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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
134
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2019/10/02(水) 14:36:47
こうしてやって来た試合の日。
湘北高校の体育館に、ジュベスタン高校選抜チームが姿を見せた。
晴子「あっ、セルくん! 久しぶり〜!」
セルゲイ「やあハルコさん。元気だったかい?」
ジュベスタンのパワーフォワード、セルゲイ・フィリペスク選手(*オリジナルキャラ)が、
妹の赤木晴子と親しげに日本語で挨拶しているのを見て赤木は驚く。
赤木「晴子、知り合いか」
晴子「うん。セルくんは小学校のクラスメイト。
内戦で国を追われて、家族で日本に亡命してうちの近所に住んでたのよ。
内戦が終わってジュベスタンに帰っちゃったから、
会うのは五年ぶりかな」
三井「なるほど。それで日本語も話せるわけか」
セルゲイ「少しだけね。
日本ではハルコさんにとてもお世話になってました」
幼少の頃に内戦で故郷の町が壊滅し、
難民となって日本へ逃れていたセルゲイは、
慣れない異国での生活で晴子に色々と親切に助けてもらい、
とても仲良くなっていたのであった。
桜木「ぐぬ…! つまり晴子さんの元カレか貴様!」
セルゲイ「ボーイフレンド?
ノーノー! 違うよ」
晴子「お互いまだ小学生だったんだから、
セルくんとはそんなんじゃないって〜」
宮城「しかしセルなんて言うと、
ミスターサタンに倒されたあの怪物の方が思い浮かんじまうな…」
なかなかハンサムな顔立ちでもあるセルゲイと晴子の過去を誤解して、
勝手に対抗心を燃やす桜木であった。
安西「フィリペスク君はジュベスタンの高校生でもトップクラスの逸材。
将来はジュベスタン代表を背負うエースになると言われている天才です。
見ての通り、技術だけでなく体格も優れていてとてもパワフルだ」
三井「ロシア系の血が入ってるからなのか、
ジュベスタンの選手はやたらガタイのいい奴ばかりだな…」
三井寿が受けた印象通り、元々はアジアの国でありながらも、
ソ連時代にスラヴ化が進んだジュベスタン人の選手たちは、
まるでレスラーかアメフト選手のように体格が良く背も高い。
バスケットボールでは、小柄な日本人が苦戦を強いられてしまう身体的特徴である。
赤木「ジュベスタン高校選抜は来日前に韓国でもキャンプを張り、
ソウルの強豪校に二連勝して日本に乗り込んできた精鋭だ。
ここで活躍すればプロへの道が開けるということで、
各自アピールに必死だろう。
親善試合という名目だが、気を抜いてかかると大火傷するぞ」
安西「内戦でどん底にまで落とされた貧しい国で、
バスケ一本でのし上がって行こうという必死の熱意が彼らにはあります。
彼らの熾烈なハングリー精神に負けないよう、
こちらもインターハイ並みの真剣勝負のつもりでやって下さい」
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