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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
133
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2019/10/02(水) 14:33:02
***神奈川県・湘北高校***
赤木「リバウンドーッ!!」
桜木「おおっ!!」
インターハイで優勝候補筆頭の山王工業高校に勝利し、
歴史に残る大躍進を見せた湘北高校バスケットボール部。
主将の赤木剛憲が掲げた「全国制覇」という高い目標は残念ながら果たせなかったが、
その見事な戦いぶりは多くの人々の感動を呼んだ。
赤木「まだまだ動きにキレが足りん!
インターハイを制するにはこの程度ではダメだ!」
桜木「おおっ! 分かってるぜゴリ!」
インターハイを終え、卒業する三年生の赤木らは、
来年こそ後輩たちがもっと上のステージへ勝ち抜いて行けるようにと、
残された時間を厳しい猛特訓に費やしていた。
目標はあくまでも全国制覇。
山王撃破という奇跡の番狂わせだけで燃え尽き、
次の試合にあっさりと敗れてしまったのはやはり悔いが残る。
いつまでも大金星の余韻に浸って気を緩めているような湘北ではないのである。
桜木「うおおおっ! 喰らえ! スラムダァーンク!!」
流川「させるか…!」
豪快にダンクシュートを炸裂させようとする桜木花道を流川楓が阻む。
インターハイ直後とは思えない気合の入ったハードな練習が、
夕暮れ時の体育館を熱気に包みながら続いていた。
◇ ◇ ◇
桜木「何っ! 海外チームとの試合だとっ!?」
練習終了後、湘北バスケ部の選手たちは顧問の安西光義監督から、
突然入った特殊な練習試合の予定について聞かされる。
安西「ホッホッホッ…。
来日して箱根で強化合宿をするジュベスタンの高校選抜チームから、
ぜひ我が校と手合わせしたいと申し出があったんです」
宮城「ジュベスタンって…どこ?」
赤木「バカモン!
ウズベキスタンやカザフスタンなどと一緒に、
ソ連から独立した中央アジアの国だろう。
以前は紛争地帯だったが、最近では政情も徐々に安定してきていると聞く」
ジュベスタン共和国。
サッカーファンならば、数年前にワールドカップ予選で日本代表が対戦した相手として、
その激闘が記憶に残っている人も多いかも知れない。
ソ連崩壊による独立後、勃発した内戦のためにしばらく国内が混乱していたが、
今は動乱が終結してひとまずの平和が戻っている。
安西「血みどろの民族紛争がようやく終わって、
若者たちがスポーツに取り組める環境が少しずつ整いつつあるようです。
特に人気の競技はサッカーですが、バスケットもソヴィエト時代から強く、
高校生の選抜チームともなれば相当の実力者揃いですね」
三井「そいつらが、俺たちと試合をしたいと?」
安西「神奈川県代表としてインターハイに出場し、
優勝候補の山王をも破ったということで、
この県では一番の実力だろうと、
我が湘北を腕試しの相手に所望したようですよ」
赤木「………」
インターハイで見せた湘北の活躍は、今や日本国外からも注目されている。
以前には全く考えられなかったような展開に、赤木は思わず息を呑んだ。
桜木「フッハッハ! なるほど。
ジュベベンスタンだか何だか知らないが、
インターハイで大活躍したこの天才バスケットマン桜木花道に、
勝負を挑んでくるとはいい度胸だ。
いっちょボコボコに叩きのめして、
実力差をたっぷり教え込んでやろうじゃないか!」
流川「ドアホウ…」
桜木「何ぃーっ流川! ドアホウとは何だてめえ」
宮城「やーめーろっての」
外国のチームとの対外試合というのは滅多にない貴重な機会である。
日本の高校バスケとは選手のタイプやチームのスタイルが一味も二味も違うはずで、
国内の高校同士の試合にはない特別な刺激が得られることだろう。
赤木「分かりました、安西先生。
来年以降に向けて後輩たちに経験値を積ませるためにも、
またとないこの機会にぜひ全力でぶつかっていきたいと思います」
安西「ホッホッホッ…。
もうすぐ卒業する赤木君たちにとっても、
ジュベスタンとの交流戦は良い思い出となるんじゃないでしょうか」
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