軟禁すると、
自らが最高長官に就任し、主戦論に湧き立つ世論をバックにノンマルト政府のリーダーシップを握る。
ゼベック「邪悪な地上人は地底湖からの石油採掘を再開し、
再び我々に甚大な被害を与えようとしている。
以前の陥没事故では学校が破壊され、多くの罪なき子供達が死んだのを忘れてはならない。
あのような悲劇の再来を許さぬためにも、直ちに地上に先制攻撃を仕掛けるべきだ!」
ジョンスン島の油田再稼働の動きを口実として戦争を起こし、
星間評議会の介入前に地上占領を進めたいゼベックは佳代と紗希とウィーザーを幽閉し、
対話のチャンスをわざと潰したのである。
ゼベックが主導するようになったノンマルトの国民議会では彼のアジテーションに巧みに煽られ、
興奮の中で開戦決議が賛成多数で可決されようとしていた。
紗希からのブラックテクノロジーの採取も着々と進み、
超兵器メカガイロスの完成も既に間近である。
佳代「これは大変だ…。
何とかして早く地上に戻って、フィリナさんにウィーザー長官の言葉を伝えなきゃ!」
何としてもここを逃れて地上へ戻り、ウィーザーからのメッセージをフィリナに伝えなくてはならない。
牢に閉じ込められた佳代は必死に脱出の術を探す。
そこへ先程佳代を倒したあの恐るべきネヴィルがやって来た。
佳代「何さ、また殴りに来たの?」
ネヴィル「…静かにしろ。声を出すな」
佳代「…?」
何とネヴィルは牢の扉をそっと開いて密かに佳代を脱出させたのである。
戸惑う佳代を、ネヴィルは先に確保していたガメロンに乗せる。
ネヴィル「俺は地上人との戦争のために肉体改造を受けた最強のミュータント・ノンマルトだ。
だがゼベックは地上奪回にこだわる余り、避けられるはずの流血を敢えて招こうとしている。
正直、奴のやり方には俺はもう付いて行けない」
佳代「でもあんた…こんな事して無事じゃ済まないでしょ?」
ネヴィル「明白な反逆行為だからな。
俺はいずれノンマルトの仲間に処刑されるだろう。
だがそれで戦争が止められるなら、俺一人の命くらいは安い代価だ」
佳代「………」
こうして裏切りを決意したネヴィルに守られ、
ガメロンに乗ってゼベックのアジトを脱出した佳代。
果たして、人類とノンマルトの三度目の大戦争は回避できるのであろうか…!?
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