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のんたぬ創作スレ

9のんたぬはひとつの光:2017/05/03(水) 00:30:38 ID:3biVWr26
済んでのところで、死体を捨てにごみ捨て場に向かった。
ゴミ捨て場のコンクリートの壁には「生物ゴミ」と書かれた札が張られており、その下にはのんたぬ一家の死体が山を作っていた。
原型を留めていればマシな方で、四肢が切断されていたり、首から上がなくなっていたり、胴体をミンチにされていたり、全身穴だらけにされていたり、左右対称に真っ二つにされていたりと、これでもかと言わんばかりの駆除されっぷりであった。
図に乗った結果、人を苛つかせ、その仕返しにメタメタにされる…結局のんたぬとは、こういう生き物なのである。

(本当にどうしようもないなぁ)
独り言をつぶやきながら、肉塊の詰まったビニール袋を山の上に放り投げた。
さて、これでもうしばらくはこいつらの相手をすることもないだろうと思い、振り向いて帰ろうとした時だった。

「ほぅ・・・」
道路を挟んで向かい側の電信柱の影に、のんたぬが一匹いた。
まばたきせず、足はガタガタと震わせながらも、ずっとこちらをじっと見ていた。
きっと、何も知らずにのこのこと人のいるところに出てきたら、おともしゃあ(笑)たちの惨状を見て動けなくなったとかそんな感じだろう。
これも何かの縁だ、最後にこのたぬきさんと遊んでやろう。

「やあのんたぬさん。そんなところで震えてどうしたのかな...?」
そのたぬきさんに近づき、上から見下すようにして話しかけた。
「や・・・や・・・や・・・・・・」
案の定、まともな返答はなかった。
無理もない、自分の仲間たちがおぞましいほどに虐殺されているのだ。
いくら頭のんたぬとはいえ、こんなものを見て普通でいられるハズはない。

「君は、ああなりたくないだろう?」
「や…や・・・やん・・・…」
小さく、小刻みにうなずいた。
「なら、もうこんなところに住もうとは考えず、素直に人に迷惑のかからない所にいくんだ。そうしたら、君だけは見逃してあげるよ」
「や・・・やん・・・・・・」
まあ、1人に見逃されたところでいずれ駆除される運命なんだが・・・と思いつつも、そののんたぬはおおきくうなずき、案外にも素直にこちらの忠告を聞き入れた。
ふむ。たまにはそこそこ理解のあるヤツもいるんだなと感心したその直後だった。

「ぅやん・・・ぅやーん♪♪」
気持ち悪い鳴き声と共に、のんたぬの後ろからハイハイする汚物が顔をのぞかせた。
「お・・・おちびしゃあ?!」
「ぅやーん!!ぅや・・・!!ゃんゃん!!!」
この状況がどんなものなのかを全く理解していないそのノロマは、呑気にも足元まで這いつくばってやってきた。
親は子供がついてきていた事に気が付いていなかった様子で、相当に慌てていた。
「だめ・・・!だめやん!!どうしてついてきたやん!!!おちびしゃあはのんちゃあはうすにかえるやん!でてきちゃあかんやん!!」
ついさっきまではおとなしくしていた親狸が、少し大きな声をあげた。
しかし、そんな親の忠告はもちろんつゆ知らずである。
頭空っぽのウスノロは、のそっと立ち上がり、イラつく糸目でこちらを見上げてきた。




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