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闘争の系統 〜ネタバレノート〜

1ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 16:38:22
こちらは、闘争の系統に在籍するSS執筆者さんたちが、
温めてあるネタがあるけれど、シナリオ進行上の順番の問題や、
今現在まだテレビで番組が放送中などで、ルール上まだ本編に
投稿できないなど、披露したいけれどできない構想をここで
明かしちゃおうというスレッドです。

ここはタイトル通り、ネタバレ上等なスレッドです。
物語の核心に関わる事実に触れられる場合もありますので、
ネタバレが嫌いな方は、閲覧にはくれぐれもご注意を!

■設定資料集(まとめサイト)
ttp://www.geocities.jp/oa002843/index.html

607凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:29:31
***ゴーストバンク・闘技場***

翌朝…。
ゴーストバンクの闘技場では、
クールギンが部下のタグ兄弟に戦闘訓練の稽古をつけていた。

タグスキー「なっ!?」
タグスロン「うわあっ!」
クールギン「どうした! この程度で押されているようでは、
 ブレイバーズの戦士どもを相手には通用せんぞ!」
タグスキー「ははっ…! も、申し訳ありません軍団長殿!」
クールギン「二人とも、まだまだ修行が足りん…!
 もっと自覚を持って日々の鍛錬に取り組まねば、
 お互い明日の命はどうなるかも分からぬ身なのだぞ」
タグスロン「面目次第もございませぬ…!」
クールギン「鍛えてもう一度出直して来い。
 一週間後に、また相手をして成果のほどを見てやる」
タグスキー「ハハーッ!」

凄まじい剣技でタグ兄弟を圧倒したクールギンは、
いつになく厳しい態度で不満げに立ち去って行った。

タグスキー「ううむ…。軍団長殿に比べれば、
 我らはまだまだ己を甘やかしていたということか」
タグスロン「しかし、最近の軍団長殿はどうされたのだ?
 我らに急に厳しくなったと言うか、
 覇気や闘志が段違いになられたような…」
タグスキー「ブレイバーズが結成されてメタルダーもその一員となり、
 我らの戦いは一層激しく険しいものとなった。
 それで気合を入れ直しておられるのだろう。
 我らがうかうかしていてはお叱りを受けるのは当然だ」
バルスキー「…果たして、それだけの理由かな?」

いつからか二人の背後に立っていたバルスキーは、
腕組みをしながら小首を捻る。

タグスロン「バ、バルスキー殿!?」
バルスキー「クールギンの奴、何か焦っている…。
 何かに急き立てられて危機感を強めているような…。
 そんな気がしないか」
タグスキー「い、言われてみれば確かに…」
タグスロン「しかし、軍団長殿ほどのお方が、
 一体何にそこまで急き立てられているというのです?」
バルスキー「それは分からん。
 だが、強くなろうという奴の心に一抹の雑念が読み取れるのは気にかかる…。
 何かおかしな事にならなければいいがな。
 お前達はクールギンの側近として、
 くれぐれもしっかり支えてやってくれよ」
タグスキー「ははっ、我ら兄弟、命に代えても!」

608凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:32:07
闘技場を後にしたクールギンは地上に出て岩山の上で座禅を組み、
そこで気を統一させていた。
己につきまとう雑念を必死に振りほどこうとしているかのように…。

バルスキー「修行に精が出るな、クールギン」
クールギン「…バルスキーか」
バルスキー「タグ兄弟が腰を抜かしていたぞ。
 お前ともあろう者が、何をそんなに苛立っているのだ」
クールギン「苛立ってなどいない…。
 …いないように、自分を制しているつもりだ」
バルスキー「何があったというのだ?
 今朝、ゲバローズとロビンケンが何か密命を帯びて出動したようだが、
 それと関係があるのか?」

クールギンはすぐには答えず、また座禅の姿勢を正した。
長い沈黙が二人の間に流れる。

クールギン「ここだけの秘密だが…。
 今朝の密命のことは、明日には皆に明かされる。
 お前にだけは先に話しておこう」
バルスキー「む…?」
クールギン「帝王が以前から進めておられる極秘の研究だが…。
 あれは究極の力を持った、恐るべき超怪人を生み出すプロジェクトだ。
 かつてのゴリゴン計画の後継とのことで、
 帝王はこれをグライアー計画と呼んでおられる」
バルスキー「グライアー計画?」
クールギン「今日、ロビンケンとゲバローズに命じられたのは
 その新怪人――グライアーの改造被験体の確保だ。
 被験体に選ばれたのは彩堂寺惟政専務の息子、彩堂寺戒」
バルスキー「あの、お前がよく剣術を稽古しているという若者か」
クールギン「ネロス帝国に、強大な力を持つ戦士が加わるのは良いことだ。
 だが私の見る限り、グライアー計画にはまだまだ技術上の問題が多い。
 特に、謎の戦士シグフェルの細胞を注入して作るとなれば、
 想定外の事態が起きるリスクは避けられんだろう。
 しかもそのグライアーは、完成した折には四軍団のいずれにも属さぬ帝王の直属兵として、
 我らの上に立つことになるという」
バルスキー「そうなれば、ネロス帝国は変わるな。
 何もかもが今のままでは行かなくなる…。
 それを怖れていたのか」
クールギン「怖れてなどいない。
 ただ、グライアーさえあれば我ら四軍団はもはや不要…と
 帝王はお考えになっておられるのではないかと、ふと不安になる時があってな」
バルスキー「帝王を信じることだ。
 帝王の第一の重臣たるお前が、帝王を信頼申し上げていなくてどうする」
クールギン「帝王のことは無論信じている…。
 だがグライアーのことは、たやすく信じるわけには行かん。
 あのような不確定要素の多い新兵器に頼るよりも、
 今ある軍団をしっかり鍛えて行く方がずっと確実というものではないか」
バルスキー「気を揉んでも仕方のないことだ。
 グライアーが問題を起こせば、その時は我らの出番じゃないか。
 ただ俺としては、問題の種を敢えて仕込みかねない、
 あのゾルベゲールという博士のことは気がかりだが…」
クールギン「奴のことは厳しく見張っておく。
 何にせよ、今は大事な時期だ…!」

609凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:33:30
●ゴッドネロス→クールギンの諫言を退け、グライアー計画の発動を指令。
●クールギン→彩堂寺戒の剣術稽古を行なう。
 グライアー計画の中止をゴッドネロスに諫言するが退けられる。
●バルスキー→グライアー計画についてクールギンに打ち明けられる。
●ゲルドリング→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●ドランガー→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●クロスランダー→破壊されたボディの修理が完了し、戦列に復帰。
●タグスキー→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●タグスロン→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●ゾルベゲール→グライアーの細胞生成実験に成功する。

△彩堂寺戒→桐原剛造(影武者)の剣術稽古を受ける。

610ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:38:52
>>604-605より、少し時は遡る…。

――その日の早朝。

***海防大学付属高校・テニスコート***

光平「それっ!!」
慎哉「よっと!!」

今朝はいつもより早めに登校して、2人だけで部活の朝練をしていた光平と慎哉。
だが実は、まだ他に誰も生徒がいない時間帯に2人が学校に来ていたのは、
ある人物たちと待ち合わせするためだった。

滝「朝早くからやってるなあ!2人とも」
光平「…あ、滝さん! 本郷さん!」
本郷「やあ、わざわざ朝早くから呼び出してすまなかった」

やって来たのは本郷猛と、FBI特命捜査官の滝和也だった。
前日に滝から「内密に会えないか?」との連絡があり、
それならばと光平は、まだ校舎敷地内に人の少ない朝練の時間帯を指定したのである。
滝は「実はな…」と話を切り出そうとするが、その前に一瞬、慎哉の方に視線を向けて、
少し迷うような表情を見せた。

滝「………」
慎哉「あの…もし一般人に話し難い内容なら、俺は席を外しましょうか?」

察した慎哉は、自分から席を外そうかと申し出るが…。

滝「いや、せっかくだ。慎哉君も一緒に聞いてくれ。
 光平君、君も桐原コンツェルンの裏の顔については
 もう知っているな?」
光平「はい」

都心の一等地に自社のハイテク超高層ビルを構える日本指折りの大財閥・桐原コンツェルン。
その正体は、世界征服を狙う暗黒組織・ネロス帝国である。
FBIの捜査によると、そのネロス帝国の人材供給源の一つを、
光平たちの通う海防大学付属高校が担っている可能性があるのだという。

慎哉「まさかウチの学校が!?」
本郷「驚くのも無理はない。しかし滝の調べによると、
 海防大学の理事の一人で都議会議員の城之内正峰という男が、
 かつて桐原コンツェルンの幹部社員であったらしい」
光平「………」

話を聞いた慎哉は驚くが、光平には心当たりがあった。
以前に村上峡児と天王路博史が自分をGショッカーに迎え入れようと
学校に乗り込んで来た時、仲介したのがその城之内理事その人だったからだ。

滝「そこで、この学校の生徒である君たちなら、
 何か些細なことでも知らないかと思ってね」
慎哉「城之内理事って言えば、確か同じ学校の
 エリート選定コースを担当しているって
 朱音ちゃんが言ってたなぁ…」
本郷「朱音ちゃん…?」

611ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:39:36
本郷、滝、光平、慎哉が4人で話していたところへ、
黒髪のロングヘアでスタイルのよいスーツ姿の女性が一人、
こちらの様子に気づいて近づいて来た。

慎哉「あ、噂をすればなんとやらだ。
 お〜い朱音ちゃん!」
朱音「あら慎哉君、光平君、おはよう。
 こんなに朝早くから2人だけで練習とは感心感心♪」

光平と慎哉のクラスの担任にして、テニス部顧問でもある千坂朱音は、
早朝出勤してテニスコートの見回りに来ていたようだ。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺と慎哉のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「光平君、この人たちは?」
光平「俺の知り合いの本郷猛さんと滝和也さんだよ」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、それはきっと部活の指導中に
 ラケットの素振りで出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに易々と欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」




○本郷猛→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。
○滝和也→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。

○牧村光平→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
○朝倉慎哉→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
△千坂朱音→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、本郷猛、滝和也と遭遇。

612ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 17:32:08
>>609の続き。

***天童菊之丞邸・茶室***

朱音「残念ながらネロス帝国の者どもに阻まれ、
 その全容を掴む事はできませんでした。しかし、
 これで御前の睨まれた通り、あの学校の隠された
 ベールの奥に容易ならぬ事態が進行しているのは
 明らかかと存じます」
菊之丞「………」

邸内の庭園で、竹筒に水が溜まった鹿威しの音が響く中、
茶室で茶を立てている主人に偵察の報告をする千坂朱音。

朱音「その海防大学付属高校エリート選定コースに在籍している
 生徒の一人、同校2年生の彩堂寺戒が、週に一度、放課後に
 市民体育館の剣道場で、桐原コンツェルンの総帥・桐原剛造から
 直々に剣術の個人レッスンを受けております」
菊之丞「なに…?」
朱音「その桐原剛造、おそらくは本人ではなく例の影武者。
 それも彩堂寺戒の育成には並々ならぬ熱意を注いでいる様子…」
菊之丞「その彩堂寺戒とは何者だ?」
朱音「桐原コンツェルンの専務取締役・彩堂寺惟政の息子にございます。
 ただどうやら惟政の実子ではないようです」
菊之丞「………」

剣流星=超人機メタルダーがブレイバーズの一員となっている現在、
かつては秘密のベールに包まれていたネロス帝国の存在も、
今では政府や公安当局の一部関係者には周知の事実である。
当然、ネロス帝国と桐原コンツェルンの関係についても
その情報は天童菊之丞の耳にも届いていた。

菊之丞「それで読めて来た。やはり海防大学付属高校の
 エリート選定コースとやらは、間違いなくネロスの人材供給源。
 彩堂寺戒という少年は改造手術の被験体であろう」
朱音「それにつきまして、FBIの滝和也も今朝早く、本郷猛を伴い
 海防大学付属高校に乗り込みましてございます」
菊之丞「フフッ…さすがはブレイバーズ。もう嗅ぎつけおったか」
朱音「御前、いかが致しましょう。ブレイバーズに先んじて、
 彩堂寺戒がネロス帝国に拉致される前にこちらで保護いたしますか?」
菊之丞「いや、保護するには及ばぬ。消せ」
朱音「御前!?」

非情の命令を下す菊之丞。おそらく彩堂寺戒は、
生まれた頃からネロス帝国の兵器となるべく運命づけられて、
徹底した教育プログラムの下に育てられてきたのだろう。
そのような人間を救ったところで、今更どうなるのだろう。
とても平和な人間社会には適応できまい。それどころか
かえって社会の安定を脅かす存在に成長するかもしれない。

――ならば、天下国家百年の計のため、
災いとなる芽は早めに摘み取るまで。

菊之丞「よいか、その彩堂寺戒という少年の身柄がGショッカー、
 ブレイバーズ、どちらにも渡らぬ前に必ず消すのじゃ!」
朱音「……心得ました」



△天童菊之丞→千坂朱音に彩堂寺戒の抹殺を指令。

△千坂朱音→天童菊之条から彩堂寺戒の抹殺を命じられる。

613ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:46:19
≪タイトル未定/ユガミ博士様へ提供分≫

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

614ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:47:06
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。


●仮面ライダーベルデ→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。

△沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。

615ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/14(日) 11:39:51
<<ベルデの最期-導入部>>
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ミラーワールドにシグフェルを引きずり込んで窮地に追い込むが、
龍騎らが助けに駆け付けた事で、シグフェルは窮地を脱出した。

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「・・・・・そいつは良い!すぐに実行だ」

龍騎に邪魔され、シグフェルを倒し損ねた高見沢はシグフェル打倒の
為に、新しい戦力が必要と考えた所、東條はオルタナティブの開発者
である香川英行教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を
連れてきて、オルタナティブを開発させる事を決めた。

>>369に加筆
佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといって
 このまま逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

616ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:15:50
>>613に加筆

<ベルデの最期-1>
****高見沢グループ本社・総裁室****
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

617ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:38:56
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。

****朝倉家宅****

トゥルルルルルル トゥルルルルル ガチャ

光平「はい。朝倉です・・・・あっ!奈津子さん」
奈津子『光平くん?そっちに優香がお邪魔していないかしら?』
光平「優香ですか?いえ、来ていませんけど・・・・・」
奈津子『そう・・・・夕飯時になっても、ちっとも帰ってこないのよ。
 だから、光平くんなら優香の行き先を知っているんじゃないかと
 思って電話したんだけど・・・・・あの子、どうしたのかしら。』
光平「えっ?!」

朝倉家の電話が鳴っているので、光平が受話器を取ると、電話してきたのは
優香の母である沢渡奈津子だった。話に聞くと、夕飯の時間になっても
優香が学校から帰ってないらしく、光平に行き先を聞いてきたのであった。

光平「・・・・こっちも優香を探してみます。見つけたら連絡します!」ガチャ
慎哉「・・・・誰からの電話だったんだ?」
光平「慎哉・・・・優香が学校から帰っていないらしいんだ」
慎哉「何だって!?」

受話器を戻すと、光平は慎哉に優香が自宅に帰っていない事を
話すのであった。

618ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 11:43:08
****海防大付属高校・校門前****

奈津子から連絡を受けて、優香が自宅に帰っていない事を知った
光平と慎哉は、優香を探す為、雄大にも連絡を入れて海防大付属
高校の校門前に集まる。

雄大「優香先輩、大丈夫でしょうか・・・・もしかして本当に帰りが
 遅いだけかも・・・・・」
光平「いや、優香は帰りが遅くなる時は、かならず家に連絡を
 する筈だ。それが無いって事は何かあったに違いない」
慎哉「とりあえず、手分けして探そう」

光平、慎哉、雄大の3人は手分けして、優香の行方を探し始める。

――10分後。光平は女子陸上部の更衣室の周辺を捜索し始めるが
優香が何処へ行ったのかという手がかりらしきものは見つからなかった。

光平「更衣室なら、優香の行方について何か分かると思ったけど、
 女子更衣室だし、鍵が掛かっているからなぁ・・・・」

捜索を続ける光平は、やがて大きな鏡の前を通る。だが、その時
何らかの気配を感じ取り、思わず鏡の方を見ると、鏡の中には
レイヨウを思わせる茶色い装甲鎧の怪人と白いトラを思わせる
白い装甲鎧の怪人が光平を見ていた。佐野が変身した仮面ライダー
インペラーと東條が変身した仮面ライダータイガである。

光平「―!」
インペラー「こっちに来てもらうぜ!」
光平「うわぁ!」

鏡からインペラーの腕が飛び出し、光平の腕を掴むと
ミラーワールドへ引きずり込もうとする。

慎哉「光平!!」
雄大「光平先輩!」

他の場所を捜索していた慎哉と雄大も、光平の所へ来たのだが、
光平が今まさに鏡の中へ引きずり込まれようとしている場面に
出くわす。

光平「翔・・・着!!」

腕を振りほどこうと、光平はシグフェルに変身するが、時既に遅く
光平は鏡の中へ引きずり込まれてしまうのであった。

慎哉「光平ーーーー!!」

●仮面ライダーベルテ/高見沢逸郎゙→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。
●仮面ライダータイガ/東條悟→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。
△仮面ライダーインペラー/佐野満→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→沢渡優香を捜索するが、ミラーワールドに
  引きずり込まれる。
◯朝倉慎哉→光平、雄大と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。
◯岡島雄大→光平、慎哉と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡奈津子→優香が自宅に帰ってきていない事を光平に連絡をする。

619ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 11:38:31
<<ベルデの最期-2>>
***ミラーワールド***

シグフェル「うわぁ!」

インペラーとタイガによって、鏡の中に引きずり込まれてしまった
シグフェルは、辺りを見渡すと、左右が反転している事に気が付く。

ガイ「おいおい、彼シグフェルに変身しているじゃないか。
 変身しなかったら、このミラーワールドの空間ですぐに
 灰になったていうのに」
タイガ「す、すまない!」

右肩がサイの角の様になっている装甲鎧の怪人―仮面ライダーガイは
シグフェルを変身しないまま、ミラーワールドに連れてこようとしたらしく、
変身した状態で連れて来たインペラーとタイガに、文句を付ける。

ベルデ「まぁ、変身してしまったのなら仕方が無い。どのみち、
 この空間なら奴とて長く居られない筈だ」
シグフェル「お前達は・・・・・。ん!その後ろにいるのは優香か?!」

そこに仮面ライダーベルデも現れ、その後ろには透明な壁に四方を
囲まれて囚われている優香の姿を見つける。

シグフェル「お前達が優香を攫ったのか!」
ベルデ「そうだ。俺は仮面ライダーベルデ。Gショッカーの世紀王候補だ」
ガイ「同じく、仮面ライダーガイ」
タイガ「仮面ライダータイガ・・・・」
インペラー「・・・・・仮面ライダーインペラーだ」

シグフェルに対して、ベルデ達は自分達の名前を明かす。

ベルデ「この嬢ちゃんには、お前をミラーワールドに連れてくる為に
 利用させてもらった。シグフェル、貴様をこのミラーワールドで
 血祭にあげる為には・・・・・」
シグフェル「くっ、俺を連れてくる為だけに優香をこんな場所へ!
 絶対に許さないぞ!!」
ベルデ「そう粋がるのも今の内だ。やれ!」

優香を攫ったベルデ達に怒りを覚えるシグフェル。ベルデはガイ達に
シグフェルを始末させるよう命令を下すと、インペラーはギガゼールを
始めとするガゼル系モンスターを呼び出し、シグフェルを取り囲む。

メタルバイザーの音声「ストライクベント」
デストバイザーの音声「ストライクベント」
ガゼルバイザーの音声「スピンベント」

そしてガイ、タイガ、、インペラーはそれぞれ、メタルホーン、
デストクロー、ガゼルスタップを召喚し、シグフェルに襲い掛かる。

***海防大付属高校・校門前***
一方、現実世界では鏡の中に引きずり込まれた光平を助けるべく、
慎哉と雄大はブレイバーズに連絡しようと学校の外に出る。

慎哉「とりあえず、チャックさん達に連絡しないと・・・・」
真司「・・・・君達、こんな時間に何をしているんだい?」

ブレイバーズの中で、身近な人物をいえるボーグマンのチャックに
連絡をしようとしていた所、慎哉と雄大に声を掛けたのは城戸真司
だった。

雄大「ええと・・・(どうします?光平先輩の事を話しても信じてもらえそうに
 ないと思いますけど)」
慎哉「(いや、待った。確かこの人前に見かけた事があった筈・・・・)」
真司「あれ?確かそっちの君、前にシグフェル・・・・・牧村光平君と
 一緒に歓迎パーティーに来ていた子だよね?どうかしたのかい」
慎哉「思い出した!貴方は確か、ブレイバーズの歓迎パーティーに
 いましたよね?実は・・・・・」

先日の光平のブレイバーズ歓迎パーティーに参加した慎哉は、
パーティー会場で真司を見かけていたのを思い出す。先程の
出来事を慎哉と雄大は、真司に話す。

真司「・・・・分かった。ここは俺に任せて、君達は他のブレイバーズに
 連絡を頼む!」

事情を聞いて、誰の仕業か察した真司は慎哉と雄大にブレイバーズへの
連絡を頼むと、真司は光平を助けにミラーワールドへ行く為、デッキを
鏡の前に翳す。

真司「変身!」ガシャーン

出現したⅤバックルにデッキを入れるとガラスが割れる音と共に
真司は仮面ライダー龍騎に変身し、ミラーワールドへと飛び込んだ。

620ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 12:23:21
***ミラーワールド***

シグフェル「フレアセイバー!!」

ミラーワールドでは迫るガゼル系モンスターを相手に、シグフェルは
フレアセイバーで応戦するが、そこにガイ達も攻撃してくるので苦戦を
強いられる。

優香「光平・・・・」
ベルデ「流石に粘るなぁ・・・・・だが、そろそろか」
シグフェル「うっ・・・・これは!」

応戦していたシグフェルだが、ふいに力が入らなくなる。すると、
シグフェルの身体は、徐々に灰になろうとしていた。

ベルデ「よし、シグフェルもそろそろミラーワールドに耐えられなく
 なってきている。畳み掛けろ!!」
タイガ「それなら、僕がトドメを・・・・」
龍騎「おりゃぁぁぁ!」
タイガ「ぐはぁ!」

そろそろ限界のシグフェルにタイガはファイナルベントを使おうとするが
そこに龍騎が割り込み、タイガを攻撃した。

龍騎「大丈夫か!シグフェル」
シグフェル「貴方は・・・・・」
龍騎「俺は仮面ライダー龍騎。一応ブレイバーズの仮面ライダーだ。
 やっぱり芝浦や東條とつるんでいやがったな、高見沢!!」
ベルデ「ちっ・・・・城戸か。邪魔しやがって!貴様もここで死にな!!」

バイオバイザーの音声「ホールドベント」
ドラグバイザーの音声「ガードベント」

ベルデはバイオバイザーにカードを装填して、ホールドベントを
発動して攻撃するが、龍騎はガードベントを発動して攻撃を防ぐ。

ベルデ「だったら、これだ」

バイオバイザーの音声「クリアベント」

シグフェル「消えた!?」

攻撃を防がれ、ベルデは瞬時にクリアベントを発動して、カメレオンの
様に姿を消す。突然、ベルデの姿が消えた事にシグフェルは驚く。

龍騎「ぐわぁ!!」
シグフェル「ぐふ!!」

そして姿が消えたベルデの見えない攻撃により龍騎とシグフェルは
ダメージを受けてしまう。

ベルデ「今の内だ、やれ!!」

姿を現し、ベルデはガイ達にトドメを刺すように命令し、シグフェルと
龍騎は窮地に立たされる。

ダークバイザーの音声「ナスティベント」

ダークウィング「キシャァァァァァ」
ベルデ「ぬぉぉぉぉ」
ガイ「ぐわぁぁぁ」
タイガ「あ・・・頭が」
インペラー「割れる様にいてぇ・・・・」

突如、そこへコウモリ型モンスター、ダークウィングが現れ
超音波を発し、ベルデ達は混乱状態となった。

ナイト「大丈夫か、城戸」
ライア「遅くなった」
ファム「後は任せて!」
龍騎「助かったぜ、皆!」

そこへナイト、ライア、ファムといった龍騎の仲間である
ミラーライダーが助けに駆け付けた。

インペラー「こ、これって、ヤバイ状況なんじゃないですか(汗」
ベルデ「ちっ、流石にこの人数じゃあ分が悪いか・・・・しかも
 こっちも時間切れになってきやがった。撤退だ!」

シグフェルと龍騎の下に駆け付けたナイト達の登場と、ベルデ達も
ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、撤退を
決める。

シグフェル「ゆ、優香を返せ・・・・」
ベルデ「この嬢ちゃんは、まだ利用価値がある。まだまだ返さねえよ!」
ライア「シグフェル、君もミラーワールドで活動できる時間が限界だ。
 早く戻った方がいい」
シグフェル「くっ・・・優香!絶対、助けるからな!」
優香「光平ーーー!」

ベルデはまだ人質としての利用価値がある優香を連れて撤退。
シグフェルもミラーワールドでの活動時間に限界が来てしまった為、
優香を助け出す事が出来ないまま現実の世界へ帰還するのであった。

621ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 13:32:42
***赤龍軒***
ミラーワールドから帰還した光平は、慎哉達と合流し、真司達に
連れられ、リュウレンジャーである天火星亮の店である赤龍軒に
やって来る。光平は優香を救いだせなかった事にショックを受けていた。

光平「優香・・・・」
慎哉「光平・・・・」
亮「・・・・助けられなかった事にショックなのは分かる。だがまずは
 これでも食べて、元気だしな」

亮はショックを受けている光平を元気づけようと、特製の餃子を
振る舞う。

光平「・・・・ありがとうございます。亮さん」
真司「大丈夫だって!高見沢もボロを出したんだ。すぐに奴を
 捕まえて、その子を助け出せるさ」
後藤「・・・・それも難しいかもしれない」
真司「後藤さん・・・・」

真司も光平を元気づけようと高見沢の事を口にするが、そこへ
後藤が赤龍軒にやって来る。

蓮「どういう事だ?」
後藤「高見沢については、以前から探っていたんだが
 奴はここ2、3日海外へ出張していて不在という事に
 なっている。おかげで事情聴取を行うにしても連れてくる
 事が出来ないというわけだ」
慎哉「そんな!沢渡を攫った相手が分かっているというに
 捕まえられないんですか!」
後藤「申し訳ない・・・・だが、必ず高見沢を確実に捕まえられるように
 警察でもブレイバーズでも追っていくつもりだ」

ベルデの正体である高見沢は、警察の捜査が及ばないように
行方をくらましていて、正体が分かっていても捕まえる事が出来ない
警察に慎哉は苛立ちを覚えるが、後藤は「高見沢を捕まえる」と
光平達に約束するのであった。

***高見沢グループ・総裁室***

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「香川教授?・・・・・オルタナティブ?・・・・・フム。
 そいつは良い!すぐに実行だ」
芝浦「・・・・・・・」

一方、ミラーワールドから帰還した高見沢達だが龍騎達に邪魔され、
シグフェルを倒し損ねた事によりシグフェル打倒の為に、新しい戦力が
必要と考える。そこに東條はオルタナティブの開発者である香川英行
教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を連れてきて、
オルタナティブを開発させる事を決めた。

◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→シグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーライア→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーファム→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→シグフェルを追い詰めるが撤退。
   新たな戦力を得る為、香川英行教授を連れてこようと決める。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→シグフェルと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→シグフェルと戦う。高見沢に香川英行
   教授の事を話す。
△仮面ライダーインペラー→シグフェルと戦う。
◯天火星亮→ショックを受けている光平を元気づける為に餃子を振る舞う。
◯後藤慎太郎→高見沢が行方をくらましている事を話す。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→ミラーワールドに引きずり込まれ、優香を
  助けるべくベルデ達と戦うが、時間切れになってしまったので優香を
  助けられずミラーワールドから帰還する。
◯朝倉慎哉→城戸真司に助けを求める。
◯岡島雄大→城戸真司に助けを求める。
◯沢渡優香→ベルデに連れて行かれる。

622ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 11:52:54
<<ベルデの最期-3>>
***清明院大学***
かつてミラーワールドの脅威を止める為、独自にオルタナティブを開発し、
ライダー同士のバトルロワイヤルに介入した清明院大学の香川英行教授は
「ライダー同士の戦い」が無かった事により、その記憶は無く一般人として
ごく普通に愛する家族と共に日々を過ごしていた。

東條「お早うございます。香川先生」
香川「東條君ですか。お早うございます。最近はあまり研究室に
 来ないようですが・・・・」
東條「ええ、ちょっと今のバイトが忙しくって・・・・」

ある日、香川は自分の研究室に出入りしている東條悟と挨拶を交わす。
最近はアルバイトが忙しいらしく、あまり研究室に来ていなかったのだが
東條について、それ以上の事は何も思わなかった。

東條「コーヒーを煎れたので、よかったらどうぞ」
香川「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」

コーヒーを煎れたという東條の薦めを受けた香川はコーヒーを飲む。
だがしばらくすると、香川は突然眠気に襲われるのであった。

香川「・・・・急に、眠気が・・・」バタッ
東條「・・・・ふふ、一緒に来てもらいますよ。香川先生」

***某研究所***
しばらくして、眠りから目覚めた香川は其処が自分の研究室では
無い事に気が付く。

香川「ここは一体・・・・?」
高見沢「お目覚めになりましたかな?香川先生・・・」
香川「・・・あなたは確か、高見沢グループの総帥を務める高見沢社長!
 それに、東條君まで」

香川の前に現れたのは芝浦や東條達を引き連れた高見沢だった。香川は
以前テレビや雑誌を見た事で、高見沢の事を知っている。

香川「大企業の総帥である貴方が私に何の用です」
高見沢「先生の事は、この東條から聞いてます。先生にはある物を
 造ってほしいのですよ」
香川「ある物・・・?」

高見沢は懐からベルデのカードデッキを取り出して、香川に見せる。
高見沢はそこからミラーワールドや其処に存在するモンスターの存在、
自分達がGショッカーに所属している事を香川に話す。そして高見沢が
香川に造らせようとしているのは、かつての歴史で香川が開発した
オルタナティブだった。高見沢は東條から話を聞き、シグフェルを倒す
新たな戦力としてオルタナティブを投入しようとして考え、その為に
香川教授を拉致したのである。

香川「Gショッカーに、私が協力をすると思っているのですか!」
高見沢「先生には、是非協力してもらいますよ。もしお断りをするのであれば
 それはそれで結構。だが・・・・それならば先生のご家族には大変な目に
遭ってもらおうか?」

正義感の強い香川はGショッカーに協力は出来ないと言うが、高見沢は
鏡の中にいるバイオグリードやデストワイルダー達を見せて、暗に「自分に
協力しなければ、家族を襲わせる」と口調を変えて脅しをかける。

香川「ぐっ・・・・・分かりました。貴方達に協力しましょう」
高見沢「流石は先生!賢明な判断です」

そして香川は家族を人質にされ、オルタナティブの開発と研究を
始めるのであった。

623ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 14:16:35

高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

その人物は店のボーイが持ってきた高級の酒に対して、金と黒で
出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社のゴールド
ブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつけながら
池原を確保するのであった。

624ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 15:06:25
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

625凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:07:01
***東京・彩堂寺邸***

学校が休みの祝日。
彩堂寺戒は何をするでもなく、広い屋敷の居間にただ一人でいた。
養父の彩堂寺惟政は、桐原コンツェルンの重役だけあって忙しく、
今日も朝早くから休日出勤である。

戒「………」

何か不穏な胸騒ぎがする。
戒が顔をしかめたその時、ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。
桐原剛造からの着信である。戒は急いで通話ボタンを押し、
尊敬する師からの電話に出た。

戒「…えっ、食事ですか?」
桐原@電話の声「うむ。我がコンツェルンが
 最近買い取ったばかりの五つ星ホテルがあるのだが、
 そこのフランス料理がなかなか美味でね。
 久々に一緒にランチでもどうかと思ったのだが…」
戒「でも、いいんですか?」
桐原@電話の声「遠慮は要らない。
 君もいつも多忙なスケジュールをこなしていて大変だろう。
 たまには息抜きにどうかね」
戒「ありがとうございます。
 では、お言葉に甘えさせていただきます」
桐原@電話の声「11時頃に我が社の者を迎えに行かせる。
 ホテルのロビーで落ち合おう」

こうして桐原から昼食に誘われた戒は、
正装の黒いモーニングコートに着替えて迎えの車を待っていた。
やがて一台の黒いリムジンが屋敷の前に止まったのを見て、戒は玄関を出る。

運転手「さあ、乗りなさい」
戒「…よろしくお願いします」

命令口調でいまいち愛想の良くない運転手に憮然としかけた戒だったが、
ともかくリムジンの後部座席に座りシートベルトを締める。
車はそのまま走り出した。

戒「あの…、どちらのホテルに連れて行って下さるんですか?」
運転手「………」

運転手は無言のままリムジンを走らせる。
先程から、バックミラーやサイドミラーに不自然なほど頻繁に目をやって
何かを警戒しているような様子だ。
どうもおかしい…と戒が不審に思った刹那、
車の片方の前タイヤが突然パンクし、
リムジンは激しい摩擦音を立てながらスピンした。

戒「なっ…!?」
運転手「しまった!」

ブレーキをかけるのも間に合わず、
方向感覚を失ったリムジンは歩道に乗り上げ、
住宅の塀に衝突する。

戒「っ…!」
運転手「………」

かなりのスピードで塀に突っ込んだため衝撃は大きかった。
後部座席に座っていた戒に怪我はなかったが、
運転手は全身を強打し失神してしまっている。

戒「大丈夫ですか? しっかりして下さい!」
運転手「ううっ…」

運転席に身を乗り出して運転手を揺すり起こそうとする戒だったが、
次の瞬間、何者かが車のボンネットに飛び乗ったかと思うと、
ひび割れていた車のフロントガラスが突き破られ、
鋭い太刀が勢いよく運転席に刺し込まれた!

626凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:09:06
車内に飛び散る鮮血。
シートにもたれるように座っていた運転手の胸を太刀が貫き、
一瞬でその命を奪った。

戒「ひっ…!?」
天童忍者A「外したか!」

リムジンのボンネットに乗った忍び装束の男――天童忍軍の刺客は、
そう言って太刀をフロントガラスから引き抜いた。
今の台詞からして、標的は運転手ではなく戒なのだ。
刺客は再び戒を狙って太刀を車内に刺し込もうと構える。

天童忍者A「ぐわっ!」

殺される…! 戒が目を瞑った時、
断末魔の声と共に天童忍者はボンネットから転がり落ちた。
その首筋には一本のスローイングナイフが刺さっている。

ロビンケン「邪魔はさせんぞっ!」

ナイフを投げたのは、迷彩柄のアーマーを纏った
ネロス帝国のヨロイ軍団爆闘士ロビンケンであった。
素早くリムジンに駆け寄ったロビンケンは、
窓ガラスを叩き割ってドアロックを解除し車の戸を開けると、
車内にいた戒を強引に外へと引きずり出す。

戒「何をする!?」
ロビンケン「こうなっては已むなし。
 このまま連れて行くしか策はあるまい!」
戒「やめろ! 離せっ!」
ロビンケン「…!? 伏せろ!」

暴れて抵抗する戒をロビンケンが無理矢理担ぎ上げようとした刹那、
物陰から一本の吹き矢が飛んで来た。
ロビンケンは戒を上から押さえつけるようにして伏せさせ、矢をかわす。
リムジンの車体に突き立った矢をロビンケンが引き抜くと、
鏃には毒らしき黒い液体が塗られていた。

ロビンケン「毒の吹き矢とは、さては忍者さそりか!」
忍者さそり「………」

雑木林の陰から顔を覗かせたのは、
偵察や暗殺を得意とする天童忍軍の吹き矢の使い手・忍者さそりである。
忍者さそりはロビンケンの声には答える事なく、
次々と吹き矢を戒に向けて飛ばす。

ロビンケン「大事な被験体を死なせてなるか!」

戒の前に立ち塞がり、ロビンケンは飛来する毒矢をロングナイフで叩き落とす。
忍者さそりは腰の忍者刀を抜き、疾風の如き速さでロビンケンとの距離を詰めると
そのまま激しく斬りかかった。

忍者さそり「彩堂寺戒なる者、渡すわけには行かん!」
ロビンケン「天童の鼠どもがあれこれ嗅ぎ回っているとは聞いていたが…。
 聖天子付きの補佐官ともあろう方が、手を出してよい相手とそうでない相手の
 区別も付かんとは笑止千万。
 我らに楯突けばどうなるか、よく学習していただく必要があるようだ」
忍者さそり「お主らこそ、一度は敢えなく滅びた身でありながら、
 性懲りもなく身の程知らずな野望を抱き続けるなら痛い目を見ようぞ」
ロビンケン「言わせておけば!」

忍者さそりの忍者刀が唸りを上げ、ロビンケンのロングナイフが銀閃の光を放つ。
両者が戦っている隙に、戒はその場から逃げ出した。

戒「くっ…! 一体何がどうなっているんだ!?」

627ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:18:28
その日、学校は祝日で休みだったが、午前中に部活動の練習があった
牧村光平と朝倉慎哉、それに校門のところで偶然合流した沢渡優香の3人は、
「せっかくだから」と途中まで一緒に帰ろうということになった。

優香「でもよかった。光平くんたちも午前中で
 部活の練習が終わってて」
光平「なんでも朱音ちゃんが"急用があるから"って、
 午後からの練習が急に中止になってさ」
慎哉「いったいどんな用事だったんだろうな?」

そして最寄りの駅までの道のりの途中、
楽しくお喋りしながら曲がり角に差し掛かったところで、
光平はいきなり飛び出してきた何者かとぶつかった。

光平「うわっ!?」
戒「くっ…!?」

互いによろめく光平と戒。

光平「……君は、確か?」
慎哉「お前、彩堂寺じゃないか!?」

戒「………」

よく見ると、戒の着ているモーニングコートは所々埃がかかり
ボロボロになっている。

慎哉「どうしたんだその格好!?」
優香「怪我をしてるじゃない!?」
戒「どけっ! 邪魔だ!」
慎哉「お前、道端で人にぶつかっといて
 "ごめんなさい"も無しか?」
戒「近寄るな! 俺は追われている!」
光平「"追われている"って……?」

ひどく狼狽している様子の戒の様子に、
全く訳が分からない光平たち。

光平「――!? 危ない!!」
慎哉「えっ!?」
優香「キャアッッ!!」
戒「――!!」

いきなり背後から振り下ろされたハンマーから、
慎哉、優香、戒の3人を庇って咄嗟に床に伏せる光平。

628ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:07
ゲバローズ「チッ…外したか」
光平「お前は!?」

光平には、目の前に立つ、両腕をペンチやハンマーの形状になっている
奇怪なロボットには見覚えがあった。確かブレイバーベースにあった資料で見た、
ネロス帝国の戦闘ロボット軍団・激闘士ゲバローズ!

光平「彩堂寺、お前を狙っているのはコイツか?」
戒「………」

光平の問いかけに、戒は何も答えない。

ゲバローズ「牧村光平、その小僧をこちらに渡せ!」
光平「やだと言ったら?」
ゲバローズ「全員始末するまでだ!」
慎哉「この野郎ォォォッ!!!」

慎哉はテニスラケット片手に振り回して
果敢に挑もうとするが…。

光平「よせっ! 慎哉!!」
優香「朝倉くん!?」
ゲバローズ「ふんっ、こんな物!」

ゲバローズはラケットを軽々と受け止め、
真っ二つに叩き折ってしまった。

慎哉「…お、俺のラケットがぁ〜!
 バッキャロォ…!! これ高かったんだぞ!!」。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
ゲバローズ「そんなこと俺が知るか!」
光平「慎哉、優香! ここは俺に任せて、
 彩堂寺を連れて早く逃げるんだ!」

光平は変身のポーズを取る。

光平「――翔着(シグ・トランスッッ)!!」

紅蓮の炎に一瞬包まれた光平の姿は、
背中にある二枚の翼を羽ばたかせ、
天凰輝シグフェルへと変わった。

戒「ま、牧村…お前!?」

目を見開いて驚く戒。

シグフェル「さあ、ぐすぐすしてないで早く!」
慎哉「わかった! さあ彩堂寺も早く!」
戒「あ、ああ…」
優香「気をつけて…」

慎哉たちを先に逃がし、ゲバローズと対峙するシグフェル。
その様子を密かに遠くの家屋の屋根から窺っている忍者集団がいた。

天童忍者B「朱音様、ここはいっそゲバローズ共々シグフェルを…」
朱音「待て。菊之丞様のご命令はあくまで彩堂寺戒の始末だ。
 ここはわたしに任せろ」

629ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:43
いつしか戦いの場を、解体工事中の廃ビル内部へと移すシグフェルとゲバローズ。
ゲバローズは高い身体能力を活かした俊敏な動きを利用して、廃ビル内の鉄骨を
ハンマーで次々と破壊。まるでシグフェルの頭上を狙ったかのように、
コンクリートの塊が途切れることなく崩れ落ちて来る。

シグフェル「くそっ!! これじゃあキリがない!」

崩落してくる天井が邪魔して、シグフェルはなかなかゲバローズに近づけない。
「ヴァジェト・レイ」を使って全部まとめて吹き飛ばす手もあるが、
街中でそれをやるのは被害が大き過ぎる。

ゲバローズ「フハハハハ!! この狭い空間の中では、ご自慢の飛翔能力も発揮できまい!
 この勝負、もらったぁ!!」

ゲバローズは身動きの封じられたシグフェルに回り込んで近づき、
一気に攻勢に転じようとしたその時だった。
廃ビルの入り口から、2台のバイクの駆動音が鳴り響いた。

シグフェル「この音は…!?」
ゲバローズ「なにっ!?…ぐわあああっ!!!!!!!」

2台のサイクロン号がゲバローズめがけて豪快に体当たりした。
連絡を受けた仮面ライダー1号2号が救援に駆け付けたのだ。
廃ビルの外にまで吹っ飛ばされるゲバローズ。

シグフェル「本郷さん! 一文字さん!」
ライダー1号「シグフェル、あいつの相手は我々が引き受けた!」
ライダー2号「ここは我々に任せて。お前は早く慎哉君と優香ちゃんたちの後を追え!」
シグフェル「わかりました! ここは頼みます!」

シグフェルはダブルライダーにこの場を任せ、
一足先に廃ビルから飛び立ち、戒を連れて一緒に逃げているはずの
慎哉と優香の元へと向かった。

◇    ◇    ◇

とりあえず郊外の廃墟の一角に身を潜めていた慎哉たち。
そこへシグフェルが合流するためやって来た。
空からゆっくりと地表に降り立ち、変身を解除して光平の姿に戻る。

慎哉「光平、あのロボットみたいな怪物は?」
光平「仮面ライダー1号2号が来てくれて、なんとか追っ払ってくれたよ」
優香「そう、よかった…」

戒「………」

光平から話を聞いて、安心そうに胸を撫で下ろす慎哉と優香だったが、
先程から戒だけは、無言のままじっと光平の顔を睨んでいる。
慎哉の話によれば、彼はさっきからずっとこんな状態だという。

630ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:20:41
その戒が、初めて重い口を開いた。

戒「まさかお前が、あの天凰輝シグフェルだったとはな…」
光平「………」
戒「どういうつもりだ牧村?」
光平「どういうつもり…って、俺たち、同じ学校の友達だろ?」
戒「俺はお前たちと友達になった記憶もなければ、
 助けてくれと言った覚えもない」
慎哉「こいつ…! せっかく助けてやったのに何だよその言い草は!?」

慎哉は戒の態度に怒るが、光平は気にせず冷静に事情を聞こうとする。

光平「あいつらについて何か心当たりは?」
戒「ない! あんな化け物に襲われる覚えなんかあるわけないだろ。
 俺はただ、桐原社長から昼食に招待されていただけだ」
光平「…桐原? もしかしてそれって、桐原コンツェルン総帥の
 桐原剛造のことかっ!?」
戒「それがどうした?」
光平「いいか彩堂寺、落ち着いてよく聞くんだ。
 桐原コンツェルンの本当の実態はネロス帝国と言って、
 Gショッカーの一部を形成している悪の地下組織なんだ!」

光平のこの言葉に、普段から桐原剛造を師と仰いでいる戒は激しく反発する。
今まで冷たいように無表情だった戒の顔に、感情という物が露わになった。

戒「牧村、お前寝ぼけてるのか!?」
優香「光平くんの言っていることは本当よ!
 お願い、信じて!」
戒「黙れ! 言うに事欠いて桐原先生がGショッカーだと!?
 これ以上先生を侮辱すると許さんぞ!!」
光平「………」
戒「…そうかわかったぞ。お前ら、成績上位者でエリートでもある俺の事を妬んで
 そんな出まかせを並べてるんだな?」
光平「彩堂寺! 俺はそんなつもりは!」
戒「これ以上は余計なお世話だ! 自分の身くらい自分一人で守れる。
 放っておいてもらおう」

ここで優香が、戒の頬に一発平手打ちをお見舞いする。

戒「……!?」
優香「いい加減にして! 光平くんも朝倉くんもわたしも、
 本気であなたを心配しているのよ!」
戒「沢渡……」

優香を呆然と見つめている戒。その時突然、四方から
数枚の手裏剣が彼らめがけて投げつけられてきた。

光平「危ないっ!!」

咄嗟にラケットを握った光平の機転で、
飛んできた手裏剣のほとんどは地面に叩き落とされ、
他に何枚かはラケットの柄の部分に突き刺さっている。

光平「………」
慎哉「な、なんだ!?」

631ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:21:24
気がつくと光平たちは、いつの間にか
見た事もないような黒ずくめの集団に取り囲まれていたのだ!

優香「に、忍者…!?」
戒「………」

戒は記憶を辿り思い出していた。車に乗っていた時に
自分を襲ってきた忍者と、明らかに同じ装束姿をしている連中だ。

光平「お前たちもネロス帝国の仲間か!?」
戒「違う…。こいつらは俺を連れて行こうとした
 奴らとは別口の連中だ」
光平「なんだって!? どういうことなんだ…」

忍者たちの指揮官らしき女忍者が前に出た。
覆面をしているため顔は分からない。

朱音「彩堂寺戒をこちらに渡しなさい!
 そうすればあなたたちに危害は加えないわ」
光平「どうしてだ! なんで彩堂寺を狙うんだ!?」
朱音「あなたたちには関係の無いことよ」
光平「………(この女忍者の声、どこかで聞いたような…?)」

話しかけて来た女忍者の声に、なんとなく聞き覚えを感じた光平だったが、
今はそんなことを気にしている余裕はない。黒ずくめの忍者集団には
誰一人として一部の隙もなく、鋭い殺気をこちらに放ち続けている。
かなり腕の立つ暗殺集団に違いない。
果たして、戦闘には素人である慎哉と優香、そして軽傷を負っている戒の3人を
無事に守りきれるだろうかと光平は焦りを覚えていた。
少しでも隙を見せればこちらが殺られるッ…!
そんな緊迫した状況が続く…。

632ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:14:53
≪サラジア&異世界アセーリアでの一連の問題が解決した後の後日談≫

天凰輝シグフェルの活躍によって独裁者アルハザードが倒され、
平和主義の民主国家として再出発する事になったサラジア。
一方、異世界アセーリアでもアルハザードの死によってサラジア軍の士気は崩壊。
ラウール王子率いる軍勢が王都ネクナールを奪還してメルヴィオン全土を制圧した。

アルハザード配下のエージェンドSSS3が、実はサラジア軍に捕えられ洗脳されていた
ラウール王子の姉姫だった事が判明。沢渡家で保護されている姉と再会するため、
ラウールは僅かな供を連れて地球の日本を極秘訪問する。
リリーナ・ドーリアン外務次官は、リー・ウェンことヤン・ウェンリーに
ラウール一行の護衛を依頼。ヤンはシェーンコップに命じて、
ワルコップ警備保障会社=薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊に
ラウールたちをこっそりと警護させる。

ところが、なぜかラウール一行とSSS3の命を天童忍軍が狙い始めた。

組頭「朱音、事と次第によっては牧村光平諸共殺す事も考えなければならぬ」
朱音「えっ…!?」
組頭「どうかしたのか?」
朱音「いえ、別に…」
組頭「とにかく牧村光平から目を離すな。ここでしくじっては
 天童の御前に申し訳が立たぬ」

これまで海防大学付属高校で担任教師兼部活顧問として
長い間、光平たちと学校生活を共にしてきた朱音には、
すでに人の情が芽生えつつあったのだった。

そしてついに朱音の正体が、慎哉や優香にも明らかになる日がやってきた。

朱音「確かにわたしは天童のくノ一でした。ついさっきまでは…」
慎哉「嘘だろ…!?」
優香「まさかっ…!?」
リー・ウェン「朱音先生、お前さん、そんなことを
 我々に言ってしまってもいいのかい?」
朱音「構いません。わたしみたいな忍び一人がどうなろうと、
 世の中がどうこうなるわけじゃありませんから」
光平「朱音ちゃん…」

そして朱音は、抜け忍として天童忍軍から命を狙われる事になった。

お蝶「朱音、掟だよ。裏切り者は生かしておく訳にはいかないねえ」
朱音「お蝶、わたしを仲間と戦わせるつもりか!?」

くれないお蝶率いる忍者たちに襲われる朱音。
彼女の後を追いかけて来た光平が助けに加わる。

朱音「光平君!?」
光平「朱音ちゃん、もう朱音ちゃんの仲間はコイツらじゃない!
 俺たちブレイバーズだ!」
朱音「逃げなさい! あなたには関係のない事よ!」
光平「ヤだね! そんなことをしたら、
 もう先生の面白い授業が受けられなくなる!」
朱音「光平君、まだあなたはわたしのことを
 先生と呼んでくれるの?」
光平「当り前じゃないか!」

戦闘中、どこかから飛んできた毒の塗られた手裏剣が、
光平を庇った朱音の左腕に突き刺さった。

朱音「危ない!? うっ――!!」
光平「朱音ちゃん!?」

633ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:15:25
光平に朝倉家まで運び込まれ、
布団の上で三日間高熱にうなされた朱音だったが、
応急処置と看病の甲斐もあり、無事に峠を越えた。

蓮太郎「気がついたみたいだな?」
朱音「光平君…それに皆さん、ありがとうございます……」
優香「よかった…」
慎哉「一時はどうなることかと思ったよ…」
光平「もう大丈夫みたいだな」

ゆっくりと起き上った朱音は、詳しい事情を話し始めた。

朱音「光平君、悪い事は言わないわ。
 今度だけはこれ以上関わり合いにならない方が…。
 天童のお殿様でさえ、今はその男には逆らえないのよ。
 その男を相手にする気なの?」
リー・ウェン「やはりそんな大物の黒幕がいたのか…」
佳代「朱音先生、アンタ…そいつの名前を知ってるね?」
朱音「……連邦開発投資銀行の総裁、堂前景勝よ」
光平「堂前景勝……」

堂前 景勝(どのまえ かげかつ)。日本の元財務大臣であり、
現在は地球連邦政府系の国際金融機関である、
「連邦開発投資銀行(Federal developmentinvestment bank/略称:FDIB)」
の総裁職にある男だ。


***天童菊之丞邸***

翌日、朱音は処罰を覚悟で天童邸に出頭した。

朱音「すでにお聞き及びの事とは存じますが、
 わたしにはあの子を……光平君を殺す事は出来ません。
 わたしはこの目で見て来ました! 光平君も、そしてブレイバーズの皆さんも、
 日本の国家体制を覆そうなどという大それた野心は微塵もございません。
 今はただただ…生き別れになった異世界の姉弟を再び巡り合わせてあげようと、
 それだけでございます! わたしはどうなっても構いません!
 ですが…どうか牧村光平君にだけは閣下のお力を持って、
 何卒御咎めなきよう」
菊之丞「………」

菊之丞は、朱音の願い出に一切答えることなく、
一方的にバチンッと障子の襖を閉めてしまった。

朱音「御前!?……御前!!」


***堂前景勝邸***

ムンタキル「堂前先生、重ね重ねの失態、誠に申し訳ございません」
堂前「………」

アルハザード政権崩壊後のサラジアから姿を消していた
ムンタキル首相だったが、なんと堂前景勝の許に身を寄せていた。

堂前「それで、あの千坂朱音とかいう裏切り者のくノ一はどうしたのかな?」
ムンタキル「はい。命は取り留めて、天童菊之丞に詫びを入れたそうですが、
 菊之丞は一言も口を利かずに追い返したそうで…」
堂前「追い返した? そうか。ではまだ慌てる事はないのだな」
ムンタキル「…と、申されますと?」
堂前「天童がこちら側についている限り、シロをクロと言いくるめる事もできるのだ」
ムンタキル「は…?」
堂前「天童にも泣き所はある。日本国内のみならず海外にまで津々浦々に張り巡らされた
 天童忍軍配下の諜報網を維持するための膨大な経費の一部を、わしが黙って払ってやっているのだ。
 …ま、多少は臭いと思ったところで、天童がこのわしに逆らうことはあるまい」
ムンタキル「なるほど、さすがは先生! そこまで利用している天童にも、
 例の利権のからくりは何一つ漏らしていないのですからな♪」

ムンタキルは、サラジアから密かに持ち出した石油資源や
異世界アセーリアに関する情報資料を堂前に売り渡しており、
それを使って堂前は、サラジアとメルヴィオンの利権を
食い物にしようと企んでいた。

堂前「メルヴィオンの地下資源を根こそぎ独占するだけで、
 儲けは何百兆にも達しよう。笑いが止まらん。ふはははは…」

すでに堂前は配下の私兵として、大勢のテロリストたちを雇い入れていた。

634ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:16:21
シグフェルとラウール王子、そして千坂朱音は
決着をつけるべく堂前の屋敷へと乗り込む。

堂前「これはこれは、ようこそ天凰輝シグフェル。
 この堂前景勝の力をわざわざ見においでかな?」
シグフェル「………」
ラウール「………」
朱音「………」
堂前「お前たちがここで命を落とすのもまた当然!
 それは、お前たちが金の力を甘く見た報いだ。死ねい!」
シグフェル「お前の言う金の力がどれほどのものか、
 見せてみろ!」
ラウール「堂前景勝! 所詮金で雇われた人間が、
 命までかけると思うか!?」
堂前「黙れい! 世の中金が全てだ!
 天童も金で買ったのじゃ!!」

蓮太郎「そいつは違うな!!」

ここで、里見蓮太郎と藍原延珠が遅れて現れる。

蓮太郎「天童はお前たちなんぞに屈しちゃいねえよ」
堂前「なんだと!?」
蓮太郎「ここ一連のFDIBの不正な錬金術のカラクリが
 掴めるのを待っていただけさ!」
ムンタキル「貴様!?」

あの後、天童菊之丞に直談判に赴いていた蓮太郎は、
そこで実は、天童が内偵捜査のために一時的に
堂前と手を組んでいたフリをしていただけ
だった事を知らされていたのであった。

蓮太郎「朱音さん、菊之丞とは話をつけて来た。
 "当面は好きにしていい"とあのジジイからの言伝だ」
朱音「蓮太郎さま…」

蓮太郎からの気遣いに感謝する朱音。
いよいよ追い詰められた堂前とムンタキルは、
邸内奥の研究施設からステージIVのガストレアを繰り出してきた。

堂前「こんな時のために今まで飼い慣らしておいたのだ!
 お前たち全員皆殺しにしてくれる!」

蓮太郎「行くぞ延珠!」
延珠「了解なのだ蓮太郎!」

バトル開始。果たして堂前の企てを阻止できるのか!?

635ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 10:44:14
<<ベルデの最期-4>>
優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。あれ以来、高見沢の所在は
掴めず、光平達は何かしらの進展は無いものかと、赤龍軒を訪ねていた。
そこに1人の人物が訪ねてくる。

佐野「お、お邪魔しま〜す(汗」
真司「お前は、佐野じゃないか!?」
蓮「貴様、何しに此処へ来た!」
佐野「ま、待ってくれ!!戦いに来た訳じゃないんだ!話を聞いてほしいんだ」
真司「話?」
光平「あの、この人は?」
美穂「佐野満・・・・あなたを襲った仮面ライダーインペラーに変身していた男よ」
雄大「何だって!?」
慎哉「沢渡を攫った連中の仲間が何故、ここに!?」

敵である筈の佐野が光平や真司達の前に現れた事で不審に思うが、とりあえず
佐野の話を聞く事にした。そして佐野の話というのは、高見沢が香川教授を
拉致して、家族を人質にオルタナティブを開発させている事だった。

佐野「その香川教授が開発させられている高見沢グループの極秘の
 研究所には、その優香っていう嬢ちゃんも囚われているんだ。
 そこの坊主にとって研究所の場所は是非、知りたい情報だろ?」
手塚「何故、俺達にそんな話をする?」
佐野「正直、俺はもうライダーを辞めたいんだ。そりゃ、俺が会社を継ぐとかって
 話も無くなっちまっているけど、このまま居ても俺に幸せが来るとは
 思えねぇ。だからあんた達に話をして、出来ればそのままGショッカー
 から足を洗えないかなぁ・・・・と(汗」
蓮「ふん、最低な奴だな貴様は!」

佐野が真司達に香川教授の事を話した理由を聞いて、蓮をはじめ
内心腹ただしく思えた。

霧島「こんな奴の言う事を聞く必要は無いわ!」
真司「待ってくれ!確かに俺も佐野にはムカついたけど、本当の事なら
 香川先生の家族が危ない。せっかく先生も普通に暮らしているのに
 またライダーの所為で戦いに巻き込まれるのなら、俺は助けに行くべき
 だと思う」
光平「俺も、優香がいる場所が分からない今、この人の情報を信じて
 みようと思う。その香川っていう人の事は、よく知らないけど協力させ
 られているなら、助けるべきだ!」

佐野の話を不審に思う美穂達だが、真司や光平は佐野の情報を
信じて優香や香川教授を助けに行くべきだと自分の考えを皆に
伝えた。

雄大「でも、この人の言っている事は光平先輩たちをおびき出す
 罠かもしれませんよ?」
????「・・・・いや、その男の言っている事は本当みたいだぜ?」
蓮「誰だ!」

赤龍軒に入って来たのは、高級スーツをビシッと着こなしている男性
―内取の取締官である財前丈太郎だった。

光平「貴方は?」
慎哉「あっ!確か大鹿建設が不正を働いていた事件で活躍したっていう
 内取の財前丈太郎・・・・さんですか?」
財前「Da Bomb!!(その通り)俺が財前丈太郎だ。先日、高見沢と
 組んで不正を行っていた代議士を捕えたんだが、その極秘の研究所とやらに
 雲隠れをしているっていう情報を掴んだ所さ。それで噂の新ヒーロー、
 シグフェルに情報を持ってきたという訳だ」

財前は自分が、光平達の前に現れた理由を話し、佐野の言っていた
情報が正しかった事を知る。

真司「な?やっぱり佐野を信じて助けに行った方がいいんだよ」
手塚「ふっ、相変わらずの御人好しだな。だが、助けに行くという
 考えには俺も賛成だ。俺の占いでも助けに行く事は吉と出ている」
亮「俺も真司の考えに賛成だ。俺は其処にいる佐野って奴や香川って
 人の事は知らないが、例え罠だとしてもそれを打ち破れば良い」

真司の考えに手塚やリュウレンジャーであり赤龍軒の店主でもある
亮は賛成した。

霧島「はぁ〜分かったわ。今回は真司の言い分に付き合ってあげる」
蓮「まぁ、これを機会にブレイバーズのスポンサーになっている高見沢の
 化けの皮を剥いでやれるかもしれないしな」
真司「ありがとうな。蓮、美穂!」
雄大「優香先輩を絶対に助けて下さいね!」
光平「勿論だ。今度こそ、優香を助けてみせる!」
慎哉「分かったよ。でも気を付けろよ」

一同は真司や光平の考えに賛同し、優香や香川教授が囚われている
研究所へ向かう事を決意する。

佐野「・・・・じゃあ、情報も教えた事だし、俺はこの辺で・・・・・」
蓮「待て。研究所には詳しいのだろ?」
手塚「俺達の水先案内人になってもらうぞ」
佐野「そ、そんなぁ」ガーン

情報だけ伝えて、その場を退散しようとしていた佐野だったが、
研究所の詳細を知る為に、蓮達によって研究所まで案内を
する羽目になるのであった。

636ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 12:11:16
***某研究所***
佐野が光平や真司達ブレイバーズに情報を教えていた一方、
香川は高見沢からもたらされた資料とカードデッキのデータから
ついにオルタナティブ・ゼロの開発に成功するのであった。

高見沢「流石は香川先生。我々の資料とデータから、こんなにも早く
 オルタナティブを開発してしまうとは、正直驚きですよ!」
香川「・・・恐れいります」

オルタナティブの完成に高見沢は大いに喜び、香川は俯きながら
答えた。

間宮「これがオルタナティブ・・・・中々に協力な兵器の様だな」
乃木「下等な人間風情にしては、よく出来たものだ!」
香川「彼等は・・・・?」
高見沢「ここの警備を任せている、私の協力者達ですよ・・・・警備の
 方に不備は無いな?」
間宮「今の所、問題は無い」

高見沢と香川がいる所に、ワームの代表を務める間宮麗奈と乃木怜冶の
2人が現れた。現在、表向きは高見沢グループの研究所となっているこの
場所の職員は実は全員、ワームが擬態していた。

シャダム中佐「こいつがオルタナティブか・・・・」
メーミィ「この様な物で本当にブレイバーズ共を倒せるというの?」
高見沢「おお、ゴーマにインフェルシアの皆さん、よくお越しいただき
 ありがとうございます。このオルタナティブを量産し、必ずやブレイバーズを
 倒して見せましょう。その為にも、まずは噂のシグフェルを仕留めて
 みせます!」

さらに以前、共同作戦を行ったゴーマ、インフェルシアにオルタナティブを
お披露目する為、研究所に呼び出し、オルタナティブの軍団を作って
ブレイバーズそしてシグフェルを倒すと宣言する。

高見沢「それでは、香川先生。次に量産化についてですが・・・・・」
東條「大変です!ブレイバーズがこの研究所にやって来ました!!」
乃木「何だと!?」
メーミィ「ブレイバーズが、乗り込んで来るっていうの!?」

東條から、ブレイバーズが研究所に乗り込んできたという情報を
聞かされ、その場にいた一同は動揺する。

高見沢「ちっ!ここを嗅ぎ付けたか。おい、佐野はどうした」
芝浦「彼なら、朝から見ていないですね」
佐野「朝からいない?・・・・まさか、アイツがブレイバーズに
 研究所の場所を教えたのか?まあ良い。他のワームを向かわせろ!」
間宮「無論だ」

佐野が情報を漏らしたと感づいた高見沢だが、今は研究所に乗り込んで
きたブレイバーズの対処を考え、間宮麗奈にワームを向かわせるように
指示を出す。

佐野「・・・・この先を行けばオルタナティブを開発している研究室だ。
 それで嬢ちゃんが捕えられるていう部屋は、その向こうの筈だ」
真司「よーし、優香ちゃんや香川先生を助け出すぞ!変身!!」
光平「待っていてくれ、優香―翔着!<シグ・トランス>」

佐野の手引きで研究所の外に来た光平達は捉えられている優香と
香川を助けるべく、龍騎やシグフェルに変身する。

亮「久しぶりの戦いだが、皆大丈夫か?」
将児「当たり前じゃねえか、亮!」
亮「よし、皆、転身だぁぁぁぁあ!!」
ダイレンジャー他5人「「「「「応」」」」」
亮「気力転身!」
ダイレンジャー一同「オーラチェンジャァァァァァ!!!!!」

龍騎やシグフェル達と共に、優香と香川を救うべく亮や仲間の
ダイレンジャーもオーラチェンジャーでダイレンジャーも変身し
他のブレイバーズと共に研究所へ乗り込んだ。

佐野「・・・・・案内もした事だし、俺もおさらばしますか。
 ――!お、お前は!?」

研究所への案内を済ませ、その場を立ち去ろうとしていた佐野だが
そこで、ある人物に出くわしてまう。

637ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 14:03:25

バース「はぁっ!」
ワーム・サナギ体「キシャァァ!」
ガタック「うぉりゃぁぁ!!」
アラクネワーム・ルボア「ムゥゥゥ!」
電王S(ソードフォーム)「おりゃぁ!」
モグライマジン「ぎゃぁぁぁ!」

研究所内部にはワームが扮した職員の他にイマジンや達もいたが
変身したブレイバーズのメンバーにより、次々と倒されていく。

シグフェル「何て敵の数なんだ!」
バース「ここは我々が引き受ける」
ガタック「シグフェル達は先を行ってくれ!」
電王S「本当なら、主役の俺が行くべきだがよぉ。今回は譲って
 やるぜ!」
シグフェル「ありがとうございます!」

シグフェル達と共に乗り込んだバースやガタック、電王はシグフェル達を
先へと行かせる。そしてシグフェルは優香を救う為、佐野から得た情報で
優香が捕われている部屋へと向かい、龍騎らは高見沢達のいる研究室へ
向かった。

龍騎「そこまでだ、高見沢!!」
ナイト「こうなった以上、貴様も年貢の納め時だな!」
高見沢「くっ、城戸に秋山か!俺の邪魔はさせんぞ!
 変身!」
芝浦「変身!」
東條「変身!」
リュウレンジャー「シャダム!ゴーマも来ていたのか」
シャダム「ダイレンジャー、貴様らまで来るとはな・・・・。
 来い!サクラ子爵、陽炎頭巾」

研究室に乗り込んで来た龍騎達は、高見沢やシャダムらと
対峙する。高見沢はベルデに変身し、芝浦や東條も変身した。

バース「香川さん、貴方のご家族の安全は既に我々の仲間が確保しました。
 其方も直にお助け致します!」
香川「――本当ですか!」
ベルデ「ふん、オルタナティブのデータは既にある今、香川は用済みだ。死ねぇ!!」

ガタックらと戦っていたバースも研究室の方へ現れると、、香川の家族の安全を教える。
そしてベルデに変身した高見沢は最早、用済みと香川の始末にかかった。

龍騎「危ない!!」

龍騎は香川を助ける為に、ガードベントを発動させ、ドラグシールドで
ベルデの攻撃を防いだ。

香川「・・・・貴方は!?」
龍騎「ここは危険です。早く逃げて下さい!」
香川「・・・・・・・・」

龍騎は香川に逃げるように促すとベルデと戦闘を始める。
その姿に香川はオルタナティブ・ゼロのデッキを見るのであった。

ベルデ「俺も最早、ブレイバーズのスポンサーではいられなくなっちまったが
  ここでお前らを葬れば、俺の世紀王としての地位も大きくなるってもんだ!
 くたばれ、城戸!!」
龍騎「――くっ!」

AXELVENT!!

ベルデ「ぐわぁ!!」

ベルデはファイナルベントを発動させ、龍騎にトドメをさそうとした。
だが、そこに何者かの攻撃をベルデが受け、発動は失敗する。

龍騎「香川先生、その姿は!?」
オルタナティブ・ゼロ「・・・受けた借りを返します」

香川は龍騎に助けられた借りを返そうと、オルタナティブ・ゼロに
変身して、龍騎をベルデの攻撃から助けたのであった。

オルタナティブ・ゼロ「とにかく、事態を乗り切りましょう」
龍騎「はい!」

龍騎と香川が変身したオルタナティブ・ゼロは、構えるとベルデと
対峙するのであった。

638ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 15:58:38

シャダム中佐「ダイレンジャー、今度こそ貴様らは葬って見せる。
 出て来い、鍵道化師、口紅歌姫!」
鍵道化師「ムヒョヒョヒョヒョヒョ!お前達の魂を抜き取ってやる!」
口紅歌姫「私の顔に傷をつけた恨み、今度こそ晴らしてやる!」

シャダムはダイレンジャーを葬る為、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を呼び出し、ダイレンジャーを襲う。

シシレンジャー「また、倒してみせる!天幻星・二刀斬り!」
ホウオウレンジャー「大輪剣旋風斬り!」

襲ってきた鍵道化師と口紅歌姫にシシレンジャーはスターソードと
スターカッターを振り、ホウオウレンジャーは大輪剣で戦う。

ザイドス少佐「行くぞ!ダイレンジャー!!」
ガラ中佐「喰らえ!」
キリンレンジャー「行きますよ、将児!」
テンマレンジャー「応よ!天重星・重力逆転波!」

ザイドス、ガラに対してキリンレンジャー、テンマレンジャーが
相手をする。

キバレンジャー「・・・・シャダム」
シャダム中佐「コウか・・・・。ゴーマにおいて親子の情愛は無用!
 貴様もここでくたばれ!」
キバレンジャー「そうは、行くもんか!てりゃぁぁぁ!」

キバレンジャーは、父であるシャダム中佐と対峙。例え息子であろうと
敵ならば容赦しないシャダムに、キバレンジャー白虎真剣で立ち向かう。

メーミィ「ふむ、あの憎き魔法使い共はいない様だけど、そなたが我の
 相手をしてくれるのか?」
リュウレンジャー「例え誰が相手でも行くぜ!天火星・稲妻炎上破!!」
メーミィ「何の、ザザード!」

魔導神官メーミィはリュウレンジャーと対峙し、リュウレンジャーの技
「稲妻炎上破」に対して、メーミィは「ザザード」の呪文を唱えて、
扇から光弾を放つ。

タイガ「君には、城戸を始末するのを邪魔されたからね。
 お礼させてもらうよ」
ファム「あんた何かに負けないわ!」

タイガはストライクベントであるデストクローでファムを攻撃。
ファムはガードベントでウィングシールドを召喚し、攻撃を防ぐ。

TRICK VENT

ガイ「3人に分かれたか。だったらこれならどうだ!」

メタルバイザー@音声「コンファインベント」

一方、ナイトはトリックベントで3人に分身し、ガイを翻弄するが、
ガイはコンファインベントを発動し、その効果を無効化する。

バイオバイザー@音声「クリアーベント」
オルタネティブ・ゼロ「消えた!?」
龍騎「気を付けてください!」

そしてベルデと戦う龍騎とオルタナティブ・ゼロだが、ベルデは
クリアーベントで姿を消し、周囲を警戒する。

ベルデ「(死ね!)」

ベルデはオルタナティブ・ゼロの背後に廻り、トドメをさそうとする。
その瞬間クリアーベントの効果が切れてベルデが姿を現した。

龍騎「香川先生!」
オルタナティブ・ゼロ「―!」

ADVENT

サイコローグ「―!」
ベルデ「ぐわぁぁ!」

ベルデの存在に気付いたオルタナティブ・ゼロは咄嗟に契約モンスター
であるコオロギ型モンスターのサイコローグを召喚し、ベルデの攻撃を
防いだ。

ベルデ「くっ、よくもやりやがったな!やれ、バイオグリード!!」
龍騎「させるか!!」

STRIKE VENT

龍騎「昇竜突破(ドラグクローファイアー)!!」
バイオグリード「ギシャァァァァ!!」ドカーン

ベルデはバイオグリードを召喚して、オルタナティブ・ゼロを襲わせるが、
龍騎はストライクベントを発動させ、必殺の「昇竜突破(ドラグクローファイアー)」
によりバイオグリードを倒す。その攻撃はベルデさえも巻き込み、その衝撃により
ベルデの変身は解かれ高見沢に戻る。

龍騎「高見沢・・・・お前はもう変身できない。おとなしく捕まってくれ」
高見沢「くそ・・・・・くたばってたまるか!」

もう変身出来ない高見沢に龍騎は、おとなしく投降するように言う。
高見沢は、逃げようともがく。その時・・・・・・。

ドカァァァン!

ガタック、バース、電王S「「「うわぁぁぁ!!!」」」
龍騎「何だ!?」

突如、研究室の扉が開き外で戦っていたガタック達が吹き飛ばされて
来る。そして扉の向こうから紫色のボディにコブラを思わせるマスクの
怪人が現れた。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

最悪のライダー、王蛇が姿を現すのであった。

639ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:11:54
◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→高見沢の研究所に乗り込み、
   バイオグリードを倒して、ベルデの変身を解く。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→高見沢の研究所に乗り込み、ガイと戦う。
◯仮面ライダーファム/霧島美穂→高見沢の研究所に乗り込み、タイガと戦う。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→研究所に乗り込んだ龍騎と戦うが
   バイオグリードが倒され、変身が解かれてしまう。
●バイオグリード→龍騎によって倒される。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→ナイトと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→ファムと戦う。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→高見沢の研究所に現れる。
△佐野満→真司達に情報を教え、研究所へ案内する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→オルタナティブを開発。龍騎と共に
  ベルデと戦う。
△サイコローグ→オルタナティブ・ゼロに召喚され、ベルデを攻撃する。
◯リュウレンジャー/天火星亮→高見沢の研究所に乗り込み、メーミィと戦う。
◯シシレンジャー/天幻星大五→高見沢の研究所に乗り込み、鍵道化師と戦う。
◯テンマレンジャー/天重星将児→高見沢の研究所に乗り込み、ザイドスと戦う。
◯キリンレンジャー/天時星和→高見沢の研究所に乗り込み、ガラと戦う。
◯ホウオウレンジャー/天風星リン→高見沢の研究所に乗り込み、口紅歌姫と戦う。
◯キバレンジャー/吼新星コウ→高見沢の研究所に乗り込み、シャダムと戦う。
●シャダム中佐→高見沢の研究所で、コウと戦う。
●ガラ中佐→高見沢の研究所で、キリンレンジャーと戦う。
●ザイドス少佐→高見沢の研究所でテンマレンジャーと戦う。
●鍵道化師→シシレンジャーと戦う。
●口紅歌姫→ホウオウレンジャーと戦う。
◯仮面ライダーガタック→高見沢の研究所に乗り込む。
●間宮麗奈→高見沢の研究所で警備を担当する。
●乃木怜治→高見沢の研究所で警備を担当する。
●アラクネアワーム・ルボア→ガタックに倒される。
◯仮面ライダー電王S→高見沢の研究所に乗り込む。
●モールイマジン→電王Sに倒される。
◯仮面ライダーバース→高見沢の研究所に乗り込む。
●魔導神官メーミィ→高見沢の研究所でリュウレンジャーと戦う。
◯財前丈太郎→光平達に、高見沢についての情報を伝える。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→佐野の情報で高見沢の研究所に乗り込む。

640ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:12:34
【今回の新登場】
◯天幻星大五=シシレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 シシレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。棒術と幻覚で
 相手を翻弄する技巧派の戦士で、獅子拳の使い手。普段は
 ペットショップの店員をしている。孔雀明王の化身であるクジャクと
 心を通わせた。

◯天時星和=キリンレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キリンレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。酔拳が基になっている
 麒麟拳の使い手。普段は美容師をしており、常にオシャレなスーツで決めて
 いる気障な気取り屋で丁寧語を話す。一人称は「僕」だが時々「ミー」を使う。
 好物は豆腐。

◯天風星リン=ホウオウレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 ホウオウレンジャーに変身するダイレンジャーの紅一点。中国から
 日本の大学に来た留学生で鳳凰拳の使い手。道士・嘉挧の姪。
 ダイレンジャーの中で最も気力が強い。メディア魔術師の策略で
 アイドルデビューした事がある。

◯吼新星コウ=キバレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キバレンジャーに変身する小学生。ダイ族の血を引く母親と
 ゴーマ族の幹部であるシャダム中佐の間で生まれた子供で
 誕生日が12月24日で、10歳になるまでに母親と再会しなければ
 ゴーマの血が目覚めて凶暴化する宿命を背負っていた。阿古丸
 とは双子の兄弟。悪戯好きでスケボーが得意。叔父夫婦に育てられて
 いたが、後にリンと同居する。

●鍵道化師(五星戦隊ダイレンジャー)
 鍵をモチーフにしたゴーマ怪人。人間態は血相の悪い黒づくめの男。
 あらゆる物の鍵を開ける能力を持ち、人間の魂を開けて取り出す事も
 可能。「抜き取った魂を人形に宿し、自我を持った人形に人々を襲わせる」
 という任務を受け、夜な夜な子供の魂を抜き取って人々を混乱させた。

●口紅歌姫(五星戦隊ダイレンジャー)
 口紅がモチーフのゴーマ怪人。相手の唇に口紅を塗って操る事が出来、
 口から超音波を放つ事が出来る。操った女性を「悪魔聖歌隊」に仕立て
 ダイレンジャーを苦しめた。実はコットポトロの親玉。

●アラクネアワーム・ルボア(仮面ライダーカブト)
 地球に棲むクモに似た能力を持つワーム。両腕に装備した消火粘膜入りの
 ウェブシューターからのクモの糸で相手を絡め取る攻撃を得意とする他、
 同種と連携して攻撃を行う。

●モールイマジン(仮面ライダー電王)
 「親指姫サンプリーナ」からモグラをイメージし、この世に現出したイマジン。
 アックスハンド、ドリルハンド、クローハンド、クロスハンド、ヒッポハンドと
 左腕の装備が違う種類が存在する。
 
△サイコローグ(仮面ライダー龍騎)
 オルタナティブ及びオルタナティブ・ゼロと契約したコオロギ型のミラーモンスター。
 怪力と顔から発射する弾丸が武器。ファイナルベント及びホイールベントで
 「サイコローダー」と呼ばれるバイクモードに変形できる。

641ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 13:56:52
<<ベルデの最期-5>>
――時は少し遡る。研究所を案内した佐野は、その場を立ち去ろうとした時
ある人物と遭遇する。その人物こそ、仮面ライダー王蛇に変身する
浅倉威だった。

佐野「あ、浅倉威!?何で此処に・・・・」ガクガク
浅倉「此処か?シグフェルって野郎がいる場所は・・・・」
佐野「シグフェル?!・・・・ああ、シグフェルはこの研究所の中にいる。
 シグフェルだけじゃなく城戸や秋山もいるぜ」

神崎士郎から情報を得た浅倉威はシグフェルと戦う為に、この
研究所へやって来たのであった。一刻も、この場を離れたい佐野は
浅倉にシグフェルや龍騎の事を話す。

浅倉「・・・・そうか」
佐野「じゃあ、俺は用事があるから、この辺で・・・・・」
浅倉「・・・・おい。そういえばお前もライダーだったよな?
 肩慣らしに俺と戦えよ!」
佐野「ひぃ!」

そのまま、この場から逃げようとした佐野だったが、浅倉は佐野が
自分同様ライダーである事を思い出し、シグフェルと戦う前に、
肩慣らしをしようと佐野に戦いを強要する。

佐野「か、勘弁してくれ!!俺はライダーを辞めるって決めたんだ」
浅倉「ごちゃごちゃうるせえ!俺と戦え!!」
佐野「ぐふっ!」

佐野は浅倉に対して命乞いをするが、浅倉は、その姿にイラつき
思いっきり殴りつけるのだが、強力な一撃を喰らい、佐野は気絶して
しまう。

浅倉「ちぃ・・・・・まあ良い。どうやら中は楽しい状況みたいだしなあ」

浅倉は気絶した佐野を放置して、シグフェルを探しに研究所の中に
入る事を決める。そして水たまりを見つけて、コブラのエンブレムが
付いた紫色のカードデッキを翳す。そして浅倉の腰にⅤバックルが
出現した。

浅倉「変身・・・!」

Ⅴバックルにカードデッキを入れると、ガラスが割れる音と共に
浅倉の姿はコブラを象った紫のメタリックアーマーの怪人に変わる。
最悪のライダー、仮面ライダー王蛇となった。

王蛇「・・・・さて、行くか」

王蛇は研究所の中へと足を踏み入れた。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

その頃、研究所の中でワームやイマジンを相手に戦っていた
ガタック達の前に、間宮麗奈と乃木怜治が現れる。

電王S「何だ、コイツ等は?」
ガタック「こいつらもワームだ。それも今戦っていた奴らよりも強い!」
乃木「ブレイバーズ、貴様達を始末してやる!!」

間宮麗奈と乃木怜治は元の姿であるウカワーム、カッシスワームとなり
ガタック達を襲う。だが、そこに誰かが近づいてくるのを感じ取る。

王蛇「ほう、盛り上がっているなあ・・・・・。シグフェルはいるか?」
電王S「おい、また誰か来たぞ!」
ガタック「誰なんだ、お前は!?」
王蛇「いねえのか・・・・?ちぃ、イライラしてくる。仕方が無い、お前ら
 でも良い・・・・・俺と戦いな!」

目的の人物であるシグフェルがいない事に苛立ち、憂さを晴らそうと
ガタック達に戦いを仕掛ける事を決め、召喚機である牙召杖ベノバイザーに
カードを読み込ませる。

SWORD VENT

ソードベントのカードが読み込まれ、王蛇の手にベノスネーカーの
尾を模した黄金の硬鞭「ベノサーベル」が召喚され、それをガタック達に
向けて振るいだす。

電王S「うぉ!危ねえじゃねえか、この野郎!!」
王蛇「ハハハハハ!どうしたどうした!!」
ガタック「くっ・・・・何なんだ、コイツは!?」

王蛇の出鱈目な攻撃に、電王Sやガタックは翻弄されてしまう。

カッシスワーム「いきなり現れて、我々の獲物を横取りするとは何者だ!?」
ウカワーム「待て。確か奴の名は浅倉威・・・・敵も味方も関係なく攻撃する
 という危険な男・・・・・このままでは奴の攻撃に我々も巻き込まれてしまう
 かもしれない。ここは退くぞ」

浅倉の持つ危険性を感じ取ったウカワーム達は、巻き込まれないように
その場を撤退した。そして王蛇の攻撃にガタック達は龍騎達が戦っている
研究室まで吹き飛ばれてしまう。

ガタック、電王S「「うわぁぁぁ!!」」

そして王蛇は研究室の中に入り、その場にいる一同に向かって
尋ねる。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

642ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:05

龍騎「浅倉・・・・!」
ガイ「何故、奴が此処に・・・・!?」

現れた王蛇の姿を見て、王蛇の事を良く知る龍騎やガイ等の
ミラーライダー達に戦慄が走る。

ファム「・・・・・浅倉ァ〜〜〜!!」
龍騎「待て、美穂!」

ライダー同士のバトルが「なかった事」にされた事により、浅倉に
殺された美穂の姉は殺されず、今も生存しているが、前の歴史を
思い出し、姉を殺した事のある浅倉を許せずファムは王蛇に斬りかかる。

王蛇「ほう、あの時の女か・・・・。俺と戦いたいっていうのなら、
 相手をしてやる」
ファム「くっ・・・・!」
龍騎「美穂!俺達も加勢するぞ、蓮!」
ナイト「仕方ない・・・・!」

王蛇の危険性を一番知っている龍騎達はファムに続き、王蛇に
向かって攻撃をするが、王蛇は受け流していく。

王蛇「城戸に秋山か・・・・お前らも相手したい所だが、面倒だ。
 こいつと遊んでいろ!」

ADVENT

王蛇はアドベントカードを読み込み、契約しているコブラ型モンスター、
ベノスネーカーが召喚される。

ベノスネーカー「キシァァァァァ!!」
龍騎「うわぁ!」
テンマレンジャー「うぉっと、こっちにも来やがった!」
ザイドス少佐「おい、我々は味方だぞ!」
メーミィ「ふ、不愉快よ!」

召喚されたベノスネーカーは龍騎達のみならず、周囲で戦っている
ダイレンジャーや同じGショッカーであるゴーマやメーミィ達を巻き込んで
暴れる。

鍵道化師「ぐわぁ!」
口紅歌姫「そんな・・・・!」

ベノスネーカーの見境ない攻撃により、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を深いダメージを受けてしまう。

オルタナティブ・ゼロ「うっ!」
龍騎「先生!」

オルタナティブ・ゼロも攻撃に巻き込まれ、変身が解かれてしまい、
香川は、そのまま気を失ってしまった。

メーミィ「もう付き合いきれないわ!!我は帰るわよ」
シャダム中佐「我々もだ。ダイレンジャー、この次は決着を着けるぞ!」

王蛇とベノスネーカーの攻撃に、巻き込まれない様メーミィとシャダム達
ゴーマ3幹部は研究所から撤退した。

高見沢「・・・・(奴らの注意が浅倉に向いている隙に、この場を脱出だ!)」

そして倒れていた高見沢は、周囲が王蛇に気取られている隙に
高見沢は人知れず、その場を逃げ出すのであった。

643ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:52
一方、佐野から得た情報により捕えられている優香の部屋へ
やって来たシグフェル。部屋に入ると檻の中に捕われている
優香を見つける。

シグフェル「優香!」
優香「光平くん!?助けに来てくれると信じていたわ!」

優香と再会を果たしたシグフェルは、優香を檻から連れ出そうと
するが、突如部屋の壁が崩れ、龍騎が吹き飛ばされてくる。

シグフェル「真司さん!」
龍騎「うう・・・・」
王蛇「・・・・・お前がシグフェルか?ようやく会えたぜ!」
シグフェル「お前は・・・?」
王蛇「ハハハハ、俺と来てもらうぞ!」

崩れた壁の先から王蛇が姿を現し、ようやく目的の人物である
シグフェルと会えた事に喜び、存分に戦おうと邪魔が入らない
ように、研究室にある鏡を通ってミラーワールドにシグフェルを
連れ込んだ。

龍騎「シグフェルが・・・・助けに行かないと!」
ナイト「そんな身体で大丈夫か?」
龍騎「ミラーワールドなら、俺達の出番だろ?なら行かないと」
ファム「分かった。行きましょう」
バース「沢渡優香さんと香川教授は我々が保護します。彼を追って下さい」
優香「光平くんの事を頼みます」
龍騎「任せなって!必ず連れて帰るよ」

ミラーワールドに連れてかれたシグフェルを助ける為、龍騎、ナイト、
ファムはミラーワールドへ向かう。シグフェル=光平の事を案じる
優香に龍騎は仮面越しで笑みを浮かべながら、その言葉を受け取った。

鍵道化師「わ、私達の事を・・・・忘れてもらっては困るぞ!」
口紅歌姫「巨大化爆弾!」

ベノスネーカーの攻撃に巻き込まれたゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫だが、ダメージを負いつつも立ち上がり、巨大化爆弾で
巨大化する。建物の中にいる為、研究所は崩れる。

ガタック「や、やばい!優香ちゃん、こっちへ」
バース「香川教授は私が背負います」
リュウレンジャー「ゴーマは俺たちに任せてくれ。行くぞ、皆!」
ダイレンジャー「「「「「「気伝招来!」」」」」」

建物が崩れるので、ガタックとバースは優香と気を失っているを連れ出す。巨大化した
ゴーマ怪人と戦う為、ダイレンジャー達はそれぞれの気伝獣を呼び出す。

リュウレンジャー「龍星王、武人変形!五星合体」
ダイレンジャー「「「「「大連王」」」」」
キバレンジャー「ウォンタイガー、武人変形!」

龍星王は武人変形で人型になった後、星獅子、星天馬、星麒麟、
星鳳凰と武人合体して、中国の武人を思わせる大連王となり、
ウォンタイガーは武人変形で、人型となった。

電王S「よ〜し、真の主役の俺様も行くぜ行くぜ行くぜ〜!!」

電王Sはデンライナーを呼び出して、巨大化したゴーマ怪人に
立ち向かう。

ガイ「・・・・滅茶苦茶になったけど、この混乱に乗じてシグフェルを
 仕留めるチャンスだ。行くよ、東條君」
タイガ「あっ・・・ああ!」

ガイ、タイガもシグフェルを仕留めようとミラーワールドへ向かった。
今、それぞれの戦いで決戦が始まるのであった。

644ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 16:21:03
◯仮面ライダー龍騎→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーナイト→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーファム→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→シグフェルをミラーワールドへ連れて行く。
●仮面ライダーガイ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダータイガ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●高見沢逸郎→ドサクサに紛れて逃亡する。
△佐野満→浅倉威に殴られて気絶する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→ベノスネーカーの攻撃に変身が解かれ、
  気絶する。
●ベノスネーカー→王蛇に召喚され、見境なく攻撃する。
◯リュウレンジャー→気伝獣を呼び出し、大連王に合体する。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーを呼び出し、武人変形させる。
●シャダム中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ガラ中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ザイドス少佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●鍵道化師→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●口紅歌姫→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●魔導神官メーミィ→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーを呼び出す。
◯仮面ライダーガタック→優香を安全な場所へ連れて行く。
●ウカワーム/間宮麗奈→浅倉に危険性を感じて撤退する。
●カッシスワーム/乃木怜治→浅倉に危険性を感じて撤退する。
◯仮面ライダーバース→香川を安全な場所へ連れて行く。

◯天凰輝シグフェル→優香と再会するが、王蛇にミラーワールドへ連れて行かれる。
◯沢渡優香→光平と再会し、ガタック達に保護される。

【今回の新登場】
●ベノスネーカー(仮面ライダー龍騎)
仮面ライダー王蛇が最初に契約したコブラ型のミラーモンスター。
凶暴な性格をしており、口から放つ毒液と頭部両脇のベノハーシュと
呼ばれる刃を武器に戦う。契約者である浅倉威に忠誠的。

645ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:03:05
>>635の前段冒頭に挿入。

優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。

***海防大学付属高校・総合普通科2年A組教室***

朱音「みんなおはよう♪ これから出欠を取りますから
 みんな席に座って!」

朝の始業時間、担任の千坂朱音が教室に入り、
朝礼と共に生徒の出欠確認を取り始める。
しかしそこには、今日も沢渡優香の姿は席にない…。

朱音「…あら? 沢渡さんは今日も欠席?
 光平君、慎哉君、何か聞いてない?」
光平「……すみません。俺には詳しい事は何も…」
慎哉「俺も、ただ熱が出て風邪が長引いているとしか…」

学校には、優香が急な高熱と咳で体調を崩し、
寝込んでいると伝えられていた。

朱音「ここまで長引くとなると、相当具合が悪いのかしら。心配ね…。
 光平君、それに慎哉君も、もし沢渡さんの家にお見舞いに行くことが
 あるようなら"お大事に"って伝えておいて」
光平「わかりました…」
朱音「みんなもうがい手洗いはしっかりして、
 体調管理には気をつけましょう」
光平「………」


***同校舎・屋上***

光平「くそっ!!」

授業が終わって休憩時間となり、校舎の屋上へと出た光平は、
苛立ち紛れに右の拳を壁に叩きつける。

雄大「光平先輩…」
慎哉「光平、気持ちは分かるけど少し落ち着けよ」
光平「優香の身が危ないっていうのに、俺は何もしてやれないのか…!」

その後、警視庁の特殊班が捜査令状を取り、高見沢グループ本社オフィスや
高見沢逸郎の私邸を急襲したが、いずれも蛻の殻であった。

雄大「光平先輩、学校が終わったら、みんなで今日もまた赤龍軒に行ってみましょうよ。
 もしかしたら新しい情報が入ってるかもしれません!」
慎哉「俺もそう思う。俺や雄大だって、沢渡がピンチだっていうのに
 歯痒い気持ちはお前と同じなんだ。沢渡を助け出せるチャンスは必ず来る!
 今はそう信じて待つんだ!」
光平「………」

646ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:04:44
>>635>>636の間に挿入。

***天童菊之丞邸***

一方、密かに天童邸へと戻った千坂朱音は、
事の次第を用人・高坂正眼に逐一報告していた。
どうやら朱音は、優香が学校を長期欠席している
真の理由についても承知しているようだ。

朱音「すでに高見沢逸郎の一味の一人であった佐野満という男が、
 Gショッカーからの足抜けを計ってブレイバーズに接触。
 それと内取からの情報も併せて、いよいよブレイバーズは
 高見沢が隠れ家に使用している秘密の研究施設に、
 手勢を編成して乗り込む様子にございます」
正眼「その高見沢逸郎はブレイバーズの出資スポンサーにも
 名を連ねていた男。敵対していると見せかけて、
 実は両者が裏で繋がっている可能性はあるまいな?」
朱音「それはないものと」

庭先に控える朱音の報告を、茶室の中から静かに聞いていた正眼は、
自ら立てた茶で一服入れると、茶碗をすぐ側の脇に置く。

正眼「高見沢逸郎は経済界にも影響力を持つ大物。
 そのような男がGショッカーと通じて、聖天子様のお膝元を
 騒がすとあっては、補佐官たる菊之丞様も、この事態を捨てては置けぬが、
 もしブレイバーズが問題解決のために乗り出してきたとあっては、
 我らは一切邪魔はせぬ」
朱音「………」
正眼「この件、ブレイバーズの好きにさせい。奴らの手で解決させよとの
 菊之丞様のお言葉である」
朱音「ハハッ」



>>639に追加。

○朝倉慎哉→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
○岡島雄大→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
△千坂朱音→高坂正眼にブレイバーズの動きを報告する。
△高坂正眼→高見沢逸郎との決戦に赴くブレイバーズの動きを静観する事にする。

647ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 12:00:07
<<ベルデの最期-6>>
***ミラーワールド***

王蛇によって、ミラーワールドに連れてこられたシグフェルは、王蛇から
執拗な攻撃を受ける。

王蛇「おらぁ、どうした!」
シグフェル「くっ・・・・この感じ、まるでキアイドーと戦っているようだ!」

シグフェルは王蛇の戦いぶりから、かつて戦った強敵をキアイドーを
重ねた。

龍騎「やめろぉぉぉ!!」
王蛇「ちっ!邪魔が入って来たか」

そこへシグフェルを助ける為、現実世界から龍騎、ナイト、ファムが
駆けつける。

龍騎「大丈夫か、シグフェル!」
シグフェル「ありがとうございます。城戸さん」
龍騎「よかった・・・・・浅倉、お前まだ、こんな事を!」
王蛇「ふん。今までの戦いが【無かった事】になって、世界が変わろうとも
 俺は俺だ!確かに俺の犯した犯罪とかも無かった事になったのは
 好都合だが、イライラしてしょうがなかった。だが、このデッキを手にして
 俺は思い出した!ライダーとなってライダーバトルをしていくのが
 俺なんだってなあ・・・・・今回はライダーだけじゃねえ。色んな奴らと
 バトルファイトが出来る。この祭りをもっと盛り上げようぜ!」
龍騎「・・・・だったら、俺が・・・・・俺達が止めて見せる!行けるか、シグフェル?」
シグフェル「はい!俺も奴を止めてみせます」
王蛇「そうか・・・・・だったら、来いよぉ!」

王蛇は、龍騎やシグフェル達に向かって、ソードベント「ベノサーベルを
振り回しながら攻撃を始める。

デストバイザーの音声「フリーズベント」

シグフェル「う、身体が動かない・・・・・!」
ガイ「よくやった!東條くん。今ならシグフェルは動かない」
王蛇「てめえらも来やがったか!」

王蛇と戦っていたシグフェルは突如、身体が動かなくなる。シグフェル達を
追ってきたガイとタイガが、シグフェルを狙ってタイガの持つ相手の動きを
封じるアドベントカード「フリーズベント」を発動させたのである。

ガイ「シグフェルを仕留めれば、ボーナス点だ!」
ナイト「させるか!」

ガイはストライクベント「メタルホーン」を装備して、動きが封じられている
シグフェルに向かって攻撃しようとする。ナイトはソードベント「ウィングランサー」で
迎え撃った。

ファム「覚悟しなさい、浅倉!」
王蛇「貴様も、しつこい女だな!」

ファムも王蛇に向かって、羽召剣ブランバイザーで攻撃を仕掛け、
王蛇はベノサーベルで攻撃を防いでいく。

ガイ「ならば、こいつが相手だ!」

ADVENT!!

メタルゲラス「グォォォォォ!!」

ガイは契約しているサイ型モンスター、メタルゲラスを召喚し、
シグフェルを仕留めようと向かわせた。

龍騎「させるか!」

ADVENT!!

ドラグレッダー「グワァァァァアァ!!」

シグフェルを守ろうと、龍騎はドラグレッダーを召喚して
メタルゲラスの攻撃を防いだ。

タイガ「今がチャンスだ!」

FINALVENT!!

デストワイルダー「グワァァァオオオオン!!」
シグフェル「うわぁ!」

タイガは隙をついて、デストバイザーにファイナルベントカードを
読み込ませる。ファイナルベントの為、召喚されたタイガと契約
している虎型モンスター、デストワイルダーはシグフェルを押し倒し、
タイガの元へと引きずり出す。そしてタイガはデストクローを装備して
待ち構えていた。このまま行けば、タイガはシグフェルを突き立てて
持ち上げ、結晶爆発させる【クリスタルブレイク】が決まってしまう。

ズキューン!ズキューン!

デストワイルダー「グワァ!」
タイガ「何!?」

だがシグフェルを引きずっているデストワイルダーは、突如銃弾による
攻撃を受けてしまう。デストワイルダーが攻撃された事にタイガは驚いた。

ゾルダ「やれやれ、その技は隙だらけで、こうしてモンスターを攻撃して
 しまえば、ファイナルベントは無効になる事は、前の歴史で良く分かっていると
 思ったんだけどねえ」
タイガ「お前は北岡!?」

648ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 14:39:38
現れたのはゾルダ、そしてライアだった。実はライアは、人質として
命を狙われていた香川教授の家族を救う為、別行動をしていたのであった。

ライア「待たせたな。城戸、シグフェル」
龍騎「手塚!何で、北岡と一緒なんだ?」
ライア「香川教授の家族を狙っていたGショッカーの連中を倒した後、
 嫌な予感がしてな。北岡に連絡したんだ」
ゾルダ「勿論、報酬は請求させてもらうよ」

ライアはゾルダを連れて来た理由を話す。ゾルダは、今回の件が
終わった後、報酬を請求するつもりである。

王蛇「久しぶりだなぁ、北岡。ようやく貴様と決着がつけれるぜ!」
ゾルダ「おいおい、お前の犯罪は無かった事になっているんだろ。
 だったら、俺を狙うのをやめてくれない?」
王蛇「ふん、俺はお前をようやく倒せたと思った。だが、お前は
 俺と決着を着ける前にくたばり、俺が倒したと思ったのは別の
 奴だった。あの時ほど苛立った事はねえ・・・・だからこそ、
 俺はお前を倒し、あの時の雪辱を晴らしてやる!」

前回の歴史では、王蛇こと浅倉は宿敵であるゾルダを殺害したが
その時には北岡は体を蝕んでいた不治の病の病状が悪化して死亡し、
代わりにゾルダとして戦ったのは、北岡の秘書であった由良吾郎だった。
それを知った浅倉は、願望が達成できなかった事により苛立ちは
限界点に達し、そして待機していた機動隊に鉄パイプ一本で対峙し、
射殺されるという最期を迎えた。王蛇はあの時果たせなかった北岡との
決着を着けようとする。

ゾルダ「・・・俺も決着を着けたいと思っているけどさ。生憎、今回は
 そういう場合じゃないんでね。決着は、また今度さ!」

FINALVENT!!

龍騎「げっ!やばい。皆逃げろ!!」
シグフェル「―!?」

ゾルダはファイナルベント「エンドオブワールド」を発動させると、
契約しているバッファロー型モンスターのマグナギガが出現し、
背中にマグナバイザーをセットし、引き金を引くとマグナギガの
全砲門が開き、一斉斉射される。ゾルダがファイナルベントを発動すると
察した龍騎達は攻撃を受けないように離れる。シグフェルもフリーズベントの
効果が切れたので何とか回避した。そして攻撃が晴れると、王蛇は
ガイを盾にして攻撃を防ぎ、無傷であった。

ガイ「お、お前・・・・また俺を!?」
王蛇「俺の近くにいたァ・・・・お前が悪い!!」ザシュ
ガイ「がはぁ・・・・・あ・・・・あ・・・!!」

王蛇に盾にされ、エンドオブワールドでボロボロとなったガイに
王蛇はベノサーベルで突きつけ、ガイの身体を刺し貫いた。

龍騎「芝浦!?」
シグフェル「何て奴だ!」
ガイ「あ・・・あ・・・・ここで・・・・ゲームオーバー・・・・かよ」ガクッ

身体を刺し貫かれたガイの変身は解かれ、芝浦の姿に戻ると
そのまま倒れ、消滅した。

メタルゲラス「グゥゥゥゥ!!」
王蛇「ちょうどいい・・・また俺の物になってもらうぞ」

エンドオブワールドにより深いダメージを負ったメタルゲラスに
王蛇は契約のカードを使用し、メタルゲラスと契約する。

タイガ「あ・・・あぁ・・・・!!」
王蛇「さて仕切り直しといこうか?」
シグフェル「くっ・・・・!」

芝浦が消滅し、タイガは王蛇に恐怖する。仕切り直して戦闘を
続行しようとする王蛇にシグフェル達に戦慄が走る。

王蛇「ちっ!・・・・時間切れか」
ナイト「・・・・俺達も時間切れだ。脱出するぞ!」

だが、ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、
王蛇は戦闘を諦め、その場を撤退した。そしてシグフェルや
龍騎達も同じく、時間切れによりミラーワールドから脱出する
のであった。

649ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 15:13:43
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

650ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:28:40
>>648>>649の間に挿入

***某研究所***

ミラーワールドでシグフェル達と王蛇の戦いが起きていた頃、
研究所の外では巨大化したゴーマ怪人とダイレンジャーの乗る
気伝武人、電王Sが呼び出したデンライナーが戦っていた。

鍵道化師「うぉぉぉぉ!!」
ホウオウレンジャー@大連王「天風星・一文字竜巻!!」
鍵道化師「ぬぉぉ!」

鍵道化師の攻撃に、大連王に乗るホウオウレンジャーは自身の
気力技を送り込み、大連王から複数の竜巻が巻き起こる。
竜巻をぶつけられ、鍵道化師は怯む。

リュウレンジャー「よし、今だ!」
ダイレンジャー「大王剣・疾風怒濤!!」

鍵道化師が怯んだ隙に、ダイレンジャーは大連王の必殺技である
「大王剣・疾風怒濤」を繰り出そうと、鞘から大王剣を取り出し、
鍵道化師に向けて袈裟斬りを行った。

鍵道化師「ムヒョォ!ここまでか・・・・・!」

袈裟斬りされた鍵道化師は、そのまま倒れて爆発する。
そして大連王は大王剣を鞘に納めて、勝ちポーズを取る。

口紅歌姫「私の歌を聞きなさい!ア〜♪」

一方、ウォンタイガーとデンライナーは口紅歌姫と戦っていた。
口紅歌姫は口から音波攻撃を繰り出す。

電王S@デンライナー「ぬぉ!ひでぇ音だ!!」
白虎真剣「コウ!あっちが音で攻撃をするなら、こっちも音で反撃だ!」
キバレンジャー@ウォンタイガー「分かった!」

口紅歌姫の音波攻撃にデンライナーに乗る電王Sは怯み、キバレンジャーの
パートナーである言葉を話す剣、白虎真剣はキバレンジャーにアドバイスする。

キバレンジャー「大咆哮!!」

アドバイスを受けたキバレンジャーは、ウォンタイガーを白虎形態に戻すと
衝撃波である「大咆哮」を繰り出す。それにより「大咆哮」と口紅歌姫の歌声は
相殺された。

電王S「よ〜し、音が消えたな!主役の俺に任せろ!!」

口紅歌姫の音波攻撃が消えた事により、電王Sはデンライナーを動かし、
デンライナーに装備されている武装で攻撃していく。

白虎真剣「コウ、俺達もトドメの必殺技だ!」
キバレンジャー「よ〜し、虎の子大秘術・火炎玉!!」
口紅歌姫「いやぁぁぁぁぁ!!」

口紅歌姫がデンライナーの攻撃を受けている時に、キバレンジャーは
ウォンタイガーをすかさず気伝武人に変形させ、必殺技である
「虎の子大秘術・火炎玉」で口紅歌姫を攻撃。口紅歌姫は大ダメージを
受けてしまう。

口紅歌姫「もっと・・・歌いたかった〜」

口紅歌姫もデンライナーの攻撃やウォンタイガーの攻撃を受けて
爆発し倒されるのであった。

651ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:38:40
>>649加筆
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。
◯リュウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯シシレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯テンマレンジャー→大連で鍵道化師を倒す。
◯キリンレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯ホウオウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーで口紅歌姫を倒す。
◯白虎真剣→キバレンジャーにアドバイスをして、サポートをする。
●鍵道化師→大連王に倒される。
●口紅歌姫→ウォンタイガーとデンライナーに倒される。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーに乗り込み、口紅歌姫と戦う。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
◯白虎真剣(五星戦隊ダイレンジャー)
 老道士・虞翻が中国より持ってきたキバレンジャーの証たる、心を持った
 喋る剣。コウが変身した後、キバレンジャーの正体が知られないように
 代わりに喋っていた。その切れ味はスターソードに匹敵し、気力で空も飛べる。

●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

652ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 11:14:58
<<ベルデの最期-7>>

***高見沢の隠れ家***

デッキを破壊され、ベルデに変身出来なくなった高見沢は満身創痍と
なりながらも、密かに用意していた隠れ家に辿り着く。

高見沢「はぁ・・・・はぁ・・・・ライダーに変身できなくなったが、この
 オルタナティブがあれば再起は可能だ。待っていろよ!城戸、
 シグフェル、ブレイバーズ・・・・」

実は高見沢は研究所から逃げ出す際、香川教授が気絶して変身が
解けてしまった時に手を離れたオルタナティブのデッキを混乱に乗じて
持ち出したのであった。高見沢は自らオルタナティブに変身してブレイバーズに
リベンジをしようと考えていた。

????「・・・・残念だが、貴様の目的は果たされない」
高見沢「誰だ!?」

突如、高見沢の前に現れたのはGショッカー秘密警察の長官である
アポロガイストとバトルファイト参加者(世紀王候補)の成績を計算
しているグロンギの怪人ラ・ドルド・グだった。

高見沢「き、貴様はアポロガイスト!?」
アポロガイスト「仮面ライダーベルデこと高見沢逸郎!今回の一件は
 最早、世紀王候補を名乗らせるには相応しくないないと判断した。
 よって、世紀王候補の資格をはく奪し、貴様を処刑する!」
高見沢「な、何だと!?確かに、俺はライダーに変身出来なくなったが
 まだ、オルタナティブがある。俺にチャンスをくれ!」

アポロガイストによる突然の処刑宣告に狼狽える高見沢は、アポロガイストに
もう一度、世紀王候補として戦えるように懇願する。

アポロガイスト「見苦しいぞ、高見沢!潔くあの世へ行くがいい!」
高見沢「こんな所で、終わってたまるか!変・・・・・」
アポロガイスト「させるか!」ザシュ
高見沢「ぐはぁ・・・・!」

高見沢は処刑を迫るアポロガイストに抵抗しようと、オルタナティブに
変身しようとしていた。しかし、アポロガイストは手に持つアポロマグナムで
高見沢が変身する前に斬りつけ、デッキも破壊してしまった。そして
高見沢はそのまま、息絶えてしまう。

ラ・ドルド・グ「・・・高見沢逸郎、失格!」

ラ・ドルド・グは高見沢逸郎が脱落した事を宣言する。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

それからしばらくして、高見沢の隠れ家に警察が到着。パトカーから
内取の財前と捜査一課の刑事、追田現八郎警部が降りてくる。

追田「ここが、高見沢逸郎の隠れ家か!」
財前「協力感謝するぜ、現さん」
追田「なぁ〜に、俺とお前の仲だ。それに刑事として犯人を逮捕するのは
 当たり前だぜ!」

実は財前は警視庁時代、追田警部に色々と世話になっていた。
その縁で、今回の高見沢の逮捕に協力してくれるのであった。
そして財前達は隠れ家に足を踏み入れる。

追田「高見沢逸郎!議員への贈賄に民間人の誘拐、その他の容疑により
 逮捕状が出ている。神妙にお縄につけやがれぇ!」
財前「待った!現さん。こいつは・・・・・」

高見沢のいる部屋に踏み込んだ財前達だが、そこにはアポロガイストによって
処刑された高見沢の無残な姿が横たわっていたのであった。

653ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 13:17:49
****某研究所****

佐野「イテテ・・・まさか浅倉が来るなんて思わなかったぜ」

高見沢がアポロガイストによって処刑された一方、高見沢の研究所で
浅倉によって気絶していた佐野は目を覚まし、研究所を出ようとしていた。

GOD戦闘工作員A「いたぞ!仮面ライダーインペラー・・・・佐野満だ」
GOD戦闘工作員B「おとなしくせよ!」
佐野「な、何だ!お前ら」
GOD戦闘工作員A「我々はGショッカー秘密警察だ」
GOD戦闘工作員B「貴様がブレイバーズを手引きした事は、調べがついている!
 秘密警察署長アポロガイストの命により、貴様を処罰する!」

そこに現れたのはGODの戦闘工作員で、Gショッカー秘密警察の一員でもあり、
ブレイバーズを手引きした佐野を処罰しようとやって来たのであった。

佐野「捕まってたまるかぁ〜〜!」
GOD戦闘工作員A「まてぇぇ!!」

佐野は捕まる訳にはいかないと、その場から逃げ出し、
GOD戦闘工作員も後を追いかける。佐野は、そのまま
研究所を飛び出した。

佐野「―!」

キキィィー、ドォーン!

だが運が悪い事に研究所を飛び出すと、トラックが走って来た事で
佐野はトラックとぶつかってしまう。トラックがぶつかった事で、佐野の
身体は全身がズタボロとなっていた。

GOD戦闘工作員B「死んだか!?」
GOD戦闘工作員A「待て、今の騒ぎで人が来そうだ。確かめたい所だが
 一旦、退くぞ!」

GOD戦闘工作員達は、佐野がトラックとぶつかって死んだのか
確かめようとしたが、今の騒ぎで人が集まって来たので、やむを得ず
退散をする。

****京南大学付属病院****

伝通院「香川教授そして沢渡優香さんだが、幸い大した怪我も無く
 2〜3日検査入院をすれば退院できる事だろう」
光平「優香は無事なんですね?」
慎哉「よかったな光平!」
雄大「よかったぁ〜」

研究所から助け出された優香と香川教授は、京南大学付属高校に
運び込まれ、検査の結果、2〜3日の検査入院だけで済み、光平や
慎哉は伝通院から聞かされ、安堵する。

真司「佐野の方は、どうなんですか?」
伝通院「交通事故で担ぎ込まれた佐野満だが、彼の方は重傷で
 1か月以上は入院が必要になるだろう」
真司「そうですか・・・・」

トラックとぶつかり、重傷を負った佐野は、香川教授や優香と同じく
京南大学付属病院に搬送され、1か月以上の入院となった。

後藤「今回で高見沢逸郎、芝浦淳といったGショッカーに属する
 仮面ライダー2名が死亡、浅倉威、東條悟はあの後、所在が
 掴めないという結果になったが、果たして彼等は何処へ・・・・?」
光平「浅倉威・・・・」

今回の事件の事で、後藤も京南大学付属病院に来て、伝通院の話を
聞いていたのだが、あの後、消えた浅倉、東條が何処に行方をくらませた
のか疑問に思う。そして浅倉の名を聞いて、光平はミラーワールドでの
戦いを思い出す。

真司「なぁ〜に!浅倉が来ても俺達が付いている。頑張っていこうぜ」
光平「はい。真司さん」
愛「さぁ、優香さんの所へ行ってあげて。きっと喜ぶ筈よ」
光平「分かりました。失礼します!行こう。慎哉、雄大」

真司に励まされた光平は、魚住愛に言われ、慎哉や雄大と共に
優香のいる病室へ向かい、部屋を出る。

真司「・・・・(でも、浅倉や東條は何処に行ったんだ?)」

光平達が部屋を去った後、真司は浅倉達が何処に消えたのか
思うのであった。

654ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 14:32:48
****某所****

浅倉「チィ、クソが・・・・!」

時間切れになってしまった為、戦闘を中断してミラーワールドから
帰還した浅倉は、シグフェルやゾルダ達を仕留められなかった事に
苛立っていた。そこへ一台のリムジンが浅倉の前に止まる。

????「良い戦いを見させてもらったよ。浅倉威君。シグフェルを
 倒せなかったのは、さぞ不満だった事だろう」
浅倉「誰だ、キサマは?」

車の窓が開き、車の中にいた人物は浅倉に、先程の戦いの
賞賛をおくる。

????「バトルファイトが未だ開かれず、他の世紀王候補と死闘を
 行う事が出来ず、欲求不満だろう?私が君に戦いの場を提供しよう。
 君には今、私が世話になっている国に来てもらいたい」
浅倉「ほぉ・・・・・おっさん。名前は何ていうんだ?」

車の中にいる人物は、浅倉に欲求を解消する為の戦いの場を提供すると
離す。興味を持った浅倉は、車の中にいる人物に名前を尋ねる。

真影「真影・・・・私の名は真影壮一だ」

車の中にいた人物は国家防衛局長官になりすましていたロイミュードで
現在サラジア共和国の在日日本大使館に匿われている真影壮一だった。
真影に誘われた浅倉が待ち受ける運命とは・・・・。

◯財前丈太郎→追田警部と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れいる。
◯追田現八郎警部→財前と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れる。
●真影壮一→現在サラジアの駐日本大使館で匿われており、浅倉の元に訪れ、勧誘する。
◯城戸真司→京南大学付属病院で、香川教授達の容体を伝通院から聞く。
●高見沢逸郎→アポロガイストに世紀王候補の資格をはく奪され、処刑される。
●浅倉威→真影壮一に勧誘される。
△佐野満→Gショッカー秘密警察に追いかけられた際、交通事故で重傷を負い、
  京南大学付属病院で入院する事になる。
◯後藤慎太郎→伝通院から香川教授達の容体を聞く。
●アポロガイスト→高見沢を処刑する。
●ラ・ドルド・グ→アポロガイストによる高見沢の処刑に立ち会う。
◯伝通院洸→香川教授達の容体を伝える。
◯魚住愛→光平に優香の元へ行くよう話す。

◯牧村光平→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯朝倉慎哉→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯岡島雄大→伝通院から優香の容態を聞かされる。

【今回の新登場】
◯追田現八郎警部(仮面ライダードライブ)
 捜査一課と特状課の橋渡しとなる連絡役として派遣されていた刑事。
 通称ゲンさん。現実主義者で当初は特状課やロイミュードの存在に
 懐疑的だったが、仮面ライダーに何度か助けられていく内に考えを改め、
 やがて心強い協力者となっていく。後年、警視庁の名物刑事として半生を
 捜査一課に捧げ、捜査一課長にまで出世する。歴史の改変により
 ショッカーが支配する世界ではチーターカタツムリというショッカーの
 怪人となっていた。

●真影壮一/フリーズ(仮面ライダードライブ)
 国家防衛局長官を務める参議院議員。その正体はロイミュード001で、
 人間社会で自らの地位によって得た警察組織への影響力や自身の持つ
 記憶操作能力を利用してロイミュードに関する情報を隠ぺいしていた。
 紳士的に振る舞うが、その本質は冷酷かつ狡猾な陰謀家で、人間の事を
 完全に見下している。学んだ感情は「屈辱」

655ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 11:13:45
>>623加筆・修正
高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
???「これも汚ねえ手段で得た金を使って、ここまで来たんだろうぜ」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

池原に失礼な発言をした人物の1人は店のボーイが持ってきた高級の
酒に対して、金と黒で出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社の
ゴールドブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつける。

池原「捕まって成るものか!先生、お願いします」
????「ふっ、私の出番か・・・・」

池原は財前に捕まる訳にはいかないと、控えていた用心棒を
呼び出す。その用心棒は白い帽子とスーツを着用しており、
武器らしき物は手に持っていなかった。

財前「誰だ、テメエは?」
????「その白い帽子とスーツ・・・・・そいつは【踊る殺し屋】の
 異名を持つキリングダンサーの佐藤。日本一のダンサーで
 踊るように相手を始末する殺し屋だ」
キリングダンサーの佐藤「む!私の名を知っている貴様は誰だ」
財前「・・・・遅かったじゃないか。早川」

池原に呼ばれた用心棒―キリングダンサーの佐藤の名前をいい当てる
声が、財前の背後から聞こえる。白いギターとカウボーイスタイルの
その人物こそ、親友を殺した仇を探して犯罪組織ダッカーと戦ってきた
私立探偵、早川健だった。

656ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:45:27

キリングダンサーの佐藤「その背中の白いギター・・・・そうか、貴様が
 ダッカーを壊滅させた早川健か!その貴様が何故、ここに・・・・」
早川「復活したダッカーの行方を追っていた時に、ダッカーの一員である
 貴様が池原代議士の用心棒を行っていると聞いて、財前に連れてきて
 もらったのさ。ただ財前とはぐれて、少しばかり遅れちまったがな」

キリングダンサーの佐藤は、復活したダッカーの一員で高見沢を通じて
池原が用心棒に雇ったのだが、その情報を手にいれた早川は、池原を
追っている財前に同行して、コロニーまで来たのであった。

キリングダンサーの佐藤「ならば話は早い。私の日本一と呼ばれる
 踊りで、ダッカーを壊滅させた怨みと共に貴方達を始末しよう」
早川「日本一?いや、貴様は日本じゃあ2番目だ」
キリングダンサーの佐藤「2番目だと!?ならば日本一は誰だと言うのだ!」

キリングダンサーの佐藤は自分の踊りが日本で2番目と言われ、
早川に日本一が誰なのか尋ねる。

早川「ヒュウ、チッチッチッ、ハッハッハッ・・・・・」

キリングダンサーの佐藤の質問に対して、早川は口笛を吹き、
舌打ちをした後、深く被った帽子の鍔を押し上げ、自身を指差した。

キリングダンサーの佐藤「ならば、私の踊りを目に焼けつけなさい!」

日本一を名乗る早川に対して、キリングダンサーの佐藤は、自分の
踊りを見せつける。

財前「奴の踊りは完璧みたいだが、大丈夫か?早川」
早川「なぁ〜に。見てな」

早川も負けじと踊りを始める。早川のステップは力強さと情熱が
伝わる踊りだった。

キリングダンサーの佐藤「(う、上手い!)・・・・負けた」

早川の踊りを見て、キリングダンサーの佐藤は敗北を認めた。

キリングダンサーの佐藤「だが、用心棒の仕事は続けさせてもらうぞ」
池原「頼みましたよ、先生!」

敗北を認めたが、キリングダンサーの佐藤は用心棒として池原を
守ろうと財前と早川と対峙。さらに佐藤の部下も現れ、2人を取り囲む。

キリングダンサーの佐藤「ここは部下達に任せて、こちらへ」
財前「待ちやがれ!!」
早川「財前。どうやら、こいつらを蹴散らさなければ追いかける事が
 出来無いようだぜ!」

キリングダンサーの佐藤は部下達に後を任せて、池原を連れて
店から脱出。財前と早川は佐藤の部下を相手にする事になる。

佐藤の部下「かかれー!」
財前「あいにく、お前らを相手にしている時間はないんでな」
早川「さっさと片付けさせてもらうぜ!」

財前と早川は背中合わせとなり、ファイティングポーズを取って
佐藤の部下にパンチやキックを浴びせていく。

657ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:46:44

***コロニー・宇宙港***

店を脱出した池原とキリングダンサーの佐藤は、財前と早川から
逃れようと宇宙港に停めてあるシャトルで、コロニーから出ようとしていた。

キリングダンサーの佐藤「間もなく宇宙港に到着します。流石の財前と
 早川も宇宙空間までは追ってこれないでしょう」
池原「内取め・・・・かならず逃げ切ってみせるぞ!」

そして池原達を乗せた車は宇宙港に到着し、シャトルへ向かう。
だが、そこに一台の車が池原達の元へ走って来て、立ち塞がる。

池原「な、何だ!あの車は!?」
快傑ズバット「ズバッと参上!ズバッと解決!快傑ズバァァァット!!」

池原達の元へ走って来た車―ズバッカーから降りてきたのは、
全身赤いスーツに身を包んだヒーロー、親友である飛鳥五郎が
遺した設計図を基に早川健が開発し自ら装着した姿―快傑ズバットだった。
またズバッカーから財前も降りてくる。

池原「財前!貴様ァ・・・・」
財前「貴様を逃す訳にはいかないんでな。おとなしく捕まりやがれ!」
キリングダンサーの佐藤「ならば先程のダンスとは違う、私の
 殺人ダンスで葬ってやる!」
快傑ズバット「財前、佐藤は俺が相手をする!お前は池原の確保だ」
財前「頼んだぜ!」

財前は池原を追い、快傑ズバットはキリングダンサーの佐藤と対峙する。
佐藤はダンスをするかのごとくパンチやキックをズバットに繰り出していくが
ズバットも攻撃を防ごうと抵抗する。

キリングダンサーの佐藤「ならば、これならばどうだ!」
ズバット「(仕込みナイフか!)」
キリングダンサーの佐藤「まだまだぁ!」
快傑ズバット「ぐっ!」

キリングダンサーの佐藤はズバットに蹴り上げると、佐藤の靴から
仕込みナイフが飛び出し、ズバットに斬りつける。ズバットは避けるが
そこに佐藤はパンチを送り込み、ズバットを殴る。

キリングダンサーの佐藤「トドメを刺させてもらうぞ!」

そしてズバットにトドメを刺そうと懐からナイフを取り出し、リズムに
のってズバットの心臓をめがけて刺しこもうと近づく。

快傑ズバット「今だ!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁ!」

だがズバットは鞭でキリングダンサーの佐藤の身体を締め上げると、
そのまま空中へ放り投げる。

快傑ズバット「てりゃぁぁぁ、ズバットキック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁ!!」

すかさずズバットは弱っているキリングダンサーの佐藤に必殺の
ズバットキックを繰り出し、佐藤はダウン寸前にまで追い込まれる。

快傑ズバット「言え!2月2日、ダッカーの真の首領、総統Dと共に
 飛鳥五郎を殺したのは貴様か!!」
キリングダンサーの佐藤「ち、違う!その時、俺は南米のダンス大会に
 出場していた!」

ズバットスーツの制限時間が近づく中、ズバットはダウン寸前の
佐藤に、かつてダッカーの真の首領、総統Dと共に、飛鳥五郎を
殺したのか問い質す。実は早川は親友である警視庁の刑事、
東条進吾から最近の調べで飛鳥五郎の殺人には、もう一人の人物が
関与している事を知らされており、早川はダッカーの行方を追うと共に
もう一人の飛鳥殺しの犯人の行方を追っていたのであった。しかし、
佐藤は自分のアリバイを話し、飛鳥殺しを否定する。

快傑ズバット「くっ・・・ズバットアタァァァック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁぁ!!」

犯人ではないと知り、ズバットは必殺のジャンプキックである
ズバットアタックをキリングダンサーの佐藤に繰り出し、
キックを受けた佐藤は気絶する。

財前「終わったか?」
快傑ズバット「ああ・・・・だが、飛鳥殺しの犯人では無かった」

ズバットアタックを繰り出した後、制限時間が近づいた為、ズバットは
ヘルメットのマスク・バイザーを開け、爆発を防ぐ。財前の方も、
池原をシャトルに乗る前に捕まえる事が出来た。

財前「さてと、地球へと戻るとするか」
早川「ああ・・・・(飛鳥。かならず犯人を捕まえてやるぜ!)」

池原とキリングダンサーの佐藤を捕え、財前と早川は地球へと
戻る。そして早川はもう一人の飛鳥殺しの犯人をかならず捕まえようと
決意するのであった。

658ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:54:06
>>624加筆
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。
◯快傑ズバット/早川健→ダッカーともう一人の飛鳥五郎殺しの犯人を
  追って、財前に同行しキリングダンサーの佐藤を倒す。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。
●キリングダンサーの佐藤→池原の用心棒として、財前や早川と対峙。
   快傑ズバットに倒される。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

●キリングダンサーの佐藤(闘争の系統オリジナル)
 【踊る殺し屋】の異名を持つダッカー所属の殺し屋でダンサー。
 踊る様に相手を始末する。高見沢を通じて池原議員の用心棒を
 していた。

659凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:19:52
>>631の続き

シグフェルを取り囲み、じりじりと迫る天童忍軍。
戒、優香、慎哉の三人を守ろうと、シグフェルも応戦の構えを取る。
一触即発の張り詰めた空気が臨界点に達しようとしていたその時…。

クールギン「ハァッ!!」
シグフェル「…!?」

シグフェルを囲う天童忍軍の輪を跳び越え、
クールギンがシグフェルに大上段から斬りかかった。
咄嗟に身をかわしたシグフェルだが、
その動きによって守っていた戒や優香や慎哉との距離が離れてしまい、
三人とシグフェルとの間にクールギンが立ち塞がる形となる。

シグフェル「お前は…!?」

シグフェルはこの銀仮面の戦士――クールギンの姿に見覚えがあった。
忘れもしない。以前ザイラユニコンを倒した直後、
同じように奇襲で斬り付けられて深手を負わされた相手だ。

クールギン「今回はかわしたか。
 聞けばあの宇宙に名を轟かせたキアイドーをも倒したとの事、
 どうやら強くなったようだな、シグフェル」
シグフェル「とんでもない敵が次々と現れてくれるからな…。
 お陰様で強くならずにはいられないってところさ」

わざと軽口を叩いてクールギンの注意を逸らそうとするシグフェルだが、
剣を構えて立つクールギンには一分の隙もない。

タグスキー「ヨロイ軍団豪将、兄タグスキー推参!」
タグスロン「同じく弟、タグスロン参上!
 天童の鼠ども、我ら兄弟が相手だ!」

クールギンの出現に騒然となった天童忍軍に向かって、
ヨロイ軍団のタグ兄弟が名乗りを上げながら乱入。
たちまち彼らと激しい戦いになる。

シグフェル「フレアセイバー!」
クールギン「フン…」

乱闘を横目に、愛剣フレアセイバーを手にしてクールギンと斬り結ぶシグフェル。
シンケンレッドとの修業で剣の腕を飛躍的に上げ、
遂にキアイドーをも破るに至ったシグフェルだが、
クールギンはそのシグフェルを相手にしても余裕の様子で、
常に後の先を取りながらフレアセイバーの剣戟をいなしていく。

クールギン「(これがシグフェルの力…。
 いや、秘めたる潜在能力はそれ以上か。
 これほどのパワーを新怪人に取り込むとなれば…!)」

一度、また一度と切り結び合いながら、
クールギンはシグフェルの強さの程を確かめていた。
現時点での力もかなりのものだが、これでシグフェルは完成形ではない。
その内奥にはまだまだ底知れぬポテンシャルが眠っているのを剣を通して感じ取り、
クールギンは戦闘そのものは優勢に進めつつ、内心では大いに戦慄していたのである。

シグフェル「とあっ!」
クールギン「フン!」

シグフェルの一撃をバックステップでかわしたクールギンは姿勢を正し、
気を落ち着けると、剣をゆっくりと回転させて剣先で大きな弧を描き始めた。
クールギン必殺の円月殺法の構えである。

シグフェル「くっ…!」

シグフェルも新技・火焔十字の舞(クロスプロミネンス)を撃ち込もうと、
フレアセイバーを構えてクールギンの隙を窺う。
お互い、一瞬でも油断すれば命はない。
そんな緊迫感が対峙した両者の間に漂う。

660凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:26:05
慎哉「おい、今の内になら…」
優香「ええ、逃げられるかも知れないわ」
戒「…よし」

クールギンはシグフェルとの一対一の真剣勝負に集中しており、
天童の忍びらもタグ兄弟との戦闘で次々と薙ぎ倒されていく。
今がチャンスと見た慎哉、優香、戒の三人は、
一斉にダッシュでその場から逃げ出した。

朱音「フフン、逃がしはしないわ!」

だが、忍者を相手に隙ありと見たのは甘かった。
タグスキーと激しく戦っていた朱音だが、
それでも本来のターゲットである戒からは一瞬たりとも目を離していなかったのだ。

朱音「彩堂寺戒、覚悟っ!」

突進してくるタグスキーには目もくれず、
忍者刀を振り上げ、朱音は疾風のような速さで戒に斬りかかった。

クールギン「させるかっ!」

だが戦場全体を見渡す視野の広さは、
シグフェルとの勝負に全神経を集中しているかに見えたクールギンも同様だった。
逃げ出した戒に朱音が飛びかかったのを見るや、
クールギンは円月の構えを中断して素早く反転し、
これまた神速のスピードで朱音に向かって行ったのだ。

クールギン「つぁっ!」
朱音「うぐっ…!」

戒の身に朱音の刀の先が到達する寸前、
逆袈裟に振り上げられたクールギンの凶刃が朱音の脇腹を斬った。
苦しげな悲鳴を短く上げ、朱音はもんどりうって倒れる。

シグフェル「このっ!」

容赦なく朱音を斬り捨てたクールギンに激昂して挑みかかるシグフェルだが、
クールギンは軽くそれをかわすと戒を捕らえ、
首に手刀を叩き込んで気絶させた。

優香「きゃあっ!」
クールギン「お前達に用はない! どけ!」

その場に立ちすくんでいた優香と慎哉を突き飛ばすと、
クールギンは戒を肩に担いだまま大きくジャンプし、
ビルの屋上に飛び乗ると姿を消してしまった。

タグスキー「目的は達成された。退くぞ弟」
タグスロン「おう、兄者!」

タグ兄弟も戦闘を切り上げ撤退していく。
光平はシグフェルの変身を解くと、
脇腹から血を流してうずくまっている朱音の元へ駆け寄った。

光平「大丈夫ですか!?」
優香「ひどい怪我だわ…」
慎哉「あの、すぐ救急車を呼びますから!」

ポケットから携帯電話を取り出した慎哉だったが、
朱音は震える片手を上げてそれを制止するジェスチャーを見せる。

忍者さそり「どけ!」
光平「なっ…!?」

そこに忍者さそりが現れ、朱音を担ぎ上げると、
光平の方を無言でひと睨みしてから、
そのまま朱音を連れて何処かへ去ってしまった。

慎哉「な…何だったんだよ一体…」
優香「彩堂寺くん…」
光平「………」

こうして戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
後に光平にも大きな試練を与える事になる、
恐るべき大計画がこうして動き出したのである…。

661ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:07
***某河川敷の草むら***

さそり「朱音、手間をかけさせたな」
朱音「すまない…」

とりあえず人の気配のない場所へと身を隠した千坂朱音と忍者さそり。
さそりは朱音の脇腹に包帯を巻いて傷の手当てを施す。

朱音「――誰だッ!?」

その時、草むらの向こうから、何者かがこちらに近づいて来る気配を感じた。
足音からして、その人数は二人…。朱音とさそりは素早く忍刀を抜いて身構える。

朱音「お前たちは…!?」
さそり「――!!」

ライダー1号「初めて会った時から、もしやとは思っていたが…」

なんと草むらから姿を現したのは、仮面ライダー1号と2号だった!
あれからゲバローズを退けた後、偶然見かけた朱音と忍者さそりの後をつけて来たのだ。

ライダー1号「千坂先生、天童菊之丞氏は、まだブレイバーズの事をお疑いか?」
朱音「さすがは噂に聞こえた伝説のダブルライダー。とうに私の正体を見破っていたか…」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない」
朱音「なにっ…?」
ライダー1号「天童補佐官にお伝え願おう。
 城南大学生化学研究室の本郷猛と――」
ライダー2号「――同じく、フリーカメラマンの一文字隼人が
 よろしくとな!」

さそり「ふんっ――!!」

忍者さそりは煙玉をダブルライダーめがけて投げつけて、
その間に千坂朱音共々姿を消したのだった。

ライダー2号「…やれやれ、日本の平和のために日夜戦い続けている
 ヒーローたちにとって、権力者の老人の取り越し苦労ほど
 迷惑な事はないんだがな」
ライダー1号「元より俺たちに地球全体や日本を支配しようなどという
 大それた野心はない。今度の事でちゃんとその事も天童側に伝わればいいんだが…」

そこへ遅れて、滝和也がライダーを心配して駆けつけて来た。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おお、滝!」
ライダー2号「やはりお前や本郷の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。元々あの女の前歴には
 素性不明な点が多かったからな」

光平の紹介で千坂朱音と初めて会った後、
彼女に不審を抱いていた滝和也は、念のために
密かに朱音の素性を調査していたのだった。

ライダー2号「だが今回の件で、奴さんたちにはしっかり釘をさしておいたからな」
滝「これであの女も当面は大人しくしているだろう」
ライダー1号「だといいんだが……」

662ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:48
***日本海溝・ブレイバーベース***

剣持「ダメだ。それはまだ許可できん!」
光平「そんなっ…! なぜですか!?」

彩堂寺戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
おそらく戒が捕えられている場所は、ネロス帝国の本拠地である
ゴーストバンクに違いない。すぐに救出に向かおうとした光平だったが、
あろうことか剣持隊長がそれに待ったをかけたのである。

光平「ゴーストバンクの所在地はもう分かっているんですよね?
 だったら今すぐにでも乗り込んで!」
剣持「敵もバカじゃない。昔あったゴーストバンクの秘密の入り口を、
 今もそのまま使っていると思うか?」
光平「でも、彩堂寺が捕まっている場所が分かっているのに、
 こちらは手も足も出せないなんて…! こうなったら俺一人だけでも
 ネロス帝国に乗り込みます!」
剣持「待て。今の自分の立場を忘れたのか?
 今の君はネオクィーンセレニティに仕える
 女王の騎士(Knight of the Queen)なんだぞ!」
光平「――!?」

剣持の言葉で、光平はハッとなる。
もしこのまま新宿にある桐原コンツェルンの本社である
超高層ハイテクタワーに乗り込んだとして、
そこで何も出て来なかったとしたら、単に光平=天凰輝シグフェル一人の
失態というだけで済む話ではない。シグフェルを騎士に任命した
セーラームーンにも責任追及の手は及ぶ事になるのだ。

剣持「地球の騎士である天凰輝シグフェルが、
 確たる証拠もなしに土足で大企業の本拠地に踏み込んだ。
 桐原剛造はさぞかし面白がる事だろうな」
光平「………」


――その日の夜。

***朝倉家・光平の部屋***

ルナ「どうしたの?光平くん。こんな夜遅くに私だけ呼び出すなんて…」
光平「やあルナ、わざわざ来てもらってゴメン」

窓から黒猫のルナがひょっこりと入り込んで来た。
ルナは言わずと知れたセーラームーンの相棒(パートナー)である。
光平は、あらかじめ用意していた一枚の封書をルナに手渡す。
全ては光平がセーラームーンに迷惑をかけないためにしたためた物だ。

光平「これをうさぎちゃんに渡してほしい」
ルナ「光平くん!…これって!?」
光平「頼む……」

そしてルナが帰った後、光平も外出の身支度をする。

慎哉「光平、行くのか?」
光平「ああ。彩堂寺とはそんな長い付き合いでもなかったけど、
 やっぱり同じ学校の仲間として放ってはおけないだろ」
優香「光平くん、彩堂寺くんをお願い…」
光平「心配すんなよ。任せとけって!」

663ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:25
シグフェルへと変身した光平は、桐原コンツェルンの本社高層ビルのある
夜の月光の下、新宿副都心を目指す。だがその途中、誰かの声に呼び止められた。

セーラームーン「待ちなさいシグフェル!」
シグフェル「…セーラームーン!?」

ネオンが光る雑居ビルの屋上にセーラームーンの姿を確認したシグフェルは、
その場に着地した。

セーラームーン「シグフェル、ルナから話は聞いたわ」
シグフェル「ごめんセーラームーン。女王の騎士として君を守ると言った
 衛さんとの約束は果たせそうにない。もし俺を止めるつもりなら、
 力ずくでも通らせてもらう!」
セーラームーン「あら、誰が止めるだなんて言った?」
シグフェル「えっ…?」

唖然としていたシグフェルの目の前で、
セーラームーンは懐から一枚の封書を取り出す。
先程光平がルナに託した封書=女王の騎士の辞任願だ。
セーラームーンはその封書をビリビリと破り捨てた。

シグフェル「うさぎちゃん!?」
セーラームーン「らしくないよ光平くん!
 さあ、友達がピンチなんでしょ?
 あたしのことなんか気にしなくていいから、
 早く助けに行ってあげて!」
メタルダー「セーラームーンの言うとおりだ。シグフェル!」
シグフェル「メタルダー!? 貴方までどうしてここへ!?」

セーラームーンの脇から姿を現したのは、超人機メタルダーだった。

メタルダー「剣持隊長から頼まれた。君はきっと一人で先走って
 無茶をするだろうから、一緒について手助けしてやってほしいと」
シグフェル「剣持さんがそんなことを…」

そうだ…! 自分はもう一人ではなかった。
こうして支えてくれるブレイバーズの仲間たちがいる。
その事を改めて再認識して感謝し、一人で突っ走りそうに
なったことをシグフェルは深く反省するのであった。

メタルダー「ゴーストバンクまで案内しよう。
 ただし、以前に僕が通った道が今も残っているという
 保障はないが」
セーラームーン「頑張ってねシグフェル!」
シグフェル「ありがとうセーラームーン!
 メタルダー、よろしくお願いします!」
メタルダー「では行こうか!」

こうしてシグフェルはメタルダーと共に
彩堂寺戒救出のためゴーストバンクへと向かった。
2人を見送るセーラームーン。そんな彼女の肩から
黒猫ルナがひょっこりと顔をのぞかせる。

ルナ「うさぎちゃんも言うようになったわねえ…」
セーラームーン「えへへ…そうかなあ? でも大丈夫!
 シグフェルならきっと無事に戻って来るから」

果たしてシグフェルとメタルダーは
ゴーストバンクに乗り込んで彩堂寺戒を救出する事が
できるのであろうか!?

664ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:54
○仮面ライダー1号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○仮面ライダー2号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○滝和也→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○剣持保→ゴーストバンクへと乗り込まんとする牧村光平を制止するが、
 その一方で剣流星に光平のサポートを依頼する。
○ルナ→牧村光平から月野うさぎへ宛てた女王の騎士の辞任願を託される。
○セーラームーン→牧村光平が提出した女王の騎士の辞任願を破り捨て、
 ゴーストバンクに乗り込もうとするシグフェルの背中を押す。
○超人機メタルダー →剣持保から頼まれ、ゴーストバンクに向かおうとする
 シグフェルをサポートする。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→女王の騎士の辞任願をセーラームーンに提出するが受理されず。
 超人機メタルダーと共にゴーストバンクへと乗り込まんとする。
○朝倉慎哉→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
○沢渡優香→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
△千坂朱音→仮面ライダー1号と2号に、くノ一の正体を見破られる。
△忍者さそり→千坂朱音と共に撤退。

665凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:36:22
***東京郊外の山中***

スプリンガー「ワンワン! こっちだぜ」

剣流星とスプリンガーに道案内されて、
牧村光平は東京郊外の山林の中を急いでいた。
目指すは、かつてメタルダーがネロス帝国との最終決戦の際に
ゴーストバンクへの突入に利用した秘密のゲートである。

流星「あった。あそこだ」
光平「………」

山林の中に隠れるように設置されている大型の人工物を、流星は指し示した。
以前と全く同じ場所に、ゲートは変わらぬ状態で置かれていた。

スプリンガー「でもおかしいぜ。
 剣持隊長も言ってたように、ゴッドネロスだってバカじゃない。
 既に俺達にありかが割れてるゲートをまだ使い続けてたなんて、
 迂闊と言うにはちょっと不自然だ」
流星「しかも見張りの一人さえ立てていない。
 この無警戒さは、まるで僕らに来いと言っているかのようだ」
光平「罠、って可能性が高いわけですね…」

物陰からゲートの様子を窺いながら、
牧村光平は厳しい表情でぐっと奥歯を噛み締めた。
敵はこちらが乗り込んで来るのを見越して、
手ぐすね引いて待っているのだ。

流星「どうする光平君?
 罠と分かっていても敢えて乗り込むか、
 それとも一度引き返して作戦を練り直すか…」
光平「…行きます!
 グズグズしている時間はないんだ。
 例え敵が待ち構えていたとしても、俺は彩堂寺を助けるために戦います!」
流星「よし分かった。
 それなら僕も一緒に行って戦おう!」
スプリンガー「ネロスの奴らは精鋭揃いの大軍団だ。気を付けろよ」

光平「翔着(シグ・トランス)!!」
流星「怒る!!」

光平の身体が赤い炎に包まれて天凰輝シグフェルに翔着し、
流星は感情の高まりと共に超人機メタルダーに瞬転する!

メタルダー「よし、行こう!」
シグフェル「はい!」
スプリンガー「武運祈るぜ。頑張れよ!」

スプリンガーだけを地上に残して、
シグフェルとメタルダーはゲートに突入した。

666凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:38:48
シグフェル「ここは…」
メタルダー「これがゴーストバンクへ繋がる秘密の通路だ。
 この奥にネロス帝国の基地がある」

ゲートから地下へ降りると、そこは洞窟のような広い岩のトンネルになっていた。
メタルダーに先導されて慎重に暗い洞窟の中を進んで行くシグフェル。
だがその行く手に、戦国武者のような甲冑姿のヨロイ軍団員・暴魂チューボが立ち塞がる。

チューボ「待っていたぞメタルダー、そしてシグフェル!
 飛んで火に入る夏の虫とはまさに貴様らの事!
 取っておきの決戦兵器で派手に迎えてやろう!」

ガガガ…と車輪の音を洞窟内に響かせながら、
全高3メートルはあろうかという大型兵器がこちらへ向かって来る。
銀色のボディを持ち、右手にロケットランチャー、左手にレーザー砲を装備した、
足の代わりに四輪駆動の台車が付いている自走ロボット砲。
メタルダーはその姿に見覚えがあった。

メタルダー「あれはデスターX1…!
 いや、少し違う…」
チューボ「その通りだメタルダー!
 かつて貴様に破壊されたデスターX1を強化改良した後継機。
 名付けてデスターX2!!」
シグフェル「デスターX2…?」

かつてネロス帝国が死の商人に売ろうとしていたデスターX1を
より機動力を高め、口には冷凍光線砲という新兵器も装備させて生まれ変わらせた
デスターシリーズの2号機、デスターX2がシグフェルとメタルダーに迫る。
 
チューボ「メタルダー、シグフェル。
 二人まとめて葬ってくれる。
 やれ! デスターX2!」

チューボの指令に反応したデスターX2が右腕のロケットランチャーをメタルダーに、
左腕のレーザー砲をシグフェルに向けて照準を合わせ、同時に発射した。
ギリギリで回避されたロケット弾とレーザービームが洞窟の壁に炸裂して大爆発を起こす。

メタルダー「前よりも火力が上がっている…!」
シグフェル「負けてたまるか!」

指先から火炎を放ってデスターX2に反撃するシグフェルだが、
デスターX2は口から冷凍光線を発射し、超低温の冷気で火炎をかき消してしまった。

チューボ「フハハハハ!
 シグフェル自慢の火炎も、絶対零度のビームの前には意味を成すまい!
 撃ちまくれデスターX2! 二人とも氷漬けにするのだ!」

冷凍光線をフルパワーで連射するデスターX2。
凄まじい冷気を浴びて洞窟の壁や床がどんどん氷結してゆく。
狭い洞窟内での戦いゆえ横や上空への回避ができず、
前進するデスターX2にシグフェルとメタルダーはじりじりと後ろへ押し戻される。

667凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:40:57
***ゴーストバンク・改造手術室***

その頃、ゴーストバンク内の手術室では、
ゾルベゲール博士と望月敏郎博士の手によって、
拉致された彩堂寺戒のグライアーへの改造手術が行われていた。

望月「…できない。やはり私には、こんな恐ろしい事はできない!」
ゾルベゲール「この期に及んでまだ言うか、望月博士」

戒の体にメスを入れようとしていた望月が手を止め、
手術台の上にメスを投げ出して震える声で言った。
ゾルベゲールは望月をギロリと睨みつける。

望月「これは悪魔の実験だ。
 こんな若者を醜い怪物に変えてしまうなんて、私にはできない!」
ゾルベゲール「究極のモンスターを己の手で生み出せるのだぞ?
 これが科学者冥利に尽きる栄誉でなくて何だというのだ」
望月「かつてネオ生命体を作り出したのは、
 狂気に駆られた私の過ちだった。
 あのような罪を犯す事を二度と繰り返すわけには行かない」
ゾルベゲール「事ここに至って、まだ私を困らせるか!」

自ら進んで計画に参加している主任のゾルベゲールとは異なり、
ネロス帝国に拉致されて強制的に協力させられている望月は
グライアー計画には終始反対というのが本音である。
ゾルベゲールは嘆息を漏らすと、部屋の壁に設置されているブザーを押した。
数秒もしない内に、別室に控えていた暴魂ヒドーマンが手術室へ乗り込んで来て望月を睨む。

ヒドーマン「何事だ、ゾルベゲール博士」
ゾルベゲール「望月の奴がまだ未練たらしく文句を申しおる。
 そなたの鞭で目を覚まさせてやってくれんかな、ヒドーマン殿」
ヒドーマン「望月博士…。
 帝王のご命令に逆らうとどうなるか、
 まだ分からんと言うのか!」
望月「ぐわぁっ!」

言われた通りに、鞭で望月の脇腹を殴りつけるヒドーマン。
ネロス帝国一の残忍さを誇るヒドーマンは、
望月を力ずくで服従させるための拷問係である。

ヒドーマン「さあやれ!
 己の痛みだけでは足りんというなら、
 宏とかいうお前の可愛い息子を同じ目に遭わせてもいいんだぞ」
望月「宏を…!?
 頼む、それだけはやめてくれ!」
ヒドーマン「やめてほしければ、さっさと手術にかかれ!」
望月「………」

息子を楯に脅されて、やむなく立ち上がって手術台に向き直る望月。
戒の体にメスが入れられ、いよいよ改造手術が開始された…。

668凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:43:41
チューボ「フフフ…。手も足も出ないようだな。
 そろそろ止めを刺してやろうか!」

シグフェルの火炎攻撃を冷凍光線で無効化しつつ、
両腕のレーザーとロケットランチャーを連射して押しまくるデスターX2。
メタルダーとシグフェルは劣勢に立たされる。

シグフェル「くっ…、どうすればいいんだ!?」
メタルダー「デスターシリーズは僕のような意思を持つロボットとは違う。
 自我や知能というものはなく、ただ熱センサーで熱源を感知して
 そこに攻撃するようプログラムされているんだ。
 そのシステムを上手く逆手に取れば…」
シグフェル「そうか…。よし、それなら!」

シグフェルは掌にエネルギーを集め、超高温の真っ赤な火球を生成した。
熱に反応するデスターX2の注意を逸らすための囮である。

シグフェル「行けっ!」

サッカーボールほどの大きさに膨らんだ火球を押し出して飛ばすシグフェル。
わざとデスターX2には当てず、その脇を通って後ろへ回るようコントロールする。
この場で最大の熱源であるこの火球を攻撃目標と誤認したデスターX2は、
自分の背後に浮遊する火球に振り返ってレーザーを浴びせた。

メタルダー「今だ! レーザーアーム!」

背中を向けたデスターX2にメタルダーが突っ込み、
超重力エネルギーを帯びた手刀でデスターX2の両腕を斬断する。
ロケットランチャーとレーザー砲という二大武器を失ったデスターX2に、
今度は炎に包まれた手刀を振るってシグフェルが飛びかかった。

シグフェル「フレイムアーム!」

メタルダーのレーザーアームを応用して編み出したシグフェルの技が、
デスターX2の鋼鉄の首を焼き切って刎ねる。
素早く後ろに回ったシグフェルは宙に浮かばせていた火球をボレーシュートし、
頭と両腕を落とされて動きを停止したデスターX2の胴体にぶつけて大爆発させた。

チューボ「おのれメタルダー、シグフェル!
 地下2階で待つ! 付いて来い!」

デスターX2が撃破されたと見るや、
チューボの足元の床が開き、そこへ飛び降りてチューボは姿を消す。

シグフェル「この下が…」
メタルダー「今のデスターX2は第一関門に過ぎない。
 恐らく、下ではネロスの大軍団が待ち構えているはずだ。
 これからが正念場になるぞ」
シグフェル「はい! 覚悟はできています」
メタルダー「よし、降りよう」

メタルダーとシグフェルも床に開いた穴へと飛び込んだ。
メタルダーの言う通り、本当の百鬼魔界はここからである…。

669凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:49:51
○剣流星/メタルダー→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
○スプリンガー→牧村光平をゴーストバンクのゲートへ案内する。
○望月敏郎→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ゾルベゲール→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●チューボ→デスターX2でメタルダーとシグフェルを迎え撃つが撃破され、撤退。

○牧村光平/シグフェル→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
△彩堂寺戒→ゾルベゲール博士によってグライアーに改造される。

670凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 19:52:32
>>669修正

○剣流星/メタルダー→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
○スプリンガー→牧村光平をゴーストバンクのゲートへ案内する。
○望月敏郎→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ゾルベゲール→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ヒドーマン→グライアー計画への協力を拒む望月敏郎博士を拷問する。
●チューボ→デスターX2でメタルダーとシグフェルを迎え撃つが撃破され、撤退。

○牧村光平/シグフェル→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
△彩堂寺戒→ゾルベゲール博士によってグライアーに改造される。

671凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:07:44
***ゴーストバンク・地下2階***

シグフェル「彩堂寺はどこだ!」
チューボ「待っていたぞ、シグフェル!」

デスターX2を撃破し地下2階へ降りたシグフェルとメタルダーに、
待ち構えていたネロス軍団員達が襲いかかる。

ブライディ「ガウァ〜!!」

モンスター軍団の豪将ブライディが先陣を切り、
牙を剥いてシグフェルに飛びかかった。
鋭い手の爪による斬撃がシグフェルの翼に掠り、赤い羽根が舞い散る。

シグフェル「悪いけど時間がないんだ。
 一撃で終わらせてもらうぞ。フレイムアーム!!」
ブライディ「グォァッ!」

彩堂寺戒を救出しようと急ぐシグフェルは、
いきなりフレイムアームをブライディの胸に叩き込む。
炎の手刀を浴びて倒れ伏すブライディ。
だが、ブライディの背中から分離した巨大蜘蛛が
死んだかに見えたブライディにエネルギーを注ぎ込み、復活させてしまった。
ブライディは再び立ち上がり、凶暴な唸り声を上げながらシグフェルを攻撃する。

シグフェル「そんなバカな!」
メタルダー「ブライディの本体は背中の蜘蛛だ。
 あの蜘蛛を倒さない限り、奴は何度でも生き返る!」
シグフェル「よし、だったら…!」

ブライディと対戦経験のあるメタルダーのアドバイスを受け、
宙に浮遊している巨大蜘蛛を火炎で狙おうとするシグフェルだったが、
そうはさせじと横からヨロイ軍団の激闘士ジャムネが殴りかかる。

シグフェル「お前は…!」
ジャムネ「久しぶりだなシグフェル!
 あの時は不覚を取ったが、俺も特訓して腕を上げたぞ!
 最強の格闘技であるボクシングは赤心小林拳などに負けはせん。
 いざリベンジマッチだ!」

以前の戦いではシグフェルの梅花の型に攻撃を完封され敗れたジャムネが、
特訓してより勢いと鋭さを増したパンチでシグフェルを攻め立てる。

ムカデリヤ「メタルダー、貴様の相手は俺だ!」
メタルダー「ネロス帝国には見ない顔だな?」
ムカデリヤ「俺様はムカデリヤ。
 元はドグマの怪人で、今は客将として爆闘士の階級を貰っているのだ!
 喰らえ、トゲ爆弾!」

ムカデリヤは全身に生えたトゲをメタルダーに投げつけた。
トゲはメタルダーのボディに突き刺さって爆発を起こす。

ムカデリヤ「ムカデロープ!」
メタルダー「うわっ!?」

自分の尻尾を引き抜き、鞭のように振り回すムカデリヤ。
投げられたムカデロープはメタルダーの体に巻き付いた。
動きを封じられたメタルダーに、戦闘ロボット軍団の暴魂クロスランダーが
横から光線銃を撃ち込む。

クロスランダー「フハハハハ! そのまま押さえていろムカデリヤ!
 メタルダー、俺様のボディを木端微塵に粉砕してくれた恨み、
 報復はたっぷりとさせてもらうぞ」

672凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:09:06
***ゴーストバンク・改造手術室***

望月「…これで完成だ」

ゾルベゲールと望月は持っていた手術道具を置き、
額ににじんだ汗を手で拭った。
グライアーの改造手術が遂に完了したのである。

ゾルベゲール「よくやってくれた望月博士。
 帝王にご報告する前に、まずは二人きりで乾杯と行こうか」
望月「生憎だが、とても完成を喜べる気分ではない。
 私はまたとんでもない事をしてしまった…」

祝杯を挙げるのを固辞しようとした望月だが、
ゾルベゲールはそんな事には構わず、グラスを取り出して酒を注ぐ。

ゾルベゲール「フフフ…。おめでとう博士」
望月「おめでとう…」

強いられて渋々、ゾルベゲールと杯を重ね、
グラスに入った酒を口へと運ぶ望月。
ところが、望月は酒を一口飲んだ瞬間、強烈な眠気に襲われた。

望月「うっ…! こ、これは…」
ゾルベゲール「睡眠薬が効いてきたかな? 望月博士」

グラスをテーブルに置いたところで望月は力尽き、
薬に喚起された強い睡魔に屈して床に倒れ込んだ。
望月が眠りに落ちたのを見てゾルベゲールはほくそ笑み、
自分のグラスの酒には一切口をつけずに水道に流して捨ててしまう。

ゾルベゲール「ここから先を見られる訳には行かんのでな…。
 しばらく眠っていてもらおう。
 グライアーの改造手術の、大事な仕上げの作業じゃ」

望月を眠らせてしまったゾルベゲールはメスを取り直し、
完成したはずのグライアーの体を更に弄り始めた。
ゴッドネロスに提出した設計図には書かれていない、
秘密の最終段階となる作業である…。

673凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:12:22
***ゴーストバンク・地下2階***

メタルダー「レーザーアーム!」
ムカデリヤ「ぬおっ!?」

レーザーアームでムカデロープを叩き切り脱出したメタルダーだが、
間髪置かず今度はチューボが日本刀を振りかざして襲いかかる。

チューボ「今日こそは命をもらうぞメタルダー!」
メタルダー「チューボ!」

チューボの日本刀とメタルダーのレーザーアームが激しく切り結ぶ。
一方、ブライディとジャムネの猛攻を凌いでいたシグフェルには
更に戦闘ロボット軍団の爆闘士ゴチャックが挑みかかった。

ゴチャック「シグフェル!
 修業で腕を上げたのはジャムネばかりではないぞ!
 この俺も次こそは貴様を倒さんと、技を磨いてきたのだ。覚悟っ!」

ジャムネと同じくシグフェルに敗れた経験のあるゴチャックが、
以前より精彩を増した動きで掴みかかり、
シグフェルの右腕をねじ切らんばかりの怪力で捻った。

ガマドーン「ゲヘヘヘヘ、てめえがシグフェルか。
 命は貰うぜ。オラァッ!」

更にモンスター軍団の雄闘ガマドーンが腕の電気鞭を振るい、
シグフェルを打ちのめす。
強敵の連続攻撃を受けて窮地に陥ったシグフェルだが、
力を振り絞って立ち直ると反撃に出た。

シグフェル「これならどうだ!」
ガマドーン「ぐぁっ!?」

シグフェルは鞭を掴み、感電に耐えながら、
指先から炎を発生させて鞭を焼き切った。
まだ電流を帯びている鞭を手繰り寄せると、
シグフェルはそれをジャムネに投げ付ける。

ジャムネ「ギャァァァッ!!」
シグフェル「今だ。バジェト・レイ!」
ゴチャック「グォォッ!?」

ジャムネが痺れて倒れたのを見て一瞬怯んだゴチャックに、
シグフェルは素早く接近して至近距離からバジェト・レイを撃ち込んだ。
ゴチャックの左肩が炎弾にぶち抜かれ、粉々に吹き飛ぶ。

メタルダー「Gキック!!」
チューボ「ぬぅっ!?」

メタルダーも強烈なパワーを込めた飛び蹴りでチューボの刀を叩き折った。
衝撃で数歩押し戻され、床に膝を突いたチューボだが、
次の瞬間、何かを悟ったように笑い出す。

チューボ「時は満ちたり…。
 メタルダー、シグフェル! 地下3階の闘技場へ来い!
 者ども退けい!」

壁のドアが開き、チューボの命令でネロス軍団員達は全て撤退した。
ドアの向こうの螺旋階段を下り、シグフェルとメタルダーは地下3階へ攻め込む。

674凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:15:17
***ゴーストバンク・地下3階***

シグフェル「ここは…」

シグフェルとメタルダーが乗り込んだ地下3階には、
古代ローマの円形闘技場を彷彿とさせる巨大な屋内スタジアムがあった。
すり鉢状の観客席に囲まれた広いリングの中央に、
シグフェルとメタルダーは戸惑いつつも歩を進める。

ゴッドネロス「フフフフフ…。
 よく来たなメタルダー。そしてシグフェル!
 貴様らを迎えるために用意したこのコロッセウムで、
 古代の剣闘士の如く戦うがいい!」
メタルダー「ゴッドネロス…!」

闘技場の観客席には帝王ゴッドネロスが座り、
クールギン、バルスキー、ゲルドリング、ドランガーの四軍団長が
その周囲に跪いて侍っていた。

シグフェル「ゴッドネロス! 彩堂寺はどこだ!」
ゴッドネロス「今すぐ会わせてやる。
 我が帝国最強の戦士・彩堂寺戒をこれへ!」

リングの片隅に設置されていたエレベーターが地下からせり上がり、
それに乗って彩堂寺戒が姿を現す。

戒「………」
光平「彩堂寺! 俺だ!
 お前を助けに来たんだ!」

シグフェルは頭部だけ変身を解除し、牧村光平の顔を見せながら呼びかける。
ところが次の瞬間、戒が片手を胸の前にかざすと、
信じられない事が起こった。

戒「――牙装!」
光平「なっ…!?」

「牙装」の掛け声と共に戒の体に稲妻が迸り、
首から下が青色のメカニックアーマーに変貌する。
両肩からは野獣の牙のような鋭い大型の刃が生え出し、
腕や足にも無数のトゲがひしめいていた。

光平「彩堂寺、お前…!」
戒「シグフェル!
 俺はネロス帝国の戦士、グライアーだ!」

叫びと共に稲妻が戒の顔を包み込み、
太古の猛獣サーベルタイガーのような凶悪なマスクが生成される。
遂にその全容を現したネロス帝国の究極生体兵器・グライアーは、
一歩ずつゆっくりと光平ににじり寄る。

光平「彩堂寺…。――翔着(シグ・トランス)!!」

光平も顔に炎を纏い、鳳凰の如きシグフェルのマスクを再び装着する。
ゴッドネロスが手で合図すると、円形のリングの外周に炎が立ち昇り、
二人の超戦士を赤く照らしながら取り囲む。
シグフェルVSグライアーの戦いの幕が今、切って落とされようとしていた…。

675凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:17:09
○剣流星/メタルダー→チューボ&ムカデリヤと戦う。
○望月敏郎→グライアーの改造手術中、ゾルベゲール博士に睡眠薬で眠らされる。
●ゾルベゲール→望月敏郎博士を眠らせ、グライアーに何かを仕込む…?
●チューボ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●ムカデリヤ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●クロスランダー→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●ブライディ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルと戦う。
●ガマドーン→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルと戦う。
●ジャムネ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルに再戦を挑む。
●ゴチャック→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルに再戦を挑む。
●ゴッドネロス→ゴーストバンクの闘技場でシグフェルとグライアーの戦いを観戦。

○牧村光平/シグフェル→ゴーストバンクの闘技場でグライアーと戦闘開始。
●彩堂寺戒/グライアー→遂に改造手術が完了。ゴーストバンクの闘技場でシグフェルと戦闘開始。

676ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/02(土) 12:01:39
***???***

どこかの長年使われていない廃倉庫のような場所…。

理乃「まぁ…これはこれは!」

水晶玉に映し出される、今現在のゴーストバンク地下3階の様子の映像。
シグフェルとグライアーが、コロッセウムのリングで向き合い対峙している。

ケビン「シグフェルが2体…? いや、もう片方はザジロードか。珍しいな」

どこかからかシグフェルと同じ波動の源を感知し、
不審に思った東条寺理乃とケビン・オルバであったが、
水晶玉に映るグライアーの姿を見て、ケビンは何気なく呟き
「ザジロード」という単語を口にした。

理乃「この世界の闇の眷族共に、我ら堕神の因子を
 活用できるだけの技量が備わっていたとは興味深いわ」
ケビン「ここは一つ、利用してみるか?」

ケビンがニヤリと笑い、理乃も興味深そうに無言でコクリと頷く。
ケビンは手元から配下の子蜘蛛を一匹放ち、一瞬だけ小さな時空クレパスを開いて
子蜘蛛をゴーストバンクへと様子見に送り込んだ。


●東条寺理乃→シグフェルとグライアーの戦いの様子を水晶玉に映し出す。
●ケビン・オルバ→配下のスパイ子蜘蛛をゴーストバンクに潜り込ませる。

677凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:02:04
***ゴーストバンク・地下3階・闘技場***

ゴッドネロス「さあ、グライアーの真価、
 とくと見せてみよ…!」

ゴーストバンクに築かれた決闘用の地下コロッセウムで、
帝王ゴッドネロスとクールギンら四凱聖が客席の高みから見詰める中、
燃え盛る炎に囲まれたリングの上で対峙するシグフェルとグライアー。

グライアー「行くぞ! シグフェル!」
シグフェル「…!」

刹那、グライアーの姿がふっと消えた。
瞬間移動にも似た神速で一気にシグフェルの懐まで踏み込んだグライアーは、
ガードのため咄嗟に振り上げられたシグフェルの腕に強烈なパンチを叩き込む。

シグフェル「くっ…!」

凄まじいパワーを誇るはずのシグフェルが、
一撃で数メートル後ろまで弾き飛ばされた。
間髪入れず猛然と突っ込んで来るグライアーを、
シグフェルは翼で浮力を作り、ひらりと上へ飛んで空中回転でかわす。

シグフェル「待て彩堂寺! 目を醒ませ!」
グライアー「問答無用!」

唸りを上げたグライアーの回し蹴りがシグフェルの鼻先を掠める。
相手が彩堂寺戒とあって戦うのを躊躇い、防戦一方となってしまうシグフェル。
見かねたメタルダーが横から牽制の突進を仕掛け、
シグフェルからグライアーを一旦引き離した。

ゴッドネロス「見世物にはちょうど良い。
 サラジアのアルハザードが余に献上した、
 世にも珍しき異界のキメラをメタルダーと戦わせよ」
クールギン「承知いたしました。
 ――出でよ、タイガーランス!」

クールギンが合図すると、再びリングの片隅に地下から台座がせり上がり、
鋭い三叉の長槍を持った、上半身は虎、下半身は馬、
そして背中には大きな翼が生えている異世界の合成魔獣タイガーランスが現れた。

タイガーランス「グォォォ…!」
メタルダー「これは…!」

メタルダーが戸惑う暇もなく、咆哮と共に駆け出したタイガーランスは、
槍を振るってすれ違いざまにメタルダーを斬り付ける。

メタルダー「うわぁっ!?」
ゴッドネロス「フハハハハ!
 戦場を誰よりも速く駆けるタイガーランスは、
 まさしく猛虎の騎士。さしものメタルダーも敵うまい」

状況はまるで歩兵と騎兵の戦いに等しく、
体高と機動力で上回る相手にメタルダーは悪戦苦闘を強いられる。

シグフェル「あんな猛獣の化け物を出してくるなんて、
 グラディエーターごっこも大概にしろっての…!」

メタルダーのピンチを見ても、
グライアーに激しく攻め立てられているシグフェルには助けに入る余裕がない。
リングの端へと追い詰められたシグフェルを、
燃え立つ炎の壁が背後から脅かした。

678凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:04:06
グライアー「どうしたシグフェル! 反撃して来ないのか!」
シグフェル「くっ、彩堂寺っ…!」

再び翼を羽ばたかせて上空へ逃れ、
リングの中央付近に着地して体勢を立て直すシグフェル。

グライアー「フンッ!」
シグフェル「…!」

両肩に生えた巨大な二本の刃を、グライアーは引き抜いて左右の手に構えた。
グライアーに装備された強力武器・ファングブレイカーである。

シグフェル「彩堂寺…。戦うしかないのか!」

とうとうシグフェルは観念した。
このグライアーは恐るべき戦闘力を持った強敵である。
中途半端な覚悟で手心を加えながら戦ってなどいたら、
たちまちこちらが殺されてしまってもおかしくないほどの相手だ。
戒を助けるにしても、今の時点での説得にはほとんど効果がない以上、
まずは全力で戦ってグライアーを打ち破り、
完全にダウンさせてからでなければ話にならない。

グライアー「死ね、シグフェル!」
シグフェル「たぁっ! ――ヴァジェト・レイ!!」

ファングブレイカーを振りかざし、猛然とダッシュで斬りかかるグライアー。
飛翔して宙に逃れたシグフェルは空中で炎のエネルギーをチャージし、
ヴァジェト・レイをリング上に立つグライアーに向けて放った。

グライアー「それがどうした…。つぁっ!!」
シグフェル「何っ…!?」

シグフェルが撃ち出した超高熱の炎弾を、
軌道を見切ったグライアーは片方のファングブレイカーで軽々と弾いてみせた。
地上に叩き落とされた炎弾が爆発を起こし、リングに大きなクレーターを作る。

シグフェル「フレアセイバー!!」
グライアー「フン、やっとやる気になったか!」

愛剣フレアセイバーを手にしたシグフェルは地上に急降下し、
グライアーのファングブレイカーと激しい斬り合いを展開する。

ゲルドリング「おおっ!? シグフェルの奴がやっと本気になりおったで!
 これからが本当の勝負や!」
クールギン「グライアーにとっても、
 ここまでの動きはウォーミングアップに過ぎん…。
 フルパワーとなればまだまだこの程度のものではないぞ」
ゴッドネロス「………」

クールギンが扮した影武者の桐原剛造に剣術指南を受けていた戒は、
グライアーとなってもその訓練の成果を如何なく発揮し、
サーベルタイガーの牙のような二本の大型の刃を隆々と振り回す。
だがシグフェルも、元から心得があった薩摩示現流に
シンケンレッドから学んだ剣法の技を上乗せし、
今や一流の剣士と言ってよいレベルに成長しているのだ。
両者がリング上で繰り広げる剣戟は熾烈を極めた。

679凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:06:30
一方、魔獣タイガーランスの攻撃に苦戦するメタルダーは、
頭部に内蔵された戦闘マニュアルコンピューターで敵の動きを解析し、
突破口を見出して反撃に出た。

タイガーランス「グォォッ!」
メタルダー「ヤァッ!!」

全速力でリング上を駆け抜けて突進し、
鋭い槍の一撃でメタルダーを刺し貫こうとするタイガーランス。
メタルダーはジャンプでそれをかわすと、
何と突き出されたタイガーランスの三叉槍の上に着地した!

タイガーランス「グ…ォォッ…!」
メタルダー「タァッ!!」

メタルダーの全体重を持っていた槍に預けられ、タイガーランスは苦悶に呻く。
飛び乗った槍の上から更にジャンプし、
タイガーランスの頭にドロップキックを浴びせるメタルダー。
さしものタイガーランスも怯み、馬の四つ足を絡ませて横転する。

メタルダー「今だ!」

メタルダーは横倒しになったタイガーランスの巨体を持ち上げ、上空へと放り投げた。
自らもそれを追うように真上へ跳んだメタルダーは、
重力に引かれて落下してくるタイガーランスに必殺のプラズマパンチを叩き込む。

タイガーランス「グギャァァッ!!」

勝負はこれで決まった。
超重力エネルギーを込めた拳の一撃で絶命したタイガーランスは、
リングの上に墜落して爆死する。

グライアー「(こうなれば、円月殺法で倒す…!)」
シグフェル「(火焔十字の舞でケリを付けてやる!)」

互角の剣のせめぎ合いを展開していたシグフェルとグライアーは
間合いを取り直し、互いに必殺技を繰り出そうと気を集中させた。
二振りのファングブレイカーをゆっくりと回転させて切っ先で円を描き、
クールギン直伝の秘技で一気に勝敗を決しようとするグライアーに対し、
シグフェルもその隙を突いて十字の斬撃を打ち込もうとフレアセイバーを脇に構える。

グライアー「グッ…!? うぁぁぁっ…!」
シグフェル「どうした、彩堂寺!」

ファングブレイカーを握る手に力を込め、前へと踏み出そうとした瞬間、
突如としてグライアーに異変が起こった。
持っていた武器を取り落とし、頭を抱えながら苦しみ出すグライアー。

ドランガー「むっ!? 何事だ」
バルスキー「帝王、グライアーが変調を起こした模様です!」
ゴッドネロス「ぬうっ…! まさか…」

観戦していたゴッドネロスらもグライアーの異変発生にどよめいた。
これは全く想定外の事態である。

680凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:08:57
シグフェル「彩堂寺、どうしたんだ。しっかりしろ!」
グライアー「ぐぁぁっ…! 触るなシグフェル!」

咄嗟にフレアセイバーを投げ捨てて駆け寄ったシグフェルを、
グライアーは苦痛に悶えながら片手で突き飛ばす。

ゲルドリング「どういうこっちゃ!?
 改造手術は完璧に成功したんとちゃうんかい!」
クールギン「何らかのアクシデントが発生したようだ。
 未だ謎多きシグフェルの細胞を使うとなれば、
 想定不能の部分もやはりあったという事か…」
ドランガー「帝王、勝負はここまでです。
 これ以上の戦闘続行は不可能かと!」
ゴッドネロス「ええい…、やむを得ぬ。
 グライアーを下がらせろ!」
バルスキー「心得ました。ジャース、行け!」

リングをぐるりと囲んで燃え盛っていた炎が消える。
バルスキーの指示で戦闘ロボット軍団の雄闘ジャースがリングに上がり、
グライアーとシグフェルの間に立ち塞がった。

ジャース「シグフェル! メタルダー!
 残念だがデュエルは中止だ。俺のビームを喰らえっ!」
メタルダー「うわっ!」

両肩の砲塔からビームを撃ちまくるジャース。
その間に、同じ戦闘ロボット軍団の軽闘士デデモスとゴブリットが
苦しむグライアーを回収し、二人で肩を貸してリングから運び降ろした。

シグフェル「彩堂寺〜っ!」
デデモス「へっ、勝負は預けたぜ!」
ゴブリット「あばよシグフェル!」

デデモスとゴブリットとグライアーが立っていた床の台座が
エレベーターとなって地下深くへと降りて行く。
シグフェルの叫びも空しく、グライアーとなった戒は彼の前から姿を消してしまった。

ゴッドネロス「コロッセウムをゴーストバンクから切り離し、爆破せよ!」
ドランガー「ははっ! 爆破装置、起動!」

ドランガーが時限爆弾の起爆スイッチを押し、
ゴッドネロスは四凱聖に守られながらコロッセウムから退席した。

メタルダー「まずい! 爆発するぞ!」
シグフェル「彩堂寺…。いつか必ず助けてやるからな!」

シグフェルはコロッセウムの天井をヴァジェト・レイでぶち抜いた。
メタルダーを抱えて飛び立ち、炎弾で開けた穴を通って地上へと脱出するシグフェル。

スプリンガー「ワンワン! 無事だったか!」
メタルダー「もうすぐ爆発する。伏せるんだ!」

数秒後、時限爆弾が爆発し、地底に築かれたコロッセウムは吹き飛んだ。
轟音が響いて大地が揺れ、シグフェルが開けた脱出用の穴から真っ赤な炎が地表に噴き上がる。
メタルダーが知っていたゴーストバンクへの入口も、この爆発で消滅してしまったのである。

681凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:13:30
【今回の新規登場】
●タイガーランス(ドラゴンクエストシリーズ)
 上半身が虎、下半身が馬の姿をした、大きな翼の生えた合成魔獣。
 手に持った槍を武器とする。

○剣流星/メタルダー→タイガーランスを倒し、爆発したコロッセウムから脱出。
○スプリンガー→コロッセウムから脱出したメタルダーとシグフェルに合流する。
●ゴッドネロス→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●クールギン→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●バルスキー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ゲルドリング→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ドランガー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ジャース→突然変調を起こしたグライアーを助けるため、シグフェルとの戦いに割って入る。
●デデモス→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●ゴブリット→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●タイガーランス→コロッセウムでメタルダーと戦うが、プラズマパンチで倒される。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→グライアーとの初対決は決着付かず。爆発したコロッセウムから脱出する。
●彩堂寺戒/グライアー→シグフェルとの戦いのさ中、突如体に変調を起こして撤退する。

682凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:22:03
>>681修正

【今回の新規登場】
●タイガーランス(ドラゴンクエストシリーズ)
 上半身が虎、下半身が馬の姿をした、大きな翼の生えた合成魔獣。
 手に持った槍を武器とする。

○剣流星/メタルダー→タイガーランスを倒し、爆発したコロッセウムから脱出。
○スプリンガー→コロッセウムから脱出したメタルダーとシグフェルに合流する。
●ゴッドネロス→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●クールギン→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●バルスキー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ゲルドリング→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ドランガー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ジャース→突然変調を起こしたグライアーを助けるため、シグフェルとの戦いに割って入る。
●デデモス→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●ゴブリット→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●タイガーランス→コロッセウムでメタルダーと戦うが、プラズマパンチで倒される。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→グライアーとの初対決は決着付かず。爆発したコロッセウムから脱出する。
△彩堂寺戒/グライアー→シグフェルとの戦いのさ中、突如体に変調を起こして撤退する。

683ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 12:59:50
>>682の続き<エピローグ>
***ゴーストバンク・メンテナンスルーム***

トラブルを起こし、手術台の上に運び込まれたグライアー=彩堂寺戒の身体を
くまなくメンテナンスチェックしているゾルベゲール博士である。

ゾルベケール「フッフッフ…まあ、多少のアクシデントはあったようだが、
 試運転としては上々じゃ。これから私のために役に立ってもらうぞ。
 我が愛しの最高傑作よ。ヒッヒッヒ!」
戒「………」

不気味に笑いながらせっせと作業を進めるゾルベゲールであったが、
必要な器具を手に取ろうと目を離した一瞬の隙に、黄緑と黒の縞模様をした
小さい蜘蛛が一匹、いつの間にかメンテナンスルームの中に忍びこんで、
眠る戒の首筋後ろに飛び付いた事には全く気がついてはいなかった…。

子蜘蛛「………」


――その翌朝。

***海防大学付属高校・校舎裏***

朝早く登校して来て、まだ始業時間前に他に人のいない
校舎裏に集まって話をする光平、慎哉、優香の3人。
光平は、昨日のゴーストバンクと繋がっていたコロッセウムでの出来事――
――ネロス帝国の戦士・グライアーと化した彩堂寺戒と戦った一部始終を
2人に話して聞かせた。

慎哉「…そうか。結局、彩堂寺は助けられなかったのか」
光平「ごめん、優香。俺の力が及ばなかった…」

己の非力を詫びる光平に、優香は優しく首を横に振る。

優香「ううん、そんなことないよ。光平くんは出来る限りの事をしてくれた。
 彩堂寺くんもきっとわかってくれるよ」
慎哉「でも光平、そのグライアーって奴はまたきっと…」
光平「ああ、近いうちに必ず襲ってくると思う。
 よくは知らないけど、どうやらグライアーはシグフェルを
 研究して創造された者らしい。直接戦ってみて分かったけど、
 俺にもその事がひしひしと伝わって来て戦慄を感じたよ」

光平は暗い表情になる。

慎哉「光平…?」
光平「できればそうなる前に彩堂寺を助け出したかった。
 やっぱり自分の体を誰かに知らないうちに、勝手に機械にされるなんて
 気持ちのいいもんじゃないしさ…」

牧村光平は、謎の人体実験によって体中の全細胞をナノマシンと置き換えられ、
超人的な力を秘めた人外の存在=天凰輝シグフェルに生まれ変わり、
自分の自由意思に関わりなく戦いに巻き込まれる事になった。
光平は、そんな目に遭う人間は自分一人を最後にしたいと思っていたが、
運命の歯車はそれを許さなかったのである。

自分と全く同じ境遇の人間が、最大の敵となって今、
目の前に立ちはだかろうとしているのだ。

優香「光平くん…」
光平「でも次にグライアーが現れた時こそ、彩堂寺を助け出すチャンスなんだ。
 次こそは必ず…!」
慎哉「よしっ、その意気だ! やっぱり光平はこうでなくちゃな♪」

684ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 13:00:53
朱音「あなたたち、こんなところで何をしているの?
 もうすぐ授業始まるわよ!」
光平「朱音ちゃん!?」

担任の千坂朱音が見回りにやって来て、慌てる光平たち。
その瞬間、学校中に始業のチャイムが鳴り響いた。

慎哉「やべっ!? もうこんな時間か!」
朱音「急いで教室に戻りなさい!
 Go to the classroom in a hurry!!」
優香「急がなくちゃ!」
光平「すみません! すぐに戻ります!」

朱音に怒られ、走って教室に向かおうとした光平たちだったが、
つい不注意で光平は、朱音の脇腹辺りにぶつかってしまう。

朱音「うっ…!!」
光平「わっ!? ごめんなさい! つい…」

朱音は激痛で表情を歪めている。
それが尋常な様子ではなかったため、
光平たち3人は立ち止って朱音を心配する。

優香「どうしたんですか? なんだかとっても苦しそう…」
朱音「…だ、大丈夫よ。実を言うとね、この間道端で足を滑らせて
 転んだら打ち所が悪くて、脇腹のところにちょっと怪我をしちゃったのよ。
 我ながらドジな話よね。アハハハ…(汗」

その「怪我をした脇腹」というのは、本当はクールギンに斬られた時の傷である。
適当に言い繕う朱音だったが、"転んで腹部に怪我をする"というのは
普段あまり聞いたことがなかったので、光平たちはきょとんとしていた。
いったいどんな転び方をしたのだろう…??

朱音「こーらっ! あなたたち何をボサッとしているの!
 わたしのことなら大丈夫だから、さっさと教室に行きなさい!」
慎哉「ごめん、朱音ちゃん! また後で教室でな!
 さ、光平も沢渡も行こうぜ」
光平「あ、ああ…」
優香「うん…」

どこか釈然としなかったが、朱音に強く促されて
とりあえず光平たちはその場を後にする。そして教室に向かって走る途中、
ふと光平は数日前に遭遇した謎のくノ一のことを考えていた。
覆面のせいで顔はよく見えなかったが、よく思い出してみれば
あのくノ一の滑らかで美しいロングヘアの黒髪は、
どことなく朱音と雰囲気が似ている。
そして確かあの時、くノ一はクールギンに脇腹を斬られて
血を流し負傷していた。

光平「まさか、な…」

そんな筈がある訳ないと思い直し、再び教室へ向かって猛ダッシュする光平。
そして数分後には、もう彼の頭の中からはそんな疑問は綺麗サッパリと
忘れ去られていたのだった。

685ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 13:01:31
●ゾルベゲール→グライアーの身体をメンテナンスチェックする。

○牧村光平→新たな敵グライアーの出現に戦慄を覚えるが、改めて彩堂寺戒救出の決意を新たにする。
 そして千坂朱音と謎のくノ一の同一人物の可能性を一瞬疑うが、すぐに忘れてしまう。
○朝倉慎哉→牧村光平からコロッセウムで起こった事を聞かされる。
○沢渡優香→牧村光平からコロッセウムで起こった事を聞かされる。
△彩堂寺戒→ぐっすりと眠って意識のない中、ゾルベゲールのメンテナンスを受ける。
 その最中にガーミッド配下のスパイ子蜘蛛に首筋辺りに飛びつかれる。
△千坂朱音→学校の校舎裏にたむろしていた牧村光平たちを注意する。クールギンに斬られた時の傷は、
 まだ現時点では治りかけの状態で完治していない模様。

686ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:01:40
>>404-406続き
【暗殺教室原作完結記念!】≪陰謀砕いた国会での対決!PART2≫

***江田島平八邸***

嘉納「江田島のじいさんはいるかい?」
富樫「これは嘉納先生、只今ご案内を」
嘉納「いや、いい。勝手知ったる屋敷だ」

江田島平八の屋敷にズカズカと入り込んで来たこの人物…。
元内閣総理大臣・嘉納太郎――困難な特地問題で陣頭に立って指揮対応した人物として知られ、
日本のポップカルチャー発信拠点として国立メディア芸術総合センターを設立後、
政治家を引退していたが、現在も政財界に影響力を持っている。

江田島「何をそう血相変えて慌てておるのだ?
 まずは落ち着いて茶の一杯でも飲め」
嘉納「随分と呑気じゃねえか? 自分の愛弟子がピンチだって時に」
江田島「剣の事か…?」

現内閣総理大臣・剣桃太郎がブレイバーズを意のままに操り、
地球破壊を企んでいた謎の超生物・殺せんせーと裏で結託していたという疑惑。
その真偽を究明するための国会の証人喚問の場において、剣桃太郎を糾問する役割に、
元首相である嘉納太郎に白羽の矢が立ったのである。

江田島「かねてより剣とも親交が深かったお前が、証人喚問での追及する役回りか。
 いかにも天童の古狐の考えそうな事よ」
嘉納「そんなことを言ってる場合かい?」
江田島「もしこの程度の奸計に成す術もないようでは、
 剣も所詮はそれだけの器だったというだけよ」
嘉納「自分の教え子に随分と冷てえじゃねえか」
江田島「………」
嘉納「じいさん、俺と剣総理との仲ではあるが、
 聖天子様直々この役目を仰せつかった以上、
 八百長で手を抜く訳にはいかねえ。国会の場では
 本気でやらせてもらうぜ」

◇   ◇   ◇

椚ヶ丘中学を卒業後、それぞれの道を歩んでいた元3年E組の面々。
級友・茅野カエデの危機を知り再び集結!
カエデは天童一門によって都内の某寺院に監禁されていたところを、
里見蓮太郎たちの協力を得た潮田渚たちの手によって救出される。
――が、逃げる途中で天童配下の忍び・望月甚八に見つかってしまう。

甚八「貴様ら生きては帰さんぞ!」
渚「――!!」
業「なあ渚、コイツ…俺に処刑させてほしいんだけど!」

強大な天童忍軍に立ち向かう、怒りの3-E。
甚八への対処を赤座業に任せ、自身は意識のないカエデと共に山小屋へと逃げ込む渚。
うわ言で「寒い」と震えるカエデを、渚は懸命に介抱する。

渚「茅野、ブレイバーズの人たちから預かって来た解毒剤だ。
 これを飲んで」
カエデ「う…ううっ……」

一晩を山小屋の中で二人きりで過ごす渚とカエデ。
そしてやがて夜は明けた。

687ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:03:10
***国会議事堂・衆議院予算委員会***

外遊からの帰国早々、国会への出頭を求められる剣桃太郎首相。
国家転覆の陰謀を企てたとされる内乱予備の疑惑に対して答えるべく、
異例の聖天子臨席のもとで行われる証人喚問の場に乗り込む。

嘉納「これより剣内閣総理大臣に対する証人喚問を取り行う。
 役義により言葉を改めさせて頂く」
桃太郎「承知した。ところで、この場にもう一人いなければならない
 人物がいないようだが?」

その人物とは、言うまでもなく天童菊之丞のことである。


***天童菊之丞邸・茶室***

執事長の高坂を前にして、静かに茶を立てている菊之丞。

高坂「閣下、何故本日宮中に出仕なされません?
 積年の宿敵・剣桃太郎が聖天子様の御前にて
 止めを刺される様を間近にて御見物あそばされれば
 よろしいものを。それともこの高坂正眼の策が信用できませぬか?」
菊之丞「いや、そうではない。悪企みにかけては、
 その方はこのわし以上じゃ」
高坂「恐れ入ります。では何故に?」
菊之丞「なんとのう、気が進まぬだけよ」
高坂「と、申されますと?」
菊之丞「くどいのう! なんというか心が弾まんのじゃ!」

菊之条は、なぜか不安を覚えイライラしていた…。


***国会議事堂・衆議院予算委員会***

再び、場面を証人喚問の場へと戻す。
まずは天童側の証人である鷹岡が証言台に立ち、
ブレイバーズと殺せんせーが裏で通じていて
陰謀を企んでいたなどと嘘八百を並べ立てる。
続いて天童側第二の証人・茅野カエデが連れて来られる。
しかしカエデは昨夜に渚たちによって救出されていた際に、
咄嗟に機転を利かせて変装した天童木更と入れ替わっていたのだった。

聖天子「まあ、これは…!」
鷹岡「だ、誰だテメーは!?」
木更「聖天子様、剣総理、お久しぶりでございます」
桃太郎「ははは! 天童社長、随分と変わったところから
 出て来たようだな」

突然の意外な番狂わせに、議場は騒然となる。
見ていた嘉納太郎も「ふふっ、そういうことか」と察してニヤリと笑う。

688ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:03:48
そこへ天使更生組合社長・天賀井玲子に付き添われる形で、
若手人気女優である磨瀬榛名(=雪村あかり=茅野カエデ)がやって来た。
首相官邸に表敬訪問に訪れる予定であったのだが、肝心の剣総理が留守だったため、
こうしてわざわざ国会の場まで出向いて来たのだという。

榛名(カエデ)「この度は私の事で剣総理を始め、
 各方面の皆様に対して多大なご迷惑をおかけし、
 こうしてお詫びに参上いたしました」

榛名は元椚ヶ丘中学校3-Eの生徒として、
ブレイバーズの潔白を堂々と証言。これで勝負は決まった。
剣桃太郎とブレイバーズの無実は証明されたのである。
逃げ出した鷹岡は天童邸に駆け込もうとするが、
その門は幾ら叩いても固く閉ざされたままだった。

烏間「諦めろ。天童菊之丞は、お前を見捨てたのだ」
鷹岡「烏丸ァァァァッッ〜!!!!!」

鷹岡は烏丸惟臣によって拘束され、再び塀の中へと逆戻りする羽目に。

菊之丞「なんともいいようのない不安は、
 こうなることへの虫の知らせであったか…。
 おのれ剣桃太郎!」


***聖居***

剣桃太郎と磨瀬榛名は、聖天子から昼食の席へと招かれた。

桃太郎「ほほう…天童家用人・高坂正眼が病気にて急死しましたか」
聖天子「たった今、天童家より聖居に届け出がありました」

実際は主人に追及の手が及ばぬよう、高坂が罪を被って自害したのである。

桃太郎「いかがでございましょう。天童補佐官も何分にご高齢。
 暫くの間宮中の職務より退き、自邸にて静養に専念するよう
 申し渡されましては?」
聖天子「そうですね。そうする事に致しましょう。
 磨瀬榛名さん、どうやら今回の件では貴女にも大変な目に
 遭わせてしまったようですね。私からも心よりお詫びします。
 貴女のお友達にもよろしくお伝えください」
榛名(カエデ)「聖天子様…」


***江田島平八邸***

国会での対決は剣桃太郎側が勝利し、
天童菊之丞が事実上の隠居に追い込まれたとの一報は、
ここ江田島邸にも届いていた。

佳代「これで天童の古狐も今度という今度はオシマイですね♪
 でもどうせなら、完全に息の根を止めてやればよかったのに」
富樫「塾長、今回ばかりは私も佳代と同意見です。あの古狐がこのまま
 黙って自邸に引っ込んでいるとは思えません」
江田島「いや、これでよいのだ。これ以上やると聖天子様にも傷がつく」

「あれでちょうどよいのだ」という風に、江田島は結末に満足そうに
池の鯉に餌を与えているのだった。

689ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:04:22
一方、その頃……。
霊界の地獄では、ラインハルト・フォン・ローエングラム率いる陣営と
志々雄真実率いる陣営の二大勢力によって地獄界は真っ二つに割れ、内乱状態に陥っていた。
そのラインハルト軍に軍師として籍を置いていたのは、黄色いタコのような超生物――
――その名を「殺せんせー」!

殺せんせー「ヌルフフフ!」

彼の目的は、行方不明となってしまった雪村あぐりの魂を見つけ出し救出する事。
実はその雪村あぐりこそが、堕神が血眼になって探している女神の器を宿した
最後のリザレクターであることは、まだこの時点では誰も知らない…。

690ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 13:06:38
【『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』公開記念】

《バットマン対仮面ライダーW 街を守る者》

財団Xによって、アメリカのゴッサムシティにガイアメモリが出回り、
ガイアメモリを聞きつけて、左翔太郎らはゴッサムシティに訪れる。

将太郎「ここがゴッサムシティか・・・・」
フィリップ「ゴッサムシティ・・・・犯罪の温床として、様々な犯罪者達が暗躍する都市。
 だが犯罪者達はゴッサムシティを守るヴィジランテ(自警団)、バットマンによって
 倒されている・・・・・」

ゴッサムシティについて検索したフィリップは、いつもの様に長々と説明する。
だが、そこで強盗事件が発生し、強盗は逃走。翔太郎は単身、強盗を追いかけて
ある工場に辿り着く。

強盗「捕まってたまるか!」

ガイアウィスパー@「コックローチ!!」

工場に追い詰められた強盗は、所持していたゴキブリの記憶を内包する
コックローチメモリを使用し、コックローチ・ドーパントに変身する。

翔太郎「ガイアメモリを持っていたか!」
コックローチ・ドーパント「へへっ!逃げ出させてもらうぜ!」

コックローチ・ドーパントは、ゴキブリ特有の逃げ足で、その場から
逃げ出そうとする。翔太郎はダブルに変身しようとしたその時。
黒い影が翔太郎とコックローチ・ドーパントの前に現れる。

コックローチ・ドーパント「そ、その姿はバットマン!?」
翔太郎「あれが、バットマン・・・・・」
バットマン「・・・・その姿が、この街の悪党達の間で出回っているという
 ガイアメモリで変身したドーパントという姿か。だが、逃しはしない!」
コックローチ・ドーパント「な、何だとぉ〜!」

バットマンの登場に驚くコックローチ・ドーパントだが、その素早い動きで
逃げ出す。だが、バットマンは冷静にコックローチ・ドーパントが向かう方向に
手持ちの武器である手裏剣を投げつける。

コックローチ・ドーパント「うぉっと!」
バットマン「むん!」
コックローチ・ドーパント「ぐわぁ!」

バットマンの手裏剣がコックローチ・ドーパントの足下に刺さり、
コックローチ・ドーパントはつい足を止めてしまう。その隙に
バットマンはコックローチ・ドーパントを殴り、痛めつける。

翔太郎「ドーパントを相手に、あそこまで攻撃できるなんてすげぇ・・・・」
コックローチ・ドーパント「こ、この野郎ぉ〜喰らえ!」
バットマン「ム・・・・」

コックローチ・ドーパントは掌から青い粘液状の体液を、バットマンの
口にめがけて反撃を行う。バットマンは咄嗟の判断により、口元を
マントで隠したので攻撃を防いだ。

コックローチ・ドーパント「今だ!」
翔太郎「させるかよ!」

“LUNA” “TRIGGER”

W「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」
バットマン「(何だ、あの姿は・・・・?)」

翔太郎はダブルドライバーにトリガーメモリをセットし、この場にはいない
フィリップはダブルドライバーにルナメモリをセットする。そしてルナメモリと
フィリップの意識が翔太郎の元へ転送され、仮面ライダー・ルナトリガーに
変身する。ダブルの姿にバットマンは警戒する。

W(フィリップ)『まさか、バットマンに出くわすなんて流石だね。翔太郎』
W(翔太郎)「ごちゃごちゃ言っている場合じゃねえ!さっさと、あのドーパントを
 メモリブレイクだ!」
W(フィリップ)『分かったよ。翔太郎』

“TRIGGER MAXIMAMDRIVE”

W「「トリガーフルバースト!!」」

トリガーマグナムにトリガーメモリを装填し、マキシマムドライブを発動。
トリガーマグナムから黄色と青に輝く追尾弾が複数同時発射され、
前にいたバットマンを避けて、コックローチ・ドーパントに全て命中し、
コックローチ・ドーパントから元の強盗の姿に戻り、強盗の身体から
コックローチメモリが飛び出て、砕け散るのであった。

翔太郎「ふぅ〜、これで片付いた。ありがとうな!バットマン・・・・・
 あれ?バットマンは何処に行った」

ドーパントを倒して変身解除した翔太郎は、何時の間にかバットマンが
いなくなっている事に気付く。そのバットマンは、工場の屋根の部分に
移動しており、物陰から翔太郎の様子を覗う。

バットマン「・・・・・(奴は何者なのか?見た所、日本人でガイアメモリに
 ついて知っている様だが・・・・・・調べてみるしかない)」スッ

空は既に赤い夕焼け空になっており、バットマンは翔太郎の事を調べようと
夕暮れの中に消えていった。

691ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:05:21
***ゴッサムシティ・下水道***

スケアクロウ「これが・・・・」
財団Xのエージェント「はい。お求めになっていたガイアメモリです」
スケアクロウ「フフフフ。これこそ、私が求めていた物だ・・・・・」

ゴッサムシティの下水道で、財団Xのエージェントはゴッサムシティで
暗躍する案山子の恰好をした怪人―スケアクロウとガイアメモリの取引を
行っていた。スケアクロウは求めていたガイアメモリが手に入った事により、
ひどく喜んでいた。そのガイアメモリは「T」と書かれており、それを使って
ある企てをしようとしていた。

****ゴッサムシティ警察署****

事件後、翔太郎とフィリップはゴッサムシティ警察に呼ばれる。
警察署で翔太郎達を出迎えたのは、ゴッサム市警察本部長の
ジェームズ・W・ゴードンと、ガイアメモリの捜査で翔太郎と同じく
日本から出向してきた照井だった。

ゴードン「君達の活躍は、照井から聞いている。ガイアメモリが市内に
 出回っている事により、大人しくしていた犯罪者達が、またしても騒ぎを
 起こしている。ガイアメモリによる犯罪摘発に、是非協力してほしい」
翔太郎「勿論です!例え風都じゃなくても、ガイアメモリが街を泣かすなら、
 俺が晴らしますよ!」
フィリップ「翔太郎。俺が・・・・じゃなくて、僕達だろう?」
翔太郎「そうだな。済まない、フィリップ!」

ゴードンから協力を要請された翔太郎とフィリップは快く承諾する。

照井「早速だが、通称“スケアクロウ”と呼ばれる犯罪者が、ガイアメモリを
 入手したという情報がある。そしてスケアクロウは、ゴッサムシティの大富豪
 ブルース・ウェイン氏が主催のチャリティ・パーティーを襲撃するらしいというのが
 調べで分かった。俺達も警備の為に、パーティーに参加する事になる」
翔太郎「ブルース・ウェイン?」
フィリップ「ゴッサムシティの大企業ウェイン・エンタープライズの筆頭株主で
 ゴッサム随一の大富豪だね」

照井からスケアクロウの情報を聞かされた翔太郎達は、照井やゴードンら
ゴッサム市警察と共に、襲撃されるであろうブルース・ウェイン主催のチャリティ・
パーティーに参加する事になる。

****パーティー会場****

チャリティ・パーティーが開かれるパーティー会場には、ゴッサムシティの
名だたる名士が参加していて、翔太郎とフィリップ、照井も場に合わせた
タキシードを着て参加する。

ゴードン「彼が主催者のブルース・ウェイン氏だ」
ブルース「ブルース・ウェインだ。君達が日本から来たという探偵だね?
 警備の方は、よろしく頼むよ」
翔太郎「左翔太郎です。こちらこそ、よろしくお願いします」
フィリップ「翔太郎の相棒をしているフィリップです。僕の方からも、
 よろしくお願いします」
ブルース「よろしく。では、他にも挨拶があるので。失礼」

翔太郎達は、ゴードンからパーティーの主催者であるブルース・ウェインを
紹介され、翔太郎達も挨拶をする。挨拶を交わした後、ブルースは
翔太郎達から離れる。

翔太郎「・・・・・・」
フィリップ「どうしたんだい、翔太郎?」
翔太郎「いや。どっかで会ったような気がするんだけどなあ・・・・・?」

翔太郎は何故か、ブルースと以前会ったような気がした。一方、ブルースは
挨拶を済ませると、パーティー会場を出る。

ブルース「・・・・(あれが左翔太郎とフィリップ。日本のヒーローである仮面ライダーの
 1人で、コードネームはダブル。ベルトのドライバーにガイアメモリを差しこむ事で、
 その姿を変え、メモリを付け替える事で様々な能力を使用可能・・・・ダブルに変身
 している時は、相棒のフィリップの意識が左翔太郎の中に転送されていて、実質
 2人で戦っているというが、まるでファイアストームだな・・・・)アルフレッド、
 スケアクロウの襲撃は?」
アルフレッド『今の所、異常はありません。ブルース様』
ブルース「引き続き、監視を頼む。私はパーティーの方に戻る」

実はブルース・ウェインこそ、ゴッサムシティを守るバットマンだった。
ブルースはコックローチ・ドーパントの事件の後、独自の情報網で
左翔太郎とフィリップを調査し、彼等が日本で戦う仮面ライダーダブル
という事を知る。そして執事であるアルフレッド・ペニーワースに、
スケアクロウの襲撃が無いか連絡を取った後、パーティー会場に戻った。

692ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:07:50
その後パーティーは順調に進み、そろそろお開きの時間となった。

翔太郎「・・・・・どうやら、パーティーは無事に終わりそうだな」
照井「だと良いが・・・・」

パーティーが無事に終わりそうなので、翔太郎は安心するが、照井は
なお警戒を続ける。その時、会場に異変が起きる。

パーティーの客A「うわぁぁぁぁぁ!!」
パーティーの客B「きゃぁぁぁぁぁ!!」
パーティーの客C「こ、来ないでくれぇぇぇぇ!!!」

突然、パーティーに参加していた客達は、悲鳴を上げて、何かに
怯え始める。この事態に会場内は大混乱に陥る。

翔太郎「ど、どうしたんだ!?」
ゴードン「スケアクロウだ!奴は恐怖ガスという武器で、吸った人の
 最も恐れる物の幻覚を見せるのだ」
照井「ついに来たか!」

ゴードンからスケアクロウの説明を受けていると、会場内にスケアクロウが
乱入。その姿は、実に不気味な案山子の恰好をしていた。

ゴードン「ゴッサム市警察だ!おとなしく投降しろ!!」
スケアクロウ「フフフフ。生憎だが、今の私は今までとは違うのだよ」

スケアクロウは不気味な笑いをすると、懐から変わった形のベルトと
USBメモリを取り出し、ベルトを腰に着ける。

翔太郎「あ、あのメモリは!」
照井「ま、まさか・・・・・」
フィリップ「間違いない!テラーメモリ・・・・・」

ガイアウィスパー@「テラー」

スケアクロウが手にしていたガイアメモリは、かつてミュージアムを
創設した園咲家の当主であり、フィリップの実の父親である園咲琉兵衛が
使用していたガイアメモリ―「恐怖」の記憶を内包したテラー・メモリだった。
ガイアメモリを起動させると、ベルトにテラー・メモリを装填する。
そしてスケアクロウの姿はテラー・ドーパントに変わるのであった。

テラー・ドーパント「ふん!」
ゴードン「ぬぉっ!」
照井「ゴードン本部長!」

テラー・ドーパントは、衝撃波を放ち、ゴードンや警備に来ていた
警官達を吹き飛ばし、壁に叩きつける。ゴードン達は叩きつけられ、
倒れてしまった。

照井「左、フィリップ!!」
翔太郎「分かっている!行くぜ、フィリップ」
フィリップ「ああ、翔太郎」

翔太郎、フィリップ、照井はそれぞれ仮面ライダーダブル、アクセルに
変身してテラー・ドーパントに立ち向かう。園咲琉兵衛の変身したテラー・
ドーパントに比べれば、それほど強くは無いが、それでも強力なドーパントに
変わりは無かった。

W(フィリップ)『まずは会場から、テラー・ドーパントを連れ出さないと』
W(翔太郎)「そうだな、フィリップ。だが、あのテラー・ドーパントは
 エネルギーを防御や瞬間移動に使う事が出来る。どうすれば・・・・」
テラー・ドーパント「フハハハハ!!この「恐怖」の名を冠したガイアメモリこそ
 私が使うのに相応しい。さぁ、お前達も私を恐れるのだ!」

テラー・ドーパントの強力な能力に苦戦するダブルとアクセル。だが、
突然パーティー会場の窓が割れると、そこからワイヤーが現れ、
テラー・ドーパントを巻きつけ、外に引きずり出す。

W(翔太郎)「一体、どうしたんだ!?」
アクセル「あれは・・・・」

693ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:09:05
外に出ると、そこには黒いマシンからワイヤーが出ていて、
テラー・ドーパントを捕えていた。

W(翔太郎)「何だ、あの黒いマシンは!?」
アクセル「資料で見た事がある。バットマンの乗るマシンで、
 バットモービルっていう奴だ!」
バットマン「・・・・こういう事があるだろうと、ワイヤー機能を付けたが
 上手くいったようだな」

バットマンのマシンであるバットモービルからバットマンが降りてくる。
ワイヤーで捕まったテラー・ドーパントは身動きがとれない。

テラー・ドーパント「くっ・・・・せっかく、この力を手に入れたのだ。
 このまま終わる訳にはいかん!」

テラー・ドーパントは助かろうと、頭部の飾りから分身体である
テラー・ドラゴンを呼び出して、バットモービルを攻撃。ワイヤーも
解け、テラー・ドーパントは身動きが取れるようになる。

バットマン「何!」
W(翔太郎)「バットモービルが・・・・!」
テラー・ドーパント「ハハハハハ!やったぞ。さぁ、お前達覚悟を・・・
 ううぅ・・・・・・」

自由の身になるテラー・ドーパントだが、突如苦しみだす。それに
呼応するかのように、テラー・ドラゴンが見境なく暴れ始める。

アクセル「様子がおかしい・・・・?」
W(フィリップ)『そうか!テラー・メモリは強力なガイアメモリ。
 テラー・ドラゴンも呼び出した事で、ベルトでも制御が出来ず、
 能力が暴走してし始めたんだ』
W(翔太郎)「何だって!?」

ガイアメモリの力が暴走し、テラー・ドラゴンは周囲を見境なく
攻撃した後、パーティー会場の外へと飛び立つ。そして本体の
テラー・ドーパントも、テラーフィールドを用いた能力は使用出来ない
ものの、暴れ始める。

バットマン「・・・・仮面ライダーダブル、そしてアクセル。お前達ならば、
 ドーパントになったスケアクロウや、あの飛び去った怪物を
 止められるか?」
アクセル「俺に質問・・・・いや、今はそういう場合ではないな」
W(翔太郎)「ああ、俺達なら止められる。いや、止めてみせるぜ!」
バットマン「・・・・そうか。ならば協力を頼む。アクセルはスケアクロウを
 ダブルは俺と一緒に飛び去った怪物の方を追跡だ」
アクセル「了解した!」
W(翔太郎)「任せろ!」

バットマンからの提案を受け入れ、アクセルはテラー・ドーパントを、
Wはバットマンと共にテラー・ドラゴンを追跡する事になった。
バットマンは通信で小型戦闘機であるバットウィングを呼び出して
乗り込み、ダブルもバットウィングの上に乗って飛び立つ。

694ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 18:58:41

テラー・ドーパント「うう・・・・・」
アクセル「園咲琉兵衛ならば、より苦戦しただろうが、これで
 貴様を倒す!」

“TRIAL”

アクセルはトライアルメモリをアクセルドライバーに装填すると、
アクセルのボディは赤から黄、青に変わりアクセルトライアルへと
変身する。

アクセル「行くぞぉぉ!」

アクセルは超スピードでテラー・ドーパントを蹴り続け、必殺の
「マシンガンスパイク」を発動させる。

アクセル「9・5秒・・・・これが、お前の絶望までのタイムだ!」
テラー・ドーパント「ぐわぁぁぁぁぁ」

マシンガンスパイクを受けたテラー・ドーパントの変身は解け、
元のスケアクロウに戻り、排出されたテラー・メモリは砕け散った。

アクセル「後は頼んだぞ。左、フィリップ、バットマン・・・・・」

****ゴッサムシティ上空****

一方、ゴッサムシティ上空ではビルを攻撃しながら飛び続けるテラー・ドラゴンを
バットウィングでバットマンとダブルが追跡し、バットマンはバットウィングで
搭載されているミサイルで攻撃を行う。

W(フィリップ)『翔太郎。テラー・ドラゴンの力が大分、弱ってきている。
 本体の方がやられた影響かもしれない』
W(翔太郎)「だったら、今が倒すのに良いって事だな!」
W(フィリップ)「なら、アレだね」

ダブルの所に鳥の様なロボットが現れる。鳥に似た姿を持つ
ガイアメモリ、エクストリームメモリである。

“XTREME”

エクストリームメモリはダブルドライバーに装着され、起動すると
ダブルの姿は最強フォームであるサイクロンジョーカーエクストリームに
変わる。

バットマン「あれが、ダブルの最強の姿・・・・」
W(翔太郎)「バットマン!もう少し、テラー・ドラゴンに近づく事は
 出来ねえか」
W(フィリップ)『後は、僕達に任せてくれ』
バットマン「了解した」

バットマンはバットウィングを加速させ、テラー・ドラゴンに近づく。

“XTREME MAXIMAMDRIVE”

W「「ダブルエクストリーム!」」

エクストリームメモリのマキシマムドライブが発動し、ダブルは
バットウィングから飛び出すと、ドロップキックを決める。
ダブルエクストリームを受けたテラー・ドラゴンは、そのまま消滅した。

バットマン「・・・・(あれが仮面ライダーダブルか)」

バットマンはダブルの活躍を見届け、バットウィングで回収すると、
パーティー会場に戻る。

****パーティー会場****

翔太郎「バットマン。同じ町を守るヒーローとして、共に戦う事が出来て
 よかったぜ」
バットマン「・・・・・あれを倒すのに、お前達の力が必要だと理解したから
 協力を要請したまでだ。・・・・では、失礼する」

ダブルから翔太郎とフィリップに戻り、バットマンに礼を言うが、
バットマンは素っ気ない態度を取り、バットウィングで、何処かへと
去ってしまう。

翔太郎「何だよ。素気ねえなあ」
フィリップ「バットマン・・・・ダークナイト、ゴッサムの守護騎士と呼ばれる
 ゴッサムシティのヒーロー。翔太郎の様なタイプの人間は苦手なの 
 かもしれない」
翔太郎「「どういう意味だ?」

その後、スケアクロウはゴッサム市警察によって引き渡され、
犯罪者が収容されるアーカムアサイラムに送られ、恐怖に
陥った人々は、無事精神が安定して家に帰された。
また、今回の件で財団Xはゴッサムシティを撤退し、ゴッサムシティでの
ドーパント犯罪も収束されるだろうと思われる。事態が落ち着くと、
翔太郎達は風都に帰るのであった。空港には、ブルースやゴードンが
見送りに来る。

ゴードン「今回の事件、君達の活躍で解決する事が出来た。市民を代表して
 礼を言う」
翔太郎「いや、俺達は探偵として、仮面ライダーとして町を守っただけだ」
ブルース「今度は、是非観光でゴッサムに来てくれ。歓迎するよ」
フィリップ「ええ。その時は是非・・・・・あなたもバットマンとして頑張って下さい」ボソ
ブルース「―!君は・・・・」
フィリップ「ふふっ」

フィリップは、ブルースにそっと小声でバットマンの事を話し、ブルースはあまり
表情には出さないが動揺する。そして翔太郎とフィリップ、照井は風都に
戻るのであった。

695ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/13(水) 09:51:52
≪心ある者たち その後の展開≫

***東京湾岸 メガロシティ中央地区・メガロビル***
***ブルーリサーチ・オフィス 社長室***

ある日、ブレイバーズの協力企業である情報調査会社ブルーリサーチでは、
所属調査員である七瀬修と吉村遥香の2人が社長室に呼び出されていた。

修「社長、何か新たな任務ですか?」
シグ「まずはこの写真を見てください」

シグは修と遥香に、一人の男が映った一枚の写真を差し出す。
その写真の男の顔を見て、「おやっ?」と思う修と遥香。

遥香「なんだかどこかで見たような顔……」
修「――って!…これって髭を剃ったら社長そっくりじゃないですか!?」

修の指摘通り、今のシグは髭を生やしているが、
その髭を綺麗サッパリ剃り落したとしたら、
写真の男はシグに瓜二つだったのである。

すみれ「いいえ、その写真の男はシグではないわ」
シグ「ハハハ…私も彼の顔写真を初めて見た時は驚きましたがね」
遥香「生き別れの双子のご兄弟……とかではないんですよね?(汗」
シグ「今から説明します」

写真に写っている男の名前は、麻生勝という。
まだブレイバーズが正式発足するよりも以前のこと…。
警視庁のブレイブポリスとソルブレインが、都内で発生していた連続金属窃盗事件を
合同捜査していた際に、捜査線上に浮上した人物だ。
その後の調査で、彼、麻生勝は仮面ライダーの一人「ZO」であることが判明している。

シグ「ところが、現在ブレイバーズと協力関係にある他の仮面ライダーの中に、
 変身前の姿の彼と面識のある者は一人もいません」
遥香「え〜〜〜〜っ!!?」

意外な話に驚く遥香。それは無理もない話であった。具体的な例を挙げると、
これまで何度も共闘を重ねて来た経験のある仮面ライダーXと仮面ライダーファイズでさえ、
神敬介と乾巧として知り合ったのは、実はごくつい最近の出来事だったりする…。

遥香「仮面ライダー組合とかってないんですか?」
修「ねーよそんなの!」
すみれ「その麻生勝らしき人物が、最近A市で頻繁に目撃されている
 という情報が入ったの」

A市とは、全宇宙ヒーロー協会の地球支部が置かれている都市である。
宇宙盗賊団の攻撃により壊滅状態に陥ったが、現在は復興途上の最中にある。

修「ヒーロー協会のお膝元か…。まさに身を隠すには打ってつけの場所ですね」
シグ「今回の君たちの任務ですが、麻生勝の所在と安否の確認をお願いします」
修「所在と安否の確認だけですか?」
シグ「そうです。あくまで彼の所在確認だけです。
 仮に本人が拒んだとして、強制的に身柄確保までする必要はありません。
 もし例の連続金属窃盗事件について事情聴取の必要があるならば、
 そこから先は民間企業の我々ではなく警察の仕事になりますから」
修「了解しました!」
遥香「任せてください♪」

こうして七瀬修と吉村遥香の新米調査員コンビは、
ヒーロー協会が本部要塞を構えているA市へと乗り込む事になるのだが、
果たして麻生勝の行方を探しだす事はできるのであろうか?

696ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/13(水) 12:24:47
<<地上最強のメカ>>

***南極・ネオグラード***

ドクターマン率いる新帝国ギアの本拠地である南極の基地、ネオグラード。
支配者であるドクターマンの前には、自身の息子、影山秀一を似せて
作りだしたメカ、プリンスが頭を垂れていた。その後ろにはジューノイド五獣士
であるメッサージュウとアクアイガーが同じように頭を垂れていた。

ドクターマン「面を上げよ、プリンス。お前は我が新帝国ギアの世紀王候補。
 その為、お前こそが優秀なメカであると証明しなければならない!」
プリンス「ならば、最近ブレイバーズの一員になったというシグフェルの討伐を
 ご命令下さい。必ずや始末してみせます!」
アクアイガー「我々にも、出撃のご命令を!」
メッサージュウ「一度は廃棄された我ら2体。しかし黄泉還り、再びドクターマンの
 配下に加えていただき、ありがたき幸せ。新たに強化された力でお役に
 立ってみせます!」

プリンスは、ドクターマンにシグフェル討伐を願い出る。後ろに控える
メッサージュウ、アクアイガーも、以前メタルメガスの無差別砲撃によって
損傷し、そのまま廃棄されたが、黄泉還り現象で再生者となり、ドクターマンに
よって、新たに強化改造されたので、その力を振るおうと同じく出撃を願い出る
のであった。

ドクターマン「確かに、シグフェルはGショッカー・・・・ギアにとって障害となる
 存在だ。だが、その前にプリンスには、この地球において最強と名高い
 メカを倒し、誰よりも優秀なメカであると証明せよ。その為に、こ奴らと
 戦うのだ!」

ドクターマンはモニターを操作すると、画面に様々なロボットやサイボーグが
映し出される。

ドクターマン「ヒーロー協会に所属するS級14位のサイボーグ・ヒーロー
 【鬼サイボーグ】、神にも悪魔にも成り得る力を秘めたスーパーロボット、
 【マジンガーZ】、そして世界最高の技術を結集して作りだされた10万馬力の
 ロボット、【アトム】・・・・奴らに勝利するのだ!」
プリンス、メッサージュウ、アクアイガー「フォア・ザ・マン!」
                        「オブ・ザ・マン!」
                        「バイ・ザ・マン!」

狙われたアトム達の運命や如何に!?

697凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/19(火) 18:22:10
≪アセーリア編・オリジナルキャラクター案≫

●ウルヤーヴ=バイコーンオルフェノク
メルヴィオン聖王国とサラジア共和国との戦争の陰で暗躍する、
ラウール王子、そして地球の牧村光平とそっくりな姿をした謎の青年。
ホースオルフェノクの額に鋭い二本の角を生やしたような、
バイコーン(二角獣)型のオルフェノクに変身する。
「ラウールは自分を殺害して擬態し入れ替わったワームである。
 自分こそが実は本物のラウールであり、
 ワームに殺されたが死後オルフェノクとして覚醒し復活した」と語り、
スマートブレインを筆頭とするGショッカーの後ろ盾を得ながら、
メルヴィオンの正統な王子として王位継承権を主張するが…。

●モルゲグ・ヒルガノス=ベルゼブブオルフェノク
メルヴィオン聖王国の大貴族ヒルガノス家の当主。
将来、ラウール王子が成長した暁には彼の娘をラウールに娶らせ、
王家の外戚となる事が約束されていたが、
ある時、かつて犯した「ある重大な罪」が明るみに出て、
国王アディラス16世の逆鱗に触れ、縁組の件は取り消し、
改易の上死罪となって毒杯を仰ぎ自死させられた。
しかし死後、何とオルフェノクに覚醒して復活、
蝿のような悪魔の化身ベルゼブブオルフェノクとなって密かに生き続けていた。
同じオルフェノクであるウルヤーヴの側近として仕え、彼の王位奪取に助力する。
なお彼が犯した「罪」の具体的内容は王家の最高機密として厳重に秘匿されており、
本人も固く口を閉ざして語ろうとしないが、
どうやらウルヤーヴも知らないラウールの出生の「本当の秘密」と関係があるらしい…。

698凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/24(日) 20:16:38
≪野望! ホディールの乱≫

サラジア共和国との戦争に勝利し、
王都ネクナールを見事奪還したラウール王子は、
晴れてメルヴィオン聖王国の国王に即位。
こうして救国の英雄となった若き君主の下で新たな国作りがスタートした。

ナレイン「本日は王宮にてフランス、ブラジル、エジプト、
 アダブ、オーブ、マリネラの首脳と順にご会談の日程です。
 夜にはインパラヘンの皇太子バトゥラ17世殿下とご会食、
 それが済みましたら旋風寺コンツェルンの総帥殿とお会いいただき、
 大陸横断鉄道の建設について陛下のご裁可を賜りたく」
ラウール「忙しいな…。休む暇もないや」

地球各国と国交を開いた途端、
ラウールは地球から殺到する各国政府や企業・団体のVIPとの会談に追われる事となった。
豊富な天然資源が手つかずで眠っており、
近代的開発もまだほとんどされていないメルヴィオンは、
地球から見ればまさに巨大な利権の塊。
これを黙って放っておく地球サイドではなかったのである。

ナレイン「地球各国の関係者が、陛下ではなく、
 領主などの有力者に個別に接触するという例も増えているようです。
 不埒者が国外勢力と結びつき、地球の優れた科学力を独自に取り入れて
 陛下に反旗を翻すような事があっては一大事。
 こうした動きは厳しく規制すべきでしょう」
ラウール「それに、領内の天然資源を
 勝手に安く売って密貿易で私腹を肥やしている領主も多いようだ。
 今すぐはまだ使い道のないものでも、
 将来的には貴重な国の宝になる可能性があるんだ。
 油田などは王家の直轄領にして、資源の流出に手を打たないと…」

近代的産業がまだ発達しておらず、
石油やウランなどの国内での利用価値が現状ゼロに等しいメルヴィオンでは、
「ゴミを売ったら換金してくれる」くらいの認識で、地球での相場も知らないまま、
目先のはした金欲しさにそれらの資源を安く地球人に買い叩かれてしまう領主も多かった。
一度、地球を訪れてそれらの資源に支えられた地球の高度な文明を目にしているラウールとしては、
資源の国有化を急いで未来の礎となる財産を確保し、
埋蔵量を把握しながら然るべき価格で地球へ輸出するよう国が管理する方針だが、
これは当然ながら、領内の資源を自前で売って儲けていた領主と、
それまで彼らからあり得ないほどの安価で資源を買えていた地球側の反発を買った。

菊之丞「メルヴィオンの新国王とやら、
 前近代社会の人間でしかもまだ若いながら、
 石油資源の価値を認識しているなどなかなか侮れぬところがある。
 もう少し未開人らしく無知蒙昧でいてくれた方が、
 こちらとしてはありがたいのだが…」

ラウールが領主の私貿易を取り締まり、
石油価格を相応の値まで引き上げ始めたのを見て、
日本の天童菊之丞などの勢力は不快感を示す。
地球の資源事情に関しても一応それなりに思考が付いて来れるこのような開明君主よりも、
訳が分からないままビタ一文で資源を売り払ってしまう認識不足な支配者に
メルヴィオンを治めてもらった方が地球側としては都合が良い。

菊之丞「それに、地球の技術を取り入れて富国強兵を成し遂げたメルヴィオンが、
 必ずしも地球や我が日本に対して友好的であり続けるという保証はない。
 今は〝日本から多くを学びたい″などとかわいらしく尻尾を振っておるが、
 やがて対等の力を持つようになれば対等に物を言うようになり、
 場合によっては、授けてやったその力をこちらに向けてくるという事もあり得ようぞ」

かつて他ならぬ日本が欧米諸国から近代化を学んで力をつけ、
その力を日露戦争や太平洋戦争で欧米諸国に向けて使ったように、
メルヴィオンも将来、近代化して力を持った上で日本に楯突くようになる…。
飼い犬に手を噛まれる事態を憂慮した菊之丞は、
その芽を今から摘んでおこうと考えた。

699凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/24(日) 20:18:44
リムアリーシャ「メアーツァの都市建設に必要な資材として、
 メルヴィオン国内の山からの石材の切り出しを許可していただきたいのですが」
キクマル「承知いたした。
 国王陛下にしかと取り次ぎ、ご裁可を賜りますゆえしばしお待ち下され」

サラジアとの戦争に異世界から軍を派遣して参戦し、
ラウールの勝利に多大な貢献をしたパルス、ブリューヌ、ジスタートの三王国は、
戦後もメルヴィオンとは友好関係を維持し、活発な国交を行なっていた。
共闘の見返りとして、彼らはアセーリアと自分達の世界を繋ぐ
「門(=固定時空クレバス)」周辺の土地をメルヴィオンから租借し、
貿易拠点となる都市をそこに築いて入植を進める。

リーザ「瞳の色は違っても、見える景色は変わらない…!」

ジスタートに租借されたメアーツァの地は、ジスタートを構成する七つの公国のうち、
サラジアとの戦いで主力として活躍したライトメリッツ公国とオルミュッツ公国が
共同管理という形で治める事となった。
大激戦だった対サラジア戦役を戦い抜いた恩賞とはいえ、
この二公国が事実上アセーリアの権益を独占してしまった格好である。
ルヴーシュ公国の公主であるリーザことエリザヴェータ・フォミナはこれに不満を抱き、
メルヴィオンの利権をルヴーシュのものにしようと画策する。

リーザ「エレオノーラはメルヴィオンの王に肩入れしすぎですわ。
 もし私にお任せ下されば、あの国の者達を徹底的に利用し、
 陛下のためにメルヴィオンから今の何倍もの利得を引き出してご覧に入れます」
ヴィクトール王「良かろう。やってみよ。
 成功すればメアーツァの支配権はそちに与えよう」

ジスタートの国王から内密に許しを得たリーザは、メアーツァのすぐ隣に所領を持つ、
ホディールという新興のメルヴィオン貴族に目を付け、貢物を贈って接近する。
ホディールはかつてアルスラーンを傀儡君主に仕立て上げようとして失敗し、
アルスラーンの暗殺を謀ったが失敗し殺されたパルスの諸侯で、
戦後になってアセーリアで黄泉がえり、ラウールに登用されて一領主として封じられていた。

ダリューン「ホディールという男は欲深い奸臣。
 今度も何を企んでいるか分かったものではありませんぞ」
ラウール「そうは言っても、
 今更理由もなく改易や減封もできないからなあ…」

ホディールは要注意人物であると、
彼が登用されたのを知ったアルスラーン側からラウールに忠告が入ったが、
既に領主に任命してしまった以上、メルヴィオンではまだ何の咎もないのに
いきなり取り潰しにするわけにも行かない。

ホディール「ケツの青い若造どもめ。
 新しい国作りだなどと意気込んでいるが、
 お前らはただ黙ってわしの言う事を聞いておれば良いのだ」

ホディールの狙いは、政変を起こして自分が政権中枢に入るのをラウールに認めさせ、
ラウールを操り人形にして国政を意のままに牛耳る事である。
ラウールといい、宰相に任じられたナレイン・レンドルフといい、
国外の同盟者としてラウールの後ろ盾となっているアルスラーンや
エレオノーラ・ヴィルターリアやリュドミラ・ルリエといい、
現政権を支える主力メンバーはまだ20歳前後の若者ばかり。
老獪なホディールからすればどうとでもなるひよっ子達にしか見えない。

ホディール「石油とかいう汚い泥水のようなものをくれてやるだけで、
 地球人はいくらでも強力な武器を密輸してくれる。
 わしが政権を掌握する日も近いぞ。ヒヒヒ…」

ホディールが政権を握った暁には、日本への資源輸出の価格を大幅に値下げし、
ジスタートにも大量の利権を提供するという条件で、
ホディールは天童とリーザの支持を取り付けクーデターの計画を進めていた。
天童は地球製の武器を密輸し、リーザもいつでも援軍を送れるようスタンバイしている。
果たして、ホディールの乱は成功するのであろうか…?

700ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:30:03
>>698-699追加
メルヴィオン王国の王都ネクナールでは、
ホディールの画策によって若き新任の宰相ナレイン・レンドルフに対して
不行跡の疑惑がでっち上げられ、彼は窮地に立たされる。
メルヴィオン王国内ての政情の雲行きが怪しくなってきたのを察知した
地球連邦外務次官のリリーナ・ドーリアンと、その命を受けたレディアン部長以下
連邦諜報部プリベンターの面々が動き出す。

レディアン「ヒイロたちの調べた結果、どうやら背後に
 忍者が動いている形跡が…」
リリーナ「やはり…」

ホディールの背後に動く天童の影を見たリリーナは、
善後策を協議すべく急遽来日して江田島平八と極秘に会談する。

今、ブレイバーズは来るべきGショッカーとの決戦準備に追われ、
異世界アセーリアにまではなかなか人手を回せない状況にあったが、
ある日の学校からの下校中、牧村光平は天童の放った刺客・蛭子影胤に襲われる。
窮地に陥ったところを、たまたま駆けつけた里見蓮太郎に救われるが…。

光平「ハァ…助かったよ蓮太郎」
蓮太郎「なんで今更、天童が光平の命を狙う…?」

蛭子とは以前に一度敵対、そして一度共闘したこともある蓮太郎は、
千坂朱音が牧村光平監視の任を解かれた今、
かつて蛭子の雇い主が天童菊之丞であったことを思い出し不審に思う。


***天童菊之丞邸・茶室***

菊之丞「…仕損じたか」
蛭子「なれどあと一歩のところまで追い詰めました。次は必ず」
菊之丞「そうでなければならん。次回は必ず殺せ」
蛭子「心得ました」
菊之丞「リリーナ・ドーリアンと江田島平八は無論、天凰輝シグフェルも
 天童にとって容易ならぬ敵じゃ。絡めてからも討ち取らねばならぬ」

ホディールのクーデター計画を密かに後押しする菊之丞は、
ラウールと瓜二つの光平がこの一件を嗅ぎ付けた場合、
必ずラウールの味方をすべく動き出すに違いないと読んでいた。

海防大学付属高校には現在、メルヴィオンからの関係者が数人留学している。
光平の性格から考えて、困っている者の窮状を見過ごすことはできないはず…。
そのために邪魔になりそうな天凰輝シグフェルを、
まずは先手を打って一番に消しにかかったのである。

701ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:30:33
***今津博堂邸***

以前に茅野カエデを拉致して証人として利用し、剣桃太郎を失脚させようとした陰謀が失敗し、
今も宮中から遠ざけられている形の菊之丞はその足で、覇王黒龍会総裁・今津博堂の屋敷を訪れる。
今津博堂は日本政財界を牛耳る大政商にして、日本保守派の首領と呼ばれている老人である。
失脚してしばらく中東に身を寄せていた博堂だが、密かに日本に舞い戻っていた。

博堂「天童殿、お手を上げられよ。曽根屋・和泉両政権時代には
 わしでさえ近づき難かった天童殿が、いったい何の御用かな?」
菊之丞「博堂殿は、我が国の歴代政権を支えた後見人にして、
 天下の元老に数えられるお一人。まさしく権勢並びなき御仁」
博堂「フン、世辞か…」

その博堂も、財前丈太郎との長い死闘の末に敗れて隠居同然の身の上であるが、
今も政財界に対する多大な影響力を保持している。

菊之丞「とは申せ、博堂殿にも悩みがないわけではありますまい。
 一つは国家の財政、近年逼迫の度を越えておること。そしてもう一つは、
 民心の人望高いことをよい事に、いつの日か日本の掌握を狙う者たちの存在…」
博堂「天童殿!」

菊之丞の言う「民心の人望高いことをよい事に、日本の掌握を狙う者たちの存在」とは、
言うまでもなくブレイバーズのヒーローたちのことである。

菊之丞「博堂殿、国家財政に潤いを与え、野にあって日本の体制を転覆しうる
 危険分子をこの機に力で抑え付ける。これができれば我が国の未来にとって
 これほどの喜びはございますまい」
博堂「…できるかな?」
菊之丞「もしも江田島平八の息のかかった者共を日本の中枢より全て退け、
 博堂殿が復権なされた暁には、以後国政に関わりますことは
 全てこの菊之丞にご相談いただけますかな?」
博堂「それがわしを訪れた理由か…」
菊之丞「聖天子様の御世ご安泰の方策は、それしかございませぬゆえ…」
博堂「ハハハハッ…策士で聞こえたその方がどのような手を打つか、
 それが見ものじゃのう」


***天童の隠れ里***

光平が蛭子に襲われたことを知った千坂朱音は、関東地方はずれにある天童の庄を訪れる。
茅葺屋根の庵には、天童家の最長老にして天童式武術開祖、
天童木更の曽祖父にして木更と里見蓮太郎の師――天童助喜与が身を寄せていた。
齢120歳の怪物である。

朱音「長老、お久しぶりでございます」
助喜与「朱音…千坂朱音ではないか?」
朱音「長老にはご健勝の様子にて、何よりにございます」
助喜与「用件を申せ。訳も無しにこの隠れ里まで
 わしのような老いぼれに会いに来るはずもなかろう」
朱音「菊之丞様の昨今の動きについて、長老には何かご存知ではございませんか?
 特に以前、菊之丞様に雇われていた蛭子影胤との関わり――」
助喜与「朱音、その方、菊之丞を裏切りブレイバーズの側についたこと、
 わしが知らぬとでも思うてか? たわけッ!!」

助喜与は朱音を一喝。しかしそれでも朱音は一歩も怯まない。

朱音「長老、わたしが何故ブレイバーズの側についたか、一度でも考えたことがおありですか?
 抜け忍と呼ばれ、裏切り者として終生命を狙われ続けることを覚悟の上で、
 私はブレイバーズのもとへ走りました。
 長老、この私を斬って捨て、天童のお家に義理を果たす気力が
 今の貴方におありですか?」
助喜与「……(こやつ、言いおるわい)」

じっと睨み合いながらながら、対峙する助喜与と朱音…。

702ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:31:15
翌日…。

***聖居・宮中廊下***

廊下ですれ違う内閣総理大臣・剣桃太郎と天童菊之丞。

菊之丞「剣総理にはメルヴィオンのレンドルフ宰相にまつわる
 不行跡の噂、全て根も葉もないことと言われるか?」
桃太郎「さよう。それが本当らしく見えるのは、
 裏にジスタートのルヴーシュ公国による卑劣な暗躍がある。
 そしてその筋書きを書いているのはどこのどなたか、
 今更申し上げるまでもない」
菊之丞「それでその"どこのどなたか"が目指しているものとは?」
桃太郎「日本とメルヴィオンの間での不平等条約の調印締結。違いますかな…?」
菊之丞「………」
桃太郎「我が国にとって極端に有利な通商条約が結ばれ、
 メルヴィオンの地下資源のほとんどが日本の物となれば、
 我が国の経済にとってまたとない実りの時を迎えましょう。
 おそらくはその"何者か"も、その手柄によってまた…」
菊之丞「…で、この菊之丞にどうせよと仰せなのですかな?」
桃太郎「レンドルフ宰相は潔白であるとの証を頂きたい」
菊之丞「それには少し遅すぎたようですな」
桃太郎「なにっ…?」
菊之丞「大勢は決しましたぞ剣総理。
 すでにナレイン・レンドルフは自邸にて謹慎。
 二日後には宰相解任を命じる上使が差し向けられるはず。
 きっと今頃は、現地からの打電を受け取った外務省から
 官邸の方にも第一報が届いている頃合ではありませぬかな」
桃太郎「――なんと!?」

愕然とする桃太郎。今回は完全に菊之丞の後手に回った。

菊之丞「もっとも二日後までの間にレンドルフ宰相が潔白であるという
 証拠が掴めれば、話は別にございますがな…」
桃太郎「その証拠とやら、必ず掴んで見せるぜ!」


***天童菊之丞邸・茶室***

配下の忍び「では御前!?」
菊之丞「あえて二日の猶予を与えたのも、あの男を焦らせるためじゃ。
 よいな、その機に乗じて剣桃太郎の動きを封じろ」

更なる罠を仕掛けるため、配下の忍者に指示を下す菊之丞。

703ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:34:08
天童の画策によって剣政権を揺るがす一大スキャンダルが持ち上がり、
剣桃太郎は身動きが取れなくなる。この機に内閣から外交権を奪い取った菊之丞は、
さらに牧村光平をも冤罪の罠に嵌めて逃亡者の立場へと追い込む。
ついに天童菊之丞邸にリリーナ・ドーリアンが自ら乗り込んだ。

菊之丞「ドーリアン外務次官殿にはご機嫌麗しいご様子にて――」
リリーナ「天童閣下、なぜです? なぜこのような無慈悲なことを!?」
菊之丞「無慈悲とは…?」
リリーナ「メルヴィオンのナレイン・レンドルフ宰相や剣総理をも陥れて
 相手国に不平等条約の調印を迫り、今はまた牧村光平君までも!
 罪なき者に罪をかぶせて、貴方はいったい何が楽しいのです!?」
菊之丞「外務次官殿には、この菊之丞がさような画策をしたという
 証拠をお持ちなのですかな?」
リリーナ「知れたこと。直ちに貴方の罪を認め、全てを明らかにしないと、
 プリベンターが調べ上げた調査結果を世界に公表します」
菊之丞「お言葉ながら外務次官殿、大勢はすでに決しております。
 まもなく日本とメルヴィオンとの間には修好通商条約が結ばれ、
 剣内閣は退陣。そして天凰輝シグフェルも危険な乱心者として
 射殺されることになりましょう。これ以上の連邦政府のご介入は
 謹んで頂きたい」
リリーナ「天童補佐官、貴方という人は…!」

果たして剣桃太郎、リリーナ、牧村光平、
そしてメルヴィオンにいるラウールとナレインは
この絶体絶命の窮地から大逆転はできるのか!?

704ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 12:14:33
≪野望! ホディールの乱 終章≫

若き宰相ナレインのあっと驚く奇策と、
その他関係者や仲間たちの尽力によって形勢は逆転。
メルヴィオン王国の政治危機は去った。

深夜のホディール邸に急遽集まる悪の一味…。

ホディール「なにっ!? 日本やルヴーシュ公国との
 条約締結は取りやめだと!?」
蛭子「ナレイン・レンドルフ失脚のための工作は
 元々一切存在せず。今後ともさよう心得よとのことだ」
ホディール「そんなバカなっ! 事成就の暁には
 わしを新宰相に取り立てるとの約束はどうなる!」
蛭子「さて問題はそこだ。我等が事を明るみに出す気遣いはないが、
 されば気がかりなのはホディール卿、貴方のみだ」
ホディール「…?」
天童忍者A「お分かりでございましょう。
 今や貴方様は我等天童にとって目の上の瘤にございます」

ホディールの周囲を、刀を抜いた天童忍者たちが一斉に取り囲む。
ホディールの口を塞ぐつもりだ。

ホディール「き、貴様ら! わしを散々利用した挙句に
 斬るつもりか!?」


***今津博堂邸***

企みが失敗に終わり、来邸した菊之丞を前にして
甚く落胆している今津博堂。

博堂「いやぁこの度の事は高くついたのぉ…。
 とどのつまり、わしにもおぬしにとっても
 得た物は何もない…」
菊之丞「いや、それがしには大きな実入りがありましたぞ。
 博堂殿がもはやこの菊之丞を無視できなくなったことだ」

今の菊之丞の言葉に、博堂は顔をしかめる。

博堂「菊之丞、何か勘違いをしてはおらんか?
 わしは貴様の返り咲きまで手を貸すなどと
 約束した覚えはない。ましてや今回のような
 醜態を見せられたからには尚更じゃ!」
菊之丞「さて、その醜態を密かに後押しされたのは、
 どこのどなた様でしたかな?」
博堂「なにっ…?」
菊之丞「もしこの度の一件の真相を
 私の口から一言でも漏らせば、ご貴殿は
 詰め腹を切らねばなりますまい」
博堂「貴様…最初からそのつもりだったのか!」
菊之丞「まあもちつもたれず、末永くお付き合いを願いますかな? 博堂殿」
博堂「………」

菊之丞は氷のように無表情だったが、その両目は明らかに笑っていた。
謀られたと思って地団駄を踏んでもすでに遅し。こうして今津博堂は
天童に政治的にパラサイト(寄生)されることになったのである。

705ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/03(火) 12:19:02
≪野望! ホディールの乱 逆転劇の真相≫
>>703と704の間の出来事

ナレイン「ラウール陛下にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかぬ…」

一度は事が大きくなる前に自害を考えたナレインだが、
万一を心配したナルサスの命を受けて見張っていたエラムが
間一髪で止めに入る。

エラム「ナレイン様、早まってはなりません!
 今ナルサス様も地球のブレイバーズも懸命に
 ナレイン様の無実を証明するために走り回っています。
 決して希望をお捨てになられませぬよう」
ナレイン「エラム殿…」

一方その頃、地球では、東京での滞在先のホテルでリリーナが
メルヴィオンを救うために大胆な策を実行に移す覚悟を固めていた。
それは自分の政治生命が失われることを意味していた。

リリーナ「そう…わたくしにもそれならできる。それなら……」

リリーナは一通の書簡をしたためて血判を押し、それをヒイロ・ユイに託す。
書簡の中に目を通したヒイロは愕然とする。

ヒイロ「リリーナ、これは…!?」
リリーナ「これを使ってくださるよう、レンドルフ宰相に伝えてください」
ヒイロ「…いいんだな?」
リリーナ「今は一刻も早く!」

リリーナから書簡を受け取ったヒイロたちは、これをどうやって
時空を超えてアセーリアまで届けるか相談する。

デュオ「お姫様もここまでやるかねえ…」
トロワ「だが問題はこれをどうやってメルヴィオンの王都まで届ける?
 日本国内からアセーリアに繋がるゲートは、ほぼ全て天童に抑えられている。
 今からでは海外からのゲートに行っている余裕はないぞ」
光平「なら俺が行く。シグフェルの光速スピードなら
 海外からのゲートでも間に合うはずだ」
カトル「光平さん…」
ヒイロ「では俺もウイングゼロで援護する」
光平「ありがとう」

天凰輝シグフェルとヒイロの駆るウイングガンダムゼロカスタムは、
天童の包囲網を突破して異世界アセーリアへと辿り着くことに成功する。

706ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/03(火) 12:19:38
ナレイン「リリーナ殿は、この私のためにここまで…!」

リリーナの志を確かに受け取ったナレインは感激し、
書簡を胸にネクナール城へと乗り込む。

ナレイン「ナレイン・レンドルフ、急用あって罷り通る!」
リーザ「謹慎の身の貴方様がこの場に出席される資格はないはずですわ。
 お引取り頂きましょう」
ナレイン「王都において乱行狼藉に及んでいたのは私ではない。
 地球連邦のリリーナ・ドーリアン外務次官である!」

ナレインの口から誰も予想していなかった爆弾発言が飛び出し、
外交顧問として同席していたリーザも含めてその場が騒然となる。

ラウール「ナレイン、それはまことか?」
リーザ「そんなバカな! 信じられませんわ」
ホディール「仮にも地球連邦政府の要職にあるリリーナ殿が
 そのような所業をなされるはずが…!」
ナレイン「確かに、一国を代表して外交を司る者にあるまじき所業の数々。
 できうればリリーナ殿も隠し果せておきたかった。しかしその疑いが
 友好国の政府高官にかかっては、もはや黙ってはおられず。
 先ほど当屋敷に使いの方が見えられ、私に対して正式に謝罪された」
リーザ「せっかくですがレンドルフ卿、そのような話を
 信じるわけにはいきませんわ」
ナレイン「その全ての所業、リリーナ殿にはこの書状に記されております。
 方々、ご覧くだされたい」

リリーナの書簡に目を通すラウールと重臣たち。

ラウール「確かにこれはドーリアン外務次官の直筆のようだ」
ホディール「いや、これは偽りの書に違いない!
 この血判にしてもまたしかり! このホディールの目は節穴ではないぞ!」
ラウール「見苦しいぞホディール! 控えよ!」
ホディール「しかし…!」
ナレイン「なればホディール卿、その書状を破り捨てていただきたい」
ホディール「な、なにっ!?」
ナレイン「偽りの書ならば破り捨てるのが当然。だがもしそれが本物であれば、
 貴殿は地球連邦政府の高官直筆の親書を踏みつけたことになりますぞ。
 さあ、遠慮はいらん。破られい!」
ホディール「ぐぬぬ…」
リーザ「……(ホディール、思ったより使えない男ですわね)」

こうしてメルヴィオン聖王国は、罪を被ったリリーナの捨て身の策によって
政変の危機を免れることができたのである。

ナレイン「リリーナ殿、お許しくだされ。このご恩、
 ナレイン終生忘れは致しません」




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