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映画 2

1名無しさん:2025/04/05(土) 09:25:18
2015年に観た映画
『エクソダス:神と王』『チャーリー・モルデカイ』『イントゥ・ザ・ウッズ』『シンデレラ』『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』
『ジュラシック・ワールド』『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『ヴィンセントが教えてくれたこと』『ザ・ヴァンパイア』『キングスマン』
『カンフー・ジャングル』『ジョン・ウィック』『PAN』『黒衣の刺客』『007 スペクター』

2016年観た映画
『クリード  チャンプを継ぐ男』『エージェント・ウルトラ』『白鯨との闘い』『X‐ミッション』『オデッセイ』
『バットマンVSスーパーマン』『シビル・ウォー』『レヴェナント』『デッドプール』『復活』
『貞子VS伽椰子』『シン・ゴジラ』『ゴーストバスターズ』『X-MEN:アポカリプス』『スーサイド・スクワッド』

2017年に観た映画
『ザ・コンサルタント』『ミスペレグリンと奇妙なこどもたち』『ドクター・ストレンジ』『キングコング』『ラ・ラ・ランド』
『パッセンジャー』『グレートウォール』『美女と野獣』『キング・アーサー』『ハクソー・リッジ』『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』
『ジョン・ウィック チャプター2』『パワーレンジャー』『銀魂』『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』『スパイダーマン:ホームカミング』『ワンダーウーマン』
『アトミック・ブロンド』『マイティ・ソー バトルロイヤル』『IT』『ジャスティス・リーグ』『オリエント急行殺人事件』

2018年に観た映画
『キングスマン ゴールデン・サークル』『バーフバリ 王の凱旋』『ジオストーム』『妖猫傳』『グレイテスト・ショーマン』
『シェイプ・オブウォーター』『ブラックパンサー』『レッド・スパロウ』『ダンガル』『ウィンストン・チャーチル』『レディ・プレイヤー1』
『パシフィック・リム アップライジング』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ホース・ソルジャー』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ランペイジ』
『デッドプール2』『ニンジャバットマン』『アメリカン・アサシン』『ハン・ソロ』『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
『BLEACH』『ミッション:インポッシブル フォールアウト』『オーシャンズ8』『カメラを止めるな!』『銀魂2 掟は破るためにこそある』
『ザ・プレデター』『クワイエット・プライス』『死霊館のシスター』『イコライザー2』『デス・ウィッシュ』
『ボヘミアン・ラプソディ』『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』『来る』『メアリーの総て』

2019年に観た映画
『クリード 炎の宿敵』『蜘蛛の巣を払う女』『アリー/ スター誕生』『シュガー・ラッシュ:オンライン』
『サスペリア』『ミスター・ガラス』『山中傳奇』『天才作家の妻 ―40年目の真実―』
『メリー・ポピンズ リターンズ』『アクアマン』『アリータ:バトル・エンジェル』『移動都市/モータル・エンジン』
『翔んで埼玉』『THE GUILTY/ギルティ』『シンプル・フェイバー』『グリーンブック』
『ふたりの女王』『ブラック・クランズマン』『スパイダーマン:スパイダーバース』『キャプテン・マーベル』
『マローボーン家の掟』『シャザム!』『ハロウィン』『アベンジャーズ/エンドゲーム』
『オーヴァーロード』『マイ・ブックショップ』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『チカーノになった日本人』
『天国でまた会おう』『スノー・ロワイヤル』『ハウス・ジャック・ビルト』『X-MEN:ダーク・フェニックス』
『アラジン』『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』『マルリナの明日』『Diner ダイナー』
『バイオレンス・ボイジャー』『ハイ・ライフ』『アンノウン・ソルジャー』『サマー・オブ・84』
『SHADOW/影武者』『ブレス あの波の向こうへ』『ワンス・ア・ポン・ア・タイム・イン・ハリッド』『アス』
『荒野の誓い』『さらば愛しきアウトロー』『ライリー・ノース 復讐の女神』『ジョーカー』
『ジョン・ウィック:パラベラム』『クロール -凶暴領域-』『フッド ザ・ビギニング』『聖なる泉の少女』
『ジェミニマン』『IT イット THE END』『春画と日本人』『ブライトバーン』『地獄少女』
『ドクター・スリープ』『ゴーストマスター』『屍人荘の殺人』『燃えよスーリヤ!!』

2名無しさん:2025/04/05(土) 09:25:57
2020年に観た映画
『ポゼッション』『エッシャー 視覚の魔術師』『ジョジョ・ラビット』『ヘヴィ・トリップ』『ナイブズ・アウト』
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』『スーパーティーチャー 熱血格闘』『ミッドサマー』『羅小黒戦記』『野生の呼び声』
『ランボー ラスト・ブラッド』『スペシャルズ!』『テネット』『無限ファンデーション』『セノーテ』
『ウィッカーマン』『超擬態人間』『魔女がいっぱい』『ワンダーウーマン 1984』

2021年に観た映画
『銀魂 THE FINAL』『夢見るように眠りたい』『応天門の変』『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』
『どん底作家の人生に幸あれ!』『さんかく窓の外側は夜』 『美少女戦士セーラームーンEternal 前編&後編】』
『ファーストラヴ』『すばらしき世界』『香港画』『ドンテンタウン』『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』
『バクラウ 地図から消された村』『ノスタルジア』『惑星ソラリス』『ストーカー』『イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社』
『ロード・オブ・カオス』『ヒッチャー』『ノマドランド』『21ブリッジ』『パーム・スプリングス』
『AVA/エヴァ』『るろうに剣心 最終章 The Final』『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』
『東アジア反日武装戦線』『ターコイズの空の下で』『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』
『ジェントルメン』『ブックセラーズ』『水を抱く女』『地獄の警備員』
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』『映画大好きポンポさん』
『Mr.ノーバディ』『Arc アーク』『ゴジラvsコング』『ブラック・ウィドウ』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』『白蛇:縁起』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』
『フリー・ガイ』『ドント・ブリーズ2』『脳天パラダイス』『妖怪大戦争 ガーディアンズ』
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『サイコ・ゴアマン』『ディナー・イン・アメリカ』
『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『ベイビーわるきゅ〜れ』『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』
『キャッシュトラック』『燃えよ剣』『ライトハウス』『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』
『素晴らしき、きのこの世界』『黄龍の村』『エターナルズ』『〈主婦〉の学校』
『マーティン/呪われた吸血少年』『アミューズメント・パーク』『シー・イズ・オーシャン』
『スクールガールズ』『稽古場 Rehearsal Hall』『ラストナイト・イン・ソーホー』
『劇場版 呪術廻戦 0』『最強殺し屋伝説国岡』『キングスマン:ファースト・エージェント』

2022年に観た映画
『レイジング・ファイア』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『クライ・マッチョ』『マークスマン』
『真夜中乙女戦争』『コーダ あいのうた』『ハウス・オブ・グッチ』『ライダーズ・オブ・ジャスティス』『Pure Japanese』
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』『ノイズ』『ザ・ミスフィッツ』『355』『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
『ウエスト・サイド・ストーリー』『自宅警備員と家事妖精』『アンチャーテッド』『ナイル殺人事件』『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』
『シラノ』『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』『渚の果てにこの愛を』『ポゼッサー』
『ガンパウダー・ミルクシェイク』『メモリア』『シャドウ・イン・クラウド』『オートクチュール』『TITANE チタン』
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』
『モービウス』『ハッチング ー孵化ー』『ニトラム/NITRAM』『マリー・ミー』
『ホリック xxxHOLiC』『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『シン・ウルトラマン』『トップガン マーヴェリック』
『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版』『犬王』『夜を走る』『ニューオーダー』『はい、泳げません』
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』『炎の少女チャーリー』『峠 最後のサムライ』『狐晴明九尾狩』『ザ・ロストシティ』
『ブラック・フォン』『エルヴィス』『X エックス』『ソー:ラブ&サンダー』『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』
『炎のデス・ポリス』『キャメラを止めるな!』『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』『女神の継承』『コンビニエンス・ストーリー』
『クリーチャーズ 宇宙から来た食人族』『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』『バイオレンスアクション』『サバカン SABAKAN』『Zola ゾラ』
『グリーンバレット』『ブレット・トレイン』『NOPE/ノープ』『ビースト』『この子は邪悪』
『激怒』『クリーン ある殺し屋の献身』『秘密の森の、その向こう』『“それ”がいる森』『いつか、いつも……いつまでも。』
『愛してる!』『RRR』『スペンサー ダイアナの決意』『猫と塩、または砂糖』『天間荘の三姉妹』
『さかなのこ』『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』『土を喰らう十二ヵ月』『ドント・ウォーリー・ダーリン』
『ザ・メニュー』『グリーン・ナイト』『MONDAYS/このタイムループ、上司に気付かせないと終わらない』『ブラックアダム』『マッドゴッド』
『メイヘムガールズ』『MEN 同じ顔の男たち』『ミセス・ハリス、パリへ行く』『ケイコ 目を澄ませて』『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』

3名無しさん:2025/04/05(土) 09:26:41
2023年に観た映画。
『ネバー・ゴーイン・バック』『幕末太陽傳』『神州無頼街』『PIG / ピッグ』『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』『ノベンバー』『ノースマン 導かれし復讐者』『殺しを呼ぶ卵【最長版】』『あのこと』
『グッドバイ、バッドマガジンズ』『イニシェリン島の精霊』
『母の聖戦』『バイオレント・ナイト』『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』『FALL/フォール』『キラーカブトガニ』
『未来惑星ザルドス』『呪呪呪/死者をあやつるもの』『ベネデッタ』『バンバン!』『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
『ボーンズアンドオール』『レッドシューズ』『アラビアンナイト 三千年の願い』
『逆転のトライアングル』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『丘の上の本屋さん』『エンパイア・オブ・ライト』『バニング・ポイント』
『フェイブルマンズ』『シン・仮面ライダー』『シャザム! 〜神々の怒り〜』『エッフェル塔〜創造者の愛〜』『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
『わたしの幸せな結婚』
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』『コンペティション』『パリタクシー』『ダークグラス』『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』
『ハロウィン THE END』『ベネシアフレニア』『らくだい魔女 フウカと闇の魔女』『グリッドマン ユニバース』『アダマン号に乗って』『セールス・ガールの考現学』
『聖闘士星矢 The Beginning』『午前4時にパリの夜は明ける』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』『ハマのドン』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
『帰れない山』『ブラフマーストラ』『フリークスアウト』『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』『65/シックスティ・ファイブ』
『テリファー 終わらない惨劇』『ブラック・デーモン 絶体絶命』『クリード 過去の逆襲』『M3GAN/ミーガン』『劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」《前編》』
『雄獅少年/ライオン少年』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』『ザ・フラッシュ』『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』『忌怪島/きかいじま』
『プー あくまのくまさん』
『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』『劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」《後編》』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』『リバー、流れないでよ』『Pearl パール』
『マッド・ハイジ』『ヴァチカンのエクソシスト』『五等分の花嫁∽』『K.G.F: CHAPTER 1』『アイスクリームフィーバー』
『K.G.F: CHAPTER 2』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『古の王子と3つの花』『イビルアイ』
『イノセンツ』『パラダイス/半島』『叢雲〜ゴースト・エージェンシー』『トランスフォーマー/ビースト覚醒』『リボルバー・リリー』
『猫と、とうさん』『ミンナのウタ』『アルゴ探検隊の大冒険』『ブギーマン』『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
『キラーコンドーム ディレクターズカット完全版』『MEG ザ・モンスターズ2』『さよならエリュマントス』
『アステロイド・シティ』『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』『ヒンターラント』『禁じられた遊び』『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』
『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』『ロスト・キング 500年越しの運命』『オオカミの家』
『コカイン・ベア』『金持を喰いちぎれ』『イコライザー THE FINAL』『ファルコン・レイク』『シアター・キャンプ』
『シャーク・ド・フランス』『死霊館のシスター 呪いの秘密』『宇宙探索編集部』『キリエのうた』『鯨のレストラン』
『ザ・クリエイター/創造者』『オペレーション・フォーチュン』『ヤマドンガ』『サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者』
『SISU/シス 不死身の男』『月』『唄う六人の女』『私がやりました』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ドミノ』『おしょりん』『栗の森のものがたり』『ヒッチコックの映画術』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』『STORY GAME〈ストーリー・ゲーム〉』『アメリ』
『エクソシスト 信じる者』『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』『ナポレオン』『窓ぎわのトットちゃん』
『ファミリー・ディナー』『マーベルズ』『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』『理想郷』
『ショータイム!』『ポトフ 美食家と料理人』『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』『PERFECT DAYS』『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』

4名無しさん:2025/04/05(土) 09:26:52
2024年に観た映画
『サンクスギビング』『ファースト・カウ』『シャクラ』『メデューサ デラックス』『プシュパ 覚醒』
『NOCEBO/ノセボ』『アクアマン/失われた王国』『台風クラブ』『VESPER/ヴェスパー』『みなに幸あれ』
『赤い糸 輪廻のひみつ』『恐解釈 花咲か爺さん』『恐解釈 桃太郎』
『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』『哀れなるものたち』『唐獅子仮面/LION-GIRL』『巡る、カカオ〜神のフルーツに魅せられた日本人〜』『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』『吸血鬼』『ボーはおそれている』『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』『スリ・アシィ』
『マダム・ウェブ』
『ARGYLLE アーガイル』『ストリートダンサー』『サン・セバスチャンへ、ようこそ』『ヴィクラムとヴェーダ ヒンディー語版』『コヴェナント/約束の救出』
『DOGMAN ドッグマン』『フィリピンパブ嬢の社会学』『シノアリス 一番最後のモノガタリ』『愛する時』『π<パイ>』
『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』『変な家』『ペナルティループ』『ブリックレイヤー』
『ピアノ・レッスン』『テルマ&ルイーズ』『呪術廻戦』「渋谷事変」セレクション上映』『悪魔の追跡』『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』
『オーメン:ザ・ファースト』『インフィニティ・プール』『パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜』『映画の朝ごはん』『クラメルカガリ』
『クラユカバ』『陰陽師0』『リンダはチキンが食べたい!』『海街奇譚』『プロスペローの本』
『マンティコア 怪物』
『キラー・ナマケモノ』『ゴジラxコング 新たなる帝国』『マリウポリの20日間』『タイガー 裏切りのスパイ』『胸騒ぎ』
『アイアンクロー』『ゴッドランド/GODLAND』『マイマイ新子と千年の魔法』『光る鯨』『フューチャー・ウォーズ』
『PS1 黄金の河』『悪魔がはらわたでいけにえで私』『コンパートメントNo.6』『湖の女たち』
『マッドマックス:フュリオサ』『バディモン5 望まれざる者』『不死身ラヴァーズ』『若武者』『ナイトスイム』
『またヴィンセントは襲われる』『PS2 大いなる船出』『ハリー・ポッターと賢者の石』『オペラ座の怪人』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
『ドライブアウェイ・ドールズ』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『Iké Boys イケボーイズ』『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『悪魔のシスター』『ファンタスティック・ビー ストと黒い魔法使いの誕生』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
『呪葬』『Shirley シャーリイ』『SALAAR/サラール』『デッドプール&ウルヴァリン』『男女残酷物語/サソリ決戦』
『帰って来たドラゴン』『プロミスト・ランド』
『プロミスト・ランド』『フンパヨン 呪物に隠れた闇』『リッチランド』『ソイレント・グリーン』『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 』
『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』『Chime』『デッドストリーム』『フォールガイ』『#スージー・サーチ』
『ゼーガペインSTA』『ボレロ 永遠の旋律』『宝島』『サユリ』『リンダとイリナ』
『ポライト・ソサエティ』『モンキーマン』『あのコはだぁれ?』『ゴーストスポッターズ』
『ツイスターズ』『エア・ロック 海底緊急避難所』『ロイヤルホテル』『至福のレストラン 三つ星トロワグロ』『ナミビアの砂漠』
『ピクニックatハンギング・ロック』『アビゲイル』『トラウマ。〜日常に潜む恐怖をあなたに〜』『憑依』『スオミの話をしよう』
『エイリアン:ロムルス』『バーレスク』『シカゴ』『五等分の花嫁*』『ビートルジュース ビートルジュース』
『デビルクイーン』『チャイコフスキーの妻』『エフィ・ブリースト』『悪魔と夜ふかし』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』『ハヌ・マン』『ハリー・ポッターと謎のプリンス』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
『エストニアの聖なるカンフーマスター』『シビル・ウォー アメリカ 最後の日』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PERT1』『リトル・ワンダーズ』
『シン・デレラ』『西湖畔に生きる』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PERT2』
『十一人の賊軍』『ヴェノム:ザ・ラストダンス』『花嫁はどこへ?』『がんばっていきまっしょい』『スパイダー/増殖』
『ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ』『動物界』『イマジナリー』『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』『ファンタジア』
『楽園追放 ‐Impelled by 10th Anniversary‐NEW』『ドリーム・シナリオ』『リュミエール!リュミエール!』『本心』『のんきな姉さん』
『JAWAN/ジャワーン』
『二つの季節しかない村』『どうすればよかったか?』『テリファー 聖夜の悪夢』『クレイヴン・ザ・ハンター』『ゴンドラ』
『クラブゼロ』『バグダッド・カフェ』『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』『太陽と桃の歌』『山逢いのホテルで』
『カッティ 刃物と水道管』『大きな家』

5名無しさん:2025/04/05(土) 09:30:29
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』『カルキ 2898‐AD』『ビーキーパー』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』『フード・インク ポスト・コロナ』
『私にふさわしいホテル』『型破りな教室』『小学校〜それは小さな社会〜』『ねこしま』『室町無頼』
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アーサーズ・ウイスキー』『リターン・トゥ・リーズン』
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 』『遺書、公開。』『デリカテッセン』『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『ゲームの規則』『籠の中の乙女』『メイクアガール』『ベルサイユのばら』『ハイパーボリア人』
『邪悪なるもの』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『ドライブ・イン・マンハッタン』『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』『SKINAMARINK/スキナマリンク』
『本を綴る』
『封神・妖姫とキングダムの動乱』『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』『映画を愛する君へ』『封神・激闘! 燃える西岐攻防戦』『Playground/校庭』
『マッド・マウス ミッキーとミニー』『ウィキッド ふたりの魔女』『ストップモーション』『ロングレッグス』『鹿の国』
『ヨウゼン』『この素晴らしい世界に祝福を!3 -BONUS STAGE-』『Flow』『Kfc 食人連鎖』
『ミッキー17』

6名無しさん:2025/04/07(月) 06:17:45
チケット代 2000円
交通費 1000円
ポップコーンなどのフード&ドリンク代 1000円
パンフレット1000円

一度の観賞で5000円もかかる映画はもはや庶民の娯楽ではないのかも。

7名無しさん:2025/04/07(月) 07:28:42
ローソン・ユナイテッドシネマで『ナタ:魔童の大暴れ』観ました。
https://www.nezha2.jp/

こちら『封神演義』などでおなじみ哪吒が主人公の中華製フルCGアニメーション作品となります。
天地の気の凝縮した秘宝『混元珠』が宿りし者に英雄となる運命を授ける霊珠と魔王となる宿命を背負わせる魔丸の二つに分かれた。
本来ナタに渡るはずの霊珠は申公豹の企てにより東海龍王・敖光の息子・敖丙《ごうへい》に、そしてナタには魔丸がもたらされてしまう。
自由奔放で強大な力を持つナタは両親に愛され慈しみながら育てられるも民は恐れ、ナタは孤独を感じながら生きていた。
そんなある日、ナタは霊珠の転生であるゴウヘイと出会い友となるも戦いに巻き込まれて対立してしまう。
激闘の末に誤解が解かれ運命を変えるために手を取り合って戦うことを選ぶも二人は肉体を失い、魂だけが残される――。
というのが前作『ナタ〜魔童降臨〜』のあらすじ。
……て、続編なのかよ!
前作って日本で公開されてたっけ?
少し前に哪吒もの中華アニメが〝中国語音声、英語字幕、日本語字幕なし〟という国辱ものの内容で上映されていてスルーした記憶がありますが、あれか?
いずれにせよ日本国内で上映するのに日本語の音声も字幕も無しとかありえない。映画会社の連中は何を考えてそんな愚行に走ったのか。
さて本作では師である太⼄真⼈がナタとゴウヘイの⾁体を再⽣しようとするため二人の魂が同居する形でナタの肉体だけがとりあえず蘇り、それぞれの肉体を取り戻すため仙界(闡教)の試験に挑むという内容。
しかしこの闡教には裏があり悪辣な陰謀に巻き込まれる――という流れです。
黒幕となるのは絶対の善や正義を称しておきながら裏では悪辣な手段を駆使して己の欲望を満たそうとする神仙とは思えない人物で、央華封神なら間違いなく邪仙設定な存在。
「仙人だと思ったら邪仙だった」という央華のシナリオに使えそう。まぁ、今だに央華封神を遊んでいるTRPGユーザーなんていないでしょうが。
基本シリアスな物語なのにちょいちょいギャグを挟んでくるあたり『銀魂』みたいな流れで前作未観賞でも楽しめました。
それにしても申公豹は作品によってキャラも設定も変わりすぎ!
中国は神話や伝説に出てくる魅力的なキャラクターが豊富なので、そのうち哪吒をはじめ孫悟空や楊戩などが総登場する中華版アベンジャーズみたいな作品が生まれるのも時間の問題かも。

8名無しさん:2025/04/09(水) 01:13:34
横浜シネマリンで『BAUS 映画から船出した映画館』観ました。
https://bausmovie.com/

物語の舞台は1927年の日本。活動写真に魅了され〝明日〟を見い出して青森から上京したハジメとサネオの兄弟は吉祥寺初の映画館『井の頭会館』で働きはじめる事になる。
兄のハジメは活弁士として、サネオは社長として奮闘しさらなる発展を目指すも世界恐慌の波が押し寄せ、軍靴の音が聞こえてくる――。

爆音映画祭などの型破りな企画で知られ、多くの観客と作り手に愛されるも2014年に惜しまれつつ閉館した『吉祥寺バウスシアター』の源流を作った兄弟の物語を軸にバウスに込められた魂を描いた作品。
バウスの歴史物語でなくサネオの息子タクオの記憶の世界として紡がれる物語のため前半と後半でサネオからタクオへと視点が移る構成は過去と未来が交差するため少々わかりにくい。あるシーンの分割画面も必要性を感じられず無意味に難解にしているよう感じられた。
書き割りで表現された井の頭会館の外観や、暗闇に一軒だけ浮かび上がる屋台の姿といった画は幻想的で印象に残った。
終盤、バウス閉館を描く現代のくだりでは夢か現か幻か、虚実がまざり、あたかも吉祥寺という街が終わらぬ夢の舞台かのよう。

「(タバコの)煙は光と共にあり、光は映画と繋がっている。映画は人間が時間との戦いの中で見いだした一瞬を永遠に引き伸ばす」
「ご飯は体を作り学校は頭を作り映画は心を作る」

などの科白もぐっときた。
前述したようわかりにくい部分はあるが、とにかくバウスへの想いと愛が伝わる作品。
老頭児と言われるのは百も承知で動画サービス全盛の今だからこそ映画館で映画を観る行為には観賞だけでなく上映館の思いを受け取る意味もあると思わされた。
Мパテー商会活動電気館、オデヲン座、横浜名画座(現・ジャック&ベティ)、横浜日劇、横浜シネマリン――。
我が街横浜にも映画館があった。
今もあるがいつかはなくなるだろう。
けれどもそこに行った人々の記憶や思い出に残り、その人々が亡くなった後も歴史に残る。
人類もいつかは滅ぶと思うが、人類が滅んだ後にその歴史や文化の衣鉢を継ぐ存在がいるかもしれない。
人の生には限りがあるが、遺したものは延々と語り継がれる。
俳優は銀幕の中で、作家は物語の中で永遠に生き続ける。
俳優と作家は不死者。
言葉を紡ぎ、夢を綴ることで生きた証を残したい。
それにより永遠の存在になりたい。

9名無しさん:2025/04/10(木) 01:54:01
ローソン・ユナイテッドシネマで『ジャングル大帝』観ました。
https://tezukaosamu.net/jungle/

ジャングルの王者パンジャは人間の卑劣な罠にかかり命を落とし、その妻エライザは捕獲され輸送中の船上でレオを出産する。
レオは父の遺志を継ぐため海に飛び込みアフリカまでたどり着く。その勇気と優しさと知恵でジャングルの動物たちから認められていくレオ。
たがそこに死神と恐れられる3匹の凶悪な動物たちが現れ、レオは窮地に立たされる――。

こちら1966年に公開された『ジャングル大帝』劇場版のデジタルリマスター版となります。
1週間限定の劇場公開で特別料金2500円もした!

レオ「畑を作ろう、そうすれば動物同士で争うことは無くなる!」
他の動物たち「この子はキチガイなのかしら?」

て場面はたしかにキチガイだと思いました。
おまえ肉食動物だろ、肉以外は食べられないんじゃないのかよ……。
まぁ、このくだりは少ない資源を巡って争い合う事を止めて自分たちで生産しようという人類社会への寓意が込められているのでしょうが。
歌って踊ったり気色の悪い動物の擬人化といった演出面など、今の感覚だと〝ディズニーアニメに憧れるアニメ後進国が作ったディズニーのものまねアニメ〟感が否めないのですが1966年の日本のアニメ――というか日本社会そのものが米欧への憧憬に満ちた発展途上国だったんでしょうね。
特典映像としてリマスター化したNHK秘蔵の手塚治虫ドキュメンタリーと60年代手塚アニメ名作主題歌ヒットパレードも上映されました。
日本の漫画で初めてキスシーンを描いたのは手塚で、当時はPTAをはじめ児童保護団体などから猛バッシングを受けたと語っていましたが、そんな時代があったのか……。
江戸時代は女子供も普通に春画を手に入れられた、見られたのに。
文化面において明治以降の日本て後退してたんじゃないの? 手塚はこの件について言及した上で今の日本の漫画に対する姿勢は甘いからもっと批判しろ、そのたびに漫画文化は伸びるんだ的な事を言っていましたがそれは違うよ。
どんな理由があれど表現の自由を抑圧してはいけない。
たしかに抑圧により生じた克己心で創作意欲を高める事はあるでしょう。
そして規制をかい潜るために生まれる技術もあるでしょう。
でも創作者側が表現の自由を奪う行為に賛成の意を示しちゃいけないよ。
手塚ってたしかに偉大な人物なんだけど、こいつのせいでアニメーターの低賃金が定着したり、水木しげるに対する態度とか、どうにも好きになれない。

10名無しさん:2025/04/12(土) 20:50:01
ローソン・ユナイテッドシネマで『アマチュア』観ました。
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/amateur

CIAでもトップクラスの知能指数を持つ暗号分析班チャーリーは妻の命を奪った国際テロ組織への報復を渋る上司に見切りをつけたった一人での復讐を決意。
件のテロ組織とCIAとの裏のつながりなど、組織が隠蔽する極秘情報を知ったチャーリーは公開されたくなければ自分に戦闘訓練を受けさせろと持ちかける。
しかし戦闘の才能は皆無で精神面においても「おまえには人は殺せない」と教官から断言されてしまう始末。
しかし妻の復讐をあきらめないチャーリーは持ち前の頭脳とIT技術を駆使して単身でCIAすらも予測できない方法でテロリストたちを追い詰めていく。
だがそんなチャーリーに秘密を知られたCIAの刺客が迫る――。

面白い!
身体的能力は一般人以下の主人公が知識と知能をもちいて困難に立ち向かう展開は手に汗握る。
他のスパイ映画の主人公、たとえばイーサン・ハントやジェームズ・ボンドならどんな窮地におちいってもまぁなんとかなるだろ感があるのに対して本作の主人公は普通に死にそうなので常にハラハラドキドキ。
お話そのものがつまらないと些末な事が気になって細かい部分にもいちいちツッコミを入れたくなるのですが、お話そのものが面白ければ細かい部分は気にならない。
本作はまさにそれで、おまえトイレにあるような物でどれをどうやってどんなふうにして秒単位で爆発するような精巧な時限式の爆弾を一瞬で作れたんだよ! とか思ったけど気にならない気にならない! 気にしない気にしない!
というかお手製爆弾とかぐっとくる。みんなも沈黙のなんちゃらとかいう映画に出てくる電子レンジで作ったお手製爆弾とか好きでしょ?
人には長所となり得ぬ短所はなく、短所となり得ぬ長所もない。
なんでもできちゃうなろう系万能主人公もストレスフリーで楽しめますが、こういう主人公の活躍する作品もいいですね。

奇しくもノベルアップ+で復讐短編小説コンテストが開催されますが本作も復讐ものと言えるでしょう。
参考までに観てみるのもありかと。

11名無しさん:2025/04/16(水) 02:07:17

横浜ブルク13で『ゴーストキラー』観ました。
https://ghost-killer.com/

大学生の松岡ふみかは知り合いのイベンターのつまらない飲みにつき合わされ朝帰りする羽目になり、その帰り道で転んだ拍子に目に留まった弾丸の薬莢を拾う。
マンションに帰宅すると部屋にはふみかにしか見えない謎の男の姿が、その正体は凄腕の殺し屋・工藤英雄の幽霊だった。
手を握ると工藤が自分の体に乗り移ることが判明。「成仏するには自分を殺した何者かに復讐するしかない」という工藤に対し現実を受け入れられず当初は無視するふみかだったが、身に降りかかる火の粉を払うため工藤と体を同期させる事で彼の殺し屋スキル発動。ふみかは暴力で問題を次々と解決していく。
その事後処理を工藤が属していた反社組織の後輩・影原に依頼するが、それが発端となり組織のトップである本多にふみかに取り憑く工藤の存在がバレてしまう。
襲いくる本多の〝飼い犬〟たち、そして工藤は誰に自分が殺されたのかが判明する。
復讐を決意したふみかと工藤。果たして工藤はその無念を晴らし無事成仏できるのか。ふみかの運命は――。

こちら『ベイビーわるきゅーれ』シリーズでおなじみ、抜群の演技力を誇る若手実力派女優・髙石あかり主演によるアクション映画となります。
ベイビーシリーズのちさととは似て非なる髙石のアクションが堪能できるのがまず魅力的で、さらに素の状態と殺し屋が乗り移った際の変化、表情の違いや動きの変わりようといった豹変ぶりといった髙石の卓越した演技が楽しめます。
髙石あかりは今もっとも勢いのある乗りに乗っている女優のひとりであり、才媛という言葉がぴったり。こんな妹のヒモになりたかった。
髙石のみならずメガホンをとったのはベイビーシリーズのアクション監督である園村健介で、脚本は阪元裕吾その人という黄金の組み合わせ。
これで面白くないわけがない!
敵対する反社組織のアジトや描写など設定に比べてショボくない? 感があるのですが、これは予算の都合によるものか。本当は『ジョン・ウィック』のコンチネンタルホテルみたいな場所でドンパチやりたかったんだろうなぁ……。
とはいえ立ち回り、活劇部分の描写は髙石あかりだけでなくモブキャラひとりひとりでも目を見張る程の動きで日本のスタントパフォーマーのレベルの高さを実感。

これもまた奇しくも〝復讐もの〟と言えなくもないお話、ノベルアップ+の復讐短編小説コンテストに参加する予定の人は参考までに観てみるのもいいかも。

12名無しさん:2025/04/16(水) 21:04:08
みなとみらいのキノシネマで『HERE 時を越えて』観ました。
https://here-movie.jp/

物語の舞台は地球上のある場所。
恐竜たちが駆け抜け、火山が噴火し、隕石が落ちて氷河期がおとずれる。
時は流れ、緑が芽吹き、木々が育ち、ハチドリが羽ばたき、先住民族の男女が出会う。
さらに時が流れ、木々が伐採され、森が拓かれ、土地がならされ、1900年に一軒の家が建つ。
この物語の舞台でありもうひとりの主役とも言えるのが、この家のリビングだ。
最初にこの家を買ったのは、飛行機乗りのジョンとポーリーンの夫婦。やがて女の子が生まれるが、予期せぬ運命に見舞われ引っ越してゆく。
次にレオとステラというアーティスティックなカップルが入居し、個性的なインテリアで部屋を生まれ変わらせる。約20年間、仲良く暮らした2人はある発明に成功して新たな世界を求めて旅立ってゆく。

そして第2次世界大戦が終結を迎えようとしていた1945年。
この物語の主人公となる男の両親が登場する。戦地から負傷して帰還したアルと妻のローズで、ローズから妊娠したと知らされたアルは予算を上回っていたが思い切って家を購入。
やがて長男のリチャードが生まれ、続いて長女のエリザベス、次男のジミーが誕生する。
高校生になったリチャーは絵描きになることを夢見ていた。そんな中、別の高校に通うマーガレットと出会い、2人は恋に落ちる。
マーガレットは高校卒業後は大学に進学して弁護士になることを目指していたが、妊娠が発覚してリチャードと10代で結婚することになる。
1964年、リチャードの家のリビングで結婚式を挙げた2人はアルとローズと同居を始める。
女の子が生まれヴァネッサと名づけられた。リチャードは生活のために保険会社に就職して画材や描きかけの絵をすべて片付ける。
ヴァネッサが小学校に入学した時、マーガレットはリチャードにそろそろ自分たちの家を買わないかと持ち掛けるも、リチャードはローンの金利の高さを理由に「今は無理だ」と答える。
感謝祭、クリスマス、家族の誕生日――楽しい時が過ぎてゆく。それと共にヴァネッサの反抗期、夫婦喧嘩、 家族の病気などの悲しい時も過ぎてゆく。
そして、マーガレットが50歳を迎えたその日、2人の人生は思いもよらなかった方向へと向かう事になる――。

特筆すべきは1か所にカメラを固定して何世代にも渡りその場所で起きる営みを撮影し続けるという見せ方。
本編中、ズームすらほとんどしない固定された視点という発想は原作としているグラフィック・ノベルの表現を忠実に再現していて、いくつものパネルが出てくる絵画的な映像表現や過去と現在が交差して未来へと進む場面転換もかなり独特。
多くの人が生まれ、育ち、死んでゆく。受け継がれてゆくのはそんな生命の輪。永遠に続くような円環。
様々な家庭、家族の幾世代もの思い出、記憶がページを重ねるかのように見えてラストは感動。
なぜなんの変哲のない凡庸な人々の暮らしがここまで心を打つのか。
これは映画館で観るべき作品、観てください!
いや、本当に観る価値のある作品でした。

たまに「泣ける映画はありませんか?」て訊いてくる人がいて、俺は『男たちの挽歌』で号泣したけど、こいつの求める泣ける映画はそういうのじゃないんだろうなぁ。つうか心が汚れている奴ほど涙を流しててめぇの黒く濁った汚い心の汚れを洗い流したいんだろうなぁ。とか意地の悪い事を思いつつ『オーロラの彼方へ』とか無難な映画をすすめていますが(実際『オーロラの彼方へ』は泣ける名作だし)本作は間違いなく感涙してしまう作品。
男女がイチャイチャしてどっちかが難病で死ぬようなしょうもない邦画を観てうぇぇぇぇぇ〜、とか泣くような奴はこういう本物を観るべきなんですよ。

とても良い作品だったのですが、家族関係を描いた作品に触れるのが苦痛になっています。
子を持つ親の気持ちはすべての人に通じる普遍的なテーマとされていますが、今の日本は格差が広がり、貧困などが要因で結婚や子育てどころか恋人を作る事すらもままならない人が多くなっています。
私なんかもその一人であり、フィクションの世界でも幸せな家庭を見るのがつらいんですよ。
〝子孫を残す〟て、ある程度生物としての強さが必要な事なのに人類社会はその場限りの好景気ブースターに乗って流されたり、政治的なシステム上の少子化対策とかで無理やり子どもを作らせる、家庭を築かせるでしょう?
例えば昭和の昔なんてお見合いだなんだで本人の意思は二の次三の次で周囲が無理くり結婚させる。
男も女も空気に逆らわず流れで結婚しちゃう、できちゃう。
たとえ貧乏でも結婚しちゃったものだからとりあえず子どももできる。
本来なら子孫を残せる強者ではない弱者が、自分ひとりでは生きてはいけない弱者を生み出すわけです。
その子の世代でも国や世間が結婚させてくれるならまだいいですよ、でも時代が変わり個人の意思の尊重や自由だの女性の社会進出だのを重んじる結果、昔より遥かに結婚して家庭を築く難易度が上がっているじゃないですか。
強者の生んだ強者ならそんな世界でも結婚して子を残せますが、弱者が不自然に生んだ弱者は結婚どころか異性の友だちすらできない。
孤独なまま生き、独り死んでゆく。
労働に従事するだけの、ただただつらいだけの人生しかない。
生きてるだけで大損ですよ、こんな世界に生まれたくなかった。
早く死にたい。
働かずに遊んで暮らせるのなら未来永劫生きていたいけど、独り身の労働者として生きていく苦しみを受け続けるのなら今すぐ死にたい。
働かないと生きていけない労働者の家に生まれてきたのが運の尽き。
いくら寝ても寝たりない。正確には睡眠を欲しているのではなく暗闇と静寂に包まれて褥に横たわり虚無に浸っている状態がなによりも心地よい。
無に近いのが幸せなら、死という無こそが至上の幸福。つまり生まれてこない事こそが一番の幸せ。
生きているから苦しい。
映画を観ながら、あるいは楽しい夢を観ながら死にたい。
銀幕の向こう、物語の世界に逝きたい、生まれ変わりたい。

13名無しさん:2025/04/19(土) 21:19:13

ローソン・ユナイテッドシネマで劇場版『僕とロボコ』観ました。
https://boku-to-roboco.com/

「どうもこの映画のラストの展開にヤバイ戦闘シーンが仕組まれていると予知しています」という突然の虫の知らせ――否、オーダーメイド・ロボコの膝の知らせで平凡な小学生・平凡人《ボンド》のギャグアニメな日常は崩壊の兆しをみせる。
必殺技の修業をすると押し入れにこもったロボコを残し空き地で遊ぶボンドたち。そこにやって来たのは王道バトル漫画のロボコ(声・田中真弓)、本格SFアクション漫画のロボコ(声・千葉繁)、ラブコメ漫画のロボコ(声・上坂すみれ)、昭和ギャグ漫画のロボコ(声・野沢雅子)と、まったく別の世界線《マルチバース》で活躍する様々なロボコたちだった――。

有名な探偵アニメと公開日が一緒という事が売りの『僕とロボコ』ですが、その有名な探偵映画に微塵も興味無いのでロボコを観ました。
つうか観客がいない。
自分ひとりで映画を観るなんて久しぶりかも。
久々に銀幕を独り占めする悦びを感じましたけど、ロボコじゃなあ……。
原作も未読でアニメも未見のファーストロボコでしたが、ジャンプ漫画のパロディ満載で微温く楽しめました。
「天下一暗黒トーナメント」や「惑星破壊兵器アルマゲドーンの破壊力はナッパのクンッの百倍の威力がある」みたいなくだりは不覚にもくすりとなりましたね。
千葉繁の声で「おまえはもう死んでいる」が聞けるのが最大の魅力でしょうか、まさか言われていた側が言う側になるとは……。

14名無しさん:2025/04/22(火) 23:02:53
みなとみらいのキノシネマで『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』観ました。
https://www.goebbelsmovie.com/

1933年のヒトラー首相就任から1945年にヒトラーが亡くなるまでの間にプロパガンダを主導するナチスの宣伝大臣として国民を扇動してきたヨーゼフ・ゲッベルス。
当初は戦争を避け、平和を強調していたがユダヤ人の排除と対外戦争へと突き進むヒトラーから批判され信頼を失う。
愛人との関係も断ち切られ、自身の地位を回復させるためヒトラーが望む反ユダヤ映画の製作や大衆を扇動する演説、綿密に計画された戦勝パレードを次々と企画したゲッベルスは国民の熱狂とヒトラーからの信頼を再び勝ち取る。
独ソ戦で戦争は激化し、ユダヤ人の大量虐殺は猖獗を極め、スターリングラードの敗戦後にゲッベルスは国民の戦争参加をあおる総力戦演説を行う。
絶望的な状況に追い込まれたゲッベルスはヒトラーと第三帝国を永遠のものとし、後世に残すためのプロパガンダを最後に仕掛ける――。

戦況が悪化する中で大衆を扇動してヒトラーを救世主に見せる筋書きを用意したナチス政権宣伝相の評伝作品で、恐怖政治と狂乱の源泉に迫っている。
降伏までの7年間、意思決定の舞台裏に焦点を当てて悪魔のように誇張された極悪人や狂人のような〝モンスター〟ではなく、弱さや感情を備えた人としてナチスの高官とその家族の姿を描いている。
ヒトラーの隣の席を奪い合う忠誠競争やライバルへの酷評、愛人関係などゲッベルスの俗物ぶりは醜悪そのもの。
際限なく膨張するプロパガンダの力と、それへの依存。実際の記録映像を挟みながら扇動の過程と破滅への道をたどってゆく過程は娯楽色は無く人によっては退屈に思える映画だが、色々と考えさせてくれる作品。

「国が滅びるのは敗北した時ではなくて敗北を隠すようになった時」

という某東海青竜王の言葉が脳裏をよぎった。
国家は国民を騙し扇動する。
嘘だらけの大本営発表を信じ込まされていた日本人ならば安易に国や企業の主張を信じて言いなりになんかならないと思っていたが、コロナ禍でこの国の連中は先の戦争からなにも学んでいない、変わっていないと暗澹たる気持ちになったものです。
〝欧米の植民地支配からの解放〟〝ユダヤ人がドイツを破滅させようとしている〟などの大日本帝国やナチスの流したプロパガンダは消滅したがデマやプロパガンダは今も身近にある。
真っ赤な嘘を強引に信じ込ます、あるいは真実を真っ向から否定するのではなくディスインフォメーション――真実には少し近いが見当外れな偽の情報をわざと漏洩する――など巧妙化している。
こういう事を言っていると陰謀論者呼ばわりしてくる者がいるが、そういう〝陰謀論論者〟は大は国家の計略から小は家庭内の隠し事など、人類の歴史上、陰謀の存在しなかった時と場所など存在しない事を知るべき。

15名無しさん:2025/04/23(水) 01:45:52
映画と関係ないですけど『勘違いの工房主』てアニメを見たんですよ。
なんで足にまとわりついたスライムの核を狙うどころか自分の足を刺すような不器用な人が巨大なドラゴン型ゴーレムの各部位をピンポイント攻撃して倒せるの?
生物相手の〝戦闘〟と無生物相手の〝採掘〟は別とかいうゲーム的ルールの世界観なの?
それならそれでスライム相手でも〝採取〟て理屈が通るんじゃね?
これ書いてる奴はどういう論理性や合理性のもとに執筆をしているのだろう。
これ読んでる奴はどういう論理性や合理性のもとに納得しているのだろう。
また出演声優(主に瀬戸麻沙美と竹達彩奈)のためになろう系クソアニメを見る日々が始まるのか……。

16名無しさん:2025/04/23(水) 23:53:29
川﨑チネチッタで『アンジェントルメン』観ました。
https://ungentlemen-movie.com/

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの神出鬼没のUボートにより米軍の援助を妨げられ補給も断たれた英国は窮地に追いこまれていた。
ガビンズ〝M〟准将とその部下イアン・フレミングから非公認ゆえ英国軍からもナチスにも見つからず北大西洋上のUボートを無力化せよという特殊任務を言い渡されたガス少佐はひと癖もふた癖もあるイカれたメンバーを集め、潜入工作員のマージョリーらとともに作戦決行に向かうのだった――。

こちらガイ・リッチー監督による痛快娯楽アクション映画となります。
イアン・フレミングやМという登場人物におや? と思いましたが、なんと主役のガス・マーチ=フィリップスという実在の人物はジェームズ・ボンドのモデルになったとされる人で、本作で描かれるお話も史実をもとにしたストーリーとのこと。
西部劇のような音楽とけれん味のある演出が特徴。ナチスならいくら悪辣で無能に描いてもいいだろ、ナチス相手ならなにをしてもいいだろ感満載で景気よく派手にぶち殺しまくりで、抗日神劇みたい。
総じて戦闘スキル高めのメンバーですが、特に筋肉モリモリのマッチョ眼鏡キャラが弓矢で無双してホークアイやレゴラスそのもの。
奇しくも先日見たゲッベルスの映画とは真逆のテイストでなにも考えずに観て楽しむ事ができます。
面白く感じたのはUボートにより補給を断たれた状況を打破するためにUボートへの燃料などの物資を運ぶ補給を断つという作戦に出ること。
俗に三流は戦術を語る、二流は戦略を語る、一流は兵站を語ると言いますが(兵站は戦略にふくまれてんじゃね?)兵站が断たれたから兵站を断つという反撃に出るのはいかに兵站の維持、逆に相手の兵站を破壊する事が効果的かの証左のよう。
某国のように「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶やとんぼも鳥のうち」なんて揶揄して兵站を軽視したり、レーダーやVT信管など地味ではあるが戦局に大きな影響を与える技術の開発をおろそかにしてトンデモ珍兵器の開発にいそしむ国は戦争に負けて当然だと思いましたね。
全長10メートル、重量100トン超えの巨大戦車(大イ車)とかリモコン操縦でトーチカや鉄条網を爆破する小型戦車(い号)とかロケットエンジンで飛行する無線誘導ミサイル(イ号一型乙)とか、発想がロボットアニメなんだよ!
そりゃ、マッカーサーから12歳の少年呼ばわりされますわ。

17名無しさん:2025/04/25(金) 18:29:34
『サイレントナイト』
https://klockworx.com/movies/silentnight/

『プロフェッショナル』
https://professional-movie.jp/

どちらも見逃した、観たい作品が多くて追いつけない。

18名無しさん:2025/04/28(月) 10:47:52
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『異端者の家』観ました。
https://happinet-phantom.com/heretic/

布教のために森に囲まれた一軒家を訪れたモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)のシスター・パクストンとシスター・バーンズ。
ドアベルを鳴らすと出てきたのはリードという人のよさそうな初老の男性で、妻が在宅中と聞いて安心した2人は家の中で話をすることに。
早速説明をする2人だが、素人とは思えない神学の知識を披露して「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開するリード。
不穏な空気を感じた2人は密かに帰ろうとするも玄関の鍵は閉ざされており助けを呼ぼうにも携帯の電波は繋がらない。
様々な仕掛けのある迷宮のようなリード邸に閉じ込められた二人のシスターの前に「信仰」と「不信仰」と書かれた扉を見せて、選択を迫る――。

正直予告編に騙された。
『CUBE』的なトラップ感満載の〝館もの〟映画かと思いきや神や信仰についてあれこれ語られる宗教問答、論争映画という趣き。
宗教をモノポリーやファーストフードのチェーン店に例えて現在存在する既存の宗教すべてはオリジナルの反復であるというリードの持論は面白く、彼が最終的に宗教に見いだしたある正体については異論はない。たしかに宗教には〝それ〟の要素が色濃くある。
色濃くあるがそれ以外にも様々な要素があるのも事実。
このあたりみなさん自分の目で観て自分ならどう舌戦するか考えてみるのも楽しめるかも。
魔法の下着〝ガーメント〟や酒やカフェインの摂取や婚前交渉と自慰が禁じられ、初期には一夫多妻を主張したため社会的に問題になったモルモン教について多少は知っておくと面白みが増すかも。
ヒュー・グラント演じる一見人の良さそうなリードが徐々に本性を現していくのが恐ろしい。
純粋なパクストンと利発なバーンズというシスター2人のキャラも良い。
物語の主要人物はこの3人なのだが、いくつものセットで撮影した映像を組み合わせたというリード邸が居心地の悪さや閉塞感、不穏な雰囲気を出していて存在感を出している。
リビングルーム、礼拝堂、書斎、地下室という連続する空間がそれぞれ別の場所にあるかのようでペルソナシリーズのマヨナカテレビやパレスのような異世界感があり見もの。さながら第4の登場人物かのようで、ある意味〝館もの〟といえる。
万人受けする作品ではありませんが観て損はない逸品。
あとあんな不味そう、食べたくないブルーベリーパイは初めて見たかも。
ブルーベリーパイは『リトル・ワンダーズ』のあれに限る。

19名無しさん:2025/04/29(火) 11:01:38
https://www.twellv.co.jp/program/drama/gw_shark2025/
ゴーストシャーク迄あるとは中々分かってるチョイス!VSグレートタイタンも結構好き💖

20名無しさん:2025/05/02(金) 09:54:38
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『けものがいる』観ました。
https://kemonogairu.com/

物語の舞台はAI《人工知能》が管理する2044年のパリ。
感情は不要とみなされ有意義な仕事に就くには感情を消去するセッションを受けなければならなかった。
セッションとは前世からの苦しみを取り除きDNAを浄化するというもの。
孤独な女性ガブリエルは感情の消去に疑問を抱きながらも仕事に就くために浄化を決意。
セッションにより1910年のパリと2014年のロサンゼルス、2つの時代の前世にさかのぼり、それぞれの時代でルイという男性と出会い、惹かれ合うが、どの時代でも2人には破局が待ち受けていた――。

前世で潜在意識を汚染したトラウマを消し去る事でDNAを浄化するとか、どんな理屈なのよ?
この設定だけは最後まで「?」でしたが、そんな事が気にならないくらい奇妙で魔術的とも言える映像演出とガブリエルを演じるレア・セドゥの存在感に圧倒されました。
ガブリエルが抱える愛や執着、恐怖や苦悩や孤独をよくぞ表現するものだと抜群の演技力に目が釘付け。
なによりも合成用のグリーンバックを背景にした冒頭に始まり、斬新な――あまりにも斬新なエンドロールには度肝を抜かれた。
いやほんとこんなのありなの!? これはぜひスクリーンで観てください、余韻に浸る事すらゆるされない大胆な演出に驚くこと間違いなし。
現世と前世を行き来し、過去と現在が交差するうちになにが現実でなにが虚構か曖昧としてくる目眩にも似た感覚は奇妙で不気味な長い旅をしているかのよう。
この朦朧とした感覚はデヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』や『ツイン・ピークス』を観た時にそっくりで、デヴィッド・リンチ感があります。
人間らしさとは対極にある管理社会への反発や抵抗などのテーマも感じられた。
繰り返しますがあのエンドロールは本当に意表を突かれましたのでネタバレに触れないうちに観るべき。
観てください!

21名無しさん:2025/05/03(土) 21:17:06
『ミゼリコルディア』
https://www.sunny-film.com/alain-guiraudie
石造りの家が建ち並び、紅葉の美しい村。ジェレミーはかつて働いていたパン屋の店主の葬儀に参列するため帰郷する。男の未亡人マルティーヌの勧めで家に一泊だけすることになるが、思いのほか長引く滞在。そんな中、起きた謎の失踪事件。未亡人の息子ヴァンサン、音信不通となっていたかつての親友ワルター、奇妙な神父フィリップ、そして、村の秘密を知っている警官。村に立ち込めるそれぞれの思惑と欲望。
秘密を抱える主人公と奇妙な住人ばかりの村
セザール賞8部門にノミネート。フランスでスマッシュヒットの最新作。



観たかったけど優先順位的に見送りかなぁ。

22名無しさん:2025/05/04(日) 03:00:23
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『サンダーボルツ*』観ました。
https://marvel.disney.co.jp/movie/thunderbolts

ニューヨークに突如として現れた謎の黒い影が瞬く間に街をのみ込み、人々を消し去っていく。
かつてアベンジャーズが立ち向かったような世界規模の危機が再び起きたのだ。
しかし、救世主だったアベンジャーズはもう存在しない。
ならば誰がこの混沌を収めるのか?
冷徹な暗殺者、ソ連の超人兵士、任務の失敗でキャプテン・アメリカの座を追われた男、などなど――。
新たな希望として選ばれたのはヒーローと敵対し、過去に数々の悪行を重ねた〝ヴィラン〟と呼ばれるような、ならず者たちだった――。

こちら『アベンジャーズ』シリーズ関連作に登場した敵役たちが主人公のマーベル・シネマティック・ユニバース作品の最新作となります。
いやぁ、まいった。
映画館の入り口付近で大声でエンドロール後の話をしている人がいて、観る直前にネタバレくらいましたよ。
そうか、次回作ではファンタスティックな米粉麺の人たちと絡むのか……。
表舞台には立てず日の当たらない汚れ仕事をしてきた日陰者同士が権力者の陰謀に翻弄され、衝突を繰り返しながらもチームとしての絆を育んでいく過程がぐっとくる。

「過去を背負って生き続けるか、それとも一歩踏み出すか」

という問いにヒーローになる決意を固めていく――というよりも行動で示す展開は胸熱。
人を助けるのに理由も理屈もいらねぇんだよ! とばかりに袂を分けた面々が人々を守り、助けるために集結するくだりは感動もの。
敗者として打ちのめされてきた彼らが再び自分を信じ、圧倒的な敵に立ち向かう姿は胸を熱くせずにはいられない。
終盤、トラウマとなった出来事が延々と繰り返される闇の精神世界での仲間を助けようとするやり取りはアトラスのペルソナ4感があってこれまた胸熱。
未熟だからこそ成長できる、欠点があるからこそ仲間と支え合えるというビルドゥングスロマンのお手本のような王道展開に心揺さぶられること間違いなし。
欠点らしい欠点の無い主人公が無双するなろう系のお話もストレスフリーでいいですけど、こういうのもいいですね!

「子どもの頃、世の中には悪人と善人がいると思っていた。けれども実際は悪人と極悪人しかいない」

という科白にもビビッとしました。
この科白を言うキャラは単純に考えれば倒されるべき悪役なのですが、悲しい過去を持ち単純な善悪では裁けない複雑怪奇なキャラクターなのも面白い。
アベンジャーズに続く新たなスーパーヒーロー・サーガの序章。
今この瞬間にこそ観るべき!

あと、さも主要人物のひとりみたいに紹介されていた某キャラクター。退場するの早すぎぃ!
おまえ結局本当に死んだままなのかよ!

23名無しさん:2025/05/07(水) 20:41:44

横浜シネマリンで『ミゼリコルディア』観ました。
https://www.sunny-film.com/alain-guiraudie

かつて師事していたパン職人の葬儀に出席するため故郷の村に帰郷したジェレミー。
パン職人の妻は若いジェレミーに気があるようで、彼女をはじめ、いかつい風貌の旧友ワルター、パン職人の息子ヴァンサン、村の神父フィリップら、ジェレミー周囲の人々の愛憎が軸になり物語は進む。
ヴァンサンがとある理由で消息を絶った後にジェレミーを擁護する神父が示す愛など意表を突かれた。サスペンス的展開など、いくらでもショッキングな描写ができそうだが終始不穏な空気を醸し出す事のみにとどめている。石造りの家が建ち並び、紅葉の美しい村に漂う思惑と欲望が描かれる。
タイトルは「慈悲」という意味。宗教性を帯びつつも欲望を肯定するような内容は奥深い。
物語は主に美しい森と暗い室内で展開し、さながらフィルム・ノワールと呼ばれる犯罪映画風なのだが前述したようにスリルやサスペンスといったジャンル映画に偏らない不思議な雰囲気に包まれている。


……ところで私もアマチュアとはいえ作家の端くれ。
「講釈師、見て来たような嘘を言う」
じゃないですが、心にも無い感想を〝創作〟する事がたまにあります。
だってつまらない作品だからってつまらないのひと言で済ませるなんて芸が無いじゃないですか。
気取ったヨーロッパ人の寝言みたいなスカした代物じゃねえかべらぼうめ! 『花まんま』にすりゃ良かったとか思ってもそのまま述べませんよ。
え? この映画がそうなのかって?
お察しください(´∀`*)ウフフ

24名無しさん:2025/05/10(土) 21:57:53
横浜シネマリンで『ドマーニ! 愛のことづて』観ました。
https://www.sumomo-inc.com/domani

物語の場合は戦後間もない1946年5月のローマ。
男性優位の家父長的な風潮が根強く残っており、デリアの家庭も例外ではなく、夫イヴァーノは些細な事ですぐ暴力を振るう。
介護をしている寝たきりの義父オットリーノも品が無く傲慢で平然と女性を蔑視し体に触れてくる。
幼い息子たちは祖父や父の影響を受けて悪口雑言を連呼する悪ガキそろいで、若い世代の娘は耐え忍ぶ母デリアにいら立ちを隠さない。
そんな家庭でデリアは裁縫や修繕などいくつもの職をかけ持ちして定職に就いているとは思えない夫の代わりに家計を助けているが、職場でも入ったばかりで何もできない若い男よりも、ベテランで仕事もできるのに女だからという理由で女性の方が給料が低いという不条理に晒される。
多忙で過酷な生活のなか、市場で青果店を営む友人のマリーザや、好意を寄せる自動車工のニーノと過ごす時間が唯一の心休まる時だった。
ある日のこと母の生き方に不満を感じている長女マルチェッラは裕福な家の息子ジュリオから求婚される。
彼の家族を貧しい我が家に招いて昼食会を開くことになり、なんとか破局は免れたものの経済的格差とそれが生じさせる育ちの違いに直面するはめに。
そんなデリアのもとに1通の謎めいた手紙が届き、デリアはある決断をする――。

このタイトルのイタリア映画だとラブコメか軽いタッチのラブロマンスなどを想像しがちで、デリアのもとに届いた手紙など男からの恋文で、すわ駆け落ちかと誤解しがちたが(というか明らかにミスリードしている)さにあらず。
女性の権利に目覚める母を主人公にした見応えのある女性映画だった。
特筆すべきは女性の生きづらさを声高に主張したり社会問題を告発する内容だからと怒り肩になるのではなく軽快でユーモアに満ちた語りで伝えてくる点。
ともすれば陰惨になりがちなDV場面をインド映画よろしくダンスで表現するくだりは観る者を不快にすること無く、それでいて何が起きているかを伝えてきてお見事。
男尊女卑的な価値観を悲劇的に見せるのではなく観る者に色々と考えさせてくれる。
少々過ぎてしまったが本作の日本公開日は3月14日。3月8日が国際女性デーだったので、まさにその日を意識して観るのにふさわしい作品だった。
デリアが生きていた時代から80年近く経ち、世の流れはだいぶ変わってきたとはいえ今も男から暴力の対象となる女性は数多く存在するし、理不尽な男女差別が今も残る国々もあるだろう、だからデリアの物語に勇気づけられる女性も多いはず。
終盤、母のようにはなりたくないと思う娘と娘を自分のようにはしたくないと願う母。女2人が連帯する場面はぐっときた。
全編モノクロの映像で戦後まもなくのローマをリアルに描いているのも特徴。
観て損はしない逸品でした。

25名無しさん:2025/05/13(火) 22:56:06
ローソン・ユナイテッドシネマで『花まんま』観ました。
https://hanamanma.com/

大阪の下町で2人で暮らす俊樹とフミ子の兄妹は幼少期に父を交通事故で亡くし、その後母も急死してしまう。
俊樹は父親との思い出が無い妹を親代わりとなって育て、フミ子は兄を「兄《にい》やん」と呼んで慕っていた。
支え合って健気に生きる兄妹だが、フミ子には幼児の頃から若くして事件に巻き込まれて亡くなった別の女性の記憶があり、さながらその女性の生まれ変わりのよう。
フミ子の結婚が決まったことをきっかけに兄にも伏せていた秘密が明らかになり兄妹は衝突してしまう――。

なんて素敵な物語だろう。
悪人がひとりも存在しない優しい世界に涙が出そうになった。
兄妹行きつけのお好み焼き屋の親子など取り巻く人々がとにかく人情があって温かい。
動物のカラスでさえ協力的で、これからは生ゴミを散らかす姿を見ても攻撃せずまずは対話から始めようと決めた。
『ゴッドファーザー』の「銃は置いていけ。カノーリは持って来てくれ」を実践します。
失われつつある義理や人情が息づく〝大阪の下町〟はもはや桃源郷のよう。関西地方の方言がこんなにも優しく聞こえるとは。
俊樹はたびたび現実逃避するように子ども時代を懐かしみ、死別した両親と再会する夢を見る場面があるが、そんな幻想世界でもボケとツッコミを欠かさないのがおかしくてクスリとしてしまう。
美しいツツジの群生を背景に不思議な記憶の象徴でありタイトルでもある「花まんま」の意味が明かされるくだりは涙を誘う。いや、マジで家で独りで酒飲んで観ていたら泣いちゃうよこれ。
私はひとりっ子なので保護者であり別れた後も気にかかる恋人にも似ているような兄と妹の関係性は想像もできませんが(エロい漫画や小説やゲームみたいな邪な想像ならできるよ!)兄弟や姉妹はもちろん、姉弟とも微妙に異なる。そんな兄妹の機微を爽やかに、そしてしんみりと表現している兄妹映画。
結婚式のスピーチのくだりはやや冗長に感じたが、フミ子が記憶を引き継ぐもう一人の女性とその家族との約束を果たすなど、多くの門出を強調するために必要といえば必要か。
このあたり個々のクリエイターによって〝自分ならどう書くか〟が顕著になると思う。

クスリと笑えてホロリと泣ける、本当に素晴らしい映画でした。
観てください!

26名無しさん:2025/05/14(水) 19:40:18
川崎チネチッタで『VENUS/ヴィーナス』観ました。
https://klockworx.com/movies/venus/

物語の舞台はスペインのマドリード。
ナイトクラブで働くダンサーのルシアは雇い主の犯罪組織から大量のドラッグを盗み逃亡するが、逃げる際に組織の用心棒に刺されて負傷する。
痛手を負ったルシアは疎遠になっていた姉ロシオと幼い姪アルバが暮らす「ヴィーナス・ビル」という郊外の老朽化したアパートへ身を隠すが、このビルどこかおかしい……。
人ならざるモノの気配を感じるなか、ロシオがアルバを残して失踪。さらに犯罪組織の追っ手が迫るなか、突然姿を現した謎の惑星による日蝕に世間は騒然とし、それと連動するかのようにビル内で怪異が跳梁し邪悪な何かが目覚めようとしていた。
前門のギャング、後門の怪物。ルシアの命運やいかに――。

こちらH・P・ラヴクラフトが書いた『魔女の家の夢』を原案に作られた映画となります。
特筆すべきはヤバい奴らから逃げた先はもっとヤバい奴がいる場所で、外には物理的な脅威が、内には超自然的な恐怖という逃げようにも逃げられない脅威と恐怖の板挟み状態という状況。
いったいこれからどうなるんだよ! と否が応でも先が気になります。
無害そうでいてどこか不穏な空気をまとうビルの住人たちや、ビルに秘められた忌まわしい歴史を知るくだり。
夢かうつつか、悪夢を通して接触してくるラマシュトゥという存在など、怪異が具現化して現れる終盤までの雰囲気は正統派のホラーで悪くない。
一歩間違えれば追ってきたギャング連中をビル内の怪物が殺しまくるアホバカスプラッターになるところを(それはそれで面白そうだが)巧みな匙加減で回避している。
しかし結末は好みのわかれるところ。
正直あの流れなら主人公が完全に肉体も精神も●●●●れるバッドエンドのほうがお話として洗練されていると思う。
あれだとホラーというよりもスーパーパワーに目覚めるヒーロー映画の序章に思えてしまうのよね。
それでも終盤までの雰囲気は本当に良くて、観て損はしないレベルの一本でした。

27名無しさん:2025/05/14(水) 20:01:20
観たかったけど観られなかった映画。

『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』
https://joika-movie.jp/

2012 年にアメリカ人女性として初めてボリショイ・バレエ団とソリスト契約を結んだバレリーナ、ジョイ・ウーマックの実話をベースに、華麗なバレエ界の裏側で、当時のダンサーたちが直面していた過酷な現実をセンセーショナルに描いた衝撃作。希望を持ちアカデミーに入学した主人公ジョイを待ち構えていたのは、完璧さを求める伝説的な教師ヴォルコワの脅迫的なレッスンだった。過激な減量やトレーニング、日々浴びせられる罵詈雑言、ライバル同士の蹴落とし合い。ジョイの精神は徐々に追い詰められていく…。

28名無しさん:2025/05/16(金) 10:04:32
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『たべっ子どうぶつ』観ました。
https://tabekko-movie.com/

物語の舞台はお菓子と人間が仲よく暮らす世界。
らいおんくん、ぞうくん、ぺがさすちゃん、さるくん、かばちゃん、ねこちゃん、うさぎちゃん、きりんちゃん、わにくん、ひよこちゃんら10人からなる「たべっ子どうぶつ」は世界的アイドルグループとして活躍していた。
だが最近リーダーのらいおんくんは新メンバーのぺがさすちゃんの人気に嫉妬して、心中おだやかではない様子。
そんなある日たべっ子どうぶつがワールドツアーを終えて故郷のスイーツランドに帰国すると巨大な綿あめ「キングゴットン」に街が占拠されていた。
さらに綿あめ軍団のゴットンにペがさすちゃんが捕らわれ、たべっ子どうぶつは大ピンチに。
武器なし、策なし、意気地なし。かわいいだけが武器の彼らは、強大な敵から仲間を、そして世界を救うことができるのか――。

こちら発売開始から47年、世界20か国以上で販売されているギンビス社のロングセラー商品『たべっ子どうぶつ』の映画作品となります。
正直に言いますが「たべっ子どうぶつ」てお菓子の存在を知りませんでした。
食べたこともないです。
じゃあなんで観に行ったんだよというと完全にぺがさすちゃん役の髙石あかり目当て。
一般芸能人が声の仕事をすると違和感があったり、擁護のしようがないほど下手くそな事が多々ありますが、髙石はそんな事はなく透明感のある正統派のヒロインボイスが耳に心地良く響きました。
『ベイビーわるきゅーれ』のちさとや『墜落JKと廃人教師』の扇言《みこと》などとは異なる性質のキャラクターをよくぞ演じたもの、幾度も述べていますが才媛という言葉がぴったりな若手実力派女優のひとりだと思います。
こんな妹のヒモになりたい。
あとねこちゃんもかわいい。基本は塩対応なんどけど、あざとかわいい演技をするところとか中の人にそっくり。
肝心のストーリーですが動物たちのふわふわモフモフ感が感じられる絵と動き、題材の割にシリアスなテーマや悪役の設定。とくに黒幕キャラはがっつりヴィランしていて、この設定そのままアメコミ映画のヴィランになってもいいくらい。
作中、アルファベットの書かれた動物ビスケットというお菓子の特徴を活かしたストーリー展開もありとても考えてお話が作られているなぁと感心。

鶏は鶏でも雄鶏はルースター、雌鳥はヘンて言うんだ。なるほどな〜、勉強になるであります。
ギンビス以外のお菓子キャラクターもゲスト出演しており「うまい棒」のうまえもん役が???になっていましたが誰なのかしら?

記念にポップコーン&ドリンクコンプリートセットを購入しましたが4800円もしました。

29名無しさん:2025/05/17(土) 21:58:03
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『サブスタンス』観ました。
https://gaga.ne.jp/substance/

かつてその美貌一世を風靡した女優のエリザベス・スパークルだが、寄る年波には勝てず今や容貌の衰えが隠せない。
50歳の誕生日、彼女はプロデューサーから自身のエクササイズ番組の降板を言い渡される。
失意のエリザベスは「サブスタンス」という細胞分裂を再度起こして美しいもうひとりの自分を作り出すという再生医療に手を出してしまう。
治療薬を注射するやいなやエリザベスの背中を割って完璧な美女が出現!
若く瑞々しく、すらりとした肢体は老いたエリザベスとはあまりにも対照的。エリザベスから生まれた彼女は「スー」と名乗りスターダムを駆け上がる。
しかしサブスタンスには絶対に守らなければならない決まりが、それは1週間ごとに元の体と入れ替わらなければならず、常にスーの体のままではいられないのだ。
けれどもふたたび老いた体に戻るなんて耐えられない。エリザベス(スー)は次第にルールを破りはじめ、そのため彼女の体は見るも恐ろしい姿に変容してゆく――。

スーの肉体をこれでもかと接写し、それを見る者たちの欲望をこれでもかと誇張して提示する描写は意図的なものだろう。あまりにも男性目線で女性の体を映す描写は己の心を見透かされたようでハッとさせられ気まずい気持ちに。
デヴィッド・クローネンバーグ作品を彷彿させる血や肉などのグロテスクな肉体表現は苦手な人には耐えられないレベルに思える。
目を背けたくなる過激な映像といい内容といい万人受けするような作品ではないが外見至上主義《ルッキズム》や年齢重視主義《エイジズム》に対する痛烈な批判が込められており、食わず嫌いせずに今の時代にこそ観るべき映画。
小難しい理屈抜きにエロもグロも満載で血がブシャーッてなる映画だと思えば楽しめるよ!
快哉を叫びたくなるラストシーンに執着の果てにすべてのしがらみから解放された最後は爽快感すら漂う。
加工修正や整形美容に固執する連中に見せてやりたい快作。
観てください!

30名無しさん:2025/05/20(火) 20:33:06
ジャック&ベティで『KIDDO キドー』観ました。
https://culturallife.co.jp/kiddo_film/

児童養護施設で暮らす少女ルーの元にずっと離れていた母親カリーナがやって来ると娘との再会を喜ぶのもそこそこにドアを開けるのにも難儀するようなオンボロ車でルーを連れ出し、戸惑う娘を連れて車は祖母がいるというポーランドを目指す――。

KIDDO(お嬢ちゃん)と呼ばれる女の子と無軌道な母親の逃避行は1960年代のアメリカ映画を現代によみがえらせたような風景と粗い映像が特徴で、社会の枠からはみ出た女性の旅をレトロポップな空気感たっぷりに描き出す。
「これは誘拐なの」「私たちはボニーとクライド」「私はハリウッドスター」 と宣言してアクセルを踏むカリーナはとにかく型破り。
人の誕生日ケーキを食べたりお金があるのに食い逃げしたりと、実に〝ワル〟。その姿はまさにアメリカンニューシネマの世界観そのもの。
カリーナはなぜこんな破天荒な真似をするのか?
明確な答えは提示されないが、作中で彼女が抱える問題が薄っすらと描かれる。
ハリウッドスターになったとうそぶく彼女は心に傷や喪失感を抱えている。
その傷を癒やす旅は不道徳だがユーモアと楽しさに満ち、なんともほろ苦くも明るいラストは微笑ましい。
大作映画でもなければカルト映画というわけでもない小品映画だが、小品ならではのなんとも言えない味がありたまにはこのような作品を観るのもいいかも。

31名無しさん:2025/05/23(金) 07:32:54
横浜ブルク13で『ガール・ウィズ・ニードル』観ました。
https://www.transformer.co.jp/m/needlemovie/

物語の舞台は第一次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働く貧しいカロリーネはアパートの家賃が支払えず住家を追い出される。
戦争に行ったまま消息を絶った夫のペーターは生死不明のため寡婦手当ももらえない。
困窮するカロリーネは助けを求めた雇い主の工場長であり貴族であるヤアアンと恋に落ちて妊娠するも身分違いの関係は実らず彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。
すでに妊娠していた彼女は非合法《もぐり》の養子縁組斡旋所を経営して望まれない子どもたちの里親探しを支援しているという女性ダウマと出会う。
他に頼れる場所がないカロリーネは乳母の役割を引き受け、二人の間には強い絆が生まれていくが、やがて彼女は知らず知らずのうちに入り込んでしまった悪夢のような真実に直面する事になる――。

デンマークで実際に起きた連続嬰児殺人事件に着想を得て作られた作品。
まず冒頭、数々の顔をコラージュした映像が流される映像で不気味で不穏な気持ちに。
戦後の重苦しい空気感を表現したモノクロ映像や時折ノイズのように鳴り響く弦楽器の音などが恐怖や不安を掻き立てる。
昔の欧州では未婚のまま子どもを産んだ女性は「堕ちた女《fall woman》」と呼ばれ蔑まされたという。妊娠させられた挙げ句に解雇されるなど、現代なら考えられない不条理で裁判で己の権利を主張するべきだが、そんな事も許されない時代に生きたカロリーネの苦難を描き出している。
悲惨な物語だがどこか童話的で、白馬の王子様のように見えた雇い主は意地悪な母親に逆らえない臆病者。
童話で言うなら優しいお婆さんと思いきや恐ろしい秘密の顔を持ったダウマは魔女だが、魔女を倒して 「めでたし、めでたし」とはならない。
本来は退治すべき魔女に頼らざるを得ない人、見て見ぬふりをする人、そしてカロリーネのように自らなってしまう人の存在を浮かび上がらせ、その背景を想像させる。
福祉大国であり幸せな国という印象のデンマークにの暗黒の歴史をかいま見た気持ちに。
過分にして知らなかったが同様の事件は世界各地でも起きており、日本では1913年に『愛知もらい子殺人事件』が、1948年に『寿産院事件』が発覚しているとパンフレットを読んで初めて知った。
前者は日露戦争、後者は第二次世界大戦で夫が出征・死亡した女性が多かった時代で『愛知貰い子殺人事件』では約200人の赤ん坊が殺され『寿産院事件』は84人の新生児が餓死もしくは凍死したという。
社会の混乱や抑圧のしわ寄せは貧困層や女性、子供へ。そんな社会構造は今も昔も変わらない。
衣食住すら危うい状況に置かれたら善悪の価値観など簡単にひっくり返る。
自分の近くにも同じような状況があるのかもしれないし、追い詰められたら自分もこの選択をしてしまうかもしれない。そんな恐れと不安がじわじわと後を引く。
当時の街並みを再現したモノクロの映像の美しさが内容の暗澹さや残酷さと対照的なのも印象に残った。
娯楽性は皆無だが心に刺さる作品。

32名無しさん:2025/05/25(日) 00:38:36
C4席で観たけど一番しっくり来た。

みなとみらいのキノシネマで『ノスフェラトゥ』観ました。
https://www.universalpictures.jp/micro/nosferatu

物語の舞台は19世紀前半のドイツ。
不動産会社に勤めるトーマス・ハッターは契約を交わすため辺境の城で暮らすオルロック伯爵のもとを訪ねる事になる。
トーマス不在の間、トーマスの妻エレンは夫の友人フリードリヒとその妻アンナの家で過ごす事になるが、夢の中に現れる幻覚と恐怖に悩まされるようになり、時を同じくして街では様々な災いが起こり始める――。

こちら1922年のオリジナル版、1979年と2023年のリメイク版、再リメイク版に続く再々リメイク版『ノスフェラトゥ』となります。
監督のロバート・エガースは幼い頃にVHSで観たオリジナル版の『吸血鬼ノスフェラトゥ』に魅了され、17歳の時に高校でその舞台版を企画・演出しているほどの筋金入り。
物語の舞台当時の建物や衣装など細部まで手の込んだ美術はお見事。雰囲気バッチシで、怪奇と幻想に満ちたゴシック・ホラーを堪能できました。
光と色が抜け落ち、映像そのものから血や正気が吸い取られたような色あせた世界は我々を目を開けたまま暗く陰鬱な悪夢の世界へと導いてくれます。
吸血鬼――それは不死者の頂点、命なき者の王、暗黒の貴族、闇の生を過ごし、黄昏に目覚め、夜明けに微睡む、永遠なる者――。
様々な作品で様々な設定、描かれ方をされる存在ですが、今作ではハリウッド系ホラー・アクションに代表されるような吸血鬼を単なる〝血を吸う怪物〟とは異なる、かといって黒マントに燕尾服を着た耽美で貴族的な誘惑者とも異なる。
クドラクやストリゴイに代表されるような欧州に伝わる土俗的な吸血鬼として描かれています。
黒魔術によって悪魔と契約を交わして死後、吸血鬼化したというオルロック伯爵の姿は墓場から這い出た歩く屍、醜く不潔でおぞましい邪悪の化身といった趣き。
オリジナル版の頭髪の一切無い禿頭にネズミのように尖った牙を剥き出しにした異形の姿のインパクトには正直およびませんが、屍臭が漂って来そうな外見は身の毛がよだつ恐ろしさ。
個人的に良かったのは影の演出。まず冒頭からして姿は見えないのに影だけがたなびくカーテンに映るという演出にぐっと来た。
映像・演出面もさることながら色々な寓意や隠喩を読み取れるような内容も深い。
ジャンプスケアに頼らない正統派の怪奇映画で素晴らしい出来、観てください!

33名無しさん:2025/05/26(月) 07:21:35
1月に観た映画
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』『カルキ 2898‐AD』『ビーキーパー』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』『フード・インク ポスト・コロナ』
『私にふさわしいホテル』『型破りな教室』『小学校〜それは小さな社会〜』『ねこしま』『室町無頼』
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アーサーズ・ウイスキー』『リターン・トゥ・リーズン』

2月に観た映画
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 』『遺書、公開。』『デリカテッセン』『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『ゲームの規則』『籠の中の乙女』『メイクアガール』『ベルサイユのばら』『ハイパーボリア人』
『邪悪なるもの』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『ドライブ・イン・マンハッタン』『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』『SKINAMARINK/スキナマリンク』
『本を綴る』

3月に観た映画
『封神・妖姫とキングダムの動乱』『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』『映画を愛する君へ』『封神・激闘! 燃える西岐攻防戦』『Playground/校庭』
『マッド・マウス ミッキーとミニー』『ウィキッド ふたりの魔女』『ストップモーション』『ロングレッグス』『鹿の国』
『ヨウゼン』『この素晴らしい世界に祝福を!3 -BONUS STAGE-』『Flow』『Kfc 食人連鎖』

34名無しさん:2025/05/26(月) 07:33:55
4月に観た映画。
『デーヴァラ』『ミッキー17』『ナタ:魔童の大暴れ』『BAUS 映画から船出した映画館』『ジャングル大帝』
『アマチュア』『ゴーストキラー』『HERE 時を越えて』『僕とロボコ』『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』
『アンジェントルメン』『異端者の家』『けものがいる』

35名無しさん:2025/05/28(水) 00:36:59
川崎チネチッタで『デビルズ・バス』観ました。
https://klockworx.com/movies/devilsbath/

物語の舞台は18世紀半ばのオーストリア北部の小さな村。
古くからの伝統が残るその村に嫁いだアグネスだが、新しい環境に馴染めず憂鬱な日々を送っていた。義母や夫との関係も上手くいかず、徐々に精神を蝕まれていく。
極限状態に追い込まれ現実と幻想の区別すらつかなくなった彼女は悪魔憑きあつかいされるようになりったアグネスは村から、この世界から自由になるため信じられない行動にでる――。

このお話、いわゆる鬱映画となります。
軽くネタバレに抵触してしまいますが自殺はキリスト教徒にとって絶対に赦されない罪業で、自殺した者は永遠の地獄に落ちると恐れられていました。
そのため死を望む者は憂鬱に苦しみながらも自殺できないという苦しむことに。
その解決策として処刑されるために殺人を犯す人々が続出したといいます。
殺人などの重罪を犯しても死ぬ前に教会で告解すれば死後に罪は清められて天国に行けると信じられていたからです。
現代日本でも困窮し、追い詰められた人が死刑になりたいからと凶悪犯罪に走る例がありますが、当時の欧州の人々にとってはもっと切実な問題だったのでしょう、歴史学者のキャシー・スチュアートはこれを『代理自殺』と名付けました。
特に女性が多く、17世紀〜18世紀の欧州ではドイツ語圏だけで400件を越える事例が記録されているそうです。
本作は観て面白い、楽しいというよりもそんな暗鬱な時代の農民や労働者などの暮らしや習俗を描いた作品として学ぶものがあります。
18世紀のヨーロッパでは憂鬱な気持ちで落ち込み、自殺願望や殺人術動に囚われた人々のことを「悪魔の浴槽《Devil's Bath)》」に浸かっていると表現していた。つまり当時は躁鬱などの精神病は病気ではなく悪魔憑きとされていた。
これは日本にもあてはまりますね、妄想や幻覚が発症する統合失調症などの精神疾患は狐憑きだと思われていたことでしょう。
当時の欧州では公衆浴場で悪い歯を抜いたり瀉血したりといった外科治療が行われており、髪を切る=人体の一部を切ることから理髪師は外科医を兼ねていた。
中世ヨーロッパでは処刑が一大イベントだった事は前から知識として知っていましたが、さらに処刑に関連するものには何かしらの良い魔力が込められていると信じられており、処刑人の尿ですら薬として売られていたとか。
ましてや処刑された当人の血肉であれば効果抜群ということで、本作では『食人族』かよ! みたいに遺体の血肉に人々が群がり乱痴気騒ぎをするシーンがありドン引き。
切断された指には何かを増幅させるという効果があり、ビールの売り上げを増やすためビール樽に入れられる事があったとか。
アグネスが子宝を祈願して親族から渡された指のにおいを愛しげに嗅いでベッドの下にしまう場面がありました。
中世ヨーロッパ暗黒残酷野蛮過ぎるだろ……。
このあたりをテーマにした「本当は不潔で野蛮で怖い中世ヨーロッパ」系のなろう作品とか書いたら売れるかもしれないので、ノベプラ民のみなさん試してみてはどうでしょう。

36名無しさん:2025/05/28(水) 03:24:52
川崎チネチッタで『岸辺露伴は動かない 懺悔室』観ました。
https://kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp/

漫画家の岸辺露伴はヴェネツィアの教会で仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。
それは誤って浮浪者を殺したことでかけられた「幸せの絶頂の時に絶望を味わう」呪いの告白だった。
幸福から必死に逃れようと生きてきた男は、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て心からの幸せを感じてしまう。
その瞬間、死んだ浮浪者が現れ「ポップコーンを投げて3回続けて口でキャッチできたら俺の呪いは消える。しかし失敗したら最大の絶望を味わう」と告げる。
その結果や如何に?
奇妙な告白にのめり込む露伴は相手を本にして記憶や体験を読むことができる特殊能力を使ってしまい、やがて自身にも〝幸福になる呪い〟が襲いかかっている事に気つく――。

大事な事なので最初に言わせてください。
ポップコーン対決のくだり、むちゃくちゃジョジョ感あった! むっちゃジョジョってた! あそこ本当にジョジョしてた!
あの緊迫感と緊張感とスピード感こそジョジョなんですよ!
あと露伴が自身の作品を芸術呼ばわりされた事にキレて「美術館に飾られたり評論家に評される芸術ではなく漫画なんだよ、僕は漫画家なんだよ!」て啖呵を切るくだりもぐっと来た。
他人に理解されようがしまいが、こういう確固たる信念や矜持を持っているキャラクターは悪役でも主役でも大好きです。
作品の良し悪し、売れる売れない、評価されるかどうかと運不運に関するあたりはちょっと異なる見解ですけど。
スポーツの成績や数学の解答みたいに純粋に数字の高い低いや正誤が明確なジャンルと異なり創作作品の良し悪しなんて人それぞれじゃないですか。
自分の書いた作品が世の中で売れるかどうかって絶対に運の要素がありますよ、実際に生前は鳴かず飛ばずだったのに死後評価されるクリエイターているでしょう、ゴッホや杜甫みたいに。
ガチで実力主義の世界ならリアルタイムで売れる、評価されてなきゃおかしいだろと。
世の中にはむちゃくちゃ売れてる海賊漫画や歴史漫画がありますが、私に言わせれば感動と感情の押しつけがうざったいヤンキー漫画や歴史漫画の皮を被ったヤンキー漫画にしか思えなくてつまらない。
探偵ものに関してはワンピースやキングダムみたいに一度は読む気もしませんよ(ああもう言っちゃったよ!)
なにが言いたいかと言うと俺の書いている作品が評価されないこの世界は間違いだと言うことだよ、fuck!

37名無しさん:2025/05/29(木) 01:07:10
川崎チネチッタで『プロメア』観ました。
http;//promare-movie.com

突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」の出現により未曾有の混乱が生じて30年後、攻撃的な「マッドバーニッシュ」のリーダー・リオを高機動救命消防隊バーニングレスキューの燃える火消し魂を持つ新人隊員ガロが捕縛する。
しかしそれは人類の存亡を左右する大きな戦いの序章にすぎなかった――。

こちら公開6周年を記念した【LIVE ZOUND 滅殺開墾ハードコアver.】特別興行となります。
音響設備の整ったシアターでの上映だったため、チネチッタのくせにローソン・ユナイテッドシネマばりに腹に響く大音響でした。
動く、動く、よく動く! 劇場用作品らしく気合いの入りまくった作画でド派手な活劇が最初から最後まで続いて目が離せませんでした。
前からタイトルは聞いたことがあり、気になっていたので軽い気持ちで観てみましたがこれは傑作。
アクションのみならずストーリーも胸熱で、徹頭徹尾ぶれない熱い心の主人公の言動にぐっとくること間違いなし。
これこそ映画館の大画面と大音響で観るべき作品。
唯一気になったのはメインキャラクター2人の声。本職の声優ではない役者さんが演じているのですが、やはり声に圧というか力がこもっていない。腹から声が出ていない感じが否めない。
下手ではないのですがいかんせん軽い。
これは当人が悪いというよりも本職の声優たちが凄すぎると考えるべきでしょうね。

38名無しさん:2025/05/29(木) 05:30:38
観たかったけど観られなかった映画。
『アンジーのBARで逢いましょう』
https://angienobar.com/

突然街にやってきて、いわくつきの物件でBARを開いた謎の女性アンジーが近所の美容師・満代と息子の麟太郎ら街で出会う人たちの人生を前向きに変えていく。
おとぎ話のような世界観が心地良い。
洒脱でつかみどころがなく自由に生きるアンジーは扮演する草舟光子にあて書きされたという。
草笛光子演じるアンジーが町の人たちに魔法をかけていく!
痛快おとぎ話、この春誕生!

39名無しさん:2025/05/30(金) 07:21:57
観たかったけど観られなかった映画。
『プロフェッショナル』
https://professional-movie.jp/

物語の舞台は1970年代のアイルランド。暗殺者フィンバーは過去を消し去ろうと海辺の田舎町で静かに暮らしていた。
ところがアイルランド共和軍(I RA)の過激派テロリストたちが町に逃げ込んできたため彼らと死闘を繰り広げることになってしまう。

映画のタイトルとあらすじ、リーアム・ニーソン主演というだけで「ああ、いつものアクション映画だろう」と見るのを避けていたらもったいない。
正統派の西部劇のスタイルを踏襲し、オーソドックスなアクション演出に徹し、俳優たちの演技は渋く手堅い。
つまりクリント・イーストウッド監督作のような映画を思い浮かべてもらえればいい。
本作の監督は何本もイーストウッド作品のプロデュースを手掛け、彼が主演した『人生の特等席』を監督したロバート・ロレンツ。
撮影もイーストウッド作品の名手、トム・スターン。
一連のイーストウッド作品では『許されざる者』(1992年)をイメージしやすいが、海岸沿いを走る車を捉えた空中撮影や音楽とレコードへのこだわりは彼が1971年に初監督した『恐怖のメロディ』を思い出させる。
西部劇風の音楽も、彼がよく主演していたマカロニ・ウエスタン風だ。総じて巨匠として評価される前のイーストウッド映画を模したかのように思えるのは、要は愛すべきジャンル映画ということなのだろう。

40名無しさん:2025/05/31(土) 09:04:22
1月に観た映画。
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』『カルキ 2898‐AD』『ビーキーパー』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』『フード・インク ポスト・コロナ』
『私にふさわしいホテル』『型破りな教室』『小学校〜それは小さな社会〜』『ねこしま』『室町無頼』
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アーサーズ・ウイスキー』『リターン・トゥ・リーズン』

2月に観た映画。
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 』『遺書、公開。』『デリカテッセン』『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『ゲームの規則』『籠の中の乙女』『メイクアガール』『ベルサイユのばら』『ハイパーボリア人』
『邪悪なるもの』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『ドライブ・イン・マンハッタン』『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』『SKINAMARINK/スキナマリンク』
『本を綴る』

3月に観た映画。
『封神・妖姫とキングダムの動乱』『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』『映画を愛する君へ』『封神・激闘! 燃える西岐攻防戦』『Playground/校庭』
『マッド・マウス ミッキーとミニー』『ウィキッド ふたりの魔女』『ストップモーション』『ロングレッグス』『鹿の国』
『ヨウゼン』『この素晴らしい世界に祝福を!3 -BONUS STAGE-』『Flow』『Kfc 食人連鎖』

4月に観た映画。
『デーヴァラ』『ミッキー17』『ナタ:魔童の大暴れ』『BAUS 映画から船出した映画館』『ジャングル大帝』
『アマチュア』『ゴーストキラー』『HERE 時を越えて』『僕とロボコ』『ゲッペルス ヒトラーをプロデュースした男』
『アンジェントルメン』『異端者の家』『けものがいる』

41名無しさん:2025/06/01(日) 00:56:56
川崎チネチッタで『紅楼夢〜運命に引き裂かれた愛〜』観ました。
https://koromu-movie.com/

名家の貴公子・賈宝玉は立身出世のための学問を嫌い、詩や小説を愛する自由奔放な青年で若い才女たちに囲まれながら風流に暮らしていた。
ある日のこと父を失った父方の従妹の林黛玉が遠方から莫大な財産と共に賈家にやって来る。
気位が高くわがままで病弱ながらも聡明で詩才に恵まれた黛玉に惹かれた宝玉。黛玉もまた彼の事を好ましく思うも素直になれず、すれ違いを繰り返す。
同じく母方の従姉で賈家に身を寄せていた薛宝釵は優雅で品行方正で邸内の者からも慕われていた。
そんな宝釵が身に着ける金鎖には宝玉の持つ「通霊宝玉」と対になる句が刻まれており、不思議な縁を感じる。
巡る輪廻の輪が導くのは愛か憎しみか、喜びか哀しみか――。

こちら『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』と並ぶ中国四大奇書のひとつとして、長年読み継がれてきた不朽の名作『紅楼夢』の映像作品となります。
この場合の奇書とは「世に稀なほど卓越した書物」という意味で、怪奇小説の類を指す言葉ではありません。
四大奇書なのに五大になるじゃないか、四天王なのに5人いる龍造寺四天王かよ! と思ったそこのあなた、まぁ似たようなものです。
清の時代の中頃から『金瓶梅』ではなく『紅楼夢』
が加えたものを四大名著と呼ぶようになり、本番中国では今やこちらの方が一般的だとか。
清朝の貴族社会を背景に繰り広げられる壮大な人間ドラマや貴族文化の描写は本邦における『源氏物語』を彷彿とさせられます。
特筆すべきはその美術や衣装。昔の中国の貴人の邸宅や庭の造り、装飾品や調度品の数々が本当に豪華で目が眩む。ヨーロッパの王侯貴族とはまた異なる華美な暮らしぶりのなんと魅惑的で優雅なことか。
物語の方はと言いますとあれです、最初ギャルゲーで最後泣きゲー的な展開。
だってツンデレ従妹と優しい従姉+色んな侍女たちに囲まれ慕われ、さらに夢の世界(仙境)でもエッッッ! な事をしちゃうんですから、それなんのエロゲ? てなもんですよ。
かなり説明不足というか「?」となる場面もありしたが、これ原作既読前提で作られているんでしょうね。というかそれこそ『源氏物語』みたいな長編小説を約2時間の映画にしたらダイジェスト感が否めないからどうしても説明不足にはなるのは仕方がない。
ネットで調べたら時系列がバラバラだったり特定のキャラを贔屓していたりと「原作の映画化としたら20点で二次創作としたら80点」みたいな評があって妙に納得してしまいました。
ストーリーについていけなくても映像面だけでも観る価値のある映画でした。

42名無しさん:2025/06/01(日) 18:57:33
5月に観た映画。
『サンダーボルツ*』『ミゼリコルディア』『ドマーニ! 愛のことづて』『花まんま』『VENUS/ヴィーナス』
『たべっ子どうぶつ』『サブスタンス』『KIDDO キドー』『ガール・ウィズ・ニードル』『ノスフェラトゥ』
『デビルズ・バス』『岸辺露伴は動かない 懺悔室』『プロメア』『紅楼夢 〜運命に引き裂かれた愛〜』

43名無しさん:2025/06/04(水) 01:32:02
みなとみらいのローソン・ユナイテッドで『ヴィクラム』観ました。
https://vikram-movie.com/index.html

チェンナイで正体不明のテロリスト集団による誘拐殺人事件が連続して起こる。警察からの捜査依頼を受けた政府の特殊部隊に属する工作員アマルは街のギャングを支配する麻薬王サンダナムが事件の鍵を握っていると推測する。
だが捜査が進むにつれアマルには2番目に殺された無職の男カルナンの存在が妙に気になり始める。
カルナンには警察官である義理の息子がいたが、彼も同じテロ実行犯グループに殺害されていたからだ。
不可解な事件の真相が明らかになるにつれ、特殊部隊×麻薬密売組織×テロ集団という三つ巴の戦いになだれ込む――。

インド映画らしいコテコテの歌と踊りで幕が上がったと思いきや、楽しく踊っていた人が次のシーンで拉致されて殺されるという衝撃的な冒頭にいったいなんなんだ!? となりました。
正邪善悪や正義と悪という単純な図式は通用しない抗争が特徴で、ヴィクラム率いるテロ集団もサンダナムが束ねる麻薬密売組織もアマルの指揮で捜査を進める特殊部隊も目的のためなら手段を選ばないダーティな〝悪〟だが、一方でどこか家族のような絆で結ばれている。
特にサンダナムの麻薬組織は血縁で結ばれた本物の家族《ファミリー》であり、彼らはそれぞれ道を踏み外している外道ではあるが一本の信念を持って行動していて、侠の精神を感じた。
登場人物全員悪人! 悪対悪! と言い切ってしまうには少し抵抗がある。
この暗く熱いグレーゾーンの世界観はなろう系の勧善懲悪に飽きた人におすすめ。
アクションも華麗で洗練された中華武侠电影やハリウッド製アメコミ映画のようなヒーロー映画的なものではなくインド映画らしい荒唐無稽で大仰ではあるけれど、どこか陰惨で残虐で地に足がついている感じなのもいい。
ゲスな悪党相手に「俺の目をまっすぐ見ろ」と言って顔面に何発も銃弾を撃ち込む場面はぐっときた。
いいなぁ、俺もこんなふうに恩を仇で返した不義理極まりない陰険陰湿で下劣で邪悪な新川甲子男の不誠実なニヤケ面を性根に相応しいよう伊達にしてやりたいわ。

「革命とテロに変わりはない、反逆者の歌が国歌になる事もある」

こういう科白を素で言っちゃうような主人公大好き。
これ、しれっと自分の作品で使っちゃおう。
本作はローケーシュ・カナガラージ監督による複数の映画が同じ作品世界を共有しているシネマティック・ユニバースの2作目にあたるそうで、1作目の『囚人ディリ』は惜しくも縁がなく未見ですが今月20日から公開される3作目の『レオ:ブラッディ・スウィート』は見逃さないようにします。
なりたい自分になれず労働の苦しみが続くだけのハズレ人生なんかとっとと終わって欲しいですが、こう観たい映画があると死ぬに死ねない。

功ならず
名も遂られず
年暮れぬ

45名無しさん:2025/06/05(木) 01:08:49
みなとみらいのキノシネマで『英雄傳』観ました。
https://eiyuden-movie.jp/

道を外れた格闘家や武術家たちで構成された半グレ集団ストライクが暴力を背景に地上げ行為を連発する。
このままでは武道の名に傷がつく。
事態を見かねたシステマ使いの貴大、合気道家の竜也らを中心に武術や格闘技の達人たちが立ち上がり、激しい抗争が始まる。
しかし手練れぞろいのストライクに苦戦する武術家たち。
頼みの綱は伝説の鞭拳空手継承者の浅香光のみ。しかし光は3年前に過失致死傷罪を起こして服役したのち消息不明となっていた。
公園の一角で細々と行われているレトロな特撮ヒーローショー『闘え! テアトルーガーショー』で元スーツアクターの父・智也とヒーローに憧れる娘・さくらが営むヒーローショーも半グレ集団ストライクによって打ち切りに追い込まれる。
そこに現れた一人の助っ人こそ消息不明になっていた光だった。
彼女は町の平和、そして子どもたちの夢と希望を取り戻すため武術の達人たちとストライクの壊滅作戦を開始する――。

打つ、突く、蹴る、投げる、崩す、極める、締める、固める、組み伏せる、挫く、受ける、避ける、捌く――。
出演者たちは本物の武術家たち。拳と拳、脚と脚、身体と身体がぶつかり合う目まぐるしい素手の応酬が展開されます。
個人的に印象に残った武術は躰道。
躰道とは1965年に日本武徳会より空手道八段範士を授与された沖縄玄制流空手道の祝嶺正献《しゅくみねせいけん》が戦中戦後の経験から「これからの空手は戦いのためではなく人のため、社会のために」 という願いから創始された武道。
玄制流空手道を基に五つの体軸の変化。旋、運、変、捻、転の動きを加え軸そのものを移動させ変化させて攻防を展開するという武道。
武道性、体育性、整美性などと共に主体性、調和、創造の精神を磨き社会還元することを目的としている。
一見派手な動きに見えますが、動作の〝起こり〟の延長をそのまま大きくしているため無駄が無いとか。
素人目では中国拳法の円の動きによく似ているなぁと感じました。
お話そのものは日曜日の朝に放送されているヒーロー番組のノリですが、本物の武道、格闘が堪能できるアクション部分は一見の価値あり。

47名無しさん:2025/06/07(土) 22:38:25
ローソン・ユナイテッドシネマで『見える子ちゃん』観ました。
https://movie-mierukochan.jp/

ある日突然、霊が見えるようになってしまった女子高生の四谷みこ。家でも学校の教室や体育館でも、いたるところで霊を見かけるようになってしまう。
みこは見えていないふりをすることで恐怖に怯えながらも、ひたすら平静を装って霊をスルーし続ける。
文化祭が迫るなか天真爛漫な親友の百合川ハナと平穏な学校生活を送ろうとするみこだが、霊感があるがゆえに周囲からかまってちゃんと思われ疎まれている同級生の二暮堂ユリアや、みこの霊視能力にいち早く気づいた憧れ(?)の生徒会長・権藤昭生など、霊にまつわる人々が集まってくる。
それでも〝霊はガン無視〟を貫いていたみこだが、産休に入る担任の荒井先生の代理として赴任してきた遠野善の登場により平穏な日常が一変。
彼に取りついている異様な霊の影響からかハナに異変が生じ始める。普段から大食いのハナだが、いつも以上に空腹を訴えるようになり、お祓いをしようと神社へ連れて行くと突然感情的になり、激怒。 ついには倒れて入院する事態にまで発展してしまう。
それまで見て見ぬふりを買いてきたみこだったが、親友の危機を救うために恐怖に立ち向かうことを決意する。
果たしてみこはハナを助けることができるのか。そして間近に迫った文化祭を無事に迎えることができるのか――。

こちらアニメ化もされた漫画作品の実写映画版となります。
原作・アニメでは女子校だったのになんで共学設定にするんだ、いらん恋愛描写とか入れるんじゃないだろうなぁ……とモヤモヤする気持ちで観ましたが最後の最後でそうきたか! となりました。
これは一本取られましたね、実に見事なサプライズ。
こういう予期せぬ展開があるから人の作る作品は面白い。だって自分の書くお話なんて最初から全部どうなるか知ってるもん、ネタバレじゃん、つまんねーよ。
正直凡庸なアイドル映画の類だろうなぁとほとんど期待しないで観たのですが、そういうサプライズ面もふくめてお話全般が面白い、青春映画としても楽しめました。
原作やアニメではみこが見えてしまうのは異形のクリーチャーだったのが幽霊になっているのも特徴。
幽霊というものが実在し、現実世界に影響をおよぼす存在だったとして、みこのように見えるようになってしまったら自分ならどうするか?
多分アニメやラノベの登場人物になったみたいだ! とウッキウキ状態になって霊とコンタクトし続けるでしょうね。
危険じゃないかって? 霊が実在するのなら自分の生霊も具現化できるはずでしょう? 襲ってきたらそれで立ち向かえばいいんですよ。
ペ〜ル〜ソ〜ナ〜みたいに召喚してオラオラオラオラオラァ! てぶん殴ればいいんですよ。
霊が実在する世界設定ならできないわけはないはず。
そんでもって折伏した霊を式にして使役したいですね。
くっそ気に入らない輩をとり殺して、その霊を奴隷として酷使するとか最高じゃないですか。
一度しか殺せないのが残念な奴っているでしょ、そいつの生身の肉体を破壊してから魂も気の済むまで殺し続ける。
真夏の夜にキンキンに冷えたビールを飲むくらい爽快ですよ。

48名無しさん:2025/06/10(火) 06:33:15
観たかったけど観られなかった映画。


『結界の寺』
https://www.eirakujimovie.com/

幼少期から霊感が強く29歳の時に師僧に出会い、長年に渡り除霊や霊視により依頼者を救ってきたという真言宗九龍山永楽寺の住職・河村照道が真の霊界との交信を現世の結界を超え、その世界を垣間みるドキュメンタリー作品。


『内定代行』
https://naiteidaiko-movie.com/lp/naiteidaiko/

各エピソードの主人公たちが、モバイルやSNSを巧みに利用し、面接官や企業と駆け引きをして乗り切る全3作のオムニバス映画。
『内定代行』
シュウカツ中の紬紀はとある企業に面接に呼ばれ、いち早く内定を貰えることになった。しかし、突然、彼女はいくつかの奇妙な質問を面接官にし始めるのだった。

『親切な助言』
最終面接を待つ間、小さな会議室に1人通される花奏。そこで予想外の人物からの電話をスマホで受けることになるのだが、その相手は驚くべき場所から電話をかけてきていた。

『インフルエンサー』
学生インフルエンサーの美梨は、内定を獲得するが、実はその企業のある秘密を握っていた。彼女はSNSと動画を活用し、その秘密を拡散しようとするのか? それとも――。

この作品、まったく知らなかったのですが他作品を観る際に予告編が流れていて、なんだかえらいアニメ声の人が出てるなぁと思って調べてみれば吉武千颯、伊達さおりという声優が出演していた。

49名無しさん:2025/06/11(水) 00:39:37
横浜ブルク13で『MaXXXine マキシーン』観ました。
https://happinet-phantom.com/maxxxine/

物語の舞台は1985年のハリウッド。
巨大な撮影スタジオに現れたブロンドの女性、その名はマキシーン。
ポルノ界で人気を極めた彼女は新作ホラー映画『ピューリタンⅡ』のオーディションに参加する。
その頃LAは連日連夜ニュースで報道される連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」の恐怖に包まれていた。
マキシーンの周りでもヒルズのパーティに呼ばれた女優仲間や友人が次々と殺される怪事件が起きる。
騒動のなかオーディションで主演の座を射止めスターダムに駆け上り始めたマキシーンの夢を阻むように街を震撼させる連続殺人鬼、彼女の過去を知る謎の私立探偵、LA市警までもが彼女の前に立ちはだかる――。

物語は2022年の映画『X エックス』で描かれたテキサスでの猟奇殺人事件の現場をただ一人逃げ延びたマキシーンの6年後から始まる。
つまり『MaXXXine マキシーン』 は『X』の続編にあたる。
『X』の殺人犯の女性パールの過去を描いたのが『Pearl パール』なので『X』『Pearl パール』『MaXXXine マキシーン』は3部作ということになる。
3作で物語を牽引するのはマキシーンやパールが抱く異常なスター願望。
本作では友人知人が殺されようが、なりふりかまわずスターダムを上っていくマキシーンのパワフルなヒロイン像が強烈。邪魔する奴は情け容赦なく排除するやり方は善人とはほど遠いが、見ていてスカッとする。その様はまるで主人公が底辺から成り上がっていく姿を描いたピカレスクロマンのよう。

「ショービス界では怪物と呼ばれてこそスター」
「私らしくない人生は受け入れない」

このふたつの科白にはぐっときた。
喝采願望と自己顕示欲に満ちたヒロインの姿には多くのクリエイター志望者が共感する事だろう。
なりたい自分になれず、やりたくもない労働で糊口をしのぐ日々を送る自分にとって色々な意味で刺さる作品だった。
物語を牽引するのがスター願望ならテーマのひとつは映画そのものだろうか。
ハリウッドは映画スタジオが集まる夢の工場であり多くの人々が憧れる夢と映画の都である一方でデビッド・リンチやクエンティン・タランティーノらの手にかかれば、この街は富と欲望が渦巻く闇深き魔都へと変貌する。
彼らの映画を通して夢の街の暗黒面の存在が白日の下にさらされてきたが、タイ・ウェスト監督が撮った本作もそんな映画の系譜に連なる。
80年代の街並みや登場人物たちの装い、ビデオテープ全盛期のカルチャーも郷愁を誘う。
シリーズ未見の人はこれを機に『X』『Pearl パール』『MaXXXine マキシーン』3部作を一気に視聴する事をおすすめします。

50名無しさん:2025/06/12(木) 11:42:55
みなとみらいのキノシネマで『我来たり、我見たり、我勝利せり』観ました。
https://hark3.com/vvv/

大富豪の投資家アモン・マイナートは家族と共に幸福で充実した人生を送っている。
そんなアモンの趣味は狩りと称して無差別に人を撃ち殺し続けること。
莫大な富を抱え、大臣ですら彼の顔色をうかがう程の権力を持つ一家を止められる者は誰もいない。
そんな父の姿を見て育った〝生まれながらの上級国民〟である娘のポーラもまた倫理観の欠如した人間として成長する。
連続狙撃事件の容疑者は法によって裁かれる事はあるのか――。

個人的にはミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』を上回る胸糞映画。
クレイグ・ゾベルの『ザ・ハント』は人間狩りを楽しんでいた富裕層達が下に見ていた人間に反撃され壊滅していく痛快逆襲映画だが、本作にはそのような要素は皆無。
通常の劇作では一般的に悪者は捕まえられて罰せられ、観客は溜飲を下げる。しかしこの映画ではそうはならない。
これは意図したもので、監督のダニエル・ヘースルは「アリストテレスはもう通用しない」「カタルシスは実際には起きないおどき話なんだ」と語る。
映画という絵空事を観に来た客に冷水をぶっかけて、目を覚ませ! こんな幻想に逃避して現実から目を背けていたら取り返しのつかないことになるぞ!
と喝破しているわけだが、それを映画という絵空事で食ってる奴らが言うか? まぁ、監督は欧州の勝ち組白人だから映画なんて撮らなくても生活は安泰なのかもしれないが。
エヴァ直後の庵野の発言もそうだったが、エンタメで食ってる奴がエンタメ、あるいはそれに金を落とす人たちを無下する姿には反感しか抱けない。
「貧しく生まれたのは仕方がない。でも貧しく死ぬのは自分のせい」作中に出てくる言葉だが、世界の上位1%の超富裕層が世界全体の個人資産の37.8%を所持しており、下位50%の人々は全員合わせても全体の2%しか持っていない。
この異常な格差はもはや個人の努力ではどうにもできない。
そういう意味でも監督は警鐘を鳴らしているのだろうが……。

正直内容を楽しむ事はできなかったが、室内プールのある家の描写などハイソサエティな暮らしぶりを観る事ができたのはひとつの勉強になった。
映画の舞台となったマイナート一家の邸宅はベートーヴェンのパトロンの 1人であったアンドレイ・ラズモフスキー侯爵のラズモフスキー宮殿で撮影されたという。
居住スペースが7000平米を誇るウィーン最大の個人邸宅で、約1400点のプライベート・アート・コレクションも所蔵している。
この邸宅は2025年現在売り出し中だそうで、所有者からこの邸宅での撮影許可を得るのは大変だったとか。

51名無しさん:2025/06/15(日) 01:21:01
みなとみらいのキノシネマで『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』観ました。
https://www.universalpictures.jp/micro/thelma

夫に先立たれた93歳のテルマは親友でもある孫のダニエルと出かけたりSNSに挑戦したりと気楽な一人暮らしを謳歌していた。
だかある日のこと非通知の電話がかかってきて「事故を起こして刑務所に入れられた」という電話の主をダニエルだと勘違いして指示された宛先に1万ドルを郵送してしまう。
騙されたと気がついて落ち込むテルマだったが、トム・クルーズが人気スパイアクションシリーズについて語る新聞記事に背中を押されて詐欺師から自力でお金を取り戻す事を決意する――。

ミッションのスケールは小さいが手に汗握る緊張感は本家《トム・クルーズのあれ》にも匹敵する。
何せテルマは93歳、演じる女優も撮影当時は役と同じ93歳。忍び足で階段を上がり、高所から物を取るる場面だけでもハラハラドキドキ。
本家《トム・クルーズのあれ》でおなじみな定番のアクションを現実的な規模にスケールダウンさせていてクスリとしました。
電動スクーターを奪取して老人ホームから抜け出すシーンとか派手なカーチェイスのないカーチェイスで、まんまそう。
GPS搭載スマートウォッチを使ったおとり作戦など、なるほど! こんな発想があったのかと膝を打ちました。
こんなの絶対自分が老人ホームに入れられるようなジジイになったら真似しちゃうだろ、脳内でミッションインポッシブルのあのテーマを流して。
老化は誰にでも訪れ、そこには百害あって一利もない。肉体と精神、ありとあらゆる能力の低下。
年の功。なんて言いますけど、あれは歳を重ねた分きちんと学識を得ていたり経験から学んでいる人しか得られないものですからね。
ダラダラ生きているだけの盆暗には身につけられない特殊スキルですよ。
そんな老いへの不安を笑い飛ばすエネルギーに満ちていて老人キャラの力強さが痛快。
このお話、監督の祖母の実話を基に作られたそうで、家族の衰えや多くの人に先立たれた人生を実感するくだりなどは切ないが、全編に前向きなエネルギーが満ちている。
90分という程よい尺も良い、これにはポンポさんもニッコリ。

52名無しさん:2025/06/17(火) 22:22:43
みなとみらいのキノシネマで『教皇選挙』観ました。
https://cclv-movie.jp/

カトリック教会の最高指導者であるローマ教皇が心臓発作で急逝。
それによりイギリス出身の首席枢機卿トマス・ローレンスは悲しみに暮れる間もなく新たな教皇を決定するための教皇選挙《コンクラーベ》を執り行う重大な責務を負う。
3週間後、コンクラーベの前日。バチカン宮殿とその周辺では厳戒態勢が敷かれセキュリティ対策などの準備が大詰めに差しかかっていた。
そして高位聖職者の枢機卿たちが世界各地から続々とバチカンに集結する。コンクラーベの期間中、100人余りの枢機卿団は外部との接触を禁じられた隔離状態に置かれ、宿泊施設の聖マルタの家と選挙会場のシスティーナ礼を行き来することになる。
慌ただしく準備に追われるローレンスは事前のリストに載っていない枢機卿が現れたことに驚く。それはアフガニスタンのカブール教区からやってきたベニテスで、生前の教皇が秘密裏に枢機卿に任命したメキシコ人だった。
今回のコンクラーベには4人の有力候補がいた。
アメリカ人のベリーニは教会内のリベラル派でローレンスの親しい友人。
ナイジェリア人のアデイエミはもし選出されれば史上初のアフリカ系数量となる。
イタリア人のテデスコはリベラル派を嫌悪する強硬な伝統主義者。
カナダ人のトランプレは穏健な保守派だがローレンスは彼にある疑念を抱いていた。
理由は不確かだが教皇が死の直前にトランプレと会い解任を宣告していたという情報があるのだ。
総票の3分の2以上を得て候補がいなければ投票はやり直し。
票をまとめる駆け引きが水面下で進む一方で有力候補のスキャンダルや陰謀が次々に発覚し、投票で教皇が決まらなかったことを知らせる黒い煙が何度も上がる。
果たして今回のコンクラーベはいかなる結末を迎えるのか――。

こちら奇しくも現実世界でも教皇フランシスコの死去のためリアル教皇選挙が行われたせいか異例のロングラン上映となった映画となります。
コンクラーベのために集まった枢機卿たちの保守やリベラルなどの設定や言動は伝統と改革の間で揺れるカトリック教会の現状を映し出すようで国籍や人種、派閥によって分断されて争う様子は現代社会の縮図そのもの。
競争相手の過去の粗探しをしてそれを醜聞として告発して有力候補から蹴落とす場面はつい最近の保守派で共和党トランプと改革派で民主党ハリスとの間に行われた米国大統領選挙戦を彷彿させる。
疑惑と野心が渦巻く選挙戦の内幕を描いた極上のミステリーでありスリラー、と同時に滑稽な笑劇《ファルス》でもある秀逸な人間ドラマ。
今年の4月21日に亡くなった第266代ローマ教皇フランシスコはアルゼンチン生まれで教皇としては初の南米出身者。
一歩引いた立場から争いを見つめ終盤でスポットライトが当たるベニテスもメキシコ人という設定。
最後に枢機卿たちの目を覚ます彼の言葉は教会という狭い世界のみならず世界中の人々が進むべき道を説いているかのよう。

本作に触れて初めて知った事がひとつ。
教会法上の用語で教皇の死去から新教皇が選ばれるまでの期間のことを「使徒座空位《しとざくうい》」と言う。
歴史上、最も長い空位期間は1268年のクレメンス4世の死去から1271年に新教皇グレゴリウス10世が選出されるまでの2年9ヵ月あまり。
教皇不在の状況に苛立ちを募らせた市民らが選挙を急がせるために教皇宮殿に枢機卿たちを閉じ込めて徐々に食事を減らしたり宮殿の屋根をはがして雨風にさらしたという史料が残されているとか。
この間20人いた枢機卿のうち3人が亡くなり1人が退任したという。
……罰当たち過ぎだろこの市民たち。つうか護衛の兵士とかいなかったのかよ。枢機卿たちもそんな状況になったら犠牲者が出る前にとりあえずおまえ(俺)が教皇な! はい、解散! て感じで危機回避できなかったのかよ……。

54名無しさん:2025/06/19(木) 02:20:46

みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ドールハウス』観ました。
https://dollhouse-movie.toho.co.jp/

5歳の娘・芽衣を不幸な事故で亡くした鈴木佳恵と夫の忠彦。
哀しみに暮れる佳恵は骨董市で見つけた芽衣によく似た愛らしい人形をかわいがり、元気を取り戻してゆく。
佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると2人は人形に心を向けなくなる。
やがて5歳に成長した真衣が人形を「アヤ」と呼んで遊ぶようになると奇妙な出来事が次々と起きはじめる。まるで人形《アヤ》が生きているかのような怪異が……。
佳恵たちは人形を手放そうとするが捨てても捨ててもなぜか人形は戻ってくる!
人形に隠された秘密とは? 真実が解き明かされる時、一家が迎える運命やいかに――。

捨てても捨てても戻って来る――。
この手のカースドアイテムの逸話を聞くたびに「じゃあ何度も売り払ってボロもうけできるじゃん!」て思うんですよね。
実際に作中で10万円の値がつけられる場面がありましたし。
ただ金銭という対価と引き換えに他人に譲渡するという行為には呪術的な意味でも〝契約〟が成されてしまうので呪いや憑依といった現象が解除、移転する可能性もありますが。
幽霊に出会ったら友達になるのがファンタジー、襲ってくるのがホラー、捕まえて研究するのがSF。
みたいな感じの定義を聞いたことがありますが、本作はまさにファンタジーとホラーの紙一重を感じました。
これ、ほんの少し運命の針が別の方向に傾けばちょっと変わった家族が増えるほんわかファンタジーになりえる話なんですよ。
人形《アヤ》は優しくしてくれる●●が欲しかっただけでそんなに凶悪な怪異じゃないし、家族として受け入れれば誰も傷つかなかったかもしれないと思うと余計にあの結末が切なくなります。

55名無しさん:2025/06/19(木) 04:42:12
>>54

56名無しさん:2025/06/19(木) 04:42:33
>>54
早死にした長女:芽衣(メイ)
次女:真衣(マイ)
人形:礼(アヤ)

俺はメイとマイどっちがどっちか忘れてしまうので忘れないように書いておく

57名無しさん:2025/06/21(土) 21:46:02
川崎チネチッタで『レオ:ブラッディ・スウィート』観ました。
https://spaceboxjapan.jp/leo/

インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州シムラ
ーに近いテオグの町。カフェを経営し動物保護活動家でもあるタミル人のパールティバンは妻と2人の子どもと共に平穏な暮らしを営んでいた。
しかしある時、地域一帯を荒らす凶悪なギャング集団がパールティバンのカフェに押し入る。
レジの現金を渡してその場を収めようとするパールティバンだったが、女性スタッフと彼自身の娘に危害が及びそうになり反撃に出る。
素人とは思えない戦闘スキルを発揮して5人の相手を手際よく仕留めた彼に周囲の人々は驚愕する。
裁判で正当防衛が認められ無罪放免となるも事件が報道されると彼を標的として複数の黒社会の勢力が動き始める。
その中には彼を〝レオ〟と呼んでつけ狙う謎の男たちもいた。
レオとはいったい何者なのか、パールティバンの過去には何があったのか――。

こちら先日観賞した『ヴィクラム』と同じ世界観、麻薬ギャングとの戦いを描く〝ロケーシュ・シネマティック・ユニヴァース〟の第3作目にして最新作となります。
といっても独立した作品として観ても充分に楽しめる物語構成で『ヴィクラム』同様に荒唐無稽だけどどこか地に足のついた陰惨な暴力描写が特徴。
なによりも印象に残ったのは「舐めてた相手が実は殺人マシンでした」映画であると同時に「主人公て実は悪い奴じゃね?」映画。
よく考えなくてもおまえ滅茶苦茶極悪人じゃねえか! てなるのですが、作中で問題提起される暴力への問いかけにより正義や善悪の区別がいかに曖昧で危ういものかを突きつけてきて単純に判別できなくしている。
正邪善悪を内包した主人公像が実に興味深く魅力的。
ド派手なアクションに主人公アゲアゲな歌と踊りといったインド映画の定番を踏まえつつも物語に深みを生み出している。
良作です、観てください!
あ、でもひとつだけ気になったところが。
冒頭、主人公のパールティバンが街で暴れる迷いハイエナを捕獲する場面があるのですが、その際に引っかき傷を負うんですよ。でもまったく治療する素振りを見せない、消毒すらしていない。
ないないない! ありえないよ! 野生動物の牙や爪で負傷したらちゃんと病院に行って診てもらい抗生物質とか投与してもらわないと致命的な感染症に罹りますよ。
動物の専門家という設定の人物像にも反しますし、ここはもう少し考えて欲しかった。

58名無しさん:2025/06/23(月) 12:08:53
チケット代 2000円
交通費 1000円
ポップコーンなどのフード&ドリンク代 1000円
パンフレット1000円

5000円もかかる映画は低所得者や失業者の娯楽ではないのかも。

59名無しさん:2025/06/24(火) 06:32:00
「ドールハウス」、実は昔、縁者で同じような事案があったんです。 幼い息子さんを亡くしてしまったんです。一周忌だかの集まりに私の母が尋ねると、その母親は息子さんソックリな人形を狂った様に愛でていたと。帰宅した母は「かわいそうだけど、怖い」とかなりビビってましたね。
で、その後なんですけど、その時に集まった縁者達で集合写真撮ったんです。ハッキリそこに写ってたんです、息子さん。人形とは別に。私は受験だかでその場に行けなく、私の父と母がその写真を見てきたと。
母は霊感ビンビンな人だったんですが、全くそういった心霊関係を信じてなかった父が「本当にああいうの、あるんだな」とマジな顔で言ってたのが、若い私にはかなり怖かった。私もその写真、見たかった。
さらに数ヶ月後、朝起きて両親の寝室に顔出した時です。母が「あれ?友達来てるの?」て言うんです。「起きたばかり誰も来てない」と言うと「お前の後ろに誰かいたよ。おかっぱ頭の男の子」。当時私は中坊で男子は全員ボウズ頭。兄はおかっぱではない。
おいおい、怖えよ、辞めてくれよ、と思いながらも「キタコレ、マジか!」とゴチャゴチャなテンションになった私はふとピンと来た。母に「写真に写ってた〇〇ちゃん、髪型はどうだった?」と聞くと、あぁッ!という顔になって「おかっぱだ!今の…」と。
私も幼い頃、何度か一緒に遊んだ思い出もある〇〇ちゃんですが、流石にトリハダがビンビン。「どうするよ、来ちゃったんじゃないの?」とビビる私に母は「まあ、大丈夫じゃないの?見間違いかもしれないし」とノホホン。なんだかシックリしねぇなあと思いましたが、1番ビビってたのは父でした。

60名無しさん:2025/06/25(水) 20:37:39
ジャック&ベティで『ロスト・チルドレン』4Kレストア版観ました。
https://www.lostchildren4k.com/

クリスマスの夜、子ども部屋にサンタクロースが暖炉から現れる。
また一人サンタクロースが暖炉から現れる。
また一人サンタクロースが暖炉から現れる。
出てくる出てくるサンタクロース、暖炉どころかドアから普通のにぞろぞろと入ってくる、窓の外にもびっしりいる。
サンタクロースはプレゼントをくれるどころか部屋の中の物を手当たり次第に持ち帰ろうとする、それどころか子どもまでかどわかそうとする、連れてきたトナカイが見事な糞をする――。
悪夢だ。
悪夢である。
この悪夢はクローン人間ゆえに夢を観ることができないとある人物が子どもをさらい奇怪な機械をもちいてなんとかして夢を観ようと試みているのだ。
そんな者たちが躍動する暗闇と雨に包まれた近未来の港町を舞台にスリの少女と心優しき怪力男が邂逅し、物語が動き出す――

こちら1995年に公開された作品の4Kレストア版となります。
不気味で幻想的な闇夜の港町、子ども夢を盗もうとする狂科学者、水槽に浮かぶ頭痛持ちの脳、小人の婦人、クローン人間たち、シャム双生児の姉妹、1つ目教団呼ばれる片目の新興宗教団体などなど――。
妖しい登場人物たちが蠢く中で見世物小屋の怪力男とスリをして生きる孤児の少女が出会うダークでメルヘンなおとぎ話は一部の映画ファンの間では有名なのでいまさらストーリーを説明する必要は無いでしょう。
寓意に満ちたお話に魔術的な映像美は怪奇と幻想にあふれつつもどこか哀愁を漂わせた楽しくて不気味な悪夢を観るかのよう。
幼いながらも美人の片鱗を見せるヒロイン・ミエットの美貌は暗闇に咲く一輪の花のよう。
起きたまま夢を観たい人におすすめの映画です。

61名無しさん:2025/06/27(金) 10:04:53
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』観ました。
https://missionimpossible.jp/

デッデッデッデ、デッデッデッデ、デッデッデッデ、デッデッデッデ、デデデ〜ン♪
のテーマ曲でおなじみのM:Iシリーズ最新作。
『ターミネーター』のスカイネット的なAI「エンティティ」を制御する鍵の争奪戦が物語の主軸となる前作からの続きのシリーズ第8作目にして物語の集大成ともいえる内容。
全8作のシリーズを通じてトム・クルーズのアクションを大別すると疾走したり、 カーチェイスを繰り広げたりとスピート感を売り物にするか、高層ビルの壁をよじ登るなどしてハラハラドキドキさせるパターンかのいずれかになると思う。
今作では人類の脅威であるエンティティに対抗する特別な物を入手するためベーリング海に沈むロシアの潜水艦に潜入していく場面の水圧に耐えながらの水中アクションは後者に属する。
目的の物を探し、そして脱出のために潜水艦内を行き来するスピードは緩慢だがトムの一挙手一投足をなめるように眺めることができる。
パンツ一丁のサービスシーンもあったよ! 裸になってたくましい肉体を誇示するのも水中だからという必然性に加え生身のアクションを印象づける最強の演出といえる。
そしてクライマックス、空を飛ぶ飛行機の翼の上で七転八倒する場面は前者で、トム・クルーズのアクション俳優精神はCG至上主義に逆らうかのようで痛快、アクションスターとしてのトム・クルーズは本当に素晴らしい。
二転三転するストーリーに飽きさせないアクション、2時間40分の上映時間をまったく長く感じさせない。
おなじみのテーマ曲が流れてタイトルが出るところでテンション激上げ。過去の映像を交えてお話を振り返るような趣向は懐かしくて楽しい、30年間追い続けてきたシリーズのファンにはたまらないだろう。

62名無しさん:2025/06/29(日) 01:03:47
横浜シネマリンで『V. MARIA』観ました。
https://x.com/mcinema_mmj

母子家庭で育ったマリアは母の突然の死後、遺品整理をしている中で母が若い時に収集していたCD、雑誌、写真、日記、そして自分と同じく「MARIA」と名付けられた『GUILTY』というバンド名の再生できないデモテープを見つける。
自分の知らない生前の母の秘密をかいま見たマリアはデモテープの内容を知るためライブハウスへと向かうと、ヴィジュアル系と呼ばれる音楽の洗礼を受ける事となる。
どうやら母親はかつてV系バンドの追っかけ〝バンギャ〟だったようで、母の面影を追ううちにマリアもまたこの音楽に惹かれてゆくようになる――。

グラビアを中心に活躍する菊地姫奈が主演を務める本作ではグラビアで魅せる肢体を封印し、俳優としての姿を見せてくれる。
ロックバンドの聖地と呼ばれる〝目黒鹿鳴館〟なるものの存在を初めて知りました。
……まぎらわしい。鹿鳴館と言ったら欧化政策の一環として明治時代に建てられた日比谷にある西洋館でしょうに、ロック・ミュージックが鳴り響くから鹿鳴館?
自身もまたV系バンドのコピーをしていたという宮崎大祐によるV系音楽への愛の詰まった作品。同好の士にはたまらない映画でしょう。
完全に菊地姫奈目当てで観に行ったV系不見識の私の目に未知の世界が映りました。
V系という音楽ジャンルはともかくファン活動、追っかけ、昨今の言葉で言う推し活とやらは私にはまったく理解できません。
誰かのファンというその他大勢の一人というモブになるなんて御免被る。私は私、忠行だ。十把一絡げの有象無象と同じにするなと言いたい。
私を見ろ、私の顔と名前を認識しろ。
そして有名な言葉ですが「憧れは理解から最も遠い感情」というやつですよ。
赤の他人の人生を飾り立てる暇があるのなら、己自身の人生を盛り立てようぜ。
はい、今私良いこと言いましたよ。
赤の他人の人生を飾り立てる暇があるのなら、己自身の人生を盛り立てようぜ。
もう一回。
赤の他人の人生を飾り立てる暇があるのなら、己自身の人生を盛り立てようぜ。
大切な事なのでもう一度言いますよ。
赤の他人の人生を飾り立てる暇があるのなら、己自身の人生を盛り立てようぜ。
いやマジで推し活とか理解できないのよ。
赤の他人に金と時間を費やすな、おまえが一方的に他者に奉仕したところで、そいつがおまえに奉仕することはないんだぞ。
そいつが怪我や病気になったり仕事を失った時におまえが支えることはあってもその逆はないんだぞ。
もっと身近な人々を、家族や友人たちを、なによりも自分自身を大切にして赤の他人のタレントごっこになんてつき合うな。
くだらないイベント商法にもグッズ販売にも乗せられるな、投げ銭するな。
自分《おまえ》の人生を、自分《おまえ》だけの人生を歩め。
おまえの物語の主人公は、ただ一人。おまえだけなんだぞ。
惑わされるんじゃない。

63名無しさん:2025/07/01(火) 23:38:46
横浜ブルク13で『罪人たち』観ました。
https://www.warnerbros.co.jp/movie/o596j9bjp/

物語の舞台は1930年代のアメリカ、ミシシッピ。信仰深い人々が暮らすアメリカ南部の田舎町にシカゴで大金を手にした双子の黒人兄弟ギャング・スモーク&スタックが帰って来る。
彼らは地元で一攫千金の夢を賭けた商売を計画していた。それは当時禁酒法により禁じられていた酒や〝悪魔の音楽〟とされたブルース・ミュージックをふるまう黒人のためのダンスホールだった。
地元でスカウトした音楽家らをそろえたオープン初日の夜、多くの客たちが宴に熱狂する。

「生まれながらに真の音楽を奏でる人々がいるという。その音楽は生と死の間のベールを突き破り、過去、そして未来から霊を呼ぶ」

天才的なギタリスト・サミーの奏でる音と歌声に招いてはいけい者たちが現れ、最高の歓喜は一瞬にして殺戮の宴と化す。
果たしてスモーク&スタック兄弟やサミーたちは夜明けまで生き残ることが出来るのか――。

「人は自分が見たことのないものを見るために映画に行くんだ」というデヴィット・フィンチャーの言葉があるが、これはまさにそれを体験できる思わぬサプライズ映画。
軽くネタバレを踏んでから観たのが口惜しい、この映画は完全に前情報無しで観るべき作品だった。
ストーリー展開もさることながら作中で奏でられる音楽の数々が実に痺れる。
夢か現か幻か、サミーの歌と音楽により過去と現在と未来の音楽が時空を超えてひとつの場所に集まるくだりと、ある存在が仲間たちと共にアイルランドの歌と踊りを披露する場面はぐっときた。
ジム・クロウ法など当時の米国黒人たちの境遇も描かれ、あの時代の知識があればより一層物語世界を理解し楽しめたと思う。パンフレットが売り切れだったのが残念! どんな情報が載っていたのだろう。
おすすめの映画です、観てください!

64名無しさん:2025/07/02(水) 00:34:19
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『2025年7月5日午前4時18分』観ました。
https://0705movie.com/

映像制作会社に勤めるハルカの同僚のホノカがとあるネットミームに興味を抱く、
2025年7月5日午前4時18分何かが起きるという噂で、奇しくもその日はハルカの誕生日と重なっていた。
ある日の深夜、ハルカが住むマンションの部屋のドアノブが狂ったように回し続けられる。
その行為は連日続き、さらにTikTokで見つけた一本の動画でハルカの部屋と何者かの存在が映し出される。
この不気味な一連の出来事と7月5日の午前4時18分に何かが起こるという予言には関係があるのだろうか、そしてついに〝その日〟が迫る――。

なんとも奇妙なタイトル。これは実際にある都市伝説が元になっているそうですが過分にして知りませんでした。
つうかさぁ、流行らせようとしてる気満々なのが気に入らないんだよねぇ。
そういうの冷めるんですよ。
関暁夫あたりから都市伝説の定義というか言葉の使われ方が変わってきたような気がする。
都市伝説てのは「全身に金粉を塗ると皮膚呼吸ができなくなって死ぬ」とか「レミングは集団自殺する」とか「水洗トイレの渦は南半球では逆回りになる」とか「耳にピアスを開けようとして視神経を切って失明する」とか、そういう類の事でしょ?
で、肝心の内容なんでけど……う〜ん、わからん。
なんかやたらとハルカや回りの人が殺されてるのですが次の場面でそんな事がなかったかのように生きている。
別の世界線の話なのか夢なのかも判別できない。最後まで観て「あれがああでこれがこういう事なのかしら?」と無理やり納得しようと努力しましたが無理。
個々の場面が繋がらないし、登場人物の行動も不自然なんですよ。
夜中にドアノブガチャガチャされたらその場で警察に通報しない? しかも毎晩定期的に起きているのにまがりなりにも映像制作会社の人間ならカメラくらい設置して相手を確認しろよ。
スマホで撮影しててヤバい存在が映ったら一目散に逃げ出すか、近づいて存在の確認をしない? どちらもせずにあっちこっちゆらゆら映して、なにしてんだよおまえは!
なんか『世にも奇妙な物語』のハズレエピソードを2時間延々見せられた感じ。
人が一生懸命作ったものを貶したり否定したくはないのですが、正直これ物語としての体をなしていないです。
またつまらぬものを観てしまった……。

65名無しさん:2025/07/03(木) 10:31:27
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『カーテンコールの灯』観ました。
https://amg-e.co.jp/item/curtaincall/

建設作業員のダンは感情を表に出せない無口で不器用な昔かたぎの男。さらに家族に降りかかった悲惨な出来事もあり、妻や思春期の娘ともうまくいっていない。
そんな彼が偶然出会ったリタという女性に誘われてアマチュア劇団に参加することになる。
芝居経験はなく最初は乗り気でなかったダンだったが、個性豊かな団員たちと過ごすうちに居場所を見つけていく。
シェークスピアの『ロミオとジュリエット』を稽古中、ダンはあるきっかけから主役のロミオ役に大抜擢されるが、物語の結末が自身のつらく悲しい経験と重なり演じる事ができなくなる――。

むさ苦しくていかつい中年のおっさんがロミオ役を演じる事になる、というあらすじを聞くとコメディー作品を連想するが本作はそうではない。
一見無理な筋立てにも説得力ある背景が用意され、演劇を通じて心に傷を負った家族それぞれが人生と向き合う、喪失と再生の物語。ホロリとしつつクスリと笑えるシーンもある実に味わい深い作品で、まさに良作。
古典作品の登場人物に自らの境遇を投影し、その傷を癒や展開は演じるという行為にセラピーの効果を感じた。
家族の秘密が少しずつ明かされて迎える温かな結末。巧みな脚本が素晴らしい。
家族役を演じた主演俳優3人が実の家族というのも面白く、作品の絶妙な一体感に納得。

66名無しさん:2025/07/03(木) 10:32:31
1月に観た映画。
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』『カルキ 2898‐AD』『ビーキーパー』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』『フード・インク ポスト・コロナ』
『私にふさわしいホテル』『型破りな教室』『小学校〜それは小さな社会〜』『ねこしま』『室町無頼』
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アーサーズ・ウイスキー』『リターン・トゥ・リーズン』

2月に観た映画。
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 』『遺書、公開。』『デリカテッセン』『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『ゲームの規則』『籠の中の乙女』『メイクアガール』『ベルサイユのばら』『ハイパーボリア人』
『邪悪なるもの』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『ドライブ・イン・マンハッタン』『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』『SKINAMARINK/スキナマリンク』
『本を綴る』

3月に観た映画。
『封神・妖姫とキングダムの動乱』『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』『映画を愛する君へ』『封神・激闘! 燃える西岐攻防戦』『Playground/校庭』
『マッド・マウス ミッキーとミニー』『ウィキッド ふたりの魔女』『ストップモーション』『ロングレッグス』『鹿の国』
『ヨウゼン』『この素晴らしい世界に祝福を!3 -BONUS STAGE-』『Flow』『Kfc 食人連鎖』

4月に観た映画。
『デーヴァラ』『ミッキー17』『ナタ:魔童の大暴れ』『BAUS 映画から船出した映画館』『ジャングル大帝』
『アマチュア』『ゴーストキラー』『HERE 時を越えて』『僕とロボコ』『ゲッペルス ヒトラーをプロデュースした男』
『アンジェントルメン』『異端者の家』『けものがいる』

5月に観た映画。
『サンダーボルツ*』『ミゼリコルディア』『ドマーニ! 愛のことづて』『花まんま』『VENUS/ヴィーナス』
『たべっ子どうぶつ』『サブスタンス』『KIDDO キドー』『ガール・ウィズ・ニードル』『ノスフェラトゥ』
『デビルズ・バス』『岸辺露伴は動かない 懺悔室』『プロメア』『紅楼夢 〜運命に引き裂かれた愛〜』

67名無しさん:2025/07/03(木) 10:39:45
6月に観た映画。
『ヴィクラム』『英雄傳』『見える子ちゃん』『MaXXXine マキシーン』『我来たり、我見たり、我勝利せり』
『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』『教皇選挙』『ドールハウス』『レオ:ブラッディ・スウィート』『ロスト・チルドレン』
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』『V. MARIA』

68名無しさん:2025/07/05(土) 23:01:48
川崎チネチッタで『ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン』観ました。
https://klockworx.com/movies/hellboy/

1950年代末。B.P.R.D.《超常現象調査防衛局》の捜査官ヘルボーイと新人エージェントのジョーが訪れたのはアパラチアの山奥にある寒村。
閉ざされた土地でなにかに怯えながら暮らす村人たち。そして相次ぐ奇怪な事件——そのすべては「歪んだ男《クルキッドマン》」と呼ばれる悪魔の仕業だという。
そこへトム・フェレルというかつて村を出た男が姿を見せる。
二十年前に悪魔と契約して魂を奪われたと語る彼の帰還が呪われた因縁を呼び覚ます。
欲望に取り憑かれた魔女たち、魂を喰らう悪魔、そして決して逃れられぬ契約の呪いが蔓延る昏き闇との境界の村に足を踏み込んだヘルボーイ。

「正義も祈りも通じねぇなら拳と銃弾で黙らせるだけだ!」

どデカい銃と超硬質の岩石でできた滅びの右腕を武器に忌まわしき地に巣食う闇を打ち砕く――。

こう書くと主人公《ヘルボーイ》が異形相手に無双する痛快バトルアクションみたいに思えるでしょ? ヘルボーイさん、いかつい外見と常に余裕ぶってる態度の割にはヘビやクモ相手にもけっこうボコられてあまり強キャラ感無いです。
多分350CPで作られた妖怪キャラくらいの強さ。いや、今どきガープス・妖魔夜行で例えられてもわからない人の方が多いとは思いますが本当にそのくらいの強さ。
でもこのくらいの頼りになるのかならないのかの方が敵の脅威が際立ってお話に緊張感が生まれるんですよね。
アクション部分よりも閉ざされた土地の因習や信仰、土着の呪術、悪魔との契約、信仰と呪いの交差、過去の罪と報いの因縁などなど――。
民間信仰や土着儀式、よそ者への排除や敵意といった因習村ものフォークホラーとしての面が濃くてちらの方面で楽しめました。
舞台となるアパラチア山脈(ロケ地はブルガリアらしい)の暗く陰鬱な山並みも厭な雰囲気ばっちり。日本の山とは異なる欧風の暗く冷たく過酷な世界を描いています。
そして呪術。
過分にして知りませんでしたが魔女の玉《ウィッチボール》と呼ばれるガラス製の球体物があり、本来は魔除けや護符として17〜19世紀の欧州や米国東部で悪霊や呪詛から身を守るために窓辺に吊るす習慣があったとか。
本作では「素っ裸で踊る。イタチの血、ネズミの尻尾、黒猫の腸と膀胱、ハゲタカの卵、赤ん坊の爪、ヒキガエルの足、コウモリの脳みそを煮込む。自分の髪と下の毛を混ぜ、投げやすく丸める」という工程で作成するグロテスクで猥雑かつ儀式的なマジックアイテムに変貌。
単なる民間信仰の護符ではなく呪術、呪詛、呪い、信仰の堕落、魔術による支配を象徴するような黒魔術の結晶としてあつかわれており、エグい呪物感がたまらない。

69名無しさん:2025/07/09(水) 22:27:34
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』観ました。
https://maidragon.jp/movie/

ごく普通の会社員である小林さんの周りには終焉帝の娘トールを始め、たくさんのドラゴンたちが集まり人として暮らしていた。
ある日のこと知らないおっさんと意気投合して酒を飲み交わすが、このおっさんこそ小林の家で共に暮らすカンナの父親で、娘を連れ戻そうと人界に訪れたドラゴン・キムンカムイだった。
実の娘を敵対勢力との戦いで役に立つ戦力、道具として見ていないキムンカムイに小林さんは怒り爆発。育児放棄毒親にうちのカンナは渡せねぇ! と啖呵を切って、一度はトールと喧嘩沙汰になるもひとまず和解。
手紙を通じて融和を計る小林さんだったが、事態の裏にはすべてのドラゴンを滅ぼそうとする画策するある人物の陰謀が隠されていた――。

こちら原作・クール教信者による漫画作品の劇場版アニメとなります。
原作でも人気のエピソードの映画化だそうですが、テレビ放送されたのをダラダラと見ていただけなのでドラゴンの混沌勢とか調和勢とか傍観勢とか各勢力が出てきても正直なんの事やらでした。
でもそんな原作やアニメの前知識無しで観ても普通に楽しめる内容になっております。
作中、カッコウの托卵の逸話が語られるのが印象深い。生みの親より育ての親的な、そういうテーマが込められているかと。
カッコウが托卵するのは体温の変動が激しく自分で卵を温める事ができないから。カッコウは成鳥になったら自分が托卵された種類の鳥の巣に托卵するそうです。
実の親を知らず実の子を育てられないとは、なんと業の深い生き物か。これ、仏教的にはかなり罪の重い者が生まれ変わる罰だと思いますよ。
生老病死、四苦八苦。人の身だろうが獣の身だろうが、そもそも生まれてきたのが運の尽き。
いくら寝ても寝たりない。正確には睡眠を欲しているのではなく暗闇と静寂に包まれて褥に横たわり虚無に浸っている状態がなによりも心地よい。
無に近いのが幸せなら、死という無こそが至上の幸福。つまり生まれてこない事こそが一番の幸せ。
生きているから苦しい。
映画を観ながら、あるいは楽しい夢を観ながら死にたい。
銀幕の向こう、物語の世界に逝きたい、生まれ変わりたい。
早く死んで労働地獄から解放されたい。



川崎チネチッタで『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』観ました。
https://lupinthe3rd.com/

世界地図に存在しない謎の島を目指してバミューダ海域へと向かうルパン三世と仲間たち。
目的はこれまで彼らに刺客を送り続けてきた黒幕の正体と、隠された莫大な財宝を暴き出すこと。
しかし島に近づいた瞬間、狙撃によって飛行機は撃墜され一行は死の島へと不時着する。
そこには朽ちた兵器や核ミサイルが山のように積まれ、かつて殺し屋や兵士として使われるも任務に失敗し〝ゴミ〟として捨てられ、理性を失った人間たちが徘徊する世界の終わりのような風景だった。
しかも島を覆う謎の霧には24時間以内に死をもたらす毒が充満しているという。
島の支配者である異形の生物ムオムは人類が果たせなかった偉業――地球を不老不死にする――という目的を告げ、人類を選別して不要な者を排除すると語る。
圧倒的な身体能力と頭を撃たれても即座に再生する、銃も刀も通じない死なない敵を前にしてルパンは24時間以内にすべてを盗み出して生きて島を脱出できるのか――。

小池健が監督を務め、配信を中心に展開してきたアニメシリーズの劇場版にして集大成。
主人公のルパン三世像は原作や初期アニメ作品の雰囲気を受け継ぐハードボイルド、そんな物語が鮮やかな色使いの現代的な演出で紡がれ新たな魅力を出している。
なによりも物語。
予告編でマモーぽいキャラが出てきたので『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と関係あるのかなぁと思っていたらガッツリ関係ありました。というか前日譚だったとは!
ここからあのお話に繋がるとか、マジぐっとくる。
ムオムの島のこの世とは思えない不気味な雰囲気とか映像面も素晴らしい。
さすがにルパンVS複製人間でキリコの『通りの神秘と憂鬱』をはじめとしたシュルレアリスム絵画の中で追いかけっこをする幻想的な場面にはおよばないものの、地獄のような場所にも関わらずある種の美しさを感じられた。
もったいないことに爆破されてしまったルパンのアジトも高級感があり、特にワインバーなど素晴らしい。
ルパンVS複製人間をリメイクしてして欲しくなった。

70名無しさん:2025/07/13(日) 00:16:41
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『スーパーマン』観ました。
https://wwws.warnerbros.co.jp/superman/

大手メディア『デイリー・プラネット』で平凡に働くクラーク・ケント。彼の正体は人々を守るヒーロー『スーパーマン』だった。
子どもも大人も、愛する地球で生きるすべての人を守り救うため、日々戦うスーパーマンは誰からも愛される存在。
しかし彼を地球の脅威とみなし暗躍する者がいた。最高の頭脳を持つ天才科学者して大富豪のレックス・ルーサーだ。
レックスは自身が率いる巨大企業の総力を挙げてスーパーマンの戦闘パターンを解析して打倒するシステムを作り上げる。
さらにフェイクニュースを捏造しスーパーマンを社会的に抹殺する作戦までも展開、レックスの謀略によりスーパーマンは侵略者としてSNSで中傷の的にされてしまう――。

「空を見ろ!」
「鳥だ!」
「飛行機だ!」
「――いや、スーパーマンだ!」

もはやこのヒーローに説明はいらないでしょう。
強くてかっこよくて爽やかで絶対に負けないその姿はアメリカの生んだ最高最強のヒーロー。
アメリカという国の象徴とも言える存在だが今作ではひと味違う。敗北もすれば、弱さも見せる。202 5年版のスーパーマンは鳥でも飛行機でも完全無欠のヒーローではなく不確実な時代をもがきながら生きる一人の人間として描かれる。
レックスがスーパーマンを憎む理由や〝猿〟を使ったネット工作、独裁者が支配するある国が一方的に小国に攻め込むという副筋など、まさに現代の戯画そのもの。
それでいて説教臭かったり小難しい事なく王道のエンターテイメントにして弱さや脆さを抱えつつも成長する現代的ヒーローのビルドゥングスロマン。
企業協賛で活動するヒーローチームの面々や危なっかしいペットのスーパードックをはじめ魅力的なキャラクターたちの活躍も楽しい。
全身スーツに包まれた尻がエロいアンジェラ・スピカ《エンジニア》や頭脳派なのに激情家なミスター・テリフィックの人物像とか、ギャップ萌えってやつ?
カメオ出演的にチョロっと出てきたピースメイカーの言葉がおまいう全開でくすりとしました。
ひたすら真っ直ぐで善良な主人公像は一周回って逆に反骨、反逆者《トリーズナー》に思えてくる不思議。
これは傑作、観てください!

71名無しさん:2025/07/16(水) 14:06:54
横浜ブルク13で『顔を捨てた男』観ました。
https://happinet-phantom.com/different-man/

顔に極端な変形を持つ俳優志望のエドワードは隣に越してきた劇作家を目指すイングリッドに惹かれながらも自分の気持ちを閉じ込めて生きていたが、外見を劇的に変える実験的な治療を受けて新しい顔と人生を手に入れる。
過去を捨ててガイという名を名乗り別人としてイングリットと良い仲になり順風満帆と思われる人生を歩み出した矢先、かつての自分のような顔をしたオズワルドという男が現れる。
人が忌避するような異形と呼べる容貌にも関わらず明るく社交的でカリスマ性と自信にあふれ、人々を魅了するオズワルドにエドワードは第二の人生が乗っ取られたような妄想にとりつかれてゆき、順調だった人生が狂いだす――。

厭な映画だ。
変形した顔は好奇の目に晒されて孤独に違いないという無意識の偏見、同じ障害を持つ人たちへの思い込みを捨てきれない自身の隠された本心を突きつけられるような展開は見ていてつらい。
またオズワルドというイレギュラーが登場する以前から不穏な空気が満ち、現実なのかそうでないのか曖昧模糊とした場面が出てくる。
16mmフィルムで撮られた映像は80年代の作品のようにザラつき、音楽もふくめ時代設定が現代なのか過去なのか不明瞭なのも不安をかき立てられて悪夢のよう。
名刺代わりとも言われる顔だが、美容医療の発達やスマホの写真加工アプリでなりたい自分や見せたい自分に手が届きやすくなった現代だからこそ、この悪夢的展開とブラックユーモアを織り交ぜながら自分とは何かという問いを投げかけてくる内容は刺さる。
顔を変えればなりたい自分になれるのか!? と『サブスタンス』同様に本作を現代社会の外見至上主義《ルッキズム》風刺と見るのは簡単だが監督の関心はもっと深いところにあるように思える。もちろんルッキズム批判もふくまれているとは思うが。
作中の演劇場面なども、異なる人生への願望や美醜に囚われがちな人間の心を掘り下げた傑作。
己とはなにか――アイデンティティについて考えられさせる作品で、この映画から何を感じ取るかは人によってまったく異なるだろうし決して万人受けする内容ではないので人におすすめはしないが観て損はしない逸品。

72名無しさん:2025/07/17(木) 00:23:15
川崎チネチッタで『マーヴィーラン 伝説の勇者』観ました。
https://maaveeran-movie.com/

新聞の長期連載漫画『マーヴィーラン』の作者であるサティヤ。
気弱な彼はゴーストライターとしての立場に甘んじ、私生活では負けん気の強い母イーシュワリの起こす騒動を収める毎日。
ある日、住居のある地域一帯が開発対象となり立ち退きを余儀なくされてしまう。新たな住処として提供された新築の高層マンション『人民宮殿』に一時は浮かれる一家だったが、そこは手抜き工事の元に建てられた欠陥住宅だった。
悪徳政治家ジェヤコディが仕切る新築マンションの増築と開発。そんな横暴に彼は意を決して立ち向かうサティヤだったが、返り討ちに遭ってしまう。
自らが描き続けるマーヴィーラン《偉大なる勇者》とのギャップに絶望し、自ら命を絶とうとするも奇跡的に生還したサティヤの耳元で勇壮な〝声〟が鳴り響くようになる。
その声はサティヤを勇者と呼び、ジェヤコディを死神と呼ぶのだった。
声の通りに行動するとスーパーパワーを発揮して悪党どもをぶちのめすが、生来気弱なサティヤはそんな暴力行為に耐えきれずせっかく手に入れた力を放棄しようとする。
果たしてサティヤは真の勇者として民衆を苦しめる巨悪に立ち向かうことができるのだろうか――。

インド映画の主人公でこんなにも気弱な主人公は珍しい、というか初めて。
漫画のナレーションのような声に振り回される様子はコントのようでシュールで新感覚。
それでいて熱いバトルやダンス、汚職に満ちた公共事業や欠陥だらけの公共インフラ、目先の選挙を乗り切る事しか頭にない政治家の姿といった政治風刺などインド映画らしさもたっぷりと楽しめる。
楽しめるのだが、煮えきらずにせっかくのスーパーパワーを放棄しようとする主人公の姿に正直イライラしてしまったのも事実。
素直に声に従ってスーパーヒーローになっちまえよ!
この感覚はあれだ、リアルタイムで『新世紀エヴァンゲリオン』を見ていた時のシンジくんに対する感情だ。
でもシンジくんよりかは「くやしいけど、僕は男なんだな」と立ち上がったアムロに近いのがせめてもの救い。
このヒーローらしからぬヒーロー像はもちろん監督の意図したもので、一介の市民が何か特殊な力を手に入れたとしてもすぐにそれを前向きにしてヒーローになるというのは考え難いとパンフレットのインタビューで述べています。
まぁ、そうなんでしょうけどもし自分がスーパーパワーを身につけたらウッキウキで異能の力を行使するでしょうね。
もちろんヒーローではなくヴィランとして。
まず自分が気に入らない相手を屠る。たとえばなにひとつ実害を与えていないのに創作物の内容を理由に出禁にした不義理で不誠実で横暴極まりない新川甲子男をズタズタに切り裂いて頭蓋骨で小便器を作ることでしょう。
次は国会議事堂や財務省に乗り込んで国民の敵を一掃したい。
もうノリノリで俺は人間をやめるぞ! 早く妖怪になりたい!

73名無しさん:2025/07/19(土) 23:05:05
川崎チネチッタで『IMMACULATE 聖なる胎動』観ました。※ネタバレあり!
https://klockworx.com/immaculate

故郷であるアメリカを離れ、イタリアの美しい⽥園地帯に佇む修道院へやって来た敬虔な修道⼥セシリア。
修道院での⽣活に慣れた頃、セシリアが処⼥であるにも関わらず妊娠していることが発覚。
衝撃を受けるセシリアだが神父たちは彼⼥を次の聖⺟マリアとして崇め、妊娠を祝福する。
やがて⾚い覆面を被った謎の集団が現れるようになると修道⼥の⾃殺や拷問を⽬撃するなどセシリアの周囲で異常なことが起こり始める。
⾝の危険を感じたセシリアは外出を許可しない神⽗たちの⽬を盗んで修道院を抜け出そうと試みる過程で修道院に渦巻く秘密が暴かれ、祝福は⼀瞬にして悪夢へと変わる――。

「悪魔ですら光の使者に変装する」
コリント人への手紙 第二より。

悪魔の子の誕生を描いた『オーメン:ザ・ファースト』との共通点も指摘される修道女ホラー。
軽くネタバレしますが私は『真・女神転生Ⅱ』の元老院たちを思い出しました。

「キリストの復活はまだか……せや、自分らで作ったろ!」

てやつです。
観る前は正統派のオカルトものを想像していましたが、なんというかルチオ・フルチ味があるというかテレビ東京の深夜にふさわしい内容。
必死の形相で逃げる身重の修道女を神の復活を目指すカルト集団が蛇のように追う姿は恐ろしいが、それに対して殺る気満々で反撃するセシリアもアクティブすぎ。
神も悪魔も介在しない世界では生きている人間が一番怖い。
ホラー映画を観た後にこういう「人間が一番怖い」系の感想を述べると陳腐なことを言うなと怒る人がいますが、実際そうなのだから仕方がない。
幽霊よりも刃物を持ったキチガイの方が脅威であり恐怖であり、つまり刃物を持ったキチガイの幽霊が最恐ということです。
またつまらぬものを観てしまった……。

74名無しさん:2025/07/22(火) 22:49:47

横浜ブルク13で『DROP/ドロップ』観ました。
https://www.universalpictures.jp/micro/drop

夫を亡くし幼い息子を育てるシングルマザーのバイオレット。夫の死を乗り越えていない彼女はためらいながらも妹の強い勧めでマッチングアプリで知り合った男性ヘンリーとのディナーデートをする事に。
最上階にあるレストラン『PALATE』で席に着くと突然スマホに見知らぬ誰かからDROPメッセージが届く。
送られてきたのは息子の命と引き換えに目の前のデート相手を殺せという指示だった!
犯人は半径15m以内、このレストランに居る誰かだ――。

インターネットってなに? どこにあるの? というくらいのアナログ人間なのでDROP(無線通信を通じてスマートフォン同士で写真・動画やwebサイトを共用できる機能)とか新鮮に映りました。
親しみやすい来店者、気さくなバーテンダー、冷徹な店長、陽気なウェイター、馴れ馴れしいピアノマン、謎めいた客、あるいは目の前のデート相手――。
いったい誰が息子を人質に取った犯人なのか、フーダニット(犯人は誰だ?)系のスリルとサスペンスあふれるミステリー。
ちなみにミステリーとは犯人の正体やトリックなどの謎解きを主軸に置いたもの。
視聴者や読者の恐怖や不安に焦点をあてたものがサスペンス。
スリラーはさらに恐怖度があり、なおかつ超自然の要素のあるものもふくちまれるもの。
だ、そうです。
スマートフォンというあれば便利、というか現代の生活には必須のアイテム。文明の利器が逆に恐怖と脅迫の要素になる逆転の発想はお見事。
舞台のほとんどはシカゴの高層ビル最上階にあるという設定の高級レストラン『PALATE』なんですが、このレストラン&バーが本当に高級感あふれる洗練された空間で、ここが一から作られたセットというから驚き。
神戸牛のフィレステーキやパンナコッタとか、出てくる料理が美味しそう!
オーバールックホテル、宇宙ステーション『プロメテウス』、宇宙船アヴァロン号、ピザ・レストラン『フレディ・ファズベアーズ・ピザ』――。
そしてこの『PALATE』と、映画に出てくる行ってみたい場所がまたひとつ増えてしまいました。
神戸牛フィレステーキと赤ワイン、食後酒はテキーラ、デザートはパンナコッタで。

75名無しさん:2025/07/24(木) 20:22:24

横浜ブルク13で『ストレンジ・ダーリン』観ました。
https://movies.kadokawa.co.jp/strangedarling/

連続殺人事件が全米を恐怖に陥れる中、とあるモーテルの前出会ったばかりの男女を乗せた車が止まる。
女は男と一夜を共にするかどうか決めかねている様子で、お互いに真意を探るような会話の合間に女が突然男に尋ねる。
「あなたはシリアルキラーなの?」と――。

6章仕立ての物語だが、1章の冒頭もそこそこになぜか第3章から始まる。
各章の上映順がシャッフルされているため観客は常に脳をフル回転させて何がどうしてどうなったかを考えざるをえない。
男女の一夜の火遊びがなぜ緊迫感たっぷりの追走劇に発展したのか? この男が巷を騒がす連続殺人鬼なのか、それとも――。
時系列順には語られないが章ごとにそれまでに生じた謎や疑問が解ける謎解きの楽しさ、物語の核心に向かってどんどん盛り上がっていく脚本はお見事。
ミステリー、スリラー映画の定石をことごとく裏切ってゆく設定と演出がとにかく魅力的で最大の特徴ではあるが、人によっては〝奇をてらっている〟と鼻についたり、数多くの物語作品に触れている人なら早々に真相を察して鼻白むかも。
ネタバレ厳禁。事前情報を聞かずに早めに観に行って、素直な気持ちで観て欲しい。

パンフレットが売り切れだったのが残念。

76名無しさん:2025/07/26(土) 22:31:50
ローソン・ユナイテッドシネマで『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(吹替版)観ました。
https://marvel.disney.co.jp/movie/fantastic4

宇宙での任務中の事故で特殊能力を得た4人のヒーローチーム『ファンタスティック4』は人々に愛され、強い絆で結ばれた家族。
チームのリーダー・リードとその妻スーとの間に待望の第一子が誕生。そんな時に数々の惑星を喰い尽くしてきた〝世界を喰らう者〟ギャラクタスの使者〝シルバーサーファー〟が現れ、次なる標的は地球だと告げる。
ファンタスティック4は人類の未来を守るためにギャラクタスに決戦を挑む事になるのだった――。

特筆すべきは1960年代風のレトロ・フィーチャーな世界観。宇宙開発や星々への憧れ、テクノロジーがすべてを解決できると未来への希望に満ちていた時代のなんと輝かしいことか!
音楽やヴィジュアル、色彩や画面の彩りが本当に素晴らしい。自分の生まれるはるか以前なのに、なぜこうも憧れと郷愁を覚えるのだろう。
描かれるのは家族の絆。
これは完全に私個人の感想、愚痴になってしまうのですが、年々家族関係を描いた作品に触れるのが苦痛になってきました。
子を持つ親の気持ちはすべての人に通じる普遍的なテーマだとされていますが、今の日本は格差が広がり主として貧困などが要因で結婚や子育てもままならない人が多くなっています。
私自身もその一人であり、フィクションの世界でも幸せな家庭を見るのがつらい。
もちろん純粋にヒーローものとして観ても楽しめます。ゴムのように体を自在に伸ばせる、透明化やバリアを展開できる、全身を炎で包み空を飛翔する、岩のような肉体と怪力を持つ――。
そんなスーパーパワーの持ち主たちが大活躍。
本作は新たなるマルチバース・サーガの物語で『アベンジャーズ』再結成への序章のひとつ。
彼らは『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』で帰って来る!

あ、あとスケジュールの都合で吹替版で観たんですけど坂本真綾が全然棒じゃない! どうしたんだよルナマリア、外画の吹替は加瀬康之みたいなちょうどいい塩梅の棒科白の方がしっくりくるのに、上手くなってんじゃん!

77名無しさん:2025/07/30(水) 01:10:54
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『エレベーション 絶滅ライン』観ました。
https://elevationmoviejp.com/

地下穴から突如として世界中に現れた怪物『リーパー』により人類の95%が駆逐されてしまう。
しかしなぜかリーパーは標高2500mから上には行けず、生き残った人々は山の上で隠れて暮らしていた。
ロッキー山脈の高地に逃れたウィルには病気の息子がいたが、治療に必要な薬は麓の病院にしかない。ウィルは薬を手に入れるため、リーパーを倒す方法を研究している物理学者のニーナや友人のケイティらと2500mの線を越えた下山を決意する――。

低い所に下りてはいけないという条件のみで世界観を構築する力業は音に反応して襲ってくる怪物を描いた『クワイエット・プレイス』に通じるものがあるが、制作者が同じ人と聞いて納得。
本作はダブルヒロインで物理学者で陰のある性格のニーナと銃器のあつかいに慣れた快活なケイティが対照的で良い具合に対になっている。
リーパーは銃弾はおろか榴弾の直撃を受けても無傷というバケモノ。どんなに巨大だったり硬くても〝生物〟である以上は銃砲火器を受けてもノーダメージというのはありえないのだが、今作ではそのあたりの説明が一応なされており納得。
続編を匂わせているような次なる脅威の存在を示唆したラストも上手い。
午後ローやサタ☆シネで放送しそうな「こういうのでいいんだよ、こういうので」的な映画。
作中で食べられていたチーズマカロニが薄らまずうまそう(矛盾)だったため、食べてみました。
書いてあった通りに茹でたが、固い……。

78名無しさん:2025/07/30(水) 20:02:53
横浜シネマリンで『犬の裁判』観ました。
http://kodi.onlyhearts.co.jp/

裁判で負けが込み、事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルは、ある男から愛犬コスモスの弁護を依頼される。
コスモスが女性に噛みつき負傷させてしまったのだ。
法律では人を傷つけた犬は害獣として安楽死処分が相当、アヴリルは見過ごせずに弁護を引き受ける。
人を噛んだ犬が処分されるのは犬が物としてあつかわれるからだと主張し、コスモスを人として裁かせようとするのだが――。

動物学者や宗教指導者や哲学者たちが法廷に呼ばれ、犬という存在について神学論争を繰り広げる。
果てはコスモスが女性に対してかみ癖があると明らかになり、「女性蔑視犬」だという議論まで――。有罪か無罪か。リアルでもネット上でも意見が分かれ、デモ隊と警察が衝突するなど街の住民も巻き込んだ大混乱に陥る。
犬の命がかかった裁判を軽快で洒脱に描くスラップスティック作品。
単に明るくにぎやかなだけでなく人間の傲慢さやエゴを皮肉る部分もあるブラックな要素も感じられた。
なによりもコスモス役の犬の演技が秀逸。動物を使ってよくこんな映画が撮れたものだと脱帽。今は動物のあつかいがナーバスなので撮るの大変だったんだろうなぁ。
実話にもとづく映画というのも興味深い。

79名無しさん:2025/08/01(金) 18:50:57
2025年7月に観た映画。
『罪人たち』『2025年7月5日午前4時18分』『カーテンコールの灯』『ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン』『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』
『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』『スーパーマン』『顔を捨てた男』『マーヴィーラン 伝説の勇者』『IMMACULATE 聖なる胎動』
『DROP/ドロップ』『ストレンジ・ダーリン』『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』『エレベーション 絶滅ライン』『犬の裁判』

80名無しさん:2025/08/01(金) 20:53:39
川崎チネチッタで『アンティル・ドーン』観ました。
https://untildawn.jp/

クローバーとその友人たちが1年前に失踪したクローバーの姉メラニーを探すために訪れた場所で覆面の殺人鬼によって惨殺される。
一度は死んだはずの彼らだったが、気づけば驚くべきことに殺される前の時刻に戻っているではないか!
しかも再び残酷に殺されるが、すぐに元の時刻に戻るクローバーたち。
その時刻に戻るたび異なる襲撃者が現れ、異なる方法で襲撃され、殺され、惨劇は加速してゆく。
やがて死のタイムループから抜け出す唯一の方法が夜明けまで生き残ることだと気づくのだか――。

こちら同名ゲームが原作のリアル死にゲー映画――と言いたいところだが、繰り返されるたびに状況が変化するので少し違うかも。
死にゲーてあくまでも初見殺しの高難度な敵の攻撃パターンとかを覚えて何度もゲームオーバーになりながら攻略していくやつであってますよね?
前述したようにこの映画は時間が巻きも出されるたびに襲撃者や襲撃方も変わるのでゲーム感は希薄。
その代わり映画として見るのならタイムループものに殺人鬼に襲われるスラッシャーものやゾンビものなど様々なホラー映画の要素が複数混ざり合った贅沢盛り合わせ丼感がありあり。
豪雨のなか車を抜けると台風の目のようにそこだか晴れな空間にぽつんと一軒家がただずむ――という〝邪悪な神秘〟を感じさせる冒頭に心をわしづかみされた。
そうそう! 田舎ホラー、館ものの要素もあるんですよ!
こんな感じで館の中の雰囲気もバッチリでホラー映画好きは終始ニコニコしながら観ることができるでしょう。
あわよくば長期シリーズ化を目論んでいるのが丸わかりなラストシーンにもニッコリ。
他に観たい作品が無いようなら観てください!
ヒロインのクローバー役のエラ・ルービンも美人だよ!

81名無しさん:2025/08/02(土) 00:09:18
1月に観た映画。
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』『カルキ 2898‐AD』『ビーキーパー』『キノ・ライカ 小さな町の映画館』『フード・インク ポスト・コロナ』
『私にふさわしいホテル』『型破りな教室』『小学校〜それは小さな社会〜』『ねこしま』『室町無頼』
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』『グランド・ブダペスト・ホテル』『アーサーズ・ウイスキー』『リターン・トゥ・リーズン』

2月に観た映画。
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 』『遺書、公開。』『デリカテッセン』『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
『ゲームの規則』『籠の中の乙女』『メイクアガール』『ベルサイユのばら』『ハイパーボリア人』
『邪悪なるもの』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『ドライブ・イン・マンハッタン』『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』『SKINAMARINK/スキナマリンク』
『本を綴る』

3月に観た映画。
『封神・妖姫とキングダムの動乱』『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』『映画を愛する君へ』『封神・激闘! 燃える西岐攻防戦』『Playground/校庭』
『マッド・マウス ミッキーとミニー』『ウィキッド ふたりの魔女』『ストップモーション』『ロングレッグス』『鹿の国』
『ヨウゼン』『この素晴らしい世界に祝福を!3 -BONUS STAGE-』『Flow』『Kfc 食人連鎖』

4月に観た映画。
『デーヴァラ』『ミッキー17』『ナタ:魔童の大暴れ』『BAUS 映画から船出した映画館』『ジャングル大帝』
『アマチュア』『ゴーストキラー』『HERE 時を越えて』『僕とロボコ』『ゲッペルス ヒトラーをプロデュースした男』
『アンジェントルメン』『異端者の家』『けものがいる』

5月に観た映画。
『サンダーボルツ*』『ミゼリコルディア』『ドマーニ! 愛のことづて』『花まんま』『VENUS/ヴィーナス』
『たべっ子どうぶつ』『サブスタンス』『KIDDO キドー』『ガール・ウィズ・ニードル』『ノスフェラトゥ』
『デビルズ・バス』『岸辺露伴は動かない 懺悔室』『プロメア』『紅楼夢 〜運命に引き裂かれた愛〜』

67:名無しさん:2025/07/03(木) 10:39:45
6月に観た映画。
『ヴィクラム』『英雄傳』『見える子ちゃん』『MaXXXine マキシーン』『我来たり、我見たり、我勝利せり』
『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』『教皇選挙』『ドールハウス』『レオ:ブラッディ・スウィート』『ロスト・チルドレン』
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』『V. MARIA』

7月に観た映画。
『罪人たち』『2025年7月5日午前4時18分』『カーテンコールの灯』『ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン』『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』
『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』『スーパーマン』『顔を捨てた男』『マーヴィーラン 伝説の勇者』『IMMACULATE 聖なる胎動』
『DROP/ドロップ』『ストレンジ・ダーリン』『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』『エレベーション 絶滅ライン』『犬の裁判』

82名無しさん:2025/08/02(土) 23:19:14
2023年に観た映画『カンフースタントマン 龍虎武師』掲載漏れ。

みなとみらいのキノシネマで『カンフースタントマン 龍虎武師』観ました。
kungfu-stuntman.com
世界中の人々を驚愕、魅了した革命的な香港カンフーアクションが生まれた経緯をおよそ100人ほどの関係者に取材したドキュメンタリー映画。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のラストバトルでのジェット・リーのアクションは3人のスタントマンがボディダブルしていた。
あの有名な『プロジェクトA』の時計台落下シーンを撮影するさいにさしものジャッキーも臆して事前に同じ体重のスタントマンを落として安全か試していた。
そうだったのか! 過分にして知らなかった逸話です。
あと7階から8人が落下する時は着地の衝撃よりも、その際に他の人と接触する危険の方が大きいんだって。勉強になるね!
武師《スタントマン》(中国本土では武行と表記)。
いや、とにかく凄い。
観客を仰天させたアクションの数々の裏には怪我や事故など日常茶飯事、死と隣り合わせな武師たちの命懸けの情熱があったことを改めて知ることのできる作品でした。
必死の思いで頑張っても顔も名前も表に出ない。何人もが大怪我をし、中には後遺症を患い引退したり最悪命を落とす過酷な現場。
彼らはまさに無名の英雄と言えます。
「龍虎」には力に力を合わせる、勇気に勇気を重ねるという意味があるそうで、龍虎武師と呼ばれる事は最高の名誉だとか。
それで思い出したのが我が国が誇るスタントパフォーマーの伊澤彩織。
女優としても活躍し、『ベイビーわるきゅーれ』で魅せた美しく敏捷な動きはネコ科の肉食獣を思わせるもので、彼女には虎豹武師という尊称がふさわしい。
今年の春に公開予定の『ベイビーわるきゅーれ2』が楽しみです。監督の阪元裕吾は邦画界の希望です。
香港スタントマンの系譜は武術系と京劇系に分かれるんだって。
へ〜。

83名無しさん:2025/08/03(日) 00:43:11

川崎チネチッタで『スタントマン 武替道』観ました。
https://stuntman-movie.com/

1980年代の香港アクション映画黄金期に活躍した伝説のアクション監督のサムたったが、ある撮影現場で起こったスタントの事故で仲間の一人カムが半身不随となり、罪悪感にさいなまれ業界から足を洗い、小さな整骨院を営み暮らしていた。
ある日、サムはかつての盟友である老監督チョーと再会し、チョーの最後の監督作品にアクション監督として参加して欲しいとオファーされる。
その映画の主演を務めるワイは以前はサムの弟子であり、その実力を発揮して現在は人気アクションスターとなっていた。
汚名返上を決意したサムはチョーの申し出を受け、若手スタントマンのロンをアシスタントとして迎え入れる。
しかしサムの昔ながらの撮影スタイルは現代では無茶そのもので現場は不満が高まり、さらには無許可のゲリラ撮影で警察沙汰にまで。
果たして映画は完成出来るのか――。

タイトルの武替道とはスタントの道を意味する中国語。
観客を仰天させるアクションの数々の裏には怪我や事故など日常茶飯事、私生活を犠牲にしてまで日々奮闘する、死と隣り合わせなスタントマンたちの命懸けの情熱を描く。
「成功には犠牲がつきもの」の精神でコンプライアンスガン無視して映画にかけるサムの姿は創作者なら誰しもが少なからず持つもの作りへの狂気を感じさせられた。
冒頭の作中劇は『ポリス・ストーリー/香港国際警察』のデパートでの格闘アクション、無許可ゲリラ撮影による町中での強盗シーンは『省港旗兵:九龍の獅子 クーロンズ・ソルジャー』、クライマックスの廃ビルからの落下スタントは『ファースト・ミッション』などなど、香港映画ファンには嬉しいオマージュも満載。
アクション映画に興味が無くても家庭と仕事、夢と現実のどちらを選ぶか、といった普遍的なテーマも込められております。
観てください!

84名無しさん:2025/08/05(火) 23:25:59
みなとみらいのローソン・ユナイテッドシネマで『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』観ました。
https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/

もはや作品についての説明は不要でしょう、いよいよ無限城編に突入です!
原作未読組なので新鮮な気持ちで観賞できました。
無限城の作画すげぇぇぇっ! 戦闘シーンもムチャクチャ動いててすげぇぇぇぇっ! 音楽も主題歌もぐっとくる! さすが劇場版アニメにふさわしいクオリティ!
絶望的な状況に手に汗を握り、危機を打破する様子にホッと一息。圧倒的な存在に立ち向かう限界ギリギリのヒリヒリするような感覚はなろう系では味わえない緊張感。
こいつどうやって倒すんだよ!? てなる純粋なハラハラドキドキ感に久しぶりに浸りました。
え〜、あのキャラ死んじゃうのか〜。
実は自分の体に毒を仕込んでいて、あとからそれが効いて一矢報いる、無駄死にじゃないんだ的な展開とかにはなりませんか?
毒を食らってウキウキしてる童磨を見たら『薬屋のひとりごと』の猫猫を連想しちゃいました。
そして猗窩座の悲しい過去……。
鬼ではなく人としての最期を迎えたシーンには感極まりました。これ、家で独りで酒飲んで観てたら絶対に泣いてた。実際、遊郭編の妓夫太郎と堕姫のくだりでは泣きました。
次章はいつ公開されるのか、今から楽しみです。
これは映画館で観るべき作品。
観てください!

本編とは関係の無い細かい事ですが、公式サイトのイントロダクション・あらすじの最後に「火蓋が切って落とされる」と書かれていたのが気になりました。
この「戦いの火蓋は切って落とされる・された」という表現は「火蓋を切る」と「幕は切って落とされた」が混ざった誤用なので使ってはいけない。日本語には本来そのような言葉は無い。
火蓋とは火縄銃の点火孔を覆うスライド開閉式の蓋で、射撃準備時にこれを開ける動作を「きる」と表現するため、ここから「火蓋を切る」が戦いをはじめるという意味になった。
火蓋は一種の安全装置で銃の本体にネジ留めされているものであり、簡単に落ちるようなものではない。そんなにたやすく落ちてしまっては安全装置の機能を果たせず危険極まりない。
素人が会話の中で使うならまだしも、文章を書くことを生業としている人が文章でこう書いてしまうのは恥ずかしい。
書き手たる者「戦いの火蓋は切られた」と正しく使うべき。
予告編の映像だときちんと「火蓋は切られた」と表記されているので担当した人が違うんでしょうね。
作中で童磨が「すべからく」を「すべて」の意味で使っていましたが、これは誤用の方が定着したと判断してそういう使い方をしているのだろうか?

85名無しさん:2025/08/09(土) 19:00:33
川崎チネチッタで『サタンがおまえを待っている』観ました。
https://satan-matteru666.com/

1980年代の米国で「幼い頃に悪魔崇拝の儀式に参加させられ酷い経験をした」という女性の証言をまとめた本が出版され、大ベストセラーになると同様の被害報告が相次ぐ。
騒ぎは拡大して逮捕者まで出る事態になるが、その証言は後に虚偽だったとわかり、さらなる波紋を呼ぶ事に――。

メディアが発達した事で明るみになった米国社会の暗部を掘り起こす衝撃的なドキュメンタリー。
過誤記憶や虚偽記憶という言葉を思い出しました。
人の記憶というのは摩訶不思議なもので、本人にその意識がなくても捏造してしまう。実際にはそんな事など無いのに「あった」と記憶してしまうことがあるというそうです。
この女性の〝記憶〟にある悪魔崇拝は動物や胎児を生け贄に捧げたり排泄物を食べる、というようなおぞましいもなでした。
しかしなんだってキリスト教圏の人たちは悪魔崇拝とかするんでしょうね、あの心理は理解できない。
だって悪魔って神に負けた連中で、神よりも弱いんでしょう? そんな奴らに願ったって神より利益少ないとは思いませんか? 素直にヤハウェ拝んだ方が得るものがあるのでは?
現世利益や怨敵調伏といったヤハウェがしてくれない事をしたくれるならでしょうか?
それにしても願いの代償に生け贄とか高く。
ましてや自分の魂を捧げるとかボッタクリ過ぎです。
善よりも悪に憧れる的な感情があるのならヤハウェなんてなんの罪もないヨブから財産を奪い、子どもたちを殺し、酷い皮膚病で苦しめるわ、エジプトに災厄を起こしたりソドムとゴモラを滅ぼしたり、大洪水を起こして人類滅亡レベルのジェノサイド起こす極悪邪神なのですから、やっぱりヤハウェでいいという事になります。
神はある意味で悪魔よりも悪魔ですから。


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