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チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレPart5
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うみうさが高坂家の一員になってから1週間が過ぎたころ、チュンチュンの嫉妬と怒りは既に限界に達していた。いつ何時でも目の前で繰り広げられる穂乃果とうみうさの戯れは、チーズケーキの味もマカロンの味も無機質な砂のように変えてしまった。毛づくろいをしてもらっても、穂乃果がうみうさの髪をとかすのを見ると素直に喜べなかった。
わがままを言わず、問題を起こさないうみうさはチュンチュン以上に穂乃果に愛でられた。穂乃果は食事のときもうみうさを膝に乗せて離そうとせず、お風呂にも一緒に入れていた。うみうさのために絵本を読み聞かせてやり、かわいらしい服も着せてあげた。ベッドで穂乃果に添い寝するのもいつの間にかうみうさになっていた。プライドが高いチュンチュンもさすがにこれには我慢できず、自分もベッドの中に潜り込もうとした。しかし、穂乃果の言葉はチュンチュンを絶望の淵に追いやった。
「ごめんね、チュンチュン。チュンチュンがいるとうみうさちゃんが怖がるから…しばらくは一人でお休みしてね」
穂乃果は自分よりあの奇妙な生き物を優先したのだ。その事実はチュンチュンの胸を抉った。もともと、ペットしてのチュンチュンの人気はその外見と人間の言葉を理解できることにある。しかし、うみうさはその双方でチュンチュンをはるかに上回っていた。おどおどしてはいるが、言葉は流暢で歌声も綺麗だ。飼い主の気持ちを考えるため、実のある会話も可能である。わがままを言わずおとなしい性質もあって、育てやすさにも雲泥の差がある。まして、穂乃果は以前からうみうさを飼いたがっていたため、偶然拾ったチュンチュンより愛情を注ぎたくなるのは当然の成り行きだった。
「ユルサナイチュン…。チュンチュンノハノケチェンヲトッタコト、ゼッタイユルサナイチュン…」
チュンチュンの怒りは当然嫉妬の対象であるうみうさに向けられた。だが、その怒りの矛先を向けることは容易ではなかった。うみうさはいつも穂乃果のそばにいるため、何かちょっかいを出せばすぐに穂乃果に気づかれてしまう。日中は穂乃果が留守であるが、うみうさはいつも部屋を出て穂乃果の母のそばに行ってしまう。ペット特有のにおいもなく、綺麗好きなうみうさはチュンチュンと違い高坂家全体を自由に行き来することが許されていた。寂しがりやな性格のうみうさはいつも穂乃果の母のもとへ寄り添っており、穂むらの新たな看板娘になっていた。
嫉妬に苛まれるチュンチュンであったが、しばらく後に願ってもない機会が訪れることになった。和菓子の品評会が開催されたのである。穂むらからは和菓子職人である穂乃果の父が参加するのであるが、この時はいつも穂乃果の母も同行するのだ。和菓子一筋の職人気質なほのパパは極度の方向音痴であり、公共交通機関を使おうものなら迷子必至なのだ。そういうわけで、必ずほのママが一緒に付いて行くのが慣例となっており、この時ばかりは高坂家は無人となるのだ。
「カクゴスルチュン。イママデハノケチェンヲヒトリジメニシタバツヲアタエルチュン…」
チュンチュンの黒々とした眼には憎しみと怒りが渦巻いていた。
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