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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
16
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2017/11/22(水) 22:00:25
≪ノンマルトの葛藤≫
地球人(=ホモ・サピエンス)は、実は地球で生まれた種族ではなく、
およそ一万年前、地球に文明を築いていた先住民族ノンマルトから武力で地上を攻め取った侵略者である――。
人類史の常識を根底から覆すこの衝撃の事実は、
かつて地球防衛軍が公開したアカシックレコードの記録によって明らかとなった。
「他の星への侵略禁止」という宇宙の掟の基本原則に反する、
人類の原罪とでも呼ぶべき忌わしい過去の暗部である。
とは言え、それがあったのは宇宙の掟を人類が知る前のはるか太古であり、
現在では地球が人類のかけがえない母星になっているという永年の既成事実も考えれば、
今更地球をノンマルトに返還して人類は他の星へ去れと主張するのは、
「アメリカをインディアンに返して白人は全てヨーロッパに帰れ!」というようなもので、
感情論としてはともかく実際の施策としては到底現実的ではない。
そのため銀河宇宙の世論は大方、この過去を黙認し人類の地球に対する領有権を認める方向で一致しており、
地球が星間評議会に加盟する際にも、敢えてこの件を持ち出して加盟に反対する声は上がらなかった。
ただ一方で、他ならぬ地球先住民であるノンマルトに対しては、
彼らの立場や権利が十分に尊重されるようしっかりと取り計らう必要性も星間評議会は今後の課題として見落としてはいない。
しかし、多くの犠牲を出した二度の戦争による遺恨が尾を引き、
ノンマルトと地球連邦政府は未だ国交断絶中の冷戦状態。
近々、星間評議会は両者の関係修復のため仲裁のアクションを起こす予定だが、
それを望まず武力による解決に訴えようという者も少なくはないのである。
◇ ◇ ◇
フィリナ・クラウディア・アルシャードが社長を務めるクラウディア・エレクトロニクス社は、
南太平洋のジョンスン島に眠る石油資源の買い取り交渉を進めていた。
この資源の買収にはライバル企業のサラジア・オイル・コーポレーションも名乗りを上げていたが、
交渉を担当したカール・メッツ副社長の巧みなプレゼンテーションが功を奏し、
最終的決定権を持つ島の長老はクラウディア・エレクトロニクス社を売却先に選んだのである。
メッツ「なかなか厳しい勝負でしたが…。
何とかサラジア・オイル・コーポレーションに競り勝つ事ができました。
後はいくつか残った細部の条件を詰めて契約書にサインするだけです」
フィリナ「お疲れ様。本当によくやってくれました副社長」
メッツ「相手は産油国サラジアの国営企業だけあって資金力は莫大。
最終的に提示した土地と権利の買い取り価格は、
向こうの方がこちらより少し上だったようです。
ですが島を治めているジョンスン島の長老としては、
お金よりも周辺住民の暮らしや自然環境への配慮という面で、
我が社の事業計画の方に好感を抱いて下さったようですね」
フィリナ「気になるのは、過去にジョンスン島にあった古い油田では、
原因不明の爆発事故が相次いでいた事よ。
発火しやすいガスなどが地中に埋まっているのかも知れません。
契約が成立して土地の引き渡しが済んだらすぐに油田の改修に着工しますが、
安全面には十分注意して工事を進めて下さい」
メッツ「了解しました」
元々、ジョンスン島にはオーストラリアの石油会社が建設した油田があったのだが、
謎の爆発事故が続発し、十年と持たないうちに危険と判断され操業停止となった。
クラウディア・エレクトロニクス社は半壊状態でずっと放置されていた、
その古い油田跡を買い取って全面改修し再利用しようとしているのである。
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