[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜
49
:
流離う翼たち・429
:2004/03/11(木) 19:38
戦いが終わった食堂に足を踏み入れたナタルは、予想通りの惨状にやれやれと呆れた声を漏らした。もはやその心境は悟りの境地か、はたまた最初から諦めていたのか。
「まったく、後片付けはその日のうちにやっておかないか。あいつら、これでは将来に貰ってくれる当てが無いぞ」
仕方なく軍服の袖を捲り上げ、食堂に残されていたエプロンを付けて積み上げられている食器や鍋を洗いだす。その手際は中々に大したもので、あれだけ荒れ放題だった調理場が少しずつ、だが確実に綺麗になっていく。
何やら楽しげに手を動かしていたナタルだったが、ふいに調理場の入り口からかけられた声にその手を止めた。
「バジルール中尉?」
「ん?」
誰かと思って入り口に目をやれば、些か憔悴した感じのキラが立っていた。
「キラ・ヤマト少尉か。もう身体は良いのか?」
「はい。流石にまだちょっと体の調子がおかしいですけど、少しお腹がすいてしまって。何か無いかなと見に来たんですけど、この様子じゃ無理そうですね」
動けるだけ大したものだろう。他の5人はまだへばっている。オルガもパワーに戻る事が出来ず、医務室のベッドで唸っているくらいだ。ちなみに1名は現在重態である。
少し考えたナタルは、部屋に戻ろうと踵を返したキラを呼び止めた。
「待て、ヤマト少尉」
「はい、何ですか?」
「もう少し待てるなら、適当に腰掛けていると良い。余っている食材で何か作ってやろう」
「え?」
キラは驚愕してナタルを見た。まさか、この副長に料理が出来るというのか? 女性は家事が出来る、という妄想を今日の出来事で粉微塵に打ち砕かれてしまったキラは、詐欺商売に騙さて高額屑商品を買ってしまった馬鹿な男そのものの目でナタルを見た。
「あ、あの、本当に大丈夫ですか?」
「なにがだ?」
「いや、中尉が料理って・・・・・・」
キラが恐れている何かを察したナタルは、まあ仕方が無いなと思った。かつて自分もあの地獄を味わった事があるのだから。
「心配するな。上手くは無いが、それなりには出来る」
「ど、どれくらいです?」
「そうだな、艦長よりは上手いかな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
キラの顔を滝のような汗が流れ出した。マリューよりは上手いというか、あれより下手な料理など想像も出来ない。いや、それはもう戦略兵器だろう。存在そのものが神の摂理に逆らうことに違いない。
だが、キラは知らなかった。この世にはマリューさえも上回るマッドクッキング技能の持ち主、ラクスがいるのだ。あれを食べたアスランは文字通り生死の境を彷徨った。
しかし、ここまで破滅的な料理技能の持ち主が周りにいる辺り、キラもアスランも神様に嫌われているに違いない。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板