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花丸「電気が通うのは未来じゃないよ」
1
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:21:25 ID:K6jxXcfI
はぁ…はぁ…はぁ…
っ…!行き止まり…
追い詰めたぞ!機械〈マキナ〉で縛れ!
バチッ!
くぅ…!
拘束完了、直ちに駆除に移ります
よしっ魔女狩り終了だな…
キィィン...
や、やめてっ…!
2
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:22:15 ID:K6jxXcfI
花丸「綺麗に綺麗に…」ゴシゴシ
花丸「よいしょ…」サッサッ
花丸「ふぅ〜今日のお仕事終わりずら」
花丸「だ〜れも来ないなぁ…いつものことだけど」
「あのぅ…」
花丸「ずらっ⁉い、いらっしゃいませ〜!」
「これ、“治して”もらえませんか…?」
3
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:23:09 ID:K6jxXcfI
花丸「これはちょっと…う〜ん難しいですね」
「そうですか…」
花丸「宜しければ専門の業者さんに問い合わせてみますが…
「それはダメっ!」
花丸「…⁉︎わ、わかりました…とりあえずこちらで一旦お預かりします」
「…お願いします」
花丸「ありがとうございました!」
4
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:24:16 ID:K6jxXcfI
花丸「と、預かったはいいものの…」
花丸「うちは寂れたリサイクルショップずら」
花丸「こんな人型アンドロイドの修理なんて当然出来るわけもなく…」
花丸「どうしたらいいかな…」
花丸「HK-083…?珍しい型式番号ずら」
花丸「人型アンドロイドは10年前からUSCで統一されたと思ったけど」
花丸「もしかして初期型?まさかぁ…」
花丸「とりあえず直せそうなバグと欠損だけ修復して返そうかな」
5
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:28:00 ID:K6jxXcfI
花丸「えーとさっき渡されたメモはっと」
花丸「パスコードの解除がえーと201-008-131」
花丸「それにしても、部品毎分かれたアンドロイドなんて初めて見たけど…」
花丸「結構グロテスクずら…」
花丸「欠損、傷は特に無いから、後はバグの確認だけ!」
花丸「この子が他の型と同じならマルにもせいぜい動作確認くらいは出来るはず」
花丸「確か左の肩甲骨のあたりに…あった!遠隔通信用の端子!」
花丸「あ…でもこの店のOSだと対応してなかった…」
花丸「赤外線で繋がるかなぁ?ダメ元で…」ピッ
シュインッ
花丸「おっ点いた!」
「こんにちは!私はフ…おっと!言語対応が日本になってるね…じゃあ、ミライって呼んで欲しいな‼」
花丸「み、未来ちゃん」
ミライ「う〜ん嬉しい!ミライは人の役に立つ為に作られたアンドロイドだよっ!困ったことがあればなんでも言って!」
花丸「じゃあミライちゃん、ミライちゃんは今頭しかないよね?」
ミライ「うんうん!」
花丸「ミライちゃんの腕、胸、足…身体全部合体出来る?」
花丸(ちょっと意地悪かな…)
ミライ「もっちろん!」フワッ...
花丸「ええっ⁉」
バシュウ!
カシャッ...
ミライ「どうかな?」
花丸「未来ずら…」
ミライ「うん?まだ何かあるかな?」
花丸「あ、違うよ!なんでもない」
花丸(これはとんでもないもの預かっちゃったよ…)
6
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:29:26 ID:K6jxXcfI
花丸「オッケーミライちゃん、料理作って!」
ミライ「は〜い!あ、お肉があるから焼くね!」
花丸「お願いずら〜」
ミライ「適切温度測定…測定完了。設定温度を90℃に設定しました。発火準備完了」
ミライ「ミライ、火をつけまーす!」
花丸「えっ…?」
ミライ「ボンッ!」ボウ
花丸「い、今のどうやったの⁉」
ミライ「え?普通にだよ?」
花丸「違う!明らかに普通じゃないよ‼今の…完全に火を噴いていた…電熱じゃなくて‼」
花丸「どうして⁉」
ミライ「どうしてって言われても…ミライにはわからないよ」
ミライ「そうやってプログラミングされてたから、としか言えないよ?」
花丸(おかしい…)
花丸「こんなこと…現在の技術だとあり得ないよ!」
ミライ「たかが火点けただけなのに大袈裟だねぇ」
花丸「そりゃそうずら…機械のアンドロイドが魔女の魔法を使うなんて…非現実的過ぎて理解出来ないよ」
ミライ「魔女?魔法?」
花丸「魔女というのはね…」
7
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:31:06 ID:K6jxXcfI
花丸「年号が変わるもっと昔の50年前…人々の暮らしには2つの力が使われていたんだよ」
花丸「水、火、風…様々なエネルギーを半ば無限に生み出すことの出来る電気、それから場にある有機物を錬成し物質やエネルギーを生成する魔法」
花丸「魔法を使える人の事を、魔女って言うんだよ」
ミライ「魔女だね、記憶回路に登録したよっ!」
花丸「魔法を扱うことの出来る人間は少なかった。特別な力だからね。だから、魔法の存在はかなり羨ましがられたみたいだよ」
花丸「魔法を扱うことが出来る人は、電気がいらなかった。電気で出来る事は、全て魔法で出来たみたいだよ。そこで、ある決まりが作られたずら」
花丸「魔法を使う人間は電気を使ってはならない…」
ミライ「なんで使っちゃいけないの?」
花丸「魔法は、場にある有機物を錬成すると言ったね?そう、魔法は錬成に決められた物質が無いと望んだものを作り出すことが出来ないずら。だから、魔法で発生させたエネルギーはとても大きいけれど保存が出来ない。これが魔法の欠点」
花丸「例えるなら、魔法は雷ずら!雷はエネルギーは大きいけれど、今の技術だとそのエネルギーを保存出来ないんだよ。一瞬で消えてしまうからね」
花丸「でも、電気があれば、その唯一の欠点を補うことが出来る…」
ミライ「危険ってこと?」
花丸「そうずら。魔女が圧倒的な力を持つ可能性があったから」
花丸「だけど」
ミライ「けど?」
花丸「1人、ある魔女が決まりを破ってしまったずら…」
8
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:33:10 ID:K6jxXcfI
花丸「物好きな魔女が、興味本位でこっそり電気と魔法を融合させたところ…大きな事故が起こってしまった」
花丸「やがて、これを真似されては危険だからと…世界中で魔女狩りと呼ばれる迫害が始まったずら…」
ミライ「酷いね。他の魔女がかわいそう」
花丸「今も魔女はほんの少し子孫が残っているそうだけど…もうほとんどいないね。少なくともマルの周りにはいないずら」
花丸「そして、魔女狩りが終わったと同時に、エネルギーの統一化が一気に進んでいったんだ。電気にね」
花丸「これまで使われてた石油やガスといった燃料は一切使われなくなった。魔女を連想させるからと…」
花丸「そうこうして今に至るってわけ。だからミライちゃんの火は今はとっても珍しいんだよ」
花丸「だって、魔女以外は目にすることのないものだから…はい、マルのお話はこれでおしまい」
ミライ「花丸ちゃんは詳しいね」
花丸「ただ興味があったから本で読んだだけだよ」
ミライ「魔女…魔法…火…」
花丸「ミライちゃんみたいなアンドロイド自体はもう結構前から作られてはいたよ。でも、そのずっと前から火は使われなくなったずら…」
ミライ「ミライはレアモノなんだねっ!」
花丸「レアモノ?まぁいいや。あ!これだけは約束して!」
ミライ「何なにー?」
花丸「さっきみたいに、決して人前で火を出さないこと!いい?」
ミライ「わかったよ…決して人前で火を出さないこと、記憶回路に登録したよっ!」
花丸(バレたら大騒ぎどころじゃ済まないね…魔法を使うアンドロイドなんて)
9
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:35:47 ID:K6jxXcfI
花丸「あれから3日経ったけど…」
花丸「まだあのお客さんは来ないずら〜」
ミライ「お客さん?」
花丸「ミライちゃんをうちのお店に持ってきたお客さんだよ」
ミライ「ふ〜ん、早く来るといいねっ!」ニコ
花丸(笑顔が眩しい…多分人間のマルよりいい笑顔が出来るなぁ)
花丸「…?ミライちゃんどうしたの?」
ミライ「誰かなぁ…人が必死にこちらへ向かって走って来るよ」
花丸「えっ?人?いないずら」
ミライ「あ、来た」
花丸「うわっ!ホントだ!よく見えたね…流石アンドロイド…」
花丸「警察とあと1人…逃げてる女の子は何だろう?」
花丸「ん?警察じゃない…SCC?アンドロイドの型式番号と同じ…特殊機動隊!」
機動隊隊長「津島善子…多数の目撃情報、監視カメラ等の映像により魔女に認定…これより討伐する」
隊長「各員!戦闘配置!」
花丸「ずらっ⁉こんな街中で…」
善子「こっちは何もしてないじゃない!」
隊員「マキナ装填…」 チャッ...
善子「チッ!ならこっちも!」
善子「マキナっ‼」キィン
善子「出でよ…我がリトルデーモン!」ポシュッ
ポポポシュッ!
善子「アザゼル‼」ビシュッ!
10
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:37:22 ID:K6jxXcfI
あ、修正ミス
×アンドロイドの形式番号と同じ…
⚪︎アンドロイドの形式番号に似てる…
11
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:39:02 ID:K6jxXcfI
隊員「ぐあっ!」
花丸「あれは…ファンネル!」
ミライ「ミライ知ってるよ!それ、記憶回路に入ってる!」
花丸「初期のタイプが漏斗の形してたからそう名付けられたんだ。充電式の遠隔脳波コントロール装備ずら。マキナの中でもかなり歴史あるモノだよあれは…」
隊長「私が出る…残りは後に続け!」
善子「全滅させれば見せたって構わない…」
ガシヤッ!
カチッ...ブゥン
善子「冥土の土産に喰らいなさい!魔法とマキナの融合!」
善子「堕天使の微笑み〈アンジェロ・ソリッソ〉‼」
ドガァァアア!!
善子「ふん…塵と消えるがいいわ」
12
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:41:17 ID:K6jxXcfI
花丸(これが…魔法の威力…‼)
ミライ「すごかったね、あれが魔法かぁ」
善子「さて、そろそろ帰りましょ…
「こ〜らっダメじゃん暴れちゃ」
善子「まだいたの⁉誰よ!」
「魔女殲滅特殊機動隊隊長松浦果南!果南でいいよ」
善子「名前なんていいわ…今ここで死になさい!」
果南「もう、反抗期なんだから…」
善子「いけ、アザゼルっ‼」ポンッ!
果南「マキナの電気と魔女の魔法の融合かぁ面白いじゃん」
果南「電気なのに綺麗だね…ん、電気だから綺麗なのかなぁ」
パシュッ!
果南「おっと!危ない危ない」
バチィ...
果南「へー威力で色が違うんだ。ピンクが一番強いの?」
善子「うるさいのよさっきから!」
果南「図星だね。確かにあれはまともに当たったら終わりかも」
果南「だから、まだピンクにしちゃダメ」ヒュッ!
善子「きゃっ⁉」グィ
果南「つーかまえた♪」
善子「っ!離せ‼」
果南「離せって言われて離す馬鹿はいないよ」
果南「はい、大人しくしてな」クッ
善子「う、うがっ…」ガクッ...
果南「もしもし?あー私、魔女ゲット。今から帰るよ」
13
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:42:51 ID:K6jxXcfI
花丸「すごいずらぁ…あれが魔女の捜査官…特殊機動隊の実力…」
花丸「…⁉あれ?ミライちゃんは?」
ミライ「ねぇ、待ってよ!」
果南「何?私急ぎたくないのに急いでるから手短にね」
ミライ「その人は何か悪いことしたの?」
果南「さぁね、私は知らないけど、魔女を捕まえるのが私らの仕事だから」
ミライ「魔女がそんなに悪いっていうの⁉」
果南「知らない。はいどいたどいた」
ミライ「駄目だよそんなの…!」
果南「何?やるの?」
花丸「しっ失礼しましたー!」ササッ
ミライ「あっ花丸ちゃん!」
花丸「ダメだよミライちゃん!ミライちゃんまで魔女ってことにされて連れてかれちゃうよ?」
ミライ「そんなことより勝手な理由で、魔女だからって酷いことする方がダメだよっ‼」
花丸「ミライちゃん…」
花丸「マルには何が正しくて何が間違ってるのかは説明出来ない。でも」
花丸「あそこで果南さんに何しようとした?彼女を傷つけようとした?」
ミライ「わからないけど…多分、そうなったかもしれない」
花丸「それは、ダメだよ」
ミライ「ごめんなさい…」
14
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:44:04 ID:K6jxXcfI
花丸「………」
ミライ「………」
ミライ「ねぇ、花丸ちゃん」
花丸「何?」
ミライ「あのね、ま…いいや。なんでもない」
花丸「…?わかったよ」
花丸「そろそろお店閉めるから手伝ってくれる?」
ミライ「わかったよ」
ガラララ...
花丸「もううちくらいかな…シャッター人力で閉じるの」
15
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:45:22 ID:K6jxXcfI
果南「松浦只今戻りました〜」
ダイヤ「お疲れ様でした。他の隊員は?」
果南「え?知らないよ。見てない」
ダイヤ「っ…そんな筈ありませんわ!第2小隊を〈堕天使〉討伐に向かわせました!」
果南「ポカしておっ死んだんじゃない?」
ダイヤ「全くあなたは…!」
果南「人ごとみたいに言うなって?」
ダイヤ「わかっているのなら直しなさい‼」
果南「嫌だよ。自分の身は自分で守れなきゃ、SCCは務まらない」
ダイヤ「ですが…!」
果南「お説教聞きに来た訳じゃないから、もう寝るよ」
ダイヤ「あっちょっと!」
果南「おやすみ〜」バタン...
ダイヤ「……はぁ」
16
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:46:26 ID:K6jxXcfI
〜SCC(魔女対策本部)〜
ダイヤ「今日の被害は?」
職員「特に目立つものはございません!」
ダイヤ「わかりました。最近動きが活発になってきているため対策の強化を」
職員「はいっ!」
ダイヤ「魔女狩りで一度は絶滅したかのように思われていた魔女…」
ダイヤ「何故今になって突然出てくるというのでしょうか…」
職員「お疲れ様です」ペコ
ダイヤ「お疲れ様です。松浦は?」
職員「トレーニングかと…」
ダイヤ「わかりました、ありがとうございます」
17
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:47:44 ID:K6jxXcfI
ダイヤ「果南さん!」
果南「おーお疲れ」
ダイヤ「どれだけ自由行動をとれば気が済むのですか!」
果南「また戦闘になったら呼んでよ」
ダイヤ「そういうわけにはいきませんわ!」
果南「だって私が一番強いんだよ?私主体で動いたっていいじゃん」
ダイヤ「それ、本気で言っていますの?」
果南「…そんなわけないじゃん」
果南「たまにはダイヤも力抜けって言いたいだけだよ私は」
ダイヤ「勝手な言動を!」
果南「堅すぎる組織は内側から壊れるのが相場で決まってんだよ」
ダイヤ「…わかりましたわ。考慮します」
果南(しないなこれは…)
ダイヤ「ですが、あなたも少しは真面目に職務をこなしてくださいね⁉」
果南「わーかってるって」
果南「相変わらずだなぁ…へへ」
18
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:48:52 ID:K6jxXcfI
果南(魔女…電気とは違うベクトルの、無限のエネルギーを操る者たち)
果南(禁忌を犯した者たち…)
果南(私たちは知らない…当時の様子を。だからこうして何の意識もなく魔女を討伐し、捕獲する)
果南(良いことなの?悪いことなの?)
果南(そもそも魔女は…
果南「あぁぁあああ私のクセに考え過ぎ‼」
果南「本能に生きてればいいんだよ。人間なんて…」
果南「あ、そうか」
果南「本能に生きたからあんな風に成り下がったんだね…なんて」
19
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:50:18 ID:K6jxXcfI
ミライ「何してるの〜?」
花丸「片付けだよ」
花丸「ミライちゃんを起動させた時のままほったらかしだったから」
ミライ「そっか、じゃあミライは掃き掃除するよっ!」
花丸「お願いずら」
花丸「…ん⁉」
花丸「あちゃーミライちゃんのマニュアルかな?こんなところにあったずら…」
花丸「どれどれ?Il futuro stile…⁉︎これは!」
花丸「ミライちゃん専用のマキナの設計図⁉」
ミライ「どうしたの?」
花丸「なっなんでもないよ!」
花丸「な、内容は…!」ペラ...
20
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:51:38 ID:K6jxXcfI
HK-083 ミライ
機械〈マキナ〉
・頭部…ファンネルジャック
脳波コントロール系機械全てを無効化し、外敵へ送り返します
・右腕…クアトロコンバータ
炎、氷、風、光の魔法を電気融合させエネルギーに変換します
・左腕…ハイドロエクスプロージョン
魔法により物質を生成、爆発させます
・両脹脛…エクスパンションバーニア
両脚に内蔵されているバーニアを展開し移動速度が格段に向上します
・両脚裏…スタビライザー
バーニアを展開させて移動する時の姿勢を管制します
・背部…オールオプションハンガー
予備の機械を2点取り付け出来ます
21
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:52:42 ID:K6jxXcfI
花丸「これ、マキナの設計図なんかじゃない…」
花丸「ミライちゃん自身がマキナで構成されているんだ…!」
花丸「どれもこれも、オーバースペックにも程があるよ。活動エネルギーは両腕から作り出すから永久に稼動するし、背中のオプションハンガーは何これ⁉」
花丸「予めマキナを複数運用されていく事を想定していた⁉だとしたら、ううん、だとしなくても…」
花丸「ミライちゃんは…アンドロイドの形をした、兵器ずら…」
ミライ「ふんふふ〜ん♪ほぇ?花丸ちゃん難しい顔してどうしたの?」
花丸「なっなんでもないよ⁉よ〜しお腹空いてきたしご飯にするずら〜!」
ミライ「おっそれならミライが手によりをかけて作っちゃうよっ!」
ミライ「料理っ料理っふっふふっふふん!」クルクル
花丸(こんなにいい子が兵器だなんて…)
花丸(ミライちゃんを戦闘に利用なんて絶対させない…!)
花丸「絶対に…」ボソ
ミライ「んっ?何か言った?」
花丸「あれ?何も言ってないよ」
ミライ「ミライは耳がいいよ。でも無理には聞かないからね」
花丸「…?」
22
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:54:04 ID:K6jxXcfI
〜SCC魔女収監場〜
ガチャガチャッ!!
善子「出して!出してよ〜!ん〜!出せっ‼」 ガシャガシャン!
果南「あ〜うるさいなぁ、出てどうするのさ」
善子「逃げるのよ!こんなカビ臭いとこから!」
果南「カビ臭い?そっか悪かったね。後で脱臭炭持ってきてあげるよ」
善子「えっ本当?」
果南「うん、いいよ」
善子「あ、ありがとう…」
果南「なんだ、お礼くらいはしっかり出来るじゃん」
善子「うっうるさい!」グゥ-
善子「ぐっ…笑うな!」
果南「笑ってないけど?ふっお腹空いてんだ」
善子「やっぱ笑ってるじゃない!ふんっ!」
果南「あんた魚好き?」
善子「ま、まぁそれなりに好きよ?」
果南「ん〜…よっしゃ!」
善子「はぁ?」
果南「ちょっと海行ってくる。待ってな、美味しいもの食べさせてあげるから」
23
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:55:34 ID:K6jxXcfI
善子「海⁉ここから遠いんじゃ…」
果南「なに、施設出てすぐだよ」
善子「えっそうなの?」
果南「そうだよ、敢えて海の近くに建てた。収監した魔女があまりに暴れる時は檻ごと海に捨てるためにね」ニヤ
善子「ひっ⁉や、やっぱすぐ逃げてやるわ!どうせこのまま時間経ったら海に捨てるんでしょ⁉」
果南「それはないよ。てか仮に檻から出てどうするの?ここ出た外には有刺鉄線に高圧電流流してるからあんたなんかぐちゃぐちゃだよ。文字通りのミンチになっちゃうよ?まぁそうなったら私が食べてあげるから♪」
果南「あ、食べるのは肉じゃなくて脳みそだよ。人間の脳は白子みたいな味がして美味いんだよ?」ニヤリ
善子「いっ嫌ぁぁあああ‼外道!鬼畜‼サイコパスよこいつ‼」
果南「バカだね嘘に決まってるじゃん」ケラケラ
善子「もう…やめなさいよ、そういうの」
果南「さて行ってくるか。期待してなよ。この場で捌いてあげるから」
果南「あんたをね」クス
善子「だからぁ〜怖いって〜‼」
24
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:56:48 ID:K6jxXcfI
ダイヤ「果南さん、どこへ行きますの?」
果南「釣り。釣れなかったら潜ってくる」
ダイヤ「ちゃんと出動命令が来たらすぐに向かえるようにしてくださいね⁉」
果南「ハイハイ…ったく小煩い姑みたいなんだから」
ダイヤ「何か言いましたか⁉」
果南「なんでもないでーす」
ダイヤ「そういえば果南さん、備え付けのお菓子が1つ無くなっていましたが、知りませんか?」
果南「知らないよ。私だったら全部食べてる」
ダイヤ「確かにそうですわね…ってこら‼」
ダイヤ「果南さんが知らないとなるとつまみ食いをする人なんて…」
果南「あっ…!」
果南「先輩だよ!先輩が来てるんだ‼」
ダイヤ「あの方が?一応後で連絡を取ってみますわ」
果南「絶対そうだよ!ふふっ嬉しいな…」
ダイヤ「しっかり時間決めて戻ってきてくださいね?」
果南「もちろん!」
25
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 00:57:41 ID:K6jxXcfI
SCC職員「すいませ〜ん!」
「は、はいっ!」
SCC「桜内梨子さんですね?」
梨子「…!」ドキッ
そ、そうですが?」
職員「突然の訪問ですみませんが、この辺りで魔女を目撃したことはありませんか?」
梨子「な、ないです!生まれてこのかた‼」
職員「そうですか、ご協力ありがとうございました」
梨子「は〜い…」バタン
梨子「ふぅ〜もうダメかと思った…」
梨子「よっちゃんから連絡来ないなぁ…今何してるんだろう」
梨子「SCCに捕まってないといいんだけど…」
26
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:03:24 ID:K6jxXcfI
ザザ...
果南「ん…」
果南「釣れないなぁ〜」
果南「よし、潜るか!」パサ...
『その人は何か悪いことしたの?』
『魔女がそんなに悪いっていうの⁉』
果南「うるさい…!」
『駄目だよそんなの…!』
果南「やめてよ…私だって悪くない‼」
果南「はぁ…やめた。今日はもう戻ろ」
果南「期待してなって言ったのに…駄目だね私」
27
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:10:29 ID:K6jxXcfI
果南「おじさーん」
魚屋「おお、果南ちゃん!」
果南「魚ちょーだい」
魚屋「あいよ!何にする?」
果南「なんでもいいよ。なんか捨てるのない?」
魚屋「そこにあるの好きなの持ってきな!」
果南「へぇ結構あるじゃん。じゃあコショウダイとホウボウもらうね」
魚屋「おう!じゃんじゃか持ってけ!」
果南「ありがと。また来るよ」
魚屋「いつでも来な!」
28
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:13:01 ID:K6jxXcfI
〜魔女収監場〜
善子「あ…」
果南「ただいま〜はい活性炭」
善子「本当に用意してくれるのね…ありがと」
果南「私は嘘はつかないよ」
善子「いやそれがもう嘘でしょ」
果南「あはは…あ、これね」
善子「わぁ…」
果南「魚。捌くとこみたい?」
善子「うん。見たことないわ」
果南「それなら、中々新鮮な絵面かもね…」スッ
スゥ...
善子「手際いいじゃない」
果南「まぁもう慣れっこだよ。小さい頃から人生の一部」ザンッ
果南「はい、完成♪」
善子「す…すごいじゃない!」
果南「えっ…」
善子「私あんたのこと舐めてた。今ちょっと感動したわよ!すごいわね」
果南「なっ何言って…そもそもあんた一瞬で私に捕まったじゃん。舐めんじゃないよバカ」
善子「照れてる?」
果南「ちょっとね。日頃あんま褒められないから結構嬉しかったりして」ニコ
善子(変なとこ素直…)
善子「ね、ねぇ…次は…
ピリリリ...
果南「あ、召集かかったからもう行くから」
善子「待って!」
果南「ダメ。私は仕事の延長であんたの相手してるだけだから」
果南「だけど、まぁ」
果南「次来ることがあったらその時は善子って呼んであげるよ」
善子「約束よ!」
果南「はーい」
善子「絶対だから!」
29
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:15:08 ID:K6jxXcfI
ダイヤ「想定よりは早かったですね」
果南「まぁそうそう迷惑ばっかかけられないよ」
ダイヤ「そうですか。いい心がけですわ」
果南「ねぇ、ダイヤ…」
果南「捕まえた魔女ってどうなるの?」
ダイヤ「私は詳しくは知りません。しかし上の方が言うには、ほとんどが焼殺されるそうですわ」
果南「えっ⁉」ガタッ
ダイヤ「どうしたのです?」
果南「あ、いやなんでもないよ…」
果南「それより、召集したのは?」
ダイヤ「ええ、実は〈堕天使〉の住んでいた近くに他の魔女もいるのでは、と捜査をしているのですが…」
ダイヤ「それらしき住居は見つけたものの、未だ魔女だという決定的な証拠が掴めていないのですわ」
果南「なるほど、それで私に捜査の協力ってことだね」
ダイヤ「話が早くて助かりますわ」
果南「場所教えて」
ダイヤ「その必要はありませんわ。こちらで現場周辺まで送りますので」
果南「はーい」
ダイヤ「では、くれぐれもお気をつけて」
果南「………」
果南(善子も…焼かれるのかな)
果南(それはちょっと嫌だな…)
果南「胸糞悪いじゃん…そんなの」
30
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:16:55 ID:K6jxXcfI
〜シャッター通り・リサイクルショップ〜
花丸「この街も寂れてきたなぁ…」
ミライ「お店の三分の一が閉まってるんだって!」
花丸「だろうね。閉まったのはどこもこの電気エネルギー統一化時代についてこれなかったお店ずら…」
ミライ「でもミライはこの街好きだよ…あっここ以外行ったことなかった!えへへ…」
花丸「…!そっか!じゃあ今度他の都市にも行こうか」
ミライ「本当⁉やったーーっ‼」
ミライ「お出かけお出かけ嬉しいな〜♪」ルンルン
花丸「あーそっち人来てるよ!」
ミライ「えっ?」
ドンッ!
ミライ「わあっ⁉」
梨子「きゃっ!」
ミライ「ご、ごめんなさい!」スッ
梨子「いえ…私も不注意でした」グッ
ミライ「お客様かな?」
梨子「あ、いえ…私は…」
花丸「ご迷惑をおかけしてすみません!他のお客さんもいないので、お茶でもどうですか?」
梨子「いいんですか?」
花丸「はい!」
梨子「ではお言葉に甘えて…」
ミライ「やった!お客さんだよっ!」
31
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:18:51 ID:K6jxXcfI
梨子「………」キョロキョロ
梨子「これが電気のある生活…」
花丸「どうかしましたか?」
梨子「あっなんでもないです!」ビク
ミライ「ゆっくりしていってね!」コト
ミライ「お茶、どうぞ」
梨子「あ、ありがとうございます!」
梨子「いただきます…」ズズ...
梨子「あったかい…」
ミライ「美味しい?」
梨子「はい!とても美味しいです!」
ミライ「本当⁉よかった!今日はミライが淹れたんだよっ!」
花丸「お客さんはこの辺りに住んでる方ですか?」
梨子「あ、はい、一応…」
ミライ「…?」スンスン
ミライ「花丸ちゃん!今日のお客さんね、この前嗅いだ香りがするよ!」
花丸「えっ?この前嗅いだ…?」
ミライ「ほら、ミライが怒られちゃった時の…」
花丸「えーいつの事ずら?」
ミライ「あの日だよ!SCCの人が魔女連れてっちゃった日!あの時の匂いだよ!」
梨子「それ、本当ですか⁉」
ミライ「えっ?本当だよ?」
梨子「どんな魔女でしたか?」
花丸「なんかマキナが翼の形で…あれはファンネル射出型だったかなぁ…どうしました?」
梨子「あ、あの…」
ミライ「あ、わかった」
ミライ「お客さんも魔女だよね」
花丸「…⁉」
32
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:21:00 ID:K6jxXcfI
梨子「…‼ど、どうして…」
花丸「本当なんですか?」
梨子「っ…はい」
ミライ「へぇ〜だからか…毎日大変そうだね。心拍数が乱れてるよ」
ミライ「とりあえず落ち着こうよ、ね?」
梨子「あなたは…?」
ミライ「私はミライ!アンドロイドだよっ!」
梨子「ミライさん…」
花丸「ついでに私はこのリサイクルショップの店長の花丸です。因みに店員はミライちゃんだけずら…」
梨子「私は梨子。実は最近行方がわからなくなって友達を探してるの!」
花丸「多分そのお友達があの…」
ミライ「羽の子だね」
梨子「間違いない…よっちゃんだ…!私の友達です!」
花丸「そっかぁ…これはちょっとマズいずら」
ミライ「助けに行かなきゃだね!」
梨子「はい!でも、どうしたらいいか…」
花丸「う〜ん…」
花丸「マルたちは、魔女の味方ではないし、SCCの味方でもない」
花丸「だから…やれる事は限られるけれど、これも何かの縁だし、なるべくお友達を助ける為の手伝いはしてあげたいな」
梨子「本当ですか…!」
ミライ「困った時は助け合い、だよっ!」
梨子「ありがとうございます!」
33
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:23:25 ID:K6jxXcfI
花丸「しばらくはうちにいれば大丈夫だと思うけど…」
梨子「何から何まですみません」
花丸「梨子さんは普通にしてればいいずら。捜査官が来たらマルが応対するから」
ミライ「ね、ねぇ!言ってるそばから!」
花丸「来た…!」
??「突然すみません、私はSCCの捜査官です。現在、魔女の捜査でこの街の皆さまにご協力いただいてまして…」
??「魔女やその疑いのある人物の目撃情報などはございませんか?」
花丸「えー特にありませんね」
??「わかりました。ご協力ありがとうございます。もし魔女を確認しましたら是非こちらへご連絡ください」スッ
花丸「は、はぁ…」
??「最後に一応言っておきますが」
??「魔女の隠匿は重く罰せられますよ…」
梨子「…!」
??「では、またよろしくお願いしますね」
34
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:25:34 ID:K6jxXcfI
梨子「もしかして…私の存在を知ってて…⁉」
花丸「ううん、そんな事はないはず!第一魔女はパッと見てわかるほど一般人と違いはないし…恐らくハッタリだよ」
ミライ「あのね…」
花丸「んっ?」
ミライ「ミライ、このままじゃいけないと思うんだ。だって、さっき行ってたお友達はこっちが待っていてもきっと戻ってこれないよ」
花丸「そんなはっきり言わなくても…!」
梨子「ええ、その通りよ…」
花丸「梨子さん…」
梨子「私が、動かなきゃ」
ミライ「そうだよ!動かなきゃ!言ったでしょ?可能な限り協力するって!ミライも絶対手伝うから…お友達と会わなきゃ!」
花丸「何か策はあるの?」
ミライ「本部へ侵入する」
花丸「…⁉それは無理ずら!いくらなんでも…向こうは特殊機動隊だよ?戦闘になったらまず勝ち目はない!」
梨子「私が囮になるよ…だからその間に…」
花丸「それはリスクが高すぎて…
梨子「友達のためです。やらせてください‼︎」
35
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:27:41 ID:K6jxXcfI
〜SCC本部〜
ダイヤ「本社は何のご用件でしょうか?」
ミライ「施設の中を見学したいなと…」
ダイヤ「申し訳ありませんが、現在魔女対策本部は非常に立て込んでおりますので、またの機会にお越しください」
ミライ「そこをなんとか…!」
ダイヤ「これ以上無理を言うのであれば、業務妨害及び魔女の疑いとして身柄を確保することになります。またその際安全の保証が出来なくなりますがよろしいでしょうか?」
ミライ「むむむ…」
「通してもいいでしょう、今のところ害はなさそうですよ」
ダイヤ「先輩⁉どうして…」
海未「お手数をおかけして申し訳ありません。対災害級脅威燼滅班・soldatoの園田海未です。以後宜しくお願いします」
ミライ「よろしくお願いしまっ…あー⁉」
海未「昨日、お会いしましたね」ニコ
花丸「ええ…」
花丸(これは想定外!梨子さんのことは知ってる…?)
ミライ「いいの?入って!」
海未「ええ、どうぞ」
ダイヤ「海未さん…」
海未「心配はいりませんよ」
36
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:29:16 ID:K6jxXcfI
ミライ「へぇ〜外見通り中も広いんですね!」
ダイヤ「以前処分に困っていた災害対策本部を我々の組織が丸ごと買収しまして」
ダイヤ「おかげさまで低予算ながらこのように広々とした素晴らしい空間になったのですわ」
ミライ「魔女がいない時って何してるんですか?」
ダイヤ「魔女の対策として配備された部隊は一部、救助隊を兼ねていますから、家事等の緊急時は消防に替わって出動することもあります」
花丸「初めて知りました」
ダイヤ「ええ、あまり表には浸透していない我々の活動の一環ですので」
花丸「確保した魔女の処分について…
ヴ-ヴ-
ダイヤ「魔女の魔法を確認!信号は赤!ほぼ確定ですわ!」
ダイヤ「1番隊、出動してください‼」
海未「ダイヤ、ここは任せます」
ダイヤ「えっ⁉海未さんが…?」
海未「たまには生の魔法を見てみたいものですから…」
海未「soldato…園田海未、出ます」
花丸「行っちゃった…!」
花丸(魔女って誰のことかな…梨子ちゃん大丈夫かな…)
37
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:31:38 ID:K6jxXcfI
「魔法の使用を確認!」
「マキナの発動を許可!捕獲対象を発見せよ!」
「はっ!」
梨子「はぁ…はぁ…」
梨子「これで時間は稼げるはず…!」
梨子「あとは2人が上手くよっちゃんを出してくれれば…っ⁉」ガッ
梨子「きゃっ!」ドテッ
梨子「痛…」
梨子「こんなもの、なんともない!こんなところで止まってられない…‼」
梨子「幸い大した捜査官はいないみたいで良かった…」
「大した捜査官でなくてすみませんね…」ヒュッ!
梨子「わっ⁉だ…誰?」
海未「対災害級脅威燼滅班の園田です。こう見えてSCCで最も強いですよ?まぁ…名前だけ覚えておいてください」チャッ
梨子「私は…私はもう!一人で戦えます‼」
海未「いい面構えになりましたね。正々堂々勝負しましょうか」フッ...
梨子「魔法、電気融合!マキナ起動!」ピロン♪
梨子「隠し属和音〈ドッペルドミナント〉‼」
梨子「敵を穿て…魔法の旋律!」ピキュン!
海未「むっ」
ザンッ!!
海未「本気でやりなさい」
梨子「なっ…⁉」
梨子「全く…効かな…」
海未「タイムは次で最後ですよ」
梨子「っ…!まだまだ!」
38
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:36:38 ID:K6jxXcfI
梨子「マキナ分離っ!」バシュウ
梨子「月の光〈ドビュッシー〉!」カッ!
海未「閃光ですか…小賢しいですね」
梨子「もらった!」
梨子「あれ?どこへ…ゔっ⁉」ドゴッ
梨子「けほっ…あっ…」
海未「視覚のみに頼るから、次を想定出来ないのですよ、あなたは」
海未「戦いとは常に二手先を考えるものです」
海未「全く残念ですね…折角こちらから猶予を与えたというのに…」
海未「あなたなんてこれで十分ですっ」パッ
梨子「木刀…?」
海未「マキナ起動…」キィイン
海未「喰らいなさい…末代の光〈イシカホノリ〉」ザンッ...
梨子「んっ…‼」ガキンッ!
海未「1発目は防ぎましたか、やりますね。ですがあと99発来ますよ」
梨子「受けきれなっ…」ドドドドドッ!!
シュウ...
梨子「かはっ…」
海未「幾ら丈夫な魔女といえど、あまり血を吐き過ぎると身が持ちませんよ」
梨子「ま……れ…」
梨子「っ……」ドサッ...
海未「手ごたえ、無しです」ブンッ
ガッ...!
39
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:37:51 ID:K6jxXcfI
海未「また貴女ですか…」
「またって何よ、別にそう何度も邪魔してないでしょ?」
海未「こちらの活動に支障が出ます…ほどほどにしてください」
「昔からの縁ってことで見逃して」
海未「はぁ…忠告だけしておきます」
海未「貴女は電気にしかなれませんよ」
「そんなのわかってるわよ、じゃあね」
海未「ズルい人です…」
40
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:39:12 ID:K6jxXcfI
職員「大変です!」
ダイヤ「何ですの?お客様がいらっしゃるのですから、静かにしてください」
職員「現場から複合信号がっ‼」
ダイヤ「…?」
職員「とにかくこれを…!」
ダイヤ「救援要請と捕獲報告が同地点に?どういうことでしょうか…」
職員「直ちに向かいましょう‼」
ダイヤ「ええ、わかりました」
ダイヤ「申し訳ございません、しばらくここでお待ちいただけますでしょうか?」
花丸「もちろんです。待機していればいいんですよね?」
ダイヤ「助かります。なにかとご不便をおかけしますが、ご理解ください」
ミライ「ミライもここにいまーす!」
ダイヤ「では私は現場へ向かいますので!」
花丸「大成功ずら…!」
ミライ「すごーい!どうやったの?」
花丸「後でね」
41
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:40:03 ID:K6jxXcfI
花丸「急いで収監場へ向かうよ!」
ミライ「よしっそれならミライの出番だよっ!」
ミライ「ミライの〜お役立ちマキナ発動!」
ミライ「両足のマキナを展開します」ガコン
ミライ「フルバーニア‼」ゴォオオ!!
ミライ「花丸ちゃん、掴まって!」
花丸「ほいきた!」ガシッ
ミライ「いっくよー!」ギュィイイイン!!
花丸「速いずら〜!」
42
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:42:09 ID:K6jxXcfI
ゴォオオ...フッ...
ミライ「到着だよっ!」
花丸「ねえミライちゃん」
ミライ「何ー?」
花丸「約束して、マキナはこれだけにするって」
ミライ「はーい!」
花丸「それじゃあ善子ちゃんだっけ?梨子さんのお友達のとこ行くよ」
ミライ「ういっ!」
花丸「どこー?」
花丸「善子ちゃーん?」
善子「ヨハネよっ!」
ミライ「顔認証システム作動…」ピピッ
ミライ「輪郭、虹彩共に写真と一致しました」
ミライ「OKビンゴ!」
善子「何なのあんた達…⁉」
花丸「梨子さんの頼みずら。マルのことは花丸って呼んでほしいな」
善子「わかった。じゃあズラ丸」
花丸「ガーン⁉ズラ丸って…ま、いっか」
ミライ「えーとこうして」ガチャガチャ
ミライ「開いたよっ!」
善子「ありがとうっ!助かったわ!本当にありがとう!」
花丸「うんうん、よーし帰ろ…
ミライ「危ないっ‼」ギュン!
ゴンッ!
花丸「あわわ…間一髪…!」
果南「あちゃー外したか」
善子「松浦っ‼」バッ
43
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:46:04 ID:K6jxXcfI
果南「果南って呼んでほしいな〜」
果南「善子…悪いこと言わない、このまま檻にいな」
善子「ふっふざけんじゃないわよ!」
果南「あんたの方こそふざけんじゃないよ!今生き急いで何があるの?何もないでしょ!どうせ近い将来、魔女は全滅になるよ!」
善子「はっ⁉」
果南「仮にここを抜け出した場合ね…私は確信してる」
善子「どういうことよ⁉」
果南「今本部は攻防最強の布陣だよ。大量の捜査官に私の尊敬する最強の先輩や、局長のダイヤ、それに私…突破出来るわけがないじゃん!」
果南「それなら…大人しくここで処分として解放されることを願った方がずっといいよ…」
善子「どうして…どうして捜査官、ましてや特殊機動隊のクセにそんなに私に肩入れるのよ‼」
果南「大事だからだよ」
果南「善子のことが…」
善子「果南…?」
果南「やっと果南って呼んでくれたね」ニコ
果南「私結構適当な人間だからさ、何かしらバカやっちゃうんだよ」
果南「それだから、いつも怒られた記憶しかないの」
果南「あんたさ…私と会って日も浅いのに目一杯褒めてくれたよね」
果南「いつも一緒にいる人ですらロクに褒められた事なんてないのに、こんな知らない人間、しかも魔女に褒められるなんて…変な話だけど、心底嬉しかったよ私は」
善子「たったそれだけで…⁉」
果南「善子にとっては小さいことかもしれないけど、私にとっては代え難いくらい大きな要素なんだ。私という個を確立している中ではね」
クルッ
果南「そこの2人、どういう因果で再開したのか全くわからないけど、善子にここにいるよう説得してくれない?」
花丸「無駄だよ」
善子「その通り」
果南「はぁ…」
果南「あんた達に…明るい未来があることを祈っといてあげるよ」キィ...
44
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:47:24 ID:K6jxXcfI
花丸「急ぐよ!」
善子「道わかってる?」
花丸「もちろん、全部覚えてきたから心配いらないずら」
タッタッタ...
果南「行っちゃった…」
果南「先輩とは会えないし善子は行っちゃうし、つまんないの」
果南「はぁ…」
果南「なんでみんな…いつもいつもすぐに私の元からいなくなっちゃうのかなぁ…」
45
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:49:54 ID:K6jxXcfI
ダイヤ「只今戻りましたわ」
ダイヤ「おかしいですわ…信号の元へ向かったはずが、何もありませんでした」
果南「そっご苦労だったね」
ダイヤ「あら?お客様がいらっしゃらないようですが…」
果南「勝手で悪いけど、混乱してたから帰したよ」
ダイヤ「そうでしたか…まぁそれが正解でしょう」
果南「………」ムスッ
ダイヤ「どうしたのです?」
果南「もっと…もっと私に構ってよ!仕事だけの付き合いしかないなんて…寂しいじゃん」
ダイヤ「…?」
果南「もういい!」
ダイヤ「いいものですか!」
ダイヤ「普段は落ち着きのる分、冷静さを欠いたあなたはひどく幼いです。思考も行動も…」
果南「子供でいいっ!馬鹿でいいよ…でも私は内面まで強くはないから、何かにすがりたいんだよ」
ダイヤ「そうですか…わかりました」
ダイヤ「あなたとはそれなりに付き合いが長かったはずですが、思っていた以上にあなたの事を知りませんでしたわ。すみません」
ダイヤ「私は…今夜暇ですわよ?」
果南「ごめん。面倒な女で…」
ダイヤ「そんなことありませんわ」クスッ
46
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:51:43 ID:K6jxXcfI
??「流石に1人で運ぶのは結構しんどいわね…」
??「よいしょ…さっ起きなさい」ドスッ!
梨子「ッ…‼ゲホゲホ…あ……わ…」
真姫「私は真姫。あなたの命の恩人、になる予定よ」
梨子「……」ガクガク
真姫「(話せないか…)とりあえずモルヒネ打つわね」ブスッ
梨子「っ〜‼」
真姫「こら暴れないの」
梨子「…はぁ…はぁ」
真姫「喋れそう?」
梨子「は…はい」
真姫「とりあえず先に言っとくわ。今のあなたの状態を見たところ、助かる確率はフィフティーね。覚悟はいい?」
梨子「はい」
真姫「あなた、血が足りないのよ。誰かくれたらまぁ100%間違いなく助かるわね。今はちょっと場所が悪いわ」
梨子「ここ…どこですか?」
あなたたち魔女の住んでる地域あるでしょ?あの辺りの地下よ。入り口は限られた人しか知らないし、仮に見つけても入り方知らないとまずここに入れない」
真姫「だからここへ来た人は面識なくてもある程度信頼はおけるわ」
梨子「すみません、眠たくなってきました…」
真姫「あら…仕方ないわ。頃合いね、始めるわよ。どうする?部分麻酔か全身麻酔か。部分麻酔なら天才マッキーの手術を生で見られるわよ?」
梨子「……」ガク
真姫「落ちたわね。全身麻酔でいきましょ」
47
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/09/07(金) 01:53:30 ID:K6jxXcfI
真姫「パックの代替血液が切れそうね。こんな時に限って運が悪いわ」
真姫「リミットは5時間…まぁ誰かに頼めば十分時間ありそうね」
真姫「ホント、魔女は魔女の血を輸血しないといけないっていうのが面倒なのよ…」
真姫「適当に魔女に繋がりそうな人をあたってみましょ。誰がいいかしら…」
真姫「全く魔女の治療で血が足りないなんて…海未ももう少し手加減したっていいのに…」
真姫「あ、もしもし…?私よ」
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