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@@@プリキュアオールスターズ小説を綴るスレ・5@@@

151ふたりは名無しさん:2013/12/24(火) 06:54:13 ID:VDXHwtM.0
   「薫と満・夜はやさしく1」

「メリークリスマス!」「かんぱーい」
かちゃかちゃとグラスのぶつかる音がして、明るい声と共に暖かい空気があたりを包む。
ここは咲の部屋で、ささやかなクリスマスのパーティーが始まったところだ。
正確にはクラスみんなとのちゃんとしたパーティーはこの後で、今は咲と舞、満と薫と四人で一足早く
パーティーの予行練習(?)だ。と言うか本当は咲の店のセールを手伝った後、みんなが来るまで
一服しているだけなのだが。それでも、どうしてもグラスを持つと「メリークリスマス!」になってしまう。
ちなみに一緒に手伝っていたみのりは自分のクラスメイトの会に出かけた。(早めに帰ってくると言っていたが・・・)
四人が一杯目のジュースを空けない内に咲の母、沙織が部屋にやってきた。
「お邪魔するわよ」「なに?」
沙織はにこやかに笑うと「みんなお疲れ様。プレゼントがあるの」そう言った。「舞ちゃん達にだけね」
咲はえっ!と思ったが、
「うそ。咲のもちゃんとあるから」沙織は苦笑してそう言った。咲はほっとした。
「はい。みんなお揃いなのよ」

それは沙織の手作りのエプロンで舞の物には白い鳥の刺繍、満には赤い猫、薫には青い猫の刺繍がそれぞれ
描かれていた。「わあー」舞が声を上げる。
「舞ちゃんも薫さんも部活の時に必要かなと思って」「ありがとうございます」「でも汚すの悪いみたい・・・」
舞と薫が口々に言う。
「いいから。たくさん絵を描いてね」沙織は笑う。「ね、ねえ。お母さん・・・」咲は微妙な顔を沙織に向ける。
「何?」「どうしてあたしの刺繍は・・・た、たぬきなの・・・?」あら、と沙織は意外そうな顔をして言った。
「可愛いでしょ?」「ま、まあ」「咲に良く似合うと思うわよ?」「そう。わーい、やったー。ハ・ハ・ハ・・・」
(咲・・・)感情の篭らない目で笑う咲の心中を察して舞はちょっと泣きそうになった。

「あの、私にまでありがとうございます・・・」
満もお礼を言った時、沙織は一層やさしい顔をして言った。「本当はね、満ちゃんにエプロンを作ってあげたい
ってね、ずっと思ってたのよ」「え?」
満は驚いたが「満ちゃん」と呼ばれてくすぐったい喜びを感じていた。
「いつもお手伝い良くしてくれて嬉しいのよ、わたし」「そんな、私こそいつも工房お借りして」
「良いのよ、今度そのエプロンしてまたお店手伝って欲しいなー」「はい!もちろん」
照れ臭そうな満が可愛くて沙織はまた微笑む。

「じゃあ、お邪魔したわね」「あの!」出て行く沙織を満は呼び止める。「ん?」
「あ、ありがとうございます。・・・沙織さん」「やだ。おばさんで良いのよ?満ちゃん」
そうだよと咲も言った。
「いえ、そんなの失礼だから・・・」小さい声で満は言う。何も言わず沙織は優しく満の頭をさらさらと撫でた。

「咲のお母さんて素敵ね」「そうかな?」沙織が出て行った後、舞はそう言った。
(おかあさん・・・)私もそう言いたかったな。どうしてか満はそう思った。薫はそんな満を静かに見つめる。
そして愛しそうにエプロンを胸に抱く満に「嬉しいね満。こんな風にまでして貰えて」
そう言って薫は微笑んだ。「うん!」目を輝かせて満も薫に笑い返す。
そんなやりとりを見ていた舞は何故か胸がいっぱいになった。咲もそう思った様で、
「なんか良いね!今の薫。お姉さんみたいだよ!」「え?」
「そんな風に見えたの。薫がお姉さんで満が妹で」なんとなく分る・・・。舞もそう思った。
「ねえ満と薫って二人っきりの時はどんななの?」咲はそう聞いた。


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