したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

花丸「電気が通うのは未来じゃないよ」

1名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 00:21:25 ID:K6jxXcfI
はぁ…はぁ…はぁ…

っ…!行き止まり…


追い詰めたぞ!機械〈マキナ〉で縛れ!

バチッ! 

くぅ…!

拘束完了、直ちに駆除に移ります

よしっ魔女狩り終了だな…

キィィン...


や、やめてっ…!

46名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:51:43 ID:K6jxXcfI
??「流石に1人で運ぶのは結構しんどいわね…」

??「よいしょ…さっ起きなさい」ドスッ!  

梨子「ッ…‼ゲホゲホ…あ……わ…」

真姫「私は真姫。あなたの命の恩人、になる予定よ」

梨子「……」ガクガク

真姫「(話せないか…)とりあえずモルヒネ打つわね」ブスッ

梨子「っ〜‼」

真姫「こら暴れないの」

梨子「…はぁ…はぁ」

真姫「喋れそう?」

梨子「は…はい」

真姫「とりあえず先に言っとくわ。今のあなたの状態を見たところ、助かる確率はフィフティーね。覚悟はいい?」

梨子「はい」

真姫「あなた、血が足りないのよ。誰かくれたらまぁ100%間違いなく助かるわね。今はちょっと場所が悪いわ」

梨子「ここ…どこですか?」

あなたたち魔女の住んでる地域あるでしょ?あの辺りの地下よ。入り口は限られた人しか知らないし、仮に見つけても入り方知らないとまずここに入れない」

真姫「だからここへ来た人は面識なくてもある程度信頼はおけるわ」

梨子「すみません、眠たくなってきました…」

真姫「あら…仕方ないわ。頃合いね、始めるわよ。どうする?部分麻酔か全身麻酔か。部分麻酔なら天才マッキーの手術を生で見られるわよ?」

梨子「……」ガク

真姫「落ちたわね。全身麻酔でいきましょ」

47名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:53:30 ID:K6jxXcfI
真姫「パックの代替血液が切れそうね。こんな時に限って運が悪いわ」

真姫「リミットは5時間…まぁ誰かに頼めば十分時間ありそうね」

真姫「ホント、魔女は魔女の血を輸血しないといけないっていうのが面倒なのよ…」

真姫「適当に魔女に繋がりそうな人をあたってみましょ。誰がいいかしら…」

真姫「全く魔女の治療で血が足りないなんて…海未ももう少し手加減したっていいのに…」

真姫「あ、もしもし…?私よ」

48名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:54:33 ID:K6jxXcfI
「真姫ちゃんから連絡来たよ。魔女の血が足りないんだって」

「じゃあ狩りに行く?」

「駄目だよ。真姫ちゃんに怒られちゃう」

「え〜めんどくさ…」

「仕方ないよ。行こ」

「あ、なんか後から画像添付されてきたよ」

「トマトとお団子…?」

「イミワカンナイ!」

「あんまり似てないよ…それ」

「多分…追加のお使いだよ」

「だろうね」

49名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:55:41 ID:K6jxXcfI
真姫「あ…間違えてお団子とトマト一緒に送信しちゃった」

真姫「トマトは食べたいだけだから関係ないって言わなきゃね…」カコカコ

真姫「…まぁ、あの子は賢いからわかるかしら」

真姫「『お団子だけ探せ』…で多分伝わるわね」

真姫「心拍数、呼吸どっちも乱れてきたわね…
いつもの腕の見せ所ってとこね」

真姫「マキナ発動、展開」

真姫「生命維持〈アンジェロ・エレスピーロ〉」バチッ!

真姫「無事正常化完了ね」

真姫「魔法だったら維持なんかじゃなくて完治させたり出来るのに…」

50名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:57:12 ID:K6jxXcfI
〜シャッター街〜

花丸「恐らく梨子さんはこの辺りに…」

善子「いるの⁉人の気配すらしないんだけど…」

善子「どこ⁉リリー!いるなら返事して‼」

花丸「あ!ちょっと声大きいよ」

善子「でも!」

花丸「落ち着こう。冷静にならないと本来見えるものも見えなくなるずら…」

善子「そうね、ごめん」

ミライ「……⁉」

ミライ「前方に2人、人影が見えるよっ!」

善子「2人⁉なんだ…」

ミライ「どうする?接触してみる?」

花丸「一応…捜査官ではないと思うし」

ミライ「よしっじゃあ明るく行こっか!こ〜んにっちは〜‼」

花丸(さっき声大きいって注意したそばから…)

「あ!お団子ってあれのことじゃないかな?」

「間違いないにゃ〜!」

花丸「お団子?あっ…ああ〜なるほど」チラ

善子「っ?何よ⁉」

51名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:58:44 ID:K6jxXcfI
花陽「はじめまして、花陽といいます。先生の依頼を受けて来ました」

凛「凛は〜右に同じ!」

花陽「それじゃ適当過ぎだよ凛ちゃん」

善子「あっアンタたち何なの…?」

凛「如何にも小者って感じの台詞にゃ〜」

善子「んなっ何よ⁉やるつもり⁉」ムカッ

花丸「やめな善子ちゃん」

花陽「あの〜一つ質問いいですか?」

花丸「あ、はい」

花陽「あなたは普通の人で、お団子さんは魔女ですよね。魔女の隠匿は重罪ですが、あなたは大丈夫ですか?」

花丸「なっ⁉どうして…」

ミライ「大丈夫だよっ!ミライが守るんだから!」

花陽「アンドロイドですか!良いですね〜」

花陽「顔触ってもいいですか?」

ミライ「えっ?うん、いいよ」

花陽「えへへ…」

凛「かよちんは自立式機械〈マキナ〉に目がないにゃ」

花丸「そ、そうなんですね…」

凛「とりあえず行こ、真姫ちゃんが待ってるから」

花丸「真姫ちゃんって?」

凛「偉大なお医者さんだよ!」

善子「そんな奴に用はないの!今は…

凛「じゃあ来なければ?凛はどうなっても知らないよ」

凛「先に言いそびれたけど、凛とかよちんはお団子に用があるからわざわざ探してたんだよ?」

善子「私…⁉」

凛「行けばわかるにゃ」

花陽「えへへ〜…」

ミライ「も、もういいかな?」

花陽「あと少しだけ〜…」

52名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 01:59:48 ID:K6jxXcfI
善子「何?ここ…ただの路地裏じゃない」

花陽「まぁ見てて」

花陽「えーと、4の3の4っと…」ビッピッピ

ブゥン...

花丸「えっ⁉何もないとこから扉が…」

花陽「何もないっていうのは間違いで、最初からあったんだよ」

花陽「扉に電子を反射させて周囲の風景を立体投影するステルス技術の応用だよ。だから知ってる人にしか見えないけど、確かにあるんだよ」

花丸「こんな技術初めて見たよ!未来ずら〜…」

ミライ「ん?呼んだ?」

花丸「あっなんでもないよ」

花陽「さ、入って入って」

53名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 02:01:40 ID:K6jxXcfI
コンコン

花陽「先生、入りま〜す」

真姫「はいどうぞ」

凛「たっだいま〜‼」

真姫「おかえり、ちゃんと連れてきたのね…花陽は賢いわ」

花陽「えへへ」

凛「ねぇ凛も頑張って探したんだよ⁉」

真姫「そうね、偉い偉い」ナデナデ

凛「ゴロニャーン♪」

花丸「あの…」

真姫「言いたいことは大体わかってるわ。よく来たわね、さっそくだけどお団子来て」

善子「お団子言うな!ヨハネよ‼」

花丸「あっ善子で大丈夫です」

善子「ズラ丸も余計な事言うなっ!」

真姫「ねぇ」

真姫「うるさい。騒ぐならバラしてミキサーかけて血だけ搾り取るわよ」

善子「ひぃ…ご、ごめんなさい‼」

真姫「さっさと始めたいから早く来なさい」

花陽「善子ちゃん」

善子「何よ」

花陽「先生怒らせちゃダメだよ」

凛「真姫ちゃんは冗談を言わないよ」

花陽「ポリタンクに入れられて本当に血のタンクになっちゃうからね?」

善子「…!あわわ…」ガクガク

善子「ズラ…丸…!」

花丸「頑張って!」

善子「何よ関係ないからって…!」

54名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 08:09:33 ID:i0ALq9rc
ラ板のとき読んでました

55名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 10:31:02 ID:ZcWPa/JA
こっちで書いてくれるのか
ありがとう

56名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 18:34:01 ID:qGOzhVkY
続き読めるの嬉しい

57名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 18:34:58 ID:Sot2KkYQ
なにこれ

58名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 19:10:51 ID:57t8.NmM
たのしみ

59名無しさん@転載は禁止:2018/09/07(金) 19:19:54 ID:UZ1Yag9U
追いついた!
ミライちゃんはオリジナルキャラなんですかね?

60名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 02:50:03 ID:X0Jo7xkQ
善子(何の説明もなしに連れて来られた挙句狂気染みた脅しをされ…)

善子(一人で殺風景な地下を歩かされる…)

善子(私が何したっていうのよ…)

善子(リリーのとこ行かなきゃいけないのに…)

真姫「来たわね、始めるわよ」

善子「な、何をですか?」

真姫「あんたの血を抜き取るの」

善子「何のためにっ…ですか?」

真姫「そこ」

善子「…?」

真姫「見ていいわよ」

善子「何…‼リリー‼」

善子「全身ボロボロじゃない…‼」

真姫「お友達でしょ、助けたくないの?」

善子「決まってるわよ、助けたい!」

真姫「魔女には魔女の血が必要なの。血液型は関係ないわ。勝手に体内で結合されて凝固しないから」

真姫「ほら、腕出しなさい」

善子「注射一回分で足りますか?」

真姫「ええ、先に人工の血液で身体を騙してあるから、後は本物を送り込んで補完させればいいわ。でもどうしてそんな事聞くのよ」

善子「その…もし余裕がないならもっと採血してもいいので…」

真姫「ふぅん…じゃあ頂戴。隣、横になってね」

善子「これでいいですか?」

真姫「いいわよ、麻酔かけるから何か言うことあったら今のうちに言いなさい」

善子「特にはないです…」

真姫「わかったわ」

真姫(思わぬ形で血液のストックが採れたわ!しかも純正…今日はツキが回ってるわね)

61名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 02:51:57 ID:X0Jo7xkQ
「お前に生きる資格はない」

「やめて、あなたと一緒にいるとろくなことがない」

「近づくな化け物」

梨子「うう…なんでみんな…」

「捕まえろ!」

「殺してやる」

梨子「もう…来ないで!」ガバッ

梨子「あれ…?」

真姫「そろそろ起きると思って来たら丁度ピッタリだわ」

梨子「あっ…そういえば私…!」

梨子「あ、あの…ありがとうございます!」

真姫「お礼なら隣のお友達に言いなさい」

梨子「えっ?あっ!よっちゃん…!」

真姫「生意気だけど良い子ね。あなたに血を提供してくれたわ。すぐ起きるからそのまま寝かしておいてもいいけど叩き起こしてもいいわよ」

花丸「梨子さん!」

梨子「花丸ちゃん!どうしてここに?というかここ何処…?」

花丸「色々あったずら〜。ここは魔女の隠れ家だって」

梨子「隠れ家⁉」

真姫「そうよ。ま、私は魔女じゃないんだけど…」

62名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 02:53:54 ID:X0Jo7xkQ
梨子「…?」

花丸「マル達をここに連れてきてくれた人達が魔女なんだって」

梨子「…!じゃ、じゃあここでも人と魔女が一緒に⁉」

真姫「人と魔女って、魔女だって人じゃない」

梨子「あ、そっか…」

真姫「とりあえずお茶でも飲んでゆっくりしてなさい。ここなら他より幾らか安全だし、そもそも治療したばかりの人をすぐに外へ出すのは私が許さないから」

梨子「至れり尽くせりで本当に頭が上がりません」

真姫「べっ別にいいのよ…私からのちょっとした餞別」

真姫「海未と一対一でやり合う馬鹿なんて久しぶりに見たから、その無謀さと勇気を気に入っただけよ」

梨子「そうでした。私…完膚なきまでに…」

真姫「ふふっでもあれは手加減してくれた方よ?」

梨子「はい…あなたなんてこれで十分と言われ、木刀でここまでやられました」

花丸「木刀で⁉」

真姫「まぁ彼女はSCC最強の職員だから、運が悪かったってとこね」

花丸「あの時の善子ちゃんを相手した捜査官より強いなんて…」

63名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 02:56:55 ID:X0Jo7xkQ
梨子「いつ頃になったら動き回れますか?」

真姫「そうね…えーと、じゃあ三日後くらいってことにしとくわ」

花丸「結構適当…」

真姫「本当は明日にでも走れるようになるけど、なんとなく動いてほしくないからよ」

凛「あ、嘘ついてるにゃ!」

花陽「ホントの本当は寂しいからすぐにここを出てってほしくないんだよ」

真姫「言ったわね〜‼」プク-

凛「それ逃げろっ!」

花陽「捕まったら八つ裂きの刑だよ〜!」

真姫「こら〜!待ちなさい‼」

凛「や〜だよっ!もう食べられるのは御免だにゃ!」

真姫「あんた達の腸でソーセージ作ってビールと一緒にいただくことにしたわ!覚悟しなさい!」

花陽「誰か助けて〜!」

ドタバタ...

ミライ「あはは、なんだか賑やかで楽しいねっ!」

花丸「もう食べられるのは御免…?」

梨子「ふ、深く考えない方がいいんじゃないかな」

花丸(まさか魔女の血欲しさで…?)

花丸(あり得な…いや、あるかも…)

善子「ほらまた考えすぎよ?」

花丸「あっ起きたんだ」

善子「ん、まぁね」

善子「なんかドタバタうるさいから…」

64名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 03:02:47 ID:X0Jo7xkQ
梨子「よかった…無事で…」

善子「そっちこそ!ボロッボロで寝ているとこ見た時なんか本当、泣きそうになったわよ」

梨子「私ドジで弱いから…仕方ないよ」

善子「そんな事ないっ‼」

梨子「よっちゃん…」

善子「リリーは命がけで身体張って私の事助けてくれた…。いつも大人しく生活していて、人前では魔法を使うとこなんて絶対に見せないリリーが囮になる為にわざわざSCCの馬鹿共の前で魔法使ったって聞いて…私、私…‼」ポロッ...

梨子「もう泣かないで。今はとにかく収監場から脱出出来たことを喜ぶべきだよ。ほら、ハンカチ」

善子「ありがと…」ゴシ

花丸「これからどうするの?2人は」

梨子「そうね、いつまでもここにいられないし…」

善子「決着をつけたい」

梨子「…⁉よっちゃん?」

善子「リリーをこんな一方的に嬲った奴をこのまま許すことなんて出来ない‼絶対に同じ目に遭わせてやるわ!」

花丸「危険だよ。やめるずら」

善子「嫌!これだけは譲らない‼」

梨子「よっちゃん、私はよっちゃんが傷つくのも誰かを傷つけるのも見たくない。だからやめて」

善子「リリー…」

善子「ダメ、私は決めたの!あいつらに一度地獄を見せてやるわ」

真姫「無駄ね」

善子「はぁ⁉」

真姫「お団子、今のあなたの力だとその辺の捜査官と相討ちになって終わりよ」

真姫「最強と名高い海未に挑んでも、何も残せず無意味な死があるだけよ」

善子「じゃあどうしろって言うのよ‼それとヨハネじゃなくていいからせめて善子って呼びなさいよ‼」

真姫「教えてあげるわ、ヨハネ」

善子「だからヨハっ…あ、合ってた」

真姫「今あなたの持つマキナの電力より遥かに強力なマキナの使い方…知りたくない?」

善子「…知りたいです」

真姫「ならついて来なさい。魔女なんでしょ?マキナの電気にばかり頼らなくても、魔法を使えばいいじゃない」

真姫「ただ融合させるんじゃない、相互触発させるのよ…その方法を教えてあげるわ」

65名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 03:04:14 ID:X0Jo7xkQ
第1部花丸編終わり
第2部ルビィ編に続きます

66名無しさん@転載は禁止:2018/09/08(土) 04:56:01 ID:JDFQOjuA
乙です!

67名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:14:25 ID:p9QanpWI
ルビィ「3…2…1…」

チ-ン♪

ルビィ「完成っ!今日も綺麗に焼けたね」

カランコロ-ン

ルビィ「あっいらっしゃいませー!」

海未「ベーコンエピとメロンパン」

ルビィ「はいっ!丁度焼きたてですよ」

海未「…運が良かったです」チャリ...

ルビィ「丁度ですね!お預かりします」

ルビィ「ありがとうございました!」

海未「あ…」

ルビィ「どうしました?」

海未「忘れていました。あなたも私も」スッ

ルビィ「あっスタンプカードですね!すみません!今日の分押しますね〜」ポン

海未「あと3つで会計の時半額ですか…」

ルビィ「はい!もうすぐですね」

海未「ありがとうございました」ペコ

ルビィ「また来てくださいね〜!」

海未「〜♪」

ルビィ「かっこいいなぁ…soldatoのバッジ…」

ルビィ「お姉ちゃんよりもすごいんだよね…SCCで一番かぁ」

ルビィ「ルビィもあんな風にかっこよくなれたらなぁ〜なんて」

ルビィ「そんなこと、ありえないんだけどね」

68名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:17:24 ID:p9QanpWI
ルビィ「人、来なくなったし…そろそろお店閉めちゃおうかな」

ルビィ「今日も普通の売り上げ、普通の天気、普通の自分…」

ルビィ「よしっお客さんいないね、閉めてこよ…

ダイヤ「いますわよ」

ルビィ「お姉ちゃん!」

ダイヤ「私が最後のお客ということで」

ルビィ「お疲れ様です。珈琲淹れるね」トポポ...

カチャ

ルビィ「はい、どうぞ。アメリカンだよ」

ダイヤ「ありがとうルビィ…ふぅ、落ち着きますわね」

ルビィ「ゆっくりしていってね…あ、そうそう!今日もあのお客さん来たんだよ!」

ダイヤ「あの?」

ルビィ「soldatoのバッジの!」

ダイヤ「ほぉ、海未さんですね。彼女はSCCの希望ですわ!」

ルビィ「希望かぁ…確かにオーラが違うからねぇ」

ダイヤ「私も同期の子も皆、彼女に憧れていますのよ」

ルビィ「いいよねみんなに尊敬されるって。いつかルビィも…

ダイヤ「駄目ですわ!」

ルビィ「まだ何も言ってないよ…」

ダイヤ「魔女と関わる仕事なんて断固認めません、この私がっ‼」

ルビィ「どうしてそんな頑なに?」

ダイヤ「可愛い妹を危険に晒さない為に決まっているでしょう?」

ダイヤ「あなたは今の職が一番の天職ですわ」

ルビィ「……そうだね」

69名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:24:47 ID:p9QanpWI
ルビィ「あ、いらっしゃいませ〜」

ルビィ「只今エンサイマダ焼きたてでーす!」

「………」

ルビィ「ん…?」

「……」

ルビィ「何かお探しですか?」

「わっ⁉びっくりした…急に話しかけないで!」

ルビィ「ピギッ⁉ご、ごめんなさい…」

「別に謝れって言ったわけじゃないんだけど」

「そのくらいにしなさい、店員さん困ってるでしょ?」

「わ、わかった…」

ルビィ「あ、あの…」

「お会計は一緒でいいですから」

ルビィ「わっわかりました!えーと1,2,3,4,5点で…


ルビィ「ありがとうございました!」

「また来ます。結構気に入りましたよ、ここ」

「行くよ、理亞」



ルビィ「理亞ちゃんかぁ…」

ルビィ「見た感じルビィと同い年なのにもうSCCの特殊機動隊…すごいなぁ」

ルビィ「ルビィ…何やってんだろ…」

70名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:28:34 ID:p9QanpWI
カランコロ-ン♪

ルビィ「いらっしゃいませー!」

理亞「………」

ルビィ「あ、理亞ちゃん!今日も来てくれたんだね」

理亞「…⁉気安く名前呼ばないで!」

ルビィ「ご、ごめんなさい…」シュン

理亞「あ…べ、別に名前呼ぶくらいならいいわよ?」

ルビィ「本当⁉ありがとう!」キラキラ

理亞「うっ…(謎の罪悪感が…)」

ルビィ「今日のオススメは塩パンだよ!あっさりしてて、でもバターが濃厚で美味しいんだ…」

理亞「…じゃあ、それにする」

ルビィ「えへへ…嬉しいな。他のも是非見てってね」

理亞「うん」

理亞「じゃあ、これも…」

71名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:32:11 ID:p9QanpWI
カランコロ-ン♪

ルビィ「いらっしゃいま…あれ?誰もいない」

ルビィ「うん〜?」

理亞「お、お邪魔します…」コソコソッ

ルビィ「今日も来てくれたんだね!ありがとう!」

理亞「ま、まぁ…今日は珈琲飲みに来ただけなんだけど」

ルビィ「そっかぁ!じゃあ今日はカフェラテにでもする?」

理亞「お願い」

ルビィ「かしこまりました!」

理亞「ねぇ、名前…なんて言うの?」

ルビィ「黒澤ルビィ!よろしくね」

理亞「鹿角理亞よ、いつもありがとう」

ルビィ「こちらこそね…はい、出来たよ」

コロ-ン♪

ルビィ「あっお客さんかなぁ…」

海未「いつものでお願いします」

理亞「……⁉」

72名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:33:53 ID:p9QanpWI
ルビィ「は、はい!ベーコンエピとメロンパンですね!少々お待ちください」

海未「………」

理亞「うそ…なんで⁉」チラ

ルビィ「はい、いつも通り焼きたてですよ!」

海未「丁度で…」チャリン

ルビィ「お預かりしますね。スタンプカードはお持ちでしょうか?」

海未「これを」スッ

ルビィ「ありがとうございます」ポンッ

海未「もう少しで貯まりますね…」

ルビィ「ですね!毎度ありがとうございます!」

海未「あ、追加で注文してよろしいでしょうか?」

ルビィ「はい!お伺いします」

海未「あの子が飲んでいるものと同じものください。テイクアウトで」チラ

理亞(目、合っちゃった…!)

73名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:36:19 ID:p9QanpWI
ルビィ「カフェラテですね、かしこまりました!すぐに出来ますのでそちらへおすわりください」

海未「はい」

海未(新作の試食ですか…興味があります)ヒョイ

海未「……」パクッ

理亞(SCCのレジェンドが…試食してる…!)

ルビィ「出来ましたよ〜」

海未「ありがとうございます」

ルビィ「またお越しください!」



理亞「…ねぇ!」

ルビィ「ぅわっ!何なに?」

理亞「いつも通りってどういうこと⁉」

ルビィ「ああ…さっきのね。あの方は常連さんなんだよ」

理亞「じゃあ何度も生で見てるってこと⁉」

ルビィ「ま、まぁそうだね」

理亞「本当⁉羨ましい…!私はずっとあの人に憧れてこの仕事続けてきてて、でも今まで一度も実際に会ったことなかったから感動した!」

理亞「毎日来ればまた会える?」

74名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:38:18 ID:p9QanpWI
ルビィ「多分ね。いつも大体このくらいの時間に来るから」

理亞「なら、毎日行くから!それで、今度は…あ、でもまたすぐ会うとなんか怪しまれるかも…」

ルビィ「そんなに心配する必要はないよ」

ルビィ「ふふっそんなにファンなんだ、海未さんの」

理亞「もうファンなんてもんじゃない!私の全てと言っても過言ではないくらい園田先輩の影響は大きいんだから!」

ルビィ「ルビィもいつもカッコいいなぁ〜って思いながら接客してるよ。落ち着いた雰囲気がいいよね」

理亞「わかる!あと、誰に対しても敬意を払うところとか」

ルビィ「あと、横顔が綺麗なとことか!」

理亞「それと、誰もが認める強さとか!それに」

ルビィ・理亞「「実はほんの少し茶目っ気があるところとか!」」

理亞「…確信した、ルビィとは気が合うと思う!」

ルビィ「今同じこと言おうと思った」

理亞「いいよね、憧れって。形は違ってもこうして人をつないでくれる」

ルビィ「もっともっとお話ししたいな、理亞ちゃんと」

理亞「私も。あっもう時間…ふふ、毎日来るから覚悟してよ?」

ルビィ「えへへ、またのお越しをお待ちしてます」

75名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:40:14 ID:p9QanpWI
ルビィ「いらっしゃいませ〜」

理亞「来たよ」

ルビィ「あっおはよう理亞ちゃん!」

理亞「おはよう、今日はまだ来てない?」

ルビィ「うん!来るといいねぇ」

理亞「流石に昨日の今日じゃわからないけど…」

理亞「珈琲ください」

ルビィ「かしこまりました。甘さは自分で調節してね」

理亞「馬鹿にしないで!そのままで全然問題ないから」

ルビィ「はい、どうぞ」

理亞「ありがと」ズズ...

理亞「苦っ…」

ルビィ「あはは、これ使って」

理亞「面目ない…」サラサラ

カランコロ-ン♪

海未「こんにちは」

ルビィ「あ!いらっしゃいませ!」

理亞(どうしよ…緊張してきた…!)

海未「……」チラ

海未「今日はクロワッサンで」

ルビィ「かしこまりました!焼きたてでなければすぐに用意できますよ」

海未「焼いてください。特に急ぐ用もありませんから」

理亞「あ、あのっ!」

海未「私ですか?」

理亞「一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」

理亞(言った!意外と言えるんだ…)ドキドキ

海未「一つ約束してくだされば構いませんよ」

76名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:41:26 ID:p9QanpWI
理亞「な、なんでしょうか?」

海未「アプリで私の顔を弄って遊ばないこと。以前同僚にやられまして、それ以来あまり好ましくないので」

理亞「もっもちろん!絶対しません!」

海未「それならいくらでもどうぞ」

理亞「ルビィ、撮って!」

ルビィ「はーい、撮りますね」

海未「何をしているのですか」

ルビィ「ピギッ⁉」

海未「セルフィーがあるのですから、あなたも入りなさい」

ルビィ「えっ?じゃあ…」コト...

ルビィ「あと5秒ですよ〜」

ルビィ「3...2...1...」カシャッ

77名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:43:09 ID:p9QanpWI
海未「では私はこれで」

理亞「あのっありがとうございました!」

海未「…次は職場で」

理亞「…‼はいっ!」

ルビィ「嬉しいね」

理亞「本当!夢みたい」

ルビィ「よかったよかった…」

ルビィ「……」

理亞「ルビィ、何か隠してることない?」

ルビィ「えっ別に、ないよ…」

理亞「私は園田先輩に正直にお願いした結果いい方に行ったんだから、ルビィも言ってほしい」

理亞「何かの転換になるかもしれない」

ルビィ「ルビィは…マキナを上手く使えるようになって、みんなの役に立ちたい…‼」

ルビィ「今の仕事は好きだし人との繋がりも出来た大切な居場所だよ。でも…自分と同年代の人が外へ出て現場で頑張っているのを見ると、少し焦りというか情けなさというか…その…」

理亞「なら、話は早いでしょ」

理亞「SCCの実技受けたら?」

ルビィ「…!ルビィに出来るかなぁ」

理亞「出来るかな、じゃなくてやるの!」

ルビィ「そうだね。その気にならないと何も始まらないね」

理亞「私も教えてあげるから、頑張って」

ルビィ「ありがとう…!」

理亞「お礼は無事職員になれてから言って」

78名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:47:17 ID:p9QanpWI
理亞「まずはイメージから。どんな風にマキナを展開させるのか、どうやって電気を回すか…」

理亞「イメージが出来てないと、マキナを装備しても展開出来ずに関節に電気が回らない。そうすると何もできないただと鉄の重りになってしまう」

理亞「さぁ、イメージして。魔女と対峙した時、どんな自分がいる?」

ルビィ(ルビィは…善悪なんてわからないし、誰かを傷つけることなんて出来ない)

ルビィ(だから、誰かを守れる自分になりたい…)

理亞「イメージ出来た?」

ルビィ「うん」

理亞「なら、これを飲んで」

ルビィ「カプセル…?」

理亞「超小型の人体内蔵型帯電装置。飲むと体内で飛び散って身体の隅々に帯電機能を備えられる。マキナの起動になくてはならないものだから」

ルビィ「すごいね…でも、こんなの一般人に渡していいの?」

理亞「私みたいな末端の一職員は、寧ろこれを第三者に提供する役割があるの。どこに強力な適合者がいるかわからないから。まぁ闇雲にばら撒くのは流石に駄目だと思うけど…」

ルビィ「そうなんだ!てっきり企業秘密的なものかと」

理亞「本当はこの装置が量産出来たらいいんだけど、今出回っている装置はほとんどが旧式。ある程度の電導は可能でも最新のマキナを動かすレベルはまだまだ厳しいのが現実」

理亞「いずれは雷を吸収して地球一周出来るエネルギーを蓄えられるとか言ってるけどそんなのいつになることやら…」

ルビィ「具体的な訓練の仕方ってどんなの?」

理亞「一番簡単なのは、電球を持って光らせること。こんな風に…」ポッ

ルビィ「すごい!」

理亞「こんなの超初歩的なものだから。これを練習しといて」

ルビィ「わかったよ、頑張ルビィ!」グッ

79名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:48:59 ID:p9QanpWI
ルビィ「点け〜電気!」

ルビィ「むむむ…」

ルビィ「全く…ピリッとも来ない…」

ルビィ「はぁ…疲れたぁ」

ルビィ「ううん、まだまだ頑張らなきゃ‼」

ルビィ「ん〜はっ!」

ルビィ「駄目…」

ルビィ「まだまだ!回数を増やさなきゃ出来るようになんてならないんだから!」

ルビィ「むむむ…はっ!」

80名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 03:51:12 ID:p9QanpWI
〜一週間後〜

ルビィ「あ、いらっしゃいませ!」

理亞「なんだか久しぶりかも。最近仕事で来てなかったけど、どう?テストとして見てあげる」

ルビィ「あっじゃあお願いしてもいいかな」

理亞「いいけどお店の方は大丈夫?」

ルビィ「それなら…これを掛けとけばいいよ」カコン

理亞「準備中…ま、いいんじゃない。始めよっか」

ルビィ「見ててね…ふんっ!」ビリッ

理亞「おっ」

シ-ン...

ルビィ「あれれ…もう1回!」バリッ!

ルビィ「なんでだろ…全然駄目だよ〜」

理亞「…ルビィ、お店の蛍光灯外してみて」

ルビィ「…?いいよ、それなら予備の持ってくるね」



ルビィ「持ってきたよ!」

理亞「それ持って同じように力入れてみて」

ルビィ「いくよ〜…はっ!」バチッ!

理亞(予想通り…!電球がルビィの電圧に耐えられなくてショートしてたんだ)

ルビィ「あちちっ!火傷しそうだったよ〜。どうだった?」

理亞「今の蛍光灯のテスト、動画で撮って姉様に送ったわ。ちょっと待ってて」

ピロ-ン♪

理亞「はやっ⁉やっぱり姉様から…えっと」

理亞「実技試験楽しみにしていますと伝えて。だって!」

ルビィ「やったぁ…!努力の成果だね!いつ行けばいいの?」

理亞「ふふ…SCCは常に人員不足。職員はいつでも募集中ですが?」

ルビィ「ならすぐに行かなきゃ!」

理亞「頑張って。さっきの調子ならきっと問題ないから

81名無しさん@転載は禁止:2018/09/10(月) 19:28:55 ID:LV/5ZRoQ
ルビィちゃん編楽しみ

82名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 02:35:49 ID:VodRZ4mk
〜SCC訓練所〜

聖良「お久しぶりです。何度かお邪魔させていただきましたね」

ルビィ「はい!今日はよろしくお願いします!」

聖良「実技試験ですが、基本的に魔女捜査官との対人戦となっています。相手はプロですから、遠慮せずマキナを展開させて挑んでくださいね」

ルビィ「わかりました。聖良さんがお相手ではないんですね?」

聖良「はい。他の職員が対応します、誰が来るかはわかりません。楽しみにしていてくださいね」ニコ

聖良(ルビィさん、意地悪ですみません)

聖良(今日の人選、ちょっとした小細工をしました。今後当たる障壁のためですよ)

聖良(絶対に通ってくださいね…)

ルビィ「この奥ですか?」

聖良「はい。間もなく職員が到着しますので私はこの辺りで失礼します。ご健闘を」

ルビィ「ありがとうございました!」ペコ

ルビィ(どんな人かな…恐そうな人だったらどうしよう…)

ルビィ(ダメダメ弱気になっちゃあ!今からが勝負なんだから!)

「お待たせしました。実技試験、始めましょう」

ガコン...

ルビィ「うそ…」


「本日の実技担当です。よろしくお願いします」


ルビィ「お姉ちゃん…⁉」


ダイヤ「ルビィ…‼」

83名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 02:37:47 ID:VodRZ4mk
ダイヤ「ルビィ、何故ここに…⁉」

ルビィ「ルビィは…ううん、私は…今までの自分を変える為にここに来ましたっっ‼」

ダイヤ「…そうですか、わかりました。ここにいるという事は、相応の実力と覚悟を持ったという認識で手合わせ致しましょう」

ダイヤ「来なさいっ…‼」

ルビィ「やぁぁあああっ!」ガキンッ!  

ダイヤ「ぬるい!ただの鉄屑を振り回しているだけですわ!」パシンッ

ダイヤ「効率よく電気を流して!」ガンッ!

ルビィ「あぅっ!つ…」

ダイヤ「マキナを身体の一部にすること!」ブンッ!

ルビィ「うあっ!」ドスン!

ダイヤ「立ち直りが遅いっ!」グイッ

ルビィ「づっ…⁉」

ダイヤ「その程度ですか⁉あなたの努力とやらは!」ガッ

ルビィ「むぐっ⁉」

ダイヤ「遊びに来たとでも?」バキッ!

ルビィ「ううっ!」

理亞「姉様!これは…⁉」

聖良「最高の環境での実技試験よ。ルビィさんが成長する為の最良の舞台を作らせてもらったから」

聖良「2人がどうするのか、楽しみね」

84名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 02:39:16 ID:VodRZ4mk
ダイヤ「まるで基本がなっていませんわ…」ググッ

ルビィ「んんん…!くるし…ぃ」

ダイヤ「環境が悪かったのですわ。甘やかされて育ったせいで…!」グッ!

ルビィ「かはっ‼ふぅ…はぁ」

ダイヤ「一辺実際に死の間際に立った方があなたのためですわ」カチャ...

ルビィ「や、やめ…」

理亞「本気⁉あれは死んじゃ…」

聖良「理亞は黙って観てなさい」

聖良「何故ダイヤさんが局長にまで上り詰めたのか、今わかるわ」

理亞「でも…」

ダイヤ「…左肩部狙い」

ドスッ...  

ルビィ「ゔぅぅ…‼」ドサ...   

ダイヤ「痛いですか?立てませんか?」

ルビィ「がっ…は…」

ダイヤ「お終いですね。黒澤ルビィは失格と…

バッ!

ルビィ「まだ…やれ、ます…‼」

ダイヤ「…ほう」

理亞「ルビィ…!」

聖良「芯の強さは本物ですね…」

ダイヤ「威勢だけは一丁前ですわね」

ルビィ「まだ本気を出してないだけですっ!」バッ

ダイヤ「なら私も、より厳しくいくとしましょうか」

85名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 03:01:05 ID:VodRZ4mk
ダイヤ「電導トラップ、高御産巣日〈ソラソバ・ テイエイ・ソワカ〉」バチチッ

ルビィ「よっと!」 ヒョイ

ダイヤ「その身体で軽く避けたのは中々ですわ」

ダイヤ「次っ電熱煙幕、天之御中主〈オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ〉!」ボォウ...

ルビィ「見失わないよ…」

ルビィ「そこっ!」ザンッ!

ダイヤ「っ!やりますわね。猪口才な罠はこれで最後ですわ」

ダイヤ「超高周波、神産巣日〈オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ〉」キィイン!

ルビィ「うっ…まだまだ!」

ダイヤ「…ふっ」

ダイヤ「あなたの本気は伝わりました。失礼のないよう私も全力で行きましょう」

ダイヤ「摩几那、起動」キュルキュル...

ダイヤ「展開」バシュッ

ガコン

ダイヤ「私の特別〈スペシャル〉ですわ」

ダイヤ「一振りで魔女を狩る電気の鉞…」ブンッ

ダイヤ「大魔鎖狩【黒金剛】‼」

ダイヤ「死ぬ前に問いましょう…あなたの名前は?」ゴオォ...

ルビィ「私は…黒澤ルビィ‼誰よりも努力してここへ来たっ‼」

ダイヤ「結構」ズバッ!!


ヴゥン...

ダイヤ「…!ようやく見せてくれましたね、ルビィ。これがあなたのマキナ…」

ルビィ「誰かを守りたい。それが私の志望理由だよ」

聖良「放熱板型のファンネル!希少機械〈マキナ〉の一種!」

聖良「電子のフィールドを展開させてシールドを張るとは…!」

ダイヤ「良い答えですわ」

パキ...

ダイヤ「鉞が…」

ルビィ「いっけぇ〜‼」ポシュッ!

バシュ!バシュ!バシュッ!

ダイヤ「ぐっ!ルビィ…よくやりましたね」

ルビィ「お姉ちゃんっ…!」

86名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 03:06:22 ID:VodRZ4mk
ルビィ「はぁ…はぁ…結果は?」

ダイヤ「…人の役に立ちなさい」

ルビィ「や…た……」ドサ...

理亞「ルビィッ!」

ダイヤ「彼女に応急処置を…う」

聖良「ダイヤさんもフラフラじゃないですか」

ダイヤ「私なんかどうとでも!」

聖良「ふふ、舐めてもらっては困ります」

聖良「理亞、準備は出来てる?」

理亞「当然!聖良…come on…!」

聖良「マキナ射出!オートリペア!」チャキッ

理亞「マキナ起動っ電力供給!」

聖良「最速回復指令〈セルフ・コントロール〉!」シャッ

聖良「早急に終わらせます。任せてください」

ダイヤ「助かりますわ」

聖良「ルビィさんの事、認められましたか?」

ダイヤ「半々ですね…正直なところまだ少し反対の気はありますわ。身体の自由を奪ってでも、最愛の妹を命を落としかねない現場には立たせたくなかった」

聖良「本気でしたね、観てわかりました。異様に、執拗な暴力です。あまり観ていて気持ちのいいものではありませんよ」

ダイヤ「恥ずかしい限りですわ」

聖良「ですがきっと、私も同じ立場なら同じ行動をとったかもしれませんね…」

理亞「姉様、ちょっと消耗が激しく…」

聖良「手当て完了。理亞、ちょうど終わったわ。ありがとう」

理亞「よかった…ルビィは医務室に?」

聖良「ええ、お願い」

聖良「ダイヤさんもほら、行きますよ」

ダイヤ「ありがとうございます。大丈夫ですわ、1人で歩けます」

87名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 03:08:01 ID:VodRZ4mk
ルビィ「うん…ここは?」

ダイヤ「本部ですわ」

ルビィ「…!お姉ちゃん」

ダイヤ「これから先は、自分の身は自分で守るのですわよ?」

ルビィ「うん、ルビィはもう、弱い自分にさよならしたよ」

ダイヤ「これから先、色々な出会いや別れがあります。その度に私は言うことになるでしょうが、今も言っておきます」

ダイヤ「自分の決断を後悔しないでください」

ルビィ「ん、約束するよ」

ダイヤ「…では、身体を休めてくださいね」

ルビィ「お姉ちゃんも」

ダイヤ「……」パタン

ルビィ「これからの出会い、別れ…」

ルビィ「ルビィにはどんな出会いがあるのかな」

88名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 03:11:13 ID:VodRZ4mk
〜SCC司令部〜

ギィ...

ダイヤ「………」ポフッ

果南「おかえり、おつかれさん」

ダイヤ「……」

果南「ちょっと、何か言ってよ」

ダイヤ「…はぁ〜〜」

果南「何?私そんなに空気読めてなかった?」

ダイヤ「あ…果南さん…」

果南「今気づいたの⁉ま、いいや。らしくないじゃん?デカいため息なんかついちゃって」

ダイヤ「妹が……職員に」

果南「ルビィが?すごいじゃん!捜査官?事務員?」

ダイヤ「捜査の方へ回されるでしょう…恐らく」

ダイヤ「実技の成績が良かったですから」

果南「最近褒めるようになったね」

ダイヤ「世代的に褒めて伸ばす方が効率がいいのですわ」

果南「かぁ〜っ!年寄りくさいこと言って…」

ダイヤ「……」

果南「ルビィはきっとダイヤが思っている以上に大人だよ。心配し過ぎるとかえって迷惑だよ」

ダイヤ「…わかってますよ」

果南「そんな心配ならダイヤが配属決めちゃいなよ。そのくらいダイヤの権限なら余裕の善子でしょ?」

果南「あっ…よし…なんでもなっ」

ダイヤ「それが、昨日の知らせで…」

果南(あっぶな。聞かれてなかった…)

果南「な、何?」

ダイヤ「総務が直々に本部へ来て配属を一新するそうですわ」

果南「本当⁉やばいなぁ…上司へのイライラの掃き溜めにしてたロッカーの落書き消さないと飛ばされちゃうよ」

ダイヤ「あなたって人は…」

89名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 03:13:35 ID:VodRZ4mk
海未「召集がかかりましたが」

ダイヤ「お疲れ様です。総務が本日から本部で指揮を執ると聞きました」

海未「…嘘ですね。彼女は不真面目で有名です。見た目に惑わされないように」

ダイヤ「ええっ⁉本当ですか?」

海未「どうせ甘いもの食べながら司令部の職員とベラベラ喋るだけです」

ダイヤ「は、はぁ…」

果南「あっ!先輩〜‼」ダダダ!

海未「…?」

果南「ハグしよっ!」ダキ

海未「こら、年甲斐もなく…」

果南「まだまだ少女で通る年齢だもん!」

海未「そこは否定しません」

果南「えへへ〜」

海未「…ダイヤ、果南」

ダイヤ「はい?」

海未「2人は早くして成果を挙げ過ぎました。この先まだまだ長いのですから、生き急がないでください」

果南「んん…?よくわかんないよ」

海未「2人共気づかないうちに命を削り過ぎている、ということです。先人からの忠告です、しっかり肝に銘じるように」

ダイヤ「わかりました(珍しいですわね…先輩がこんなこと言ってくださるのは)…」

果南「は〜い」

海未「仕事は、大抵年齢と共に熟練していくものです。片方だけが成熟してしまうと、もう片側は忽ち腐ってしまいますから…」ポツ

90名無しさん@転載は禁止:2018/09/13(木) 04:39:46 ID:CLJ4yVDg
更新来た!

91名無しさん@転載は禁止:2018/09/15(土) 03:06:39 ID:PuUO4els


92名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:30:23 ID:EHGQBYKY
「海未〜!いるの〜⁉」

海未「…うるさいのが来ました」

果南「あはは…」

海未「いますよ。静かに来なさい」

絵里「あらっ果南!久しぶりね。調子はどう?」

果南「お久しぶりです!バッチリですよー」

海未(絵里には敬語ですか)

ダイヤ「お久しぶりです。遠路はるばるお疲れ様でした」

絵里「あー誰かしら?」

ダイヤ「黒澤ダイヤですっ‼」

絵里「冗談よ。2人共大きくなったわね」

果南「身長はそんなに変わってないですよ〜」

絵里「いつぶりだったかしら。まぁそんなことより…」

絵里「知りたいでしょ?なんで総務責任者の私がわざわざ来たか」

海未「知りたいです。ですからさっさと教えてさっさと帰ってください」

絵里「つれないわねぇ…」

絵里「今日召集かけたのは他でもない、魔女掃討作戦のためよ」

絵里「超端的に言えば、現存する魔女の血を引く者を全て引っ捕らえることが目的ね」

ザワ...

ダイヤ「魔女の処罰等は?」

絵里「各自任せるけど、まぁ半分くらいは焼却炉行きね」

絵里「作戦内容は伝わったかしら?じゃあ私のお話はここまでよ。ご苦労様」

果南「掃討作戦だっけ、おっかないね〜」

ダイヤ「ええ、より一層本部の強化を求められますわ。当然支部への派遣も!ですよね海未さ…?」

海未「……?あ、はい」

海未「絵里…匂いが変わりましたね」

果南「匂い?香水かシャンプー変えたんじゃない?」

海未「そういうことではありません…」

93名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:33:25 ID:EHGQBYKY
ルビィ「総務…どんな人だろう…」

絵里「私が総務よ」

ルビィ「へぇ〜そうなんですかぁ…⁉」

ルビィ「すっすす、すみません!」

絵里「ふふっ何を慌ててるのよ。可愛いわね、新入りかしら?」

ルビィ「は、はい!先週から本部の職員として勤務させていただきます、黒澤ルビィです‼」ビシッ

絵里「ルビィね…作戦はきいた?」

ルビィ「作戦ですか?すみません、まだ…」

絵里「じきに誰かから聞くだろうけど、これ私からの直接の派遣要請ね」スッ

ルビィ「ありがとうございます!」

絵里「新人の実力試しはここの定番なの。魔女の討伐の為に島に行ってもらうわ。ちょっと遠いけど頑張って」

ルビィ「はい!頑張りましゅ!あっ…」

絵里「ふふ、期待してるわ」


ルビィ「やった!総務から直々に依頼されるなんて…!」

ルビィ「要項は…と。新人のみの部隊、魔女のえーと…討伐のみ、捕獲無し⁉」

ルビィ「ってことは…」

スッ...

絵里「確実に仕留めなさい」

ルビィ「…っ‼︎」ビクッ

絵里「よろしくね」ニコ

94名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:37:31 ID:EHGQBYKY
理亞「新人だけで派遣?」

ルビィ「詳しくはこれを見て!」

理亞「本当だ…でも、今動ける新人は私達2人しかいないから、この新人だけって要項は無くなると思う」

ルビィ「よかったぁ」

理亞「安心は出来ない。まだ魔女のランク見てないし…」

ルビィ「ランク?」

理亞「こういう討伐命令が来た時には必ず危険度が載ってるの。今回の魔女は…〈舟釣り〉?変な名称…」

ルビィ「なるほど、添付コードをスキャンすると魔女のランク見れるんだね」

理亞「…!うそ…こんなの仮に新人だけで討伐だとしたら無茶過ぎる!」

ルビィ「む、難しい?」

理亞「難しいなんてもんじゃない、相手は滅多に見られない原生種よ!」

ルビィ「原生種?」

理亞「魔女も結構色々あるの。珍しい家系とかね。この〈舟釣り〉…人魚の魔女よ‼」

ルビィ「人魚⁉ロマンチックだねぇ」

理亞「作戦を考えたいから、後でもう一度集まって!」

ルビィ「わかった!」

95名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:42:13 ID:EHGQBYKY
聖良「舟釣りの討伐ですか。これはまた難題を課せられましたね」

ルビィ「はい…」

聖良「確か脅威度はAランクだったと思います…流石に特殊機動隊を最低5人はいないと討伐不可ですね。このクラスは」

ルビィ「魔女のランクってどんな感じで見たりつけたりするのですか?」

聖良「討伐対象になった魔女には討伐難易度や危険性を考慮してDからSまでの5段階のランクをつけるんです。Aまでは一般的な捜査官や機動隊が対応しますけど、 Sになると上の人が動きます。Sは災害級ですから」

ルビィ「ご丁寧にありがとうございます」

聖良「行きますよ、私も」

聖良「舟釣りの討伐、遅くなるとは思いますが調査終了次第援護に向かいますね。その間なんとか持ち堪えてください」

ルビィ「本当ですか⁉ありがとうございます!」

聖良「理亞にも伝えておきます。では、御武運を」

96名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:45:39 ID:EHGQBYKY
理亞「姉様から聞いた。援護は助かるけど、それまではほぼ実質2人で討伐…厳しいかも」

ルビィ「珍しいね…理亞ちゃんが弱音をはくの」

理亞「私が今まで討伐に参加したのはCクラスまでだから、正直少し不安で…」

ルビィ「で、でも実際はわからないよ!魔女の特徴のところに基本的に性格は穏やかってかいてあったし」

ルビィ「それに、ルビィは理亞ちゃんと一緒でよかった。色々安心出来るからね」

理亞「ルビィ…」

理亞「ふふ、ありがと」

ルビィ「何せルビィは…こ、こここれが初の任務…」

理亞「そっか!それは運が悪かったとしか…」

ルビィ「現場までどうやって行けばいいのかなぁ?」

理亞「足は本部が出してくれるはず。いくら海に面した本部とは言っても島じゃ中々移動が大変だから」

ルビィ「わかったよ。後でお姉ちゃんに聞いてみる!」

理亞「で、ここからが本題。作戦のことなんだけど…

絵里「あっ!」

ルビィ「…!お疲れ様です!」

絵里「魔女の動き捉えたって情報入ったからすぐ向かって!本部出たら目の前に移動の担当者がいるから!」

ルビィ「了解です!」

絵里「頑張って!」

ルビィ・理亞「「はいっ‼」」

97名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:47:58 ID:EHGQBYKY
ルビィ「急ごう!」

理亞「わかってる!」

タッタッタ...

ルビィ「外に出ればすぐにわかるって…あ!あれかも」

理亞「うん、間違いない」

「遅いじゃない。待ちくたびれたわよ」

ルビィ「すみません!」

にこ「機械〈マキナ〉式換装輸送機操縦士の矢澤にこよ。あったまるまでもうちょい待ってて」

ルビィ「あったまるまで?」

にこ「充電が終わるまでよ」

にこ「んっ完了ね。マキナ起動」

ゴォン...

にこ「拡張!」バンッ!

ルビィ「標準サイズのマキナが…飛行機に⁉」

にこ「小型輸送機のSSTP〈スーパーソニックトランスポーター〉よ。愛称はラブにこ1号。気軽ににこにーって呼びなさい」

理亞「結局なんて呼べばいいの…」

にこ「なんでもいいわ。さ、乗って!」

ルビィ「はいっ」

にこ「窮屈?」

ルビィ「いえ、特には」

にこ「でしょうね」ニヤリ

ルビィ「…?」

にこ「よーし出発のコールするわよ!」

にこ「はい、にっこにっこにー‼」

理亞「………」

ルビィ「…?」ポカ-ン

にこ「ほら、あんた達もやる!」

98名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:51:42 ID:EHGQBYKY
にこ「あと10分で着くわよ」

ルビィ「速いですね!」

にこ「あったり前よ!」

理亞「にこさんは本部の職員なんですか?」

にこ「形式上はね。SCCの職員の中じゃ珍しい、実技で入った事務員よ」

理亞「…!マキナの実技で⁉」

にこ「そ。でも私は妹をちゃんと学校行かせたいからって事務の方に志願したのよ。まぁ今はパイロットみたいな扱いだけどね」

にこ「私が死んでも…まぁあの子達なら上手くやっていけるとは思うけど、やっぱり大人になるまでは面倒みたいじゃない」

ルビィ「……」

にこ「おっと今から魔女討伐に行くのに縁起が悪かったわね。ごめんごめん」

にこ「まっ無事を祈ってるわよ」

理亞「…ありがとうございます」

にこ「喋ってる間に到着ね。しっかし絵里もまたこんな辺境の地に向かわせることないじゃない」

ルビィ「はは…」

にこ「こらっ!」

ルビィ「ピギッ⁉」

にこ「何死んだような顔してんのよ!今から仕事でしょ⁉笑顔でいきなさい!」

にこ「笑顔の練習のために1枚写真撮るわよ、こっち来なさい!」

理亞「わっ!」

ルビィ「おっとと!」

にこ「はーいにこっ♪」カシャ

にこ「んーさっきよりはマシね!頑張りなさい!終わったら連絡しなさい。いつでも出れるようにしておくわ」

ルビィ「あ、あの…!」

にこ「何?」

ルビィ「ありがとうございました!勇気が出ました!」

にこ「ふんっまぁこれも私の仕事の内なんだから」

にこ「頑張ってね」

99名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:52:53 ID:EHGQBYKY
〜SCC外部待機室〜

にこ「ふぃ〜任務完了」

希「おっお疲れ様」

にこ「あ、希!ちょうどよかったわ」

希「ん?どうしたん?」

にこ「ちょっとこの子達のことみてほしいんだけど」

希「はいよーまかせとき」

希「ほいっとマキナ展開」

希「未来を見通す硝子〈レンテ・ダモーレ・プラ〉…」

希「見えた…けど…」

にこ「何よ?はっきりしないわねぇ」

希「…うん」

にこ「言いなさいよ!」

希「どっちかわからんけど」

希「死相が見えるわ、この子ら…」

にこ「…⁉」

100名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:54:06 ID:EHGQBYKY
にこ「どうすんのよ!あの子達…どうなっちゃうの⁉」

希「ウチの占いは必ず当たるわけやないし、とりあえず祈るしかないなぁ。未来は常に動き続けるで…知らんけど」

にこ「そんな適当なこと言わないでよ!」

希「じゃあウチに何しろと?この2人のとこ行って助けるん?それこそどうやって?」

にこ「………悪かったわ」

希「とりあえずは上の人っちに任しとき。あの人らはホンマに優秀な人の集まりやから、なんとかしてくれるはずや」

にこ「ま、まぁ…そうね。2人だけで魔女の討伐なんて有り得ないし」

希「そうそう。今の状況が先に続いた時に起こりうる最悪の未来ってだけやってあれは。にこっち考え過ぎ」

にこ「考え過ぎ…そう思いたいわ」

にこ「だって…」

にこ「あんたの占い、外したとこ見たことないから…」

希「…うん」

101名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:56:11 ID:EHGQBYKY
プルルル...

ルビィ「本部から?」

理亞「そうかも」ピッ

理亞「理亞です。現地到達しました」

絵里『私よ。あっ絵里よ。早かったじゃない…流石にこね。えっとね、大した内容じゃないんだけど…』

絵里『今回のミッション、無事成功…討伐完了したら、二階級特進よ。頭に入れといてね。ごめん、連絡はそれだけよ』

絵里『じゃあ、頑張って。勝利の栄光を君に♪』ツ-ツ-

ルビィ「なんだって?」

理亞「大した内容じゃない」

理亞「それより、作戦の話なんだけど」

ルビィ「あっうん、どうしたの?」

理亞「やっぱり変更で。ルビィが索敵・接近役、私が潜伏・奇襲役に変更したい」

ルビィ「うん、いいよ」

理亞「ありがと」

理亞(二階級特進…!姉様や園田先輩とより近くで仕事出来るチャンス!)

理亞(絶対やらなきゃ…‼)

ルビィ「どうしたの?顔怖いよ」

理亞「えっそう?気づかなかった…」

理亜「ごめん、気をつけるから」

102名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:58:14 ID:EHGQBYKY
渡辺曜
別称〈舟釣り〉
討伐ランクA
比較的性格は温厚
ゆったりとした日常
単体で生活
会話に異変はないが時折身体面とやや不釣り合いな精神面の未熟さが見られる(※未成年の単独生活する魔女に度々見られる特徴)
母親が原生種の〈人魚〉
愛用品の舟の動力部に魔女特有の電気不使用エネルギー反応有り
上記のエネルギー反応を確認次第討伐開始

103名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 02:59:46 ID:EHGQBYKY
理亞「魔女のデータを見る限り、とてもAクラスには見えないけど…」

理亞「ルビィ、接近をお願い」

ルビィ「うん、任せて!」

タッタッタ...

理亞「やってやる!脅威度A?だからなんだって思い知らせてやるから!」

104名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 03:02:40 ID:EHGQBYKY
曜「よーいしょっと!」

曜「へへ、釣れた釣れた!」

ルビィ「あのぉ…」

曜「ん?何〜?」

ルビィ「ちょっとお話ししませんか?」

曜「お話し…いいよ!もっちろん!ここ、普段あまり人来ないからちょっぴり寂しいんだ。いっぱい話そ?私お喋り大好きだよー!」

ルビィ「よかった!私は黒澤ルビィです。あなたは?」

曜「私は渡辺曜!夢は船長になることなんだ!」

ルビィ「ほぇ〜だから舟があるんですか?」

曜「そうだよ!あれはパパとママが作ってくれたんだ。私の1番の宝物!」

ルビィ「宝物かぁ…いいですね!」

曜「うん!あの舟の上で釣りをするのが1日の楽しみなんだよ」

ルビィ「釣りですね、ふむふむ」

曜「釣りはいいよ?美味しい魚が手に入るし、海の機嫌もわかるんだ」

ルビィ「海の機嫌?」

曜「海の機嫌が悪いと魚が釣れないんだよ。人間一生機嫌の良いことなんてないでしょ?それと一緒で、海もときどき機嫌が悪くなるんだ。機嫌が悪いと何にも釣れなかったりするんだよね」

ルビィ「へぇ…魚が釣れない以外に海の機嫌が良くないと何かありますか?」

曜「やっぱりそういう日は大抵次の日の天気が良くないね。大雨になったり、酷い時は台風が来たりもするよ」

ルビィ「じゃあずっと機嫌が悪いと困りますよね」

曜「まぁ確かに困るよ。でも大丈夫!感動すると気持ちが晴れやかになるように、海も…空も心も晴れるから!」

ルビィ(魔女相手にエールを貰っちゃった…)

105名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 03:04:06 ID:EHGQBYKY
曜「ルビィちゃんは好きなこととかないのー?」

ルビィ「私は…ええと、裁縫とか…ですかね」

曜「裁縫…!私も!結構服とか自分で作るんだよ」

曜「ここ、漂流物が多くてね、洋服がよく流れ着くんだよ。その服を寄せ集め掻き集めて綺麗な部分だけ残して繋ぎ合わせると、面白い柄の服になるんだよ。面白いよ!」

ルビィ「私もやってみたいですね!」

曜「ホント、色んな柄があるからね〜。服もそうだけど、たまーに珍しい時は楽器なんかも流れ着いたらするんだよ!勿体無いよね」

曜「あとね、惜しいのが本!せっかく勉強用の本があってもぐちゃぐちゃになってて読めないんだよ…これは本当に残念極まりないなぁ、私、もっともっと勉強したいのに」

曜「でねでね、この前見つけた本なんだけど…って私1人で喋り過ぎか!折角ルビィちゃんのお話聞く時間だったのに、ごめんね」

ルビィ「ううん、曜ちゃんのお話面白いからもっと聞かせて!すごく新鮮で興味があるもん」

曜「…!本当に⁉ありがとう!それと…やっと距離縮めてくれたね!嬉しいなぁ…じゃあ日が暮れるまで付き合ってもらっちゃうよ!」

ルビィ「うんうん、いいんだよ」

ルビィ(それにしてもめちゃくちゃ喋るね…)

106名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 03:05:40 ID:EHGQBYKY
曜「でねでね!」

ルビィ「はは…(本当に日が暮れちゃった)」

曜「あれ、暗くなってきちゃったね」

ルビィ「うん、そろそろルビィも元の場所へ帰るね」

曜「えっ待って!」

曜「舟、乗ってよ!誰もいない静かな空に眺める星空…本当に綺麗だから一度見てほしいんだ。お願い、あともう少しだけ付き合って!」

ルビィ「…!うん!」

ルビィ『舟が行くよ』

理亞『了解!海に出た1分後に奇襲かけるから!』

ルビィ(ああ…始まっちゃうんだ。魔女狩りが…)

理亞『〈舟釣り〉が人魚と呼ばれる所以は独特な魔法の使い方にある』

理亞『水中に溶けている元素を分解して酸素や窒素を取り出して呼吸、潜水を行うことからまるで魚のように自在に海を泳ぐの。水中に逃げられたら厄介だからなるべく陸へ誘導させて』

ルビィ『了解です!』

曜「んっ?どうしたのー?」

ルビィ「ああ、ちょっとね…」

107名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 03:06:12 ID:EHGQBYKY
ルビィ(始まるんだ…魔女狩りが)

ルビィ(この人を…今から…)

ムニッ

ルビィ「ぅひゃっ⁉」

曜「な〜に下向いて考えてるの⁉上を見て、ほら…」

曜「綺麗でしょ?暗いのに明るい世界…素敵だよね」

ルビィ「うん…」

曜「さてっ舟出すよ〜!」ガコン

曜「さぁ乗って!誰もいない静かな海に浮かぶよ!」

曜「全速前進〜ヨーソロー‼」

ルビィ『…出ました』

理亞『了解。こちらも出撃準備完了』

理亞『作戦、開始っ‼』

108名無しさん@転載は禁止:2018/09/17(月) 05:56:45 ID:BUgfKrgM
曜ちゃん…

109名無しさん@転載は禁止:2018/09/18(火) 01:27:51 ID:d/hE3wD.
あたしってホント馬鹿・・・

110名無しさん@転載は禁止:2018/09/19(水) 01:27:14 ID:otBvmzGc
ここほんと切ない

111名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 02:51:16 ID:x2ow21Pk
理亞(舟釣りを殺ったら…二階級特進)

理亞(今よりもっと姉様や園田先輩の近くで仕事が出来る…!)

理亞(やれる…私はやれる…)

ルビィ『…出ました』

理亞『了解。こちらも出撃準備完了』

理亞『作戦、開始っ‼』

理亞「絶対やってやるから!」

理亞「マキナ起動!」キィィイイイン!

ゴオォッ…

 
曜「のんびりしよっかぁ!」

曜「あはは、夜風が気持ちいい…」

キィイイン

ルビィ(…!理亞ちゃん!)バッ

曜「あれ?どうしたの突然立って。ゆっくりしよーよ」

ルビィ「曜ちゃん…」

曜「どうした?」

ルビィ「ごめんね」ドンッ

曜「わっ!」ドボン ...

理亞「ルビィ!」ガシッ

理亞「展開して!推力が足りない!このままだと追いつかれるかも!」

ルビィ「そ、そんなに速いの⁉」

理亞「侮れないから…原生種は秘密が多いの」

曜「ぷはっ!どうしたの急に…」

理亞「ルビィ!陸まで撤退!掴まって、マキナでスラスター展開して!」ギュン

ルビィ「わわっ…」

曜「ちょっと待ってよぉ〜‼」バシャッ  

理亞「予想通り!かなり水中の移動速度が速い!でも、これくらいなら想定内」

理亞「陸まであと150m…」

理亞「よし、到着...」

ルビィ「…はぁ。危なかった」

112名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 02:56:00 ID:x2ow21Pk
ザブッ...

曜「もぉ、舟の上で急に押したら危ないよ〜?」

ルビィ「曜ちゃん…あのね」

理亞「ルビィ、もうケリつける」

ルビィ「…!」

曜「ケリ?なんのこと?」

理亞「我々はSCCの魔女捜査官。魔法の使用を確認したためあなたに討伐令が出ました。よって直ちに処分とさせていただきます」

曜「なんで?私が⁉悪いことなんて…」

理亞「マキナ展開」カシャッ

曜「した覚えはないよッ!」

理亞「白閃〈ビアンコ・プロイエッティレ〉!」パンッ

曜「うっ!」

ルビィ「…!」

曜「いたたた…酷いよ。誰にも迷惑かけてないのに」

理亞「ほぼ無傷⁉なら、これで!」ガシュッ

理亞「白槍〈ギアッチョーロ・ディ・テンペスタ〉!」ドパパパパパ!!

曜「スキルガード!」ガギギギギィン!

曜「ふぅ。痛いなぁ」

理亞「…!クソッこれに賭ける!」

理亞「眼球一点突き〈アイスピック〉‼」バスッ!

曜「うっ!い、いったぁ…」ツ-...

理亜「反応速度が想定より速い…でも!」

曜「あ、血が…」

113名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 02:57:18 ID:x2ow21Pk
理亞「手ごたえはあった…ここで一気に攻める!」ダッ

曜「あっ!そっちはダメ!」バッ

曜「うぐっ!もう、やめてよぉ…」

理亞(舟の方を庇うような挙動…把握!)

ルビィ(どうしよう…やらなきゃいけないはずなのに)

ルビィ(身体が一歩も動かない…)

理亞「そこっ!」シュッ!

曜「ぅあっ!」

ドスッ...
 
理亞「片足を封じたわ。これで自由に逃げ回らないはず」

曜「うう…」ズルズル

理亞「どこ行くの…?」パンッ...

曜「ゔっ…はぁ…」

曜「はぁ…はぁ…よかった。舟は無事だよ」ナデナデ

ルビィ「っ…!」

ルビィ「理亞ちゃん…」

理亞「何?」

ルビィ「もう…やめてあげて…」

114名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 02:59:22 ID:x2ow21Pk
理亞「なんで⁉今逃したら…

ルビィ「見てよ曜ちゃんの顔。痛いのに、辛いのに、安心して穏やかな笑顔」

ルビィ「あの笑顔を奪うのが、私たちの仕事なの?」

理亞「…わかんない」

ルビィ「間違ってるよ、こんなこと…!」

理亞「ごめん」

ルビィ「ううん、いいんだよ」

バッ   

理亞「私には、それ以上に大切なものがあるの…‼」ガチャッ

理亞「マキナ分離…」フッ

理亜「熱変換…発炎!」ボッ!

曜「わっダメ!舟はダメ‼」

ゴオォ!

曜「やめてぇーーーっ‼」

ボゥンッ!!
 
理亞「魔法の供給先…破壊完了」

ルビィ「ああ…!」ガクッ

115名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:01:01 ID:x2ow21Pk
曜「熱っ…熱いよ…!」

理亞「なっ⁉炎の海に自分から⁉」

曜「はぁ…はぁ…消えて!お願いっ消えてぇぇ!!」

理亞「私は、間違ってない…!仕事に、忠実に実行しただけ…?」

曜「熱…助け…て…」

ルビィ(もう…見ていられない!)バシャッ!

理亞「…⁉な、何してるの⁉」

ルビィ「火を消すの!」

理亞「どうして⁉」

ルビィ「あの子にとって大切なものだから!」

理亞「わからない…何が正しい行為なのか」

理亞「私は…どうすればよかったの…?」

理亞「姉様…」

ルビィ「曜ちゃん!曜ちゃん‼」

曜「ル…ちゃ…」

ルビィ「出て!そこから!」

曜「でも…舟が…」

ルビィ「いいから!」

ルビィ「マキナ起動!」ブィイン

ルビィ「炎熱吸収〈マグネティック・コットン〉!」シュウウ...

プスプス...

ルビィ「火は、消えたけど…」

ボロ...

曜「あぁぁあああ‼舟が…パパの舟がぁ…」

曜「うっうう…うわぁぁあああ‼」ポロポロ

ルビィ「っ…」

116名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:02:11 ID:x2ow21Pk
曜「これしかなかったのにぃ…」

曜「パパも、ママも、居なくなって…最後に残った宝物なのに…」

曜「うっ…ぐす…うう…」ポロ

ルビィ「曜ちゃん…」

曜「酷いよぉ…」

理亞「ごめんなさい。でも、悪く思わないで。私にも、ちゃんと理由があるの…!」カチャ...

曜「……‼」キッ!

ルビィ「っ⁉」ゾッ

曜「許さない…いつもいつも私達の大切なものを勝手に奪って…‼」

曜「なら、私だって…奪ってやる‼」パキ...

ゴゴゴ...  

ルビィ「地鳴り…?」

理亞「マズい…これが原生種の魔力の暴走」

曜「あぁぁあああ‼」ドガァ!   

ルビィ「うゃっ⁉」

ルビィ「あわわ…!」

曜「消え去れ…!」ゴゥ

ルビィ「うわぁーっ‼」

ザッ!

117名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:04:33 ID:x2ow21Pk
ルビィ「あれ?助かった…?」

聖良「間に合ってよかったです。遅れてすみません」

ルビィ「聖良さん!助かりました…!」

聖良「理亞は?」

ルビィ「あちらに…」

聖良「迎撃に合流します。理亞…」

ルビィ「聖良さん?」

聖良「はっ…すぐ行きますよ!」



理亞「私だって…姉様や先輩に…認められたいんだから!」バシュッ

理亞「結果出さなきゃって…‼」ドカンッ!

曜「ゔゔぅ…‼」ピカッ

聖良「理亞っ!」

理亞「姉様…⁉」

聖良「下がって!神化が始まる‼」

ルビィ「神化?」

聖良「強大な魔女のタマゴが、完全な魔女になる瞬間です。原生種にのみ確認された…ある種の儀式」

聖良「ランク変更…Aから災害級のSクラスへ書き換えておかなければ」

曜「…はじめまして」 クス

聖良「ここは私が!2人は退却を‼」

ルビィ「えっ⁉でも…」

理亞「ルビィ!早く‼」

ルビィ「力を合わせた方が良くないの⁉」

理亞「足手まといになるだけ!本気でやり合うって意味だから‼」グイッ

ルビィ「心配だよ…」


聖良「正直…少し緊張してます」

曜「なんで?肩の力抜いて楽しくやろうよ」

118名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:11:12 ID:x2ow21Pk
聖良「いざ、尋常に…」ボシュッ  

聖良「勝負!」カシャン!
 
聖良「電子エンハンス、タイプ〈シルエットフォーミュラ〉!」ブゥウン!

曜「電磁誘導で可動域の加速…考えるねェ」

聖良「ふふっ現場の数は多い方ですから…この前捕らえた魔女の力だって瞬間的且つ擬似的になら使えるんですよ?まぁ持ち主には逃げられちゃったみたいですけどね」

聖良「マキナ起動!〈贄姫の角笛〉スケープゴート・ギャラルホルン‼」

聖良「擬似魔法…氷河の堕天使〈ジオコントロール〉!」

聖良「ご覧あれっ!」ビュオッ!

曜「ううっ寒くなってきた…寒いの苦手」ガタガタ

聖良「ゆっくりじわじわと動きを鈍らせて行きますから…我慢比べですよ」

曜「えぇ〜…それは嫌っ!」ドスッ!

聖良「…ッ⁉ごはっ…」

曜「ジッとしてたらつまんないよ」ゴキッ!

聖良「んんっ…‼」

曜「噛み締めてちゃだーめ!ちゃんと味わってよね…痛みをさぁ!」ボキッ!

聖良「んんん…」ギリッ

曜「もうっ逆に回しちゃうよ〜?」グリグリ

聖良「…っ‼ぁぁあああ‼」

曜「あはははっようやく声出してくれたね。じゃあこれはもうおしまいにしよ」ニコ

聖良「助かります…ふふふ」シュワッ

曜「わっ!どうしてお腹に開けた穴も曲げた腕も元に戻るの?」

聖良「さっきのマキナの効果です。元々は治療専門でしたから」ニヤ

曜「面白いね…その方がやり甲斐があるよ」

曜「次は私から行くよ」

聖良(手が読めない…どんな魔法?神化が怖いのは手の内がわからないところ…!)

曜「元素不規則変換」スゥ...
 
曜「集まれ金属!ふふふっあはははは!!」

ガチッ!

曜「電気融合…1の装備〈ベルファスト〉!」

119名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:14:37 ID:x2ow21Pk
聖良(まるで小さな巡洋艦…才能と技術に敵ながら天晴れですね)

聖良「それ、本当に魔法の力か疑ってしまいますよ…」

曜「いっくよー!主砲発射!ヨーソロー!」ドカンッ!

聖良「ふっ!」サッ

曜「避けないでよ〜!まだまだ!」ドンッ!ドンッ!

聖良「砲弾の雨ですか…このままでは避けきれませんね。ちょっとだけズルしますよ」

聖良「全天投映特殊マキナ…光学迷彩装備〈ミラージュコロイド〉!」

フッ...

曜「あれっ?消えちゃった…」

曜「どっかにいると思うんだけどな〜」

曜「よ〜しいけっ!爆雷散布!」バララッ

ドドドドンッ!

聖良「っ!バレましたか…発想が見事です!こちらの弱点をこうも短期間で…」

聖良「ならば、次はオールレンジでいきますよ!ファンネル!」ポポポシュッ!! 

チュンッ!

曜「ああっ装備崩れそう…仕方ない、次のいくよ」

曜「2の装備〈エディンバラ〉!」ガチャン!

曜「さぁ〜てとばすよ!SG徹甲弾〈ブルース・プリリング〉!」

聖良「敢えて受けましょう…シールドビット!」ガィン!

バキッ...

聖良「相殺されましたね」

曜「あはっそうだね…じゃあもっと強いのだよ!MG徹甲弾〈モルドレッド・サマー〉いけっ!」バシュッ

聖良「弾頭に運動性を持つとは…!速いですね…でも」

シュウン...

曜「あれ…?勢いが…」

聖良「弾丸処分〈アッチャイオ・チェスティーノ〉…良いものでしょう?」

曜「むむっ!ずるいずるい〜!今のは無しでしょ〜!」

120名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:19:48 ID:x2ow21Pk
曜「いいもんっ次はこれ!LG徹甲弾〈ホワイトオータム〉!」

曜「数で勝負だ!」ドパパパパッ!!  

聖良(徐々に見えてきましたね。孤独な魔女特有の言動の幼さが…)

聖良「またですか…1発しか使えないからあまり使いたくありませんが…やむを得ないですねっ」

聖良「電磁フィールド!」バチィッ!!

曜「わっ!」ビリッ

曜「感電注意だよこれ〜。2が使えなくなっちゃった。もう、これで最後だよ」

曜「3の装備〈シェフィールド〉!」ガキィン!

曜「この装備一回ポッキリなんだよね〜」

曜「だから、しっかりくらってね!」

曜「マキナ起動ッ!!」ガチィッ!

聖良「なっ…!?」

曜「充電完了…発射!PG徹甲弾〈シャドゥウィンター〉!」ドシュ!

聖良「マキナを使いこなすとは!それにこれは大きい…無理ですね。受けるしかないです」グッ
 
曜「ふふっ召し上がれ♪」ドガァ...

聖良「ぐぅっ…‼」ドサッ...

聖良「はぁ…はぁ…末恐ろしいですね…神化した途端にマキナを使いこなし、果ては魔法と融合…させるとは…」

聖良「まるで…別人格…」

121名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:23:21 ID:x2ow21Pk
曜「楽しかったね!」

聖良「え、ええ。まぁまぁやれた方でしょうか?」

曜「そうだね。私の装備使い果たしたし!」

聖良(これは…勝ちが⁉)

曜「だから生身の攻撃だよ!」バキィッ!!   

聖良「ゔっ…‼」ガシャ-ン!

聖良「くっ…まだ、これほどの力が…」

聖良「残っているとは…」

曜「ふふっ勝てそうとか思った?駄目駄目」

曜「お遊びが終わって今から真剣勝負だよ?」

聖良「そ、そうですか…圧倒…的です」

曜「かもね。何か言っておきたいことある?」

聖良「妹に…よく頑張ったと言いたかったですね…」

曜「わかったよ。今度会ったら言っとくね」

聖良「ええ、頼みましたよ…」

聖良「私の…自慢の妹ですから…」

曜「じゃっバイバイ。楽しかったよ」グキッ...

聖良「かはっ…」

曜「弱い…弱過ぎだって!ただの人間ってさぁ…脆すぎるんだよ‼︎」

曜「ふふふっあはははははは!!!」

聖良(理亞…)

122名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:24:52 ID:x2ow21Pk
ルビィ(胸騒ぎがする…すごく、嫌な予感…)

理亞「ルビィ、どうしたの?」

ルビィ「…ね、やっぱ戻った方がいいんじゃないかなぁ」

理亞「それは駄目…せっかく私達を逃がしてくれた姉様に対して失礼」

理亞「くだらない優しさはかえって誰かを傷つけるんだから!」

ルビィ「でも…」

ルビィ「ルビィね、パン屋で仕事してる時色んな人を見てきたからわかるんだ」

ルビィ「あの時の聖良さん…良くないことが起こる人の顔してた…意味わからないと思うかもしれないけど、ルビィにはなんとなくわかるの…」

理亞「それ、本当?」

理亞「ここに誓える?ルビィの判断が姉様のプライドを傷つけないことを」

ルビィ「誓う!誓うよっ!」

理亞「じゃあ…行こ!」

理亞「本当は…私も心配で仕方がない…」

123名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:25:43 ID:x2ow21Pk
理亞「姉様…どうか無事で…」

ルビィ「あっあそこ!竜巻が発生してる…」

理亞「あれで間違いない、スピード上げるから!」キィイイン!

ルビィ「わかった!」ガシッ

理亞「上空からは行けないから、低空飛行に切り換えるためにスラスター下げるよ。ルビィ、気をつけて」カシャッ

ルビィ「了解っ!」

ルビィ「マキナ分離、送電!」バチッ

理亞「助かる…!」

理亞「出力全開!」

ゴォオオ!!

ルビィ(…⁉何この空気…)

ルビィ(目に見えないのに、すごく重たい…)

ルビィ(ずっとこの中にいたら気持ち悪くなりそう…!)

ルビィ「うっ…」

理亞「大丈夫⁉」

ルビィ「う、うん…」

理亞「もう着く!姉様…」

ルビィ「竜巻が止んだね…」

124名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:27:15 ID:x2ow21Pk
理亞「いた!あいつ…‼」

ルビィ「曜ちゃん…」

曜「わぁ、自分達から来てくれるなんて!嬉しいなぁ」

理亞「姉様はどこ⁉」

曜「ああ、あれならそっちにあるよ」

理亞「姉様を…」

理亞「あれなんて言い方するなっ‼」ジャキン!

理亞「ただで済むと思うなっ!」ザンッ

フッ...

理亞「速い…!」

曜「遅いなぁ〜当たると思ってるの?」

理亞「当たらないなら当たるまでっ!」ブンッ

曜「バカの一つ覚えみたいに暴れたって仕方ないじゃん」サッ

理亞「クソっ!当たれ!当たれっ‼」

曜「…つまんないね。妹さん」

曜「お姉さんは結構強かったよ?せいぜい遊び相手にはなったし」

理亞「っ!ふざけるなっ!」ガコン

理亞「マキナフル展開!全機発射‼」ドドドドッ!!

曜「すぅ〜…」プク-

曜「ハッ!!!」ボフンッ!!

曜「ふぅ…大きな声出すと疲れちゃう」

理亞「そんな…」

曜「おっ?いい顔いい顔♪そこのお姉さんもさっき全く同じ顔してたよ?」

ルビィ「理亞ちゃん!」

ルビィ「見つけたよ聖良さん」

理亞「ルビィ!姉様は…」

理亞「ね、姉様……?」

曜「芸術的でしょ?外から傷を見えないように殺すのって難しいよ〜?」

理亞「あ…ああ…」

理亞「嫌ぁぁあああ!!!」

125名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:28:33 ID:x2ow21Pk

曜「あっはははははは‼滾るねぇ…魔女の血が!」

曜「叫びは解体ディナーに最高のスパイスだよ!」

曜「ふふっ妹さんは30に切り刻んであげるね」ニコ

ルビィ「ああ…逃げて!理亞ちゃん‼」

理亞「嫌…姉様…」

曜「じゃあまずは…あなたが私にしたように、私も足を動かせないようにしてあげる!」スッ..

ザクッ!!

理亞「きゃああああああ‼」

理亞「うっうぅぁぁああああ‼」

ルビィ「理亞ちゃんっ‼」ダッ

曜「痛いよねぇ!苦しいよね⁉でもそれ、私も同じ目にあったんだよぉ‼」

曜「あははははは‼」ポロポロ...

曜「あれぇ?あまりに可笑しいから?涙出てきちゃった」

曜「なんだよこれ〜」ゴシッ

曜「ふふふ…」ポロボロ

曜「何⁉なんだよこれっ…‼」ポロポロ

曜「止まらないじゃんか‼」ポロ...

ルビィ「理亞ちゃん!理亞ちゃん‼」

理亞「痛い…痛い!姉様、ルビィ、助けて!」ポロ...

ルビィ「あわわ…えっととりあえず血を止めなきゃ!」

理亞「寒い!足が寒いの…姉様…」

理亞「寒い…寒い…」

ルビィ「血が止まったよ!次は…」

126名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:30:11 ID:x2ow21Pk
理亞「はぁ…はぁ…」

理亞「…ルビィ」

ルビィ「何?なんでも言って!」

理亞「ルビィ…ありがとう」フッ

理亞「姉様、おやすみなさい…」ニコッ

ルビィ「ダメ!理亞ちゃん!向こうへ行かないで!死んじゃダメーーッ‼」

理亞「………」

ルビィ「うっ…うっ…」

曜「なんで泣いてるの⁉みんな!ねぇ‼」

ピシッ...
 
曜「うぐぅ…何?急に頭が痛…ゔゔぅぅううう‼」

曜「はぁ…はぁ…ぁぁあああ誰だ⁉やめろ!」

曜「まだ私はっ…」

ルビィ「どうしちゃったの…曜ちゃん…」

曜「………」ガクッ

曜「ふぅ…ふぅ…!」

ルビィ「曜ちゃん…?」

曜「ルビィ…ちゃん!」

ルビィ「…‼曜ちゃん!ねぇ、さっきの曜ちゃんはなんだったの…?」

127名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:31:32 ID:x2ow21Pk
曜「わかんない…何か大切なものを失ったと思ったらふっと私の心の中に何かが入り込んできて…」

曜「私じゃない誰かが私の身体を使って…」

曜「私はのんびり暮らすのが好きなのに…平和が大好きだったのに!なんでこんな…」

曜「私は…取り返しのつかないことを…」ポロボロ

ルビィ「曜ちゃん…」

曜「ねぇルビィちゃん、お願いがあるんだ」

ルビィ「うん?」

曜「私を…殺して」

ルビィ(たしかに狂った曜ちゃんは理亞ちゃんと聖良さん、ルビィにとってかけがえのない大切な人を2人を殺めてしまった)

ルビィ(こんなこと、許せないのに…本当だった心の底から怒りが込み上げるはずなのに…)

ルビィ(ルビィは曜ちゃんのことを恨むことが出来る?)

ルビィ(こんなに穏やかな性格の人を…?)

ルビィ(お喋りで、とても勉強熱心な真面目な人を…?)

ルビィ(魔女と人間の境のない世界を夢みた優しい人を…?)

ルビィ(無理だよ…だって)

ルビィ(一緒に星を眺めた…素敵な友達だもん!)

曜「きっとまたすぐに暴れ出していっぱいいっぱい殺しちゃうかもしれない!もし大切なルビィちゃんを傷つけることなんてあったりしたら…私、そんなの絶対嫌だよ!」

曜「それならせめて…ルビィちゃんの手で、私を…殺してッ!!」

128名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:33:49 ID:x2ow21Pk
ルビィ「でっ…出来るわけないよ!だって、曜ちゃんはルビィにとっても大切な人、魔女とか人間とか関係ない!曜ちゃんは私の友達!」

曜「ルビィちゃん…」

ピシッ...

曜「うっふふふふ…あははははは!くだらないなぁ‼低俗な人間の考えることなんて一生理解出来ないや‼」

曜「弱いくせに、すぐ何かにすがりたがるよね!友達?そんなのすぐに捨てちゃいなよ‼どうせまた新しい代わりが出来るんだからさぁ‼」

ピシッ...

曜「今のうちだよ!早く!早く私を…」

ピシッ...  

曜「もう、いいよ。つまらないつまらないつまらない!飽きたからあなたも殺しちゃっていいよね⁉」

ピシッ!  

曜「お願い…ルビィちゃん!」

ルビィ「うゅ…」

ルビィ「…出来…ないよ…!」

ピシッ...

曜「じゃあ死ね!ふふふ、あはははは!!!」 ブンッ

「マキナ起動、大魔鎖狩β」ガシャッ

ピシッ...

曜「はぁ…もう、出てこないで…!」

「さようなら、原生種の魔女」ズバンッ!!

曜「うぐっ…‼」ドサ...

曜「…ありがとう。ようやく楽になれ…る…」

「約束、覚えていますか?」

ダイヤ「捜査官たる者、後悔だけはするな。と…」

ルビィ「お…お姉ちゃん…‼」

129名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:37:11 ID:x2ow21Pk
ルビィ「お姉ちゃん…‼なんでここに⁉」

ダイヤ「聖良さんから報告が来ましたわ。〈舟釣り〉の脅威度を災害級Sに変更しろ。と」

ダイヤ「捜査官が出払っていた為、私が臨時で駆けつけたのですわ」

ダイヤ「まさかここまで甚大な被害が出るとは思いませんでした…これは私の失態ですわね」

ダイヤ「原生種…太古の魔女〈始祖〉と同じく魔法の誕生した時を知る一族。彼等には秘密が多く、神化もその一つでした。神化の瞬間に遭遇した捜査官は2人しかいませんでしたが…残念なことに今はもう1人しかいませんね…惜しい人を亡くしました」

ダイヤ「はぁ…」

ルビィ「ルビィ、見たよ。神化の瞬間」

ダイヤ「なっ本当ですの⁉」

ルビィ「怖かった。禍々しいオーラに包まれたと思ったら今度は光に覆われて…別人みたいになっちゃって」

ルビィ「元々穏やかな人だったのに…猟奇的な人に変わっちゃったんだ…!」

ルビィ「でも、一つの心に二つの顔が存在するようになっちゃったみたいで…最後は殺してくれって自分から…!だから…うぅ…」

ダイヤ「そうですか。貴重な情報を提供してくださり感謝します…」

ダイヤ「……っ」

ダイヤ「ルビィっっ‼」ダキッ

ダイヤ「よく頑張ったわね…‼」

ルビィ「お姉ちゃん…うっううっ!うわぁぁあああん‼」ポロポロ

ダイヤ「聖良さんも理亞さんも先の英霊のように殉じていき職員の生存は半ば絶望していましたわ。あなただけでもこうして抱き合えて本当に良かった…‼」

ルビィ「ルビィは…私は、もっと強くなりたい!もう二度と目の前で大切な人を失わないために…‼」

ダイヤ「ならばここで誓いなさい、私と共に。同じ過ちを繰り返さないように…」

ルビィ(ああ…綺麗だなぁ)

ルビィ(曜ちゃんと見た夜空…)

ルビィ(理亞ちゃん、そして聖良さん。まだまだ未熟なルビィはどうやったら強くなれますか?)

ルビィ(後悔しない生き方を…見つけることは出来ますか?)

130名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:39:04 ID:x2ow21Pk
にこ「遅かったじゃない。ルビィだっけ」

ルビィ「色々ありましたから…」

ダイヤ「毎度お世話になります」

にこ「いいのよ、仕事だし」

にこ「それより、なんか人数が少ないみたいだけど?」

ダイヤ「…不粋ですわ」

にこ「そ、悪かったわね(希また当てたわね…いや、いつも通りか)…」

にこ「あんた達…これからSCCは漣に揺れるわ。飽くまで予想の範疇ではあるけど」

にこ「まぁそれなりの覚悟はしておくことね」

ダイヤ「なっ⁉ソースはどこですの?」

にこ「昔の腐れ縁とでも言っておくわ。因みにそいつ、あの姉妹の末路も占いで当てたわよ」

ダイヤ「…なんてことでしょう」

ダイヤ「こうしてはいられませんわ、すぐに出発してください!」

にこ「了解、本部直行ね」

ダイヤ「ルビィ!行きますわよ」

ルビィ「は、はい!」

ルビィ「ね、お姉ちゃん…」

ダイヤ「何です?」

ルビィ「ルビィは、誰かの為に頑張れているのかな…」

ダイヤ「疑問に思う時点ではまだまだということですわ」

ルビィ「そ、そうだよね…」ショボン

ダイヤ「ですから、胸張って誰かを助けられるようになりなさい。ルビィなら、きっとできますわ」

ルビィ「…!うん!」

にこ「悪い思い出は全部ここに置いてきなさい。捨てちゃダメよ?いつか戻ってきた時に思い出せるようにね…」

131名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:40:01 ID:x2ow21Pk
ルビィ編終わり
太古の魔女編に続きます

132名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:41:00 ID:x2ow21Pk
千歌 先輩!今回の記事決まりました!

ことり おっ何かな?

千歌 魔女の〈始祖)の目撃情報がありました!

ことり (・8・)

千歌 何で顔文字だけなんですか〜?

ことり あのね、千歌ちゃん。ネット記事は新聞や雑誌以上に嘘だ捏造だって叩かれやすいんだよ。たとえ事実だとしてもね

ことり 太古の魔女なんて存在すら不確かなものちゃんと記事に出来る?

千歌 やれます!

ことり 他のニュースや報道に埋もれないようにまとめられる?

千歌 できます!!!

ことり じゃあ1人で頑張ってね👍

千歌 えぇーーーッ!?!?!?

千歌 1人でなんて、、

ことり じゃあやめる?

千歌 やめません!!!

ことり ファイトだよっ (^8^)



千歌「よ〜しやるぞー!」

千歌「魔女の取材!秘密の解剖!」

千歌「今度こそはバズらせるぞ〜!」

千歌「ふぅ…さて計画を立てよっか!」

133名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:42:34 ID:x2ow21Pk
千歌「どこで見たんですか!?」

「えっと…向こうの暗い洞窟みたいな…」

千歌「ありがとうございます!」ダダッ

千歌「洞窟…洞窟…って!ここ、洞窟じゃなくてただの土壁くり抜いた洞穴じゃん!」

千歌「しかも大して深くないし…」


千歌「それ、本当ですか?」

「うん、すげぇ炎だったよ!あんなの初めて見た!」

千歌「すごーい!でも、なんで太古の魔女だってわかったの?」

「………」

千歌「適当かぁ…」


千歌「もぉぉおおお!!!」

千歌「なんでなんでなんでだよーーーっ!!」

千歌「不確定な情報が多すぎだよ〜…」

千歌「1人で頑張ってってそういうことだったんだ…」

千歌「はぁ〜あ…」

「まだまだ若いんだからそんなに大きなため息つくんじゃないの!」

千歌「すいません…」

「何してるの?」

千歌「私は、ネットライターの高海千歌です!」

「ふぅん…なるほどね…」

134名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:44:23 ID:x2ow21Pk
「この辺りで何か探してるってとこかしら?」

千歌「そんな感じです!」

千歌「あっすいません、名前お伺いさせていただいても?」

鞠莉「鞠莉よ、チャオ!」

千歌「鞠莉さんですね、お聞きしますが、この辺りで炎の目撃情報が出ていまして。何かご存知でないですかね?」

鞠莉「知らないわ。炎?それはどこから入ってきた情報?」

千歌「タレコミです…」

鞠莉「もうっネットライターがネット記事に踊らされたらお笑いぐさもいいとこデース!」

千歌「反省してまーす…」

鞠莉「ふふ…ふぅん、取材班高海千歌ね…」

鞠莉「ちかっち、見たい?」

千歌「えっ?何を…ですか?」

鞠莉「本物の炎、見たい?」

千歌「…⁉見た〜い!!!」

鞠莉「じゃあ付いてきなさい!モタモタしてると置いてっちゃうわよー!」

千歌「よしきたー!」

千歌(こういうのは嘘でもいいからノっておけ!面白い記事を作る為の常識だよ!)

135名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:45:33 ID:x2ow21Pk
鞠莉「ちかっち、マキナは?」

千歌「あ、えーとこのカメラだけです!」カシャッ

鞠莉「Oh,これは良いモノね!撮って頂戴!」ビシッ
 
千歌「わかりました!じゃあ…はーい!撮りますよ〜」

千歌「1.2.3…?」

鞠莉「ジャーンプ!」

パシャッ
 
千歌「現像しまーす、よいしょっと」

千歌「どうですか⁉」

鞠莉「いいじゃな〜い!流石取材班ね!」

千歌「えへへ、そう言われると照れるのだ!」

千歌「ま、それはそうとして…」

千歌「炎!どこで見られるんですか?」

鞠莉「ああ、そのことなんだけど…」

鞠莉「sorry,あれ嘘なの♪」

千歌「ええぇぇえええ⁉期待してたのに〜!」

鞠莉「いやーちかっち見てたら面白くってつい…」

千歌「からかわれただけか…」

千歌「まぁいつものことだよこの程度…」

鞠莉「…ねぇちかっち、あなたは何故魔法を使ってはいけないか知ってる?」

136名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:46:56 ID:x2ow21Pk
千歌「うーん、電気と融合させると危険な物だから?」

鞠莉「ノーノー!マリーはそんな教科書通りな回答求めていませーん!」

千歌「ええっじゃあなんて答えたらいいんですか?」

鞠莉「別に模範解答なんてないわ。でも、敢えて言うなら…」

鞠莉「理由なんてない、こう言ったら正解にしてたかも!」

千歌「おお、奥が深い…ような?」

鞠莉「魔法だって迷惑かけなければ使っていいと思わない?」

千歌「ま、まぁ…」

鞠莉「魔女だって所詮社会に出たらただのヒトでしょ?」

千歌「確かに」

鞠莉「なのに今の魔女への対応は迫害に近いと思わない?」

千歌「もっともだ!」

鞠莉「ふふ…」

鞠莉「ちかっち、今の記事にしたら?」

千歌「えっ?」

鞠莉「魔女狩りの是非について…きっと話題になるわ」

千歌「ナイス!ナイスアイデアですよそれは!」

鞠莉「ネット記事なんて叩かれてなんぼでしょ?炎上上等!真っ向勝負よー!」

千歌「勇気をもらえました!ありがとうございます!」

鞠莉「早速帰って編集?」

千歌「もっちろん!」

鞠莉「ふふっ良かったわね♪またいつでも来て?この辺りに来ればいつでも会えるから」

千歌「またよろしくお願いしまーす!」

鞠莉「またね。ふふ…」

鞠莉「祖炎〈スルト〉」ボオゥ...!

鞠莉「また来なさい…ちかっち♪」

137名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:48:40 ID:x2ow21Pk
千歌「ことりさーん!」バタ-ン!

ことり「おやっ⁉千歌ちゃんかぁ…びっくりしたよぉ」

ことり「ホントびっくりして…メガネ落としちゃったよ」スッ

千歌「記事出来ましたー!」

ことり「おおっじゃあ見せてもらおうか」

千歌「はいっ!これです」ピラ

ことり「わざわざ紙に刷ったんだね…ご苦労様」

ことり「ふむふむ…これは…夜に飲むカプチーノみたいだねぇ。中々パンチの効いた文章だ」

千歌「習慣染みた記事は面白くないと思って、今回は攻めてみました!」

ことり「わかったよ。じゃあ今回は担当のとこ高海千歌って書こうか」

千歌「本当ですか⁉ぃやったーーー‼」

ことり「こんなの南ことりでホームに載せたら仕事来なくなるから」

千歌「あっ…そういう…酷いなぁ〜!」プンスカ

ことり「ことりは忙しいんですっ!他にも色んなお仕事兼ねているんだから…」

千歌「確かにそっちに影響出たらやばい…」

千歌「でもまぁ私の名前で記事載るのは初めてだから嬉しいです!」

ことり「そっか、じゃあこれ預かるよ。誤字脱字は無さそうだしそのまま貼るね」

千歌「お願いします‼」

ことり「…いやぁ〜若いっていいねぇ」

千歌「もうっことりさんだって十分若いじゃないですか!」

ことり「千歌ちゃんは知らないだけだよ〜…」

138名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:50:05 ID:x2ow21Pk
千歌「そういえばことりさんっていくつなんだろ?」

千歌「見た目的には私とそう変わらないと思うけど…」

千歌「タメだったらどうしよう…同世代でここまで立場が違うと思うとなんか焦ってくるよ!」

千歌「はぁ…あっまたため息ついちゃった。ダメダメ、良くないぞ千歌!」ペチッ

千歌「そういえば鞠莉さん、またいつでも来てって言ってたけど…今日突然行ってもいいんだよね」

千歌「よ〜し…」

果南「あれ?千歌じゃん」

千歌「あっ!果南ちゃーん!」

果南「久しぶり。まだライターやってんの?」

千歌「うん!大変だけど楽しいよ」

果南「へーそりゃご苦労なこった。今どんな記事書いてるの?」

千歌「この前のがね、結構攻めた内容書いたんだよ!魔女は本当に悪いのかって感じで…」

果南「っ…‼」

千歌「果南ちゃん…?」

果南「あ、ごめん。大したことじゃないよ…」

千歌「そう?よかった、なら続けるけど…」

果南「やっぱやめて!聞きたくない!」

果南「我儘言って悪いね…でも、今そんな内容聞くと私の仕事に影響しそうで…」

千歌「そうだよね、私も配慮が足りなかった。ごめん…」

果南「いいんだよ…」

139名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:51:31 ID:x2ow21Pk
〜居酒屋〜

果南「熱燗!」

「すぐ用意しまーす」

千歌「もう、飲み過ぎちゃダメだよ?」

果南「わーかってるって」ゴクッ

果南「んっ!はぁ〜美味っ!」

果南「ふぅ…これからさ、魔女は全てひっ捕らえろって命令が出たんだ。ほとんどは火炙りの刑だよ…」

千歌「ええっ⁉こわぁ〜」カラン

千歌(氷大きいなここ…)

果南「なんでかねェ…私そこまでする必要ないと思うんだけど」

千歌「…!私も私も!」

千歌「火炙りってことはさ、みんな死んじゃうの?」

果南「多分ね。この前もダイヤ…私の同期が1人魔女を狩ったよ。弔い合戦みたいなもんだったし仕方ないけど、よく躊躇なくいけるよね。やっぱまだ私にはキツいよ…」

千歌「へぇ…SCCの人も命を落とすんだ…」

果南「そうだよ、魔女狩りって文字通り命がけなんだよ?それなのに私何回も無傷で魔女捕まえてんだよ。すごいでしょ?褒めてくれていいよ」

千歌「よくできましたー」

果南「わっはっは…」

果南「虚しくなってきた…」ショボン

千歌「じゃあなんで褒めさせたのさ」

果南「私褒められて伸びるタイプだから」

千歌「…まったく」

千歌「じゃあ私はピーチオレンジにしようかな」

果南「何そんなお洒落なの頼んじゃって…芋焼酎にしな」

千歌「だって、カロリーが…」

果南「馬鹿言ってんじゃないよ!女の子はちょっと肉ついてるくらいが丁度いいの!すいませーん芋追加で!」

「あーい!」

千歌(もうダメだこの人…完全に気分良くなっちゃってる)

140名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:53:05 ID:x2ow21Pk
果南「見てよ千歌、私ね新しくマキナ造ってもらったんだ!いくよ〜」

千歌「やめて果南ちゃん!ここお店の中!」ガシッ!

果南「なんで〜いいじゃん」

千歌「迷惑かかっちゃうでしょ!」

果南「そうかもねー…」ウトウト

果南「すぅ…すぅ…」

千歌「寝ちゃったし…」

店主「あーあ…起こしちゃ悪いしなぁ」

千歌「すみません!すぐにお会計を…」

店主「いいよ、そのまま寝かせてやりな」

千歌「…!すみません!」

店主「魔女対策の人だろ?若いのに大したもんだ。労ってやんなよ」

千歌「はい!」

果南「むにゃ…先輩…ハグしてよぉ…」

千歌「ふふっ!みんな頑張っているんだ…私も、明日また頑張ろう」

141名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:54:19 ID:x2ow21Pk
千歌「あっことりさんからメール来てた!」

ことり 閲覧数すごいね。頑張り

千歌「途中で切れてる…誤送信かな?とりあえずことりのとこ行かなきゃ!」ダッ


〜事務所〜

千歌「ことりさんっ!」

ことり「あっ千歌ちゃん、すごいねぇ。伸びてるよ」

千歌「やったー!」

ことり「意外だったのは、ほとんど叩かれてないとこだね。みんなこの記事と同じようなこと思っているみたい」

千歌「魔女の危険性なんてないってこと?」

ことり「半分正解。迫害ってワードにみんな触れてるよ」

千歌「成る程…わからないもんですね」

ことり「中でも面白いなってコメントはね、これ」

『そもそも僻地で暮らしてる魔女なんかより太陽炉だか知らんが核積んだアンドロイドのがよっぽど危険だろ』

千歌「その通りだ…」

ことり「この記事を魔女に読んでもらえたらなぁ〜?」チラ

千歌「う…また魔女探しですか?」

ことり「お願ぁ〜い!」

千歌「いっ行きますよっ!」

ことり「頑張ってね〜♪」

千歌「本当鬼なんだから…」

ことり「何か言ったかな〜?」

千歌「いや〜楽しみだなって!」

ことり「だよねぇ!」

千歌「はは…」

142名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:55:27 ID:x2ow21Pk
千歌「鞠莉さんのとこ行こ」

千歌「鞠莉さんならまた何か面白いこと聞けるかもしれないし!」

千歌「あ、でも鞠莉ちゃんって結局どこにいるんだっけ?」

千歌「この前会ったのは洞穴の近くだったし…うわー聞くの忘れちゃったよ〜」

千歌「ん?そういえば…あの辺りに来れば会えるって行ってたような…⁉︎」

千歌「よし!行こう!」ダッ

143名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:56:22 ID:x2ow21Pk
千歌「ここら辺だったはず!あの微妙な洞穴…」

鞠莉「来たの?いらっしゃい」

千歌「あっ!こんにちは〜!」

鞠莉「どうも♪」

千歌りいらっしゃいって…この中で暮らしてるんですか?」

鞠莉「ふふん、半分正解ね♪」

千歌(なんかこの台詞最近よく聞くなぁ)

鞠莉「強いて言えば、この地域全体が私の家よ」

千歌「うへぇー何それ…」

鞠莉「もう、本当よ⁉︎」

千歌「なら、涼しくして私をおもてなししてください!」

鞠莉「お安い御用!」パチンッ

千歌「えっ?えっ?」

鞠莉「木の葉は靡き鳥は舞い、心地の良い風がちかっちに向かいますように…」ヒュオ...

千歌「涼しい…!すごいっ!」

鞠莉「でしょ?こんなの朝飯前よ〜!」

144名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 03:57:23 ID:x2ow21Pk
千歌「すごすぎ!そういえばさ…」

千歌「鞠莉さん、私をお待ちしておりましたとでも言いたいかのようにここにいたよね?」

千歌「それにあんな風に任意のタイミングで風を起こせるなんて…」

千歌「もしかして、鞠莉さんって魔女なんですか?」

鞠莉「ノンノン、どちらも偶然よ!偶然」

鞠莉「魔女の魔法…私も見たいわ!」

千歌「流石に魔女ではないか。ここ最近大規模戦闘があったらしく目撃情報は多数挙がっているんですけど私も未だに見たことないんですよ~」

鞠莉「いつか生で観られるといいわね?ふふ…」

145名無しさん@転載は禁止:2018/09/21(金) 12:43:03 ID:aG48eC6I
聖良さん…理亞ちゃん…曜ちゃん……


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板