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キラ・ヤマトvsリナ=インバース避難所(纏め)

1名無しさんDESTINY:2006/06/20(火) 23:17:45
リナ「この人と戦えって?ま、ちょっとくらいなら付き合ってあげるわ。
   あ、報酬として、金貨50枚、プラス、今日の晩御飯よろしくね!」
キラ「この人・・・・・・借りるほどの胸もない・・・」

キラ「カガリは今泣いているんだ!」
リナ「泣きたいのはあたしの方じゃぁぁぁぁぁっ!!」

人物
リナ、ナーガ>省略
シン>運命のパイロット(魔術の知識が必要?)、議長の護衛、まとも?
議長>ラクスに命狙われる。まとも?
キラ>電波その1、今のトコ町を1つ壊滅、さすがスパコディだ何とも(ry
ラクス>電波その2、リナに議長暗殺を依頼、さすが女帝だ何とm(ry
凸>電波その3、ナーガに撃墜された、生きてるか?

設定
1.リナ宇宙に出せないっつか結界のせいで出れないがストフリなのでドラグーン使った方がおもしろい
2.風の結界使って浮かせることがあの世界は出来る
3.デストロイとカオスが大気圏内オールレンジ攻撃してる
4.プルキュベとサイコマークツーが以下略
5.「形状からそう考えるのが自然」と言う推測だけで、オールレンジ攻撃を大気圏内で使えないっていう
  ソースを(あるのかもしれないけど)俺は見たことが無い
3〜5の理由で俺はファンネルは大気圏内でも使える派なのと1と2の理由から使わせた

キラ・ヤマトvsリナ=インバース
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1142545612/
キラ VS リナ 壊滅した盗賊団二つ目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1150553716/

2:2006/06/20(火) 23:18:58
「リナ=インバースさん、ですね?」
「・・・そーだけど?」
彼女が声をかけてきたのは、お日様ぽかぽか、いいお天気の昼下がり。ちょうど、
あたしが宿の食堂で5人前のランチセットを平らげ、食後のキャラメルケーキを
つついていた時だった。
年齢はあたしと大して変わらないだろう。色素の薄い髪を長く伸ばした、なかなか可愛い
女の子である。
・・・悔しいが、胸のサイズはちょっと負けてるかもしんない・・・
彼女はにっこり笑うと、テーブルを挟んであたしの向かいの椅子に腰掛けた。
「初めまして。わたくし、ラクス・クラインと申します。」
「はぁ、どぉも。」
構わずにケーキをつっつくあたし。どうせあたしの名前を知ってて話しかけてくるってことは、
ムチャな依頼か、はたまた決闘の申し込みか・・・
「お仕事の依頼なんですが、お話だけでも聞いていただけますか?」
ほら、きた。
「いいですけど・・・聞くだけならね・・・」
申し訳ないが、あたしは懐の足しにならないような依頼は受けない主義である。細かい依頼を
ちまちまうけるより、近くの盗賊団の二つか三つでもぶっつぶしたほうが、あたしの懐も潤うし、
世間様にも役に立つ。
このラクスさんがあたしの言い値で報酬を支払ってくれるなら話は別だが、申し訳ないがとても
そういう風には見えない。・・・まぁ話を聞くだけ聞いて、ここのお勘定を押し付け・・・じゃない、
相談料として食事代を持ってもらうのもありかなーと、ちょこっとそう思ったわけである。
「実は・・・」

3:2006/06/20(火) 23:19:40
ラクスさんは唐突に声のトーンをさげると、あたしのほうに身を乗り出し、囁くように言った。
「暗殺していただきたいお方がいるのです。」

ぶっ。

あたしは、思わず盛大に吹き出した。
ひょうしに、ケーキのてっぺんに乗っていたチョコレートのプレートが飛んでいく・・・あああぁぁ・・・
最後に残してあったのに・・・
って、そうじゃなくて・・・
「あっ・・・暗殺て、あんた・・・!」
「だって、あなた、あのリナ=インバースさんでしょう?生きとし生けるもの全ての天敵、立てば爆薬、
座れば核ミサイル発射ボタン、歩く姿でユスりタカりもお手の物って。」
「なんなのよ、それはぁっ!?誰が言ってんのよ、根も葉もないとは言えないかもしんないけど、
そんな寝言!」
「キラは寝言なんか言いませんわ!一度寝付いたら朝まで起きませんもの!」
・・・誰だよ、キラって・・・
突っ込もうかと思ったが、やめた。
よっぽど天然な子か、このあったかい日にありがちな、お花畑なお嬢さん・・・なんだろう。
「・・・暗殺って、言ったわね、さっき・・・」
「ええ、そうです。私たちの、倒さなければならない、本当の敵・・・!彼を倒さねば、世界は・・・
私たちの未来は・・・!」
瞳をうるうるさせて、ラクスさんは両手を胸の前で組み、あさっての方向を見ている。
・・・まわりでご飯食べてる人がちらちら見てるから、やめてもらえないだろーか・・・
「悪いけど、あたし、暗殺業はやってないのよね。そういう闇の仕事は、それ相応の場所に生きている人に
頼んでくれるかしら?」
何とか呪文でぶっ飛ばす事は堪え、殊勝にもあたしは笑顔でそう言った。・・・ちょっと引きつった笑顔だった
かもしれないが。
ラクスさんは、ぱっと真顔に戻ると、あたしの目をひたと見据えて言った。
「なんであれ、あなたの未来を選ぶのはあなた自身ですわ!」
「・・・帰れ。あんたは。」
これが、あたしの選んだ答えだった。

4:2006/06/20(火) 23:20:41
あたしの所に手紙が届いたのはそれから数日後だった。
夕食を終えて部屋に戻ろうとした所に、宿の主人から渡されたその手紙。
『今夜、町の門の外でお待ちしております R.C』
あたしはそれを果たし状と思い――――

すっぽかす事にした。だってめんどくさいし。
この時、あたしは夢にも思わなかったのだ。
まさか、あんな事が起きようとは――――

久々の盗賊いぢめに気分すっきり、懐もあったかーくなり、上機嫌で街に戻ると――――何だあれ。
ちゅどーん!ぴきゅーん、ばららららっ!
あたしの目に映ったのは、変な青い羽をつけ、角を生やした奇妙な形の白い人型の何か。
しかも、すっげぇでかい。飛んでるし。
そんな奴が、両手に変な道具を持って、その道具から、腰に生えた何かから、お腹から、飛ばした青い羽から。
色んな所から怪光線を発し、街を火の海に変えていた。
「な、何なのよ……あれ。」
呆然とするあたしの耳に届いたのは、更なる絶望を告げる物だった。
『どこだ!リナ=インバース!カガリは今泣いているんだァ―――ッ!!』
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!関わりたくないぃぃぃぃぃぃっ!!」
街を火の海に変えてる正体不明の物体が、よく判らない内容で、
しかし確実に『リナ=インバースを探してます』と叫ばれれば、泣きたくもなるだろう。
そんなあたしに気づかぬそれは、なお街を破壊し続けていた。

あたしが何をしたとゆーんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!

5:2006/06/20(火) 23:22:17
翌日、あたしは野宿を決め込んでいた。
あの後―――

『もう良いですわキラ。どうやらもうこの街には居ないようですから』
白い『巨人』から発せられた声に応え、『巨人』は動きを止めた。
あたしはその声と、「キラ」と言う名前に聞き覚えがあった。
そう、数日前に暗殺の依頼を持ってきた、のーみそお花畑のお嬢さん。確か―――ラクス・クライン。
なるほど、「キラ」と言うのはあの『巨人』か、もしくはそれを操る術者の事か……。
恐らくは、依頼を断られた腹いせ、或いは「暗殺の対象」である筈だった人物の味方と思われたか。
いずれにしても、とりあえず今は様子見である。破壊活動を続けると言うなら止めなければならないが、
止めようとしているらしいのにしゃしゃり出て、混乱を広げる事もない。
あたしが今すべきなのは、立ち去るのを確認した後の、消火と救助の手伝いである。
ほっといて立ち去るとゆー選択肢も無い事もないのだが、アレがあたしを目的に暴れている以上、
巻き込まれた人たちをほっとくとゆーのはどうにも寝覚めが悪い。
その後、実際に『巨人』が飛び去るのを確認し、事態の収拾に手を貸して、今に至る訳である。

6:2006/06/20(火) 23:24:19
あたしが野宿をしている理由は大きく別けて二つ。
一つは、無関係な街への被害の拡大を防ぐ為。
もう一つは、森に入れば発見されにくくなり、襲撃自体が減るから、である。
目的が「腹いせ」ならば、暫くほっとけばよほど性格が悪くなければ、無関係な街を襲ったりせず、
あたしの事も忘れてくれる。
昨日の様子ではまだ襲撃しようとしている可能性はあるが、狙うのはあたしだけに出来るだろう。
しかし、もしあたしを『敵』と判断したならば、襲撃はいつまでたっても止む事は無い。
どちらにしても、再襲撃の可能性が高い今、街に入るのは食料の買出しなど必要最小限に抑える必要がある。
「あぁもう、面倒な事になったなぁ……」
もう一度襲撃があれば、戦って倒せば良い。その方が話は早く済む。
しかし、そのために厄介なのは、恐らくは「閃光の吐息」か、呪文によるあの怪光線。
威力は羽から出る弱い物で火炎球程度、お腹の変な穴からのそれは烈火球程の威力があるかもしれない。
いずれにしても、そんな物の直撃を食らえばタダでは済まない。
一つであれば、軌道が直線的なので避ける事も出来るが、一度に13発も同時に撃てるというのは脅威である。
タイミングをずらして撃って来たりすると、避ける事は格段に難しくなる。
更に言えば、8枚の「羽」は、本体と切り離されて自由に飛べるらしい。
つまり、本体がどこに居ても、あたしを中心に全方向からの攻撃が可能になると言う事。
はっきり言って、攻撃力だけ見ても正真正銘のバケモノである。
流石に竜破斬でもぶち込めば倒せるだろうけど、詠唱する隙を与えてくれるかどうか。
詠唱中の魔力障壁がアレの「閃光の吐息」を止められるとは限らないし……。
それに、アレの防御能力はまだ未知数。もし、ある程度以上の呪文耐性をアレが持っているとなると、
ダメージを与えられる手段は少なくなるし……
ちなみに、『呪文耐性』と言っても、呪文を完全に無効化するのは事実上不可能である。
精神世界に作用する黒魔術、精神系の精霊魔術などは、仮にそのエネルギーを完全に中和できれば、
竜破斬のような物理側面に影響のある術でも無効化できる。
もちろん、それをするにはそれ以上の魔力が必要となるし、竜破斬クラスを無効化するとなるとそれは人間の限界を大きく超えている。
だが、その能力だけだと、火炎球のような『物理力を生み出す』タイプの術は、生み出された物理的な力に対する防御力が必要となり、
魔術に耐性があったとしても、
『発動し、着弾した』ならば、生み出された炎に耐性を持たなければダメージを受けるのである。
逆に、アレが純魔族のような精神生命体なら、竜破斬なんかは良く効くけど、火炎球はまったく意味が無い事になる。
あたしの術の中にはその問題を両方解決できる物もあるが、アレは消耗激しいし、接近しないと意味ないし……
「あぁぁぁぁぁぁ、頭痛いよぉぉぉぉぉっ」
『巨人』への対策に頭を悩ませながら、あのピンク頭を見つけたら、
絶対べこべこにぶん殴って身包み剥いで役人に突き出しちゃると、あたしはお星様に固く誓ったのだった。

7:2006/06/20(火) 23:25:06
「リナ=インバース、だな?」
「違うわよ。」
そちらを振り向きもせず、あたしはそっけなく答えた。
先日の一件があって以来、町に立ち寄るのはできるだけ控えていたが、いよいよ食料が底をつき、
仕方なく立ち寄った町で。
唐突に声をかけてきた相手は、声から察するに十代半ばの少年、といった感じか。
・・・が、人気のない夕暮れの細い路地で、可憐な少女に声をかける輩などと、あんまりお近づきになりたい
とは思わない。
それに何より、今はやっかいごとにはできるだけ首を突っ込みたくない、とゆー事情もある。
「・・・いや、あんた、リナ=インバースだろ?」
「違うわよ。」
「いや、だって・・・」
だーっ、もーっ!
「人が違うって言ってるんだから、納得しなさいよとか言いつつ爆煙舞(バースト・ロンド)っ!!」

ちゅぼぼぼぼぉん!

「まったく、しつこいったらありゃしないんだから・・・」
振り向きざまに呪文一発。相手は空高く吹っ飛んだ。
うーん、リナちゃん、つおいっ!
地べたで呻いてる少年を確認し、あたしは荷物を抱えなおして、とっととこの町を出ようと
踵を返した。
「リナ=インバースさんだね?」
次の瞬間、後ろからまた声をかけられる。今度は違う男のものである。
「だーから!!違うって言って・・・」
振り向いて叫んで、あたしは言葉をのんだ。
そこに立っていたのは、年のころなら30前後。静かな瞳には理知的な光をたたえ、
白いローブを身に纏った一人の男。
・・・くせの強い黒髪を長く伸ばしてるのが果てしなくうざったいが、まぁそれを差し置いても、
美丈夫と言ってさしつかえない。
「シン、大丈夫か?」
「・・・だ・・・大丈夫です・・・議長・・・」
男から声をかけられて、彼の足元でぴくぴくしてた少年が、よろよろと立ち上がった。こちらは、
あたしと同じくらいの年頃の黒髪の少年。赤い軍服のようなものを着ていることから、
少年兵といった感じか。
どうも、二人は知り合いらしいが・・・議長・・・?

8:2006/06/20(火) 23:26:10
「改めて、お伺いしたい。リナ=インバースさんだね?」
「違います!あたし、リリーナっていうんです!お探しの人とは別人です!」
咄嗟にてきとーな名前をでっち上げ、あたしは顔の前で両手を振って見せた。
だが、男は動揺する素振りなど微塵も見せず、むしろ微笑をたたえて言った。
「名はその存在を示すものだ、ならばもしそれが偽りだとしたら、それはその存在そのものも
 偽りだということになるのかな?リリーナさん・・・いや、リナ=インバースさん?」
「いえ、何の事だか、あたしは・・・」
・・・なんかまたわけの分からない人にひっかかったんじゃなかろーか・・・うぅ・・・嫌な予感がする・・・
あたしはとにかくこの場を言い逃れようとしたが、男のほうがさっと腕を振った。
思わず身構える、あたし。・・・彼らからは殺気は感じられなかったが、万が一という事もある。
「夢幻覚(イリュージョン)」
幻影を見せる魔法!?
そして、目の前にソレが現れたとき、あたしは言葉を失った。

「コレに、見覚えがあるだろう?」
そこには、先日、街一つ壊滅させた、あの白い巨人がそびえていたのだ。もちろん、本物でない
ことは確かだが、この人、いったい・・・?
「ラクス・クラインとキラ・ヤマト・・・この二人の名前も知っているね?」
ラクスってのは、たしかあのピンクの電波少女・・・キラってのは、白い巨人の術者?の男か。
あたしは、諦めて肩をすくめた。
「何でもお見通しってわけね?」
男がもう一度手を振ると、白い巨人はたちまち掻き消え、細い路地に切り取られた夕焼け空が
浮かび上がる。
「いや、驚かせてすまなかった。怪しいものではない。」
「十二分に怪しいわね。こんなか弱い女の子一人に、大の男が二人がかりなんて、あんまり
素敵なシチュエーションとは言えないと思うけど?」
「いや、あの高名なリナ=インバースさん相手に、生身で戦いを挑むほど、我々は愚かではないよ。」

男のほうは相変わらず余裕の笑みを浮かべているが、後ろに控えた少年は敵意を剥き出しにしている。
・・・さっき呪文で吹っ飛ばしたのを根に持ってるんだろーか。心の狭いヤツ。
「自己紹介が遅れてしまった。私は、ギルバート・デュランダル。」
「デュランダル!?」
思わずあたしは声を上げた。デュランダルといえば、非常に有名な人が一人いるが・・・まさか・・・
「あの、ひょっとして・・・プラント最高評議会の!?」
「あぁ、私はそこの議長をしている。」
・・・め、めちゃくちゃお偉いさんぢゃないか・・・
ギルバート・デュランダルといえば、このあたりのいくつかの国を束ねる評議会の最高議長。
名前は悪役っぽいが、世間での評判は決して悪くない。
ある意味では、そこらの小国の国王よりも強い権力と知名度を持っている。
しかし、なんでこんな人がこんなところに・・・?
「そして、彼はシン・アスカ。私の優秀な護衛だ。」
あたしの疑問を他所に、ギルバートさんは後ろに控えていた少年を紹介してくれた。

9:2006/06/20(火) 23:26:52
「・・・リナ=インバースです。」
警戒だけは解かずに、あたしは本名を名乗った。
「リナ=インバースさん。実は、あなたに頼みたい事がある。」
「いやです。」
即答したあたしの言葉に、議長の後ろのシンが青筋立てたのが分かった。
「あの巨人に関することだと聞いても・・・かな?」
「・・・それは、どういう・・・?」
あんまり考えたくない話だが、この議長が、あの電波少女や白い巨人とグルだとしたら、
この場で二人まとめてぶっ飛ばして、仲間の居場所を吐かせて、芋づる式に一網打尽にできる。
「話を聞いてくれる気になったかな?」
「あなたが、あのラクスって子の仲間じゃないなら、ですけどね。」
「お前、いい加減にしろよ!?あいつらのせいでっ・・・」
後ろに控えていたシンが、遮るように叫んだ。その彼を手で制し、議長はあたしの目をまっすぐに見てきた。
「少し前になるが、私は暗殺者に命を狙われた。」
「・・・なっ!」

思い起こせば数日前。あの桃色電波少女は・・・確かにあたしに、暗殺の依頼を持ってきた。
まさか・・・まさかだけど・・・
「ひょっとして・・・その暗殺者の雇い主が・・・」
あたしの言葉に、議長は大きく頷いた。
「そう。ラクス・クラインとキラ・ヤマト。この二人が、大きく関与していると判明した。
そして、リナ=インバースさん。あなたは彼らに暗殺の依頼を持ちかけられたが、それを断っている。
それで彼らは、あなたを始末する事を考えた・・・街一つ消してでも、ね。」
「そ・・・それだけの理由で・・・?」
「彼らはそれをやるよ。」
あたしだって、それ相応の理由がなければ街で暴れたりはしない。ちょっと竜(ドラゴン)が暴れてるのを
退治するとか、石人形(ゴーレム)の暴走を止めたりとかで、街が半壊した事はあったけれど・・・それでも
火の海にしたことはない・・・・・・・・・と思ふ。
だが、依頼を断られたからってだけで・・・
「そんな・・・何をどーしたら、ンなことしよーなんて結論になるんです!?」
あたしの悲痛な叫びにも、議長は悲しそうに首を振るばかり。
・・・どーやら、あのラクスって子の脳みそは、ピーチ・フレーバーのゼリーでできてるらしい。
「そこで、だ。あなたとて、彼らの破壊を指をくわえて見ているつもりは毛頭ないだろう?」
議長は、そう言って、あたしに右手を差し出した。
「私も彼らを止めたい。・・・どうかな?」
あたしは、その右手と議長の顔を見比べ・・・
「よろしくおねがいしますっ!」
あたしたちは、夕暮れの路地で、がっちりと握手を交わしたのだった。

10:2006/06/20(火) 23:27:35
「さて・・・どこから話そうか?」
ギルバートさんは、優雅にカップをソーサーに戻し、あたしに視線を投げかけた。
ここはギルバートさんの私邸。彼が完全にプライベートの目的で所有しているとかで、
使用人も数える程度。護衛にいたっては、さきほどのシンという少年兵だけである。
・・・ちなみにそのシンは、議長の後ろで、未だにあたしにガン飛ばしている。

あたしと最高評議会の議長がタッグを組んだ事は、できるならラクスとキラに悟られたくはない。
ばれる前に、こちらから仕掛け、事を収集する。
これが、あたしとギルバートさんの、一致した意見だった。
本当なら知らん振りも出来ないわけではないが、あたしが自分たちの仲間にならないと悟った以上、
彼らは・・・彼らなら、きっとあたしを倒そうとするだろう。そして、ギルバートさんの事も。
はっきり言って、あたしは自分の命の心配はしていない。面倒事はゴメンだけど。
人生ってのは、絶対に負けないと決めたほうが勝つようにできてるもんなのである。
だが、ギルバートさんが命を狙われているとなれば、話は別。
彼自身のことはもちろん、彼を失えば、少なくとも評議会の加盟国は混乱に陥る。

「そうですね・・・まずは、あのラクスとキラについて、伺いたいんですけど。」
あたしの言葉に、ギルバートさんは秀麗な眉をわずかに寄せた。

「ラクス・クラインは、以前、議長を務めていたシーゲル・クラインの娘だ。」
「そーいえば、クラインって名前には聞き覚えが・・・」
思わずあたしは呟いた。
「有名なのは、父親のシーゲルだけではない。彼女自身、以前は歌姫として、公的行事に
たびたび参加していた。」
「歌姫・・・ねぇ・・・」
年頃のにーちゃんとか、夢見る少女なら、思わず胸をときめかせるかもしんない単語だが、
あいにくと、あたしには歌姫というものにいい思い出がない。・・・やたら乙女ちっくな
動く鎧(リビング・メイル)とか・・・
あたしが表情を曇らせたのをどう受け取ったのか、ギルバートさんがため息をついた。
「信じられないかもしれないが、彼女の言葉はかなりの影響力を持つ。シーゲル・クラインは
逝去して時間が経つが、クライン派の者たちが、今でも彼女を全面的にサポートしている
ことからも、伺えるだろう。」
・・・あの子にそれほどのカリスマ性があるとは到底思えないけど、世間の評判と本人の中身が
一致しないという好例か・・・
「えーっと、それじゃキラは?」
「この辺りで、数年前まで戦があったのは知っているかな?彼は、その時に兵士として
大きな戦功をあげたのだ。
気づいているとは思うが、ラクス・クラインとは恋仲にある。」
そう。確か、国同士の小競り合いが数年前に勃発し、そのときのごたごたでクライン議長が
殺害され、後任のズラだかゼラだかって前議長も、戦いの中で戦死した・・・と聞いている。

1110:2006/06/20(火) 23:28:27
「そして、あのときの戦乱の中で、軍が極秘裏に研究を進めていた、決戦兵器がある。」
「白い巨人、ですね?」
知っていたわけではないが、話の流れから考えるとあれしか考えられない。
あたしの言葉に、ギルバートさんはしっかりと頷いた。
「石人形(ゴーレム)のようなものと思ってくれて構わない。だが、石人形(ゴーレム)と違い、
あれは自立した意思を持たず、人間があれの内部から制御するようになっているがね。」
となると、ラクスとキラの声があの巨人から聞こえたのは、気のせいではなかったようである。
あの二人のどっちか、もしくは両方が、あれをコントロールしているという事か。
「あたしが見たとき、あれのおなかとか羽とかから、竜の吐息(ドラゴン・ブレス)みたいなのが
出てましたけど、それは術者の呪文じゃないんですね?」
「そう。あれは、呪文ではなく、あの白い巨人・・・我々は、あれらを総称してガンダムと呼んでいるが・・・
あれの持つ機能の一つに過ぎない。乗り込んだものが呪文を使えなくても、技術と魔力容量(キャパシティ)さえ
あれば扱う事が出来るのが、あの兵器の長所だ。
だが逆に、少し勘の良い者なら、子供でも街一つ消し飛ばすのは可能ということになる。」

ってことは、生身の勝負なら、二人があたしと同レベルの戦士でない限り、断然こちらが有利!
あそこから引きずり出して、けちょんけちょんにしちゃるっ!
にしても、話を聞けば聞くほど、とことんトンデモな兵器である。ガンダム・・・か。
・・・ってちょっとまて。
「ちょ、ちょっと、ギルバートさん!今、『あれらを総称して』って、言いました!?」
あたしの叫びにギルバートさんは、あぁと言って、手をぽんと叩いた。
「そう。ガンダムはあれ一体限りではないのだよ。」
・・・あんなのが三つも四つもあるんかい・・・ううぅ・・・やっぱ知らん振りしとけばよかったかも・・・
「いくらなんでも、あれが束になってかかってきたら・・・」
「それは、心配ない。
実用化に向けて何体か試作されたのだが・・・実はそのうちの一つが盗まれてね。
それがキラ・ヤマトの操縦する、ストライク・フリーダムと呼ばれるガンダムだ。」
「な・・・なるほど・・・とりあえず、敵はその一体と・・・」
「そう思ってくれて問題ない。それに。」
言って、議長は背後に控えるシンに、意味ありげな視線をちらりと送った。
「ガンダムを操れるのは、なにもキラ・ヤマトだけでない。」
え・・・?
「まさか・・・」
あたしの予想を裏付けるように、ギルバートさんはシンに顔を向け、言った。
「シン。デスティニー・ガンダム、いつでも大丈夫だな?」

1211:2006/06/20(火) 23:29:13
「デスティニー・・・ガンダム?」
「キラ・ヤマトのストライク・フリーダムに対抗するために作られたガンダムだ。
そして、それに搭乗するのが・・・このシンというわけだ。」
うわ、意外・・・てっきりガン飛ばすだけが才能だとばかり思っていたが、
そういう芸もできたのか、こいつ・・・まだあたしのこと睨んでるけど。
「・・・お前、今いろいろ失礼な事考えたろ。」
・・・しかも勘も悪くない・・・ヤなやつ。
「他人の考えにいちいちケチつけるよーなちっちゃい男が、あれと対抗するのって
結構むずかしいんじゃないかなーとか、本当のこと考えただけよ、気にしないで。」
「なんだとっ!?」
「あたし、あんたのことだなんて一言も言ってないけど。」
「あ・・・あんたって人はーっ!」
「シン、そう突っかかるな。」
ギルバートさんが苦笑混じりの表情でシンをたしなめる。
「けど、議長・・・!」
「リナさんとは、今後さまざまな面で協力しあっていかなければならないのだよ?
今から仲間割れでは、彼らに対抗できるとは・・・」
ふと、ギルバートさんは、何かに気づいたように言葉を切り、辺りを見回した。
あたしもソレに気づいた。・・・これは、人の気配・・・!
「ギルバートさん!」
嫌な予感がして、あたしはギルバートさんに声をかけた。あたしがここにいることを、キラやラクスが
知らないのだから、狙われるのはあたしでなく、ギルバートさんのはずだからだ。
だが・・・!

づどぉん!

あたしの視界を光と土煙がさえぎった!同時にものすごい爆風!
遅かった!?

1312:2006/06/20(火) 23:29:50
「ギルバートさん!?」
「議長!」
あたしの呼びかけと重なるように、シンの声。
声を頼りに煙を書き分けると、シンが驚いたようにこちらを振り返るところだった。
「何が!?」
「呪文の攻撃よ、きっと!ギルバートさんを狙った!」
「まさか・・・ここが奴らにばれた!?」
非公式の屋敷だから、今まで安全と考えられていたのか・・・気持ちは分かるが、無防備といわざるをえない。
「議長!無事ですか!?」
「シン、危ない!」
気配を感じたあたしは、シンの腕をとり、咄嗟に体を左に倒した。
そのすぐそばを、冷気が掠めていく。・・・これは、氷の矢(フリーズ・アロー)!やはり相手は魔道士か!
「大丈夫、シン!?」
「あ・・・ああ!」
慌てて起き上がり、あたしとシンは襲撃者とギルバートさんを目で探した。
爆風とは違う風が部屋の中に吹き込んでいる。おそらく襲撃者は、攻撃呪文で部屋の壁を
ぶち破って侵入したのだろう。
「くそっ・・・外からの攻撃か!」
「とにかく、ギルバートさんの安全を確保しないと・・・」
いや、それ以前に、まさかさっきの攻撃でやられたなんてことは・・・
最悪の予想があたしの頭を掠めた、そのとき!

「ほーっほっほっほっほっほっほ!今の攻撃を避けるとは!やるわねっ!」

最悪の予想のそのまた上を行く、もはや凶暴としかいいようのない事実が、あたしの聴覚を襲った・・・!

「まっ・・・まさか・・・!」
「リナ!あそこに・・・!」
シンが指差した先・・・穴の近くに転がった、壊れた棚の上に、ソレのシルエットを認めて・・・
・・・あたしは激しく後悔した・・・
「女!?魔道士か!」
「シ・・・シン!見ちゃダメ!ほ・・・ほら!知らんぷりよ、知らんぷり!」
「はぁ?!あんた、この期に及んで何言っ・・・て・・・」
シンはもう一度ソレを見て・・・絶句した。土煙が徐々に収まり・・・差し込んだ月の光の中にソレの姿が
現れたのだ・・・!

1413:2006/06/20(火) 23:30:38
「ほーっほっほっほ!この白蛇(サーペント)のナーガに恐れをなして・・・って、あら?
リナじゃない。どうしたのよ、こんなところで。」
「だあああぁっ!あんたもこっち見るなあああぁっ!」
満月をバックに、黒い髪と黒いマントをたなびかせバカ笑いしていたのは、自称・あたしのライバル、
実質・金魚のうんち、言わずと知れたナーガ・・・!
相も変わらず、トゲトゲ付きショルダーガードに髑髏のネックレス、無駄に露出度の高い服は
健在である・・・嬉しくも何ともないけど。

「な・・・あんたの知り合いなのか、アレ!?」
シンが一歩後ずさりした。・・・さすがに刺激が強すぎるか・・・
「知り合いだけど、類でも友でもないからっ!その辺ちゃんと理解してもらいたいわね!」
「わ・・・わかった・・・!」
あたしの力いっぱいの言葉に、シンは引きつった顔でかくかくと首を縦に振った。
「と・・・とりあえずっ!ナーガ!確かめるまでもないと思うけど、今の攻撃、あんたの仕業ね!」
「ほーっほっほっほ!悪の評議会議長なら、この私が闇の中へと葬ったわ!」
「なんだとぉっ!」
ナーガの台詞に、シンが怒りに声を荒げる。
「ふざけるな!議長が悪!?そんなことっ・・・!」
「ふっ!今頃、自分の生まれの不幸を呪っている頃でしょうね。ギルバート・デュランダルなんて、
どっからどう聞いても悪役の名前じゃない!」
「それはそうかもしれないけど・・・けど!理由になってないじゃないかぁっ!」
ナーガに圧倒され、頭を抱えるシン。うーん、ビギナーにはちょっときついかな・・・
・・・って慣れた自分を自覚するのも、なかなか辛いもんがあるけど・・・

「ナーガ!いくらつかまされたか知らないけど、いきなり議長暗殺なんて、ちったぁ自分で
ものを考えるって事をしたらどーなの!?」
「ほーっほっほっほ!悪の議長を成敗するだけで、前金で金貨500枚、成功報酬で金貨800枚も
くれる人は善人に決まってるじゃない!ちょっと考えれば分かるでしょう!?」
「なっ・・・!」
・・・そ・・・そりは・・・心が揺れる金額と言えなくもない・・・
「おいっ!今、あんた心動かされてただろっ!」
「そっ・・・そんなことないわっ!あたしはあくまで、えーっと・・・ギルバートさんの味方よっ!」
「どもるなよっ!]
「け・・・けどっ!あたしはあのラクスとかってピンクの電波に、魂売り飛ばすほど
落ちぶれてないっ!」
「ふっ!それは歌姫のラクス・クライン嬢のことかしらっ!?」
・・・こいつほどカマの掛け甲斐のある人間もいないだろう・・・いや、人じゃないか・・・ナーガだし。
「見くびってもらっては困るわね!ラクス・クラインだけならともかく、オーブ首長国の名前で依頼されて、
疑うような間抜けがどこの世界にいるのかしら!?」
「何ですって!?」
「オーブだと!?」
あたしの隣で、シンが声を上げた。
オーブといえば、この近くにある中立国のはずじゃ・・・?まさか・・・あの国が議長の暗殺を!?

1514:2006/06/20(火) 23:32:28
「そうか・・・オーブが・・・」
突如、背後から聞こえた声に、あたしとシンは同時に振り返った。
そこには、厳しい表情のギルバートさん!見たところ、無傷のようである。
・・・それはともかく、気配を微塵も感じなかったのだが、この人、玄人さんなんだろうか・・・
「議長!ご無事でしたか!」
「間一髪、といったところだがね。」
ギルバートさんはそう言って肩をすくめ、一歩踏み出した。
「ギルバートさん、下がっててください!あれは一見さんにはちょっと扱いにくい生き物で・・・!」
「ちょっと!私を人間でないかのように言うの、やめてくれない!?」
あたしの叫びもナーガのたわ言も聞こえないかのように、ギルバートさんは余裕の笑みすら浮かべている。
「詳しく教えてもらいたいが、どうだろうか?」
「笑わせてくれるわね、ギルバート・デュランダル!敵であり、ターゲットでもあるあなたに、
ぺらぺらと情報を話すとでも思っているのかしら!?」
長い髪をかきあげ、ナーガはあっさりとギルバートさんの言葉を跳ね除けた。ま、当然といえば、当然か。
「それに、元はといえば、あなたが議会で訳の分からないデスティニー・プランとやらを持ち出したのが
いけないのよ!」
デスティニー・プラン?あたしの知らない単語である。・・・デスティニーといえば、先ほど聞いた
デスティニー・ガンダムを連想するが、それと関係あるのだろうか?
「それの事を知っているとは・・・やはり、オーブが一枚噛んでいるのは事実というのか。」
「ギルバートさん、どういうことです?」
ギルバートさんは、少し困った顔であたしを振り返った。
「話せば長くなるが・・・つまりは、デスティニー・プランという案を、少し前の議会で提出したのだよ。
まだこのことは非公開だから、部外者の彼女が知っているという事は、誰か情報をリークした者がいるか、
それとも彼女の言うように、誰かが直接関係しているかのどちらかしかない・・・」
「その"誰か"ってのが、オーブ首長国の・・・って・・・あ!」
言葉を並べるうちに、あたしは重大な事に気づいた。
たしか、今のオーブの国家元首は若干17歳のカガリ・ユラ・アスハ・・・カガリ・・・
そう!たしか、ガンダムがあたしを探して街を火の海にしたあの時、ガンダムに乗っていたキラが
口走っていた名前・・・
「なるほど!そのデスティニー・プランを巡って、カガリ・ユラ・アスハがギルバートさんに
ケンカふっかけようって訳ね!?」
「本当か、リナ!?」
「ふっ!その通り!」
シンの疑問に答えたのは、しかしあたしではなかった。
「他人から押し付けられる運命を、オーブは受け入れられないという事!
それに、この白蛇(サーペント)のナーガの未来を決めるのは、他でもない、この私自身!」
「ナ・・・ナーガがまともな事言ってる!まさか、何か拾い食いでもしたの!?」
「・・・リナ、さっきから何かみょーにトゲがない・・・?」
けど、人の運命を決定するプラン?それがデスティニー・プランだとしたら、それはどういう・・・
「ふざけんな!アスハ家がなんだって言うんだ!議長のデスティニー・プランが成功しなければ・・・
また戦争が始まるかもしれないんだ!」
何か思うところがあるのか、シンが激しくナーガにつっかかる。・・・ちょっと腰引けてるけど。

1615:2006/06/20(火) 23:32:42
「ギルバートさん!」
説明を求め、あたしはギルバートさんの名前を呼んだ。
「どういうことです?『他人の運命を左右する』、『それが失敗すれば戦争が起こるかもしれない』・・・
なんなんですか、デスティニー・プランって!」
「それは・・・」
「つまりは、『他人の運命をその人間の素質で決定付けるプラン』・・・ですわ。」
ギルバートさんの言葉をさえぎったこの声っ!まさか!

「シン!ギルバートさん!伏せて!」
二人の返事を待たず、あたしは地面に伏せた。

ずどがぁっ!

ほぼ同時に、部屋の壁の残りと天井をぶち抜く衝撃!
「ひああああぁぁっ!」
・・・何かナーガの悲鳴が聞こえる・・・逃げ遅れたか・・・まーいっか。ナーガだし。
振動が収まった頃、ゆっくりと顔を上げれば・・・やはり!
引っぺがされた天井から見える、エメラルドの色をした目と、月光を反射して白く輝くボディ!
「出たわね、ガンダム!!」
・・・と、勢いでタンカ切ってみたけど・・・これはかなりまずい。
こちらは崩壊寸前の建物の中で、大規模な攻撃呪文は使えない。頼みの綱のデスティニー・ガンダムも
今はないし・・・ここでヤツらが無差別攻撃などしてきたら・・・
そんなあたしの考えをさえぎるように、ガンダムの胸の辺りがゆっくり開き、中から出てきたのは・・・
「ラクス!」
やはり、あたしの耳に間違いはなかったようである。
緩やかなウェーブのかかった髪を夜風になびかせ、現れた『歌姫』ラクス・クライン・・・だが、その実態を
あたしは知ってしまっている!
彼女は、寂しそうに目を細め、両手を胸の前で組み、あたしのほうを見た。

1716:2006/06/20(火) 23:33:25

・・・このシチュエーション・・・ものすごく、嫌な予感がする・・・

「リナさん・・・わたくしたちは、おそらくは、戦わなくても良かったはずの存在・・・
なのに、戦ってしまった者たち。何のために? 守るために? 何を? 自らを? 未来を? 
誰かを撃たねば守れない未来。自分、それは何? なぜ? そして、撃たれた者にはない未来。
では、撃った者たちは? その手につかむ、この果ての未来は? 幸福? 本当に?」

「ああああぁぁぁっ!分かったから!いや、よく分かんないけど!
とりあえずあたりに色んなもの撒き散らさないでえええぇっ!」
反語と体言止めとわけの分からない言葉の羅列に、思わず頭抱えて叫ぶあたし。
・・・ひょっとして、一番の強敵って、ガンダムなんかじゃなくてこの子自身なんじゃ・・・
「やめたまえ!」
「わわっ!ギルバートさん・・・いつの間に!」
またまた気配を感じさせず、あたしのすぐ横に立ってるギルバートさん。怖いから止めてほしい・・・
「私をここで殺せば、世界はまた元の混迷の闇へと逆戻りだ。私の言っていることは本当だよ? 」

「でも、僕達はそれを知っている! 」
言葉と共に、ガンダムの中から現れたのは・・・あたしの知らない男である。
いや、まだ少年と言ってもいいかもしれない。伸ばし気味の茶色の髪、年齢はラクスと同じくらいだろう。
だが、姿は知らなくとも、あたしはこの声に聞き覚えがあった・・・おそらく、彼が・・・
「分かっていける事も、変わっていける事も!
だから、明日が欲しいんだ! どんなに苦しくても、変わらない世界は嫌なんだ!」
・・・いかん、こいつも目が遠い・・・
「えっと・・・あんた!キラ・ヤマトね!?」
あたしの言葉に、彼がこちらを見た。やはり、彼がキラ!
あたしは彼にびしぃっと指を突きつけ、叫んだ。
「よくもあたしの名前叫びながら、あの街破壊してくれたわね!?
あたしまであんたたちみたいな電波と一緒にされちゃうじゃない!謝罪と弁償を要求するわっ!」
キラはあたしの方をキッと見据え、
「分かるけど!君の言うことも分かるけど・・・!それでも、僕は・・・!」
・・・いや、答えになってないし・・・何をどう分かったとゆーんだ、こいつ・・・
この二人、揃いも揃って、あたしの理解しなくてもいい世界の住人なんだろーか・・・
突きつけた指がちょっぴり寂しい・・・えぇい、がんばれ、リナ!負けるな、あたし!

1817:2006/06/20(火) 23:34:18
「どうするかね、リナさん?ここは戦うのにふさわしい場所とは思えないが・・・」
そっと、ギルバートさんが小声で呟く。
・・・この人、こんな電波の前でなんで平然としていられるんだろ・・・いや、どーでもいーことなんだけど・・・
「え・・・えっと・・・そうですね・・・とにかく、ギルバートさんとシンは一度退いてください。
それで、できれば、例のデスティニー・ガンダムってのを持ってきてもらえると、とってもありがたいです。
あいつらの足止めくらいならできると思いますから。」
「それはいいが・・・今デスティニーは動かせないのだよ・・・」
「なっ!何でです!?」
ギルバートさんが無言で視線を後ろに投げかけたので、あたしはそれをたどり・・・
「ああああああぁっ!何で気絶してるのよ、あんたはああぁぁっ!!」
あたしの視界に飛び込んできたのは、落ちてきた瓦礫にでもぶち当たったのか、床で伸びてるシン・アスカ!
・・・キラとラクスが出てきてもおとなしいと思ったら・・・使えないヤツ・・・
「戦いたくない・・・討ちたくない・・・だけど・・・何もできないからって何もしなかったら、もっと何もできない・・・
何も変わらない、何も終わらないから・・・」 」
ガンダムからのプレッシャーを感じ、あたしは慌てて彼らのほうに向き直った。
キラの視線は、あたしたち・・・いや、倒れたシンに向けられている!こちらの戦力が減った事に気づいたか!
「覚悟はある!僕は戦う!」
まずい!

1918:2006/06/20(火) 23:34:54
キラとラクスの姿がガンダムの中に消え・・・そして白い巨人の目に光が宿る!
「く・・・ギルバートさん、とりあえず逃げてください!奴らが無差別攻撃なんか始めたら、正直言って
手に負えないです!」
「私は大丈夫だが・・・シンは?」
「邪魔だからほっとくってのが、選択肢にあります!」
「いや・・・だが、デスティニーを動かすには彼が必要だろう?」
う・・・そうでした・・・
「わ、分かりました!あたしが何とか気を引きますから、その間にシンを連れて適当な場所に逃げてください!」
「・・・了解した。」
ギルバートさんがじりじりと後ろにさがるのを気配で感じながら、あたしは急いで呪文を唱えた。
「地精道(ベフィス・ブリング)!」
一瞬、静寂がその場を支配し・・・

ずがごおぉっ!

壁の穴から覗いていたガンダムの体が大きく傾ぎ、バランスを崩して倒れる!
地べたに穴を掘る呪文で、ガンダムの足元の地面を大きく抉り取ったのだ。
『うわぁっ!』
『きゃああぁっ!』
キラとラクスの悲鳴!いけるかっ!?この隙にガンダムから二人を引っ張り出せれば、あるいはっ!
あたしは壁の穴の縁に駆け寄ろうと・・・
「ぅひああっ!」
ずべっ。
・・・したのだが、何かに足をとられ、ものの見事にすっころんだ・・・
「・・・いたた・・・」
「ほーっほっほっほっほ!この白蛇(サーペント)のナーガを出し抜こうなど、100年早いのよ!」
「だあああ!あんた、こんなところに埋もれてたんかいっ!」
すっかり忘れていたが、あたしの足首つかんで馬鹿笑いしていたのは、ナーガ!
・・・まだ瓦礫の中に体の下半分が埋まってるので、こんな状態で大口叩かれても反応に困るのだが・・・
「あんたに構ってる暇はないのよ、放しなさいっ!」
「ふっ!そんなことでこの私をはぐらかそうったって、そうはいかないわっ!」
「はぐらかすとかそんなんじゃないって・・・」
嫌な感じが全身を走り、あたしはナーガのどたまをげしげしに蹴飛ばしていた足を止めた。
あたしの上に差し込んでいた月明かりが、ふっと掻き消えたのだ。
振り返ると、ガンダムがこちらに向かって・・・

2019:2006/06/20(火) 23:35:47
「・・・ぁたた・・・」
全身の関節が悲鳴を上げたような気がして目が覚めた。
・・・ここは、どこかの診療所・・・だろうか?真っ白の天井が目にまぶしい。
「目が覚めた!議長を!」
あたしの知らない声がする。
首だけ回してそちらを見ると、黒髪の男がこちらを振り返るところだった。
まだかなり若い・・・17、8くらいだろうか。シンと同じ赤い軍服を着ているところからして、
ギルバートさんのところの軍人さんのようである。悪い顔じゃないのだが、ちょっと額が広いのが玉に瑕。
「あ、まだ動かないで・・・」
「あはは、もぉ大丈夫だから・・・」
愛想笑いなど浮かべつつ、あたしは苦労して上半身を起こした。
「・・・あの、ここは?」
「評議会の医務室だ。議長とシンを、助けてくれたらしいな。ありがとう。」
・・・そういえば・・・ナーガに文字通り足をとられてたところをガンダムに・・・
まあ、あのガンダムの攻撃で直撃受けて、この程度で済んでいるのだから、奇跡としか言いようがない。
だが!それとこれとは話が別!
「ぅおにょれ、キラ・ヤマト!!乙女の柔肌に傷をつけてくれるとはっ!この恨み、万倍にして・・・!」
「キラに会ったのか!?」
あたしの言葉に、男が驚いたような声を上げた。
「会ったも何も!あたしをこんな目に合わせてくれた身の程知らずがキラ・ヤマト!
ピンクの電波のヒモやってる、死んだ魚の目をしたあの優男っ!」
あたしの非常に的確な表現に、何故か男は眉をひそめ、大きく息をついた。
「そうか・・・キラに・・・」
おや?
「あの・・・もしかして、キラと知り合いとか?」
あたしの問いに、男は少し戸惑ったようにあたしを見て、またまたため息をつく。
「それは・・・秘密・・・かな?」

ぼめしっ。

あたしの投げた枕が、男の顔にクリーンヒット!・・・って関節めちゃくちゃ痛いけど・・・
「な・・・何を・・・!?」
「つっこみ。」
「でも、だからって・・・なんで・・・」
「いや、何となく。ノリよ、ノリ。ちょっとお腹の底の方で、ものすっごく嫌な感じがしたんで。」
・・・女の勘とゆーやつだろうか・・・この男もなんだかロクでもないことしでかしそうな気が・・・
ここ数日、出会った人間のインパクトが強すぎて、なんだか人間不信になりそうである・・・
「大丈夫かな、リナさん。」
戸口のほうから声がかかり、ギルバートさんが姿を現した。当然のように、後ろにシンがついてきている。
「すまないね、我々に力がなかったばかりに・・・だが、大したことが無くて安心した。」
「あはは、あれは俗に言う、咄嗟の判断でー。」
「さすがリナさん。あのガンダムの攻撃を受けてもなお無事とは。まさに不死身、ということかな。」
・・・白状すると、あの瞬間にナーガを引っこ抜いて、即席でナーガ・シールドを作ったので、この程度で
済んだのだが、まー、その辺の事は特筆する必要はない・・・と思う。

2120:2006/06/20(火) 23:36:21
「そうだ、彼を紹介しておこう。」
そう言って、ギルバートさんは傍らの男を手で示した。
「彼は、アスラン・ザラ。ご覧の通り、軍人だ。シンの上司に当たる。」
「改めて、よろしく・・・」
「えーっと、リナ=インバースよ・・・」
「・・・さっきまで何してたんすか、二人とも・・・」
・・・アスランがあたしのぶん投げた枕を抱えているのを、シンが不思議な生き物でも見るような目で
眺めている。・・・変な誤解してたらヤだし、後でとりあえず炸弾陣(ディル・ブランド)かましておこう・・・
「それで、リナさん、今後の事だが・・・」
「あ、はい。」
いかんいかん・・・現実に戻らなければ・・・
「デスティニーもインフィニット・ジャスティスもいつでも出せるが・・・君はどうするべきだと思うかな?」
「・・・え・・・」
また何かあたしの知らない単語が出てきたのだが・・・
「えーっと、デスティニーはともかく、なんですか、そのインフィニット・ジャスティスって・・・」
「もちろん、ガンダムの名称だよ。搭乗者は彼だ。」
ギルバートさんはこともなげにそう言って、アスランのほうをちらりと見る。
・・・できれば知ってる情報洗いざらい全部吐いて・・・いやいや、共有させてもらいたいのだが・・・
それに、ガンダムについてる名称がどーも単純思考なのも気に食わない・・・どうでもいいことだけど。
「そうですね・・・敵の本拠地がオーブってのが分かった以上、これ以上おとなしくしてるのも癪ですし・・・」
「だが、確たる証拠がない。議長が大義名分を掲げてオーブを追求するには、それなりの証拠が必要だ。」
・・・まー、確かに。証拠といってもナーガとラクスの戯言しかないわけで、もちろん彼女らが
「んなもん知りません」と言ってしまえば、それでおしまいである。
だが!
「大丈夫です!議長が関わらなければ!」
「・・・つまり?」
「シンとアスランには、『盗まれたガンダムを取り戻す』って名目で加勢してもらって、あたしが直接、
ラクスとキラをぶっ潰せば問題なし!オーブのことなら、あの二人をなんとかした後で、叩いて埃出せば
いいんです!
あたしはキラをぶっ飛ばせて大満足!ギルバートさんも元通り、安全な日々を送れます!うん、完璧!」
「あぁ、確かに。」
「ぎ、議長!」
あたしとギルバートさんの会話に割って入ってきたのはアスランだった。
「・・・キラを、本当に・・・!?」
「これはもう決まってしまったことなのだよ。君も、かつての友人と戦うのは気が進まないだろうが、
時が経てば、人の心は変わるものだ。それに、今の彼らは無為に混乱を生む存在だ。放っておくわけにも
いくまい。」
「・・・しかし・・・」
なるほど。アスランの『かつての友人』というのが、あのキラ・ヤマトなのだろう。
・・・キラのトモダチって時点で、やっぱりこの男もとんでもない人物である可能性は十分にあるわけか・・・
類は友呼ぶって、昔から言うし・・・

2221:2006/06/20(火) 23:36:56
「だが・・・キラは敵じゃない・・・!」
「はあ!?」
「ちょっと、あんたっ!?」
アスランのぶっ飛んだ台詞に、あたしとシンが同時に声を上げた。
「あたしがこんな目にあってるってのに、よくもまー、そのあたしの目の前で、ンなあほな事言えるわね!
寝言は寝てから言ってくれる!?」
「ぅ・・・いや・・・それは・・・」
こ・・・この男はーっ!
「言いたい事があるなら、はっきりなさい!!」
あたしが一喝すると、アスランは眉間に皺を寄せ、うつむいて唇をかみ締めた。
・・・男の風上にも置けないってこーゆーことを言うのか・・・
「・・・アスラン君。少し、部屋で気分を落ち着けるといい。」
ギルバートさんの言葉に、アスランは少し顔を上げてあたしを見ると、踵を返して扉の向こうに消えていった。
「・・・何なの、あいつっ!デリカシーの欠片もない上に、自分の意見もはっきりしないで、しかもあの歳で
デコ後退なんて!男としての存在価値ゼロよ!?」
「・・・デコはともかく、俺、あんな性格した女は嫌だ・・・」
シンが苦虫でも噛み潰したような顔で呟く。・・・あたしも嫌だな、あんな女いたら・・・
「君たちも、あんまりひどく言うと、彼が立ち直れなくなるからやめたまえ。」
・・・とか言いつつ、ギルバートさんも口元が笑ってる・・・さては内心そう思ってたな・・・
「とりあえず、リナさんは体を休める事を最優先に。後で、もう一度回復呪文をかけてもらうように、
私から頼んでおこう。
シンは、デスティニーの整備を。」
「はい!」
シンがきびきびと敬礼し、それから、ちらりとあたしの方に向き直った。
「おい・・・」
「ん?なに?」
「・・・ストライク・フリーダムは・・・俺が倒す!」
なにやら眉間に皺寄せてそれだけ言うと、シンは駆け足で部屋を出て行った。
・・・何、あれ・・・
いや、ヤなやつだってのは、最初に会った時から気づいてはいたが、あれが命の恩人(あたしのこと)に対する
態度か・・・?
まったく躾の行き届いていない軍隊である。
「すまないね。ああいうものの言い方しかできない少年だが、根は真っ直ぐなのだよ、彼は。」
あたしの引きつった表情に気づいているのかいないのか、ギルバートさんが、シンの出て行った扉を見ながら、
独り言のようにつぶやいた。
いや、あれのどこがまっすぐだと・・・?
「シンのこと、聞きたいかな?」
「いえ、別に・・・」
「かつて、ここで戦争があった。」
・・・あの、今、あたし断ったんですけど・・・
あたしの意向を華麗にスルーして、ギルバートさんはなにやらセピアカラーをバックに背負って、
一人ぽつぽつと語る。
・・・この人もこーゆー人って訳ね・・・あれ、目から何か出てきそう・・・

2322:2006/06/20(火) 23:37:44
「シンはその戦乱の中で家を失い・・・帰るべき場所を失くした。それで、彼はキラ・ヤマトのストライク・
フリーダムに執着しているのだよ。あれは、我々にとって、戦争の代名詞のようなものだからね。」
「・・・はぁ、そうなんですか。」
「だから私は、何としてもラクス・クラインとキラ・ヤマトを止めたいのだ。我々は、もう戦争の
恐ろしさを十二分に体験している。これ以上シンの様な悲しい子供を作らないためにも、我々が最善を
尽くす必要があるのだよ。」
「・・・そうですね・・・」
「そこで、私はデスティニー・プランを議会に提出し、多くの国々の賛同を得た。・・・オーブなど、
2、3の国が反対を示したが、我々は民主主義者だからね。もうすぐこのプランは実行に移されることになる。」
そもそも民主主義とゆーのは、裏を返せば数の暴力。マイノリティの意見は無視されるのがほとんどである。
あたしはそれがいいか悪いか知らないが、とりあえずコレだけは言える。
子供のケンカじゃあるまいし、言葉で勝てないからといって、武力でどーにかしようなど、少なくとも政治家の
考える事ではない。
「あのー、デスティニー・プランって、具体的にどういうもんなんです?」
ぐだぐだと理想論を話されても困るので、とりあえず情報を聞こうと、あたしは話をそちらに向けた。
「いや、そんな大層なものではない。要は、大規模な職業斡旋計画なのだよ。」
「・・・は?」
しょ・・・職業斡旋・・・?
「そう。巫女や神官の占いや、魔道的な技術協力を得て、まずは自分を知る事から始める。自らが持つ資質の全て・・・
性格、知能、才能、それを明確に知ることが重要なのだよ。
自分すら知らない、貴重な才能が開花せずにいるのかもしれない。それは人類全体にとっても非常に大きな損失となる。
自分自身の全てを、そしてそれによって出来ることを知るところから始め、自身の力を最大限に
発揮できる職に就く・・・それが、個人にとっても、社会にとっても幸福な明日への第一歩となるのだよ。」
・・・自分の力を知っていて、好き好んで片田舎でウェイトレスやってる人も世の中にはいるわけだが、その辺は
ギルバートさんとの意見の相違・・・とゆーやつだろう。
「それが、デスティニー・プラン・・・?」
「そういうことだ。・・・もっとも、名称が重たすぎるというので、ハロー・ワーク・プランに変更しようと
いう案も出ているが・・・第三者として、どう思うかな、リナさん?」
「・・・・・・・ハロー・ワークでもいいんじゃないでしょうか・・・・・・」
これ以上、あたしにどうしろと・・・?
なんか、世界を巻き込んだこってこての管理社会でも作るのかと勘ぐったが・・・なんだか肩透かしを食らった
気分である・・・
・・・疲れた・・・いろいろと・・・

とにかく、あたしが今やるべきことは、ギルバートさんの言っていたように、おとなしく体を休める事・・・
人生ってのは、それまではどうであれ、最後の決戦で全てが決まるようになっているのである。
キラ・ヤマト!次こそはかならずぼっこぼこにしちゃる!
・・・まー、悔しい事に変わりないが、熱く燃える決意を胸に、しばし休息をとるべく、あたしはベッドにもぐりこんだのだった・・・


数時間後。

「脱走だ!!アスラン・ザラがっ!インフィニット・ジャスティスで脱走したぞっ!」

・・・あたしのつかの間の平穏は見事にぶち壊された・・・

2423:2006/06/20(火) 23:38:43
バタバタと走り回る軍人さんたちに紛れ、あたしがガンダムの格納庫に着いたときには、ギルバートさんは
忙しなく指示を飛ばしているところだった。

「ギルバートさん!」
「おぉ、リナさん。来てくれたのだね。」
「あのデコ・・・じゃない、アスランが脱走したってのは・・・!?」
あたしの問いに、ギルバートさんは首を振った。
「残念だが、事実だ。彼は自分のガンダムで、ここを飛び出したらしい。あんな目立つものでは
そう遠くまで行けるとは思えないが・・・心当たりがないわけではない。」
「オーブですね?」
「そうだ。キラ・ヤマトをはじめ、オーブには彼の知り合いは多い。彼は、確かにもともとは
ここの軍人だったが、ついこの間まで、オーブの戦士だったからね。」
「えぇっ!?んじゃあいつが軍を抜けるのって、これが二度目?!」
「・・・そういうことになるのかな。」
脱走の常習犯か・・・あたしがオーブの軍人だったら、間違いなくアスランに石投げるぞ。
「け・・・けど、オーブはそれを受け入れるんですか?」
「彼は、カガリ・ユラ・アスハと非常に近しい。彼女が受け入れるなら、もちろんそれはオーブの
総意になる。」
・・・いーのか、そんなんで・・・
だが、そうなると、オーブに入る前にアスランを何とかしないといけない。
「おい!あんたはどうすんだ!?」
頭上からみょーに神経に触る声が降ってきた。しかたなく見上げると、シンがガンダムの
胸部でこちらを見下ろしている。あれでアスランを追いかける、ということか。
ということは、あのガンダムがデスティニー・・・
ストライク・フリーダムと同じような白を基調としたボディだが、それとは対照的な紅い羽が目を引く。
「あたしも行くわ!いいですね、ギルバートさん?」
オーブの意図がはっきりしない以上、アスランとガンダムをあっちに譲るのはかなり危険である。
そうでなくとも、アスランはキラと繋がりがある。あたしやギルバートさんを狙って、いつ
襲撃してくるとも限らない。
「そうしてくれると、こちらとしてもありがたい。
インフィニット・ジャスティス及びアスラン・ザラの捕縛・連行、もしくは撃墜を許可する。」
「そういうことよ、シン!」
「分かった!早く来い!」
「浮遊(レビテーション)!」
呪文でシンの立っているところまで浮かび上がると、シンは無言で、ガンダムの搭乗口を指差した。

「副座(サブ・シート)は奥だ。」
シンに押し込まれるようにしてガンダムの中に入る。
操縦席と思われる座席が一つ、その奥に、ちょいと小ぶりの席が一つ。こっちに座れ、ということか。
操縦席の周りには、さまざまな計器や魔法道具(マジック・アイテム)が組み込まれ、まさに魔道の粋をかき集めて
作った、という印象がある。
あたしはガンダムの仕組みは知らないが、ここに使われている道具の価値くらいは分かる。
はっきり言って、小さな国の国家予算くらいはある。
確かに、これ一つあれば、伝説の魔獣ザナッファーとまではいかなくとも、下級魔族くらいになら
対抗できるかもしれない。ましてや、人間相手の戦争となれば・・・

2524:2006/06/20(火) 23:39:18
『デスティニー出ます!デスティニー発進!』
外から声が響く。操縦席の正面の壁に組み込まれた板状のクリスタルに外の様子が映り、ギルバートさんたちが
その場から下がっていくのが見える。格納庫の壁が開き、外の光が差し込む。その先には、レール状の通路。
「しっかりつかまってろ。」
言われるまま、あたしはとりあえず、自分の座席の肘掛を軽く握った。
ガンダムがゆっくりと動き出す。意外とスムーズな動きで、数歩前に進み、外へと続くレールの上で、
立ち止まった。
クリスタルの片隅に、グリーンのライトが光り、何事かを告げている。

「シン・アスカ!デスティニー、行きます!」

ごっ!

「ぅひあぁっ!」
ものすごい加速!
・・・慣性で後頭部を強かにヘッドレストにぶつけた・・・けっこー痛い・・・
「ちょっと!こんなしっかり衝撃がくるなら、事前にちゃんと言ってよ!」
「だからつかまってろって、言っただろう!?これくらいで騒ぐなよっ!」
痛む後頭部をさすりながら顔を上げると、正面のクリスタルに、分厚い雲に覆われた空が、
大写しになっていた。空の下には深緑の森が広がっている。どうやらすでに空中を飛んでいるらしい。
万一戦闘になっても、気兼ねなく竜破斬(ドラグ・スレイブ)ぶっ放てそうなのはうれしい限り。
「シン、どれくらいで追いつきそう?」
「分からない。けど、絶対に・・・逃がさない・・・許さない・・・裏切りなんて・・・!」
デスティニーはさらに加速を続けている。翔封界(レイ・ウィング)の最大速度よりもかなり速いだろう。
インフィニット・ジャスティスがどれくらいの速さを出せるのか知らないが、追いつくのも時間の
問題のように思える。
「あいつ、何で脱走なんか・・・!」
シンが声を震わせながら呟いた。
「何でって・・・あたしが知ってるわけないじゃない。アスランとは昨日会ったばっかなのに。」
「そうだけどっ・・・分からない!今になって、議長を裏切るなんて!」
「・・・それは、本人に聞いてみたらどうかしら?」
クリスタルの中の空の向こう・・・光を伴った赤い点が見える。恐らく、あれがアスランの!
「インフィニット・ジャスティス!」
シンが鋭く叫び、追い上げをかける。向こうも、あたしたちの追撃に気づいているのだろう、
速度を上げて何とか振り切ろうとしている。
「何でこんなことになるんだよっ・・・何であんたはぁっ!」
小さな機械音と同時に、湿った空に閃光が走る!デスティニーが攻撃したのだろう。
インフィニット・ジャスティスはそれをかわすと、こちらに向き直るようにして止まった。
『シン!』
レグルス盤でも用いているのだろうか。アスランの声が聞こえる。多分、こちらの声も、アスランに
届いているはずである。
「逃げんなよ!降伏しろ!裏切るな!基地へ戻れ!」
『 聞けシン!議長の言うことは、確かに正しく心地よく聞こえるかもしれない!
だが彼らの言葉は、やがて世界の全てを殺す!』
・・・これは、デスティニー・プランの事だろうか?議長の言うデスティニー・プランとは、かなり
印象が違うが・・・

2625:2006/06/20(火) 23:40:06
「なら、一つ聞かせてもらいましょーか、アスラン!あんたがデスティニー・プランを支持しないのは
勝手だけど、それで何だって脱走してまでキラのところに行こうとするわけ!?」
『俺は脱走したわけじゃない!』
「思いっきり現在進行形でしてるでしょうがあああ!世間では無断で機密持ち出してよそに走るのを
脱走って言うのよっ!!」
そーいや、こいつ、こーゆーやつだった・・・
・・・何が悲しくて、わけの分からないボケに突っ込んでやらなきゃいけないんだろーか・・・
「と、とにかくっ!あんたがキラやらラクスやらのテロリストに加担するってなら、これはもう立派な犯罪!
ってことは、あんたは犯罪者!つまり悪人!
となれば、撃墜しよーが身包み剥いで金品奪おーが、まったく問題なし!!」
「・・・いや、撃墜はともかく、身包み剥いで現金強奪はドロボ・・・」
「うるさいわよ、シン!悪人に人権ないからいーの!」
シンはなおも口の中で何かぼやいていたが、その間にも着実にあたしたちとアスランの赤いガンダムとの
距離は縮まっている。
この距離なら、ドラ・スレ直撃もできるはず・・・!
「シン!あたしが一発で叩き落すわ!そこを確保できるわね!?」
「え・・・けど、ガンダムに対抗できる呪文なんて、かなりレベルの高い・・・」
「いいから!」
あたしは苦労してシンの横を通り抜け、ガンダムの搭乗口を開放した。
ものすごい風圧で飛ばされそうになるのを耐え、バランスをとりながら呪文を唱える。

黄昏よりも昏きもの 血の流れよりも紅きもの
時の流れに埋れし 偉大なる汝の名において

『なっ!?』
「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!?」
アスランとシンが驚愕の声を上げる。
さすがに黒魔術最強(とされている)呪文をもろに受ければ、いくらアホなスペックを誇る
ガンダムといえど、タダで済むはずはない。アスランの焦りの声がいい証拠!
だが・・・

ごっ!

「うやぁああっ!」
突然、ものすごい勢いで機体が旋廻した!振り落とされまいと、必死に近くの機材につかまる。
って、ああああ!呪文が途切れたあああ!!
「シン!あんた・・・!」
「それどころじゃない!ハッチ閉めろ!早く!後ろにもどれ!!」
あたしの非難の声も聞こえないかのように、シンは赤い瞳を見開き、早口でまくし立てる。
・・・何が・・・
「あいつが来た!!」
シンの言葉で、あたしは初めて気づいた。
クリスタルの中に浮かぶ、もう一つの影・・・これはアスランのガンダムとは違う。
白いボディに青い羽・・・ストライク・フリーダム!
あたしの仇敵が、あたしたちを迎え撃つかのように、こちらに接近している・・・!

2726:2006/06/20(火) 23:41:00
「まさか、アスランの援護に!?」
「くそっ!こんな時に!」
ガンダムに対抗する手段は、同じガンダムか、強力な攻撃呪文くらいしかないはず。
インフィニット・ジャスティス一つなら、なんとでもなっただろうが、ここでストライク・フリーダムまで
出てくるのはあまり好ましい状況ではない。
あたしが外で戦えればいいのだが、あの羽から繰り出される全方向からの攻撃を生身で避けるのは、
はっきり言って無理。
そうなると風の結界を張って防御するか、高速飛行の術を使って避けなければならないわけだが、
それでは集中の必要な大技は使えない。
森の中からちまちま小技で気を引いて、シンに止めを刺してもらうか?森の中からなら、向こうも
反撃し辛いかもしれないし・・・
いや、それでも二つのガンダムをいっぺんに相手にするのは、シンにとって重荷のはず。
どう見たって、今のシンには余裕がない。
・・・うーん、どうしたもんか・・・
『ストライク・フリーダム・・・!キラ!キラなのか!?』
『アスラン!?本当に・・・君なの!?』
あたしの思考をよそに、あちらではキラとアスランの会話が始まっている。
『・・・キラ!俺は・・・俺が欲しかったのは明確な答えだったのかもしれない・・・ただ真実を知りたかった・・・
信じられるものが欲しかっただけなんだ・・・!』
『いいんだ、アスラン・・・だって、アスランはアスランでしょう?
いつか全ての戦いが終わって、誰もが心から笑って手を取り合える時を迎えるために。
僕達はその日のためにここにいる。それでいいんだよ、アスラン。
果てしのない戦いの連鎖から世界を解き放ち、自由な未来を築くために・・・!』

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
思わず無言で凍りつくあたしとシン・・・
・・・完璧に二人だけの世界である・・・心なし、あの二つのガンダムの周りの空間が、ピンクに見える・・・
もしやこれって、あたしたちに対する精神攻撃・・・?そう考えたらものすごく納得できる・・・
『そこにいるの、リナ=インバース・・・?』
キラの呼びかけ・・・あたしの存在によく気づいたものである。
『何故君たちはラクスを倒そうとするの?そして、何故、オーブを破壊しようとしているの?
君たちは僕の問いに答えられるの?君たちが信じるようにデュランダル議長を信じることは、僕には出来ない。
だって、戦いのない世界を創る為だからといって、こんなにも多くの血を流さなきゃならないなんて、
どうしても僕には正しいと思えないから・・・!』
「ああああのねぇっ!ガンダム強奪して議長の暗殺企てて、しかも流血したのはあたしよ、あたしーっ!
それもこれも、みーんなあんたたちのせいじゃない!
あんたの問いに答えるとか答えないとか、それ以前の問題でしょうがあああっ!!」
思わずクリスタルの中の白いガンダムに指突きつけて絶叫するあたし。
あぁぁ・・・脳みそが何かに浸食されそう・・・
『でもラクスやカガリたちは、一生懸命未来を切り開こうとしている・・・
その努力を打ち砕こうとするなんて、許せないじゃない。だから僕は、まだ戦ってるんだ・・・!』
・・・って、あたしの言葉はスルーするし・・・あぁ・・・実家に帰りたい・・・

2827:2006/06/20(火) 23:41:34
「あ・・・あんたら一体なんなんだあああぁぁぁっ!!」
この何ともいえない空気に耐え切れなくなったか、シンが絶叫する!同時に、ものすごい加速!
「ちょっ・・・シン!?」
クリスタルのストライク・フリーダムが、どんどん大きく・・・って、デスティニーがあれに急接近してる!?
まずい!キラのストライク・フリーダムには、腹ビーム(仮称)がある!
至近距離の攻撃など受けたら、ここを直撃することだってありえる・・・!
「うあああああぁぁぁっ!」
『シン、やめないかっ!』

どうっ!

鈍い音とともに、機体が激しくゆすぶられる・・・!割って入ったアスランのインフィニット・ジャスティスが、
デスティニーの攻撃を受け止めたらしい。
クリスタルの中では、二つのガンダムによる激しい鍔迫り合いが行われている。
インフィニット・ジャスティスの獲物は柄の両端に光を放つ刃をつけたもの、対するデスティニーの
武器は長身の剣。こちらも刃は淡い光を放っている。

『アスラン!』
キラの困惑した声・・・ストライク・フリーダムが動かないところを見ると、シンとアスランの
間に入るのを迷っているのか?このまま黙って見ていてくれればいいのだが、アスランが不利になれば、
間違いなく加勢に入るだろう。
となれば、取る手は一つ!すなわち、キラの牽制!
「炎の矢(フレア・アロー)!」
あたしの『力ある言葉』と同時に、デスティニーの回りに十数本の炎の矢が出現する。通常は術者の
目の前に現れるものなのだが、ちょっと呪文をいじってやれば、こういうこともできる。
もう少し発現場所がピンポイントにできれば、アスランやキラのガンダムの中に火炎球(ファイア・ボール)でも
ぶちこんでやるのだが、あんだけ激しく動く的では不発になる可能性が高い。
「動かないで、キラ・ヤマト!二人の間に入るよーな真似したら、この辺り一帯火の海にして、
『あんたがやった』ってオーブの国に言いふらすわよ!?」
『くっ・・・それは・・・!』
オーブで悪口立てられるのがそんなに嫌なのか、面白いくらい動揺するキラ。
あの日、街一つあんだけ破壊したんだから、今更森の一つや二つ焦土にしたことになったって、大して
変わらないだろーに。たまにいるのだ、こーゆー器の小さいヤツが。
・・・まぁ、破壊神だの大魔王の食べ残しだの言われ続けて気持ちがいいかと聞かれると、素直にハイとは
言えないけど・・・
とりあえず、これでキラはしばらく動けないはず!この間に、何とかアスランを落とせれば・・・!

『もうお前も・・・過去に囚われたまま戦うのはやめろ!そんなことをしても、何も戻りはしない!
なのに未来まで殺す気か、お前は!?お前が欲しかったのは、本当にそんな力か!?』
「くっ・・・だけど・・・だけどっ!」
アスランの呼びかけに、シンの気配がわずかに揺れる・・・!えぇい、世話のかかるっ!
「シン!惑わされちゃ駄目!エラそーなこと言ってるように聞こえるけど、要は『僕は過去に
こだわらないから、君にもこの脱走のこと忘れてほしーな♪』って言ってんだからっ!!」
「そ・・・そうだっ!裏切り者のあんたに、過去がどうとか言われてたまるかぁっ!」
あたしの渾身の言葉に、正気に戻るシン。よし!軌道修正完了!!

2928:2006/06/20(火) 23:42:04
『っ・・・!この馬鹿野郎っ!』
「ぅっ!」
インフィニット・ジャスティスが切り結んでいた刀を突き放す。反動で大きく揺れるデスティニー・・・!
体勢を崩されたか!そこを狙ってインフィニット・ジャスティスが振りかぶる!
「GO!」
あたしは咄嗟に、待機させておいた炎の矢(フレア・アロー)をインフィニット・ジャスティスにむけて飛ばした。
大きなダメージは与えられなくても、時間稼ぎにはなるはず!
『ちぃっ!』
さすがに直撃されるのは嫌なのか、アスランのガンダムが光の膜状のシールドを構えた。
次の瞬間、シールドの前で弾け飛ぶ炎!辺りが光と煙に覆われ、外の様子が分からなくなる。
『リナ=インバース!何を・・・!?』
あたしがアスランを牽制したのが気に障ったのだろう、キラが叫ぶ。
それを無視し、揺れるガンダムの中で何とか呪文を唱えるあたし。
「炎の矢(フレア・アロー)!」
再びデスティニーの周りに現れる炎の矢!
『やめろ、リナ=インバース!お前も!』

ざむっ!

ああああっ!インフィニット・ジャスティスの刀に切り払われた!
くっ・・・あの呪文が物理的影響を受ける事を知ってるとはっ!
煙を切り裂くように、インフィニット・ジャスティスの剣がこちらに向かって伸びてくる!

どごぉっ!!

『ぐわぁっ!』
・・・だが、声を上げたのは、あたしでもシンでもなかった。
「な・・・!?」
「何だ!?」
『アスラン!どうしたのっ!?』
状況が把握しきれず、思わず声をあげるあたしとシン。
爆風で煙が吹き飛び、体勢を崩されたアスランのガンダムが、クリスタルの画面を横切っていく。
・・・ガンダムのボディに、見事な風穴が開いてた様に見えたのだが・・・それに、一瞬だが、赤い魔力の光も。
ひょっとしてあれって魔竜烈火咆(ガーヴ・フレア)の炎じゃ?
シンの様子から察するに、彼が攻撃したわけではない・・・もちろん、キラがやったわけでもない。
なら、一体何が・・・!?

3029:2006/06/20(火) 23:43:09
「ほーっほっほっほっほっほ!アスラン・ザラのインフィニット・ジャスティス、
確かにこの白蛇(サーペント)のナーガが討ち取ったわ!!」
「な・・・ナーガ!?」
聞き覚えのありすぎる高笑いに、慌ててあたりを見回すあたし。
「おい!まさか、あいつ生きてるのか!?ありえないだろ!?」
「ありえなくはないわ!ナーガだものっ!」
「・・・そういうもんなのか・・・?」
『ア・・・アスラアアアアアアアァァァン!!!』
キラの叫びが空しく響く・・・インフィニット・ジャスティスは煙を一筋上げながら、ゆっくりと森の中に
落ちていった。
あ、爆発した・・・アスラン、生きてるかな・・・?
「リナ!あそこに!」
シンが指差したのは、一際高い針葉樹の上。腰に手を当てたナーガが見える。
・・・確かにあたしがシールドに使ったはずなんだが・・・あたしより元気そうに見えるし・・・
「ふっ!キラ・ヤマト!敵のガンダムはこれで一つ減ったわ!感謝なさい!!」
あぁ、アスランが議長側だって聞いてたんだ、ナーガ。
『そんな!君は・・・君はなんてことをっ!』
「あら!あなたがてこずっていた様だから、少しばかり加勢してあげただけじゃない!
男の逆切れほどみっともないものはないわよ!?」
『アスランは僕たちの味方だったんだ!なのに・・・それなのに!!』
キラの抗議にも、ナーガは胸を張り、
「笑わせないでくれるかしら!人を見ただけで敵か味方か分かるなら、人生に苦労はないわっ!
そういうわけで、追加ボーナスの件はよぉく考えておく事ね!!」
「いや、見ただけで分かるだろ、あれは・・・アスラン、俺たちと戦ってたんだから・・・」
シンが当然の突込みを入れる。『だって、ナーガだし・・・』としか言いようがないが。
『分かるけど、君の言う事も分かるけど!
なにも、この戦闘も!この犠牲も!仕方がない事だって!それで君はアスランを撃ったのか!?
なら僕は、君を撃つ!!』
キラの叫びと同時に、ストライク・フリーダムの8枚の羽が空中に飛び出した!

31 これまでのあらすじ:2006/06/20(火) 23:44:23
あたしは、リナ。リナ=インバース。旅を続ける天才美少女魔道士である。

ある日、あたしに暗殺なんてトンデモな依頼を持ってきた電波少女、ラクス・クライン・・・
なんと彼女は、プラント最高評議会議長・ギルバートさんを狙うテロリストだった!
しかもその理由が、ギルバートさんの提案したデスティニー・プランが気に食わないから・・・って、
子供のケンカじゃあるまいし・・・
そして、ラクスの依頼を断ったあたしにも、ピンクの電波の魔の手が伸びる!!
青い翼を持つ白い巨人・ストライク・フリーダム・ガンダム、そしてそれを操るキラ・ヤマト!
こいつがまた、ラクスに負けず劣らず立派な電波で・・・
そんなラクス一味に対抗すべく、ギルバートさんと協力関係を結んだあたし。
デスティニー・ガンダム(と、ついでに性格の悪い少年兵シン・アスカ)という強力な味方を手に入れた。
だが!金に目のくらんだナーガがラクス側に付き、さらにストフリの強襲によって、あたしたちは撤退を
余儀なくされてしまったのだった・・・

次にあたしを待っていたのは、キラの親友アスラン・ザラ、通称デコ。
・・・が、彼はキラの友達というだけあって、非常識の斜め上をいく、とってもお近づきになりたくない
性格の持ち主だった・・・
そんなアスランが脱走し、ギルバートさんに追撃を許されたあたしとシン。
そこに現れたのは、ストライク・フリーダム!
キラ・ヤマト!今回こそぼっこぼこにしたるっ!!
だがキラの怒りは、どさくさでアスランを撃墜したナーガに向けられた・・・!!


電波の濃ゆさは通常の三倍!?
あたしは、生き残る事ができるか!?

3230:2006/06/20(火) 23:45:04
「ほーっほっほっほっほっほ!言われなき解雇の手切れ金は契約金の三割よ!」
状況が分かっているのかいないのか、相変わらず余裕のナーガ。
だが、8枚の羽は虫のような動きをしながら、確実にナーガを取り囲む形に陣形を
組んでいる。
「おい、あんた!ドラグーンだ!逃げろ!死ぬぞ!?」
シンが顔色を変えてナーガに呼びかける・・・ということは、やはりあの羽・・・ドラグーンは、
相当危険なシロモノなのだろう。
「ふっ!この白蛇(サーペント)のナーガ、逃げも隠れもしないわっ!」
そう言って、呪文の詠唱に入るナーガ。
「シン!あたしたちは・・・」
「ドラグーンを落とすか!?あいつを助けるのか!?」
「オーブに向かうわ!」
「はぁ!?」
シンが何とも言えない表情でこっちを振り向く。
「聞こえなかった!?オーブよ!敵の本拠地!」
「正気か!?あいつにストライク・フリーダムまかせて、議長もほっぽって・・・オーブ!?」
「そうよ!首長を直接とっちめる!」
「その間に何かあったらどうすんだよ!議長に万一の事があったら・・・!」
「大丈夫!ナーガを信じましょ!」
「あいつに全部の責任押し付ける気だな、あんた!!」
ちっ、ばれたか!
「ほんとに大丈夫!あたしたちがオーブに向かうと分かったら、キラは必ずこっちを優先するわ。
『オーブやラクスを犠牲にしてでも議長を倒す』なんて殊勝な覚悟、あいつにあるわけないもの!」
「そ・・・そうか!確かに!」
シンの手の中のレバーが滑らかに動き、デスティニーが空中で方向を変え、加速する。
『どこに・・・まさか!?』
予想通り、キラのストライク・フリーダムが血相変えて(ガンダムに表情はないけど)飛んでくる。
「風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)!!」
タイミングよく、ナーガの呪文が完成した!よっしゃ、ナーガぐっじょぶ!!

3331:2006/06/20(火) 23:45:43

『くっ!』
高圧の風が弾け、ナーガを取り囲んでいたドラグーンを吹き飛ばし、あたしたちに気を取られていた
ストライク・フリーダムの体勢を崩す!
「シン、今のうちよ!」
「分かってる!」
追い風を利用し、デスティニーはさらに速度を上げる。オーブまで、さほど時間はかからないはず!
「けど、リナ。首長に直談判ったって、相手が俺たちと簡単に会ってくれるか?」
後ろからの気配を気にしつつ、シンが尋ねてくる。
「ま、確かにそうだけど、それは正攻法でいけば、の話でしょ?
こんないかつい巨人がオーブの宮殿周りに出てきたら、まずはオーブの親衛隊かなんかが出てくるわ。
で、ギルバートさんからの使いだってことを伝えれば、いきなり首長に会うのは無理でも、
そこそこのお偉いさんには会わせてくれるはずよ。」
「あー・・・なるほどな・・・・・・・・・・・ってちょっと待て!!
それってガンダムを利用した軍事的な圧迫じゃないか!?」
うぁっ、いきなりバレた!!
「そ・・・それは・・・ほら、考え方の違いってヤツよ!偉い人にはわかんないかもしんないけど!」
「わかんなかったら意味ないだろ!!しかも議長の名前を勝手に持ち出すなんて!俺は反対だ!!」
「ギルバートさんなら後であたしが説得するわ!それに、どのみち、カガリ・ユラ・アスハには、
遅かれ早かれ聞かなきゃなんないことがいっぱいあるんだから、手間が省けるってもんよ!」
シンはなおも何か言いたそうに口を開いたが、諦めたのか前に向き直った。
「・・・どうなっても知らないぞ・・・!」
「まかせなさいって!あたしがばっちり跡形もなく・・・じゃない、後腐れなく終わらせてあげるから!」
「・・・俺、跡形もなくなるような気がしてきた・・・」
あたしたちの下の森が途切れ、遠くに街が見える。あれがオーブ首長国!
あそこに、電波娘ラクス・クラインと、オーブの首長カガリ・ユラ・アスハがいる・・・!

34名無しさんDESTINY:2006/06/21(水) 01:43:13
アンタッチュブル

35名無しさんDESTINY:2006/06/21(水) 01:43:34
アンタッチャッブル

36楽屋裏話:2006/07/27(木) 22:07:43
「あのさぁ。」
「んあ?何?」
シンに呼び止められ、リナはポークソテーの切れ端を口に運ぶのを留まった。
が、次の瞬間には、右手のナイフでシンの皿に乗っていた粗挽きウィンナーを器用にさらう。
「ああああ!!何するんだよ!!」
「うるさいっ!人生は食うか食われるか!!ぼーっとしてるあんたが悪いのよ!!」
リナの口の中に納まったウィンナーを、シンはしばらく恨めしそうに睨んでいたが、言いたい事を
思い出したのか、小さくため息をついた。

「あのさぁ。俺って、このスレにとって、なんなんだ・・・?」
「脇役。」

ずがっしゃ。

「だって、このスレの主役は、このあたし。キラとかナーガとかが引き立て役で、ラクスとかはラスボス。
残ったあんたは脇役にきまってるじゃない。」
テーブルに突っ伏したシンを華麗にスルーし、リナは自分で言って満足したのか、
笑顔でポークソテーをほおばる。
「ちょ・・・待てよ!確かにスレタイは『キラVSリナ』だけど!
アニメで(一応)主役やってた時期が俺にもあったんだし!何より今はリナの味方してるんだし!
もうちょっと俺に注目してくれてもいいだろ!?」
「んー・・・確かに、その経歴の割には、見せ場っぽい見せ場も無く、アスランと小競り合いしただけで、
それも、後から来たナーガに、おいしいとこもってかれちゃった感じだし・・・」
ある意味もっともなシンの叫びに、リナはフォークをぴこぴこ動かしながらしばし考え・・・
「あ、わかった。いわゆる原作準拠よ!あんた、きっとこのまま空気化していくのよ!最終回に向けて!」
「うああああああ!!」
シン・アスカは、頭を抱えて絶叫した。
彼の脳裏に蘇る、悪夢のような最終回『最後の力』・・・。
「いいじゃない。恋人の膝枕でベソかいてお仕舞いなんて、滅多にないわよ、そういうロボット.物の主人公。」
「どこがいいんだ、どこが!!つーか、ルナマリアこのスレには出てこないし!
それより、何より・・・リナとかナーガとかで膝枕は絶っ対にいやだああああ!!」
「そっちかい!」

37楽屋裏話2「だってシンだし」:2006/08/07(月) 21:35:53
「そうよね、シンだもんね・・・」
「どういう意味だよ、それは!」
リナがため息をつき、シンはコーヒーカップを握る手に思わず力を込めた。
リナは、デザートスプーンでそのコーヒーカップを指差し、
「缶じゃないから、割れないわよ、ソレ。」
「ば・・・バンクが何だっていうんだよ!あれは俺の本意じゃないっ!
どーせ缶潰しのシンとか、思われてたんだろうけど!俺だって台詞もっと欲しかった!」
「んじゃ、『ロマンス』に関して、何か言いたい事は?」
器の底に溜まったチョコレートソースをバニラアイスにかけながら、
ちょっとこの質問は酷だったかと、リナはちょっぴり自覚した。
シンは何か色々思い出していたようだが、やがて両目に涙をためて呟いた。
「・・・俺・・・正直、Zのカミーユがうらやましい・・・」
「あぁ、新訳が同時期だったから、何かと比較されてたわね、そーいえば。
フォウとステラとか・・・まぁ、運が悪かったのよ・・・・・・多分。」
リナは同情と憐憫の眼差しで、シンを見た。
「俺だって・・・一途で優しくてずっと待っててくれるファみたいな子がいれば・・・
もうちょっと・・・救いようがあったと・・・おも・・・」
最後は言葉にならず、シンは声を殺して、手の甲で目元を拭った。
「まぁ、他人の恋愛に関しては口出すつもりはないけど・・・」
リナはアイスを一口食べて、少し言いにくそうに言葉を継いだ。
「あんた主役じゃないんだから、ファみたいな女の子は、ちょっと高望みしすぎじゃない?
そもそも、シンの恋愛一つで物語が変わるような、生易しい話だったっけ?」

シンは思わず、床にコーヒーカップを叩きつけていた。

3832:2006/08/08(火) 22:11:54
「見えた!」
シンが鋭く叫んだ。
あたしたちの乗ったデスティニー・ガンダムがオーブの街の空中で旋回し、ゆっくりと大地に降り立つ。
だだっ広いオーブの広場。すぐ目の前には、オーブの城壁が見える。背後には市街地。
とりあえず、この距離が、遠すぎず近すぎずと言ったところか。
遠すぎては相手にプレッシャーを与えられず、かといって距離を狭めすぎると、
脅威と判断されて問答無用で攻撃される恐れがある。
その辺はシンもよく分かっているだろう。あくまでも、今回の目的は話し合いなのだ。

あたしの思惑通り、城の気配が怪しい。
ばたばたと、たくさんの兵士たちがオーブの城壁に並んだ。城壁はちょうど、デスティニーの
腰くらいの高さで、コックピットを開ければ彼らと同じ視線で顔を合わせることができるだろう。
「シン。万一向こうが殺気立っても、こっちからは絶対に攻撃しないで。
とにかく、首長かそれクラスの幹部に会わなきゃいけないんだから。」
「・・・わかってる。けど、本当に議長に迷惑だけはかけるなよ!」
「もちろん!それよりあんたは、ストライク・フリーダムが近づいてきたら、とにかく牽制して。
キラが口出してきたら、話がどんどんずれるんだから・・・」
ナーガにてこずっているのか、キラのストライク・フリーダムはまだ姿を現さない。
まぁ、そっちのが好都合なのだが。

「貴様ら!何のつもりだ!?」
機体の外から、男のだみ声が飛んでくる。あたしはコックピットのハッチを開放し、
「浮遊(レビテーション)!」
そのまま空中に飛び出して、ガンダムの肩の辺りに降り立った。
城壁のほうを見ると、親衛隊かなんかだろう。弓やら槍やら構えた兵士たちと、宮廷魔道士らしき
ローブの男が、そろってこちらを睨んでいる。
「落ち着いて聞いて!怪しい者じゃないの!」
「うるさい!空飛ぶ石人形(ゴーレム)が城の前に出現して、怪しまない阿呆がどこにいる!!」
隊長さんかと思われる、中年の男が唾飛ばしながら叫ぶ。まぁ、もっともな意見なのだが・・・

3933:2006/08/08(火) 22:12:33
「あたしたちは、ギルバート・デュランダル議長の使者よ!緊急の用事で、代表者と話がしたいの!」
ギルバートさんの名前が出たところで、隊長さんが一瞬怯んだのを、あたしは見逃さなかった。
「デュランダル議長の、だと!?」
「そうよ。何なら、今からでも議長に確認してもいいわ。
この国に関わる、重要な・・・」
そこまで言って、あたしは言葉を切った。背後から、嫌な気配が近づいてきたのだ。
「・・・シン!」
『リナ!あいつが・・・!』
コックピットの中の様子はここからは窺い知れないが、シンが焦っている事は声の調子でわかった。
あたしたちの背後、オーブの街の上空に、急速で迫りつつある青い翼のガンダム・・・ストライク・フリーダム!
えぇい、これからだってのに!
「いいわね、シン!手は出しちゃ駄目!」
『分かってる!あいつは俺が足止めするから!リナは早くケリをつけてくれ!』
デスティニーが、ゆっくりと動き、背後に迫るストライク・フリーダムに向き直る。
あたしはもう一度呪文を唱え、ガンダムの背中と城壁の間に浮かんだ。
兵士たちも、もう一つ現れた巨人に驚いたのか、目を丸くして硬直している。
「とにかく!重要な話があるの!あの巨人に関することよ!首長と話をさせて!」
「か・・・カガリ様は、御公務でお忙しいんだ!貴様らなんぞに構っていられるか!」
マニュアル通りの答えが返ってくるが、だいぶ腰が引けてきている。よっし、あとちょっと!

『待って!待ってくれませんか!?』
いい感じに緊迫した雰囲気をさえぎるように、突如響いた男の声・・・キラ・ヤマト!
「キラ様!」
「キラ様のお声だ!」
城壁の兵士たちから、男の名前が叫ばれる。やっぱり口出してくるか!
「・・・って、キラ『さま』・・・?」
キラには相応しくなさすぎる敬称に、あたしは思わず眉をひそめた。
轟音とともに、ストライク・フリーダムが、デスティニーと対峙する形で地上に降り立った。
『僕は、オーブを、カガリやラクスを守りたいだけなんだ!
君たちを撃ちたくない!撃たせないで!』
「って、ちょっとぉっ!」
キラの言葉と同時に、ドラグーンが一つ、空中に飛び出し、ぴったりとデスティニーに狙いを
さだめる!

4034:2006/08/08(火) 22:12:46
『お・・・お前!言ってる事もやってる事も無茶苦茶だぞ!!これだからオーブかぶれは嫌いなんだ!』
デスティニーも、煽られるかたちで剣を抜いた!
まずい!いくら正当防衛とはいえ、交渉の場所で抜刀なんかしたら・・・!
「貴様ら!どういうつもりだ!?オーブの理念は、他国の侵略を許していないのだぞっ?!」
あぁぁぁ!やっぱりぃっ!隊長さんが青筋立ててるしっ!
「いや、これは・・・その・・・シンは少し錯乱してるみたいで・・・あは、あはははは・・・」
愛想笑いなんぞ浮かべてみるものの、隊長さんの表情は和らぐ気配はない・・・!
『俺は正気だ!あんたらが手を出さないなら、俺だって攻撃しない!その物騒なドラグーンを引けっ!』
シンが叫び、デスティニーが威嚇するように腰を低くした。
『じゃあ、君は・・・君は何をやっているの!?』
『な・・・何って・・・』
『君と僕に出来るのは、確かに、ただ戦うことだけなのかもしれない・・・!
けど!戦いからは何も生まれないんだ!』
『あんたが言うなぁぁぁぁっ!』
あたしとシンの声が、見事にハモった。

こ・・・こいつは・・・わざわざ敵地まで対話に赴いた可憐な乙女(あたし)とその他一名に、威嚇しながら言うか・・・
はっ。いかんいかん。こいつに構ってると、当初の目的が・・・
「と、とにかく・・・!あたしたちは戦いに来たんじゃなくて・・・」
兵士たちに向き直り・・・視界に入ってきたソレに、あたしは絶句した。
「・・・な・・・何、あれ・・・」
あたしの視線に気付いたのか、兵士たちも自分の背後を振り返る。
曇り空の下、ソレは、いろんな意味で、圧倒的な存在感で空中に浮かんでいた・・・!

4135:2006/10/17(火) 14:45:46
曇天に浮かんだソレは、十中八九ガンダム・・・だろう。キラやシンのそれと外見が酷似している。
額の特徴的なツノと、肩に何やら異国風の記号がマーキングされたボディ。
・・・ただし、無視する事が出来ない巨大な差異が一つ。
「き・・・金色の・・・ガンダム?」
そう。
まるで金メッキでも施してあるかのように、そのガンダムはてかてかに輝いていた・・・!
思わず喉まででかかった「成金趣味」という言葉を、あたしはすんでのところで飲み込んだ。

「おぉ!アカツキだ!」
「まさか、カガリ様が直々に・・・!?」
「ちょ、ちょっと待ってっ!」
またまた城壁で騒ぎ始めた兵士たちに、あたしは慌てて声をかけた。
「あれ・・・カガリ・ユラ・アスハが乗ってるの!?」
「そうだ!見ろ!あの気品に溢れたご勇姿をっ!」
「気品・・・ねぇ・・・」
ラクスといいキラといいアスランといい、ひょっとしてこの国にかかわりのある人は、
みんな言語障害の持病を抱えているのか、はたまた、この地方では、お日様の下に出たら
文字通り目も当てられないよーな金きらのことを指して「気品がある」と言うのか・・・

『お、お前ら!あの金ぴかガンダム見て喜んでるクセに、デスティニーのことは
石人形(ゴーレム)呼ばわりって、いくらなんでもあんまりじゃないか!』
「口を慎め!あのアカツキに比べたら、貴様らのソレなど石人形(ゴーレム)で十分だ!」
『じゃ、何か!?キラの乗ってるアレも石人形(ゴーレム)なんだなっ!?』
「あれはストライク・フリーダムだ!石人形(ゴーレム)じゃないっ!
それに、キラ様を呼び捨てにするとは、何事だっ!」
『・・・っ!!!』
叫び疲れたのか、シンの喚き声が止まった。いや、単に言葉の壁にぶち当たっただけかもしんない。

しかし『キラ様』・・・ただのテロリストに過ぎないはずのキラを様付けで呼び・・・さらに、議長に
教えてもらうまであたしも知らなかった、ストライク・フリーダムの名前を彼らは知っている・・・
ということは、キラとストライク・フリーダム、そして恐らくはラクスも、末端の兵士にも
知れ渡るほどの知名度がある、と結論付ける事ができる。
ラクスについては歌姫をしていたという経歴があるから、そう不自然ではないが、問題はキラ。
考えられる事はいくつかあるが、まぁ、ラクスの恋人だからとか、そんなところだろうか?

4236:2006/10/17(火) 14:48:01
あたしたちのことなど忘れたように、兵士たちは成金ガンダムに向かって、いっせいに
カガリ様コールを始める。
『てめーら、いい加減にしろよ!さっきから好き勝手言いやがって!』
あたしの思考をさえぎるように、シンの怒鳴り声が響く。
同時に、デスティニーの剣が、がちゃりっと金属音を立てる。
あー・・・そういやー、今ドキの切れやすい十代だったな、コイツ・・・
「シン、落ち着いて!せっかく向こうから来てくれたんだから!」
『うるさいっ!俺は落ち着いてる!』
・・・どの口がそういうことを言うんだか・・・
「とにかく!
オーブの首長、カガリ・ユラ・アスハとお見受けします!
あたしたちはデュランダル議長の使者。リナ=インバースと、そのオマケです!」
あたしの声に応えるかのように、ゆっくりとソレのハッチが開き、中から現れる人影。

歳は、噂どおり17歳前後か。金色の髪を肩まで伸ばした、整った顔立ちの少女。
意志の強そうな、大きな瞳が印象的である。
だが、彼女の身にまとう白い軍服が、見るものにさりげないプレッシャーを与えている。
彼女が、この国の長・・・カガリ・ユラ・アスハ!
周りの兵士の歓声が、一際大きくなる。

『確かに、私がオーブの首長、カガリだ。お前たち、武装してオーブに侵入するとは、
どういう了見か!?』
カガリの声が響く。政を行う人間の眼で、あたしのことを睨みつけているが、殺気は感じられない。
ひとまずは話を聞いてくれる、と考えていいだろう。
『ちょっと待てっ!リナっ!今さりげなく、俺の事オマケって言ったろ!』
シンが何やら騒いでいるが、あたしはそれをさくっとスルーした。
「武装・・・ガンダムに関しては、目を瞑っていただきたいところですね。どっかの誰かさんが
要人を暗殺しようとしなければ、あたしたちだってこんなことしませんから。」
『暗殺、だと?』
カガリの声が、少しばかり揺らいだのを、あたしは聞き逃さなかった。
「ええ、そうです。首謀者の名前は、キラ・ヤマトとラクス・クライン!」

どよっ・・・!

あたしの言葉に、兵士たちからどよめきが起こった。
後方で威嚇していたキラの纏う殺気も、幾分違ったものになる。
『キラが!?』
あからさまに動揺した声を上げるカガリ。
堂々とした態度は悪くはなかったが、ハッタリが下手なのは、政治家としていかがなもんか。
「そう!そこのそいつが、『恨みはないが、死んでもらう!オーブの理念のためにっ!』
とか何とか言って、あたしとデュランダル議長の暗殺を企んだんです!」
『そんなこと!』
キラが抗議の声を上げたが、何が『そんなこと』なのか分からないので無視する。
あたしは、はっきりモノを言わないよーな男は嫌いなのだ。
「キラ・ヤマトとラクス・クラインの両名が、オーブと関係があることは、すでに明白!!
そんなわけできりきり詳しく白状してもらいましょーかっ!?」
叫んで、あたしは、金ぴかガンダムにびしぃっと指を突きつけた。

43名無しさんDESTINY:2006/10/23(月) 23:26:52
現スレ

キラ VS リナ 壊滅した盗賊団三つ目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1158228794/

4437:2006/10/23(月) 23:31:37

『私は知らない!』
凛としたカガリの声が、辺りに響いた。
「て・・・はい?」
・・・今、真っ向から否定された?
『もう一度言う!私は知らないっ!』
「し・・・知らないって・・・
ちゃんとこっちには証人がいるのよ!『キラ・ヤマトとラクス・クラインから、
オーブ名義で議長暗殺の依頼を受けた』って人物が!
オーブの名前を騙る輩を野放しにするなんて、首長がそんなんでいいと思ってるわけ!?」
証人とは、もちろんナーガのこと。キラとドンパチやってたようだから、ひょっとしたら
撃墜されてるかもしれないが、掘り起こしてご飯の一つでも奢れば、ほいほいしゃべるハズ。
餌付け・・・もとい、女の友情である。

『本当に知らないぞ、そんなこと!
デュランダル議長とは、確かに意見がぶつかることもあるが、それを暗殺で片付けるなんて、
オーブの理念に悖るっ!』
オーブの理念というのは、「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに関与しない」
というもの。
だが、理念理念と口にする割には、思いっきり大量破壊兵器(ガンダム)を隠し持っているところに、
この国の胡散臭さが伺えるとゆーもんである。
「とにかく!その件は置いといたとしても、ガンダムの事でも、この国に疑いがかかってるわ。
そこらへんも、ちゃんと説明してもらわないと困るわね。」
そう。ギルバートさんはキラのストライク・フリーダムは、もともと戦時中に開発されたと言っていた。
恐らくは最重要の軍事機密。
何を思ったか、キラとラクスがかっぱらって自分のものにしているようだが、ドロボーはドロボーである。

『そ・・・それは・・・ガンダムのことは・・・』
カガリの声から、覇気が消える。
ひょっとして・・・何か隠してる?
「そのアカツキが、ストライク・フリーダムを模して作られたってことは、やっぱりその
技術が目的だったのね!」
『それは違う!私たちはこんな技術が欲しくて、ガンダムを持ち出したんじゃ・・・あ・・・』
あっさりあたしのカマ掛けに引っかかるカガリ。あたしは一言も「オーブがガンダムを盗んだ」
とは言っていない。
もちろん、アカツキをストライク・フリーダムの技術で云々というのは、あたしの口からでまかせである。
これで、ストライク・フリーダムが盗品だという事はほぼ間違いないだろう。
さらに、この言い方だと、もしかしたらカガリ本人も、ガンダム強奪事件に関わっている可能性は高い。

4538:2006/10/23(月) 23:33:08
『やっぱりお前らなんだな!ガンダムを盗んだのは!』
シンの、何度目になるのか分からない絶叫。
『ガンダムが!力があるから守れる平和だってあったんだ!それを・・・それをお前らがっ!!』
『なら、君は本当にそれでいいと思ってるの?』
シンの叫びを遮ったのは・・・キラ!

『カガリも・・・ここにいる人たち、みんなに聞いてほしい。
自分の国が無事なら、他の国が焼かれることになってもいいの?それで、本当の平和と言えるの?』
「だから!あたしが聞いてるのは、ガンダムの強奪を・・・」
『キラ・・・!それは・・・!』
・・・あたしの心からの悲鳴は、あっさり無視された。

『カガリが大変なことは分かってる。今まで何も助けてあげられなくてゴメン。
でも、今ならまだ間に合うと思ったから。
僕達にもまだいろいろなことは分からない。でも、だからまだ、今なら間に合うと思ったから!』
「あ・・・あんたねーっ!『まだいろいろ分からない』くせに、議長暗殺だのガンダム強奪だの!
一体なに考えてんのよっ!?」
思わず頭抱えて叫ぶあたし。
・・・とゆーか、突っ込みどころが多すぎて・・・
こいつらと喋るくらいなら、サボテンに名前付けて語りかけたほうが、よっぽど建設的な気がする・・・
カガリはカガリで、何に感動したか知らないが、目を潤ませてこくこく頷いてるし・・・
いーのか・・・?こんなんが首長やってて・・・デスティニー・プランが発動したら、カガリには
真っ先に首長の座から退いてもらったほうが、彼女にとっても国民にとっても幸せかもしんない・・・

「確かに・・・平和を高々に叫びながら武器を手にするその選択も、また悪しき選択なのかもしれませんね・・・」

ざわっ・・・

あたしでもない、カガリでもない、少女の声・・・
一瞬、空気すら変わった気がした。

「でも、夢を見る、未来を望む・・・それは全ての命に与えられた、生きていくための力です。
何を言おうと、夢と未来を封じられてしまったら、わたくしたちはすでに滅びたものとして、
ただ存在することしかできません。」

ゆっくりと・・・城壁に、その姿が現れる。

4639:2006/10/23(月) 23:33:58

美しい髪、愛らしい顔立ち。見間違えることはない。
悪の元凶、ラクス・クライン・・・!
だが、彼女の存在と同じくらいに、あたしは彼女のそばに浮かぶピンク色の球体が気になっていた。
耳とも羽ともつかないものをパタパタ羽ばたかせ、彼女に付き添うように浮かんでいる。
何かの魔法道具(マジック・アイテム)だろうか・・・?
『ラクスさまっ!!ラクス様だ!!!』
カガリ登場のときと変わらないほどの歓声が、兵士たちから上がる。
「カガリさん。」
くるりと、ラクスはカガリのほうに向き直った。
「まず、決める。そしてやり通す。それが何かを成す時の唯一の方法ですわ。きっと。」
言って、ラクスはにっこりと笑みを浮かべる。
『ラクス・・・ありがとう!』
笑顔で大きく頷くカガリ。

「全ての命は、未来を得るために戦うものです。戦ってよいものです!
だからわたくしたちは、戦わねばなりません!今を生きる命として。
わたくしたちを滅ぼそうとするもの、議長の示す、死の世界と!」

うおおおおおおおぉぉぉっ!!

雄叫びとも取れる、兵士たちの歓声!これが・・・ラクスの影響力・・・!
・・・けど今のって、どう聞いても宣戦布告なんじゃ・・・
・・・うーみゅ・・・政治家でもなんでもない、歌姫のラクスに扇動されて戦争かぁ・・・オーブ、もう駄目かも・・・
『今さらなにを!』
シンの叫びと同時に、デスティニーが刀を振った!

ずどがぁっ!!

爆音と煙が弾ける!あたしたちを狙っていたストライク・フリーダムのドラグーンを、叩き割ったのだ!
『何を・・・!』
突然のことに対応し切れなかったのか、キラが驚きの声を上げる。
ま、自分たちがしゃべくってる間に、敵が動きを止めてくれてると思ったなら、大きな間違いである。

『もう俺は選んだんだ、この道を! なら行くしかないじゃないかっ!!
あんたらが正しいっていうのなら・・・俺に勝ってみせろっ!!!』

472 ガウリィVer.:2006/10/23(月) 23:40:09
ちょっとやってみたかった。
設定?そんなものは飾りです。偉い人には分からんのです。
嘘です、ごめんなさい。
あと、はじめに断っておくが、続かないw
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「・・・・・・」
金髪の男は、沈黙を保ったまま、その青い目をすぅっと細めた。
傍から見れば、その依頼を受けるべきか否か、迷っているように見えただろう。
「彼を倒さなければ、私たちの・・・未来は・・・世界は・・・!」
明後日のほうを見ながら、瞳をうるませ、一人で語る少女をよそに、彼はこの依頼人の名前を
思い出そうと努力していた。何か、とても響きのよい名前だったような気がするのだ。

「・・・まぁ、いいや。とりあえず、そいつが生きてたら、あんたらが困るようなことになるのか?」
男の問いに、彼の目の前に座った少女は、美しい顔を哀しみに染め、だが力強く頷いた。
男は、それを見てため息をつく。
目の前の少女の思いは、分かった・・・ような気がする。
要は、『とにかく悪いやつがいるから、そいつを暗殺してくれ』という依頼だ。
傭兵という仕事柄、このような依頼もいくつか持ちかけられた事はある。だが・・・
「すまん。この話は、なかったことにしてくれ。」
男はそう言って、席を立った。

「断っても・・・よいのですよ。だから、人は・・・l断れるのですから。」
男は一瞬、少女の言葉を理解しようかと思ったが、やめた。頭脳労働は、あまり得意ではない。
「暗殺ってのは、性に合わん。悪いな。」
もう一度謝って、律儀にも自分が飲んだアルコールの代金をテーブルの隅に置く。
少女は静かに、男の動作を見ていた。
数歩行ったところで、男は今一度、少女を振り返る。
「嬢ちゃんが、あんまり遅くまで外をほっつき歩くのは、感心しないな。
早く帰らないと心配されるぞ。・・・ラスク。」
「ラクスですわ、ガウリイさん。」
少女は、満面の笑みで訂正した。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
最後から3行目&2行目、書いてる自分でも、どっちが正しいのか分からなくなりそうになったのは
秘密です。

482 ゼルガディスVer.:2006/10/23(月) 23:42:29
流れぶった切ってゼルガディスVer.ですよ。
お目汚しスマソ


「世界の未来を…運命を左右しかねないのです。このままでは…!」
熱く語るピンクの髪の少女。
しかし、その熱意溢れる眼差しは、明後日の方向を見つめている。
顔の大半を隠した、見るからに怪しさ大爆発の男に持ちかけてくる依頼だ、ロクなものではないだろうと考えてはいたが──
暗殺云々という依頼そのものより、ラクスと名乗ったその少女自身を、男は持て余していた。
主義主張の相違というレベルではなく、根本的になにか理解しがたい。
「…この依頼、引き受けてくださいますね、ゼガルディスさん」
「ゼ」
名前を訂正しようとして、ゼルガディスは思いなおした。
「いや…この依頼はなかったことにさせてもらう」
ラクスは悲しげに瞳を潤ませる。
「分かり合えないということですね…。何故人は分かり合えないのでしょう?誰かを思いやる気持ちは誰もがもって」
両手を組み、強い悲哀をかもし出しながら、とうとうと語りだす少女を尻目に、ゼルガディスはひどい疲労を覚えながら、食堂をあとにした。

4940:2007/03/02(金) 08:35:50
シンの声とほぼ同時に、デスティニーが空中に舞い上がる!
あたしは慌てて浮遊(レビテーション)の術をコントロールし、舞い上がる風に巻き込まれるのを避けた。
「シン!分かってると思うけど、市街地があるのよ!十分気をつけて!」
あたしの声が届いたのかどうかは分からないが、デスティニーはそのまま、刀を構えて
ストライク・フリーダムに突っ込んでいく!

づぎんっ!

耳障りな音を立て、ストライクフリーダムの剣とデスティニーの刀が火花を散らす!
『あんたたちは、いつもそうやって、事態をややこしくすることしかしないんだっ!』
『そんなことっ!』
とりあえず、ああやって接近戦で戦っている間は、オーブの街に大きな被害が出ることはないだろう。
万が一にも、『議長からの使者と名乗る目つき悪い少年が、でっかい石人形(ゴーレム)を操って
街一つ壊滅させた』なんて噂が立てば、真偽はどうあれ、こちら側に相当不利な状況になることは
間違いない。
ひとまずキラはシンにまかせて、あたしはそのまま城壁に降り立ち、すぐに次の呪文の詠唱に入る。
「きっ・・・貴様!それ以上近づくなっ!」
「カガリ様とラクス様には、指一本触れさせんぞっ!」
あたしの接近を阻もうと、獲物ぶん回してこっちに駆け寄ってくる兵士たち。その数、ざっと十数人。
その向こうに、ラクスの姿が見え隠れする。
「氷窟蔦(ヴァン・レイル)!」
『力ある言葉』と同時に、地面についたあたしの掌から、螺旋状に氷の蔦が伸びる!

こききここきぃん!

蔦に触れた瞬間、涼しげな音ともに、瞬時に凍りつく兵士たち。
氷の蔦は、さらにその向こう、ラクスのもとに伸びる!いけるっ!

ぱきぃんっ!

「なっ・・・」
思わず、あたしは驚きの声を上げた。
ラクスの足元に到達した氷の蔦が、唐突に、音を立てて弾けたのだ。
彼女は、その場から動いていないし、何かの呪文を唱えている様子もなかったはず。
現に、今もラクスはこちらを見つめているだけ。その周りを、ピンクの球体がふわふわと飛んでいる。
ひょっとして・・・あのピンクのボールに何か仕掛けが?

5041:2007/03/02(金) 08:36:45
『お前!彼らに何をしたーっ!?』
だが、頭上から降ってくる、カガリの声と殺気に、あたしは我に返った!
「んのあああっ!」
慌ててダッシュし、氷漬けのまま林立する兵士たちの間にスライディングする!

どごぉっ!!

派手な音とともに、あたしの背後で石だのなんだのが舞い上がる!
ついでに、氷漬けのまま吹っ飛ばされる不幸な数人の兵士たち!
えーっと・・・カガリのところの兵隊さんのはずなんだけど・・・ま、いっか。
風が収まるのを待って振り向けば、今しがた、あたしが立っていたその場所に、人一人は
すっぽり納まりそうな大きさの穴が空いていた。
「リナさん。」
「ぅひぃっ!」
すぐ耳元に、囁くような静かな声!慌ててそちらを振り返ればあたしのすぐ後ろに佇むラクス!
い・・・いつの間に!?彼女の目が逝っちゃってるよーな気さえする!
光のない彼女の瞳に違和感を覚え、咄嗟に下がろうとすると、背中にぶつかったのは、
得体の知れないピンクのボール!
まずい、挟まれた!
上ではカガリが構えているはず・・・!今はラクスを巻き込むのを恐れてか攻撃してこないが、
あたしがラクスに手を出した瞬間に、撃ってくるのは明白・・・!
どうするべきか・・・!?
だが、ラクスは静かにあたしの瞳をひたと見据えて言った。
「リナさん、今ならまだ間に合います。
武器を捨てて、下がってください。そして、これを身に着けていただければ、わたくしたちは
あなたに危害を加えないと約束しますわ。」
そう言って、ラクスが懐から取り出したのは・・・布?ハンカチに見えなくもないけど・・・?
「・・・何なの、その・・・布・・・」
「猿轡ですわ。リナさんが呪文でオーブを破壊しないために。」
「ンなもん誰がつけるかああああぁぁぁ!!!」
思わずラクスの手の中の布キレを叩き落すあたし。
・・・ってか、人を馬鹿にするのも大概に・・・いやいや、この子の事だから、もしかして天然って
ことも・・・
ラクスは苦渋に満ちた表情で、あたしの背後のピンクのボールを見つめた。
「・・・では、仕方ありませんね。ハロちゃん。」
「ハ・・・ハロちゃん?」
『ミトメタクナーイ!ミトメタクナーイ!』
能天気極まりない音声とともに、あたしの後ろで飛び回るボール。
だが、あたしの耳は、わずかな異音を聞き逃さなかった!

5142:2007/03/02(金) 08:38:04
『ナンデヤネン!爆煙舞(バースト・ロンド)!』

どがががががっ!!!

爆音と煙が上がる!
間一髪、あたしは風の呪文を唱え、身を守っていた。
あのボールの能天気な音声にかぶせられた、小さく低音で響く混沌の言葉(カオス・ワーズ)を
聞き漏らしていたら、対応はできなかっただろう。
やはり、あれは彼女の魔法の道具(マジック・アイテム)・・・さっきあたしの攻撃を弾いたのも、おそらく
あのボールの呪文か何かだろう。
「流石ですね、リナさん。ハロちゃんの不意打ちを避けられる人は、ほとんどいらっしゃらないのに。」
自分はいつの間にやら後ろに下がり、ラクスは相変わらず光のない目でこちらを見ている。
慌ててボールから距離をとり、あたしは呪文を唱え始める。
とにかく、あのハロを何とかしなければ、ラクスには手を出せない。
『やめないか、お前!』
上から降ってきた、カガリの声!同時に、嫌な風が舞い起こる!
「振動弾(ダム・ブラス)!」
対ハロ用に唱えた呪文を、咄嗟の判断で空中に放つ!

づごがぁっ!

あたしの呪文で粉砕されたのは・・・金色のドラグーン!?
「まさか!その金ぴかもドラグーンが使えるの!?」
『金ぴかじゃない!アカツキだ!』
ご丁寧に訂正を入れるカガリ。
「アカツキでもアサツキでも何でもいーわ!とにかく・・・」
ふっと、あたしの頭上に影が降りた。
同時に、慌てた様子でアカツキが後退する・・・!?
「飛翔界(レイ・ウィング)!」
高速飛行の呪文で、あたしも空中に飛び出した。

ずごごごしゃぁっ!!

あたしの横を掠めて、無茶苦茶な姿勢で城壁に突っ込んできたのは、デスティニー・ガンダム!!
まるで砂糖菓子か何かのように、城壁が空気を震わせて崩壊していく・・・!
「ちょっとおおおぉぉぉ!何やってんのよ、シン!?」
風の結界があるので聞こえるわけがないのだが、思わず叫ぶあたし。
デスティニーは、城壁の残骸に半ば埋もれる形でピクリとも動かない。
まさか・・・
あたしは急いで術をコントロールし、デスティニーのコックピット付近に降り立った。

5243:2007/03/02(金) 08:39:08
「シン!生きてる!?」
低い音とともに、コックピットが開き・・・中でシンが呻いているのが見えた。
・・・とりあえず死んではいないようである。こう見えて結構タフなヤツである。
「い・・・生きてる・・・」
「あんたねぇ!あんだけ大見得切っといて、フタ開けたらコレってどーゆーこと!?」
「くっ・・・!まだだっ!まだ終わってないっ!ちょっと当たり所が悪かっただけだ!」
わけの分からない強がりを叫んで、シンがレバーを引いた。
同時に、音を立てて、ぎこちないながらも再び動き出すデスティニー。
あたしはバランスを取りながらハッチの縁に立ち、徐々に高くなっていく景色の中に、
こちらを見据えるストライク・フリーダムとアカツキの姿を確認する。
いつの間にか、ラクスは城壁からいなくなっていた。
彼女のことだから、さっきの城壁の崩壊に巻き込まれた、というのは考えにくい。
そうであって欲しいのは山々なんだけどなぁ・・・

『あんたは!俺が討つんだ!今、ここで!』
シンの叫びとともに、空中のストライク・フリーダムに刀を向けるデスティニー。
だが、シンはともかく、機体のほうのダメージは、相当大きかったのだろう。
ちょっと焦げ臭いにおいがするし、怪しげな異音もあちこちからしている。
「シン、ちょっと・・・それで本当に戦えるわけ?」
この状態のデスティニーとシンをフォローしつつ、2つのガンダムと、どっかに隠れた
ラクスにハロ。これだけをいっぺんに相手にするのは分が悪い。
『できるかできないかじゃない!やるしかないだろ!?それとも、あいつらをこれ以上
野放しにするつもりか!?俺は嫌だ!!』
「それは分かってるけど・・・!」
あたしが打開策を頭の中でめぐらせていた、そのときだった。

ごごごご・・・

何やら、お腹に響く重低音がどこからか・・・
『な・・・?』
『何だ?』
徐々に大きくなっていくその音は、どうもあたしたちがやってきた森の方から響くような・・・

ずごしゃぁっ!!

派手な音とともに、吹き飛ぶ木々!
あたしとシンだけでなく、キラとカガリにも予想外だったのか、二人は機体を大きく旋回させ
上空に舞い上がる。
その視線の先の森には、土煙を上げて爆走する・・・塔とでも言えばいいのだろうか?
巨大な棍棒に輪っかをいくつかひっかけたような、塔のようなモノが、地上すれすれを
高速飛行しているのだ・・・!
『・・・あれは・・・まさか・・・メサイヤ?』
シンが小さく呟いた。
「メサイヤって・・・あの悪の根城みたいな飛行物体の事?」
『悪の根城は余計だ!!
あれは・・・あれは機動要塞メサイヤ!』

53名無しさんDESTINY:2007/12/16(日) 09:19:39
あげ

54名無しさんDESTINY:2008/03/10(月) 00:03:12
乗っ取り準備中につき、カキコテスト

55名無しさんDESTINY:2008/07/18(金) 15:01:21
何か知らんが現行スレにアクセスできん。規制か?職人さんたちは大丈夫だろうか…

56名無しさんDESTINY:2008/07/23(水) 20:21:01
スレイヤーズ4期を祝して、スレを新しく立て直したいんだが…どうだろうか?

57名無しさんDESTINY:2008/07/24(木) 21:52:32
新しくスレを立て直しておいた。是非来てくれ。
キラVSリナ 壊滅した盗賊団R
で検索してみるとおKとおも。

58名無しさんDESTINY:2008/07/25(金) 15:46:19
何でだぁ…2度も立て直して書き込まれてるハズなのに検索しても出ないぃ…
俺は無力だ…吊ってくる…

59名無しさんDESTINY:2008/08/02(土) 09:50:19
パソコンからまた立てて来た。今度は大丈夫だが、新シャア板から探した方が早い。
職人様、住人様、見てたら移住頼む。
念のためアドも載せておく。

キラVSリナ 壊滅した盗賊団 R
http://c.2ch.net/test/-/shar/1217634212/i

60名無しさんDESTINY:2008/08/03(日) 01:52:02
それはそうと、PC版のアドもちゃんと出してくれ。

キラVSリナ 壊滅した盗賊団 R
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1217634212/

復活したと聞いて戻ってきたのはいいけど、
携帯アドだったから、一瞬焦ったぞ。

61名無しさんDESTINY:2008/08/05(火) 09:05:56
スマソ…誰か違う人(ひょっとしたら君か?)がPC用の書いてくれた。本当に陳謝だ…

現行スレに投稿された、6氏(と呼ぶ事にする)によるミルガズィアさんの小話を、本人からの許可出たので投下する。

リナがシンとキラと凸をミルガズィアさんの紹介したときの話
ミ:「つまり君達は脚本に翻弄された運命を味わったのだな。」
一同:ポカーン
ミ:「シンは実はシスコンというのが真実なのだな。」
シン:「アンタって人はぁぁぁぁぁぁぁ」
(素手で逆ギレで殴りかかり撃沈)
ミ:「で、アスランは激しく悩み続けたのだな」
凸:(部屋の隅で膝を抱え込みながら壁に話かける)
ミ:「ちなみにに君のストライクフリーダムというのは死神らしいね。
で、やはりノートに名前を書いた相手を確実に葬るための呪文で呼び出すのかね?」
キラ:「・・・。」
ミ:さあこれで敵は排除した。これからは堂々と我々が日曜17時枠に・・・。
一同:「そこかーい!」

本人に敬意を表し、文体はほぼそのままだ。

62名無しさんDESTINY:2008/08/31(日) 13:19:39
すみません、ちょっとドラまたしますよ…。

63名無しさんDESTINY:2008/10/04(土) 14:53:21
本スレの148です。いまだに規制かかっていてかけないので代理投下お願いいたします。

>>164の続き

そしてついにやってきたオーブへ、そして早速軒下からいい匂いが漂っている店に入ろうとするのを
「ちょっと、あんたは何やってるだよ!自警団との話し合いが先じゃないのかよ。」
「はぁ、これから向こうの偉いさんがたと話し合いにいくでしょうが?体調が万全でも無い状態で
納得のいく話し合いが出来ると思う?」
「それは……あんたが飯を食べたいだけじゃないのかよ?」
どうにかしてでも自警団にいかせたいシンの横から、
「甘いわね、昼時に美味しそうな食べ物の匂いが漂っているのにそれを無視して先を行くなんて
愚考としか言いようが無いわね。」
私は聞き覚えがある、その声の主を無視して店に入ろうと足を進めると
「そこ、私の話を無視して店に入ろうとしない!ってなんだリナじゃないの偶然ね、こんな所で会う
なんて。」
これ見よがしに胸を揺らし、此方に指をさす、白蛇のナーガを無視して
「そうねシン、先に自警団で話を終わらせに行きましょうか。」
「えっと、あんたの知り合いを無視していいのか?」
「なら、シンあなたがナーガの相手しておいてくれる?その間に話をつけてくるから。」
「ちょっとリナ、それあんまりじゃない?久々にあったんだからランチぐらい奢ってもばちは当たらない
でしょう?」
私のマントをぎゅっと掴みながらいうナーガ
「それとも、私に言えない儲け話をしに行くつもりね。それならランチは後回しにして上げても
いいわよ。」
「だ〜いいわよもう、シン先に食事にするからねいいわね?」
私の剣幕に引きながら頷くシン。仕方が無いのでナーガと共に店に入ると、
「よぅ、遅かったら2人って3人か。まぁここに席が空いてるぜ。」
「あら〜、この間一緒に飲んでたお姉さんじゃない。一緒に飲みましょうよ。」
この飲んだくれ戦術予報士と一緒に放置して行ったコーラが一緒になって声をかけてきた。
何で先についてるのかが非常に納得がいかないのだが。
「なんであんた達がここで食事しているのよ?」
「あら、そんな事は簡単よ。二人の進行方向は分かっているんだし。どう道順で行くのも
予想出来る。なら私達はそれより早くつくルートを使えば先に着くってことよ。
後はそうねぇ、食事出来る所と行ったらここしか無いのよね。」
「そうそう、それに俺様を置いていこうなんて2000回早いんだよ。」
ただの飲んだくれじゃなかったのか。それよりナーガがここにいる理由を聞こうとナーガを
見るともう、呑んでやがる。
「ちょっとナーガ、どうして貴女がここにいるのよ?」
「愚問ね、それは目的は分かっていても場所が分からないから気が付いたらここにいたって
事かしらね。そんな事も分からないなんてまだまだ未熟ねリナ。」
勝ち誇っていう事かそれは。
そうこう言う間にやってきた海産物がわりかし有名なオーブ料理に舌鼓をうつのであった。

続く

やっと抜糸から稼動させてもいいとお許しが出たのでかけた。
遅くなって申し訳ない orz
白蛇のナーガを登場させてみた、混沌が増すようだけどそんなの気にしない方向で。

64現スレ1(コテハン考え中):2008/10/22(水) 17:29:01
「なぁ、アンタら魔道士だろ?」
 あたしと、そのライバルを自称するスカピーな女魔道士・白蛇のナーガの元にそれが来たのは、ちょうど朝ご飯を食べている時だった。
 不躾な態度で質問してきたその少年は、年の頃なら多分、あたしと同じくらいだろう。
 ツヤのある、紫がかった黒いショート・ヘアと、小生意気そうな真紅の瞳がなんとも上手くハマっている。髪が少しウザい感じに目にかかっている上に鳥の巣状態なのと、男にしては色白な肌。多少の文句はあれど、まぁ、美形と言えるだろう。
 特筆すべきは彼の服装である。シンプルなようでファッション性がある、肩に妙な模様の入った軍服……らしき物。その色はほとんどが赤で占められている。
 はて……? どこかで見たような……
「あら貴方、赤法師のコスプレでもしてるの? 完成度が低いわねぇ」
 がげしょっ!
 ナーガのどーしよーもない勘違いに、あたしはイスごとズッコケた。ついでに言うと、先程の少年も盛大にコケている。……どーやらノリと付き合いはいいらしい。

65現スレ1(コテハン考え中):2008/11/10(月) 17:24:11
現スレ21氏のネタです。

開幕
シン「ではおさらいです。リナ・インバースとはこう言う人物です。」

・自分の食事代を依頼人に押しつけて追加を頼む
・リナは無償で行動した事はない
・一晩で複数の盗賊を壊滅出来るのはリナぐらい
・リナに遭遇したら神を呪え
・リナが暴れると地形も変わる
・リナ・インバース神教が存在するらしいい
・ドラまた、盗賊殺しの異名持つ
・友達にしたくない人物ベスト10にランキング
・赤い糸切りのリナとまで呼ばれる縁切りのエキスパート
・ピンクの魔道士服を愛用している
・大草原の小さな胸とアダ…

何処ともなく飛んできたスリッパではたかれるシン
気絶したそれを笑顔で引きずっていくリナ・インバース
終幕

66現スレ1(コテハン考え中):2008/11/10(月) 17:25:59
6氏のネタです

プラント絶望炭鉱からのツッコミ
>>21
終幕後
セーラー服姿のガーヴのアイキャッチが入り後半スタート

リナ:ちょ〜っとアンタ。
・リナは無償で行動した事はない
って、あたしだってちょっと腹が立てば無償で盗賊イジメすること位普通にあるわよ。
普 通 に ね !
だいたいこのうち半分はリナをキラっていうおたくんとこの婚約者寝取りのプロフェッ
ショナルの名前に書き換えたほうがしっくりくるでしょうが。

シン:あんたって人はぁぁぁ・・・!
   それキラじゃなくてキラさんだと思う。種板的には・・・。
   それにキラさんよりラク・・・。

何処ともなく飛んできたスリッパではたかれるシン
気絶したそれを笑顔で引きずっていくラクス・クライン
終幕
めでたくなし
めでたくなし

67現スレ1(コテハン考え中):2008/11/10(月) 17:31:00
6氏のネタです。文章を冷静になってよく読みましょう。

2ちゃんねる管理人様

以下のスレについてスレ立てより1週間様子を見てまいりましたが、このスレ
には前スレから継続して礼を重んじる雰囲気が不足している、というか、礼が
全く見られません。
このようなスレは早期に削除すべきであると意見具申したします。

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1217634212/l50

発信者:レイ=ザ=バレル

68現スレ1(コテハン考え中):2008/11/10(月) 17:32:59
例の開幕ネタの方ですw

開幕3
レイ「手紙を書いたらギルに怒られてしまった、がこうして出番が貰えたのだから
   なんでも言ってみるもんだな。だが、出てきたはいいが…」
リナ「ちょっと、?海鮮ジョンゴル鍋まだ〜。それから子羊肉(ラム)の香味蒸しに
   ムール小エビのフライ追加ね。」
レイ「鍋はもうすぐ出来る。追加の注文は了解した。だが俺は何をやってるいるんだ?」
シン「何って食堂のウィトレスだろ。あ、俺はスペシャル・ディナーセットとプチアップルジュースね。」
クルーゼ「すまないが、名酒うらりょんをもう一杯持ってきてもらおうか。」
ギルバート「レイ、鍋を持って行ってくれないかね。処で済まないがシン、ドリンクなんかは
       自分で持って行ってくれないかね、何しろ人手が足りないんだよ。」

賑やかに夜が更けていく。

リナ「あ、ここの勘定はシン持ちよね当然。」
シン「なんで俺なんだよ、それに自分で払えばいいだろ。」
クルーゼ「情けない、主役を張ろうという者が食事の支払いなんて些細な事で揉めるとは
     リナ殿、いっその事主役をこのレイに任せてみるってはどうだろうか?
     シンより上手くやれる事はこの私とギルバートが保証するよ。」
リナ「私は報酬が貰えればどっちでもいいけどね。」
シン「ちょっと待った、誰がここの勘定を払わないといいました。勿論、主役たる俺が
   全員の分の食事ぐらい奢りますよ。なんたって主役ですし。」
レイ「シン…俺は陰ながら応援している。困った時は言ってくれ。きっとお前の役に立ってみせる。」
シン「レイ…有難う、俺はみんなの力を借りて絶対にキラを討ってみせる。」

シンの奢りとなった今日の食事は全員の拍手喝采を持ってお開きとなった。
その店は名は移動レストラン「メサイヤ」
今日も何処かで営業しているかもしれない。
終幕

69現スレ1(コテハン考え中):2008/11/10(月) 17:35:48
続き

「そんなわけないだろ!? 俺はシン=アスカ。ザフトの軍人だ」
 あたしが突っ込む前に、シン=アスカと名乗った少年が、立ち上がりながら突っ込んだ。なかなか将来有望である、お笑い的な意味で。
まぁ、そんな事は置いといて。
「これは、どうもご丁寧に。けどごめんなさいね、軍隊の厄介事に首突っ込んでも、あんましいい事なさそうだし」
 あたしはあからさまに難色を示した。
 実は、この界隈――ザフト軍を有するプラントでは、ちょっぴし厄介な事になっていた。約2年前に行方不明になっていた、評議会議員のご令嬢にして歌姫の、ラクス=クラインが突如として復活したのだ。しかも、歌のスタイルや衣装などをガラリと変えて。

70現スレ1改めタコハチロウ:2009/01/13(火) 08:11:33
どうも、お久しぶりです。
現スレ……落ちちゃいましたね。これも私の不精が原因なんだと思います。
それに、見てくれる人も仕事の都合でレスできなかったりとか。
新しく立てるかどうかは、ここで聞いてから判断しようと思ったんです。
みなさん、私はどうしたらいいんでしょうか……?
けど、連載を中途半端にするのは、負債以下な気もしますし……
どうかご意見下さい。

71タコハチロウ:2009/01/13(火) 08:36:46
とりあえず、やっと過去ログを見れたので一気にまとめちゃいます。

あたしたち魔道士の間では、本物の帰りが遅いのに周りが痺れをきらし、コピーホムンクルスでも使ったのではないかと、まことしやかに騒がれていたりもする。
きっとこのシンとかいう少年が話しかけてきたのも、その関係に違いない。
「そう言わずに、話だけでも聞いてくれないか?」
「話なら今聞いた。嫌だ。そんだけ」
「うわ、技が深いっ!」
「……どーいう会話よ?」
すっかり置いてきぼりになっていたナーガが、あたしとシンのやり取りに口をはさむ。
「普通に断ったなら、この人も諦め悪そうだし、また何か次の手を考えるだろうって思ったの。だから、今聞いたって」
「あぁ、なるほど!」
「納得するな! っていうか、アンタ……」
あたしの屁理屈をナーガが肯定し、そこにシンは突っ込む。そして、そこで初めて、シンはマジマジとナーガを見やった。
……あ、青ざめてる。
「何なんだ? この人……」
小刻みに震える人差し指を、ゆっくりとナーガに向けながら、あたしに問うシン。
「見たまんまの人よ、気にしないで。あたしも好き好んで一緒にいるわけじゃないから、そこんとこ勘違いしないでよね」
「ちょっとリナ! それじゃあ、わたしが変な人みたいじゃないのよ!?」
本当の事なのに、今更あたしに指摘されたところでうろたえるなんて、白蛇のナーガも落ちたもんである。よし、もうちょっとからかってやろう。

72タコハチロウ:2009/01/13(火) 08:37:54
「じゃあさ、ナーガ……あんた、自分がマトモだって言い切れる?」
「お〜っほっほっほ、この白蛇のナーガが他人に惑わされるような人間だと思って? どんな風に言われようと、自分のポリシーを貫く。それがオトナってもんよ!」
「状況によっては格好いい台詞なのに……単に意地張ってるようにしか聞こえないんだが」
きっぱりと言い切ったナーガに、シンは呆れる。
……ここで呆れる気にもなれないあたしは、やっぱし慣れてしまったんだろうか? ちょっぴしショック……
と、ここで名案を思いついたので、シンに提案してみる。
「そうだ、この際ナーガを引き取って! その代わり、あんたの話を聞いてあげる」
「いらん……色々と俺の性格が疑われちまう」
「ちょっと!」
ナーガがまた何か口をはさんできたようだが、無視無視。
「そう言えば俺、まだアンタの名前を聞いてないんだけど」
シンがあたしを指さす。
「あたし? リナ=インバースだけど」
「リナ、だな。これで俺たちは知らない仲じゃなくなったし、話くらい聞いてくれるよな?」

あたしは思わず、シンをスリッパでしばき倒していた。

「いきなり何すんだよ……」
「なんとなく腹が立ったから」
「何だよそれ!?」
「もしもし、2人とも……? 話を進める気、ある……?」
何かまた、あたしたちの口論に口出しするナーガ。今は正直黙っててほしい。

73名無しさんDESTINY:2009/01/13(火) 08:39:31
「火炎球(ファイアーボール)!」

じゅっどぉぉぉぉぉぉんっ!

「ばああああああああっ!」

今日も景気良く吹っ飛んだ盗賊さん達が映える青い空の下、
あたしはいつも通りに盗賊さんいぢめにいそしんでいた。
けど、あたしは今日ぐらい自粛すればと思った日はない。
まさか、あんなのが出てくるとは猫のおトイレの砂にも思わなかったのだから。

「景気良く続けて爆裂…?」

あたしは思わず、呪文の詠唱を中断する。
盗賊さん達の必死の反撃で…とかではない。
むしろ、盗賊さん達も目を点にして動きを止めているぐらいだ。

「…光?」

それは空から降ってきた。
最初は光るものが噴出してる何か。
次第にそれの形がはっきりしてくる。
段々とそれが人型っぽい形をしてる事がわかる。
そして、ある段階から…それはまさしく言葉に出来ないモノとわかる。

74名無しさんDESTINY:2009/01/13(火) 08:40:28
上手く表示できませんでしたが、上のレスは00ネタです。

7500ネタ:2009/01/13(火) 08:41:19
「……みかん箱?」

それはみかん箱をまるで鎧のように上半身に纏った人間だった。
それもちゃんと身体に合わせたサイズのを着用していた。
…そこまでなら、只のウケ狙いに思えるのだが、
右手には盾と剣を合わせたようなきちんとした武器を装備していた。
折畳式の剣で今は格納してる状態だが、延ばせば結構な大きさだと想像できた。
あたしは攻撃呪文を中心に戦ってるが、剣術も少々の心得がある。
そのあたしでも、あの手の武器を使おうとすれば、おそらく重さに振り回されて上手く使えないだろう。
複合系の武器ゆえの重量に耐えられる筋力。そして状況に応じて臨機応変が必要とする判断力。
それがなくては、あの武器は使えきれない。
あのみかん箱の人は、そんな難儀な獲物を持っていた。
ただの馬鹿なのか、それとも…。

「おい、てめえ!この大変な時に何気がトチ狂った格好してるんだ!」
「ドラゴンすらも恐怖のあまりその身を焼いて食料して捧げるほどの凶悪魔道士リナ=インバースがいるんだぞ!」
「悪い事はいわねえ!とっとと逃げた方がいい!」

…どさくさにまぎれて、とんでもない事を言い出す盗賊がいるが、
あたしはその場からきちんと距離を取っていた。
物腰からわかった。こいつはふざけた格好ではあるが…相当に出来ると。
先ほど説明した武器を姿勢を崩さず持ってる時点で、
少なくても、この武器に振り回されるような奴ではないと…。
…ただ、言いたい事は一つ。
そのみかん箱のど真ん中に『GUMDAM』とペンキで書くのは止めろ。

「……目標を補足。」

あたしがそんなツッコミを心の中でそっと呟いていると、
そのみかん箱がぽつりとしゃべる。
まだ少年のようで、貫禄がある老人でもあるかのような…。
殺気と決意が篭った言葉だった。

「『パトリック』盗賊団および、魔道士『リナ=インバース』を紛争補助対象と断定」

「へ?」

7600ネタ:2009/01/13(火) 08:41:57
「『エクシア』、目標を駆逐する――!」
『ちょっとまてぇぇぇぇぇぇっ!!!』

あたしと盗賊団のツッコミが唱和する。
ふんしょうほじょって…いきなし物騒な冤罪を!!

ぎんっ!

しかし、あたし達の突っ込みは空しくながされ、
『エクシア』と名乗るみかん箱は例の折りたたんだ剣を伸ばした…!

7700ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 08:42:50
『エクシア』と名乗るみかん箱は例の折りたたんだ剣を伸ばした…!

しかし、あたしはまだその『エクシア』と名乗るみかん箱の本当の恐ろしさを
知らなかった。
そのみかん箱が近づくにつれで、腹の真ん中あたりになにやらいかがわしい粒
子らしきものを振りまいているおよそ環境にやさしくなさそうなオーブらしき
ものをを見つけた。
とりあえずあそこにガーブフレアでも打ち込んでおけば何とかなりそうだ。
あたしは物陰に身を隠しつつ呪文の詠唱に入りながら、目標のオーブを見つめ
・・・。
そして本日最大の、というかこのみかん箱の本当の恐ろしさに気がついた。
そのオーブから振りまかれている粒子らしきそれは・・・。
極小サイズのそして無数の白蛇のナーガだったのだ・・・。

このあとあたしの記憶は途切れている。
ただひとついえることはパトリック盗賊団とか呼ばれた盗賊団の連中が全員揃
って、およそ物理的とはいえない力で再起不能にされていたことだった。

7800ネタ(38氏による続き):2009/01/13(火) 08:43:32
目が覚めると宿屋の自分の借りた部屋だった。ベッドから起き上がり、身の回りを調べると
何か無くしたものとかはなかった。だが、机に身に覚えのない手紙が置いてあった。
それは『このまま、この地を去れば見逃す。だがまだ、この地で暴れるのなら世界を歪ませる敵と
認定して排除する by CB」
このCBて何か分からないが、ひとつだけわかった事がある。
それは私の楽しみを横から邪魔して喧嘩を売ったことだ。
それと気になる事がある。あの思い出したくもない光の粒子…ナーガ菌とも言うべきだか
たぶん、あの菌にやられておかしくなったのだろう可哀想に。
まず私は、みかん箱の居所を探す為にそして昼時の時間だったので一階の食堂で食事をとる
事にした。

「おばちゃーん、ランチセットA〜Cとドリンク付きでね。」


次回予告
謎のみかん箱とは、GN粒子の正体とは謎が謎を呼ぶ、
そしてリナは復讐ついでに、盗賊達のお宝を回収できるのか?
Rを見つつ、00の第二部に期待しつつ待て!!

79タコハチロウ:2009/01/13(火) 08:44:45
「そうだ、忘れる所だった! 依頼だよ、依頼! プラント最高評議会の、ギルバート=デュランダル議長からの、正式なものなんだ」
「ちょぉぉぉっと、ナーガっ!」
シンの台詞を聞いて、あたしは思わず激怒した。
「な、何よ?」
ほんのちょっぴし弱腰のナーガ。これはこれで貴重かもしんない…ってそうじゃなくて。
「口論でうやむやに出来るはずだったのに、あんたのせいで思い出しちゃったじゃない、こいつ!」
「アンタ……どんだけ嫌なんだよ……」
かなり深いため息と共に、あたしの言い分に呆れるシン。
「強いて言うなら……姉ちゃんに逆らうよりマシかな……」
思わずあたしは、遠い目になる。
「……何だよ、その基準」
「そんな事はあんたには関係ないでしょ。っていうか、聞かないで、おねがいぷりーづ……」
更に呆れるシン、姉ちゃんへの恐怖で震えるあたし。ちなみにナーガは、仲間外れにされっぱなしのせいで、食堂の隅っこで蹲って、へのへのもへぢ、と床に書いている。拗ねるなよ……

80タコハチロウ:2009/01/13(火) 08:47:17
「まぁ、そこまで言うなら聞かないけどさ。
どうしよう……前金って言われて持って来た金額三千枚……」
シンは1人ごちる。ちなみに『どうしよう』などと言っている部分は小声だが、いかんせんあたしの耳は常人の3倍くらいは性能がいい。逃してあげな〜いってね(はぁと)
ナーガには聞こえてなかったのか、まだ隅っこでいじけている。よしよし、いい子だからそこで大人しくしててよね。
「けどまぁ、あんたの屁理屈じゃあ、あたしは話を聞かなきゃいけないみたいだし。なんとなく放っておけないし、聞いてもいいわよ?」
「何だ? 急に態度なんか変えて……」
「そうよリナ。さっきまであんなに嫌がってたじゃない」
あたしは自然に接したつもりだったが、シンがいぶかしむもんで、ナーガが復活してしまった。謀ったな……って、謀られてないけど。
「解ったわよ、リナ=インバース! 貴女、ひょっとして……」
ぎぎくぅっ。ナーガの奴、気付いたか!?
「シンの目が赤いもんだから、シンパシーを感じてるのね! お〜っほっほっほ、未熟、未熟千万ね!」
未熟なのはあんたのおつむの方だっ! と言いたいのをぐっと我慢。ここでマトモに突っ込んでは、あたしの計画が台無しである。
「えっと……」
今度は、シンが遠慮気味に呟く。
「どっから突っ込んだらいいんだ? これ……」
「無視よ、無視。見ちゃいけません」
困惑した顔で、彼女をまたも指さしながら聞く彼に、妙なノリで返すあたし。

8100ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 08:51:09
「なぁ、アンタ、リナ=インバースだろ?」
あたしが>>78の後、食後のお茶を楽しんでいたテーブルの向いの席にその不躾な
態度の男が腰を下ろしてそういった。
「ディム=ウィン」
「おわわわわわわっ!!」
宿の食堂の中ということを考えて思いっきりセーブしたあたしの呪文でその男は
必要以上のリアクションとともにふっとんだ。
「いきなり何すんだよ!こっちは仕事の話持ってきたんだぜ。」
「あっそう。じゃ、とりあえず手打ちの証にここの支払いはアンタ持ちってこと
で、おばちゃーん。デザート代わりにジャンボフルーツパフェ1つ追加ねー!」
「・・・。なあ、アンタ。噂には聞いていたけどおっそろしい食欲だな。」
「いったいどんな噂よ。」
「食堂でリナ=インバースにあったら神に祈れ。さもなくば財布をテーブルに
おいて出口を目指せ。」
「なかなかいい覚悟じゃない。じゃさらにチョコレートパフェもう一個追加ー。」
「で、こんなとこで何油売ってんだ。噂どおりのアンタならCBとかいうやつら
にヤマ返しているとこだと思うんだが?」
「!」
「先に名乗っとくぜ。俺はパトリック=コーラサワー。アンタと昨日事を構えた
盗賊団『パトリック』の2000回なスペシャル様だ。」
すぱこーん
あたしはそのバカの頭をスリッパでどついた。
「痛ってぇ!」
「どこの世界に堅気の世界のまともな宿屋の食堂で『俺は盗賊団だ』なんて気取って
名乗るバカがいるのよ!それにそれが本当だとしたらアンタには人権はない。ついで
に乙女のお茶の時間を邪魔した以上生存権も認めない。」
というやり取りを交わしつつ、あたしはその男を観察した。
思い出した。
確か、昨日のみかん箱の襲撃の際、他の盗賊団のメンバーが呆然としていた中で、
1人だけ「戻って来〜い。」だの「ギッタギタにしてやる。」だの大怪我しながら
ほえまくっていた長髪で挑発的な青年だ。現に今も依頼する立場にありながら態度
はかなり挑発的って、あれだけの大怪我から既に復帰している。
こいつが足を引っ張りそうな予感はティーカップに山盛りであるものの、これだけ
の回復力はナーガ並みかも・・・。この回復力の理由を知ればCBとかいうヤツラ
をとっ捕まえてしばき倒すのに使えるかもしれない。
「それにあんたねえ。もし本当にあんたが2000だかスペシャルなパトリック盗
賊団のメンバーだったとしたら今頃ベットで療養中でしょ。」
「今言ったとおり、俺は2000回でスペシャル様なんだよ。」

82上のネタの続きですが:2009/01/13(火) 09:05:37
どこかにNGワードがあるらしく、書き込めません。
なので、申し訳ありませんが
http://mimizun.com/search/perl/dattohtml.pl?http://mimizun.com/log/2ch/shar/mamono.2ch.net/shar/kako/1217/12176/1217634212.dat
から見てください。

83タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:06:22
「一応解ったけど、そのノリはやめてくれ、何か嫌だから。で、依頼だけど……」
言いかけて、シンは急に押し黙る。そして、目線だけで辺りを見回す。
どうやら、彼も気付いたらしい。妙に耳をそばだてている“異様な存在”に。
「リナ、ナーガ……時間も惜しいし、軍の拠点まで行こう。話は道すがら、って事でいいか?」
声は潜めず、努めて自然に言うシン。ははぁ、成る程、ね。
「解ったわ」
「そ、そーいう事なら仕方ないわねぇ。この白蛇のナーガ様も協力してあげようじゃない! おーほほほほほほっ」
自然に返事をするあたしに対し、妙に不自然なナーガ。こ、こいつは〜っ……!
「黙れとか言いつつ風魔咆裂弾……と見せかけてエルボー・アターック!」
「どひぃぃぃぃぃっ!」
フェイントが功を奏したか、ナーガはキッチリ気絶する。
「ついでに眠り(スリーピング)をかけて……」
「アンタ、旅の連れに何してんだよ!?」
シンが何故か、あたしの“的確な対処”に対して非難の声をあげる。しかし……これではまだまだ甘い。
「ダメ押しで氷結弾っと!」
「……嫌いなのか? ナーガの事」
あたしの更なる追撃に、遠慮がちに聞いてくるシン。
ふ、とあたしは不敵に笑って言った。
「大丈夫、このくらいはカルいじゃれあいだから」
「俺……人選誤ったかな……」

情けない涙を垂れ流すシンが流石に哀れになって、突っ込むのをやめた事は……言わなくてもいい事だろう、多分。

8400ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:07:18
「で、これからどうするつもり?」
宿の食堂のメニューを二通り制覇しながらあたしはグラハムさんとコーラに問いかけた。

変態2人の邂逅の結果。
健全な精神を持つあたしはその証拠として、再びGN(極小ナーガ)粒子で失神。
グラハムさんはみかん箱相手にそこそこ互角に渡りあったようだが結局、無茶をしすぎたらしく
血を吐いて撤退した。
ちなみにコーラは呪文の誤爆から復活し、みかん箱へむかって「かかってこいごるぁ!」と息巻
いていたがしっかり無視されていた。
そのことで呪文の誤爆のことは忘れているようだ。そのままにしておこう。

「ここは一旦本拠地に戻って立て直そう。こう見えても私の自警団のサポートは手厚いのだよ」
「それはいいけど、アンタらあたしへの依頼料はどうすんの?」
「俺はパトリック団の最終兵器を出すけど、あんたはどうすんだ?」
「言ったはずだよ。こう見えても私の自警団のサポートは手厚いのだよ、とね。グラハムスペシ
ャルを含めてウチの自警団の開発した技術に興味はないかね?」

こうして、グラハムさんの自警団の開発した技術に心奪われたあたしはグラハムさんの自警団「
ユニオン」自警団の本部へコーラと共に足を運んだ。
ちなみにコーラが自警団の本部に来ても無事だった理由はパトリック盗賊団自体がユニオン自警団
の開発した武器を実際に戦闘に使用して実戦カスタムを請け負っていた経緯があり、ある程度知っ
た顔がいたことと、CB(ここではソレシタラブーイングと呼ばれているらしい)にやられた仲間
意識かららしい。

8500ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:07:45
「やあ始めまして。ユニオン自警団開発部のビリー=カタギリです。」
「彼はみかん農園を経営していてね。その傍ら色々な魔道関連の工夫をしてくれている。例えばこ
のグラハムスペシャルもほら」
グラハムさんは手にはめていた白い手袋を外してこっちへほおってくれた。
「こっ、これはっ。」
ただのスカした勘違いのオッさんかと思っていたら、この手袋裾が長く手首を過ぎたアタリにアミ
ュレットが付いている。
「そう。そのアミュレットに蓄えた魔力を使って呪文の威力を受け流しているのさ。正しくは繊維
の織り方にもワザがあって、銀糸を一定の方向へ向けて織り込むことと、やや手を締め付て手の甲
の形を整えることで魔力を受け流しているんだよ。レーザーレーサーという織り方なんだが、これ
にアミュレットに蓄えた魔力とグラハムの体術を加えて初めてできることから、買い手がつかなく
てね。」
「買い手って・・・。」
「ああ、ウチの自警団の資金源はこういった技術の開発と実用化の上で使えそうなものを国軍に売
って稼いでいてね。多少腕っこきの兵士でもグラハムのレベルの体術ができなければそれで終わり
だから。」
おひおひ・・・。それって・・・。
「とりあえずそれ位で本題に入らないか?私は我慢弱いのだよ。」
「う〜ん。でもこのレーザーレーサーって逆にアミュレットに魔力を蓄えずにデム=ウィンを蓄え
ておいて開放してやればコケおどしくらいにはなりそうな・・・。」
「それはいい!早速、研究して痴漢撃退グッズとして売り出そう!」
なんかこの人も勘違いしている?
というかここの自警団も変人しかいないのか?

8600ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:08:12
「ちっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!」
あたしは頭を抱えて座り込んだ。
「どうしたんだい?」
「どうしたというのかね?リナ君」
「所詮、スペシャルでも2000回でもない奴なんてそんなもんだろうが、一体どうした?」
あたしはコーラの頭をスリッパでどついた後、ビリーさんへ向き直った。
「いや今話しているのはどうやってあのみかん箱を引きずりだして口ん中に手ぇつっこんで奥歯ガタガタ
言わしてやるかよね。それが痴漢撃退グッズ開発してどうすんのよ!」
「すまないね。リナ君。グラハムスペシャルを開発したことでお金が滅茶苦茶かかってね。売れそうなグ
ッズ開発が我が自警団の急務ということもあるのだよ。」
うーん。あたしも商売人の娘である。そうと聞いては怒ってばかりもいられない。
「判ったわよ。その代わりグッズのパテントはあたしのもんだからね。それとこのグラハムスペシャルの
アミュレットを改良すれば近距離で結構な戦力になると思うんだけどどうかしら?」

つまり、こうである。
自警団のメンバー+コーラにグラハムスペシャルを装備させ、デム=ウィンでみかん箱に次々ぶつけて陽
動し、その隙にグラハムさんが近接戦闘に持ち込む。
で、あたしがみかん箱の背後に回り攻撃呪文でしとめるという作戦である。
それを提案する間、ちゃっかり痴漢撃退レーザーレーサーのパテントを取得していた訳だが、それはそれ
これはこれである。

87タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:08:47
あの後、ついでにナーガに食事代を付けたあたしたち。今向かっているのは、軍の拠点……ではない。
 野良猫や野良犬の類いが屯してそうな、湿度がやや高めの路地裏。シンがわざわざこんな道を選んだのは、近道の為……ではない。
「さて……そろそろ出て来てもらおうか?」
 急に立ち止まって、シンはあたし――の遥か後方に向かって声を張り上げた。
「誰だか知らないけど、バレてるんだから観念しなさい」
 そう。シンは、ここで“異様な存在”とドンパチやらかすつもりらしい。軍人の癖に血の気の多い奴……
 ちなみに、あたしまで声を上げたのは、まぁ……正直言って盛り上がりの問題である。
「よく解りましたね……」
 そう言って出て来たのは、シンと色違いの――ほとんどが緑で占められた軍服を来た、明るめの茶髪をオールバック気味にした顔のいいお兄さんだった。はて、彼もザフトの軍人だろうか?
「アンタ……見ない顔だな」
「えぇ、そうでしょうね。僕はクライン派ですから。
 あぁ、申し遅れました。僕はマーチン=ダコスタといいます」
 いぶかしむシンに向かって、ご丁寧に自己紹介してくれる。
 クライン派――この界隈では、この名前を知らない人は少ない。噂によれば、かのラクス=クラインを党首として、色々やらかしているらしい。
 ……はっきし言って、あんまし深い知り合いになりたくない人種である。
「こりゃ、どうもご丁寧に。で、そのタコスダさんが、あたしたちに何の用?」
「リナ、違う違う。タコヅダさんだって」
「えー? ダゴツタさんじゃあなかった?」
「違いますっ!」
 あたしとシンがあれこれ推測していると、当の本人が声を張り上げる。

88タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:10:11
「あ、あぁ、失礼しました……タコツボさん」
「酷くなってますよね!?」
 あっれー、おかしいな……。あたしはちゃんと言ったつもりだったのに、何か怒ってるよ、この人……
「だから違うって、リナ。イカスミさんだって」
「元の形がないでしょうがっ! ダ・コ・ス・タですっ!」
 ニヤニヤしながらあたしの間違いに重ねてボケるシン。どうやらワザとやってるらしいが、タコスヤさんは気付いてないらしく、真っ赤になって怒鳴る。
「えぇい、埒が明かない! 例の計画書、返して欲しくば早々にあらゆる武器武装を放棄せよと、ラクス様からのご通達ですっ! 忘れないで下さいよ!? あと僕はダコスタですっ!」
 一方的に怒鳴り付けて、タコスミさんは去っていった。

8900ネタ:2009/01/13(火) 09:11:16
私達はそれぞれが、独立して目的の場所に移動する事になった。街中でまた暴れられるとやっかいだからだ。
そして森の中にすこし開けた場所まで移動した。ビリーさんも相手をよく観察したいとの事で茂みに隠れている。
そして姿は見えないが自警団の他の人達も気配は感じるので隠れているのだろう。
そしてグラハムとコーラ二人が対峙している処から離れて、私は木の上で待機している。
グラハム「では、そろそろ始めようか。パトリック・コーラサワー、君の存在は私にとって耐えがたいものだからな。」
コーラ「は、スペシャルで2000回の俺様に楯ついたらどうなるか教えてやるよ。」
と口喧嘩を始めたら、空から例のみかん箱が緑の粒子を出しながら向かってきた。
刹那「グラハム・エーカー及び、パトリック・コーラサワーを発見、目標を駆逐する。」
盾についたでっかい剣を構えて二人に襲いかかってきた。

コーラ「は、返り討ちにしてやるよ。お前達出番だぜ。」
刹那の初撃をかわしながらコーラが叫ぶ、それに呼応して自警団の皆さんがざっと姿を現して、一斉に
ディム・ウィン(魔風)を打ち出す。それをまともにくらい、たたらを踏む刹那。
刹那「うわぁぁあ」と不意打ちを打たれた刹那は例の謎の粒子をだしながら上空に浮きあがった。
が、そのタイミングに合わせたグラハムが刹那に一撃を入れる。
グラハム「抱きしめたいなぁガンダム!」
胴体に一撃を入れらた刹那は地面に叩きつけれる。
そして私は唱えていた呪文を解き放つ。
リナ「フリーズ・アロー(氷の矢)」
体の大部分が氷漬けになった刹那を捕獲すべく集まる自警団達。
その時、上空に新しいみかん箱じゃなくリンゴ箱が現れた。それは緑じゃなく赤の粒子をだしている。
ネーナ「はーい、刹っちゃん生きてる。助けに来てあげたよ。」
と同時にそのリンゴ箱から雷が降ってきた。これはアーク・ブラス(地霊砲雷陣)?体が痺れて動けない
私達を無視してみかん箱を背負い赤い粒子をばら撒きながら去っていた。そして私は見た、その粒子は
極小の私だったのを…その後の意識を失い、次に意識を取り戻した時は自警団の病室だった。

90タコハチロウ(小話):2009/01/13(火) 09:12:37
シン「忘れられてる……ここは元々、俺を目立たせる為にスレイヤーズ風に種デスをやってみようって所なのに……」
リナ「忘れてる訳じゃなくて、やっぱしあんたの後輩の方が、ネタ的にフレッシュだからじゃない?」
シン「あんたって人はっ!」
リナ「けど、不安な事があるのよ…」
シン「へ?」
リナ「どのキャラがどうやって絡んでくるの?」
シン「俺に聞くな……」

91小話:2009/01/13(火) 09:13:12
開幕4
黒づくめの黒マント、腰に筒をぶら下げた格好で登場
キラ「どうもキラです。イメージチェンジをしてみました。」
ナーガ「でMSも使わずにどうやって、あのリナと渡りあうつもり?」
キラ「うん、問題ないよこのサイが作ってくれたサイ・ブレードがあるから。」
腰の筒を外して構えるとそこから光の刀身が現れる。
ナーガ「という訳で、リナ首を洗って待ってなさい、このケインと私で仕留めて
    あげるわ、ほーほっほっほっ」
キラ「ケインじゃなくてキラだよ、ナーガさん。」
ナーガ「分かったわじゃ、行くわよカナード。」
キラを引っ張って何処かへ走っていくナーガ
閉幕

9200ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:14:12
ちゅどどどどどどど〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!
あたしの八つ当たりドラグスレイブがビクトリア盗賊団のアジトを消し去った。
そう、あの忌まわしき戦いの後、目が覚めるとそこはユニオン自警団の病室のベッドの上だった。
ベッドから起き上がり、あの極小のあたし自身の粒子について思い出してながら、身の回りを調べると・・・。
「裏切り者」「チビ」「貧乳」「ソレシナクトモブーイング」等などの張り紙が護符のようにベッドに貼り付けら
れていた。
「ぬわんじゃぃごりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!」
その声を聞いたのかグラハムさんとカタギリさんが部屋に入ってきた。
「やあ、リナ君。お目覚めかな?」
「すまんがあの粒子を見たもの達の間に君がCBのスパイだという話があってね。私達でも止められない状態なの
だよ。すまんがしばらく地下に潜ってはくれないかな?無論食費以外の費用はこっちで見る。」

ということで、あたしは濡れ衣を晴らす目的もあり地下に潜りつつCBを追い詰め、ついでに趣味と実益を兼ねた
盗賊イヂメを再開したのだった。
ここでお宝漁りをしている最中にナーガが出てきてくれるとそれなりに助かるのだが、そういう時に限って奴は出てこない。
逆にこの状況でCBに出て来られても困るのだが・・・。
ぴくっ!
あたしの盗賊レーダーに盗賊の気配が引っかかった。
「そこっ!火炎球。」
ちゅどーん。
ん?コーラサワーじゃね。 あ、そーいえばコイツ元々盗賊だった。
「てっめえぇぇっ!いきなり何しやがる!」
「いや〜。スマンスマン。つい盗賊だと思ってね。きゃよわい乙女のピンチを救ったと思って諦めて。(作り笑顔)」
「諦められるかぁぁぁぁぁっ!折角ビリーんとこから資金と情報持ってきてやったのに。」

コーラサワーを宥めすかし食堂に入って腹ごしらえしつつ話を聞くことにした。

「おばちゃーん、焼肉ランチセットご飯大盛りでね。」


次回予告
今回はみかん箱もりんご箱も出てこなかった。
次回はどうなるか?

9300ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:14:39
「で、それだけ?」
「それだけって、それ結構凄いことだろうが!」

何でもビリーさんの師匠のエイフマン博士という人がグラハムスペシャルの大量生産に道をつけてくれたそうだ。
そのうえ、他の自警団からも腕っこきの応援が来るらしい。

「でもそれだけじゃあんなのどうにでもできないわよ。第一あれが2機しかいないなんて保障誰がすんのよ。」
「うっ!そこは2000回でスペシャルに」

ちゅどーん

「何!?」
「あ、みかん箱じゃね?ギッタギタにしてやんぞごらぁぁぁぁぁ」
とここまでだけなら格好良く食堂を飛び出そうとしたコーラサワーは食堂のおばちゃんに食い逃げと間違われてお玉で
どつかれて失神した。こんなの放っといてみかん箱みかん箱って、何ぃぃぃぃぃぃっつ!
あたしは自分の目を疑った。
ナーガ菌を振りまくエクシアとかいうみかん箱と互角に事を構えているのは、なんとクリスマスツリー色に塗られた、
別のみかん箱だった!


次回予告
ついに!狡猾で残忍といわれながら常に小迂闊で残念な位置に甘んじてきた伝説の男が登場か?
グゥレイトゥ!!に待て

94タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:15:24
 今度こそザフト軍の本拠地へと向かう道……だと思う。なかなか綺麗に整備された道を、シンの後ろ姿を追いながら、あたしは先程の事を聞いてみることにした。
「ねぇ、シン。タコワサさんが言ってた“計画書”って何の事?」
 シンはあたしをチラリと振り返り、また前を向くと後頭部をボリボリとかきながら、
「いや……実は依頼ってのはそれなんだよ。俺もまだ詳しくは聞いてないんだけど、どうやらそれが関係してるらしいんだ」
「何よ、それ……」
 思わずあたしは呆れる。するとシンはふてくされて、
「仕方ないだろ。議長が『任務の前に、腕の立つ魔道士をスカウトして来てくれ』って言うもんだから。そこまでしなきゃならない程の緊急事態か、あるいは……」
「信用されてないのかもね」
 あたしの言葉に、シンはちょっぴし肩を落とす。
「それを言うなよ……」
 どうやら心当たりがあるらしい。うーみゅ……なかなかに難儀な兄ちゃんである。
「そんな事より……そろそろ着くけど、色々と処理があるから、しばらく入口で待っててくれないか?」
「処理?」
 あたしは思わず、気を取り直したらしいシンの発言で、気になった部分をおうむ返しする。

95タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:16:09
「ああ。いきなり一般人を中に入れる訳にもいかないから、パスみたいなのを貰わなきゃならないんだ。ちょっと時間がかかると思う」
 随分あっさりと彼は言い放つ。まさかとは思っていたが、やっぱり、か……
 実は、あたしが最初に依頼を蹴ろうとして理由はそこにある。別に急ぐ旅をしている訳ではないが、そういうちょっとした事に時間を割かれるのは好きではない。それに……
 軍人の食うメシは、せいぜいが、牢屋行きになった盗賊さんのご飯に多少の色を付けた程度の、味よりも栄養や保存期間を重視した物と聞く。まぁ、それは偏見かもしれないが……。あたしは、はっきし言ってそんなメシ、食べたいとは思わない。
 許可を貰えるなら、外で食べたいが……ダメと言われたら、やっぱしそこは我慢しなきゃならない。許可を貰えたとしても、食費を依頼料から引かれる可能性はかなり高い。そうなると、手取り金が目減りするのは当然である。
 くそぅ、ストレス溜まるなぁ……
「……リナ、どうした?」
 返事をしないあたしをいぶかしんでか、シンは足を止め、振り返る。
「あ、ああ、何でもない」
 自分でも解る程に、不自然な言い繕いではある。
「そうか? ならいいんだけど……。アンタ、流石に待ってられるよな?」
「あんたねぇ……あたしは四、五歳のガキじゃないのよ」
 これまた随分と失礼な言い方をしてくれる彼。あたしは、微妙にケーレンし始めたこめかみを押さえつつ、反論する。と……
 あろうことか、あたしの頭から足先を目線で追って、
「四、五歳とまでは言わないけど、どう見ても最高で十二歳だよな」

 あたしは思わず、シンを風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)で吹っ飛ばしていた。

96タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:17:46
よく考えたらそろそろ着くっていってたのに後の展開おかしい!
修正不可能につき脳内変換お願いします……orz

9700ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:18:30
で、気がついたことだがクリスマスツリーみかん箱には極少サイズの魔道士を振りまくというはた迷惑なオーブは付いていない。
少なくとも遠めに見る限りは。
剣と盾を一緒くたにしたような武装のエクシアみかん箱は接近戦が中心なのに対し、クリスマスツリーみかん箱は2つの筒みたいな
モンから攻撃魔法バカバカ打ち出して、たまに筒をくっつけてドラグスレイブ級の攻撃を行っている所謂アウトレンジ形の装
備のようだ。
しかし、命中率を上げたいのか接近戦に近い距離に近づいて攻撃している。
で、仮に命中しても盾で受けられている、というか盾に貼り付けられた極少ナーガ粒子で中和されているようだ。
おい・・・。これって単に迂闊で残念な攻撃とフィジカルまかせの無茶といわないか?
一見激しいもののちょっと引いてみるとものすごくアホらしい泥仕合に見えるが、この戦いにも終わりが来た。
「ディアッカー!ソイツをよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
今度は水色のみかん箱が両手に刀身部分が光になった剣持って突っ込んできたが如何せん興奮しまくりのようで
剣筋が荒い。
エクシアみかん箱それをしっかり避けてはいたものの「お前たちも・・・、ガンダム・・・、なのか・・・?」
という不思議ちゃん度満杯なセリフを残して撤退した。

次回予告
ついにディアッカ&イザークの登場か?
作者にすっかりイジリ飽きられた感のあるコーラサワーの立場はいかに?
種脚本の隠し味忘れ去られキャラとなるのは、コーラかグラハムか、それとも粒子じゃない本物のナーガなのか?
平和を願う者はナーガの登板機会の無いことを祈りつつ待て

9800ネタ(38氏による続き):2009/01/13(火) 09:20:25
「よう、イザーク遅かったな。」
気楽に緑箱が水箱に話しかけていた。
「無駄口を叩いてる暇か、一気にあいつを仕留めるぞ。」
「何故、ガンダム同士で戦わないといけない、お前達はガンダムじゃないのか?」
みかん箱が色箱に話しかけるがそれを無視して水箱が再び両手の刀身で切りかかった
慌てて、一刀を楯で流し、もう一刀が来る前に大きく後退する。そのタイミングで緑箱が
構えた筒から放たれた光の放流が迫る。刹那は間一髪、楯で受けるが体勢を崩しながら
地面に叩きつけれる。何とか半身を起したが、目の前に水箱が地面に降り立ち、ゆっくりと
みかん箱に迫る。
「降参すれば命まではとらん。」
水箱がそう言いながら近づき、緑箱が上空で筒を構えている。
「俺は、こんな処で立ち止まっていられない。」
みかん箱が気合いと共に緑の粒子が刀身をまとい、それを振り上げる。そこから、爆風が
生じ水箱が地面を転がり転げ、緑箱も空中でもろに風圧を食らったみたいで揉み切り
状態になりながら地面に墜落してる。
威力としては強化版のボム・ディ・ウィン(風魔砲裂弾)だろうか、幸いその剣筋とは離れた
場所にいた私は影響はなかった。だかこれはチャンス、口早に呪文を唱え、みかん箱に
向かって術を解き放った
「フリーズ・ブリット(氷結弾)」
だがそれはみかん箱にあたる前に上空からの攻撃で地面が砕け散った破片に当たり
みかん箱まで効果が届かなかった。慌てて上空をみると、細い筒を構え、緑の粒子を
まき散らしながらこちらを見ている、新たなみかん箱の出現であった。
「よう、刹那生きてるか?手こずってるようだから手を貸すぜ。」
「ロック…オン…」
最初のみかん箱がそう呟くのを何処か上の空で聞き流しつつ新たな脅威に対峙する私であった。

次回予告
新たに出現したみかん箱(02)にどうするリナ? 吹っ飛ばされた二人組はこの状況でどう動く?
戦闘を書くのって色々大変だよねって思いつつ。次回も暴れちゃうぞ

99タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:21:06
 シンは近くの建物に激突したが、幸いにも、軽く伸びただけで済んだ。面倒だが、こいつを回復させない事には、軍の本拠地がどこなのか解ったもんじゃない。
 あたしが、真水を作り出す呪文――浄結水(アクア・クリエイト)を唱え始めた、ちょうどその時。
「シン……遅いと思ったら、そんな所で何をしているのだね?」
 道の脇からあたし――正確には、既に顔が水浸しになったシン――に話しかけてくる声。その声の発信源を辿ってみると……
 屋根なしの妙なデザインの赤い馬車を引く、妙に赤茶けた毛並みの馬に乗る男が一人。
 どうでもいいけど……直接馬に乗るなら、最初っから馬だけにすればよかったんじゃあなかろうか。
 癖のある、黒い長髪をそのままにした、ワカメか昆布のような髪型。シンと同じくらい……もしくはそれ以上の、病的とも思える程の色白な肌。そして特筆すべきは、その服装である。
 薄紫、黒、赤の絶妙なコントラストで色分けされた上着。その中に着ているのは、シンの服を若干簡素化したようなデザインだが、金色のフチが入っている物。全体的に、神殿の高位にある神官や、魔道士協会のお偉いさんのようにも見えるが……まさか。
「う、うーん……」

100タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:23:57
 顔にかかった真水を、犬猫のようなやり方で吹き飛ばしつつ、シンが上体を起こす。そして……男を見た瞬間、冷や汗を垂らす。
「ぎ、議長……!? 何でわざわざ、こんな所まで!」
 シンが目をひんむいて驚く。
 そう、あたしたちの目の前にいる男こそが、妙に悪人臭い名前の、ギルバート=デュランダル議長その人だと言うのだ。正直に言っちゃうと、すこぶる怪しい事極まりないのだが……。シンがここまで驚いているんだし、本物だろう、多分。
 いや、これで偽者だったら困るけど……
「君の帰りが遅いので、迎えに来たのだよ。とりあえず、ここではなんだし、乗りたまえ。
 そこのお嬢さんもどうぞ」
 あたしとシンは、議長さんのお言葉に甘える事にした。

 予告:ギルバートさんの馬車に乗って、ザフト軍の本拠地に着いたあたし。そこで、様々な意味で衝撃的な出会いを果たすハメになる。
 ちょっと待って……貴女の名前、もう一度聞かせてくれる?
 次回、スレイヤーズぱろでぃ第一話、Access! あの名を冠する少女。見てくんないと、暴れちゃうぞ?

10100ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:25:13
戦場に一瞬の静寂が流れた後、不意にロックンと呼ばれたみかん箱(02)のドテッパラに
穴が開いて墜落した。
ちょっとまてみかん箱、緑箱、水箱、そしてこの美少女魔道士のあたし、それぞれがみかん
箱(02)の登場に固まっていたのだが・・・。
「イィィィィヤッフゥゥゥゥッゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッツ!やっぱ不意さえつけば誰もス
ペシャルで2000回な俺に敵うわきゃねーんだよ!」
あ、そういえばコイツいたんだっけ?
どんな手使ったのか知らんがあんまり胸張って言うようなことじゃない気がするが・・・、
ここはオリンピックのリレーで有力チームがこぞってバトン落としたくらいのチャーンス!
あたし、コーラサワー、緑箱、水箱の視線がみかん箱(02)を抱えて撤退しようとするエ
クシアに迫る。
と、イキナリさらに今度は紺色鎧を着込んだのみかん箱があらわれた。
「ロックオンを落とすとは・・・、その罪万死に値する。ナドレっ!!」
紺色のみかん箱が鎧を外すとオレンジのハイレグ水着に落ち武者のような長髪が風になびき
、そしてあたし達は体の自由を失った。

くそう。新たな呪縛系の呪文なのか?
天を仰ぐあたし達をよそに、3個のみかん箱は撤退していった。


次回予告
コーラサワーの活躍は新たなフラグとして定着するのか?
スレ立て趣旨のとおりシンとキラの登場はあるのか?
デスノートに名前を書かれたくなければキラさんのモブ画登場をwktkして待て

10200ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:26:19
「で、皆ざらっと自己紹介から始めたほうがいいわよね?」
宿の食堂のメニューに手をつけつつあたしは皆に問いかけた。ここの食卓についているのは4人。
あたしとコーラサワーのほかには水箱から出てきたおかっぱ頭と緑箱から出てきた金髪の茶肌。
「まずはあたしから、名前はリナ=インバース、見ての通り魔道士よ。」
「スペシャルで2000回なパトリック=コーラサワー様だ。」
「ふん・・・。民間人が。俺はイザークジュール。」 と髪まで水色のおかっぱ
「グゥレイトゥ!!ディアッカ=エルスマンだ。バスターのパイロットをやっている。」
・・・なんか、コーラサワーが2人に増えた感じがする。こういうときはもう片方のおかっぱに
話を振るべきなんだろうが、鼻っ柱が非常に強そう。こういう奴は情報を洗いざらい吸い上げた
ら火炎球ぶつけて水箱をいただいてしまおう。それまでは我慢我慢。
「で、あんたたちはあのみかん箱とはどういう関係?」
「そういうお前たちはどうなんだ?」
くぅ〜っつ!こういう奴は今すぐにでもぶん殴りたい。
いや、CBをどつきまわすためには我慢我慢。
「じゃ、手短に話すわね。」
あたしはこちら側の事情を手短に説明した。
「ふん。そういうことか。」
「いーじゃねーか。イザーク。手を組むのも悪くはないだろう。とりあえず俺達の方ももう少し
説明しないとな。とりあえず俺達はザフト村から来たんだ。あの機体はガンダムっていって、俺
の乗っているのはバスターっていうんだ。」
「ザフト村ぁ!?ってそれじゃあんたらコーディネーターなの?」
「ふん。そう驚くことでもあるまい。」
いちいち気に障る奴だな。コイツは・・・。
「まあそういうことさ。俺達が珍しい?怖い?大丈夫だよ。ちゃーんとおまえのメシはとってあっから。」
「その前にココデナンパって何だ?」
言わずもがなの約一名を除いて椅子からズッコケて落っこちる一同。
「あーのね!コーディネーターっていったら・・・。まあ、確かにあんたが知っているわけないか。」┐┌
端的に読者の皆さんにも説明しておこう。
50年ほど前にコピーホムンクルスだけを作るのに飽きた1人の魔道士がたまたまコピーの製法を
いじくりまわしていた際に通常の人間の胎児に人工的に才能を上乗せする技術を開発したのだが、
結局、どこの才能が伸びるのかは制御できないことから技術自体が消えてしまい、今はどのような
方法をとったのかわかっていない。
この技術で産まれた子供達は結局普通の社会の中にも入りきれずバンダイ帝国のハズレにあるシー
ド地方のザフト村に住み着いたといわれているが、村人達があまり村から出てこないことで秘境扱
いされているもののそこの技術は非常に高いと言われている。

「で、コーディネーターがなぜあいつらと事を構えていたのよ?」
「あのみかん箱にオーブが付いていたのをみたか?実はあれはザフト村で開発された魔道強化のア
イテムで、オーブの中に護符を入れる代わりに魔道士の細胞を入れて、その魔道士の魔力とほぼ同
質の魔力を保っているのさ。」
「何ですって〜!」

103タコハチロウ:2009/01/13(火) 09:29:32
「君は何故、わたしたちに協力する気になったのだね?」
 ギルバートさんのオープン馬車(仮)に乗り、ザフト軍の本拠地へと向かう道すがら。その本人が、唐突に聞いてきた。
「いや、何故って言われても……魅力的な依頼料に釣られて、としか言えないんですけど」
「そうか……流石はリナ=インバース、といったところかな。噂に聞いた通りだ」
「噂……?」
 ギルバートさんに聞き返したのは、あたしではなくシンだった。
「君も聞いた事があるはずだ。
 報酬と人情は裏切らないが、人権は無視しがちの女魔道士。立てば爆薬、座れば核ミサイル発射ボタン、歩く姿は強請たかりもお手の物。ドラゴンをも瞬く間に倒す……通称ドラまた。
 後は、そうだね……関わったなら神を呪え、とも言われているらしいね。全くの余談だが、一応、世界一危険な壁の美少女とも」
 ギルバートさんのあまりの言いように、流石に頭にきたが……ここで暴れたら依頼がパァになりかねないので、我慢。一応、美少女って言われたし。しかし何か引っかかるなぁ……
「あの、ギルバートさん。その“世界一危険な壁の美少女”って何ですか?」
「何、胸部が壁のようだというだけの事だよ」
「あんたって人はぁぁぁぁぁぁっ!」
 あたしは思わずギルバートさんに向かってスリッパを振りかぶった、しかし!
「落ち着けリナ! あとそれは俺の台詞だっ!」
 シンがあたしを押さえてくる! こいつ……邪魔っ!
「離してよ、シン! あたしはこの人に一発お見舞いしてやんないと気が済まないのよっ!」
「だったら、尚更ダメに決まってるだろ! 意地の悪いジャーナリストとかに見つかったら、ある事ない事書かれて、勝手にスキャンダルにされるかもしれないんだぞ! それでもいいのかよ、アンタは!?」
「バレなきゃいいのよっ!」
「まるっきり悪役の台詞だぞ、それ!?」
「うるさいわね! あんたは自分の体の事で馬鹿にされた事ないから、そんな事が言えるのよっ!」
「……俺が、ツンデレヒロインだったら……」
 背景に暗雲のようなものを背負って、シンはボソリと呟く。
「……へ?」
「公式が病気……シン=オカマ……性別だけは守るって言ったのに……」
 思わずあたしは間抜けな声を上げたが、それに気付かずに、シンは呟き続ける。
「気持ちのいい声援……私はラクス……ラクスがいい……」
「あわわわわわ、ゴメン、ゴメンね!? もういいから、解ったから! いや、解んないけどっ! でも聞かないから、あたしが悪かったからっ!」
 目に涙を溜め始めたシンに、あたしは慌てて平謝りする。どーやらこいつ、とんでもないトラウマを抱えているらしい。
「ん……俺は一体……」
 ほっ……どうやらあたしが、彼のトラウマに言葉の火炎球(ファイアー・ボール)を投げ込んでしまった事は、忘れているらしい。
「大丈夫よ。ちょっと、その……悪い夢を見て、うなされてただけだから」
「ん……そっか……」
「あー……君たち……」
 シンが弱々しく笑ったのを見計らったように、原因を作った末端であるギルバートさんが、ちょっぴし申し訳なさそうに声を上げる。
「……小芝居は済んだかね?」
『小芝居って言うなっ!』
 あたしとシンは、計らずも声を揃えた。

104タコハチロウ(小話):2009/01/13(火) 09:34:08
リナ「ってわけで小話タイム!」
シン「こらぁ、ちょっと待て! 何でいきなり小話なんだよ!?
 予定ではあの後……アイツが出てくるのに」
リナ「タコハチロウは気まぐれっていうか……
 ぶっちゃけちゃうと、ナーガ退場にズレが出て、議長さんの登場が早まったから、例のその子をどうやって出すか悩んでるみたい」
シン「そういう時こそ、6さんとか123の人がいるってのに。これだから初心者職人は。
で、小話ってなんだよ?」
リナ「別スレでタコハチロウが見た情報なんだけど……GVSGの次回作、出るらしいじゃない? で、その仮名が……」
つガンダムVSガンダム NEXT
シン「……このスレの住人が見たら、狙ってるとしか思えないな」
リナ「そうよねぇ。しかしタコハチロウの奴、小話ならあとがき風にすればよかったのに。ヤマもオチもないじゃない」
シン「終わってもないのに、あとがき風にするな。
 ヤマとオチの件は……努力次第だろ、多分」
リナ「努力嫌〜い、根性はもっと嫌〜い。
 けど、タコハチロウは努力と根性で乗り切ってもらわないと。血ヘド吐いてもね」
シン「こわ……」(がくぶる)

10500ネタ(38氏による続き):2009/01/13(火) 09:35:18
食堂にて議長の言っていた事を私は吟味する事にした。
簡単にいうとザフト村が所持してるMSが全部で
デゥティニー、レジェンド、プロヴィデンス、インパルス、デュエル、バスター、ブリッツ
オーブ村で開発・所持しているMSは
フリーダム、アカツキ、ストライク、ジャスティス
そして強奪されて独自に改良されたがCBが主有している
エクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ、スローネ1から3号機までって事らしい。

で議長から依頼されたのは、破壊したら一体に付き金貨20枚、捕獲出来たら
30枚って美味しい報酬なんだが相手があれだし。
自警団からの依頼も加えると結構な額になる事はなるのだが、
CBって世界をひとつにする為に、まずこの周辺で争いに武力介入してるらしい。
そんな怪しい団体なんてほっといて、この地方から移動すればいいのだが、
もしCBがこのまま暴れ続けて、特にあの赤い粒子だすのが世界に散って、
それが有名になり、話の内容がゼフィーリア辺りまで流れてきたら確実にねえちゃんが
やってくる。
そしたら確実に私は生きていない、私の身の安全と平和の為にどんな手を使ってでも
あいつらを捕まえて二度とこんな馬鹿げた真似をさせないと私は心に硬く誓ったのだった。

だが、実際にどうするかが問題だった。粒子だすあれが術者と同じ呪文が使えるなら、
私もナーガも結構やばめな呪文を結構持っている。下手するとドラグ・スレイブ(竜破斬)
なんてものが飛び交うことになる。議長に聞いてもそこら辺は分からないらしい。

そして店の外で高笑いが聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。

次回に続く
駄目だ、話を展開する事が出来なかったよ6氏すまん。

10600ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:36:38
翌朝、あたしとコーラはザフト村の砦の一つ「ミネルバ」へ向かった。
下手にコーラに逆ギレされるとコトなので、質問以外でに口を利かないよう
に釘を刺してある。
そこでは先日あたしがインバーススクリュークラッシュを食らわせ失神させ
た目つきの悪い漆黒の髪に深紅の瞳をした少年と案内をしてくれた落ち着い
た感じの白金の髪に淡い水色の瞳の少年の2名がいた。
「議長の話じゃアンタらに手を貸してやれってことだけど、どんだけのもん
なのよ?」
「あら、昨日の一発で死んだと思ったら生きてたの?」
「一体アンタは何なんだぁぁぁぁぁぁっつ!?人の名前をっっっつ!」
「よせ、シン。」
「判ってるよ。レイ。」
「リナ=インバースにパトリック=コーラサワー、司令の許へご案内させてい
ただきます。」

砦の奥の部屋に通された私達はそれぞれに白と黒と赤の制服に身を包んだ3名
と面会した。
「はじめまして。リナ=インバースさんにパトリック=コーラサワーさんね
。ここの砦、ミネルバの司令、タリア=グラデスです。」
と中年のやや厳しい目つきだが品のいい白服の女性。
「同じく副司令のアーサー=トラインです。」
と黒服の若干頼りなげな青年。
「ミネルバ付特務隊フェイス、アスラン=ザラです。」
と落ち着いた表情でシンやレイより少し年上の少年。だがさすがに司令に近い
位置で仕事していることでストレスが溜まっているのだろうか?少し額が広が
っている。
「リナ=インバースです。色々なお噂はお聞きのことかとは思いますが協力さ
せてください。」
「スペシャルで2000回なパトリック=コーラサワーだ。」

コーラの言動にタリアさんはやや顔を顰めた様子だったが、不問に付して本題
に入ってくれた。
「さて本題に入りましょう。状況を説明すると、現在CBはどこで争いを起こ
してもそれを見つけて入り込んでくるわ。最近はオーブともきな臭くなってい
るので、こんなのさっさと何とかしてしまわないとね。」
おいおい、それって・・・。
「あのー、オーブともって、何かあるんですか?」
「そう。知らないのね。オイシイとこだけちらつかせて依頼するなんて、全くどこの狸かしらね。」
「状況についてだが、おそらくウチのMSと一緒に出る可能性もあるだろうし、ここはアスランから
説明してくれないか。」
「はい。では簡単に説明しますが・・・。」
説明がくどかったので簡潔に話を纏めると
・オーブ村とザフト村はそこそこの関係にあり人の交流もあったものの、周囲の村々からコー
ディネーターとの交流にいちゃもんを付けられ村長(代表、というらしい)が村をまとめきれ
ず何かあれば戦争になってもおかしくない状態。
・アスランは個人的にオーブの元首と知り合いだが、その関係も活かせる状態にない。
・CBはほとんど全ての争いごとに首を突っ込んでくるようで、MSの性能もそこそこ高い。

ということらしい。
ちなみにMSについては
・少なくともザフトのMSはザナッファーの改定版のようなものだが、基本的に魔力ではなく
精神力で操る鎧のようなもので攻撃や特殊能力の部分について魔力で制御するらしい。
・CBのMSについてはザフトが開発した魔道士の細胞を埋め込んだオーブ(名前は付いてい
ないのでGN炉=極少ナーガ炉いうことで相手を納得させた)を力の源として使う技術が使わ
れており、そこまではザフトの技術は追いついていない。
・ただしCB以外でも一部のMSについては自然の精霊からパワーを吸収し、ほぼ無限の力を
鎧に供給(NJC=ナチュラルパワー・ジョイン・コントローラーというらしい)できるMS
は開発されている。

107小話:2009/01/13(火) 09:37:13
シン「スレのノリが変わっている・・・・・・。ここは元々、俺を目立たせる為にスレイヤーズ風に種デスをやってみようって
  コトで立ったスレなのに・・・・・・。」
L様「ノリが変わろうとどうしようと、あんたはそういう「運命」の下に産まれているのよ。」
シン「あんたって人はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
逆ギレして殴りかかるシンをボコボコにするL様
その後何やら鉄サビ臭い風が吹いて・・・幕

108タコハチロウ:第一話 Access! あの名を冠する少女:2009/01/13(火) 09:39:33
「さぁ、着いたよ。降りたまえ」
 ギルバートさんに促されて、あたしとシンは、ほぼ同時にオープン馬車(仮)から降りる。
「シン、わたしはナイチンゲール号を厩に、馬車を倉庫に戻してくる。そうだな……ついでにパスも発行してこよう。その間、彼女に外の施設を見せてやってくれたまえ」
「わかりました」
 ナイチンゲール号、ってのは、あの赤茶けた馬の名前なんだろう。そのセンスは果たしていかがなものかとも思うのだが……
 シンもシンだ。わざわざ敬礼するなら『了解』って言えばいいものを……別にいいけど。
 妙に優雅に去っていくギルバートさんを見送って、シンは軽くため息をつくと、
「じゃあ、行こうか、リナ」
 ガリガリとまた後頭部をかきながら、あたしの方を振り返る。そして……
 あ、目が点になった。こいつ、役者としても才能があるんじゃなかろうか?……百面相的な意味で。
「あら、シン。ガールフレンド?」
 後方から知らない女性の声が聞こえたので、思わずあたしも振り返る。
 年の頃なら、あたしやシンとそう変わらないだろう。髪の毛の一部だけが妙なはね方をしている、ワイン色のショート・ヘア。なかなかに愛らしい青色の瞳。シンと似たような赤い軍服の上着だけを着込み、折り目がスタイリッシュなピンクのミニスカートを履いている。
 しかし……黒っぽい色の靴下が、スカートの丈ギリギリまで届く長さなのが妙に気になる。あれを履くのなら、素直にズボンでも履いていればいいものを。胸もあるし、生意気な。
「バカ、そんなんじゃない。ほら、議長に頼まれて連れて来たんだよ」
 本気で迷惑そうな声で、シンは否定する。ま、いいけどね……
「紹介するよ。こいつはリナ。
 リナ、そっちはルナっていうんだ」
 ……え? 今、シンから何か妙な事を聞いたような気がするのだが。
「えと……ゴメンねシン。聞き取れなかったから、もう一回言ってくれる? この子の名前」
 あたしが恐る恐る聞き返すと、シンは盛大なため息をつき、
「だから、ルナだって。ま、これはあだ名で、本名はルナマリア=ホークなんだけど。……って、リナ?」
「ぃぃぃぃいいいいいいやぁぁぁぁぁぁああああああああああっ!」

 あたしは壁をタックルで壊し、鍵穴みたいな形のピラミッドもどきを建設し、その中に閉じ籠った。

109102の続き入れ忘れたので:2009/01/13(火) 09:42:40
白金の髪の少年の案内でアタシはとりあえずザフト村の議長に面会した。
そこで起こったこととは・・・。

内容を順序だてて説明するにはもう少し時間が欲しい・・・。
少なくともアタシの記憶の中にはアタマの上にワカメをのっけた端正といえば端正な中年と面会したが
面会が終わるときにはワカメの位置が微妙にずれていたことしか覚えていなひ・・・。

11000(クロス)ネタ:2009/01/13(火) 09:45:06
「でね、リナさん。貴女には此方の護衛と一緒にオーブ村に向かってほしいの。」
「オーブ村へ、なんでまた? CBとかはほっといていいの?」
「その事で、向こうの自警団と連携が取れればいいだけど、多分無理でしょうね。
だけど此方から出向いて少なくてもザフトは関係って事を分からせないとね。
それで部外者でありながら、CBと関係あるリナさんとコーラサワーさんに行って
もらいたいのよ。」

なるほど、もしオーブ村周辺で暴れても、それはCBのせいでうちじゃありませんって
釘をさしておくわけか。で部外者だけどそれを証明するザフト側の人間も付いてくると。
なんか、話がややこしくなってるような。

「分かったわ、で誰を護衛に連れて行けばいいの?そこのアスランだっけ?それを
連れて行くの?」
「いえ、アスランを向こうに行かせるわけには行かないよ。シンそうねあなたが道案内
してあげなさい、いいわね?」
タリア指令官はシンを見てからそう言い放った。
「なんで俺がこんな得体の知れない人間を連れてオーブなんて行かないと行けないです。」
「シン!命令を聞けないの?」
「いえ、分かりましたシン・アスカ。いまよりリナ・インバース、その他一名を護衛しオーブに向かいます。」
「宜しい、ではリナさん宜しくお願いしますね。上手く行けばCB対策に全力を上げれますからよろしく
頼みましたよ。」

そしてそこで私はあの人物と出会うことになる。

11100ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:46:24
「なんじゃぁぁぁぁぁごらぁ!」
「うっさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
スパココココココ〜ン
あたしは懐から取り出したスリッパでいつもの通りコーラサワーのどたまを引っ叩いた。
「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「あんたら、いつもながらどつき漫才しかできんのか?」

ここはザフト村とオーブ村の間の街道、というか、ただの岩と砂にまみれた準砂漠の一角。
ザフト村とオーブ村の間には森と湖と砂漠が交互に続く1週間ほどに旅程である。そんなところにこの自他共に認める
超絶美少女魔道士のあたしと、根暗MSパイロットやムダにテンションの高い2000回だかスペシャルだかな奴を一
緒に旅させるほうが間違っている!
>>110のあと、議長からの親書を託されたあたし達はオーブ村へ向かっているのだが、護衛という名の道案内、実は単な
るグレた少年のシンがオーブ出身なのに道案内を間違えてくれたおかげで1週間経ってもまだ3日目の旅程しか消化し
ていない。
しかも昼間の砂漠は言うまでもなく結構暑い。
ここであたしがアクア=クリエイトで出した水をシンとコーラが横取りにくるもんだから、そのたびにあたしは懐のス
リッパをフル稼働させる事態となっている。

「とりあえず、そこの砂漠のハズレの岩山越えたらオアシスがありますから、少し休んでいきましょうか。」
20世紀の日本でドライブ中のにーちゃんが助手席のねーちゃんをラブホに連れ込む時のようなセリフを吐きながらシ
ンが彼にしては珍しい配慮であたしたちは岩山の影で一息入れ・・・、ようとしたらそこには!

11200ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:47:43
なぜか天幕を張って焚き火後の脇で胡坐をかいて座っている髪の長い女性がいた。
「あのー、すいません。俺達ここの岩陰で休憩入れたいんですけどここ座ってもいいっすか?」
おひ・・・。あたしに対する態度と思いっきり違ってるぞシン。
「いい女じゃねーか・・・。」
ちょ、コーラ、おま。

「ええ。どうぞどうぞ。丁度酒の相手が欲しかったとこなのよ。座って座って。」
よくみると瞳の大きな落ち着いた雰囲気のおねーちゃ・・・、いや瞳の大きな落ち着いた雰囲気のオバサンとおねーちゃんの間くらいの
年齢の女性だろうか。感じとしてタリアさんに近いものがあるがこういうのがいいなんて、コーラはひょっとして老け専だったのか?
まあそれならばここまでのこの美少女魔道士のあたしに対する所行は許してるにやぶさかではないが・・・。
「あ、あのー、こんなところにアナタの様なきれーなおねいさんもどきが1人で酒飲んでいるのって・・・。」
「きれーなおねーさん?もう、うれしいこと言ってくれるじゃないの。じゃあ正直に言っちゃうけどあたしは流しの戦術予報士で今は
この周辺の地形や天候を調べるのにここに滞在しているの。昼間っから飲んでるのは、まあ、これがあたしの唯一の道楽みたいなもん
だから。」
「おひ・・・。」
「なあに?」
「流しの戦術予報士って、それただ単にお払い箱になった参謀じゃないんですか?それにそこの焚き火の脇にもう1人分の座った痕があ
るのはどうしてなの?」
「ああ、それね。つい2時間ほど前までは酒の相手がいたのよ。あたしよりちょっとだけ年少で異様にテンションの高い露出ある黒い服
装の女の子だったけどね。なんでもソレシタラブーイングとかいうみかん箱が自分の商標権侵害しているんで念入りにヤキ入れて来るな
んて話をしていたけど。」
・・・。
ナーガなのか。
ちょっとアタマ痛くなってきたんで次回に続く。

11300ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:48:23
「で、きれーなおねーさんな流しの戦術予報士さんのことはどうお呼びすればよろしいですか?」
あたしは職場からの帰宅途中、実家前200m地点でヤンキーに輪姦されて、人生やけっぱちになったOLのようなトーンで聞いた。
「あ、自己紹介がまだだったわね。私は九条・・・、いやスメラギと呼んでちょうだい。リナ=インバースさん。」
!!
このねーちゃん、要注意人物か?
「あ、なぜ自分の名前を知っているのか?って疑心暗鬼になっているわね。その格好からおおよその推測はつくわよ。あなたは自分が
思っているよりは遥かに有名人なのよ。」
「それってどんな?言っておきますけどドラ股とか立てば爆薬座れば核兵器発射ボタンとか言うのは無しですよ。」
「う〜ん。そうねぇ。それがダメなら世界平和の敵とか持田真樹並みのツルペタ自称美少女とかガッツ石松に取り付かれた岸和田のカ
オルちゃんとか、え〜っとそれから・・・。」

既に突っ込むことを選択肢から外したあたしは自分の顔がベタ処理された状態で目が光ったのを自覚しつつ、呪文の詠唱に入っていた。

「黄昏よりも暗き者・・・。」

「わ〜っ!リナさんちょっとストップ!ほらコーラさんも止めて!」
シンが止めに入ったため、あたしのドラグスレイブは未発動に終わり、結局シンのアタマにおっきなタンコブができただけで話は終わ
った。
「はあ〜よかった。ところで流石戦術予報士さんですよね。色々なことをご存知で。」
揉み手はヤメロ。揉み手は。
「うふ。そんなにおねーさんを誉めないでよ。ぼうや。」
「・・・ぼうやって、俺のことはどういう風にご存知ですか?」
「アンタ誰?」
「流石薄っぺらい知識は戦術予報士のお家芸だな!って、あんたって人はぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

11400(トリップネタ):2009/01/13(火) 09:52:47
「俺達は…戦い続けていたんだ…。
ガンダムと共に…」

西暦2307年…世界から戦争を根絶する為、世界に存在するMSより先を行く技術で作られたMS『ガンダム』を使い、世界中で起こるあらゆる戦いと戦い続けるソレスタル・ビーイング。
だが、施設武装組織が所有していた4機のガンダムと一隻の輸送艦は、ある日を境に『喪失』する事となる。
それはMSや船が『破壊』された訳でもなく、『隠れた』訳でもなく、文字通り『消滅』したのだ……。

――ユニオン(太陽エネルギーと自由国家連合軍 (Union of Solar Energy and Free Nations))――

「どう思う、カタギリ?」
「おだやかじゃないねぇ……。
元々、彼らは例の粒子で姿を隠せたけど、これはまさしく『消失』してる。
まるでコンピュータのデータがウイルスで消去されたみたいだ」
「…これではまるで神隠しだな」
「それも世界で初めて目撃された神隠しさ。
僕としても興味深い現象だけど、解析にはまだまだ時間が掛かりそうだよ」
「何が起こった?ガンダム」

――人革連(人類革新連盟)――

「新たな武力介入直前の消滅……新手の戦術なのか、それとも…」
「少佐、これは我々の考えが及ばない何がか起きたのでしょうか?」
「……たしかに、22世紀になっても、解明できてないオカルトは数多く残されている。
人革連が存在する以前から、大国、小国問わずにそれらを解明しようとし、
それを利用しようとした歴史もまた存在する。
人類革新連盟はそういった知識や技術が豊富な国家だ」
「(……私が超兵として存在出来たのも、その歴史の恩恵か…)」
「だが、今日まで蓄積してきた先人達の知恵で、今回の事件を解明出来るかどうか…。
蓄えてきた歴史の中には、未解決のまま闇へと消えた事実もまた存在するのだからな」

――AUE(新ヨーロッパ共同体(Advanced European Union))――
「このまま、彼らが二度と現われなくなったとしても、
あのような現象が今度は我々の部隊に起こらないという保証はない。
我々は速やかにこの現象を解明する義務がある」
「大佐!私、パトリック=コーラサワーは、
たとえブラックホールに落とされようとも、大佐の為なら戻って来れる自信があります!」
「馬鹿者!貴様のように運がいい奴は貴様だけだ!!」

世界が目撃した『ソレスタル・ビーイング』の『消失』…。
しかし、世界は必ず相対する現象がある。
消えたモノは、かならずどこかに現われる。
ただ…そこがソレスタル・ビーイング…。
いや、世界中の誰もが知らない世界であった…。
誰も知らない未知の世界…。
それは……。

機動戦士ガンダム00 ―消えたソレスタル・ビーイング―

11500(トリップネタ):2009/01/13(火) 09:53:25
『ぐるぉああああああああっ!』

しかし、それは幻想の一面にしかない。
どこの世界も理不尽な出来事が起きる。
世界が文明発展していく中で、人類がその進化に追いつけなくなった時、
大きな心の歪み。世界の歪みが現れ、混沌と不透明な事件が起こり始める。
この世界はある意味わかりやすい分、まだ世界と人とは同じように歩んでるのかもしれない。
たとえば、今日は大量発生が発生している。
レッサーデーモンという魔族…。
世界と共に滅ぶ為に活動する精神生命体の怪物(モンスター)。
その中で一番下っ端で動物に無理やり憑依する事しか存在できない亜魔族。
それでもドラゴンに匹敵する頑丈な体を持ち、牙や鉤爪の他に強大な魔力で、
炎で構成される矢…『炎の矢(フレア・アロー)』を放てる力がある。
そんなのが大量に出現すれば、誰でも危ないとすぐに理解出来る。
よって、町の住人はねずみすら凌駕する逃げ足っぷりを発揮していた。

ただし、レッサーデーモンが本来、自然に大量発生する種ではないという一般人には不鮮明な点があったが、この二人はその理由を知っていた。

「ちょっといいか、リナ?」
「何?ガウリイ」
「レッサーデーモンの大量発生事件って終わったんじゃなかったのか?」
「大元の事件が終わったわよ」
「じゃあ、なんでこんなところに大量に出て来るんだ?」

脳を極限にまで使わない金髪の戦士の言葉に、栗色の髪を持つ魔道士の解答は簡単だった。

「発生元を断っても、一度発生したデーモンは発生しっぱなしになるからよ」
「おお!なるほど!」

こんな調子で二人は迎え撃つ準備を始める。
すでにこの手の大量発生に対して何度も対応してるので、
まだいたのかという以外の感想はない。
ひたすらに面倒だけど大掃除しなきゃなという感想も持ち合わせてもいたが。

11600(トリップネタ):2009/01/13(火) 09:53:47
「今までよりは多くはないようだし、ちゃっちゃちゃと片付けて町長さんからでも、
がっぼりと謝礼をもらうわよ!
そうしたら、ごーかな宿屋にごーかなごはんも食べられるし!」
「……いや、たぶんお金はもらえても、その後は野宿になるんじゃないのか?」

事実、実際に野宿になったケースがあった。
それでも…。

「宿とか食堂とか壊さなきゃいいのよ!
後、壊されないように守ったりとか!
ひたすらに面倒だけど!」

それでも彼女は絶望などしない。
それでも彼女は前向きだ。
それでも彼女は戦いを始める。

「それもそっか」

だから、彼女の相棒は可能性を否定で消す事はしない。
失敗など、失敗してから後悔すれば良いと知ってるから。
やるからこそ、成功も引き寄せられるのだと知ってるから。
記憶力で覚えてる訳ではない。信頼で覚えてるのだ。
そして、彼女は魔術を唱え始める。
彼は剣を抜いて構え始める。

「いくわよ!ガウリイ!」
「おう!」

そして、この戦いの先に新たな戦いの扉が文字通り開く事となる……。

スレイヤーズ −今日もかわらぬ日常、そして……−

11700(トリップネタ):2009/01/13(火) 09:54:06
−機動戦士スレイヤーズ00−
      神と魔が存在する世界の中心でガンダムを叫んだ天使達

今、剣と魔法の世界にガンダムという名の神が舞い降りる――

11800ネタ:2009/01/13(火) 09:55:03
そしてついにやってきたオーブへ、そして早速軒下からいい匂いが漂っている店に入ろうとするのを
「ちょっと、あんたは何やってるだよ!自警団との話し合いが先じゃないのかよ。」
「はぁ、これから向こうの偉いさんがたと話し合いにいくでしょうが?体調が万全でも無い状態で
納得のいく話し合いが出来ると思う?」
「それは……あんたが飯を食べたいだけじゃないのかよ?」
どうにかしてでも自警団にいかせたいシンの横から、
「甘いわね、昼時に美味しそうな食べ物の匂いが漂っているのにそれを無視して先を行くなんて
愚考としか言いようが無いわね。」
私は聞き覚えがある、その声の主を無視して店に入ろうと足を進めると
「そこ、私の話を無視して店に入ろうとしない!ってなんだリナじゃないの偶然ね、こんな所で会う
なんて。」
これ見よがしに胸を揺らし、此方に指をさす、白蛇のナーガを無視して
「そうねシン、先に自警団で話を終わらせに行きましょうか。」
「えっと、あんたの知り合いを無視していいのか?」
「なら、シンあなたがナーガの相手しておいてくれる?その間に話をつけてくるから。」
「ちょっとリナ、それあんまりじゃない?久々にあったんだからランチぐらい奢ってもばちは当たらない
でしょう?」
私のマントをぎゅっと掴みながらいうナーガ
「それとも、私に言えない儲け話をしに行くつもりね。それならランチは後回しにして上げても
いいわよ。」
「だ〜いいわよもう、シン先に食事にするからねいいわね?」
私の剣幕に引きながら頷くシン。仕方が無いのでナーガと共に店に入ると、
「よぅ、遅かったら2人って3人か。まぁここに席が空いてるぜ。」
「あら〜、この間一緒に飲んでたお姉さんじゃない。一緒に飲みましょうよ。」
この飲んだくれ戦術予報士と一緒に放置して行ったコーラが一緒になって声をかけてきた。
何で先についてるのかが非常に納得がいかないのだが。
「なんであんた達がここで食事しているのよ?」
「あら、そんな事は簡単よ。二人の進行方向は分かっているんだし。どう道順で行くのも
予想出来る。なら私達はそれより早くつくルートを使えば先に着くってことよ。
後はそうねぇ、食事出来る所と行ったらここしか無いのよね。」
「そうそう、それに俺様を置いていこうなんて2000回早いんだよ。」
ただの飲んだくれじゃなかったのか。それよりナーガがここにいる理由を聞こうとナーガを
見るともう、呑んでやがる。
「ちょっとナーガ、どうして貴女がここにいるのよ?」
「愚問ね、それは目的は分かっていても場所が分からないから気が付いたらここにいたって
事かしらね。そんな事も分からないなんてまだまだ未熟ねリナ。」
勝ち誇っていう事かそれは。
そうこう言う間にやってきた海産物がわりかし有名なオーブ料理に舌鼓をうつのであった。

119小話(前後関係あり):2009/01/13(火) 09:56:06
181 :6:2008/10/07(火) 00:37:33 ID:???
>>180
やられた・・・。
ナーガが出てきた上にコーラとスメラギまでくっついて来たとなると・・・。

この3人にリナがドラスレ撃ちまくっているのに、何故か誰も死なずに無限に
向かってくるって言う絵ズラ想像したよ〜(泣)。


182 :通常の名無しさんの3倍:2008/10/08(水) 01:51:51 ID:???
>>181
それ何てバイオハザード擬き…?ザクグフゲルググ


183 :6:2008/10/08(水) 22:10:29 ID:???
シン「>>182見て何となくストーリー湧いてきた〜♪。(カタカタカタカタ・・・)
  リナは泣きながらドラグスレイブを連射したのだが、コーラもナーガもスメラギも
  何事も無かったかのように・・・(スリッパで叩かれ)って、ぶぇしっつ!」
リナ「アンタねぇ!そもそもここのスレ自体が主人公のクセに放送スタート当時は引き
  ニートだった前主人公に全てを奪われて、気絶している間に戦争終わっていたなん
  ていう、ガンダム史上最もネタに彩られた意味無し主人公の補習授業みたいなモン
  なのよ!それを勝手に自分でネタ書いてどうすんの!?」
シン「アンタって人はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

すいません。
>>182のレスで何故か湧いてきました。
>>180の続きはもう少し時間をおいて・・・。

120名無しさんDESTINY:2009/01/13(火) 09:57:53
185 :6:2008/10/09(木) 00:25:55 ID:???
別の角度からネタ投下
このスレのキャラの実写版なら・・・
リナ:10年前の榎本加奈子
コーラ:元日ハム新庄
某戦術予報士:浅田美代子
ナーガ:和田アキ子
レイ:映画デスノートのLの人
ルナ(マリア):真鍋かおり
議長:渡辺謙
痔:爆笑問題のボケの人
遺作:泉谷しげる
刹那:ガチンコ!梅宮
録音:中井貴一
メガネ:ガクト
ネーナ:こりん星人
ガウリイ:GTOの人
ハム:上川隆也
カタギリ:キムタク
大佐:財前直美
ソーマ:リハウスの人
少佐:松山千春
タリア:藤原紀香

あと誰かいたっけ?
とシンを徹底的に空気扱いしとく


186 :1:2008/10/09(木) 21:50:11 ID:???
>>6
とりあえず、泉谷しげる=遺作はミスだな、髪型的な意味でww凸まで空気なのにはワロタwwww
さてと、編集編集…orz


187 :6:2008/10/10(金) 00:31:58 ID:???
>>1
>泉谷しげる=遺作はミス
<う〜ん。他にテンション高そうな人がいなかったんで・・・。
じゃ、遺作含めていくつか訂正。
遺作=適当に浦和サポ
カタギリ=つぶやきシロー
ソーマ=夏帆
某戦術予報士=永作博美
アーサー=伊藤淳司
凸=空気でいいや、凸だし。ってのはだめかな?
じゃ、ズラット=ピット



188 :1:2008/10/10(金) 22:42:09 ID:???
>>6
成る程な。
夏帆から携帯デカを連想したのは、俺だけで十分だw

12100ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:58:34
?その1「だあからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!馬刺しにはニンニクと決まっているだろう!」
?その2「いくら君が元首とはいえ、刺身猪口の醤油にニンニク等この馬刺しに対する冒涜だろう。ここは
   しょうが!これは譲れない!」

隣室の客が騒がしい。
って、元首?
この村の元首カガリ=ユラ=アスハがお忍びでメシ喰いに来てるのか?
そうとなれば話ははやい。
とっとと隣室言って話を通して戻るのみ。
と思いきやシンおまい・・・。
「馬刺し!?馬刺しだとう?さすが食い物に意地汚いのはアスハのお家芸だな!」
血相変えて隣室目指したシンはドアの前固めていた黒服さんにボッコボコにされていた。
「おいおい、どうしたというのだ?」
やや低い若い女の声がして、多少ぼさぼさ頭だが、やや好戦的そうな少女が現れて黒服から事情を聞いて
いる。
「おまえ!シンじゃないか?なぜこんなところに?」
「あの〜。あたしらの連れがご迷惑をおかけして申し訳ありません。で、あなたはシンをご存知で?」
「前の戦争のときに何度か顔を合わしている。しかし、なぜシンがここに?」
あたしは簡単に事情を説明し、ついでにおまけが数名くっついていることも説明した。
「そういうことか。ならば食事をしながら話をしよう。部屋の仕切りを外してくれ。」
カガリの部屋では、側近なんだろう、日本語でいうところの「悪趣味」を固体化させたような派手な上着
を着たガタイのいい男とやはりぼさぼさの髪をしたおとなしそうな少年が食事をしているところだった・
・・。
「う〜ん。そうか。そういうことならどうぞどうぞ。それでもやっぱり馬刺しには生姜。これこそが正統
な馬刺しの薬味だよ。君達もそう思うだろう・・・。なんと可憐な!」
ガタイのいい男は私達を好意的な笑顔で部屋へ招き入れていたが、最後に入ってくるナーガを見るなりと
んでもないセリフを吐きたれた。

ナーガとこのおっちゃんを除く全員が部屋の隅まで吹っ飛んだ。
しかし、護衛の筈の黒服さんまで同じリアクションとは・・・。
いろんな意味で規格外だぞ。オーブって。

12200ネタ(6氏による続き):2009/01/13(火) 09:59:06
なんとか全員が席に戻り、表面上なごやかな、その実、場の雰囲気が料理の味を引き下げもったりとしてコクの無い殺伐とした
食事会が始まった。
「で、そういうことは何か。我々はプラントがCBに絡んでいる可能性を懸念していたがその可能性は排除していいのだな?」
とりあえず国家元首としての威厳を保ちつつカガリ。
本来ならここでシンが逆ギレしてツッコミをいれるところだろうが、そこはさっきの下品な上着を着た男=虎の異名をもつバル
トフェルドさんがナーガに繰り返すも恐ろしい発言をした際に「どこまで恥知らずなんだ。アンタは!」と逆ギレしてカウンタ
ーの左ストレートならぬ左マシンガンを喰らって気絶している。

123タコハチロウ:第一話 Access! あの名を冠する少女:2009/01/13(火) 09:59:59
『いやぁぁぁぁぁっ! 許して姉ちゃぁぁぁぁぁぁんっ!』
「リナ……いないから出て来いって」
 ピラミッド擬きの外から、シンの呆れた声が聞こえる。いない……?
「……本当にいない?」
「いないって。だから、そのカメみたいに首だけ出すの、やめないか? つか、アンタの体の構造、どうなってんだよ」
 そこはそれ、どうか放っておいて欲しいもんである。
「あの、えっと……何かゴメンね、私のせいで」
 さっきの女の子……ルナ=マリア=ホークとかいっただろうか? 彼女が、しゃがんであたしの顔を覗きこんでくる。あたしは慌てて、ピラミッド擬きから全身を出して、
「き、気にしないで、発作みたいなもんだから。心配してくれてありがとね、マリアさん」
「あの……たまに言われるから慣れたけど、一応『ルナマリア』で一つの名前だから」
 …………
 あたしと彼女との間に、ちょっぴし冷たい沈黙が降りた。が、頑張れあたし! この空気をなんとか元に戻すのよっ!
「や、やぁね〜。ちょっとしたジョークよっ」
「嘘をつくな、嘘を」
 あぁ、シンのアホ!折角あたしが、慣れないフォローをしたというのに、またぶり返す!
 もうお手上げか、と思われた、その時。
「ルナ、シン。さっきから何をしている?」
 唐突に聞こえて来たのはギルバートさんの声ではなく。
 先端に癖のついた、肩まである金色の長髪。聰明な青い瞳、これまたシンと――もしくはギルバートさんと同じくらい色白の、病的な少年が姿を現した。
 ちなみに彼が着ているのは――シンと同じ、大半が赤い軍服だった。

予告:まったく、次から次へと人が沸いて出て、数うちゃいいってもんじゃない……って、そりゃ旅のパーティーの事か。で、あんたの名前は?……どーやらあたしは相当疲れているらしい。そんな名前、伝説くらいにしか出て来ないもの!
 次回、スレイヤーズぱろでぃ第二話。Black joke! 気にするな、なんて無理! 見てくんないと、暴れちゃうぞ?

124タコハチロウ:第二話 Black joke! 気にするな、なんて無理!:2009/01/13(火) 10:03:59
 あたしが『また誰か出てきたよ……』といったニュアンスありありの目で見ていたのに気付いてか、その少年はこちらに顔を向け、口を開いた。
「君は……どこから来たんだ? ここは一応、関係者以外は立ち入り禁止なんだが」
「今は一応、関係者でーす。ギルバートさんからの依頼を承った、リナ=インバースでーす(はぁと)」
 …………
 沈黙。
くっそー……この男、あたしの魅力が通じないとは。この、滑った感満載の空気は痛すぎるっ!
「……そうか。
 ところで、リナ=インバースというと……ドラまたで有名な、あのリナ=インバースか?」
ぴぴくぅっ。
こ、こひつわ……スルーしたばかりか、いくらあたしが“それ”を気にしてる事を知らないからといって、ンな事を確認するか……!?
い、いかんいかん。ここで切れたら負けである。完全包囲的な意味で。
冷静に、れーせーに。いくらあたしとて、本物の軍人さん(場合によっては不特定多数)を相手に、不毛なケンカはしたくない。
「……ものすごく不本意ですけど、そー呼ばれる事もありますねー」
「何でぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
それでもやっぱし抑えきれなかった怒りを言葉に乗せた瞬間、シンが急に叫んだ。
「ちょ、何よ!? 人のそばで叫ばないでっ!」
「ご、ごめん。る……なまりあ」
……どーでもいいけど、謝りながらあたしに気を遣うあたり、わかってるんだかそうでないんだか。
「で、どうした」
少年――そう言えばまだ名前を聞いていない――が、シンに尋ねる。
「だって“ドラゴンをも瞬く間に倒す”なんて二つ名、滅多に貰えるようなもんじゃないだろ? それだけ強いって事を、大勢が認めてるんだから。歴史上の偉人ですら、例えでも“ドラゴンを倒せる”なんて言われないし……あ、サインくれよ、サインっ!」
『なんでそーなる』
あたしとルナマリアさん、そして少年が奇遇にもハモった。
しかし、シンは小首を傾げ、
「だって、議長もそう言ってたじゃないか」
あー、そう言えばそうでした……うん。
それはそうとして、そんな綺麗な眼差しを向けられると、真実を告げづらい。むしろ黙っておこうかな、うん。
あたしは別の意味で痛くなったこめかみを気にしつつ、シンが渡してきた手帳(なんだかよくわからない筆記具付き。軍の支給品なんだろうな、これ)に、サインしてから、少年に聞く。
「そう言えばあたし、まだ貴方の名前を聞いてないわ」
「俺か? レイ=マグナスだが」

人間、怒りは限界を超えたら爆発するもんで。
戯言を抜かしたモヤシ兄ちゃんは、あたしの飛び蹴りで吹っ飛んだ。

125タコハチロウ:第二話 Black joke! 気にするな、なんて無理!:2009/01/13(火) 10:05:23
「冗談だ、と言おうとしたのに」
なかなかにお茶目な兄ちゃんは、飛び蹴りがクリティカルヒットした鳩尾あたりを軽く押さえ、割とへーぜんそうに言った。おそらく本人はぶうたれたつもりなんだろうが、いかんせん真顔なのでちょっぴし怖い。
平気そうなのは多分、生真面目な軍人さんよろしく(いや、軍人なんだけど)、服の下にアーマーを着込んでいたりするからだろう。
「真顔でンな冗談こくからいけないのよ。で、本名は?」
「レイは本当だ。レイ=ザ=バレル」
あたしに問い質され、やはり真顔で言う彼。まぁ、流石に今度は冗談ではなかろう。
 ……もしそうだったら暴れる所だが。
「紛らわしいから、バレル君ね。はい、決定」
「そんな理不尽な…」
シンの突っ込みを、ここはあえてスルー。あたしは、話題を無理矢理変えた。
「それはそうとして……ギルバートさん、遅いわね……」
「呼んだかね?」
『うわぁぁぁっ!?』
び、ビックリした……急に人の後ろから、声をかけないで欲しいもんである。バレル君は位置関係から見ていたらしく、敬礼している。後でスリッパだな、こりゃ。
「そう驚かなくてもいいじゃないか。後、レイ。そう長々と敬礼しないで、楽にしたまえ」
……シャレのつもりだろうか。しかし、なんとなく突っ込めない。突っ込んだら負けのような気がする。
あたしがうんざりして、ため息をついたのとほぼ同時に、シンが口を開く。
「議長、遅かったですけど、何かあったんすか?」
「いや、書類がかさばってしまってね。整理していただけの事だよ。
 さて、リナ君。依頼の件、詳しくは中で話すが……君に、とある計画書を、ある人物から奪い返してもらいたいのだよ。そこのシン、ルナマリア、レイと組んでやってもらいたい」
やっぱりというか、なんというか、巡る因果は糸車である……
――ん? 何か今、また妙な事を言われたような。
短い沈黙の後、あたしはおそるおそる、その言葉をおうむ返しした。
「この三人と……組む?」
「ああ。いいチームだとは思わないかね?」

ギルバートさんのその言葉に、スリッパをかまさず石化したあたしを、どうかみなさん褒めて欲しいもんである……

予告:意外と早く(それでも二時間ほどかかったが)気を取り直したあたしは、とりあえず軍施設内の食堂での作戦会議を提案した。特にまずい話題でもないのか、あたしの提案はすんなり通る。
しかし、ギルバートさんから、とんでもない事を聞かされるはめに! あげく、敵さんらしき人物とつるんでアレがやってくるし、もーどうにでもなれっ!
次回、スレイヤーズぱろでぃ第三話。Crying! 誰かも胃腸も鳴くコロニー。見てくんないと、暴れちゃうぞ?

126タコハチロウ:2009/01/13(火) 10:10:01
と、ここで私のつたない挿絵擬きを。
第二話の一幕で、シンたちにはあらいずみ風にアレンジしたザフト服を着てもらいました。
ttp://plus.imepita.jp/diary/acuzo/1436215e207e6f76d7b018c2c2be0ab696a9a0
見づらかったので各アップを。
一番ら…ゲフンゲフン、うまくいったリナ。
ttp://plus.imepita.jp/diary/acuzo/143664d26e8e62a378103d9bd089750f357b83
サイン貰って上機嫌のシン。
ttp://plus.imepita.jp/diary/acuzo/143665ad76f4b65f2335dd51ad1158aee6dbce
呆れるルナマリア。アホ毛にこだわってみたwww
ttp://plus.imepita.jp/diary/acuzo/143666994cbec17f30ab9372e9c3d46bd8360f
ガウリイにも見える、バレル君ことレイ。
ttp://plus.imepita.jp/diary/acuzo/143667d797b799adcbb1cc2bf347a7cc8792a0

127ゆり♪:2009/10/23(金) 17:23:15
潮吹きはコツさえ掴めば簡単♪
↓    ↓    ↓
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ユリはコツ掴みました。

128名無しさんDESTINY:2011/03/04(金) 17:28:05
3Dカメラで撮ったおっぱいエロすぎw
すれ違いおっぱい@ともも
http://oppai.upper.jp


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