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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

8過去の傷・71:2004/03/06(土) 23:26
マリュ−はフレイに微笑んだ。
「お久しぶりね」
「はい、会いたかったです」
「でもその前に聞いておきたいことがあるのよね・・・ほらなぜ転属したはずの貴女がザフトの脱出ポッドに乗っていたのか。
フレイは息を吸うと全てを話し始めた。
クル−ゼに捕らえられザフトに入れられたこと、ザフトでの生活のことなど、そしてクル−ゼにあるディスクを託されアズラエルに渡した・・・そしてそれが戦争の引き金になったことなど、全て話した。
「そう・・・そんなことがあったの・・・辛かったわね」
「はい、でもこれは罰だったのかもしれません」
「罰?」
「はい・・・私キラに酷いことしたから・・・いろんなことしたから、キラを戦争の道具として利用して・・・それがキラに対しての復讐だと決めて・・・そんな女なんです私は・・・だから罰だったんです・・・転属することが決まった時点で・・・私怖かった・・・それからはずっと一人で・・・ほんとにいつ死ぬかなって・・・私キラに謝りたかった、謝らなきゃって・・・ごめんなさいって・・・ずっと苦しくて、怖くて・・・闇に閉じこもってました・・・」
「そう、でも良かったわね戻れて、キラ君に会えて・・・怖かったでしょうね、ほんとに・・・」
フレイが涙声になる・・・そして泣き出した。
「は・・・はい・・・うう・・・私・・・怖かった・・・ずっと・・・うう・・・マリュ−さん!」
元上司の胸に泣きながら飛び込んだ、そしてマリュ−は微笑むと赤い髪の少女を優しく抱きしめた。
「辛かったわね、怖かったわね、一人でよく頑張ってきたわね・・・偉いわ貴女は」
「うう・・・そんな私・・・暖かい、バジリ−ル中尉も暖かく抱きしめてくれました」
「ナタルが?・・・そう・・・ねえフレイさん・・・顔を上げて皆を見てみて、ほら皆の場所に、キラ君の場所に戻れたじゃない」
顔を上げるフレイ、皆を見渡す・・・キラが・・・サイが・・・皆が優しい目でフレイを見ている、その光景にフレイは、泣き顔で嬉しそうに微笑んだ、そして・・・。
「皆・・・ただいま」

通路を歩いているキラとマリュ−。
「そうですか、来たばかりなのにもう帰還するんですか、残念です」
「ごめんなさいね、でもまた来るわ・・・それよりフレイさんは・・・」
「フレイは・・・彼女は・・・僕が全て悪いんです・・・フレイのお父さんを守れなかった僕が・・・彼女はいろんな運命に翻弄された・・・」
「ええ・・・もしかすると彼女がだれよりも一番の戦争の被害者かもしれないわね・・・」
「はい、僕もそう思います・・・これからは僕が彼女の側にずっといてあげます、ずっと見守ってます、もうフレイを一人にはさせません」
「ええ・・・お願い・・・キラ君」
「はい」
マリュ−去りながら言った。
「私は・・・あんな幼い少女の運命を狂わせた・・・彼女に心の傷を負わせた戦争というのを私は絶対に許さないわ」
「・・・・・・」(フラガ少佐のことで傷ついてるだろうにあの人は・・・やっぱり立派な人だ)

ドアの前に来たキラは、フレイの様子を見ようとしてつい嬉しそうに微笑んだ、フレイはカガリとミリアリアの間だ楽しそうにくすくすと笑っていた、それはキラが一番好きなフレイの表情だった、そう・・・ヘリオポリスのキャンパスで見たあの無邪気に笑っていたあのフレイだった、本当のフレイ・アルスタ−という一人の本当に楽しそうな表情だった。


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