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愛「へー……3人の名前に因んでるのかぁ」

1名無しさん@転載は禁止:2021/06/16(水) 03:10:35 ID:6SrrO8Rc
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1572862705/

↑これの改造版

基本りなあいだけどモブが喋りまくる
設定もスクスタの遥か前に勝手に組み上げたのほぼそのまま

65名無しさん@転載は禁止:2021/06/16(水) 14:29:52 ID:wprXlVds

───残念ながら恵まれた方ではありませんでした


愛 「そーいや璃奈ってさ、中等部から虹ヶ咲に居たんだよね」

璃奈「……内部進学」

愛 「だよね! 知り合いにも1人いるよ内進生。中等部の制服カワイイよねー」

璃奈「そう?」

愛 「丁度いま中等部の制服あるから、ちょっと着てみて……」ガサゴソ

璃奈「ヴェルデ先輩たすけて!!!」ダッ

愛 「ちょ、冗談だって……てか久々に聞いたわ璃奈の大声」

……………………

……………………

愛 「ところで、中等部で部活は何やってたん璃奈。……ちなみにアタシは中学時代バスケ部♪」

愛 「僭越ながら青春というものに興じておりまして候」ドヤ

璃奈「あ、あっそう……」ヒキ…

愛 「璃奈は? 何部で青春?」

璃奈「別に青春じゃないけど……ユーチュー部ってとこ」

愛 「……」

愛 「何て?」

璃奈「ユーチュー部」

愛 「……」

愛 「You……Tube……?」

66名無しさん@転載は禁止:2021/06/16(水) 14:30:24 ID:wprXlVds

璃奈「YouTubeは知ってるでしょ流石に」

愛 「それはまあ……」

愛 「字面的に動画作って投稿する感じの?」

璃奈「そう。部活全体でユーチューバーするの」

愛 「へー!」

愛 「そんなんあるんだ!」

璃奈「うん」

璃奈「私の代は映画のレビュー動画とかを投稿してたよ」

愛 「え、なにそれ見たい。それ超見たいんだけど」

愛 「璃奈のレビューもあったんでしょ?」

璃奈「あ、あったけど……卒部したから削除してるよ?」

愛 「…………」

愛 「えー」

璃奈「ろ、露骨に残念そうな顔しないでよ……」

璃奈「それに、残ってたとしても見せないからね」

璃奈「顔は出してないけど恥ずかしいもん」

愛 「なんだよー……見たかったのに」シューン…

璃奈(…………)

璃奈(本当は幽霊部員で、一度も撮ったこと無いんだけどね)

67名無しさん@転載は禁止:2021/06/16(水) 14:30:52 ID:wprXlVds

───おや? 愛先輩の様子が……


-山手線 品川・東京方面行き車内-

───間もなく 新宿 新宿 お出口は……

愛  (が、ガチで眠い……瞼が言うこと聞かない)ウツラウツラ

愛  (周りがおじさんの背中だらけで良い感じに寄り掛かれちゃうし、しかも揺れが揺籠的に……)ガタンガタン

愛  (こ、このままじゃ愛さん立ったまま寝落ちしてしまう……ぐぬぬ)

愛  (この状況じゃスマホ出したら迷惑だし、何か気を紛らわせるもの無いか……)

男子C「子どもっていや知ってるか? 1年生の女子でさぁ」

男子D「1年生女子? あーもしかして情報科の……」

男子C「あ、やっぱ知ってるか」

愛  (ぬ? ……情報科? もしかして虹ヶ咲の男子かな)

男子C「スゲーよなマジで。トラックに轢かれそうになってるトコなんてさぁ……」

男子D「俺ン友達でそこ見た奴居てさ。ガチで漫画のワンシーンみたいだったってよ」

男子D「でも脚が血だらけになってたみたいだけど……」

男子C「血? うわ……女子でそれはキッツいな」

男子C「でも虹学の誇りだわな。人命助けた訳だし、後で表彰とかされるんじゃね」

男子D「な、本当にな。寧ろされて然るべきだと思うけど」

愛  「──────」

愛  「──────」

気を抜けば1秒後には意識を失うかもしれない程キツい睡魔だった

でも、意識を向けられる場所が出来た途端、それは呆気なく吹き飛んだ

68名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:19:36 ID:9EV17tXc

───翌日


-虹ヶ咲学園 第一教務室-

愛 「はい失礼しまーす」ガラリラ

愛 「数学の小泉先生いらっしゃいますかー?」

先生「いるよー。どうした宮下、珍しいな」

愛 「あ、センセー。おっはよーん」ガサリ

先生「ん、おはよう」

先生「……で、何だ。その袋」

愛 「うん、ちょっと折り入って頼みがあるんだけどさぁ」

先生「お、おう……」

愛 「数学準備室の冷蔵庫、昼休みまでで良いから使わせてくーださい」

先生「冷蔵庫ォ? 何でまた急に」

愛 「んふふ、ちょっとねー」

69名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:20:18 ID:9EV17tXc

───国交科はレポート課題あり(日本人生徒は全文英語で)


果林「そういえば、そろそろ1年生は修学旅行の時期よね」

璃奈「うん……」

愛 「2年もねー」ヒョコ

果林「いいわねえ2人とも……今年は何処にしたの、旅先」

璃奈「遥が誘ってきて、ホノルルになった」

愛 「遥が?」

璃奈「うん、かすみとしずくも一緒。あと……何か生徒会の人が居た」

愛 「へえ……アタシは去年ロンドンだったから、今年は香港にしたよ」

愛 「美味しい物たーくさん食べるんだー」

果林「あら、偶然ね」

璃奈「何が?」

果林「私1年の時に香港で、2年はホノルルだったのよ」

璃奈「ああ……」

愛 「へーぇ! どっちも経験者だったんだ」

璃奈「銃声とか聞こえたりした? ホノルル」

果林「それはファイブオーの中だけよ……」

果林「でも、美味しいトンカツ屋さんはあったわ」

璃奈「え……ハワイまで行ってトンカツ?」

70名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:20:56 ID:9EV17tXc

果林「まあ、どっちも良い所よ。期待して損は無いかな」

愛 「おぉー今から楽しみだぜ」

愛 「……ぬふっ、それはそーと璃奈ァ(ねっとり)」

璃奈「(ゾワッ)ちょっと御手洗いに……」

愛 「このパターン前もやったぞー?」ガシッ

璃奈「ふぎっ」

果林(あ、まーたいつものが始まったわ)

愛 「いつの間にか遥とも仲良くなってんじゃーん? 学科も違うのにぃ」

璃奈「だ、だからなに。良いでしょ、わたしが誰と仲良くたって」

愛 「そーなんだけどさあ」

愛 「こうね? 璃奈に友達が出来ていくのは、まあ嬉しいんだけどね? まあ、なんつか……」

璃奈「…………」

愛 「何か寂しいぢゃん♥」クネクネ

璃奈「気持ち悪い」ズバッ

愛 「ぐうぅッ!?」

果林(無様ね)

71名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:26:11 ID:9EV17tXc

愛 「そ、それでさ、璃奈的には───」

果林「どうせ自分と遥ちゃんどっちが好き、とか言うんでしょ?」

愛 「……ねえ、アタシそんな分かりやすい?」

果林「少しは自分の言動を顧みなさい」

愛 「果林先輩にそれを言われるとは」

果林「何ですって」

璃奈「…………」ジトッ

愛 「あっ」

璃奈「…………」

愛 「…………」

愛 「どっちが好き?」シレッ

璃奈「遥」

愛 「ほげっ」ガーン

果林「見えてる地雷に突き進むのね……」

愛 「さ、寂しくなったら香港まで電話してイイヨー」グイグイ

璃奈「大きな御世話です」グググ…

72名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:26:42 ID:9EV17tXc

───同好会の健康優良児3人組


-月曜日-

しずく「あ、愛先輩! おはようございます」

愛  「ん? あ、おっはとぅーす」

しずく「はい! こんな所で会うのは珍しいですね」

しずく「……あれ、でも今日は朝練ありませんよね? 先輩も、この時間に登校するんですか?」

愛  「いや、いつもは今より遅いよ……それがさ」

愛  「昨日、都心全域で濃い霧が発生したでしょ?」

しずく「? ですね」

愛  「それの湿気で関節とか内臓が潤ったから、目覚めも動きもスムーズでさ」

愛  「もうギュインギュインって感じ」

しずく「───」

しずく「あ、そうなんですね」ニコッ

愛  「遠慮せずツッコんで良いんだよ」ニヤリ

しずく「そういうノリは誰にでも通じる訳じゃないんです」ニコッッッ

愛  「こわいっス……」

愛  (クソッ! アタシの後輩こんなんばっかだぜ!)

愛  (いや原因ほぼアタシだけども! だけどもだけど!)

73名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:27:05 ID:9EV17tXc

愛  「そういうシズは、いつもこの時間に来てるん?」

しずく「はい! わたし朝の4時半くらいには起きてますので……」

愛  「え……」

しずく「住んでる所が都心から距離あって……余裕を持って登校したいので、毎日その時間に」

愛  「───」

愛  「ねえシズって……いつも何時に寝てらっしゃるん」

しずく「え? ええと……基本、21時半過ぎるくらいには布団に入っちゃいますね」

愛  「おお」

しずく「それくらいが一番良い眠り方出来るので」

愛  「ひょええ、今時レアリティ高いこと。規則正しさの見本みたい」

しずく「……」ムッ

愛  「?」

しずく「御心配なさらずっ! 自分が古臭い事くらい分かってますよーだ! へっ」😠

愛  「え、な、何でお怒りなさるの……良い事じゃんそれは」

愛  「アタシなんか、いつも11時くらいだもん、寝るの」

しずく「先輩は逆に不健康過ぎます!」

愛  「へっ」😏

74名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:27:46 ID:9EV17tXc

菜々 「…………」

璃奈 「…………」

愛  「ところで、何でそこの2人そんな微妙な空気してんの?」

しずく「?」

璃奈 「いや……別に」

菜々 「誰か早くツッコんでくれないかなと……」

愛  「???」

しずく「???」

菜々 「天王寺さん見ました? マジなのですか2人は……」

璃奈 「……もうメンドい。わたしから行く」

璃奈 「あのね、2人とも」

愛  「おう?」

璃奈 「今どき高校生にもなって、12時までに布団入ってる方が珍しいよ」

菜々 「その通りです」

愛  「…………」

しずく「…………」

愛  「ええええええええ……? まぁーたまたー(笑)」

しずく「信じられない……璃奈さんが、そんな御冗談を……」

璃奈 「ねえ交代しようよ菜々先輩。無駄に腹立つんだけどこれ」

菜々 「も、もうちょっと頑張ってください……」

75名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:28:06 ID:9EV17tXc

愛  「え、なに? マジの本気で言ってんの?」

璃奈 「大マジだよ」

璃奈 「知らないけど、昭和の女子高生でも2人よりは遅く寝てたと思う」

愛  「うそお」

しずく「え、じゃ、じゃあ……一体2人は何時に……」

菜々 「普通は明けて半、特に遅い時だと2時近くに」

璃奈 「いつも1時過ぎ、遅くて2時くらい」

愛  「…………」←頭押さえてる

しずく「冗談ですよね……?」

愛  「いや……まあ、それが本当だとしてね? うん」

愛  「2人とも、そんなに遅くまで何してんの一体」

璃奈 「それは言えない」

菜々 「右に同じです」

愛  「何なんだようっ!」

しずく「私たちをからかって楽しいんですか!」

璃奈 「大真面目なんだけど……」

菜々 (世間的に見れば我々の方が不健康なのは間違い無いんですけどね、まあ)

76名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:28:31 ID:9EV17tXc

……………………

……………………

愛  「歩夢と部長に訊いてみたけど……2人とも12時過ぎだった……」

しずく「彼方先輩に訊いたら1時頃って返ってきた……ショックです……」

菜々 「かすみさんも1時頃ですって!」ドヤッ

璃奈 「果林先輩は早めだけど12時くらいには寝るって言ってる」

璃奈 「ほらね、これで証明された」

璃奈 「高校生にもなって、そんな規則正しい生活してる人は天然記念物なんだよ」

菜々 「そうですそうです!」

愛  「そうかなあ……」

しずく「納得いきません……うぅ」

菜々 「ね! エマ先輩もそう思いますよね!!」

エマ 「?」←8時半就寝

77名無しさん@転載は禁止:2021/06/17(木) 01:28:57 ID:9EV17tXc
今更だけどMate推奨

78名無しさん@転載は禁止:2021/06/18(金) 07:39:26 ID:OI.vAxxA
スレタイどゆこと?

79名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:21:02 ID:2KBBvsEU
>>78
最後の方に持ってくるつもりのネタに関することとだけ

80名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:21:17 ID:2KBBvsEU

───後日、栗原はるみのレシピ本あげた


愛 「あ」

璃奈「どしたの」

愛 「いやね? アタシ、料理出来るんだよ」

璃奈「……はあ」

璃奈(また何か始まったよ)

愛 「そんでさ、歩夢も菜々も一通り作れはする訳ね、料理」

璃奈「…………」

愛 「見たトコ、シズもかすみも出来そうだし───」

愛 「果林先輩もエマっちも出来る……意外や意外、カナ先輩は料理上手」

愛 「そんで部長も、何ならカナ先輩級に上手いっぽい」

璃奈「……御手洗い行ってくるね」スタスタ

愛 「さっき行ってたっしょー?」ガッシ

璃奈「は、離して痴漢! 良いじゃん別に! 1週間ピザ出前してたって!!」バタバタ

愛 「はっ?」

璃奈「はっ?」

愛 「ちょっと待てコラ思いもしない新情報来たんだけど?!」

璃奈「はっ!」

81名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:21:50 ID:2KBBvsEU

愛 「え、なに? 璃奈ん家、御両親が殆ど帰らないのは知ってたけど……」

璃奈「…………」

愛 「まさかガチで毎日ピザーラお届けな訳?」🍕💨

璃奈「ピザハットだし……だって料理なんてワケ分かんないんだもん」🍕🎩

愛 「マージか」

愛 「こないだのアレ(>>22)で何となくそーじゃないかって思ってたけど……」

璃奈「料理なんて出来なくたっていいもん……」

愛 「ふむ……」

愛 「よし、わかった」←矢部警部補のポーズ

璃奈「あ、結構です」

愛 「アタシ教えに行くから璃奈ん家の住所……ちょっと」

愛 「ねえ前から皆に言おうと思ってたんだけど、アタシのセリフ先回りするのやめよ?」

璃奈「やだよ(低音)。愛先輩にプライベート知られるなんて」ジト

愛 「そ、そんなストーカーに向けたみたいな声を……」

愛 「んーじゃあ璃奈がウチに……」

璃奈「わざわざ渋谷を通り越して巣鴨まで来いって?」

愛 「ぐぬぬ」

82訂正:2021/06/22(火) 04:23:49 ID:2KBBvsEU

愛 「え、なに? 璃奈ん家、御両親が殆ど帰らないのは知ってたけど……」

璃奈「…………」

愛 「まさかガチで毎日ピザーラお届けな訳?」🍕💨

璃奈「ピザハットだし……だって料理なんてワケ分かんないんだもん」🍕🎩

愛 「マージか」

愛 「こないだのアレ(>>49)で何となくそーじゃないかって思ってたけど……」

璃奈「料理なんて出来なくたっていいもん……」

愛 「ふむ……」

愛 「よし、わかった」←矢部警部補のポーズ

璃奈「あ、結構です」

愛 「アタシ教えに行くから璃奈ん家の住所……ちょっと」

愛 「ねえ前から皆に言おうと思ってたんだけど、アタシのセリフ先回りするのやめよ?」

璃奈「やだよ(低音)。愛先輩にプライベート知られるなんて」ジト

愛 「そ、そんなストーカーに向けたみたいな声を……」

愛 「んーじゃあ璃奈がウチに……」

璃奈「わざわざ渋谷を通り越して巣鴨まで来いって?」

愛 「ぐぬぬ」

83名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:26:53 ID:2KBBvsEU

───わたしは知ってる


男子A「うちの女子って、マジでレベル高いの多いよなぁ」

男子B「まあな。それに性格も良い人ばっかりだし……」

男子A「そこはまあ、あの人格適性検査の結果だからな」

男子A「俺達も一応、そこパスしてきた人間だぜ?」

男子B「はは、まあそうなんだけど」

男子A「俺が知ってるのだと……2年の宮下先輩なんか最高だな」

男子B「あー俺も知ってる。あんな外見でスッゲぇ優しくて、友達も多いらしいな」

璃奈 「…………」

男子A「良いよなーギャップあるってのは。まず人として憧れるわー」

男子B「人から聞いた話だけど、何か女子人気もエグいらしい。あの人」

男子A「あー解るかも、それ。男から見てもカッコいいもんな、シッカリしてるし」

男子A「俺も、もーちょいイケメンに生まれてたらなぁ……あんな人と飯食いに行きてぇわ」

男子B「な。でも宮下先輩も良いけど、俺は3年の───」

璃奈 「…………」

84名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:27:21 ID:2KBBvsEU

……………………

……………………

璃奈「こんにちはー」ガラリラ

璃奈「……って」

愛 「ゲッホゴホ、うおぇ……」🌈

璃奈「ちょ、何してんの先輩」

菜々「あ、天王寺さん」

璃奈「菜々先輩……なにこれ。何があったの」

菜々「わ、分かんないんです。ジュース飲んだと思ったら急に……」

璃奈「……」チラリ

コーラの缶「どーも」

璃奈「それってまさか……」

愛 「ちょっと前……メントス食べ、たの……忘れてた」

愛 「げほっ、えぼふっ」オエー

璃奈「やっぱり……愛先輩のオバカ」

菜々「え、え、どういう事ですか?」

璃奈「これはメントスガイザーって言ってね……」

愛 「説明は、いい、から……みず」ゲホッ

……………………

……………………

85名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:30:20 ID:2KBBvsEU

璃奈 「…………」ピクッ

璃奈 「…………」

男子A「?……な、なあオイ」

男子B「どした?」

男子A「何か……天王寺さん笑ってないか?」

男子B「は? 天王寺さんが?」

男子B「…………」チラッ

璃奈 「…………」

男子B「そうか? 別にいつも通り無表情だけど」

男子A「あれー……? 確かに笑ってたと思ったんだけどな」

男子B「気のせいだろ、きっと。あんま触れてやるなよ、気にしてるみたいなんだから」

男子A「わ、分かってるよ。んー……でもなぁ」

男子B「まあ良いじゃん。それより、朝香先輩と近江先輩が昨日さ……」

86名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:32:00 ID:2KBBvsEU

───初期の彼女はウィスパーボイス


-スクールアイドル同好会 部室-

愛 「こーんちはー! 歩夢もう来て……」

愛 「る……」

璃奈「?」

果林「あら、愛じゃない」

果林「あっそうそう、グッドニュースよ。ついさっき、部長君が1年生の子をスカウトしてきたの」

果林「こちら、情報科の璃奈ちゃん。割と入部に乗り気な感じよ」

璃奈「えと……こんにちは」ポソポソ

璃奈「1年の……てんのうじ、です」ポソポソ

果林「見て、可愛いわよね。まだ正式に入るかは分からないけど───」

愛 「…………」

愛 「…………」カタカタ

果林「……愛? どうかした?」

璃奈「?」オドオド

愛 「…………」カタカタカタカタ



愛 「 こ れ ア タ シ の ー ー ー ッ ! ! 」

 ガ バ ァ ッ !



璃奈「─────────」

果林「ちょ」

87名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:33:00 ID:2KBBvsEU
.



───キャアアアアアアアアアアアアアアアアアァ?!?!



.

88名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:34:28 ID:2KBBvsEU
愛 「ごめん、マジごめんて」ヒリヒリ…

璃奈「…………」←果林の背後に隠れてる

果林「あなた……どういうつもりよ。まして初対面の子に」

愛 「あんまり可愛くて……その、美味しそうだったもんで……」

璃奈「!?」ササッ

果林「愛!」

愛 「いや、ホントホント! 美味しそうは流石に冗談だけど、マジ反射的なの……」

愛 「こうね? 守ってあげたいなーと! そう背筋にビビッときてさ! 気付いたら身体が勝手に……ね?」

果林「ね、じゃないわよ。……アンタとは1年やってきたけど、付き合い方を改めるべきかしら」

愛 「ちょ! 悪気は無いんだって! ゴメンね? えーと、てんのうじ? さん?」

璃奈「……」[果林] _・`)チラッ

璃奈「てんのうじ……りな、です……」

愛 「リナね、おっけ。アタシ宮下愛、さっきは脅かして本当に……」

璃奈「へんなこと……しない?」ポソポソ

愛 (かっわ)

果林「愛!!」グアッ

愛 「まだアクションすら取ってないんだけど!?」

89名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:36:18 ID:2KBBvsEU

愛 「うーん……よし、もう決めた! 即決で決めた!」

果林「……一応、訊いておくわ。なにを?」ゴゴゴ

愛 「ごめん副部長、ちょっと声と顔と身長が怖いんだけど」

果林「身長は関係無いわよ。暫く私からアンタへの信頼は地の底だから、そのつもりで」

愛 「厳し過ぎる……」

愛 「と、とりあえず、決めたってのはね……璃奈のこと」

璃奈「ふぇ」ビクッ

愛 「そ、そんな怖がんないで……単に、アタシが璃奈の1番のファンになるって事だから」

璃奈「へ?」

愛 「璃奈の良さに最初に気付いたって事と、あと1番に熱心なファンって2つの意味でね」

愛 「そういう事だから! それに部員同士って意味でも、これからヨロシクね!」

璃奈「…………」

璃奈「よろしく……おねがいします」ポソポソ

愛 「おう!」

果林「……まあ、良しとするわ」

果林「でも言っとくけど、最初に璃奈ちゃんの良さに気付いたのは部長君よ」

愛 「……」ガクッ

果林「ちなみに2番目は部長君と一緒だった歩夢。私が3番目」

果林「あなた4番目よ」

愛 「う、うっせーやい! 話の腰を折るなし!」

璃奈(へんなひと……)

90名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:36:53 ID:2KBBvsEU

───そんなの憶えてなかったんだもん(璃奈談)


-豊島区巣鴨 和菓子屋美舟庵-

愛 「こんちはー! いつもの豆大福と月餅……を」

遥 「いらっしゃいま───」

遥 「…………」

愛 「…………」

愛 「んん、遥?」

遥 「え……あれ、愛先輩だ」

愛 「ん、んー? ここ美舟庵で合ってる? よね?」

遥 「ですけど……愛先輩もしかして、御実家は巣鴨に?」

愛 「う、うん。てか、何で遥がココに」

栞子「近江さん? お客さん来たの?」ガタ

栞子「って、ああ、愛さんですか。いらっしゃい」

愛 「栞子ちゃん……」

遥 「え、え? お2人お知り合い?」

愛 「え?」

栞子「え?」

遥 「え?」

愛 「…………」

愛 「……うん」

愛 「状況整理、開始!」✋

……………………

……………………

91名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:41:22 ID:2KBBvsEU

愛 「栞子ちゃんがウチの内部進学生で生徒会にいるのは知ってたけど……」

愛 「まさか遥まで生徒会に居たなんて知らなかったわー。彼方先輩ってば何も言わないんだもん」

栞子「ね、こんな所で繋がってるなんて思わなかった」

愛 「遥は今日どうして?」

遥 「あー、恥ずかしい話なんですけど、私ちょっと成績に不安があって」

栞子「“ちょっと”?」

遥 「あはは……それで、今日は昼前から明日の朝まで、ここで三船さんと勉強する事に」

愛 「明日の朝!? え、徹夜すんの!?」

栞子「徹夜は近江さんが言い出したの。私は反対したんだけど、聞かなくて」

愛 「大丈夫なんそれ……やる気あるのは良いけど、身体に悪くない?」

遥 「大丈夫ですよ! 徹夜は流石に今回だけのつもりです!」

遥 「それに、友達の家に来て勉強するのって何か楽しいですもん。きっと寝ようとしても眠れませんから」

栞子「……そう浮かれ気分じゃ勉強しても頭に入らないでしょ」

遥 「そ、そんな事ないよお。明日には一気に優等生だよ、わたし!」

愛 「まあ、本気でやるなら、後で少し昼寝でもしといた方が良いかもね」

92名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:42:53 ID:2KBBvsEU

愛 「で、いまは何してんの? 遥が店番してたけど」

栞子「いまは、お昼御飯が食べ終わったから少し休憩中」

遥 「三船さんのおじいさんが店の奥に居るんですけど、何か忙しいみたいで……」

遥 「折角だから、勉強見てくれる御礼で私が店番しよっかなーって!」

栞子「ほとんど立ってるだけだから私はいいって言ったんだけど」

愛 「へー感心だね」

愛 (何か理由つけて休憩にしたかったんだろうなあ)

栞子「愛さんは? 部活の帰り?」

愛 「今日は休み。実は一昨日、長野の親戚から桃が送られてきてさ」

栞子「桃?」

愛 「そーそー。で渋谷に住んでる別の親戚と、あと知り合いの所にお裾分けして……そんで帰ってきたとこ」

愛 「おばーちゃんも朝から人使いが荒いよね」

遥 「え、朝から渋谷に行って今まで……? 長くないですか?」

愛 「ちょっと、いろいろ手間取ってさ。思ってたより掛かっちゃった」

遥 「……?」

93名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:11:00 ID:EeysCLwI
栞子「まあいいじゃない。豆大福と月餅だよね、ちょっと待ってて♪」

栞子「ええと、何個ずつ?」

愛 「あー……いつもと同じ分と、あと月餅の方は余分に2個ちょうだい。あと供え物用の落雁も貰える?」

栞子「はーい(高音)。……近江さん、その棚にある“落雁”って書かれた箱1つ取って(低音)」

遥 「あ、うん……」ゴトゴト

遥 「らくがん……コレだよね。はい」

栞子「ありがと(低音)。じゃあ愛さん御会計しちゃうね(高音)?」

愛 「はいよー」

……………………

……………………

栞子「はいっ! 50円お釣りね(高音)」

愛 「はい、ありがとー」

遥 「……うーん」ジロジロ

栞子「……近江さん、さっきからどうしたの? ジロジロ見て」

遥 「え、あ、ごめん……」

遥 「いや気のせいかもしれないけど何か……三船さん声が」

栞子「は?」

遥 「その……話す時ね、私と愛先輩とで声の感じが違うなあ、って思って」

愛 「あ、それアタシも思ったわ」

遥 「ですよね!」

栞子「…………」

栞子「何の事か全然……」

遥 「Oh, 無自覚!」

愛 「ははは」

栞子「?」

94名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:11:34 ID:EeysCLwI

愛 「アタシと話す時と、遥と話す時とで、栞子ちゃんの声の高さが微妙に違うって話だよね」

遥 「そうです! そうなんですよ!」

遥 「愛先輩と話す時、三船さん何か優しそうな話し方だよ! わたしと話す時つっけんどんな感じなのに!」

遥 「何でなの三船さん!」

栞子「……」

栞子「ああ……そういう。やっと分かった」

栞子「別に、近江さんを軽んじてるつもりはないの。単に付き合いの長さの差が表れただけでしょ」

遥 「えー! なにそれぇ!?」

栞子「うるさいんだけど……」

愛 (何か、普段の果林先輩とカナ先輩のノリに似てる気がするなぁ)

愛 (……何だろ、この違和感)

遥 「ぬぎぎ……何か悔しいぞ。わたし三船さんの一番の友達のつもりだったのに」

愛 「あっはは、まあ栞子ちゃんと遥も、暫く付き合ってれば自然と柔らかい感じになれるよ」

遥 「で、ですよね! きっと三船さん、わたしにも柔らかくなってくれますよね!」

栞子「そのためにも早く成績で私を安心させて。虹学の生徒会が、その辺り厳しいの知ってるでしょ」

遥 「くぅーん……」🐶

愛 「大丈夫だって。栞子ちゃん案外、人見知りが長いタイプだからね。時間が解決してくれるよ」

栞子「人見知りなんかしてない!」

95名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:12:46 ID:EeysCLwI

愛 「で、そもそも2人が知り合ったのって?」

遥 「三船さんと初めて会ったのは入会面接の時ですね」

愛 「あ、そっか。うちの生徒会、面接に通らないと入れないんだっけ」

栞子「はい。でも本当、何であの体たらくで2人とも受かったのか不思議で不思議で……」

愛 「え、どゆこと?」

遥 「入会希望者同士でグループディスカッションもするんですけど、その時にちょっと」

栞子「近江さん、最初から最後までトンチンカンな事ばっかり言ってて、私ずっとフォローに回る羽目になって」

遥 「だ、だってー……わたしサンドイッチの話だとばかり……」

愛 「サンドイッチ????」

栞子「それは“BLT”でしょ!! “LGBT”も知らなくて、よく虹学に受かったわね本当!」

愛 「……遥ぁ、もしかして入学試験から燃え尽きてない?」

遥 「そ、そんな事ないですぅー!」

栞子「それだけじゃない! 活動始めてからも、あなたパソコンすら碌に使えなくて、結局は私が教える事になって!」

遥 「す、スマホで事足りてたんだもーん!」

愛 「大丈夫かよ遥ぁ? これはカナ先輩に報告案件かな」

遥 「やめてくださーい!」

96名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:13:49 ID:EeysCLwI

愛 「はは、何か2人の新しい一面がザクザク出てくるなぁ」

愛 「でもアタシ的には、遥ちゃんが採用された理由も分からなくないけどね」

栞子「何でですか……」

愛 「組織には必要なんだよ。そういう、ムードメーカーっていうか……空気を堅くなり過ぎないように出来る人が」

遥 「そ、そうだよ三船さん! わたし生徒会に欠かせない要素なんだからね!」

栞子「そのムードメーカーさんは、エクセルのショートカット一覧そろそろ覚えられた?」

遥 「ぱ、パソコンの話はヒキョーだぞ!」

愛 「あははっ! まあ何にせよ、あの栞子ちゃんにも良い友達が出来て嬉しいよ愛さん……」

栞子「“あの”って……」

愛 「よっしゃ、そんなの見せられたら、これをあげない訳にいかない!」ガサッ

愛 「頑張る2人に翼を授ける!」🐥

遥 「へ?」

97名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:14:53 ID:EeysCLwI

遥 「な、何ですかこの袋」

愛 「差し入れ! 本当は自分用に買った物だけど、特別に2人にあげちゃうぜ!」

栞子「あー……」

遥 「え!? い、いいですよぉ! 先輩にそんな……」

栞子「近江さん、気にしないで。ありがたく貰っておきましょ」

遥 「ほえ?」

栞子「愛さん、昔からそう。……何かあると、すぐ食べ物とか渡してくる癖があるの。親戚のおじさんみたいでしょ」

遥 「へ、へえ……」

愛 「ひでぇ言われようだな。まあそーゆーことだから、遠慮せず受け取りなはれ」

愛 「はいどーぞ! エナドリと、少ないけどお菓子が入ってるよ! 駅前のセブンで帰りに買ってきたんだ!」

遥 「じゃ、じゃあ甘えさせてもらって」

愛 「おう! あ、見てみ? 偶然だけど栞子ちゃんの大好きなやつ入ってるよ!」

栞子「えっ�� なになに?」ガサガサ

遥 (いまの三船さん、生徒会の皆に見せてみたい……)

愛 「あ、レッドブル3本入ってるから1本返してね。2人で1本ずつ飲んで」

栞子「うん」ガサガサ

栞子「それで他には……」

栞子「え」

遥 「何なの? 三船さんの好きなの、って」

遥 「え」

98名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:20:44 ID:4lkEG.iQ
遥 「こ、これは……」

栞子「あ……あ」


https://i.imgur.com/hUk3WRd.jpg


遥 (〇ン〇ン〇ンの……ペロペロチョコ……)

愛 「どやっ」

栞子「な……なぁ……」アワアワ

愛 「いやあ、たまたまコンビニで見掛けて、つい懐かしくなっちゃってさあ」

愛 「栞子ちゃん、前それあげたら凄い喜んでたし、好きだよね!」

栞子「……は、はい」ヒキツリ

栞子(それ年長の頃の話ィイイイ!!)

愛 「うん! 何本かあるから、良ければ遥も食べてねー」

遥 「は、はーい……」←苦笑い

遥 (どう反応すれば模範解答なのこれ)

愛 「あっと、そろそろ時間かな……」

愛 「じゃ、また学園でね。ティ・アーモ♪」

……………………

……………………

99名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:21:23 ID:4lkEG.iQ

遥 「ありがとうございましたー」

遥 「えーっと」チラッ

栞子「……」

遥 「その、何て言えば良いか……愛先輩ってスゴい人だよね、いろんな意味で」

栞子「……うん」💀

遥 「…………」

遥 「にしても……三船さん、これ好きだったんだ。意外かも」

栞子「い、いいでしょ! それ5歳の頃の話だもん!!」カァァ

遥 「悪いなんて言ってないよお。三船さんの新しい一面じゃん、良いと思うよ」

栞子「もおおおぉ恥ずかしいぃぃ! 何であんな、おばあちゃんみたいな事するのっ! 愛さんのバカ!」

遥 「三船さん可愛いよー」

栞子「可愛くないっ!」

遥 「あははっ、可愛い可愛い」

栞子「ああいう唐突に変なことするの昔から変わらないんだからっ! ほんと勘弁してほしいんだけどっ!」

遥 (ふふ……そう言ってても、何か嬉しそうなのは気のせいかな)

遥 (にしても三船さん、学校でもそんな感じでいればいいのに。きっと今の比じゃないくらいモテ始めるよ)

遥 「あ、美味しい……」ペロペロ

栞子「もうっ!」

100名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:22:11 ID:4lkEG.iQ

愛 (ふっふーん♪ 今日は気分良いぜ)

愛 (にしても意外な組み合わせがあるもんだ。彼方先輩、遥の事ちょっと心配してたけど上手くやれてるじゃん。良かった良かった)

愛 (いやあ、それにしても璃奈ん家はデカかったなー)

愛 (近所の人に訊いて回って、見つけるの随分掛かったけど……へへっ! 璃奈、喜んでくれてるかな)

愛 (さーて、帰ってゲームしよ。昨日は少佐が死んじゃってヘコんだけど……今日こそ全クリアするぞー!)

愛 (……)

愛 (分かった、さっきの違和感の正体。デジャブだ)

果林先輩とカナ先輩

栞子ちゃんと遥

歩夢とアタシ───

愛 (似てるんだわ。この3組の関係性)





.

101名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:24:06 ID:4lkEG.iQ

プルルルルルル……ガチャ

部長「はい制作部……あ、天王寺さん? 珍しいじゃん、この番号に」

部長「え? ……うん、どした?」

部長「……は? 帰ってきたら玄関に……変な袋?」

部長「ちょ、ちょっと待って」ガタッ…ゴソゴソ…

部長「はい、いいよ。うん……宛名は無し……“1番のファン”とだけ(……ええ、ヤバ)……うん」メモメモ

部長「宅配便の伝票も無く、ドアの前に……筆跡は男か女か分かり辛い……うん」メモメモ

部長「見るからに怪しいな……ちなみにだけど、同好会で天王寺さんの住所を知ってるのは……」

部長「あ、今んとこ誰にも教えた憶え無い……? そう、か」

部長「……」

部長(自宅が特定されてる……? 考え過ぎて悪い事は無い、よな)

部長「とりあえず、一応これから部員に確認するから。絶対に触らないで、そこに放置ね」

部長「うん、大丈夫。怖いと思うけど、危ない目には遭わせないから安心して」

部長「じゃあ、暫く家の中で動かないでね。もし何かあったら躊躇わず通報して。また後で掛ける」

ガチャン……





───このあと愛先輩は、事情を知った歩夢先輩から絞られた

102名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:28:01 ID:4lkEG.iQ
また今度ね

103名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:17:18 ID:r.At8cz6

───当作に百合はありません


歩夢「愛ちゃんが本気で怒ったこと?」

歩夢「あー……そういえば無いなあ全然」

歩夢「まあ、わたしが憶えてる限り、1度だけあるにはあるんだけどね」

菜々「え、たった1度だけですか?」

歩夢「うん、性格通りというか、怒ったり人と喧嘩したりするの苦手みたいで」

菜々「性格通り……?」

歩夢「普段ああだけど、繊細な所もあるんだよ」

菜々「……こないだ、教室に出たカナブン素手で外に放り投げてましたよ?」

歩夢「“たまには”繊細な所もあるんだよ」😅

菜々「愛さんって中学時代からああいう……その、豪快というか、空気読めないというか、みたいな感じだったんですか?」

歩夢「そうだね。わたしも中学より前の愛ちゃんは知らないけど、まあノリで生きてるのはその時からそうだったよ」

歩夢「……あーでもまあ、前の方が、ある種の落ち着きはあった方だと思うけどなあ」

菜々「そうなんですか? こ、高校に上がって悪化してると」

歩夢「思春期補正(?)じゃないかな」

.

104名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:19:21 ID:r.At8cz6

歩夢「昔と変わったのは、愛ちゃんより寧ろわたしの方なんだよね」

菜々「歩夢さんが?」

菜々「あれ、そういえばなんですけど、歩夢さんって中学の頃は何部に入ってたんですか?」

歩夢「わたし? あー……わたしはね」

菜々「部長さんは確かダンス部で……愛さんはバスケ部でしたっけ? 歩夢さんだけ聞いてなかったですね」

歩夢「……わたしね。それが……書類上は料理部にいたんだけど」

菜々「おお料理部! 良いですね、イメージぴったりですよ。お似合いじゃないですか」

歩夢「ありがと。でも、ぶっちゃけ殆ど幽霊部員みたいなものでさ」

菜々「えっ? ゆ、ゆーれい……何ですか?」👀❓

歩夢「籍だけ置いてて、普段は活動に来ない人の事をそう言うの」

菜々「そ、それって要するに……」

菜々「うん。驚くかもしれないけど、わたし3年間で部活動に参加した事なんて、片手の指で数えられるくらいしか無いんだ」

菜々「───ええっ!? まさかの歩夢さん不良路線ですか!?」

歩夢「ち、違う違う。まあ先生達からしたら不良に見られてたかもしれないけど……」

菜々「いや驚きました。どうしてそんな……」

歩夢「実は、ね、わたし……簡単に言うなら対人恐怖症みたいな感じで」

菜々「は?」

歩夢「昔は本当に人と話せなかったんだ。家族とか昔から知ってる人以外だと、同性とも」

菜々「えええ!? 嘘ですよ!」

.

105名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:19:54 ID:r.At8cz6

.


先生「じゃあ、次の段落を始めから“兵十がひとりごとをいいました”の所まで……」

先生「あー、上原」

歩夢(片目隠れ)「!!」ビクッ

先生「どうだ、読んでみるか?」

歩夢「あ、え、そ……えと」

部長「歩夢、無理そう?」ヒソヒソ

歩夢「! う、……が、ん、ばる……って、みる」ヒソヒソ

歩夢「大丈夫です……よみ、ます」ガタリ

先生「! そうか!」

  ざわ… ざわ…

    ざわ… ざわ…

先生「静かに! じゃあ上原、落ち着いて読んでくれ」

先生「もし駄目そうなら、無理する事はないからな」

歩夢「はい……」


.

106名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:20:42 ID:r.At8cz6

.


女子「上原さ───」

歩夢(片目隠れ)「ッアい!? あ、」ビクビクッ

女子「……大丈夫?」

歩夢「あ、ふぇ……は、い」

女子「…………」

女子「えーと、ね。今度、インフルの予防接種あるじゃん? その問診票なんだけど」

女子「上原さん、まだ提出してないでしょ?」

歩夢「あえ」

歩夢「あっ、……あ、うあああ!?」ガタッ

女子「待った落ち着いて別に怒ってるワケじゃないから」

歩夢「ごっ、ご、ごめ、なさ」オロオロオロオロ

女子「大丈夫だから! あーも……新しい用紙もあるから! 明後日までに書けば大丈夫なの!」

歩夢「あ、あえあ……ちが、あわあ……ご、ごめんなさい違うんですごめんなさい───」

女子「あーもー……ごめん五十嵐ちょっと来て!」


.

107名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:22:20 ID:r.At8cz6

菜々「いや誰ですか今の」👆😓

歩夢「わたしわたし」👈😁

歩夢「ちなみに確か小4くらいの頃ね。教科書の時は、最後まで噛まずに読めて、拍手起こったよ」

菜々「そっ、え、嘘でしょ!? そんな高レベルな対人恐怖症ですか!?」

歩夢「ふっふ、ビックリするでしょ」

菜々「何でちょっと誇らしそうなんですか……」

歩夢「幸い、理解ある人も沢山いたから、嫌な事されたりはなかったけど、本当に仲の良い友達は殆ど出来なかったなぁ」

歩夢「流石に中学上がる頃には大分マシになったんだけどね。それでも先輩後輩の関係は荷が重くて……」

菜々「な、なるほど……で、良いんですかね? まあ中学の上下関係がキツいのは分かりますが」

歩夢「だから、出来れば帰宅部になりたかったんだけど、校則で部活は何かしら入らないといけないから───」

歩夢「うん、とりあえずで入部届を書いただけっていうか……えへへ」

菜々「可愛く言ってますけど何か不良の気配を感じますよ!」

歩夢「違うもんわたし不良じゃないもん……成績は良い方だったもん」

菜々「えええー、でも意外ですね。歩夢さんの新しいキャラ発掘しちゃいました」

歩夢「黒歴史ですー」

菜々「あ、そうだ。歩夢さんが良いなら、今度の生放送でカミングアウトするのどうです? ファン増えるんじゃないですかね!」

歩夢「あざと過ぎてウケないよ、きっと……」

菜々「そうですか?」

歩夢「そうだよ……」

.

108名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:23:10 ID:r.At8cz6

歩夢「で、中学に上がって、最初の頃の璃奈ちゃんくらいまで改善したんだけど」

菜々「それ大幅改善じゃないですか」

歩夢「成長だよ成長。ココロもカラダも健やかに」😏

歩夢「愛ちゃんと仲良くなったのは丁度その頃だったね」

菜々「ここで愛さんですか……」

歩夢「うん」

歩夢「わたし達の通ってた私立中学なんだけどね、評判は都内でも良い方なんだけど……わたし達が入った年は、そういう、ちょっと嫌な人達のグループが一緒に入ってきてて」

菜々「…………」

歩夢「その人達、よりによってわたし達のクラスにいてね……」

歩夢「“わたしは幸い大丈夫だったんだけど”、そういう気弱な人とかを脅したり意地悪したりしてたの」

菜々「! ……虐め、ですか」

歩夢「うん、簡単に言えばね。菜々ちゃんごめん、これあんまり人に言わないでくれると嬉しいかも」

菜々「い、言いませんよ絶対! 約束です!」

歩夢「ふふ、ありがとっ。……だからね、入学してから暫く空気の悪い時間が続いたんだ」

歩夢「そんな時に、同じクラスにいた愛ちゃんが……ふふ、あの時の愛ちゃん、本当にカッコ良かったなぁ」

菜々「本気で怒った、と」

歩夢「そういう事」

.

109名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:24:05 ID:r.At8cz6
歩夢「愛ちゃん、その虐めの主犯の人達とも仲良い方だったんだけど……」

歩夢「だからこそね、自分と交流ある人達が、そういうヒドい事をしてるのが、悲しくて、許せなかったんだと思う」

菜々「……それで、どうなったんです? クラスは」

歩夢「もう最悪。それまでクラスの中心に近かったのに、今度は愛ちゃんが仲間外れみたいになるし、クラス内の会話も激減するし」

菜々「学級崩壊って感じですか……」

歩夢「そこまでじゃなかったけど、まあ崩壊始まりくらいには」

歩夢「それでも愛ちゃんのおかげで、クラスの実態とかが先生達にも知れ渡って、とりあえず虐め自体は治まったけど……」

歩夢「その1年間は、もう最高に空気悪かったよね。先生も、わたし達を腫れ物みたいに扱ってた」

菜々「そう、ですか……それで、お2人はそこから、どうやって愛さんと?」

歩夢「ふふん……実はね、孤立し掛けてた愛ちゃんに、わたしの方から話し掛けたんだ」

菜々「!?」

菜々「えっ、あ、歩夢さんの方から!?」

歩夢「正確には、わたしが言い出して、それに賛成してくれた彼と一緒に、だけどね」

菜々「いや、いやいや! それでも凄いんじゃないですか!? 大成長ですよ歩夢さん!」

歩夢「えへ、彼にも驚かれちゃった。話し掛けてみようよって言ったら、目まん丸にしてたなぁ」

菜々「いやあ、それはそうなりますよ……だって小学生の頃と比べたら……」

歩夢「まーね」ドヤッ

.

110名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:25:13 ID:r.At8cz6

歩夢「仲間外れにされてから、ちょっとだけ愛ちゃんも腐り掛けてる感じだったんだけど、わたし達と話し始めてから暫くしたら、またいつもの調子を取り戻せてたみたいだった」

菜々「歩夢さんのおかげ、という事ですね」

歩夢「そんなそんな」😳

歩夢「わたし最初、愛ちゃんを見てね、本当にビックリしたんだ。いまの世の中に、こんな人前で堂々と物を言える子が居たんだなって」

歩夢「わたしみたいに会話にも苦労する人がいる中で、あんな立派な事が出来る人もいる。それが……何か悔しい気がして」

菜々「そこで尻込みしない所、歩夢さんの良い所だと思いますよ」

歩夢「あはは……そう考えてたら、何となくわたしも、愛ちゃんみたいな人に近付いてみたいなって自然と思えたの」

菜々「良い話ですね……」

歩夢「まあ実際に付き合ってみたら、知っての通り大概オバカだったんだけどね」

菜々「ま、まあまあ、この際それは置いておきましょう」😅

菜々「愛さん、確かに変な部分もありますけど……そういう熱い所は変わってないんですね」

歩夢「……うん。あの時の愛ちゃん、本当にカッコ良かった」

歩夢「もし男の子だったら……ちょっと良いかもって思っちゃうくらい」

菜々「ええー(笑) それ部長さんが聞いたら泣いちゃいますよ……」

歩夢「大丈夫だよ(笑) 彼、案外そういうの気にしないから」

歩夢「わたし最初、愛ちゃんの事は、誰にでも馴れ馴れしい人くらいにしか思ってなかったけど、付き合ってみると、人として大切な事っていうのかな。そういうのを、よく知ってる印象が出てくるの」

歩夢「だから……そういう所は、わたし尊敬してる。愛ちゃんの事」

菜々「───」

.

111名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:27:07 ID:r.At8cz6
.



    「2人とも迷惑かけて、ホントごめんね」



.

112名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:27:59 ID:r.At8cz6

菜々「……ええ、そうですね。私も何となく分かる気がします」

歩夢「そう?」

菜々「はい。友達が多いのも、そういう愛さんの誠実な部分の賜物なんですよね、きっと」

菜々(3人のこういう関係、ちょっと羨ましいなぁ私……)

……………………

……………………

歩夢「で」

歩夢「その後は徐々にオバカに浸食されて、わたしの対人恐怖症はグングン治りました♪」😁✌

菜々「き、急に台無しにしてきた!?」💦

歩夢「今ではこの通り逞しく生きてます! 上原歩夢をヨロシクね」

菜々「さっきの回想と落差がヒドい! 最早ポケモン的な進化を疑いますよ! 何があったんですか!?」

菜々「この数年どんなに濃い時間すごしてきたんですか!」

歩夢「それはもう、チーズ特盛り濃厚でハイカロリーな毎日でした」

菜々「胸焼けしそうです!」

エマ(さっきから大声で何してルんだろ)

.

113名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:28:50 ID:r.At8cz6

.


歩夢「…………」

歩夢(ごめん菜々ちゃん……ちょっとだけ嘘ついた)

歩夢(でも許してほしい。例え菜々ちゃんでも……自分が虐めの標的にされていた過去は伏せさせてもらいたい)

歩夢(まだ少しだけ、わたしは過去に縛られているから。そういう過去を人に知られるのは、少しだけ怖いから)

歩夢(だから───ごめんなさい)


.

114名無しさん@転載は禁止:2021/08/21(土) 00:03:54 ID:GPt5m7/Y
いい話だ

115名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:40:54 ID:Ad0Bd5LM
>>114
ありがとう
励みになります

116名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:41:07 ID:Ad0Bd5LM

───璃奈の避難所


カタカタカタ…

制作部B「衣装の進捗確認メール来てます?」

制作部A「(カチカチ…)や、まだっぽい。遅れてるみたいだわ」

制作部A「一応、途中でも進行状況は送るように言っておく」

制作部C「ごめん、その辺りにハサミ無い?」

制作部E「ホワイトボードんとこに掛かってるよ。あー部長、NK1仕上がりどうです?」

部長 「もうラストスパートに入ってる。この分なら、今日の活動内には何とか仕上がるわ」

制作部E「ナイス! このペースなら間に合いそうですね」

   ガー…ガー… カチカチ… カタカタカタ…

      カリカリ… ガチャガチャ… ガー…ガー…

制作部D「忙しい所すいません部長、今度の文化祭配信なんですけど───」

部長 「何かあった?」

制作部A「あー……コピー用紙が切れてるわ スーパーホワイト在庫まだある?」

制作部E「それならロッカーに……無いな。ちょっと印刷室で借りてくる。待ってて」

制作部D「という事なんですけど」

部長 「あー……そうなると枠自体を入れ替えなきゃならなくなるかも」

制作部D「じゃあ、いっそ1年枠を最後に回しますか……? んーでもそれだと───」

制作部C「ラミネーターは……あった。ちょっとコンセント1つ使うわ」

制作部B「部屋の端のが空いてるから、そっち使って」

璃奈 「…………」Zzz

.

117名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:41:37 ID:Ad0Bd5LM

-制作部-

歩夢「はい、お茶だよ」🍵

部長「ん、サンキュー。助かる」

歩夢「それで、さっきから気になってたんだけど……璃奈ちゃん何してるの? こんな所で」

璃奈「…………」Zzz

部長「ああ」ズズ…

部長「何かちょっと前……半月前くらいかな。フラッとここに来て、ここで休憩しても良いか、みたいな事を言ってきたんだよ」

歩夢「休憩? ここで?」

部長「そう。んで以来、昼休みは大体ここで昼寝してる」

部長「俺も気になって、それとなく訊いてみたんだけど……何か、俺達の作業してる環境音が最高に落ち着くらしい」

歩夢「えぇ……?」

歩夢「───」👂

歩夢「これが?」

部長「俺と同じ反応してら」

歩夢「いや(笑)だって、気が散るじゃん……」

部長「親父から聞いたんだけど、あんま静か過ぎると逆に落ち着かなくなる人もいるんだと。音楽掛けないと眠れなかったり」

歩夢「そうなの?」

部長「職場でも、特に事務方の仕事してる人に多いらしい」

歩夢「へ、へぇー……璃奈ちゃんも何かやってるのかな」

歩夢「何にしても、ちょっと変わってるね」

部長「な、変わってるよな」ズズ…

歩夢「まあ、とりあえず」

部長「?」

歩夢「1つ言えるのは、これ愛ちゃんには教えない方が良さそうだって事だよね」

部長「余さず同感だわ」

.

118名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:42:17 ID:Ad0Bd5LM




愛 「何か最近……昼に璃奈と会ってない気がするんだよなあ」

エマ「? 璃奈ちゃん、最近は制作部に顔を出しテルよ?」

愛 「え、何で」

エマ「さあ?」



.

119名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:42:37 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「皆、熱心にやってるね。いま昼休みなのに」

部長「入試前に頑張った甲斐ありだよ。報酬も充分に出してるからな」

部長「始めたら何かしらデカいトラブルも起こると思ってたけど、今の所は割と上手くやれてる」

歩夢「このペースなら、来週の全体新曲も出来そう?」

部長「おかげさまで何とか。本当に有難い限りだよ」

部長「皆の力あって、こうして2年目も順調に出来てる」

歩夢「感謝しないとね」

部長「いつもしてるよ。勿論、歩夢達にも」

歩夢「どーいたしましてー♪」

歩夢「ふふ……」

制作部A「爆発しろ」ボソッ

制作部B「おいやめろって……」ヒソヒソ

.

120名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:43:11 ID:Ad0Bd5LM
璃奈「…………」Zzz

歩夢「さ、そろそろ時間だし、璃奈ちゃん起こさないとね」

歩夢「にしても、そっちは璃奈ちゃんいて気が散ったりしないの?」

部長「いや……作業効率が落ちてるとかは無い」

部長「寧ろ逆だよ。皆、女の子が居るってんで余計に気合い入ってる。寝息は聞こえるけど、別にうるさい訳でもないしね」

歩夢「な、なるほど」

歩夢「…………」

歩夢「ねーねー」

部長「?」

歩夢「わたしがいたらさ……もっとモチベーション上がる?」

部長「上がるんじゃないの? 皆、良くも悪くも素直だから」

歩夢「……」

部長「……」

部長「な、なに」

歩夢「いや……あなたは?」

部長「俺……? いや俺は……」

部長「……ノーコメント」

歩夢「は?」👹

部長「ブチ上がるに決まってんじゃーん」😅

歩夢「ふふん」

制作部C(爆発しろ)

制作部D(爆発しろ)

制作部E(爆発しろ)

璃奈  (バルス)

.

121名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:00 ID:Ad0Bd5LM

───兄2人と姉1人もいます


かすみ「そういやアンタ、そろそろ誕生日だよね?」

弟  「んあ? あーそうだっけ」

かすみ「そうだっけって……記念すべき小6の誕生日でしょ。そろそろ大人の仲間入りだぞ?」

弟  「いつもと変わらねーだろ別に。どうせ夕飯が気持ち豪華になるだけだし……」

かすみ「んっふー、そんなこと言って良いのかなー? 折角だから、お姉ちゃんプレゼント用意してあげなくもないけど」

弟  「え、マジで? ……いやでも、どうせ自作のパン寄越してくるオチ……」

かすみ「いやいやあ、1万円までなら金掛けてあげなくもないよ? 12歳は結構な節目なんだから」

弟  「……いや、別に金は掛けてくれなくてもいいし。気持ちだけで」

かすみ「おお? ほーん、子どものくせに生意気なことを……」

弟  「うるせえっ。姉ちゃんだって子どもだろ!」

かすみ「あははっ♪」

.

122名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:33 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「じゃ何が欲しいの。まさか要らない訳ないよね?」

弟  「そりゃまあ貰えるなら……。欲しい物もあるっちゃある、けど」

かすみ「言ってみ、ホラホラ♪ お姉ちゃんに出来るなら何だって良いよ?」

弟  (…………)

弟  「じゃあ……貰ってきて」

かすみ「ん?」

弟  「だ、だから……サインが欲しい。姉ちゃんトコの人の」

かすみ「わたしのトコ……あ、同好会の人の!?」

弟  「声デケーって!」

かすみ「へえ、へええー。まさかアンタがね」😁

弟  「なんだよ……そういうの駄目なのか?」

かすみ「あ、いや別に構わないけど。……うん、規約的にはセーフだね」

かすみ(寧ろ素直に嬉しいし。でもまさかコイツがね……ませてるなあ)

かすみ「……それで誰のサイン? え、もしかして全員分くれとか」

弟  「そんなに欲張るつもりねーよ流石に。……その」

かすみ「ん?」

弟  「みやし」

かすみ「待って」

弟  「…………」

.

123名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:56 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「ごめん待って、ちょ待って」

弟  「な、何だよ……」

かすみ「いま誰の名前を言おうとした? みやし?」

弟  「うう……」

かすみ「って来たら1人しか居ないよね? まさか愛先輩なの?」

弟  「……そ、そうだよっ! おれ宮下愛ファンなんだよ悪いかよ!」

かすみ(えぇぇエぇ絵ぇェぇェえエ江ぇエぇ得ェえエぇ絵エ江ぇエぇえーっっ)

弟  「分かってんだよ! 高望みやめろとか言うんだろッ! でも仕方ねーよ、ファンなもんはファンなんだから!」

かすみ(なんということでしょう)

弟  「何で頭抱えてんだよッ」

かすみ「いやあの、あのね? ちょっと厳しいこと言うんだけども」

弟  「どうせオレに宮下愛は勿体無いから乗り換えろとか」

かすみ「いやちがっ! そうでなくてね!」

かすみ「単に……その、理想くらい高く持った方がいいよって言おうと思って……みたいな」

弟  「……わけわかんねーんだけど」

かすみ(ぬぐうううぅ!)

.

124名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:45:22 ID:Ad0Bd5LM

↓↓ここから中須の思考概略↓↓

わかってる……誰のファンになろうが当人の自由って事くらい……そんなの百も承知

でも駄目なの! 姉として複雑過ぎるの! よりによって愛先輩が“推し”だなんて!

あの人はファンに見せてる姿と普段の姿じゃ、日本刀と丸めた新聞紙くらい差があるんだよ!

仮の話、愛先輩にサインを頼んだら……あの予測不可能者の事だもん、“特別に会ったげるよー♪”とか言い出す可能性も!

もしそうなったら、12歳の少年をアレに直面させるのは酷過ぎる! かすみん上手く捌き切る自信無い!

もしかしたら奇跡的に空気読んで、カッコいいままの愛先輩でいてくれるかもしれないけど……

ぶっちゃけ! 愛先輩が愛先輩でいる以上! どう転んでも不安は消えない(辛辣)! 弟の夢は姉が守る!

↑↑思考概略以上(この間4秒)↑↑

.

125名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:45:47 ID:Ad0Bd5LM

弟  「……なあなあ、もしかして姉ちゃんも宮下愛のファ」

かすみ「冗談でもやめてくんない?」

弟  「ん?」

かすみ「何でもない」

弟  「……え、いま何か」

かすみ「わたしの事はいいの! それよりサインだよサイン!」

弟  「姉ちゃんに出来るなら何でも良いんだろ? 宮下愛にサイン頼んできてよ」

かすみ「そ、それだけは」

弟  「何なんだヨさっきから!」ガーッ!

かすみ「あはは……」

かすみ「あー、じゃ2番目! 2番目にファンの人にしよっか! ね!? 悪いことは言わないから!」

弟  「ふざけんなー! ……なあ、何でそんな必死なんだよ。姉ちゃん変だぜ、何かキモいんだけど……」

かすみ「い、いいから! 愛先輩は……えーと、そう! 厄介なファンが多くて!」

弟  「厄介な……?」

かすみ「そ、そう! 最早ストーカー紛いの! だから本人もウンザリしてて!」

かすみ「特に最近はサインとかそういうの、あまり乗り気じゃなくなってるっていうか……」

かすみ「ほらその、書いてはくれるだろーけどね? 同じメンバーとして、サイン頼むのも気を使っちゃうというか、そのー……」

かすみ「えへっ」

126名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:46:10 ID:Ad0Bd5LM

弟  「───」

弟  「……姉ちゃん」

かすみ「は、はい?」

弟  「嘘が下手すぎる」👉💥

かすみ「をえ゙」😨

弟  「誤魔化すのも下手すぎる」👉💥

かすみ「うぐぅ……」😵

弟  「ついでにパン以外の料理も下手過ぎる」

かすみ「関係ないわそれは!」

弟  「俺にそんなの通じねーぞ。何で嘘つくんだよ、コソコソなに企んでんだ?」

かすみ「た、企みなんてそんな」

弟  「あるんだろ?」

かすみ「ぐぬ……」

弟  「やっぱね。分かりやすい姉で助かるわー」

かすみ「うぎぎ……」😡

かすみ「う、うるさーい! 子どもの癖に口答えすんなっ!! とにかく愛先輩はナシ!」

弟  「…………」😒

かすみ「な、何だよその目はっ」

弟  「別にぃ? また出たと思って。姉ちゃん負けそうになると、いつも勢いでゴリ押ししてくる」

弟  「悪い癖だよ」

かすみ「う、うるさ───」

弟  「そんなんだから、彼氏とも2ヶ月で駄目に」

かすみ「言ってはならんコト言ったな貴様!!」

.

127名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:46:45 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「とに」

弟  「また“とにかく”だろ」

かすみ「とにかく!!」

弟  「うわ突破してきたよこいつ。そういうとこ逆に尊敬するわ」

かすみ「と、に、か、く! 愛先輩はナシ! これには深い理由があるんだから!」

かすみ「小6なら聞き分けなさい!」

弟  「何だよ小6ならって……押し切ろうたってそうは……」

かすみ「うるしゃーい! とにかく愛先輩は駄目なのッ!」

弟  (やっぱファンなんだろ姉ちゃん……)

かすみ「そういう訳だから2番目の推し! さあ言ってみ、誰なん!?」

弟  「うっ……」

かすみ「誰!? それなら良いから! サインでも手形でも貰ってきてあげる! さあ!」ズイッ

弟  「に、2番目って……そ、それは……」

かすみ「誰!?」ズズイッ

弟  「近いんだけど」

かすみ「言わないとこのままチューね」

弟  「やめろって。……あーえっと、その……」

弟  「…………」

かすみ「?」

弟  「……」

弟  「ぜってー言わね」ムスッ

かすみ「へ」

弟  「姉ちゃんにだけは言わねえから絶対」

かすみ「な、なーんでよぉー」

弟  「う……あーもうるせっ! こうなったら何が何でも宮下愛のサイン貰ってきてもらうからなッ!」

かすみ「えええー……チューするけど良いの?」

弟  「死ねっ」👊ブンッ

かすみ「甘い! 喰らえいっ!」💗ムッチュ

弟  「ギャーッ!?」

.

128名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:47:08 ID:Ad0Bd5LM

───で


愛  「え、誕プレにサイン? ふーん、かすみ弟さんいたの」

かすみ「はい……えへへ」

かすみ(普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に)

愛  「良いね姉弟愛! 任しといて、サインくらい何枚でもあげる!」

かすみ(ヨシ!)👈😼

愛  「んじゃ、オマケで今度、特別に会ってあげ」

かすみ「Notヨシ!!!」👈💀

愛  「え、なに!?」ビクッ

.

129名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:47:46 ID:Ad0Bd5LM

───ここで感染しました


-スクールアイドル同好会 部室-

歩夢「あれ、日誌ここで書いてるの?」

愛 「お、歩夢おつかれー」

歩夢「お疲れさま」

愛 「そーなんだよね。今日アタシ日直だったから……」

愛 「相方の人に、文章苦手だからって押し付けられちゃってさー」

愛 「アタシだって手書き文はド苦手だってのにもー……」

歩夢「でも、ソコで断れないのが愛ちゃんの良い所だよね」

愛 「はっは、まーね。愛さん見た目通り優しいから」

歩夢「そういうとこだよ愛ちゃん」

愛 「え」

歩夢「でも……相変わらず綺麗な字だよね、本当に」

愛 「え……あ、ああ、まあね。数少ないアタシの自慢出来そうなとこだからねー」

愛 (気のせい気のせい……そうに決まってる)

.

130名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:09 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「ところで、それとは関係無いんだけど」

愛 「うん」

歩夢「重くないの? 背中のそれ」

彼方「スヤァ…………」

愛 「うん、やっとツッコんでくれたね。待ってたよ」

歩夢「物凄い体勢なんだけど……どうなってるの」

愛 「だよね。よく座ってる人間に寄り掛かって寝られるよね」

愛 「何か“あったかいんだからぁ〜♪”とか言ってのし掛かってきて、面倒だからそのままにしてたんだけど……」

愛 「気付いたら背中から寝息が聞こえ始めてさ。仮にも先輩を弾き落とすのもマズいし」

歩夢「あはは……訳分かんない」

歩夢「それで、どうするのそれ。生徒会行って遥ちゃん呼んでくる?」

愛 「いや、遥よりエマっち呼んできて……」

愛 「あの人ならメンバーでは一番苦無く持ち上げられるから。これ」

彼方「😪」←これ

.

131名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:30 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「は、はあ……じゃあ、急いで呼んでくるね」

愛 「頼むわ。ホント動けないからマジで」

歩夢「も、もう少し頑張ってね」タタタタ…

愛 「よろしーくー」

愛 「…………」

愛 「ふぃー……疲れるわぁ」

愛 (これ剥がしたら、レッドブル1杯やりにいこ)

彼方「トリニク……キュウリ……Zzz」

愛 「…………」

璃奈「…………」

愛 「あのね」

璃奈「…………」

愛 「いまアタシ迂闊に動けないからアレだけど、本気で心臓止まるかと思ったからね」

愛 「急に璃奈が居て」

璃奈「…………」

愛 「璃奈? ちょっと?」

璃奈「…………」

愛 「り、りなりー?」

璃奈「それやめてって言ったでしょ」

愛 「すんません」

.

132名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:54 ID:Ad0Bd5LM

璃奈「…………」チラリ

愛さん鞄「くっ」

璃奈「…………」スタスタ

璃奈「……愛先輩って確か、さ」ガサゴソ

愛 「ち、ちょっと璃奈!?」

璃奈「普段からさ、スマホのロック掛けない派、だったよね?」つ愛スマホ

愛 「───!?!??」

愛 「や、やめて!! 早まんないで!! それだけはやめ」

彼方「…ウルヒャイ」ベチッ

愛 「あでっ」

璃奈「これと……これと……これも」ポチポチ

愛 「あ」

愛 「あ、ああああああぁ……あああ、あああ!」

璃奈「何かデッドプールの画像が大量に……あ」

璃奈「これ……いつ撮ったの。私の寝顔」

愛 「や、やめてそれだけはぁ……」

璃奈「はい削除ォ」ポチポチ

愛 「いやあああぁ……!」

愛 「やめてぇえええおねがいぃ……!」

彼方「ふぁ……?」

.

133名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:49:22 ID:Ad0Bd5LM

璃奈「これは……まあいっか」ポチポチ

璃奈「これは駄目だね」ポチポチ

愛 「あ、あ、ああ……アタシの思い出が……」

璃奈「やかましい」

璃奈「これは駄目……これは、まあよし」ポチポチ

璃奈「……ッッ!? さ、削除ッッ」ポチッッ!

璃奈「先輩……後で話あるから」ギロッ

愛 「ああああああああああああ!」

愛 「ああああああああああああ!!」

……………………

……………………

歩夢「…………」

エマ「え、ええと……何カナ、これ」

歩夢「…………はぁ」

歩夢「自業自得だよ。愛ちゃんのオバカ」

愛 「ふ、ふたりとも璃奈を止めてぇ……」

歩夢「いやです。少し頭を冷やしなさい」

歩夢「さっ行きましょ、わざわざ呼び出してすみません。お詫びに後で美味しい物ご馳走しますね」

エマ「あ、ありがと……デモ良いの? 愛ちゃん泣いテルよ……?」

歩夢「いいんですよ。寧ろ良い薬ですから」

彼方(つい起きちゃったけど……ちょっと寝たふりしてよ)ノシカカリ

愛 「いいいいぃ↓やああああぁ!!↑(裏声)」

.

134名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:51:45 ID:TOzGW9Ic

───1人に渡すことで頭がいっぱいでした


愛 「メリーバレンタイーン☆」

歩夢「ハッピーバレンタインね」

愛 「それだと略したらハピバじゃん。ややこしいじゃん豆板醤」

歩夢「略さなきゃいいじゃんジャンバルジャン。……で、そのパンパンの紙袋なに?」

愛 「これ? ふっふ、お待ちかねのブツだぜ相棒」ガサッ

歩夢「相棒じゃなくて友達」

愛 「同じ同じ。はいチョコ、歩夢の分ね。メッセージカード入ってるよ」🍫

歩夢「やっぱりチョコなんだ。ありがと……にしても毎年よくやるね、愛ちゃんも」

愛 「何言ってんのー。イベントは楽しむためにあるんだぜ、知らんの?」

歩夢「まあ、そうだけどね」

歩夢「……え、ていうかそれ……紙袋の中、全部チョコなの? 多くない?」

愛 「そう、全部チョコ」

愛 「あ、でも殆ど普通のガーナね。クラスの男子にあげるやつ」

歩夢「……パリピ(死語)だね愛ちゃん」

愛 「ノンノン、愛さんパリピ(死語)じゃないよ。単に買い出し役になっただけ」

歩夢「?」

.

135名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:52:28 ID:TOzGW9Ic

愛 「実はアタシのクラスね……明日、女子だけ早く行って、男子にサプライズする事になってさ」

歩夢「サプライズ……? あーもしかして、ホワイトボードに絵とか描いたりする感じの」

愛 「大」😊

愛 「正」😄

愛 「解」😉

愛 「日頃クラスを面白くしてくれる感謝の気持ちを込めてね」

歩夢「ふーん……」

歩夢「誰が発案者?」

愛 「宮下愛っていう子」

歩夢「パリピ(死語)じゃん」

愛 「パリピ(死語)ちゃうよー」

歩夢「あっはははは」

愛 「あっはははは」

愛 「じゃあ、はい」✋

歩夢「…………」

愛 「…………」✋

.

136名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:52:52 ID:TOzGW9Ic

歩夢「何この手」

愛 「……え? いや、チョコは?」✋

歩夢「…………」

愛 「歩夢から愛さんへのチョコは?」✋

愛 「……永遠の友情を誓うチョコは?」✋

歩夢「…………」

愛 「……」✋

歩夢「……」

愛 「おい」👊

歩夢「ごめんド忘れ!」ダッ

愛 「オラッ! 逃がすかっ!」ダッ

歩夢「明日! 明日に渡すから!」

愛 「許さん!」

.

137名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:53:21 ID:TOzGW9Ic

───同好会に入ってからは、特に


果林(155cm)「ちょっと近江さん! こんな所で何してるの!」

彼方「んー……Zzz」

果林「ほら起きなさい! 早く!」ユサユサ

彼方「んがっ……んーなんね……誰アンタ……」

果林「授業もう始まってるって言ってるでしょ! さっき2限目終わったんだけど!?」

彼方「え……」

彼方「ふぁっ!? うっそ!?」ガバッ

果林「やっと起きた……」

彼方「ちょ、あーえっと……」

果林「委員長の朝香果林。もう4月も終わるんだから、いい加減に覚えて」

彼方「お、おう朝香ちゃんね。……ところでいま西暦何時?」←寝惚け

果林「……」👉

彼方「……」(  👀)

時計「10:53」

彼方「……おうマジか」

彼方「あああぅおおおしまっっっっっったあああああぁぁぁ……」😱

果林「まったく。学校の中庭で寝過ごす人なんて見たことないんだけど」

果林「たまたま私が見つけたから良かったけど、そうじゃなかったら大変な事になってたわ」 

.

138名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:53:44 ID:TOzGW9Ic

彼方「ち、ちげーんだって! ほら、かな……わたし上京して日が浅いからワクワクしてさー」

果林「アンタも上京組だったの」

彼方「鹿児島からねー」

彼方「んで今夜、住んでる学生アパートがね、何か歓迎会みたいなの開いてくれるってんでワクワクしてたら、今朝かなり早く起きちゃったんだよ」

果林「なるほど、あるあるね。良い所じゃないそのアパート。……それで?」

彼方「やる事も無いし調子に乗って始発で来たら、校門は通れたんだけど、当然まだ校舎は開いてなくて……」

彼方「仕方ねーから中庭のベンチで待ってたら……はい」

果林「寝落ちた、と」

果林「そういうこと?」

彼方「しょうゆこと!」

果林「そう……(無関心)」

彼方「そーなんすよ!」

果林「よく分かった」

果林「じゃ、それカンカンに怒ってる先生の前で言ってくれば」スタスタ

彼方「ぬおおおおお!」ガッシ!

果林「ぎゃああああ!? 何すんのよっ!?」

.

139名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:54:34 ID:TOzGW9Ic

果林「ちょ、この、やめろ変態! 変なとこ掴むな見えちゃうでしょ!」

彼方「どうか御勘弁をォォ」

果林「私が勘弁して何になるってのよ! 自業自得でしょ諦めなさい!」

果林「こういうのは素直に頭を下げておくのが一番なの。ほら放して」

彼方「特待生としてあかんのや心証とか色んな意味で……」

果林「特待生も六芒星もあるか。素直に怒られなさい間抜け」

果林「…………」

果林「特待生ってなに?」

彼方「? あれ、言ってなかったっけ」

彼方「わたし、まあLD科の主席入学者で、簡単に言えば特待生なんだ」

果林「……」

彼方「だから拙いんだよう、こんなポカやらかしたら、立場ある者として……」

果林「……」

彼方「……どしたん?」

果林「なンでもなイ」←補欠合格者

彼方「???」

果林「早ク行くワよ」ズルズル

彼方「ぐええ」ズルズル

彼方「にゅおおおおお許してええええズルズル

.

140名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:54:59 ID:TOzGW9Ic

……………………

……………………

果林「彼方ァ!」

彼方「ふぁっ」

果林「いつまで寝てんの起きなさい!」👊💥ボカッ

彼方「あ痛ァ!?」

彼方「んがっ……? おう果林ちゃん」

果林(167cm)「おう、じゃないわよ。もう授業始まるわよ」

彼方「…………」

彼方「やっぱロリ巨乳よか、こっちの果林ちゃんだね」

果林「は?」

彼方「何でもなーい。懐かしい夢を見てたのさ」

果林「……?」

彼方「なあ果林ちゃん」

果林「なによ」

彼方「期末、順位どうだった?」

果林「なに急に……アンタ何か気持ち悪いわよ」

果林「LD科で12位だったけど」

彼方「そっか……」

彼方「えらいねぇ」ナデナデ

果林「ちょ、何なのよ! 馬鹿にすんじゃないわよ万年首位のくせに!」バシッ

彼方「…………」

彼方「ははっ、時間が経つのは早いなーと思ってさ……」ゴロリ

果林「???? ……アンタ風邪でも引いたの?」

果林「って何また寝ようとしてんのよ。起きなさい、ちょっと」

彼方「おやすみー」

果林「ちょっと!」

.

141名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 21:48:12 ID:WwtcYLN6
部長は爆発するべき

142名無しさん@転載は禁止:2021/08/31(火) 09:04:24 ID:lY1Kxrz2
クライシス好きなのか


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