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のんたぬ創作スレ

46のんたぬはひとつの光:2017/05/05(金) 23:29:48 ID:RWa5BRSQ

やっぱりおうどうさんが好き
公園を歩いているとか細い声が聞こえてきた。動物か何かがいるのか?と思い好奇心でその声の方へ近づいて行った。

そこには段ボール箱が置いてあり、そこから小さな狸のような生き物がこちらをみていた。

「や〜ん、えいち〜えいち〜」

えいち?仲間だろうか。ずっとその名前を呼び続け、「や〜ん」とかいう鳴き声を発し続けている。

「おうどんさ〜ん、おうどんさ〜ん…」

うどん?お腹が空いているのだろうか、しかし手元にはうどんなんて持ってはいない。悲しそうな目でこっちを見ている。

「あっ、そういえば」

と鞄の中におにぎりがあったことを思い出したので、それをこの生き物に差し出した。

その生き物はまじまじとおにぎりを見て、おにぎりを一口頬張った。すると

「やんっ!!」と言っておにぎりをこちらに投げつけてきた。

「うわっ、なんだこの狸!人がせっかく食べ物を恵んでやったのに!」

「おうどんさんやないっ!おうどんさんか焼肉さんがいい!」

なんて奴だ。せっかくあげたおにぎりを無下に扱い、さらには自分が気に入ったものを持ってこいという横暴っぷり。

「ちょっと待っててね」

とイラつきを抑え私は一旦その場から去り、コンビニへと向かい大量のおにぎりを購入しその狸の元へ戻った。

「ほら〜おうどんさんだよ〜」と言ってこの糞狸の気をひく。すると

「おうどんさんっ!はやく、はやく!やん、やん!」とアホみたいに喜ぶ糞狸。

「食べさせてあげるから目を閉じて口を大きく開けてね」

「やん・・・?わかったやん、はやくおうどんさんっ!」

大きく口を開けておうどんさんを待つ糞狸。馬鹿面ぶら下げやがって。私はすでに開封しておいたおにぎりをまず3つ用意した。

「それじゃあ、いくよー。‥‥‥おらっ!!!!!」

「や゙ん゙ん゙っっ!?ふが、んぐゔゔゔゔゔゔ!!!!!ゔがあ゙あ゙あ゙あ゙…」

「食べ物を無駄にした罰だよ。ほらよく噛んで食べな!!!」

そして次々へとおにぎりをコイツの口へと運び入れる。

「んぐうう‥や゛あ゛あ゙‥あ゙あ゙‥あ゛あ゙ん‥‥え゙‥い゙…ぢいい…」

おにぎりを入れることに夢中になっていると、糞狸の鳴き声が聞こえなくなったことに気づく。

見てみると泡をふかせてすでに死んでしまっているようだ。私は震えていた。

「うわあああああああああ!!!!!」

大声で叫び、その場から走り去ってしまった。とんでもないことをしてしまったと。

それからあの狸を見ることはなかった。あの日から一つ変わったことがある。それは僕の大好物がたぬきうどんになったことだ。




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