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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅢ
1
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/08(日) 20:01:09 ID:MpPLDqrU
安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(PartⅩⅩⅡ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1501931181/
前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1496660857/
前前前スレ(PartⅩⅩ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1491735745/
前前前前スレ(PartⅩⅨ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1487495156/
前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/
56
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/11(水) 20:57:12 ID:Mm4l25hM
英玲奈「そうか、戻ってこいダストボックス!そこにいると危険だ!」
ダストボックス「分かった!」
タタタタッ
生徒A「ああ、善子……」
生徒B「ああ、真姫さん……」
生徒ズ「ああああああああ……」
ズズズズズズズズズズ
英玲奈「……っ」
寿限無(2人が消えたのを察知したのか、生徒たちが私たちの方向へノロノロとゾンビのように歩き始める)
ダストボックス「どうする?このままだと再び囲まれるのがオチだ」
ダストボックス「後ろには停車したデンライナー、前には生気のない生徒の群れ」
ダストボックス「一度デンライナーに戻るか群れを飛び越えて向こう側の音ノ木坂跡に入ってしまうか」
ダストボックス「もしくは何らかの対処をするか……」
英玲奈「そうだな、
>>57
」
57
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/11(水) 20:58:18 ID:e0NKwSXs
この段ボールを被って潜入開始
58
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/11(水) 22:16:45 ID:Mm4l25hM
英玲奈「このダンボールを被って潜入開始だ」
ダストボックス「ダンボールか、確かに傭兵訓練所で習った潜入方法だな」
寿限無『どんなこと習ってんのよ……』
英玲奈「デンライナーは私の能力維持のために一旦消しておく」
シュンッ!
ダストボックス「いいのか?退路が無くなるぞ」
英玲奈「良いんだ、必要になれば再召喚すればいいし、ここからはなるべく異能の匂いをさせずに潜入に専念したいからな」
英玲奈「貞子も一旦デンオウへの変身を解除しておけ、潜入するだけなら寿限無のほうが向いている」
貞子寿限無「りょうかいしたわ」
キュィィィィンッ
パッ!
寿限無「ふぅ……やっと戻った」
貞子『ワタクシはあなたの中に憑いてるけど……』ボソッ
寿限無「おおおっ!?」
寿限無(なんだ……こいつは離れてないのか、びっくりした)
59
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/11(水) 22:17:13 ID:Mm4l25hM
英玲奈「寿限無、コントロール権が貞子に無くても変身はできるしデンガッジャーも使える」
寿限無「デンガ……このロッド型の武器のことね」
英玲奈「それと、ビデオロッドに封じたマッキーとヨハネは切り抜けるまでしばらく出さないほうがいい」
英玲奈「何故かは分からないが、生気のない生徒たちはあの2人に異様な反応を示しているからな」
寿限無「おっけー」
英玲奈「ではここからの先導はプロに任せよう、頼めるな?」
ダストボックス「ああ……任せておけ」
ザッ
寿限無(ダストボックスが一歩前へ、そして足元の石を取り明後日の方向へ投げる)
ビュンッ!
生徒ズ「……?」
寿限無(生気のない生徒たちの視線がその石に奪われた瞬間――――)
ヒュッ!
ドォォォォォォォンッ!!!!
寿限無(目の前の地面が爆発して積雪していたAASが煙幕のように舞い上がった)
60
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/11(水) 22:17:35 ID:Mm4l25hM
ダストボックス「……中々の威力じゃないか、気に入ったぞ鞠莉」
寿限無(一瞬だったけど私の目にはハッキリと見えた)
寿限無(ビームだ……ダストボックスの義足から地面に向かってレーザービームが発射されたんだ)
ダストボックス「ほら、被っておけ」
ストンッ!
寿限無「わっ!」
寿限無(雪の煙幕の中、続いてダンボールが降ってくる)
寿限無(ダストボックスが超速で組み立てて放り投げて来たんだろう、それにしても手際が良い……)
ダストボックス「良いか?先頭のダンボールが私、その後に英玲奈、最後尾に寿限無だ」
ダストボックス「ダンボール3つで隊列を作る、送れるなよ」
寿限無「え、ええ……」
寿限無「そうだ……1つ聞きたいんだけど、このダンボールは普通のダンボールなの?」
英玲奈「ん?こいつは
>>61
」
61
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/11(水) 22:20:17 ID:LETRvL2U
防水機能と音楽プレーヤー機能付き
62
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/11(水) 22:55:53 ID:Mm4l25hM
英玲奈「防水機能と音楽プレーヤー機能付きだ」キリッ
寿限無「前半は良いと思うけど後半は必要なの……?」ボソッ
ダストボックス「無駄口はここでお終いにしておけ、行くぞ」
寿限無「う、うん」
ザッ ザッ
ザッ ザッ
寿限無(舞い上がった雪の煙幕の中、ダストボックスを先頭に身を屈めて進む)
寿限無(周りには多数の生徒がいるにも関わらず、誰にもぶつかる気配は無い)
寿限無(それはつまり……先頭にいるダストボックスが確かなルートを選んでいるということ)
寿限無(数センチ先のダンボールがギリ見える程度、殆ど視界ゼロの状態で、しかも私のように能力に頼った強化があるわけじゃない)
寿限無(自分の培ってきた経験だけであれだけの人数の場所と行動パターンを完璧に把握している)
寿限無(異能者さえ圧倒する無能力傭兵集団、お掃除サービスの最強格と言われるだけはあるわね……)
ザッ ザッ
英玲奈「今どのくらいだ?」
ダストボックス「おそらく校門は抜けて敷地に入った辺りだ」
ダストボックス「どこにアルパカが潜んでいるか分からない、気を付け…………」
ピタッ
ダストボックス「……なに?」
英玲奈「どうした?」
寿限無(前2つのダンボールが足を止めた、何かあったのかしら)
ダストボックス「これは……
>>63
」
63
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/11(水) 23:28:24 ID:RmJUU.Zw
カロリーメイトだ
64
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 00:03:58 ID:qENEJSpI
ダストボックス「カロリーメイトだ」
寿限無(ん?カロリーメイト?)
ダストボックス「……美味い!」
寿限無(食べちゃったの!?)
ダストボックス「こっちにもあるな……おぉ!あっちにも!」スッスッ
英玲奈「おいダストボックス!隊列を乱して勝手に動くな!」スッスッ
寿限無「ちょっ!2人とも……」
シーン
寿限無「…………え?」
寿限無「どこに……いったの……?」
寿限無(おかしい、さっきまで近くにいたはずなのに足音さえ聞こえない、神力を全開にして探しても分からない)
寿限無(いくらAASが舞い上がって探知能力は半減してるとはいえ、ここまで存在が感じられないなんて有り得ない)
寿限無「おーーーーい!ダストボックス!英玲奈!!」
65
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 00:04:21 ID:qENEJSpI
シーーーーン
寿限無「……っ!」
寿限無(敵に見つかるの覚悟で叫んでみても返事すら帰ってこない)
寿限無(明らかな異常事態、あれだけ用心していたダストボックスがカロリーメイトに釣られたとこから何かがおかしかった)
寿限無(それに違和感はまだある……)
寿限無「舞い上げられた雪が、いつまで経っても収まらない……!」
寿限無(ダストボックスのビームの威力は凄かった、だけどあれは一瞬の目くらまし、こんなに長く持続するはずがないのよ)
寿限無(何者かが私たちの作戦を逆手に取って分断したと考えるのが自然……なのか)
寿限無「貞子!あなたはいる?」
貞子『いる……けど……AASの中で英玲奈と離れたのが……マズい……』
ザザザッ
貞子『英玲奈からの……異能力が……届かなくなっ……来てる……』
寿限無「なんとかこの地帯から脱出してみる!それまで頑張って耐えて!」
貞子『ええ……あっ……寿限無……』
寿限無「だから――」
貞子『後ろっ!!』
寿限無「え?」バッ!!
寿限無(ノイズ混じりの貞子からの警告、それに気付いて振り返った瞬間)
ガシッ!
寿限無(――背後から、何者かに体を掴まれた)
─────────────────
音ノ木坂跡
AM4:56〜AM4:59 新終末編『186』了
66
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 00:05:17 ID:qENEJSpI
というわけでここまで
ピンチかチャンスか
新終末編『187』に続く
かもしれない
67
:
!ken:99
:2017/10/12(木) 00:58:41 ID:vKlEoohc
をつ
なるほどそういうことか
68
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 08:00:20 ID:q0qPItj6
もつ
69
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 20:11:36 ID:qENEJSpI
新終末編『187』
─────────────────
──音ノ木坂跡
AM4:59
寿限無「ぐっ……このっ!」ガシッ!
??「わおっ」
寿限無(背後からの襲撃者、だが落ち着いて対処すればいい)
寿限無(私は私の肩口辺りを掴んだ襲撃者の手を逆に掴んで捻り返す)
寿限無(細くて冷たい腕……いったい相手はどんな顔の――)
寿限無「……え?」
寿限無(私が腕を掴んだ相手、その顔は私もよく知る相手)
寿限無「にこ……母さん?」
??「……人違いだと思うけど、私子供を産んだ覚えはないから」
寿限無「あっ!ご、ごめんなさい!」
寿限無(よく見ると母さんより肌は青白い、他人の空似ってやつかしら……)
ゴースト「私はゴースト、今はこの場を離れるのが優先ね、ここはウイルスの濃度が高過ぎる」グイッ
ゴースト「それに"あいつら"に襲われる危険もある……」
寿限無「あいつら?」
70
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 20:12:18 ID:qENEJSpI
ザッ ザッ
寿限無(ゴーストと名乗った母さんと瓜二つの人は私の手を引いて、雪の煙幕の中を確かな足取りで歩きだす)
寿限無「ウイルス……あなたは平気なの?」
ゴースト「それこそ私の台詞、この中にいてまだ影響を受けてないなんてびっくりよ」
寿限無「私はワクチンを打っているから抗体ができてるの」
ゴースト「ワクチン……?」
ザッ
寿限無(その言葉を聞いたゴーストは足を止めて振り向いた)
ゴースト「あなたもしかして、ドスケーブ城から来たの?」
寿限無「ええ、そうだけど……新魔王軍のウイルス作戦を止めにここへやって来たのよ」
ゴースト「本当!?だったら――」
ゴッ!!!!
寿限無「っ!?」
寿限無(そうゴーストが私に詰め寄った瞬間、雪の煙幕の中から
>>71
のようなものが姿を表した!)
71
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 20:21:03 ID:DcIrJo3E
アルパカのお面を付けた集団
72
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 20:21:54 ID:uLIHE6Qo
ウイルスバスター
73
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 21:19:04 ID:qENEJSpI
寿限無(雪の煙幕の中からアルパカのお面を付けた集団が姿を現した!)
寿限無「あれは……」
ゴースト「マズいっ!あいつらはアルパカウイルスの感染者よ!」
ゴースト「元は一般人だけど身体能力が強化されていて外敵排除に意思統一されている」
ゴースト「ここは一旦逃げて……」
寿限無「いや、あのくらいなら大丈夫」
ゴースト「え?」
寿限無「よっ」タンッ!
寿限無(アルパカ面の人数ぱっと見て十と数人、全員が陸上金メダル選手並みの速さで突っ込んでくる)
寿限無(ただ……その程度はなんともない)
スッ
ギュルルッ!
寿限無(体内で神力を励起、体の隅々まで浸透させ肉体を強化、ここまで1秒とかからない)
74
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 21:19:21 ID:qENEJSpI
寿限無(私の"かみちから"は純粋な異能ほどAASの干渉は受けないけど、他の能力みたいに完全に影響を受けないわけではない)
寿限無(『外』と比べれば精度や威力は落ちる、でも……)
スッ
寿限無(この程度の相手になら問題ない)
アルパカ面「おおおおおっ!」
寿限無「……まずは」
寿限無(突っ込んでる集団へ数歩近づき、姿勢を低くして先頭の数人に足払いを食らわす)
ブンッブンッ!!
アルパカ面「ぐぁっ!?」
寿限無(体勢を崩したアルパカ面が障害物となって後続が足を止める形になる)
寿限無(そこへ向かって
>>75
)
75
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 21:20:57 ID:nsDDSqak
一喝
76
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 21:21:06 ID:uLIHE6Qo
ワシワシ百烈拳
77
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 22:14:28 ID:qENEJSpI
寿限無(そこへ向かって――)
寿限無「すぅー、喝ッ!!!!」
ドッ!!!!
アルパカ面「がっ……!」
ビリリッ! キィーーーーンッ!
寿限無(大きく息を吸って一喝)
寿限無(音圧で積雪が派手にめくり上がり、空気が震え、アルパカ面たちが大きく後方へ吹き飛んで転がる)
ゴロロロロロッ!
アルパカ面「ぐっ……」バタリ
寿限無「ふぅ……」
寿限無(ま、今出せる無力化範囲攻撃はこんなものかな)
寿限無(同時に巻き込める範囲も小さいし、ダメージも軽い気絶程度でしょうけど、相手が元一般人というなら都合がいい)
寿限無(思惑通り一箇所に集まってくれた良かった)
78
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 22:14:46 ID:qENEJSpI
ゴースト「な、なにやったのよあんた!能力?」
寿限無「なにって……ただの喝よ喝、人を襲おうとしてたから怒ってやったの」
ゴースト「怒っ……はぁ?」
寿限無「それよりアルパカ面のやつらについて知ってることを教えなさい」
寿限無「ウイルスの感染者って言ってたけど、元はここらへんの住人ってこと?」
ゴースト「……そうよ、私たちは神田明神のほうから来たんだけど、住人はどいつもこいつもアルパカ面になっていた」
ゴースト「それに
>>79
」
79
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 22:21:46 ID:cm9q5Lxc
そのうちアルパカになっていく
80
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 23:00:35 ID:qENEJSpI
ゴースト「それにウイルスの感染が進行していくと、そのうち完全にアルパカになっていくわ」
寿限無「とんでもないわね……」
寿限無(ワクチン量産の目処がついたとはいえ、私たちが持ってきた量には限りがある)
寿限無(できるならこの人たちに打ってあげたいけど……今は振りまいてる元凶を倒すのが先)
寿限無(ワクチンはなるべく戦力になる人に優先して使いたい……)
寿限無「……ふむ、とりあえず落ち着ける所に連れて行ってちょうだい」
寿限無「私も仲間と逸れてしまったし、ここじゃいつ襲われるか分からない」
ゴースト「ええ、最初からそのつもりよ……ええと」
寿限無「あ、そういえばまだ名乗ってなかったか」
スッ
寿限無「私は寿限無、よろしくねゴースト」
81
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 23:01:08 ID:qENEJSpI
・
・
・
ザッ ザッ
寿限無(ゴーストの先導で学院校庭のAAS地帯を抜けた私たち)
寿限無(途中なんどかアルパカ面たちの襲撃を受けたものの、その度に私が軽く跳ね除けた)
寿限無(なんというか……今の私は妙に冷静だ)
寿限無(一度赤の聖女の領域に入って恐ろしい感覚を体験したせいか、感覚が冴えて自分と相手との力量差がハッキリと感じ取れる)
寿限無(どんな奇襲でも、どんな人数でも、最小限の神力で的確に対処ができている)
寿限無(そんな実感を覚えつつ、私はゴーストの仲間たちが待ってる場所、
>>82
へと辿り着いた)
82
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 23:10:59 ID:DcIrJo3E
橋の下の小屋
83
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/12(木) 23:11:35 ID:KuxEdWXE
空かずのトイレ
84
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 23:59:04 ID:qENEJSpI
寿限無(橋の下の小屋へと辿り着いた)
寿限無(場所は音ノ木坂から少し離れた場所、まぁ黄泉の領域には変わりない)
寿限無(雲間から降り注ぐ鮮血色の光から逃れるように、その小屋は橋の影にひっそりと建っていた)
寿限無(小屋はお世辞にも立派とは言えない、素人がホームセンターで買ってきた建材で建てたような稚拙な出来)
寿限無(ゴーストたちが急遽作ったのかとも思ったけど……所々に雨風に晒されて劣化した痕跡が見られる)
寿限無(元々誰かが建てて放棄されていたものを利用してるのかしら……?)
ゴースト「ここよ、ついてきて」
ガラッ
寿限無(錆びついた扉をあけて中へ案内されると、中にはゴーストの仲間であろう3人の姿が見える)
寿限無(その1人に……私は見覚えがあった……)
ザッ
寿限無「穂乃果……さん?」
アニメ穂乃果「確か……寿限無ちゃん?」
─────────────────
音ノ木坂跡〜橋の下の小屋
AM4:59〜AM5:04 新終末編『187』了
85
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/12(木) 23:59:34 ID:qENEJSpI
というわけでここまで
アニメ穂乃果組との合流
新終末編『188』に続く
かもしれない
86
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 20:21:40 ID:sO7fpPFo
新終末編『188』
───────────────────橋の下の小屋
AM5:04
アニメ穂乃果「確か……寿限無ちゃん?」
寿限無「は、はい!」
寿限無(今度は確かに見覚えがある、この人は亜種や合成ではない他の世界から来た穂乃果さん)
寿限無(ドスケーブ城の決起集会の時に見かけた……)
寿限無「ビワッシーといた穂乃果さん……よね?」
アニメ穂乃果「うん、その認識であってるよ、今はビワッシーはいないけどね」
アニメ穂乃果「寿限無ちゃんはあれからどうしてたの?」
寿限無「私は……そうね」
87
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 20:22:01 ID:sO7fpPFo
寿限無「大雪山での魔王軍拠点攻略が終わったら、冥界で目覚めてカローンと一緒に冥府庁へ海未さんたちを回収に行って」
寿限無「深海で龍宮城で1悶着、その後現世に戻ってきたら究極生物の騒ぎに巻き込まれて何故か天空の城にワープ」
寿限無「そこから音ノ木坂に戻ってきて城に行ったら神造人間の襲撃があって城が消失」
寿限無「でもワクチンの量産が出来たからまた音ノ木坂までやってきたの」
アニメ穂乃果「ほうほう、私はあの後は大阪、そこで一旦倒れて次が滋賀名古屋、それでドアラランドの戦いに参加してたんだけど」
アニメ穂乃果「究極生物にやられちゃって世界の狭間にワープ、ナグルファルに救助されて冥界で諸々」
アニメ穂乃果「現世に戻ってきたら街がゾンビでピンチだったり、その後はエリーシーと一緒に琵琶湖へ」
アニメ穂乃果「そこでゴーストからこの世界のお父さんが神田明神に行ったと聞いて転移してきたんだ」
寿限無「ふむ……お互い色々あったのね」
アニメ穂乃果「だねー」
寿限無「……ん?お父さん?」
アニメ穂乃果「どしたの?」
寿限無「穂乃果さん、穂乃果さんは結局そのお父さんという人に会えたの?」
寿限無「この場には見当たらない気がするけど……」
アニメ穂乃果「ああ、お父さんなら
>>88
」
88
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/13(金) 20:25:53 ID:WFMo4ZsU
お星様になったo(`ω´ )o
89
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/13(金) 20:26:16 ID:gH1m4uOA
川へ洗濯に行った
90
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 21:13:20 ID:sO7fpPFo
アニメ穂乃果「夜空のお星様になったよ……」
寿限無(さっきまで明るく話していた穂乃果さんの顔が一気に曇る)
寿限無「え?それって……」ゴクッ
アニメ穂乃果「うん、もう触れることはできない――」
ゴースト「コラッ!勘違いさせる言い方するんじゃない!」ペシッ!
アニメ穂乃果「あいたぁっ!」
寿限無「……ど、どういうこと?」
寿限無(状況を察してお悔やみの言葉を探していたら、穂乃果さんがゴーストにチョップで叩かれていた)
寿限無(ゴーストがあまりにコントみたいなテンションで突っ込んだせいで、マジなのか冗談なのか混乱してくる)
吸血鬼穂乃果「でも、あれは客観的に死んだと言っても間違いでないのでは?」
ゴースト「失敬ね!私の能力で一時的に幽霊にしただけよ!」
ぺぺペペーン「それを現世の人は死亡と言うのだと思うけどね……」
吸血鬼穂乃果「そうそう」
寿限無(ゴーストの熱弁に対し、遠くに座っていたハロウィンみたいな格好した亜種穂乃果と、もう一人知らない幼女が冷たく言い返す)
91
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 21:13:42 ID:sO7fpPFo
寿限無「ゴースト?」
ゴースト「はぁ……大丈夫、ちゃんと寿限無にも説明するから」
寿限無「う、うん」
ゴースト「私たちが神田明神に着いた時、既に周辺にはウイルスが蔓延していた」
ゴースト「それに……寿限無も実感したと思うけど、音ノ木坂を中心として黄泉の門に囲まれた謎のエリアが形成されていた」
アニメ穂乃果「そこで私の目でウイルスの濃度が高い部分を避けながらお父さんを探すことにしたんだ」
アニメ穂乃果「しばらく探して……結果から言うとお父さんは見つけられた」
アニメ穂乃果「でも、その時にはお父さんはウイルスに感染、進行度も重度なものだった」
アニメ穂乃果「このままじゃお父さんはアルパカになっちゃう、そう判断した私たちは――」
ゴースト「ほのパパさんを私の力で幽霊にすることにした」
寿限無「……へ?」
ゴースト「私は幽人という種族でね、自分の体や人の体を好きに幽体化させることができるの」
寿限無「それは……幽体から実体に戻すのも自由と言うこと?」
ゴースト「自分自身なら出来るけど……残念ながらそこまで便利なものじゃないわ」
ゴースト「閻魔大王クラスならインスタントに他人の生死スイッチを切り替えられるんでしょうけど」
92
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 21:14:16 ID:sO7fpPFo
ゴースト「私が他人……それも生きてる無能力者に施す場合は、変化させるのも戻すのも面倒な儀式が必要なのよ」
寿限無(そうなんだ、やっぱり閻魔は腐っても神様ってことか……)
ゴースト「だから、これはあくまで一旦幽霊にさせておく……という緊急避難」
ゴースト「死なせておけばウイルスの進行は進まないからね」
吸血鬼穂乃果「死なせておいて成仏しちゃったりしないのー?」
ゴースト「もう、あんたらには説明したでしょ、そうならないように穂乃果に取り憑かせてるの!」
寿限無「取り憑き……?」
アニメ穂乃果「うん、普通には見えないけど、お父さんは私に守護霊みたいな感じに憑いてるんだよ」
ゴースト「幽体を縛っておくには土地か人に縛り付けておくのが手っ取り早いから」
寿限無「そっか、ある意味で私と同じ状況なのね」
アニメ穂乃果「同じ?」
寿限無「私は悪霊に取り憑かれちゃって、穂乃果さんは悪影響があったりしない?」
貞子『おいこら……』ピキッ
アニメ穂乃果「私の方は全然、むしろ守護霊の力で助かることいっぱいだよ」
アニメ穂乃果「例えば念じただけで手からお饅頭出るようになったし……」
寿限無(……ある意味ホラーね)
アニメ穂乃果「他には
>>93
」
93
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/13(金) 21:17:13 ID:Hjeevlu.
光る棒を生み出せる
94
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 22:14:29 ID:sO7fpPFo
アニメ穂乃果「手から光る棒を生み出せる」バッ!!
寿限無「おおっ」
寿限無(穂乃果さんが手をぐっぱーすると30センチ程度の長い棒が出現した)
寿限無(ライトセ○バーというよりはサイリウムに近い印象を受ける棒だ)
ぺぺペペーン「それ攻撃に使えるの?」
アニメ穂乃果「振ると綺麗!色も変えられる!」
ぺぺペペーン「まだ饅頭のほうが栄養になるだけ実用的ね……」モグッ
寿限無(よく見ると小屋の中心に置かれてるテーブルの上、更に何個か饅頭が置かれていた)
寿限無(あれ穂乃果さんが出したものだったんだ)
ゴースト「……さて、次は寿限無から話をしてもらいましょうか」
寿限無(ゴーストが木の椅子に座り、私にも座るように促してくる)
寿限無(私はそれに従い少し湿った椅子に座りながらこれまでの経緯を話し始めた)
寿限無「そうね、私がここに来たのは――」
・
・
95
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 22:14:55 ID:sO7fpPFo
・
・
寿限無「――ってわけよ」
アニメ穂乃果「ふむふむ、それで音ノ木坂跡で英玲奈さんたちと逸れちゃったわけか」
吸血鬼穂乃果「アルパカの本拠地だし危険よ、助けるなら早めに動かないと」
寿限無「ええっ」コクンッ
寿限無「そのためには穂乃果さんにワクチンを打つ必要がある」
アニメ穂乃果「そっか、ワクチン持ってきてるんだっけ」
寿限無「他に打つ人は…………」
ゴースト「私は死人だから」スッ
ペペペペーン「私は別のウイルス持ってるから」スッ
吸血鬼穂乃果「私は吸血鬼だから」スッ
寿限無「そ、そう」
寿限無(最後の人の理由はいまいちピンと来ないけど……とにかく穂乃果さんだけで良いってことね)
寿限無「貞子!ビデオロッドの中からマッキーを外に出したいんだけど、どうすればいい?」
貞子『だったら……
>>96
』
96
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/13(金) 22:28:20 ID:gH1m4uOA
テープをガーッと引き出して
97
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 23:00:35 ID:sO7fpPFo
貞子『ビデオからテープをガーッと引き出してビリビリに破れば出て来る』
寿限無「そんな雑でいいの……?てかテープが見えないんだけど」
貞子『いい……やれ……見えなくてもテープがそこにある……』
寿限無「ふむ……」
スチャッ
寿限無(私は腰についたままのビデオロッドを取り出す)
寿限無(長方形に組まれたロッドの内側には何もない、でも目を凝らすと微かなエネルギーの本流が見える)
寿限無(これが貞子の言う見えないビデオテープというやつなんだろう)
グッ
寿限無(その場所に手を突っ込むと確かにテープの感触が感じられる)
寿限無(これを思っきり引っ張って――)
グイッ!
ビリリリッ!!
寿限無(――破る!!)
キィィィィィンッ! シュンッ!!
アニメ穂乃果「おおっ!」
寿限無(すると封印の際と逆の流れに光が溢れてマッキーが出現する)
マッキー「…………?」パチッ
寿限無(出てきたマッキーは
>>98
)
98
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/13(金) 23:08:05 ID:b.jj..Zo
頭のネジが数本抜けたみたいだ
99
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 23:57:16 ID:sO7fpPFo
寿限無(出てきたマッキーは頭のネジが数本抜けたみたいな顔をしていた)
マッキー「……あれぇ?ここどこ?」
寿限無「マッキー、何か様子が違うくない?」
マッキー「マッキー……?」ボケー
寿限無「あなたのことよ!!」
マッキー「あ、あたしかー!てか寿限無だ寿限無ー!」ガシッ
寿限無「のわぁっ!?」
寿限無(マッキーは無邪気に白衣をバタバタさせながら私に抱きついてくる)
寿限無(正直背筋が凍る、鳥肌満載で体が硬直したまま動かない)
ブルルルッ!
寿限無「どどどういうことよ貞子!マッキー明らかに精神に異常きたしてるんだけど!?」
貞子『うーん……テープの破き方が悪くて一部精神に欠損が出てるのかもねぇ』
貞子『この様子だと記憶の欠落と幼児退行が合わさった感じかしら……』
寿限無「雑で良いって言ったじゃない!!」
100
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 23:57:31 ID:sO7fpPFo
貞子『まぁマッキーには違いないわ、私はロッドの中に潜って欠損部分を探してるから、あなたはあなたで頑張りなさい』
シュンッ
寿限無「そんなぁ……」
寿限無(憑依状態の貞子との通信は消える、探すと言ってたけど英玲奈と離れた状態でそんな余力あるのかな)
マッキー「……?」
寿限無(……で、目の前にはボケーっとしたマッキーが残される)
寿限無(仕方ない、私が何とかするしかないか)
マッキー「ねぇ……ママ、ママは?寿限無……あたしのママ知らない?」
寿限無「ママはここにはいないわ、それよりあなたに頼みたいことがあるの」
寿限無(私はマッキーを引き離し、優しく肩を掴んで諭すように話しかける)
寿限無「これはあなたにしか頼めない仕事なのよ、やってくれないかしら」
マッキー「あたしにしか……?あたしだけができる仕事……」
マッキー「うん!やってみる!任せて寿限無!」グッ!
寿限無「ははは……」
寿限無(……大丈夫かなぁ、これ)
─────────────────
橋の下の小屋
AM5:04〜AM5:09 新終末編『188』了
101
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/13(金) 23:58:16 ID:sO7fpPFo
というわけでここまで
次はポンコツマッキーのワクチン打ちから
新終末編『189』に続く
かもしれない
102
:
!ken:99
:2017/10/14(土) 09:44:46 ID:r2kmER0w
をつ
103
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 20:27:59 ID:8FWe7m92
新終末編『189』
─────────────────
──橋の下の小屋
AM5:10
マッキー「さぁー!打つわよー!」キラリーン
アニメ穂乃果「ちょっ!だだだだだ大丈夫なの!?ねぇ寿限無ちゃん!」
寿限無「まぁ……身を委ねるしかないんじゃない」
アニメ穂乃果「ええええっ!!」
寿限無(小屋の一画、椅子に縛り付けられた穂乃果さんの訴えが響く)
寿限無「はぁ……」
寿限無(何を隠そうこの状況はマッキーが作り出したもの)
寿限無(私の話を聞いたマッキーは謎の包帯を取り出すと穂乃果さんをグルグル巻きに固定、椅子に縛り付けてしまった)
寿限無(無邪気なマッキーは穂乃果さんの膝に勢い良く跨ると、穂乃果さんの腕を取って注射器を宛てがう)
マッキー「うっごかないでね〜、変なとこに刺しちゃうかも〜」
アニメ穂乃果「ひぃぃぃっ!」
寿限無(……で、この有様)
104
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 20:28:17 ID:8FWe7m92
寿限無(私と言えば他の3人を大丈夫だからと説得し、怯える穂乃果さんを宥めてるけど……)
ゴースト「本当にアレに任せて平気なの?」
寿限無「ま、まぁ……」
寿限無(問題ない……とは言い切れない)
寿限無(あのマッキーについては私自身が1番心配してるもの)
寿限無(無邪気やポンコツと言えば聞こえは良いが、今のマッキーは最低限あった心の歯止めが消えているのに近い)
寿限無(理性の蒸発したマッドサイエンティストなんて、ブレーキの壊れた暴走機関車と同じ)
寿限無(何事もなく終わることを祈るしかないわ)
マッキー「じゃ刺っしまーす!」
アニメ穂乃果「……っ!」
ブスッ!!
寿限無(そしてマッキーが穂乃果さんへワクチンを注入、それは上手く成功し
>>105
)
105
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/14(土) 20:31:00 ID:6r5PeYQA
たが注射の痛みで大泣きした
106
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/14(土) 20:31:05 ID:Xj2JIG3w
た(物凄く痛い)
107
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 21:09:37 ID:8FWe7m92
寿限無(成功したけど……)
アニメ穂乃果「っ!いっ……たぁあああああああああっ!!」
マッキー「もー!我慢しなさい!」
アニメ穂乃果「無理無理!痛い痛い!ひっ……ひくっ!うぇええええええんっ!!」
寿限無(穂乃果さんは注射の痛みで大泣きしてしまった)
寿限無(叫びに守護霊が反応してるのか、饅頭や光る棒が空中に出現しては床にボタボタ落ちている)
ゴースト「なに……あの注射そんなに痛いものなの?」
ぺぺぺペーン「受けないでよかったわ……」サーッ
寿限無「私が受けたときはそんな泣き叫ぶほど痛くは無かったしけどねぇ」
寿限無(たぶん今のマッキーが下手くそなんでしょう)
寿限無(知能レベルは変わらないけど、それを支える思考や経験で培った技術的な部分が後退してる……って感じなのかしら)
108
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 21:10:07 ID:8FWe7m92
ゴースト「ねぇ寿限無、あの西木野真姫もどきってマッキーよね」
寿限無「え?ゴーストは真姫さんとマッキーを知ってるの?」
ゴースト「ええ、グリードと一緒にいた時に敵として顔を合わせた程度だけど」
ゴースト「あの時は気付かなかったけど、元型情報共有できる今見ると尚更そっくりね」
ゴースト「マッキーがこの世界での西木野真姫ってところかしら?」
寿限無「う、うん」
ゴースト「なるほどなるほど」
寿限無(そんな会話をゴーストとしていると注射を終えたマッキーがおぼつかない足取りで歩いてくる)
マッキー「そこ!あたしは真姫じゃなくてマッキー!ママもマッキーって呼ぶんだから!」
ペタペタ
寿限無「やけに穂乃果さんが静かになったわね、注射はちゃんとしたの?」
マッキー「うん、泣き叫んでうるさかったからワクチンのついでに軽い麻酔をぶちこんどいた」
寿限無「んなっ……」
マッキー「すぐ目覚める量だから大丈夫だってー」
寿限無「はぁ……この人はも〜」
吸血鬼穂乃果「ワクチンを打てたのなら良いわ、次に私たちが話し合わなきゃいけないのはアルパカをぶっ倒す算段」
ゴースト「そうね、穂乃果の魔眼で偵察した感じ、あの音ノ木坂跡一帯の空間は
>>109
」
109
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/14(土) 21:17:59 ID:ESbpvbRA
まるでアルパカ王国
110
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 22:18:23 ID:8FWe7m92
ゴースト「あの音ノ木坂一帯の空間はまるでアルパカ王国」
ゴースト「ウイルスの発生源となっているアルパカを多数のアルパカたちが守護するように配置されている」
ゴースト「それに加えて……」
吸血鬼穂乃果「学校中心部のAAS地帯、あそこが時に厄介ね」
ゴースト「ええ」
吸血鬼穂乃果「AASに覆われた東日本の中で、黄泉の門に囲まれてるここは何故か雪の降らない例外的な特区」
吸血鬼穂乃果「けれどその中であの場所だけ、煙幕のようにAAS粉塵が舞い続けている」
吸血鬼穂乃果「あの持続量、単に地面に積雪してるものを舞い上げてるとは思えないのよね」
ぺぺぺペーン「何か仕掛けがあるはずとは思ってるんだけど……これがさっぱり」
寿限無「私が英玲奈たちと逸れてしまった場所か……」
ゴースト「まるで異能者を弾くバリア、あそこだけは穂乃果の魔眼じゃ観測できないのよ」
ゴースト「事前に調べられないからどんな敵や罠があるか分からない、それだけ隠すってことは重要なものがあるんでしょうけど……」
寿限無「……ふむ」
111
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/14(土) 22:18:41 ID:8FWe7m92
吸血鬼穂乃果「次は私が行くわよ、今のスーパー高貴な私ならAAS関係ないし」
ぺぺぺペーン「もう皆で行ったほうが良いんじゃない?1人1人行ったってゴーストみたいに助けられて帰ってくるのがオチだと思う」
ゴースト「あの……一応私が寿限無を助けて来たんだけど……?」
寿限無「そうね、これだけの人数で一気に攻めればゴリ押しで――」
マッキー「ねぇねぇ、ねぇねぇ」グイッ
寿限無「ん?どうしたの?」
マッキー「あたし、テープの中から見てたけど……あの雪のやつ見覚えがあるよ」
寿限無「本当!?」
マッキー「うん、魔王が北海道で使った雪に混ぜるやつの試作機だと思う、粒子のぐぉーって舞い方が外の雪と違うもん」
寿限無「それは素人目には分からないけど……とにかく知ってるのね!発生させてる方法は分かる?」
マッキー「分かるよー、あれは確か
>>112
で粒子を作っていたはず」
112
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/15(日) 00:23:19 ID:d3gb8Eu6
人間の生命力を結晶化する機械
113
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 01:26:17 ID:.HvDZGV.
マッキー「人の生命力を結晶化する機械で作っていたはずだよー!」
寿限無「人の生命力……!?」
ゴースト「どういうことよ!」
マッキー「言葉のとおりだってー、抽出した生命力を機械で結晶化、そこに異能破壊概念を付与して散布する方法」
マッキー「生結晶ベースだと非常に濃度の高く重い結晶になって、異能を阻害する効果は雪の結晶より強いんだー」
マッキー「しかも重いから散乱せずに地面から一定の高度に溜まる性質があるのー」
寿限無「なるほど……だから敷地の中心に留まっているのね、しかも視界が遮らるほどの濃度」
マッキー「まぁ魔王は風に乗って軽く広がる改良型AASのほうを選んだみたいだけどー」
マッキー「人の生命力ベースってよく頭のおかしい科学者が好むけど、手軽そうにみえて面倒くさいんだよね」
マッキー「その点水なら地球上で1番多くあるし魔王の判断は正しいと思うかな〜」
寿限無(解説してる時はあんまり前のマッキーと変わらないわね……喋らせとけば大人しいタイプかしら)
114
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 01:26:45 ID:.HvDZGV.
吸血鬼穂乃果「待って、あの重いAAS――重AASが生命力を元に作られてるということは、現在進行形で誰かが犠牲になってるわけ?」
ぺぺぺペーン「なっ……!確かにそういうことになるけど……」
マッキー「えー?気付かないの〜?」
寿限無(そんなシリアスに切り込む質問に、マッキーは算数が分からない子供を相手にするような軽い口調で答える)
マッキー「ここがさ……今どんな領域だか分かる?」
ぺぺぺペーン「どんなって……」
ゴースト「黄泉の門に囲まれた、黄泉の領域……!」
マッキー「そうそう、ここは死者の領域、踏み入った生者は死者に反転されちゃう」
マッキー「何かしらのズルで生きたまま侵入出来たとしてもー、限りなく死者に近い存在になるんだよ」
吸血鬼穂乃果「現世にいる人間より生命力を奪いやすい……ということ?」
マッキー「うん、実際どんな技を使ってるかは分かんないけどね」
吸血鬼穂乃果「参考まででいいわ、考えられるものを教えなさい」
マッキー「うーん……例えば神話で黄泉へ潜ったイザナギの話だったり、冥界に連れ去られたペルセポネの話を知ってれば分かると思うんだけど」
マッキー「死の国には『見るな』『振り返るな』『食べるな』といった生者に対するタブーが多いの」
マッキー「そういったタブーを術式に組み込めばー、"ここ"では簡単に生者から生命力を吸い取れると思うよー?」
吸血鬼穂乃果「ふむ……」
115
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 01:26:59 ID:.HvDZGV.
マッキー「黄泉の領域に人を連れ込めば連れ込むだけ死者になってエネルギーがポンポン湧き出る」
マッキー「他にも感染してアルパカにしたやつらをぶっ殺しても手に入るし、ズルして侵入してきた異能者をタブー術式で嵌めて餌にしてもいい」
マッキー「異能者や達人は生命力が高いからね〜、一般人から取るより遥かに効率がいい」
マッキー「一匹二匹捉えられたらあの広さの重AASを運用するには充分じゃないかな〜」
ゴースト「そっか、この領域ならエネルギーなんていくらでも調達できるわけか」
マッキー「うんうん、思いつかない方が馬鹿なくらいにはあると思うよ」
寿限無「エネルギーがほぼ無尽蔵なら機械を壊したほうが手っ取り早い」
ゴースト「ええ、大体方針は決まったわ」
吸血鬼穂乃果「よし……」
ゴースト「確認するわよ」
ゴースト「私たちはこれから慎重に気を付音ノ木坂跡に侵入、自分たちが倒されやすいということを念頭に起き、敵や罠には最大限注意すること」
ゴースト「おそらくは重AAS内にある発生装置を見つけて壊し、穂乃果の魔眼を使えるようにする、そして――」
寿限無「ウイルスの原因となってるアルパカを探し出して叩く!これで決まりね!」
─────────────────
橋の下の小屋
AM5:10〜5:20 新終末編『189』了
116
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 01:28:14 ID:.HvDZGV.
というわけでここまで
次は再突入
新終末編『190』に続く
かもしれない
117
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 20:03:29 ID:.HvDZGV.
新終末編『190』
─────────────────
──橋の下の小屋
AM5:22
ガラッ
寿限無「小屋の周囲は……異常なしと、じゃあ行くわよ!」
ゴースト「ええっ」コクンッ
タタタッ
寿限無(あれから諸々の確認を終えた私たちは、早速行動に移ることにした)
寿限無(音ノ木坂までは一列になって周囲を警戒しながら進む、先頭を行くのは感覚の鋭い私)
寿限無(私が小屋の扉を開けて外に出ると、後ろにゴースト、マッキー、眠った穂乃果さんを背負ったぺぺぺペーンが続く)
寿限無(そして最後尾の吸血鬼穂乃果が扉を閉めて仮拠点とはさよなら)
タタタタッ
寿限無(橋の下から土手を登って上の道へ……)
キョロキョロ
寿限無(ここには敵の様子はない、後ろを振り返って見ても足取りが遅れてる人はいない)
寿限無(それにしても……ぺぺぺペーンはよく小さな体で穂乃果さんを楽々担げるものだわ)
118
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 20:03:54 ID:.HvDZGV.
寿限無「ぺぺぺペーン!本当に大丈夫?」
ぺぺぺペーン「平気よ、さっき隊列を決める時も言ったでしょう」
ぺぺぺペーン「私はバグスターウイルスで力が倍増されてるの、このくらいの荷物はなんでもないわ」
寿限無「それなら私でも――」
ぺぺぺペーン「逆に言えば私は力以外は取り柄がないってことよ」
ぺぺぺペーン「先頭の最後尾の2人には余計な負担かけたくないからこうして雑用してるの、あなたたちは自分の仕事に集中してて」
寿限無「う、うん」
寿限無(ぺぺぺペーンの言う通りではある……穂乃果の起床やマッキーの精神修理を押しても出発したのは、それだけ時間が無いということ)
寿限無(私は私の仕事をきっちりとこなさないといけない)
ゴースト「まぁまぁ、この辺りはまだピリピリしなくていいわよ」
ゴースト「最初にあの小屋に来た時も敵がいる雰囲気は無かったし、私が往復しても襲われることは無かったわ」
寿限無「ねぇ……そういえば聞きたかったんだけど、あの小屋はなんなの?」
寿限無「偶々見つけたのか、誰かが知ってたのか、聞こうと思ってたけどタイミング逃しちゃってたのよね」
ゴースト「ああ、あれなら
>>119
」
119
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/15(日) 20:06:27 ID:0U.zB62.
セーブポイントよゲームオーバーしたらあそこからやり直し
120
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 21:18:36 ID:.HvDZGV.
ゴースト「セーブポイントよ、ゲームオーバーしたらあそこからやり直し」
寿限無「セーブポイント……?」
寿限無(またこの場にそぐわない単語がゴーストの口から飛び出る)
寿限無「それってゲームか何かの話?」
ゴースト「そのまんまよ、あの小屋にはゲームのセーブポイントに似た機能が備わっているの」
ゴースト「ほら、これを読んでみて」ポイッ
寿限無「……?」パシッ
寿限無(後ろのゴーストから投げ渡された古びたマニュアル本のようなものをキャッチ)
寿限無(ページが所々抜けてるのか非常に薄いマニュアルだ、装丁は黒一色で白文字で書かれたタイトルは掠れて読めない)
寿限無(引き続き歩きながら開いて読んでみると――)
121
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 21:19:00 ID:.HvDZGV.
スタスタ
寿限無「なになに……?」
マニュアル『この小屋はセーブポイント、セーブは小屋に入った時点で自動的にされる』
マニュアル『この小屋は×××が作ったものであり□□□□の効果が付与されている』
マニュアル『そのため外のどの空間とも切り離された独立した空間となっていて、外からは如何なる干渉も受けない』
マニュアル『そこで同じ□□□□を持つ私が小屋をセーブポイント兼セーフポイントへと改造したのですっ』
寿限無("私"……小屋を改造した人物がマニュアルを書いたのかしら……)
マニュアル『小屋でセーブを行った対象はゲームオーバーに当たる出来事が起こるとセーブポイントに戻ってくる』
マニュアル『つまりそこからやり直しすることができるわけ、便利ですねー』
マニュアル『ちなみにゲームオーバーに当たる出来事の例は
>>122
』
122
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/15(日) 21:29:42 ID:d3gb8Eu6
死、消滅、失恋、嫁の両親に結婚を認めてもらえなかった
123
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 21:56:44 ID:.HvDZGV.
マニュアル『死、消滅、失恋、嫁の両親に結婚を認めてもらえなかったなどが当たります、他にもあるかも』
寿限無(随分適当というかフランクなマニュアルね、しかし……)
寿限無「あそこでセーブした私たちは死んでも戻れるってこと?」
ゴースト「マニュアルの中身をそのまま受け取るならそうなるわね」
寿限無「ふむ……」
ゴースト「私たちも存在を知っていて見つけたわけじゃない、逃げていたら偶々見つけたのよ」
ゴースト「ただ……マニュアルの文面を見るにただの偶然では無さそうね」
寿限無「え?」
ゴースト「次のページくらいかな、そこに『付近の助けを求める人を無意識に呼び寄せる』って書いてる』」
寿限無「ほんとだ」
寿限無(つまりは小屋がゴーストさんたちを呼び寄せたということになる)
寿限無(そんな能力?を持った小屋……いったい誰が何の意図でそんな改造をしたのか……)
スタスタ
124
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 21:56:58 ID:.HvDZGV.
・
・
ぺぺぺペーン「寿限無さん、そろそろ音ノ木坂跡です」
寿限無「はっ!ご、ごめん!」
寿限無(マニュアルをゴーストに返して、私は周囲に目を配らせる)
寿限無(五感を神力で強化、校舎の周囲不審な人や物が無いかを確認……)
キョロキョロ
寿限無(相変わらずウロウロしてる生気のない音ノ木坂の生徒、それから他には
>>125
)
125
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/15(日) 22:20:14 ID:/rv/Yvvg
生徒会長と書いたたすきをかけて生徒たちを操っている仮面をつけた謎の人物
126
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 22:53:52 ID:.HvDZGV.
寿限無(校門跡の前に、生徒会長と書いたたすきをかけて仮面を付けた謎の人物がいた)
寿限無(その人物はどうやら身振り手振りで生気のない生徒たちを操ってるみたいで……)
ゴースト「なにあいつ?あんなやつさっきは見なかったし、魔眼で偵察した穂乃果も何も言ってなかったわよ!?」
寿限無「ゴーストとマッキーとぺぺぺペーンは後ろへ!」
吸血鬼穂乃果「安全が確認できるまで前に出ちゃダメよ下民たち」
ザッ
寿限無(仮面の人物と私たちはお互いに視認できる距離にいる、けれど仮面の人物がこちらに何かする様子はない)
寿限無(気付いてないのか、気付いていて敢えて無視しているのか……)
ゴースト「ねぇ寿限無、あなたはμ'sや前の世界を知ってるのよね」
寿限無「え?えぇ……多少は」
127
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/15(日) 22:54:05 ID:.HvDZGV.
ゴースト「だったら不思議に思わなかった?この世界ではとっくに廃校したはずの音ノ木坂の生徒たちが、何故ここにいるのか……」
寿限無「うん、アルパカの感染者と考えても、本来いるはずのない生徒が律儀に制服を着て集まってるなんて変だと思う」
ゴースト「そう……明らかにアルパカウイルスとは別の要因」
ゴースト「それで今思ったんだけど、もしかしたらあの生徒会長仮面が原因なのかも」
寿限無「……なるほど、だったら手っ取り早く本人に聞いてみましょう」
ザッ!!
寿限無(私は一歩前に出ると、よく通る大きな声で叫ぶ)
寿限無「やいそこの生徒会長!あなたは何者なの!?」
生徒会長仮面「……
>>128
」
128
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/15(日) 23:31:57 ID:BEFVccbQ
生徒会長の中の生徒会長
129
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 00:14:55 ID:XcksMtdQ
生徒会長仮面「私は生徒会長の中の生徒会長!」
寿限無「はぁ……?何よその100%中の100%みたいなのは」
生徒会長仮面「まだ分からない?各学校の生徒のトップが生徒会長、その生徒会長の中でトップなのが私」
生徒会長仮面「生徒会長中の生徒会長、生徒会長オブ生徒会長、生徒会長を超えた生徒会長」
生徒会長仮面「ありとあらゆる三千世界の生徒会長を束ねるアルティメットハイパー生徒会長、それが私よ!!」
ドバァァァァンッ!!
吸血鬼穂乃果「バカなの?」
寿限無「たぶんバカだと思う、でも経験からするとバカな敵のほうが厄介なことが多い」
寿限無「最大限に気を付けたほうがいいわ、あの生徒会長かめ……長いから生徒会長でいいか」
生徒会長「私は全ての世界の学校の生徒会長に成り代わり、生徒会長に属する全ての生徒を操ることができるのよ」
生徒会長「こんな風にね」パチンッ!
ボッ!!!!
寿限無「……っ!」
寿限無(生徒会長が指を鳴らすと地面から生気のない音ノ木坂生徒が召喚される、その数は元から彷徨っていた量の数倍!)
130
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 00:15:21 ID:XcksMtdQ
寿限無「やっぱり……あなたの仕業だったのね」
生徒会長「そうよ、今はとある並行世界の音ノ木坂の生徒会長に自分をチェンジ、その配下である音ノ木坂生徒を召喚してるわけ」
寿限無(音ノ木坂か……よく見ると仮面の額の所に『音』って文字が表示されてるわ)
寿限無(でも仮面で隠れてない部分の体は絵里さんとは違う、音ノ木坂ってだけで別の生徒会長なのかしら)
生徒会長「今私がチェンジしてる生徒会長の世界――その時代の音ノ木坂生徒たちは、スクールアイドルに敏感なのよ」
生徒会長「スクールアイドルの輝きに反応して襲いかかるように群がるらしくてね」
寿限無「恐ろしい並行世界ね……」
生徒会長「私が操って強化させた彼女らの嗅覚は凄まじいわ、かつてスクールアイドルを体験したものはもちろん」
生徒会長「どこかの並行世界でスクールアイドルだったもの、その要素があるものを嗅ぎつけて襲いかかる!」
寿限無「そうか、だからマッキーが狙われて……もしかしたらヨハネも……?」
131
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 00:15:39 ID:XcksMtdQ
生徒会長「おやぁ?ここにもスクールアイドルの匂いを振りまいてる人がいるみたいね」
生徒ズ「……!」ピクッ
寿限無「しまった!ゴーストとマッキーが狙われる!」
ザッ!
生徒ズ「うおおおおおおおおおっ!」
ドドドドドドドドドドドドッ!!!!
寿限無(もはや100人近くなった生気のない生気たちがラグビーのタックルよろしく突っ込んでくる)
寿限無(数の暴力、人の荒波、2人が飲み込まれたらただでは済まない)
寿限無(私ならこのくらいぶん殴って吹き飛ばすのは簡単だけど――)
吸血鬼穂乃果「不味いわね、止めるわよ!」グッ
寿限無「ダメよ!相手は操られただけの一般人!私たちの攻撃じゃ殺しちゃう!」
吸血鬼穂乃果「なぁに、攻撃するだけが人間を止める術じゃないわ」
寿限無「え?」
吸血鬼穂乃果「しかと見てなさい寿限無、私の高貴で美麗な技を――!」
─────────────────
橋の下の小屋〜音ノ木坂跡前
AM5:22〜AM5:27 新終末編『190』了
132
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 00:16:40 ID:XcksMtdQ
というわけでここまで
次は吸血鬼穂乃果のターン
新終末編『191』に続く
かもしれない
133
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 20:11:35 ID:XcksMtdQ
新終末編『191』
─────────────────
──音ノ木坂跡前
AM5:27
ピッ!
寿限無(一閃――)
寿限無(吸血鬼穂乃果が自らの青白い左手首を右手の爪で切り裂くと、一筋の血が滲み放射状に迸る)
シュゥゥッ!
寿限無(赤い一閃――)
寿限無(その血は自らの体積をあっと言う間に10倍以上に膨らませ、吸血鬼穂乃果の意思により姿を変える)
寿限無(こちらへ襲いかかって来る生徒たちを迎え撃つために……!)
シュルルッ!
ドシュシュッシュッシュッ!!
寿限無(その姿は弾丸、まるで無重力状態のように空中に散らばっていた血液が丸く纏り、複数の血の弾丸となって発射される)
寿限無(初めは野球ボール程だった血の弾丸は空中を進むにつれ分裂、分裂に分裂を繰り返し、散弾銃よろしく広がっていく)
寿限無(そして生気のない生徒の群れに着弾する頃には目に見えない大きさに――)
バララララララララララッ!!
生徒ズ「……っ!?」ビクッ!
134
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 20:12:13 ID:XcksMtdQ
生徒会長「……び、びっくりした、血の弾丸で攻撃するつもりだったんでしょうけど、細かくしすぎてノーダメージだわ」
生徒会長「正に本末転倒、やってしまいなさい生徒たち!」
シーーーーーン
生徒会長「……生徒たち?」
寿限無(動かない、生徒会長の命令に生徒たちはピクリと反応しない)
吸血鬼穂乃果「血の隷属――」
生徒会長「……!?」
吸血鬼穂乃果「攻撃できないなら操りを上書きしてあげればいいのよ、高貴な私に相応しい技でね」
生徒会長「隷属ですって……私の生徒を返しなさいっ!」
吸血鬼穂乃果「嫌なこった、生徒たち!今度は私の命令よ!
>>135
」
135
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/16(月) 20:16:14 ID:cz0cfA4A
生徒会長を快楽の底に堕としなさい
136
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 21:11:20 ID:XcksMtdQ
吸血鬼穂乃果「生徒会長を快楽の底に堕としなさい!」
生徒ズ「はっ!主の命令のままに!」
ダタタタタタッ!!
寿限無(私たちを襲う直前だった生徒の群れは反転し、生徒会長へ向かって走り出す)
寿限無(生徒たちの目は血のように赤く染まっている、あれが吸血鬼穂乃果に操られてる状態ってことか……)
寿限無「でも驚いたわ、吸血鬼って直接噛まなくても眷属を作り出せるのね」
吸血鬼穂乃果「ええ、本来の私の力ならそうよ」
寿限無「……え?」
吸血鬼穂乃果「でも今の私はスペシャルなの」
生徒会長「くっ……!」
ダタッ!
寿限無「あっ!生徒会長が敷地の中に逃げる!」
タタタタッ!
生徒会長「焦ることはないわ、所詮相手は異能者、だったらAASの中に逃げ込めばいいのよ!」
ボフンッ!
生徒会長「よし、この中に入れば吸血鬼がかけた命令も薄まるはず――」
生徒ズ「うおぉぉぉぉっ!!」
ドドドドドドッ!
生徒会長「ってええええっ!?」
137
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 21:11:41 ID:XcksMtdQ
吸血鬼穂乃果「浅はかねぇ……」シュルルッ!
ヒュンッ!
ガシンッ!
生徒会長「ぐっ!」
寿限無(吸血鬼穂乃果が作り出した血の鎖が重AASの中に飛び込んだ生徒会長に絡みつく)
寿限無(重AASの内部はホワイトアウトしていて外からは見えないけど、入った直後の今なら見えなくても狙いはつけられる)
寿限無(いや……違う、私や生徒会長が驚いてるのは別のことだ)
寿限無(吸血鬼穂乃果に操られた生徒たちはAASの中でも平然と動き、血の鎖もAASの中まで届いているという事実)
寿限無「吸血鬼穂乃果、あなた亜種穂乃果じゃなかったの?」
吸血鬼穂乃果「はて……そんなこと一言でも言ったかしら?」
ザッ
吸血鬼穂乃果「以前の私がどんな意図で何者として作り出されたか、そんなことは関係ないわ」
吸血鬼穂乃果「今の私は賢者の石を取り込んだ完全なる上位種族、吸血鬼の名を名乗るに相応しい力を持っているのよ」
吸血鬼穂乃果「そんな粉末ごときで止められると思ったら……大間違いなんだから」クイッ
生徒会長「……っ!」
138
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 21:12:13 ID:XcksMtdQ
生徒ズ「うおおおおおおっ!やらせてええええええっ!!」
ドドドドドドッ!!
生徒会長「や、やめなさいあなたたち!私を誰だと思って……んんっ!やめっ、ひゃあああああああああっ!!」
寿限無(重AAS地帯の中から生徒会長の甘美な悲鳴が響き続ける)
寿限無(直接姿は見えない、けれど血の鎖で束縛されてる以上抵抗することはできない)
寿限無(100を超える生徒の群れに仮面や服を引き剥がされ、揉みくちゃに快楽責めされ続けていることだろう)
寿限無(やがて悲鳴が収まり、生徒の群れの動きも止まる)
寿限無(私と吸血鬼穂乃果が慎重に血の鎖を辿り、生徒会長がいるはずの場所に行ってみると
>>139
)
139
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/16(月) 21:17:09 ID:pjPOsp46
アヘ顔ダブルピース
140
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 21:53:36 ID:XcksMtdQ
寿限無(アヘ顔ダブルピースで地面に転がっている全裸の生徒会長の姿があった)
寿限無(穴という穴から液体を垂れ流し、もはや戦う気力というものが感じられない)
生徒会長「あ……あぐっ……うへへへへ……」ピクピク
寿限無「酷い有り様ね、もう抵抗は無駄よ」
吸血鬼穂乃果「これ以上堕とされたくないのなら降参して情報を吐くことね」
生徒会長「わ……分かったわ、だからもうやめ……んんっ!」ビクンッ!
寿限無「まず聞くけど、あなたは新魔王軍の人?」
生徒会長「そ……そうよ……アルパカを守りに派遣されたの……」
141
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 21:53:51 ID:XcksMtdQ
生徒会長「ま、まぁ、私が守るまでもなく……ウイルスは既に拡散されてるけどね……はぁはぁ……」
寿限無「どうでもいいわ、アルパカは私たちがぶっ倒すから、アルパカはどこ?」
生徒会長「それは……教えられない……」
寿限無「はぁ!?」
吸血鬼穂乃果「じゃあ重AASを発生させている機械の場所は?それは教えなさい」
生徒会長「分かった……それで見逃して……」
吸血鬼穂乃果「ええ」コクンッ
生徒会長「このAASを発生させてる場所は、学校の中の
>>142
よ」
142
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/16(月) 22:24:01 ID:91r2nSq6
スクールアイドル研究部の部室
143
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 23:07:41 ID:XcksMtdQ
生徒会長「スクールアイドル研究部の部室……だった場所よ……」
吸血鬼穂乃果「スクールアイドル研究部?」
寿限無「μ'sが使ってた部屋よ、きっとゴーストなら場所が分かるから戻りましょう」
寿限無「生徒会長は脱力しててどうせ動けないし、仮面もこうして回収したし――」
ピクッ
生徒会長「くくっ……油断したわね!」スッ
寿限無「へ?」
寿限無(私たちが目を離した隙に、生徒会長は仰向けだった体をうつ伏せに反転させ、何やら複雑怪奇な動きをする)
寿限無(すると辺りにノイズが走って……)
シュシュッ!!
寿限無(裸の生徒会長の姿が消えたかと思うと、同じ場所に服を着た生徒会長が現れた)
寿限無「なっ!」
吸血鬼穂乃果「回復……違うわね、能力を使ったんだわ」
生徒会長「正解、私の力は別の世界の生徒会長と体を交換すること、それは力を借りるという比喩ではなんかじゃない」
寿限無「それは知ってるけど……それには仮面が必要なんじゃないの?」
生徒会長「仮面が必要なのは入れ替わった生徒会長に『私』の意識を植え付けるためよ」
生徒会長「私自身を入れ替わるのなら仮面という補助具は必要ない」
寿限無「私自身……?」
144
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/16(月) 23:07:56 ID:XcksMtdQ
生徒会長「そう、私は平行世界の『あなたたちに敗北してない私』と入れ替わったの」
生徒会長「私だって生徒会長の1人、条件は満たしているわ」
生徒会長「どうやらさっきまでの私は無様に負けてしまったようね、残念残念」
吸血鬼穂乃果「平行世界の自分と入れ替わる……か、生徒を操る他にも厄介な能力の使い方があるのね」
生徒会長「まぁあなたたちと争うつもりはもう無いわよ、負けるのは目に見えてるし」
吸血鬼穂乃果「信じられないけど信じておくわ」
生徒会長「いい心掛けよ……そうそう、ウイルスアルパカと戦うなら1つ気をつけなさい」
生徒会長「あいつは
>>145
」
145
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/16(月) 23:20:19 ID:M6lmnBvQ
異形を孕ませる能力持ち
146
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 00:03:36 ID:qfV/w8dM
生徒会長「あいつは異形を孕ませる能力持ちだから」
寿限無「気持ち悪い能力ね、肝に命じておくわ」
生徒会長「ではっ!」
シュババッ!!
寿限無(置き土産のつもりだったのだろうか、生徒会長はそれだけ言い残すと足早に去っていった)
寿限無(私たちも重AASの中にいるのは視界が悪く危険なので、視界が晴れる場所まで戻ることにする)
スタスタ
寿限無「それにしても予想以上に凄かったわ」
吸血鬼穂乃果「音ノ木坂生徒のテクが?」
寿限無「それもだけど……私が言ってるのはあなたの力のことよ、賢者の石ってなに?」
吸血鬼穂乃果「ああそれね、新魔王軍の魔人から奪ったのを自分に埋め込んだだけ」
吸血鬼穂乃果「魔人は進化した私を見てNeo穂乃果クラスとかほざいてた気がするわね……」
寿限無「Neo穂乃果!?」
吸血鬼穂乃果「知ってるの?」
寿限無「ええ、新魔王軍が新魔王をベースに開発した亜種個体よ」
147
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 00:04:17 ID:qfV/w8dM
寿限無「一芸特化だけど、その一芸なら新魔王や神造人間に匹敵するポテンシャルを持つって話よ」
吸血鬼穂乃果「へぇ〜、それは中々……でもまだ同格がいるのは気に食わないわね」
吸血鬼穂乃果「もっと高貴で完璧な存在にならなければ!」グッ
寿限無「ははは……」
寿限無(会って間もないけど、マッキー並にキャラが濃い人だなぁ)
寿限無「……でも、本当にすごいよ、私がいなくてもいいくらい」
吸血鬼穂乃果「はぁ?何を言っているのよ?」
寿限無「え?」
吸血鬼穂乃果「私が完璧だからと行って、あなたが自分を卑下する理由はどこにもない」
吸血鬼穂乃果「寿限無、どうして私があなたを名前で呼んでるか考えなさい」
寿限無「う、うん……?」
寿限無(名前……名前……?)
寿限無(そういえば吸血鬼穂乃果は私のことを寿限無って名前で呼んでたわね)
寿限無(他の皆のことは下民やらなんやら呼ぶのに……)
寿限無(それって私が一応認められてるってことかしら……?)
148
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 00:05:40 ID:qfV/w8dM
吸血鬼穂乃果「私の紅の真贋に間違いはない、自らの力を誇りなさい!そして私を崇めなさい!讃えなさい!」
寿限無「あ、ありがとう?」
吸血鬼穂乃果「ふんっ……分かればいいのよ」
スタスタ
寿限無(出会ったばかりの吸血鬼穂乃果が私を認める理由、たぶんそれは……私が神似子だからだろう)
寿限無(下民にしてはマシな素質があるから、吸血鬼穂乃果は一応評価しているだけ)
寿限無(でも……それだけでもいい)
グッ
寿限無(期待されてるなら期待には応えないと)
寿限無(城では赤の女王に気圧されて何も出来なかった、あんな無様はもう嫌だ……)
タンッ
寿限無(ここでこそ活躍する!役に立つ!)
寿限無(ウイルスアルパカは……私が倒す……!)
─────────────────
音ノ木坂跡
AM5:27〜AM5:32 新終末編『191』了
149
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 00:06:29 ID:qfV/w8dM
というわけでここまで
部室へGO
新終末編『192』に続く
かもしれない
150
:
!ken:99
:2017/10/17(火) 08:29:17 ID:CWDx9qcg
をつ
151
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/17(火) 14:53:19 ID:Dos5.plI
いいゾ��
152
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 20:11:55 ID:qfV/w8dM
新終末編『192』
─────────────────
──音ノ木坂跡
AM5:33
寿限無(生徒会長を退けた私たちは重AAS地帯から離脱し、待機していたゴーストたちと再合流した)
ゴースト「どうだった?」
吸血鬼穂乃果「見逃す代わりに情報を得たわ、スクールアイドル研究部の部室に目的の機械があるらしい」
ゴースト「部室か……分かった、そこまで案内するわ」
マッキー「ごあんなーい!」タタッ
寿限無「こら勝手に走らない!」ガシッ
マッキー「あうっ……」
寿限無(貞子、マッキーの欠落部分の補修はまだなの?)
貞子『ダメね……ザザッ……やってみてはいるけど……英玲奈と離れてるせいで……ザザッ……上手く進まない……』
寿限無(ふむ……マッキーを元に戻すには英玲奈を見つけないとダメなようね)
寿限無「穂乃果さんのほうは起きた?ぺぺぺペーンが背負ってたのよね」
ぺぺぺペーン「ええ、私の背中で眠ってた彼女なら目覚め
>>153
」
153
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/10/17(火) 20:17:08 ID:buUYGh6Q
てるけど、楽だからって降りようとしない
154
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 21:10:18 ID:qfV/w8dM
ぺぺぺペーン「目覚めてるけど、楽だからって降りようとしない」
アニメ穂乃果「いや〜人におぶってもらっているのは楽ちんだな〜」
寿限無「コラコラ」
ぺぺぺペーン「早く降りて欲しいんだけどなぁ」
アニメ穂乃果「ぺぺぺペーンちゃんからしたら大した重さじゃないでしょ、麻酔切れたばかりだしまだこのままがいい〜」ギュゥゥッ
ぺぺぺペーン「はぁ……」
寿限無「仕方ないわね、しばらくそのままにしておくとして……ワクチンのほうは効いてる?」
アニメ穂乃果「うん、ここらへんもウイルスが漂ってるけど、吸い込んでも私が感染する感じは無いかな」
寿限無「それなら大丈夫……ってウイルスまで見えちゃうんだ、魔眼ってすごいのね」
アニメ穂乃果「えへへ、まぁ今の私にはこれくらいしか取り柄ないから」
ぺぺぺペーン「ウイルス探知に強くなったのはエグゼイドに変身したからってのもあるんじゃない?」
アニメ穂乃果「そうかなぁ?インサイトの仮面の効果のほうが強いと思うけど」
155
:
◆WsBxU38iK2
:2017/10/17(火) 21:10:39 ID:qfV/w8dM
寿限無(ぺぺぺペーンと話しながら、穂乃果さんは自分の腰に巻かれたベルトや、ベルトの横に引っ掛けてある仮面に触れる)
寿限無(仮面の反対側のベルトホルダーには長い日本刀も差してあって……よく見ると変なアイテム沢山付けてるわね)
寿限無(これだけ多くのアイテムがあって、私の直死を超える万能の魔眼持ち)
寿限無(なんだか無性に羨ましくなってしまう……)
ゴースト「さっ!時間もないし部室に行くわよ!」
アニメ穂乃果「おー!」
ぺぺぺペーン「威勢はいいから自分で歩いて……」
・
・
カツ カツ
寿限無(廃墟となった校舎の中、ゴーストの案内で部室目指して廊下を歩いていく)
寿限無(外に溜まっている重AASは中までは流れ込んできていない、今のところ罠らしい罠もないし順調)
ゴースト「もう少しで部室の場所よ、油断はしないで」
吸血鬼穂乃果「分かってる」
寿限無(そうして、部室の前まで辿り着くと
>>156
)
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