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超クロスオーバー空想大戦 ORIGINAL OPERATION

1名無しさん:2004/05/19(水) 19:40
<基本的なルール>
●君の考えたオリジナル勧善懲悪ヒーロー作品メインのショートシナリオを皆で書こう!
 ただし、話はきちんと繋がるように。版権キャラもレギュラー参戦&競演可。
●各執筆者は、SSの中で一つの事件・エピソードごとに、
 名前欄にサブタイトルをつけること。そして一区切りついたところで、
 「○○・終わり」と書き込まれると次エピソードの
 執筆者がまた新たなサブタイトルを決めること。
●ここに書き込まれるストーリーは、
 超クロスオーバー空想大戦(主に版権キャラがメイン)
 http://appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1084962936/l50
 での動きと基本的に同時並行でリンクします。
 但し、版権作品の設定に基づかない完全なオリキャラは、
 向こう(本スレ)への越境できません。
 版権キャラと半オリキャラのみ、自由に往来可能。
●書き込まれたストーリーはちゃんと全部読んでから続きを創作しよう!
●書き込む際、自分が手掛けたシナリオを終わらせる際はきちんと終了宣言をしよう!
 例:(味方側の場合)○MACの黒田隊員→ツルク星人を倒す
   (敵側の場合)●スマートレディ→ガス人間に倒される …みたいな感じで。
●新キャラ・新規参戦作品が登場した場合は、
 例:【今回の新規登場】
   ○or●+キャラ名(作品名。オリキャラの場合は最後に「/オリジナル」と追加明記)
 のように出典を記載すること。
●使用するキャラは基本的に早いもの勝ち。 もしどうしてもそのキャラを使いたかったら、
 そのシナリオが終わってから上手く話を繋げよう!
●勧善懲悪とハッピーエンドを心掛けよう!
●みんなで萌え燃えなオリキャラを創造して、遠慮なくどんどん投入しよう!

関連スレなどは>>2以降

36オリジナル主人公コンテスト!!:2004/08/15(日) 23:07
***スマートブレイン本社ビル・エーデルクロイツ専用執務室***

村上社長から緊急招集を受けた闇のエリート部隊“エーデルクロイツ”の
メンバーたちは、「超クロスオーバー空想大戦」本編第一次オリジナル主人公と
ヒロインの選考を密かに開始した。

早瀬「……とは言ったものの、一体何を基準に選考すればいいのだ」
三影「決まっているだろ。今のアニメ界において
 勝敗を決めるのは、ズバリ“腐女子”だ!」
高木「腐女子…!?」
三影「その通り。ガン○ムSEEDも鋼の○金術師も、
 なぜ凄まじいまでの人気があるかというと、主人公キャラのルックスが
 腐女子受けの美少年だからだ。腐女子の心を掴まずして我が社に勝利はない」
小針「なるほど。それなら確かに
http://appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1080433232/238
が最も人気があるのも頷ける。半ズボンで生足露出……」
早瀬「しかしそれは、某アニメ店長への宣戦布告なのか…?」
他3人「…………」


●選考作業は続く……。
(このエピソードはフィクションです)

37アギト・ハンター:2006/10/20(金) 14:42:43
ある晴れた日。どこにでもある街角。通勤時間でもなく買い物の時間帯でもなく。
 ヴー――――ン
人通りのまばらになったその時、停められていたバイクが車道に投げ込まれる。
 ガッシャ――――ン
ブレーキも回避も間に合わず、激突する小型車。

投げた張本人は止まった小型車に近づくと人間とは思えない力で――
いや、その姿も人間とは思えない。
牙の生えた口、昆虫の様な複眼の目。額から頭部、そして鼻筋にかけて覆う「角」。
潜水服の上から生物的な甲殻を纏ったようにも見える身体。
腕部の装甲や角の後部からは蔦のような触角が伸びている異形の存在は――
車体を持ち上げひっくり返す。間一髪転がり出した運転手に悠然と近づく異形の影。
大気を裂き前腕から触角が伸びる。

上空からから降下してきた「もの」によって触角が弾かれる。
飛羽「ちょっとちょっと、何してるんです!」
この異常な空間には不似合いな一言。人を襲う異形をまるで不良の喧嘩を止めるがごとく。
飛羽「何かこの人に恨みでもあるんですか!」

助けられた運転手の方も何か悪い夢を見ているような気分になる。
流暢な日本語を話していることがまるで似合わないその姿。顔の上半分は蜻蛉を模した仮面の様で。
下半分は人間の女性を思わせるものの肌の質感は陶器の様であり、口は唇の両側にまで裂けている様に見える。
謎の古代文明の蜻蛉の意匠を取り入れた装束って感じの服装に背中からは蜻蛉の翅。
手に持つは穂先に近い柄に羽が斧刃となっている蜻蛉の留まった意匠の鉾槍。

怪人「アンノウン…」
飛羽「そうらしいですね。私もよくわからないんですけど」
そう言って斧槍を突きつけるドラゴンフライロード。
飛羽「さあ、とにかく警察に行きましょう。でないと力ずくで…」

ドラゴンフライロードが言っている間に脱兎のごとく立ち去る怪人。
怪人「くそぅ、アンノウンじゃ相手が悪過ぎだ。何で今頃」
将人「高山…ジェット!」
 いつの間にか数m後方に近づいていた青年に走る脚を柔道技の出足払いの様な技で払われ転倒する。

謎の技名は置いておくとして…
その青年はフルフェイス型のヘルメットに手足と胴にドラム缶製と思われる装甲(?)、
その下にはカーペットを裁断した衝撃吸収着を着込んでいた。
さらに内部には謎の機械も積まれているようにも見える。それより何より
鉄パイプやスチール棒、防犯さすまたやらトンファーやら十手やらが詰め込まれた
ゴルフバッグを背負っているのが更に怪しさを増している。

怪人「誰だお前〜〜!」
 ある意味で怪人より怪しい。心の底から知りたいだろう。

将人「僕は…」
飛羽「あ、私は水蠍飛羽です」
 後ろから口を挟むドラゴンフライロード。その声が怪人を焦らせる。
将人「揚羽町の発明家兼拳法家、高山将人。お前こそ何だ?一体どうしてこんなことをした?」
 肩書きの怪しさはひとまず置いといて。
怪人「俺は強いからだよ…邪魔するならお前から死ね!」

 鋭く尖った触角が将人を襲う。だが当たることはない。射程距離外へと身をかわす。
将人「遅いよ。残念ながらこの鎧は鯛焼き名人アルティメットフォームのレプリカでね」
 お前はそれを鎧と呼ぶか。そしてこの緊迫した状況で鯛焼き名人アルティメットフォームの名を出すか。
将人「強いから…と言ったか?偶々何かの間違いでアギトの力に目覚めた程度で…思い上がるもんじゃないよ」
 そう、怪人は…アギトだった。オーヴァーロードや北條が一時危惧したとおり、
アギトの力は正しきものにのみ目覚めるものではなかったのだ。未だオルフェノクほどの問題にはなっていないが
悪しき心を持つものや力に溺れる弱い者にも「力」を持つものが現れていた。

数少ないとは言え人知れず凶行を繰り返す悪しきアギト達。だがそれに対抗するものも――――

 雄叫びを上げる将人の腹部にアギト特有の変身ベルト……オルタリングが現れる。
将人「変身――ッ!!」
 メット越しに見える顔が強化皮膚アーマードスキンに覆われ、目は複眼状のコンパウンド・アイズへと変化する
ものの全体的な印象は人の顔と変わらず頭髪も残り
又ハードシェルヘルムやシェルアーマーは持たないためアギトとは言い難い形態である。
更にベルト中央の賢者の石から発生した「オルタフォース」を受け、鎧が変化して行く。
マシントルネイダーとの共通点も感じさせるフォルムへと。

38アギト・ハンター:2006/10/20(金) 14:49:27
○高山将人=後の仮面イエロー(仮面戦隊仮面レンジャー/オリジナル)
高校2年生。アギトとしては中途半端であるものの少年時代より続けている拳法もあって
戦闘力は高い。また機械製作も得意だが、ときに常識その他を忘れ暴走することもある。
未だ運に恵まれた者への妬みが強く、正義の味方の自覚は薄いようだ。
○水蠍飛羽=クイーンドラゴンフライロード・エピオフレビウス・フィクティス(オリジナル)
地球教テオス派によって造られた人造アンノウン。完成直後にとある危険な特性が発覚し覚醒前に廃棄された。
廃棄場所で蘇生して抜け出し倒れているところを長斗の治癒能力で回復されてから長斗に懐いている。
本人はこのことを知らず、完成前の記憶がないのは記憶喪失だと思っている。
本来は人間としての名はないが、変身後の外見に因んだ名を仮に名乗っている。

39アギト・ハンター:2006/10/24(火) 12:32:40
怪人「何かと思えば目覚めかけのアギトじゃねえか。そんなもん着たぐらいで勝てると思ってんのか」
将人「確かに僕のアギトの力は弱い…だけど君が完全なアギトでも負ける気はしない」

 ――僕は昔から強くなりたくて拳法を習って――
トンファーもオルタフォースを浴びて強靭なものへと変わっている。
 ――ある日この力を手に入れたときは――
気合音と共に正拳で飛び込む。右腕から伸びてきた触角を左のトンファーで弾き飛ばす。
 ――僕がヒーローと認められたからだと思った――

将人「僕は、そんな理由で力を振るう者が嫌いだ」
 右のパンチが決まるとすかさず全体重を乗せた左のパンチ。次の前蹴りが胸部に決まる
怪人「調子乗ってんじゃねえぞガキが」
 衝突の直前、歯列の生えた腕が振り下ろされ右脚が脛の辺りから切断される。
将人「な・・?ぐわあああ」
 悲鳴まで一瞬のタイムラグ。変身が解除され、切り口からおびただしい血が流れる。
怪人「お前何て言ってたっけ?『負ける気はしない』だったかなあ?」
転がる将人に怪人はハハハハハハと嗤い傷口を蹴って転がすと掴みあげようとして、
 がつん。
破壊音は怪人の後頭部から響き、放物線を描いて飛んでいく。

飛羽「大丈夫ですか、将人くん?」
 下から上に斧槍を振り上げた飛羽が尋ねる。
将人「もちろんだよ…変身!」
 再び変身すると、多少弱弱しいながら脚が復活している。

騒ぎを聞きつけ人も集まり始める中、奇妙なアンノウンと不完全なアギトのタッグが邪悪なアギトに立ち向かう。


将人「高山――――バズーカ!!」
 トンファーを半回転させ長い方の端で突きを入れる。正直名前負けしている感が否めないものの
怪人を吹き飛ばし変身が解除される。それを見た将人も変身を解除すると、

将人「見せてやる、なりかけの意地〜!」
 これで許す気はないらしかった。

長斗「こっちです!今私の友達が犯人を――」
 警察官を案内してきた将人の兄が見たものは、
将人「そんなもので!お前は強いと言っていたのか!鍛えもしないで!」
 通行人が遠巻きに避けて行く中ひたすら犯人を度突きまわす完全不審人物と
飛羽「長斗ー♪無事捕まえましたあー」
 それを止めもしない少女の姿だった。

これは、後に仮面イエローとして仲間の知恵袋となる者の話。

将人「僕は運だけで僕より強くなった奴が何より――――」
長斗「わかった!わかったから落ち着け将人!飛羽ちゃんも見てないで止めて!」
飛羽「やっぱりやりすぎですか?」
長斗「全面的にやりすぎです!!」

でもそれはまだ先のことである。

40【今回の新規登場】:2006/10/24(火) 12:34:27
○高山長斗(オリジナル)
高山将人の兄。超能力には将人よりも早く目覚めたが、変身能力はない。
実は将人同様の拳法も使える。

41Rider or Monster?:2006/10/27(金) 08:16:41
ヒデオ「あれが高山将人…偽善者共より余程こちら側に近いようだ…利用できるか――
そしてあのアンノウンはテオス派の連中の差し金か…?それにしては――」
 将人を羽交い締めにしつつ飛羽にツッコミを入れ、犯人を警察に突き出す姿を見ている野次馬の中に
一際鋭いながらも全く内面の読めない、どこか機械かゾンビを思わせる目をした青年の姿。

礼香「戦闘に特化していない。それに彼らにとって神の使いであるマラークが民間人との触れ合いなんてするはずがない――」
ヒデオ「そうだ――テオス派―自らの手で化け物を作る地球教の異端――それよりお前はいつからそこにいた」
 右斜め後ろに同年代の少女が立ち、ヒデオの独白に応える。
礼香「つい先程――創造者だということだから信仰対象としては異端どころか至極真っ当な相手と言えなくもないのだけどね――主流派の信仰対象より、よほど」
 何処まで知っているのか、まるで地球教の内幕を知っているかのような少女。
ヒデオ「フン…どちらにしても人外の存在をヒトの上位に戴く連中だ」
礼香「ただ現在ロゴスでDショッカーに徹底抗戦の構えを見せているのは彼らだけ――そうでしょう?」
ヒデオ「ああ――共存派狩りも結構だが、頼みもしないのに自分の同類を減らしてくれる連中を先に叩くなど順序が逆だとなぜ気付かないのか…」
礼香「彼らの目的はナチュラルの安全などではないから――それでヒデオ同様敵に対する悪意だけで戦っているように見える彼らを仲間に引き入れようと?」
ヒデオ「利用しようというだけだ――」
 雑踏の中に消えて行くヒデオ・・・
礼香「できるのかしら。怪人とライダーを分けるものは些細なものに見えて――
 消えていった辺りへ一人呟く。
礼香「容易には変わらないものよ」

飛羽「ごめんなさい。アギトとか怪人とかが相手だとどうしても止まらないんです」
 結局やりすぎではあったが逮捕に協力したことや長斗の懸命のフォローもあり怒られただけで済んだ。
長斗「悪いのはあっちの方なんだけど、あれはまずいよ。将人――」
 さすがに極まり悪そうな顔の将人だったが、すぐに話題を変える。
将人「ごめん、兄さんまで謝らせちゃって。それはそうと・・・後を付けられてる」
 目だけで後方の曲がり角を見る。
飛羽「私たちのファンかしら?」
長斗「…逆じゃないの?」
 あれだけ大騒ぎにしといてそんなことをのたまう飛羽。
飛羽「またまたー。長斗もっと楽観的に考えないと楽しくないですよー」
長斗「飛羽ちゃんはもう少し真剣に考えて!(汗」
 これに限らず飛羽には記憶がない上に何故かアンノウンの様な姿に変身するというのに悩んでいるところを見たことがない。

将人「とにかくちょっと見てくる。厄介ごとだったら話を付けとくから先に帰ってて」
 様子を伺っていた人影は将人が近づいても驚く様子もない。自分達に用かと問う将人に人影――ヒデオは冷笑する。
ヒデオ「なに、オレの同類がヒーローごっこをやっていると噂になっていたのでな」
 将人の顔が目に見えて険しくなる。
将人「ヒーローごっこ…だって?ごっこでこんな事が出来るか!?」
 およそ常識ではあり得ない傷跡の残る脚を見せる。再変身した際に再生し、更に長斗の能力で機能的には完全に治っている。
変身は出来ないがそういうことは長斗の方が上なのだ。

ヒデオ「そうだ!今のお前はヒーローごっこに命をかける物好きに他ならない」
 将人の拳が唸る。全体重を載せた移動突きをヒデオは受け流し、突っ込んできた勢いを利用して投げ捨てる。
ヒデオ「そして目障りなものを力で排除することを選んだ点でキサマもオレの同類なのだ」
将人「(この技…こいつ何処かの特殊部隊員か、それとも暗殺術の使い手…)その一点ではそうかもね。
だけど僕はそんな邪念に満ちた心構えで戦ってはいない」

42Rider or Monster?:2006/10/27(金) 08:17:18
ヒデオ「ハハハハ」
 突如、笑い出すヒデオ。哄笑から一転、表情を元に戻すとまた淡々と語る。
ヒデオ「あれがか。少なくともキサマは正義とやらを求めてはいない。キサマの目的は良心を痛めず力を振るうことだろう?」
将人「と…とんだ邪推だ」
 だが思い当たる点が無いわけではない。一瞬言葉に詰まった。『ヒーローごっこ』…
今の自分はヒーローの『力』に憧れて真似事をしているだけだというのか…
ヒデオ「戦いに正義も悪も関係ない、より力を引き出した方、多くの賛同を得た方が勝つ。
それだけだ。気分良く叩きのめすというのも正義とやらと同様に力を引き出す立派な動機だ」
将人「な…君は正気か?」

 やはり違う。何か強烈な違和感を感じる。あなたの知らない世界でも見るような目で見ている将人
の感覚が何者かの接近を感じ取った。それによく似た感覚は熟知している。
将人「姐さ…誰だ!?」
 微妙に違う気がするが飛羽だと思い振り返った将人の目に映ったものは全く違うアンノウンだった。

パンゴリンロード「我が名は『鑽孔装甲』マニス・フィクティス。アギトよ、ヒトという種のため貴殿の命貰い受ける」
 将人にはその言葉より、気になることがある。
将人「どういう事だ…どうしてまたアンノウンが動き出した?姐さん…トンボのアンノウンを君は知っているか?」
パンゴリンロード「何?やはりエピオフレビウス・フィクティスは起動していたのか…の者は何処だ?早々に停止させねば一大事となる」
右腕に紫苑のパタを構え、問う。蚊帳の外のヒデオは事態を飲み込むまで傍観を決め込んでいる。
ヒデオ「?(テオス派とは無関係か…?ではあの女は?)」

   高山家
携帯で何か話している長斗。電話を終えると飛羽が話しかけてくる。
飛羽「将人くん遅いですねー」
長斗「うん…それも気になるけど今、警察から電話があって、さっきの犯人を連行中に何者かに襲撃を受けて…あの犯人が殺されたんだって」
飛羽「まさか…やっちゃったんでしょうか将人くん(冷汗」
長斗「いや…襲撃してきた人は…急にアンノウンに似た姿に変身して襲いかかったらしいよ」
飛羽「!(その人、ひょっとして私の素性に何か関係が?)」
 話を聞いた飛羽は立ち上がる。
飛羽「さっきからなんとなく、ですけど嫌な予感がしてたんです。行きましょう」

43Rider or Monster?:2006/10/27(金) 08:26:18
【今回の新規登場】
●一郷=ヒデオ(重機動強化服Cガンダム/オリジナル)
ショッカーに成り代わる目的で各国政府、軍部、企業が組んだ非合法組織の戦闘員”グリムリーパー”のひとり。
以前は用心棒のような形でアンチショッカー同盟に出向していたが方針の違いもあり
ロゴスとDショッカーが結んだ為孤立したのをきっかけに離反、現在も独自に破壊活動を続けている。
コックピットを設けたビルゴカスタムを操る。
△総澄礼香(オリジナル)
異能者やその対抗勢力に詳しい女子高生。両親がそれら担当の
地方公務員だと言われているが詳細は謎に包まれている。
一郷ヒデオとは彼が活動を始めた頃からの知り合い。

44竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/06(月) 09:32:08
男が走っていた。バイクで疾走していた。
確証があった訳ではないが彼の勘が告げていた。
何か良からぬ事態が起こっていると。
今までほんの些細な手がかりから数々の悪事を見つけ出してきた彼の第六感が。


将人「ぐわあああ」
長斗「将人っ!」
飛羽「将人くん!?」

飛羽達が数m出たところに、変身した将人が吹っ飛ばされてきた。慌てて飛んできた方へ目をやれば、
巨大な松毬のような物体が回転しつつ旋回し――

長斗「――――!(こっちに来る!)」
 長斗は将人を抱え飛羽を突き飛ばしながら跳ぶ。
物体は将人が倒れていた辺りの地面に激突し舗装をえぐりながら転がっていく。

 回転を止めた物体が展開し、人型の姿を現す。
パンゴリンロード「何奴!」
オックスロード「おそらく女の方はエピオフレビウス・フィクティスに違いないぞ!」
 別方向から、またしてもアンノウンが現れる。

将人「まずい!一人でも梃子ずってるのに!」
パンゴリンロード「貴殿はブバルス・フィクティス!何故ここに?」
オックスロード「先刻アギト一人を始末したプリストフォルス・フィクティスが近くに少なくとももう一体のアギトと…
蜻蛉のマラークがいることを聞き出した」
パンゴリンロード「そのマラークはここにいるアギトの知己…ならばこの中にエピオフレビウスがいる可能性が高いというわけだな」

飛羽「あなた達は誰です…私のことを知っているんですか」
オックスロード「教える必要はない。きさまには死んでもらう」
 両手に一本ずつ持った雷鳴の神槍を飛羽に向ける。
飛羽「それはいやです」
 バッ、スゥ…………
両腕を右へぴんと伸ばしてからゆっくりと息を吐きながら左拳を同じ側の腰へ引き付け同時に右腕を左斜め上へ伸ばしていく。
 バッ!
そして素早く右前腕を右肩の高さに立てて左手を右肘に着けると
飛羽「変身!」
 初期形態―ラーバフォームへと変わる。姿は蜻蛉ではなくヤゴのアンノウン。

オックスロード「その『変身』は…やはりな。もはや猶予はない!今すぐお前を排除する!」
飛羽「だからどうして・・・きゃあ!」
 轟音。雷鳴の神槍より散弾が放たれ、飛羽を襲う。
平均速度ではイマーゴフォームに劣るラーバフォームだが瞬発力に優れてている。
何とか攻撃範囲から逃れるが後方は流れ弾で大変なことになっている。
飛羽「……話し合いましょうか。ここでその武器はいくらなんでも危ないです。ほら、周りとか…」
オックスロード「ならばおとなしく避けずに散れ!」

飛羽「いやです!」
 ザ!シュン!がしぃっ!
ラーバフォームの瞬発力。そして右腕からヤゴ特有の武器・捕獲仮面が伸び、雷鳴の神槍のうち片方をもぎ取る。
オックスロード「おのれ!」
 今の攻防で接近した飛羽にもう片方の雷鳴の神槍を向け――
だだだだっ!バシィッ!
 ど ご ん !!
長斗が槍を撥ね上げ、弾丸は明後日の方向へと飛ぶ。
生身で頭上を通過する衝撃波を食らった長斗は目を回したようだ。
オックスロードの素手の射程内でふらついている。

 攻撃よりも長斗の安全が優先。
バッッ!ダッシュで長斗を救出する。

飛羽「大丈夫ですか!?」
長斗「大丈夫〜……」
 などと言いながらも時折一瞬白目を剥いては元に戻ることを繰り返している。
将人「兄さんを安全な所へ。この二人を捕まえて詳しい事情を聞き出そう」
 将人の背後に『鎧』が現れひとりでに装着されていく。
飛羽も長斗を避難させ蜻蛉の姿――イマーゴフォームへと変身する。

パンゴリンロード「行くぞっ!アギト!」
 紫苑のパタが将人に襲いかかる!
将人も左手の十手で受け流し、なかなかの機敏さでスチール異径丸棒で反撃する。
将人「くらえ!」
 その戦いの最中十手の鉤で刃を受け止めた!
将人「高山っ!ターーービュラアアァアンス!!」
 ビュンビュンと音を立ててスチール棒による肉眼で捉えることもできない乱撃!
スピードが上がるにつれて徐々に音も高くなっていく!
手足と額の装甲でガードしていたマニス!しかし乱撃を目眩ましに装甲のない部分を狙う将人!

パンゴリンロード「なるほど、この装甲だけでは足りない…な。だが…」
 体を丸め死角を無くす!そのまま体当たり!
将人を跳ね飛ばし、しばし加速したところで方向転換!再び将人を狙う!
 ギュゥイイーーーン!
将人「ぐわ!」
 回避を試みるも背中から突き飛ばされる将人!

45竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/06(月) 09:33:01

轟音。
住宅の塀に寄りかかるように立っていた長斗がよろめく。
爆煙が吹き上がる町を飛羽が飛び回り、
ブバルスが神槍を乱射する。
足がもつれるように倒れる長斗。
そして、白刃取りのようにマニスの回転を止めようとした将人が振り飛ばされる。
転がっていく将人に迫る回転体。飛羽が何事かを叫ぶその時、
銃声が響き、失速するマニス。

パンゴリンロード「誰だ!」
立ち上がったマニスに答えて――否、マニスが問うまでもなく

滝竜介「僕は滝竜介。インターポールの捜査官さ。はみ出しだけどね。
君達は?超越生命体に似ているが科捜研の神経断裂弾が効くということは違うようだね」

将人「あ・・・ありがとうございます。でもどうして国際警察の人が?」
滝竜介「地球教の一派が問題のある教義を日本で行っているという情報を得てね。捜査していたところ君たち
が戦っているところに出くわしたんだ。そしてアンノウンに似た怪人――更に嘗てのアンノウンの活動目的は
ヒトの進化の芽を摘むこと――地球教は非ナチュラル排斥組織とも関連――成る程。繋がってきたな」
将人「良かったんですか!?そんな怪しいものの前に姿を現したりして。捜査には隠れていたほうが――」
滝竜介「親戚の子がアギト絡みで…まあ、いろいろとあってね。放っておくわけにはいかなかったんだ」

46竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/06(月) 09:36:51
○南光太郎→何かを感じ取った様子で現場に向かう!
尚、飽く迄も直感のためライダー同盟には連絡していない。
○滝竜介→思わず将人を手助けする。国枝東とは親戚だった模様。

47竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/14(火) 10:26:26
【今回の新規登場】
○滝竜介(仮面ライダーBLACK)
 ICPO捜査官・自称"はみだし刑事"

48竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/14(火) 10:28:08
戦いながら行ってしまった将人達の後を追おうとしたヒデオに迫る血染めの鶴嘴。
先ほどの怪人を殺したのはこいつだろう。
すんでのところでかわしたヒデオ。
フィッシュロード「俺はプリストフォルス・フィクティス!」
ヒデオ「人造マラークか――テオス派とは利害関係にないはずだがなぜオレを?」
 怪人殺害を責めるつもりはないらしいヒデオ。
フィッシュロード「おまえが人間ではないからだ」
 そういいながら閃光のウォーピックを突きつけるフィッシュロード。
ヒデオ「ほう――人間でなければ何だ」
フィッシュロード「わからぬ――だがお前からは明らかにアギトとも違う何かを感じる」
ヒデオ「何だとっ」
一種の強化などはされているかもしれないが所属している組織の性質から考えても
人間と見做されなくなるほどの改造は為されないはず――
だが、現にフィッシュロードは閃光のウォーピックを振り翳して迫ってくる。

脳天めがけて振り下ろされる閃光のウォーピックの柄を払って軌道を外側へ逸らす。
伸びたその右腕をねじるように脇固めに固める。

だが、力任せに立ち上がり捕えられた腕で逆に術者を持ち上げんとするフィッシュロード。

フィッシュロード「?」
 手応えがない。勢いあまって左の踵の外側だけで体重を支えるような形となる。
その隙を逃さずひねり倒し、走り去る…

ヒデオ「どういうことだ?オレが人間でないなど――」
 過去、何度か遭遇したた化物のことが思い出される。そいつは、何故か他人とは思えなかった。
末端の戦闘員という似た立場故だと思っていたが――
その怪人の弱点などを探して色々と調べたことがある。
あの型の怪人は…素体となる人間も攻撃性や戦闘知能を重視した遺伝子操作によって作り出されたということだった。
だが、そうした遺伝子操作自体が実験段階だったため仕様を満たせなかったり精神構造が破綻したり
また、敵対組織にアジトが襲撃されるなどして殆どが破棄されたという。
(そういえばあいつとは…余程似ているのか何度か間違えられたことがあったな、
そしてオレの出生はよく分からず『山で拾った』とか言われたような記憶があるようなないような…

…まさかその話は本当でオレの正体は……(汗)
そ、そんなハズは……いやしかしまさか……(大汗) )

いや、もうどうでもいい。

ヒデオ「フン…今までも化物だけでなく人間も殺してきた」
 壊れた。最後の人間性を繋ぎ止めていた何かが崩れる。
ヒデオ「今更オレが人間も化け物もない――ただただ現れた敵は全て――」
 残されたのは狂気。むしろ崩壊を避けるためか狂気が膨れ上がる。
ロゴスはDショッカーと結び、粛清されてしまったのか反Dショッカー派本隊との連絡も取れない。
もはや力の限り倒したい奴を倒し守りたい奴を守るだけ。賛同されなければ力尽きて死ぬだけだ。
勝てば言い分が通る世の中、願わくは強い奴と意見が合わんことを。
弱い奴は同じ目的の下集まればいい、数が多いほうが勝つ。
良いも悪いもない、それが現実。強くとも弱くとも勝ったものの勝ちだ。
ホイポイカプセルを投げ愛機を起動するその目に宿るは危険な光。
うっすらとした危惧が確信に変わったことが堰を切りどろりとした邪悪が溢れ出す。
追うフィッシュロードの前で立ち上がったのは……ビルゴ。
モビルドールとして設計されたその機体にコックピットを設け座っていた。

49竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/14(火) 10:28:28
バイクの男が走ってきて止まる。ヘルメットを脱いだその顔は他でもない南光太郎だ!
その視線の先には優に16mはある巨人。地面に突き立てられた光。
その中に一瞬光の輪が確認できるが、直後爆発が起こる。
 クラッシュシールド。本来ビルゴの武装ではない大型ビームソード基部兼用の盾を左手に持っていた。
ヒデオ「ククッ……」
 笑いが漏れる。ナチュラルの保護を目的とする者を…殺した。ナチュラルではないらしい自分が。
襲ってきたから返り討ちにした。それだけ。大儀も信念もありはしない。

光太郎「あれは…?」
 こんなところにMDがいるなど意外すぎる。それに機体内部から機械とは思えぬ常軌を逸した悪意を感じる。
ヒデオ「もう一人の世紀王か…」
 聞こえよがしに独り言。外部へのスピーカーをONにしなければ聞こえないわけで、見え透いた挑発。
ヒデオ「同類と共食いしてくれるバッタ怪人…放っておいたほうが良いだろう」
 秋月信彦という親友が存在する彼には決して言ってはならない言葉。
光太郎「お前は?目的は何だ!?」
ヒデオ「差し当たりDショッカーを初めとする連中の殲滅――まあ、殲滅前に死ぬのだろうが
これが正しいなら後に続くものもいるだろう――自分が死のうと気に入った奴以外が何億人死のうとオレは一向に構わない
気に食わなければ止めてみろ――だがオレも力の限り抵抗するぞ」
 その言葉に本気を・・・そして狂気を感じた光太郎。危険だ。こいつを野に放てば確実に死人が出る。
幾多の悲劇を見たからこそわかる。初めから犠牲を出すことを前提にものを考える人間の恐ろしさが。
光太郎「人の命を…何だと思っているんだ!!」
 右腕を振り上げる。
光太郎「変!身!」
 振り下ろした手を肩の高さで払い、腰に引き付けると同時に今度は左手を右から左へ――そして拳を固める。
ヒデオ「ここで撃つのは簡単だが――言ったろう、キサマは生きていたほうが都合が良いと」
 瞳の奥に映る太陽の光。そしてキングストーン。二つの光がスパークし、テレリー
RX「俺は太陽の子!仮面ライダーッ!ブラアァあッッ!アアアあっッル!エ゛ッッッ!!」
 だがビルゴは既にブースターを吹かし飛び去ろうとしているぞ!そこへ近くのビルよりジャンプしてくる青き稲妻!
アクロバッター「アクロバットバーン!」
 直撃を食らって推力が低下し、高度を下げるビルゴ。
ヒデオ「くっ…バッタバイクを忘れていた…まずい!この高度はヤツの――!」
 水晶の輝きを持つ水となったRX…いや水の王子バイオライダー!3形態中随一のジャンプ力でビルゴの上を取る!

ロームフェラ系列の組織に配備されていることの多いビルゴ系…しかしこの機体は改造され、かなり外見が異なっている。
左手にはクラッシュシールドを持ち、背中にはトールギスと同型のブースターユニットが装備されている。
プラネイトディフェンサーの配置はビルゴII同様8基。更に両肩にサーペントのビームキャノンと同型のジェネレータが装備されている。
数値上は火力、格闘能力、防御、スピードに秀でた万能型だと言えるが、何と言うかこれを企画した科学者か技師は暴走していたとしか思えない。
マッドサイエンティストの論理で動いていたショッカーとも通じるものを感じる。

ズコァアアア!
ヒデオ「蒸発…しな!」
 クラッシュシールドを左肩のジェネレータに接続!高熱のビーム刃がバイオライダーを襲う!
だが剣状のビームを受けているものは水晶の輝きではなく黄金の光を放っていた!出たぞ炎の王子!ロボライダー!
空中でビームを受けるロボライダーの後ろには熱を吸収され、光を失う荷電粒子が広がる。
ヒデオ「やはり…」
 予想はしていた。していたが打つ手はない。逃げるしか。ブースターのリミッターを外す。
ロボライダー「逃がッさん!」
♪〜♪♪!♪〜♪!♪!WAKE UP!!……Wake Up!…wake up!……
ロボライダー「ヴぉルティク!シューター!!」
 熱を吸収した影響で強化された光線が放たれる。プラネイトディフェンサーを展開し、ビームを軽減するも…
ヒデオ「ぐおわらば!」

50竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/14(火) 10:30:36
将人「でも、あんなのの前に出てくるなんて…」
 飛び道具を持っている者もいるというのに、生身の人間が銃で立ち向かうなど危険この上ない。
今は少し離れたところで倒れたまま目の焦点が合っていない長斗の先ほどの行動も相当だが、
あれは不意打ちであり直ぐに戦線離脱している。

滝竜介「人として、当然のことだろう?」
将人「そんなことに命を懸けて…!」
 続きは飲み込む、「人として当然のこと」を「そんなこと」と切り捨てている自分に気がつく。
遠い記憶から何かが湧いてくるように感じつつ茫然としながら半ば無意識で言葉が出てくる。

将人「ヒーロー、以前の、問題、だったな」
滝竜介「?」
 自分の呟きで我に返った将人。思えば今までに尊敬の念を抱いた相手は強い以上にたとえ傷ついても
人として当然のことが出来そうな人たちだったような気がする。

将人「ありがとうございます。何とか人間に…戻れそうですよ」
滝竜介「そんなことを言うものじゃない。人の心を持つ限り…どんな姿になっても、どういう生まれでも…人間なんだ」
将人「そうですね…人 の 心 を 持 っ て い る 限 り !」
 足を踏み入れかけていた狂気の残滓を振り払うように力強く一言。
その周囲でなぜ急に気合が入ったのかわからずちょっと困惑の竜介と…

飛羽「あの人たちの狙いは私みたいです。長斗を連れて将人くんと滝さんは逃げて下さい」
 全くと言って良いほど空気が読めていない飛羽。というか今頃気付いたのか?

将人「そうも行かないよ、僕も役に立つだろう?滝さんは…僕の後ろに隠れて撃って下さい」
 ダメージを受けたものの重装甲のマニス!銃撃からブバルスを庇ってなおまだ動く。体を丸め突進!
神経断裂弾が命中!一発二発!まだ止まらない。飛羽が虚空のハルバートでフルスイングの一撃!
力が拮抗し、動きが止まる!だが虚空のハルバートの上に撥ね上がり、
軸線から外れたところでブバルスの砲撃が飛羽、将人を狙う!
 竜介を庇う将人とフルスイングの直後ですばやい動きが出来ない飛羽、砲撃を食らう!
轟音。飛羽が吹き飛ばされる。将人、持ち堪える。
さらに、轟音。粉塵の中に、光の輪が見える。飛羽の意識はそこで途切れている。
マニス「やったか?」

闇。光を貫く一筋の闇。
敵は、光。今の敵は、闇。
光。闇を切り裂く一筋の光。
光…持っている。相反する光の力。
持って生まれた力でなく。

光の輪が揺らぐ。光が一瞬、おぼろげながら龍の顔を模った紋章へと変化し、
粉塵の中に姿を現したそれはロードよりアギト寄りの姿をしていた。

51竜とドラゴンフライと正義のバッタ:2006/11/14(火) 10:31:51
飛羽「…………」
 意識がないのか、雰囲気がいつもと違う。背中から羽を広げる。痕跡のような鳥の羽ではなく
ただの蜻蛉の翅でもない。蜻蛉の前羽と後羽の間に皮膜を張ったような羽。
その羽の下に、巨大な光球が発生する。
ばさああっ。
羽を打ち下ろすとその光球が飛んでいく。ブバルスの砲撃も飲み込んで。
頭上にロードリングが浮かびその直後爆発。当たり前だがこちらは復活しない。

マニス「ブバルスーっ!おのれ…起動しているのは兎も角何処から光の力を得て…!」
 今度は無言で翅を震わせる飛羽。空を震わす振動波。
将人や滝は平気だが、空中を伝わりマニスの装甲板は共振を起こし激しく振動する。
マニス「ぐおおおお!(汗」
 粉砕する。ロードリングを浮かべて爆散。
飛羽「…………」
 まだ無言。圧倒され、声をかけることもできない将人と竜介。
先程からぴくりとも動かない長斗は意識があるのかどうかよくわからないが、却って幸いだったのかも知れない。
竜介「…アギト」
将人「アギト…(光の力…それがアギト…か?だとしたら…)」
 倒れていた所を長斗が治癒能力で助けたのが飛羽との出会い。
その後アギト達との戦いに参加した飛羽は何度か負傷し、その度に長斗の能力で治っている。
超能力とアギト化の間に何か相関があるらしいと聞く。

将人「(今まではロード…闇…?の力で変身していたのが光の超能力の影響で…いや、まさか…な)」
 ぐるん!強烈な気配に将人と飛羽は同時に振り返る!
視線の先には新手のアンノウン…?だが今までのアンノウンは基本的に動物の意匠を纏った人型だったのに対し、
そいつはあまりにも人からかけ離れている。
3.5mを超える巨体にあまりにも筋骨隆々過ぎて全貌が把握しがたい体。
全身が羽毛に覆われ背中から上腕にかけて鳥の羽。脚と前腕は鱗に覆われ鳥の脚の如き手には強大なカギ爪。
足先も人のそれではなく鳥の脚のような鉤が伸び、脹脛には蹴爪。
頭部には鶏冠、鳥の顔の仮面。だが顎そのものも嘴となっている。

フォウルロード「フフフ…クイーンドラゴンフライロード・エピオフレビウス・フィクティス。
俺は他の者とは違うぞ。俺は純粋に戦闘のために造られた者だ」
長斗@なんだか走馬燈が…… 「クイーン…女…王・・・ドラゴン…フライ…蜻蛉…」
 蟻や蜂は兎も角豹や烏は女王がいないにも関わらずクイーンが存在するのだから、蜻蛉にいても不思議ではないかも知れない。
だが、ただ一種、王を持つ蜻蛉の話を聞いた覚えがある。
混濁した意識の中長斗の脳裏に幼い日の自分と将人の姿が思い浮かぶ。将人の幻は
恐竜図鑑と銘打ちながら古生物全般が載った図鑑を読んでいたかと思うとこちらに見せながら
「お兄ちゃん、メガニューラって知ってる?」
「ああ、大昔のトンボだったっけ?」
 「そ、メガニューラって王さまがいたんだよ。群れの一匹にエネルギーを集めてそれになわばりを広げてもらうんだって。その王さまをね」
長斗@まだ戻ってこない「メガギ…ラ…ス…」
 供給されたエネルギーによって巨大化、強化するトンボ、メガギラス。
飛羽のモチーフがそれならば…

滝竜介「お前たち、いったい何者だ?」
フォウルロード「我々の組織の名は、『仮面天使』!!」
滝竜介「Mask Angel…ふざけた名前だ」

52宇宙探偵 FILE.0:2013/08/10(土) 14:26:34
宇宙探偵 FILE.0 ペガッサ星人の巻


 ペガッサ星は、かつては宇宙でも有数の発達した科学力を誇った惑星であり、
住民達はその超高度な科学の恩恵を受け、長きにわたる繁栄を維持してきた。

しかし、ペガッサ星の民はそうした科学技術を熱心に追求していた反面、
その技術力の礎となる筈の母星の環境を保護していくことに関しては無関心であり、
彼らがようやく惑星環境について思考を巡らせるようになっていた頃には、
ペガッサ星は既に全体が風化してしまい、
彼らの超科学を以てしても修復は不可能な状態だった。

自らの科学力を信じるペガッサ星人達は、
惑星としてはとうに寿命を迎えつつあった母星に見切りをつけ、
一種の大型宇宙船とでもいうべき巨大な都市を建造、
『ペガッサ市(あるいはペガッサ・シティ)』と名付けられたその宇宙空間都市を拠点として、
彼らは宇宙のあちこちを彷徨う放浪の民となることを選択したのである。

 航海は順調だった。
初めの頃こそ、母星を見捨てて広大な暗黒の宇宙へと漕ぎ出すことに少なからず不安を抱いていたものの、
ペガッサ星人はその発達した科学技術の粋を集め、
ペガッサ市の内部居住区にかつての母星の環境を再現、
これを第二の故郷として再び緩やかで安定した生活を維持するまでに漕ぎ着けたのだ。

宇宙の各地を放浪するペガッサ市の名は次第に異星の者達にも知られるようになっていき、
驚異的な科学の力によって徹底した管理・調整のなされたその都市の存在は、
あたかも夢物語のごとく星々に語り伝えられるようになった。

 ペガッサ市のコントロールも安定し、
ようやく以前の平穏な生活を取り戻したペガッサ星人達だが、
そんな彼らの心の油断を見計らったかようなタイミングで、かの事件は起こった。

53宇宙探偵 FILE.0:2013/08/10(土) 14:28:21

 どれほど優れた製造物であろうとも、いつかは不調に陥る時がある。
太陽系を航行中、ペガッサ市の動力系統が突如としてシステムダウンし、
進路が大きく狂わされた上に、その進行方向では太陽系第3惑星・通称“地球”が通過しようとしていたのだ。

ペガッサ市そのものは地球と比較してもかなり小さいのだが、
この宇宙都市は地球のおよそ八万倍もの密度の物質で構成されている。
つまり地球にしてみれば、ペガッサ市は外見上の八万倍ほどのサイズで衝突してくることになり、
これでは地球は木っ端みじんに破壊されてしまうことは明々白々であった。

事前調査によってその地球には、
衛星である月や近辺の惑星にも進出できる程度の科学力を持った知的生命体が生息していると判明したため、
ペガッサ市は地球の防衛軍に向けてあるメッセージを送信する。
「ペガッサ市が地球に衝突するまでに、その公転軌道を変更してもらいたい」と。

だが、地球人が所持する最先端の科学力を以てしても、
惑星の公転軌道を自在にコントロールするなどと言った芸当は不可能だった。
そこで地球防衛軍が下した結論は、ペガッサ市の破壊となった。

これは地球側も他に有効な手段を講じられないがゆえに導き出した苦渋の決断であり、
防衛チームのウルトラ警備隊を通じて地球への退避勧告を出し、
ペガッサ星人達が新たな宇宙都市を建設するまで全面的に援助することを約束するとの旨で、事前通告も成し遂げていた。

 にもかかわらず、ペガッサ市はその通信に応じることはなかった。
自分の星の軌道も変えられないような地球人に、
宇宙でも指折りの高度な科学力で造られたペガッサ市を破壊できるわけがないというわけだ。

 しかし、地球人は宣言通りにペガッサ市を粉砕してしまった。

 宇宙の星々でその名が語り継がれていた超科学都市が、
よもや銀河の辺境に位置する惑星の住人の手で宇宙の塵と消えてしまうなどと、誰が予想しえたであろうか。

54宇宙探偵 FILE.0:2013/08/10(土) 14:29:54

 かくして一度は消滅の憂き目を見たペガッサ市であるが、
その市民たるペガッサ星人達は全てが滅びたわけではなく、
諸々の事情によってシティから離れていた者、ウルトラ警備隊の勧告に従い脱出を遂げた者、
あるいは“黄泉還り”によって復活した者など、わずかながら生き残りの星人達も存在していた。

彼らはペガッサ市復興の準備に必要な資金の提供をメシエ天体を中心に活動する、
宇宙警備隊を擁するM78星雲・ウルトラの星に要請するが、ウルトラの星の関係機関はそれに応じる姿勢を見せなかった。

というのも、ペガッサ星人は万が一、
地球人が公転軌道を変更できなかった場合を想定して、
惑星一つを破壊するほどの威力を持った爆弾を所持している工作員を送り込んでいたことが、
第三者機関の調査の結果で明らかにされたのだ。

そんな人物をあらかじめ地球に配置しておいたということは、
ペガッサ市は最初から相手側の都合を無視するつもりであったと捉えられても仕方がない。

 これらの事情により目ぼしい後ろ盾を完全に失ったペガッサ星人は、
自力での復興作業に着手し始めるものの、ここでもやはり問題が発生した。
生き残りの星人の中には、大勢の同胞を抹殺した地球に対する報復を声高に訴える者が少なくなかったのである。

八方ふさがりの閉塞的な状況に長らく身を置いていたこともあってか、
彼ら過激派の星人達は日に日に勢力を増してゆき、最終的には唯一残された宇宙船に爆薬を積んで、
地球に玉砕上等の特攻を仕掛けようという主張が生存者の大多数を占めるようになった。

あたかも死に場所を求めるかのごとき過激派の暴走。
そのさまを見て、わずかに残された良識派のペガッサ星人は
「宇宙にその名を馳せたペガッサの歴史の遂に終焉を迎える」と嘆き悲しんだものだ。

 しかし、宇宙の神はまだ哀れなこの放浪の民を、見放してはいなかった。
滅亡への秒読みを開始した彼らのもとに、
いくつもの幸運な知らせが舞い込んできたのである。

まず一つは、残り少ない穏健派のペガッサ星人の代表格となった人物が
稀に見る高潔かつ正義感に溢れた男であったことだ。

彼は、「ペガッサの民が滅亡するか否かの瀬戸際に立たされている現状において、
自分達がまず為すべきことは決して復讐などではない」と、
過激派を根気強く説得し思い留まらせ、再びコミュニティを一つにまとめあげることに成功した。

この人物はのちにペガッサ市復興活動が始まった際にも強力なリーダーシップを発揮し、
現在ではペガッサのみならず多くの宇宙人から、
一流の“宇宙の男(スペースマン)”として尊敬の念を集めることとなった。

もう一つの僥倖とは、ペガッサ市の復興活動が開始したという噂を聞きつけて、
銀河のあちこちから集まってきた異星人達の来訪であった。
彼らの多くは、かつての超科学都市の栄光に密やかな憧れを抱いていた者達で、
在りし日のペガッサ・シティを己の手で再現したいと、無償での協力を申し出てきた。

残念ながら、こうした異星人ボランティアの助力を以てしても
ペガッサ市を完全に再生することは不可能であったが、
その心意気に感動を覚えたペガッサ星人は彼ら異星の人間にも街の居住者として募るようになる。

 これらの動きは、滑り出しとしてはまだささやかなものだったが、
ある惑星からの提唱を受けての設置と相成ったある組織の出現により、にわかに勢いを増していく。
この『宇宙探偵ギルド』の誕生こそが、ペガッサ星人にとっての第三の朗報であった。

 宇宙探偵ギルドとは、宇宙警備隊や銀河連邦警察などが取り扱わないような、
個人レベルのごく小規模な依頼を中心に請け負ういわゆる“便利屋”の集団であり、
その構成員はペガッサ星人のみならず宇宙各地の銀河や惑星からやってきた異星人が含まれている。

宇宙探偵ギルドの発足は、
思いもよらないペガッサ市再建の宣伝効果をもたらし、更に多くの異星人が移住。
その結果、異星人居住区には街の建設のみならず、
短期滞在中の宇宙人らをターゲットとした様々な店がオープンし、
それらは宇宙探偵ギルドによる自治のもとで大いに活気づき、一大複合都市として発展を遂げていった。

 ペガッサ星人は、この新たなる人口の故郷を『複合宇宙都市ニュー・ペガッサ』と名付け、
かつてのペガッサ市の悲劇を二度と繰り返さぬよう、異星の民との積極的な交流に努めていくようになる。

 ―― かくして、超科学力を誇るペガッサ星人の宇宙都市はついに、
かつての輝きを取り戻すことに成功したのである。


(『超科学宇宙都市ペガッサ 〜その栄光と破滅、そして再生〜』143〜145ページより抜粋)

55新章/仮面ライダーという名の宿命(かめん)・SSテスト:2015/09/18(金) 01:55:21
【第34回】


威吹鬼「裁鬼さん!」

 事態の急転を察知したもう一人の音撃戦士が裁鬼のもとへ近付こうとするものの、
そこへすかさずガニコウモルが割り込んでいく。

ガニコウモル「ギェ――ッ! 戦う相手を見誤ってくれては困るな!」

威吹鬼「くそっ、邪魔をするな!」

 苛立った調子で反撃に応じる威吹鬼に神経を逆撫でされたのか、
ゲルショッカー製の合成怪人はその醜怪な顔面をさらに歪ませて、左腕の蟹鋏で威吹鬼の首を締め上げる。

ガニコウモル「それはこちらの台詞だ!」

威吹鬼「ぐはッ!」

 万力のごとき力で首筋を圧迫されてしまい、苦悶に満ちた呻きを上げる威吹鬼。

ガニコウモル「ハハハ、いい声で鳴いてくれるな!
       素直に我々の言うことに従っていればよかったものを……。
       我が組織やDショッカーに逆らった以上、楽には死なせんぞ!」

威吹鬼「うぐ……っ!」

 なんとかして締め付けを振りほどこうとして、ガニコウモルの左手を掴み返す威吹鬼であったが、
もとよりスピード重視の戦闘スタイルを採る彼の力ではそれも簡単なことではない。

 ここは力押しではなく、もっと別の角度からアプローチをかける必要がある。

威吹鬼「(たとえパワーで劣っていても……僕にはこれが!)」

ガニコウモル「!?」

 威吹鬼が望みを託したのは、その手に持つ音撃棒だった。
残り少ない鬼力を右手に握った山背風の「阿」の撥に注ぎ込み、
先端部分の鬼石に鋭く研ぎ澄まされた剣先を発現させる。

 鬼棒術・山背風剣(きぼうじゅつ・やませけん)と呼ばれるこの秘術は、
もとは関東支部でも指折りの実力者である響鬼が編み出した新技、鬼棒術・烈火剣を我流にアレンジしたものである。

 威吹鬼はかつて、夏の魔化魍との戦いに備えての音撃棒を使った戦い方を響鬼から指導されており、
その際に烈火剣の発動方法も教わっていたのだ。

威吹鬼「ハアッ!」

 山背風剣を素早く逆手に持ち替えると、威吹鬼はその切っ先をガニコウモルの脇腹へと突き立てる。

ガニコウモル「ギェ――ッ!?」

威吹鬼「(今だ……!)」

 比較的防御力の低い個所に不意打ちをくらい、怪人がひるんだ隙を衝いて、威吹鬼は一気に攻勢に転じた。
得物を持っていない方の腕からのエルボー、回し蹴り、さらに回収した山背風剣を用いての袈裟斬りを連続して叩き込んだのだ。

裁鬼「威吹鬼! 烈風を貸してくれ!」

 風属性のトランペット使いが体勢を立て直したのと時を同じくして、
ウツボガメスの本体を振りほどいた裁鬼が彼に要請を出した。

ガニコウモル「馬鹿め……。この期に及んで、何をする気だ……?」

 嘲りと驚きの入り混じった様子のガニコウモルを尻目に、
威吹鬼は装備帯の背部にマウントしておいた音撃管・烈風を裁鬼に投げてよこす。

裁鬼「……馬鹿は馬鹿なりに考えがあるってことだ!」

 烈風を受け取った裁鬼はそう言うと、今まさに連合軍メンバーに殺人スモッグを噴きつけんとする
ウツボガメスの首に狙いを定めて、音撃管のトリガーを引いた。

56新章/仮面ライダーという名の宿命(かめん)・SSテスト:2015/09/18(金) 01:57:20
ウツボガメス「クウェ――ッ!?」

 放たれた鬼石製の弾丸は、その射線上にいる味方や周辺の地形に当たることなく、
正確にウツボガメスの後頭部だけに直撃する。

ウツボガメス「(コ、コイツ……正気か!?)」

 攻撃を受けた当人にとっても、それはまったく予想だにせぬ展開である。

 そもそも彼が目の前にいる対戦相手をスルーしてわざわざ遠方にいる石割たちへとターゲットを変更したのは、
“仲間達の存在が力となる”という裁鬼らの主張を切り崩すためだった。

 のん気に傍観を決め込んでいる連中も、自身に危険が迫れば回避なり防御なりの行動に出るだろう。
“仲間の力を信じて見守る”などとご大層なことを言っていても、
少しつつかれればその絆とやらはあっさりと崩壊してしまう。

 ウツボガメスが確かめたかったのは、そうした連合軍の面々に隠された本性だったのだ。

 だが、彼の思惑通りの行動を取った者は誰一人としていなかった。

 裁鬼は射線上に味方がいてもお構いなしに発砲してきたし、傍観者も傍観者で顔色ひとつ変えていない。

裁鬼「……どうした? お前の切り札もそれで打ち止めか?」

ウツボガメス「ッ! ふざけた真似を……!」

 元より醜悪な顔に苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるウツボガメス。

ウツボガメス「……フン! ちょっとこっちの裏をかいたぐらいで調子に乗るんじゃねえぞ!」

 だがそれもつかの間、彼はすぐに先ほどまでの余裕ぶった態度を取り戻していた。

 たしかに裁鬼の行動は予想外だったが、よく考えてみればそれは、
ウツボガメスが殺人スモッグを噴射するタイミングを少しずらしたにすぎない。
裁鬼とウツボガメスの本体から分離した首との距離は、目測でも数十メートルはある。
仕留めようと思えば今からでも充分に間に合うはずだ。

 ……などと油断していたことにより、ウツボガメスは同僚からの警告に気付くのが大幅に遅れてしまった。

ガニコウモル「何をしている! 早くその場から退避しろ!」

ウツボガメス「あん? お前まで何言ってやが……クウェ――ッ!?」

 ガニコウモルの呼びかけが聞こえたときには、もはや手遅れだった。
さっきまではウツボガメスの首のはるか後方にいたであろう裁鬼は、いつしか彼の目と鼻の先にまで肉薄していたのだ。

ウツボガメス「て、てめえ! まさかはなっからこれが狙いで……!?」

裁鬼「……少し食い意地を張りすぎたな。魔化魍どもでも、お前さんよりは効率的に獲物を喰うもんだ」

57新章/仮面ライダーという名の宿命(かめん)・SSテスト:2015/09/18(金) 01:58:04
 欲を出しすぎたこと。ウツボガメスの敗因はまさしくそれであった。
もし彼が余計なものに気を取られずに、裁鬼を倒すことだけに集中していれば、目的を達成できたかもしれない。

 しかしこの合成怪人は、敵を物理的に痛めつけるだけでは物足らず、
猛士の鬼戦士の心までもを折ろうと企んだ。そうして功を焦るあまり、
本来は狙う必要のない者達に襲いかかったために、結果として裁鬼に付け入る隙を与えてしまったのである。

 対して、裁鬼は最初からウツボガメスを討ち取ることだけを念頭に入れて行動している。
これが可能だったのは、ひとえに裁鬼本人を含めた武者・猛士連合軍のメンバーのなかに、
確固たる信頼関係が築かれていたからにほかならない。

 仲間達が裁鬼の勝利を信じ、そして裁鬼がその信頼感に応えようとしていたからこそ、
彼は後顧の憂いなく目の前の敵に注力することができたのだ。

ウツボガメス「き、貴様ぁ!」

 ペースを乱されなければ確実にトドメをさせたであろう相手に、
完全に出し抜かれた事実に激昂しながらも、首だけの怪人はその邪悪な頭脳をフル回転させ、
すぐ近くにいる連合軍メンバーに殺人スモッグを噴きかけんとする。

 ――だが、次の瞬間。

ウツボガメス「ク、クウェェェェェェッ!?」

 突如として顔面に大きな影が覆い被さってきたので、
驚いて硬直してしまうウツボガメス。

 影の正体が、石割ら連合軍の仲間を護る盾のごとく飛び出してきた裁鬼のものと理解するころには、
彼の身にはすでに死の判決が迫っていた。

撃鱗将「……終わりか」

 大ジャンプの直後、身体を斜めにし、霊力の業火を秘めた右足をグッと突き出した
独特のキックポーズを目の当たりにした撃鱗将頑駄無は、シンプルに一言つぶやいてみせる。

爆炎「むう……!」

斧雷丸「裁鬼殿、今こそトドメの一撃を!」

石割「裁鬼さぁぁぁん!!」

 撃鱗将頑駄無のみならず、爆炎頑駄無が、斧雷丸が、そしてサポーターの石割が。

 今まさに勝敗を決する一撃を放とうとしている裁鬼を前にして、
彼の勝利を信じて待ち続けてきた連合軍のメンバーが一斉に沸き立つ。

裁鬼「聞こえるか、FREEDOM!」

 そんな彼らの声援を一身に浴びている裁鬼もまた、テンション・マックス状態だ。

裁鬼「俺にはこんなにも心強い仲間達がついているんだ……! 負けられるはずもないし、負けるわけがない!!」

ウツボガメス「!?!?!?」

 渾身の力を込めて繰り出される『鬼闘術・蹴獄炎(きとうじゅつ・しゅうごくえん)』をまともにくらったウツボガメスの頭部は、
霊的エネルギーで構成された炎に包まれながら、山中の地表へと叩きつけられる。
その落下地点にあったのは、頭脳からの指令を下されていなかったことで、
物言わぬ木偶人形と化していたウツボガメスの本体だった。

ウツボガメス「ク……、クウェェェェェェェェェッ!?」

 怪童子や妖姫はおろか、
ときには魔化魍にすら致命的ダメージを負わせる場合もある、裁鬼の必殺キック。

 ゲルショッカーが誇る悪魔の科学の粋を集めて製造された合成怪人も、
その威力の前にはひとたまりもなかったらしく、
頭部・本体もろとも、地面に盛大に倒れ込むと同時に爆発を起こして跡形もなく消滅していった。

58新章/仮面ライダーという名の宿命(かめん)・SSテスト:2015/09/18(金) 01:59:13

○仮面ライダー威吹鬼→裁鬼を援護しようとするも、ガニコウモルの妨害を受ける。
●ガニコウモル→裁鬼を援護しようとする威吹鬼を妨害する。
○仮面ライダー裁鬼→敵の策略を切り崩し、仲間達の声援に応えてウツボガメスを撃破。
●ウツボガメス→一発逆転を目論むも、武者・猛士連合軍の絆の力の前に敗れ去る。
○撃鱗将頑駄無→裁鬼の鬼闘術を見て、勝利を確信する。
○爆炎頑駄無、斧雷丸、石割→激闘の末に勝利を掴もうとしている裁鬼の姿に沸き立つ。


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