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【感想や雑談等の】プリキュアディケイド【世界か】ネガのスレ

171241:2011/06/12(日) 00:53:01 ID:WXaFaWU.0
「『奇跡』なんてね、そこらじゅうに転がってるわ」
りんごをまた一口齧ると士子は話し始めた。
「…お返しに私の話をしてあげよっか?
 私はね、目が覚めたら何も覚えていなかった」
「記憶喪失ってやつか?」
「まぁね」
そう言って肩をすくめる士子。
「目を覚ました私にあったのは、この『プリキュア』という力だけだったわ。
 私は…不安でしょうがなかった。
 記憶は過去、過去は自分が生きた『世界』の確かな証…分からないと思うけど、それが無いって言うのは依るべきものがないということ。
 その心細さは表現できないわね…」
黙ってりんごを齧りながら先を促す杏子。
「私は言われるまま、私の記憶と私の『世界』を探し求めて仲間と一緒に、プリキュアたちに関わり続ける旅に出た。
 でもね…取り戻した過去は、笑えないほど最悪だったわ…」
フッと昔を思い出して士子が笑う。
「私はね、プリキュアに敵対するものが、プリキュアを倒すための計画の部品…人に似せて作られた、人でないものだったわ…」
「人でないもの?」
「人工的に作られたプリキュアを倒すためのもの…言うなれば人造人間ね。
 あんたたち魔法少女は『元』人間かもしれないけど、私は土台っから人外だったってわけよ。
 …こんな話、信じられない?」
「まさか。 あたしらみたいなのがいるんだ、もうどんな話が来たって驚かないよ。
 信じるさ」
そう言って大仰に肩をすくめる杏子に、士子はクスリと笑い話を続けた。
「私は…過去も世界も私にはないと知った時絶望して、全てがどうでも良くなったわ。
 でもね…そんな私に『奇跡』が起こったのよ。
 今まで出会い、絆を結んだ多くのプリキュアたちが言ってくれたのよ。
 『私の世界は確かにある。 私たちと繋がった心と絆、それがその証拠だ』ってね。
 私にとって、その言葉は心の隙間を埋めてくれた、大切な仲間からの『奇跡』よ。
 そして…私は今、こうしてここにいる…」
「まさにマンガの愛と勇気の勝つストーリーだな」
「でしょ。 でもね、それが私には起こった。
 なら…他で起こらない道理はないわ」
「ああ」
茶目っけをきかせ、ウインクしながらそう言う士子に杏子は苦笑した。


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