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チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレPart5

132名無しさん:2015/05/11(月) 23:43:58 ID:RcpgyVys
 破滅。そいつはいつも油断ならないところで大口を開けて待っていやがる。とりわけ望外の成功の影には必ずといっていいほどこいつが潜んでいる。俺が破滅の棺桶に片足突っ込んだのはまさにそんな時だった。

 一年前のあの瞬間は今でも忘れやしない。俺はとある裏カジノで大勝ちした。ほんの遊び感覚でやったルーレットからしてバカ勝ち。調子に乗ってポーカーにブラックジャックと次々に連勝。そこはただの裏カジノじゃなかった。政財官と太いパイプのある、あの西木野グループの息がかかったカジノっていうのがもっぱらの噂だった。最後の締めにバカラをやったあたりには勝ちすぎて黒服に連れて行かれるんじゃないかと肝を冷やしたもんだぜ。

 幸いなことに、俺は黒服に連れて行かれることもなく大金を手に入れることができた。けどな、そのラッキーこそが破滅への第一歩だったんだ。俺には天性のギャンブルの才能がある、そう思い込んじまったんだよ。ビギナーズラックであれだけの大金を手に入れちまった俺の頭には、まともに働くなんて考えは微塵もなくなっちまった。

 そこからの転落は早かった。俺はあの裏カジノに毎晩のように足繁く通うようになった。そしてこれでもかと負け続けた。あの時手にした大金は見る見るうちになくなっていった。勝てない。どうやっても勝てなかった。ルーレットであろうとポーカーであろうと、何をしても勝てなかった。1ヶ月も経たないうちにあの時の金は底を尽いた。それでも俺はカジノ通いをやめられなかった。こうなってくると、もう理性的な行動は無理なんだよな。意地になって勝とうとしちまう。ポケットマネーに手を出し、ついには借金まですることになった。

 ここまででもとんだ転落人生だが、これで済むならまだかわいいもんさ。そう、完全に種銭が切れちまえば嫌でもギャンブルはやめられる。一番困るのは自由にできる金がある場合だ。幸か不幸か、俺は死んだオヤジの跡を継いだボンボンの七光り社長だったんだ。これでも建設業界には顔の利く大手なんだぜ。だからこそ西木野のカジノにもツテで入れたんだ。んで、賭博の種銭に困った俺はとうとう会社のカネにまで手を出しちまったってわけだ。 

 会社のカネをちょろまかしたのは遅かれ早かれバレちまう。そうなったら俺は取締役会で絞られて社長の座を追われるし、横領で告訴されかねない。そのためにも俺は勝たなきゃならない。使い込んだ会社のカネを穴埋めできるくらいにな。そんなわけで、頭では泥沼とはわかっていても今夜も俺は例の裏カジノに足を運んでいた。




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