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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜

19凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/11/22(水) 22:05:41
ウィーザーの説明によると、このテュリアスはジョンスン島近海の海底にある。
テュリアスの地下には莫大な量の原油が溜まった巨大な地底湖があり、
クラウディア・エレクトロニクス社が最近買い取った油田はこの地底湖に繋がっているのだが、
この地底湖から石油を汲み上げられてしまうと地下に空洞が発生し、
地底湖の真上に位置するテュリアスでは地盤沈下が起こって街があちこち陥没してしまうのである。

紗希「なるほど…。それはノンマルトの皆さんとしては大問題ですね」
ウィーザー「実はかつてジョンスン島の石油採掘施設で何度か爆発があったのは、
 我々ノンマルトの一部がテュリアスの被害に激怒し、
 採掘妨害のためテロという手段に及んだものなのです。
 人類を敵視して戦いを主張する過激派が、
 政府の意向を無視して独断で仕掛けた攻撃でした…」

以前の古い油田で繰り返し発生していた謎の爆発の正体は、
ノンマルトの過激派による意図的な破壊工作であったとウィーザーは正直に明かした。

ウィーザー「このような野蛮な暴力行為は平和を尊ぶノンマルトの流儀に反するものであり、
 どんな理由があろうと許されるものではありません。
 ですが、こちらとしても多数の市民の犠牲者が出た上に、
 いくつもの重要な建造物が破壊されるという耐えがたい被害があっての事。
 我々の同胞がテロという非道に走った事はノンマルトを代表して深くお詫びいたします。
 しかし、私どもとしましてはこのような大事故が再び人類によって引き起こされるようであれば、
 地上の敵に報復を加えよという国民感情の沸騰をこれ以上抑えるのは難しいのです」
佳代「それは…確かにそうだろうと思います」

ジョンスン島の油田採掘が再開され、再びテュリアスで陥没事故が多発するようになれば、
いかに平和を愛するノンマルトと言えども国民の多くが憤激し、
かつてガイロスやザパンギといった怪獣を使って実行されたような、
地上人への大規模な武力行使をまた行なうべしという世論が支持を集めるのは避けられない。
ウィーザーとしてはそのような事態となる前に、何とか話し合いで平和的に問題を解決したいのだという。

しかし、地球連邦政府とノンマルトはかつての二度の戦いの後、
正式に講和を結んだわけではなく言わば休戦中の状態。
対話しようにも、今は断交している人類の各国政府に事情を訴えられるルートがない。
そこで彼らはクラウディア・エレクトロニクス社を統轄するフィリナの周辺の人間関係を調査し、
フィリナの従弟である光平の友人だというこの二人をメッセンジャーに選んだのである。

佳代「分かりました。光平の従姉のフィリナさんに、
 ジョンスン島の石油採掘を中止してくれるようお願いすればいいんですね」
紗希「フィリナさんは、石油を採る事がこんな大変な事になるなんて知らないだけのはずです。
 事情さえ分かれば、きっと理解してくれると思います」
ウィーザー「地上の国々との正式な国交がなく、
 人類との対話のチャンネルを持っていない我々としてはこれが唯一の確実な方法です。
 私どもの種族の運命がお二人の肩にかかっています。
 どうかよろしくお願いいたします」
紗希「任せて下さい。
 必ずフィリナさんにこの大事なお話を伝えます」

無論、ジョンスン島の石油採掘がノンマルトに深刻な被害をもたらすなどという事は、
クラウディア・エレクトロニクス社としては夢にも思わなかった話であり、
それが伝わればフィリナは当然計画を考え直してくれるはずである。
佳代と紗希は急ぎ地上へ戻ってノンマルトの嘆願をフィリナに伝える事にした。

ウィーザー「ご協力、心から感謝します。
 それではお二人に直ちに地上へお戻りいただけるよう、
 またガメロンに元の海岸までエスコートさせましょう」


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