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闘争の系統 〜ネタバレノートⅡ〜
129
:
凱聖クールギン
◆COOLqGzyd.
:2019/09/17(火) 20:43:01
≪スウォルツの逆襲≫
***Gショッカー基地・無幻城***
次元の狭間――ポイントゼロに浮かぶ巨大なGショッカーの牙城・無幻城。
無数の悪がひしめき瘴気が渦巻くその城内に、新たな幹部が姿を見せた。
スウォルツ「偉大なるGショッカーの一員に加われましたことは身に余る栄誉。
このスウォルツ、Gショッカーの全宇宙征服のため、
心より忠誠を尽くして励みますことを、
ここにお誓い申し上げます」
そう言って恭しく臣下の礼を取った男の名はスウォルツ。
時間改変を目論む未来人集団・タイムジャッカーのリーダーで、
アナザーウォッチの力で多数のアナザーライダーを作り出し、
仮面ライダージオウらと時空を超えた激闘を繰り広げた男である。
アポロガイスト「未来の優れたテクノロジーを持った貴殿の参陣を、
我らGショッカーは大いに歓迎しよう。
仮面ライダーの力を得られるウォッチとやらはそれか」
スウォルツ「はっ…」
箱に入った何十個ものアナザーウォッチを、
スウォルツはアポロガイストに見せた。
かつてジオウとの戦いの中で使ったものだけではない。
1号や2号を筆頭とする昭和ライダーや、
ナイト、ギャレン、アクセル、クローズなどといった脇役ライダーたちのウォッチまで、
スウォルツは新たに開発していたのである。
スウォルツ「全ライダーの力を宿した山ほどのアナザーウォッチ。
これさえあれば仮面ライダーどもの力は全て我らのものです」
アポロガイスト「なるほど。
ライダーをもってライダーを制す、というわけか」
スウォルツが差し出した大量のアナザーウォッチを、
アポロガイストは睨みつけるように目を細めてまじまじと見詰める。
アポロガイスト「全ライダーの力と言ったな?
ではXライダーのウォッチもあるのかね」
スウォルツ「無論のこと。
仮面ライダーXのアナザーウォッチはこれでございます」
歴代仮面ライダーの中でも特にアポロガイストの宿敵である、
仮面ライダーXの力を宿したアナザーウォッチ。
アポロガイストが興味を示したそれを、
スウォルツは箱から取り出した。
アポロガイスト「よし、試してみよう。戦闘工作員ナンバー006!」
GOD戦闘工作員「ギィーッ!」
配下の戦闘工作員の一人をアポロガイストが呼びつけると、
スウォルツはその胸にXのアナザーウォッチを埋め込んだ。
戦闘工作員の体が淀んだ黒い光に包まれ、
まるでXを怪物に改造したような禍々しい姿に変貌する。
アナザーX「グォォォォ〜!!」
スウォルツ「ご覧あれ。これが仮面ライダーXのアナザーライダー。
名づけてアナザーXでございます」
アポロガイスト「ふむ…」
誕生したアナザーXの全身を眺め渡して、
アポロガイストは腕組みをしながら気難しげに考え込む。
アポロガイスト「ライフエナジーが格段に上がったのがよく分かる。
確かにこれならば、あの神敬介ともいい勝負ができるかも知れんな」
スウォルツ「御意…」
アポロガイスト「だが仮面ライダーどもの真価、
決して侮ってよいものではないぞ。
奴らは不屈の闘志でいかなる苦難をも乗り越え、戦う度に強くなってゆく。
Xライダーにせよ他のライダーにせよ、その魂があればこその強敵であり、
単なるスペックの高さだけが本質ではないのだ。
こうして力のみを盗作したところで、果たして奴らに勝てるかな」
スウォルツ「ライダーどもの底力が例えどれほどのものであろうと、
我らGショッカーの敵ではありますまい」
オーマジオウを利用して全ての仮面ライダーの力を手に入れようと謀ったスウォルツだったが、
仮面ライダーの力=すなわち仮面ライダーの歴史は彼に扱い切れる程度の軽々しいものではなく、
スウォルツは言わば仮面ライダーという存在の壮大さに屈して敗れ去ったのである。
そんな屈辱的な事実は決して認めない…。
スウォルツの内心に、仮面ライダーへの恨みと憎しみがどす黒い炎となって燃えているのを、
アポロガイストは鋭敏に察した。
アポロガイスト「いずれにせよ、このアナザーウォッチを使った作戦を、
近い内に実行に移すことになるだろう。
せいぜい戦果に期待するぞ」
スウォルツ「心得ました。必ずや勝利を…」
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