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経済・企業関連スレその12

2459名無しさん:2019/01/21(月) 09:48:17 ID:6fQAxWcU0
大阪の超高層ビルには残念な先例がある
 鉄道会社による1000億円のビル開発とは、どのくらいの規模の投資なのか比較してみよう。過去10年に開業した駅直結の超高層ビルを見てみると、2017年に開業したJR東海の「JRゲートタワー(約211メートル)」が約1200億円、2014年に開業した近畿日本鉄道のあべのハルカスが約760億円、2012年に開業した東急電鉄の「渋谷ヒカリエ(約182メートル)」が約1000億円といわれている。
 各社のビルはお膝元のメインターミナルを再開発したもので、まっさらな土地を新規開発したものではない。そもそも大阪メトロ自身が、中期経営計画の中で「まずは都市開発に必要な知見・ノウハウを獲得する」と記しているように、大阪メトロにビル開発や運営の経験はないのである。
 その一端は公表された夢洲タワービルの完成イメージ図からもうかがえる。コンセプトを体現した外観というからには単なる「イメージ」というわけではないはずだが、メンテナンスや管理費を考慮した現実的な案とは思えない。ビル内に置かれる夢洲駅のイメージ図も、使い勝手の悪い2面2線のホームに、わざわざバリアとなる段差を設けるなど、デザイナーのアイデアスケッチにそのまま色を付けたようなものである。
 知見やノウハウが全くない新規事業の1案件に対して、7ヵ年の中期経営計画で見込む営業キャッシュフロー約5000億円の5分の1をつぎ込むというのは、あまりに冒険的ではないだろうか。
 確実に利益が見込まれるのであれば、万博とIR誘致が重なる一世一代のチャンスを逃す手はないという考えもあるだろう。しかし、大阪の超高層ビルには残念な先例があることも忘れてはならない。大阪府の開発した「りんくうゲートタワービル」と、大阪市の開発した「大阪ワールドトレードセンタービルディング(大阪WTC)」だ。
 りんくうゲートタワービルは、関西国際空港の整備と連動した副都心「りんくうタウン」開発構想の一環として計画され、1996年に開業した。当時関西一となる高さ256.1メートル、総工費は659億円であった。しかし、バブル崩壊でりんくうタウン開発は大幅に縮小され、関西国際空港の利用も伸び悩んだことから、テナントが計画通りに集まらず多額の損失を計上。2005年4月、総額463億円の負債とともに運営会社は倒産した。
 大阪WTCは、大阪湾を埋め立てて新都心を建設する「テクノポート大阪」構想のランドマークとして計画された。りんくうゲートタワービルと競い合った高さは256.0メートル、総工費1193億円をかけて1995年に完成するが、こちらもバブル崩壊によりオフィス入居率や来客数が低迷。巨額の赤字計上を続けた末に、2004年2月に982億円の負債を抱えて倒産した。その後、金融機関に債権免除を要請して経営再建に着手したが、2009年に643億円の負債とともに二次倒産している。
 大阪市は大阪WTCが破綻に至った原因について、「需要予測など客観的な調査に基づく十分な検討をすることなく、バブル経済期の拡大成長を前提として会社を過小資本・過大債務の財務構造としたこと」を挙げている。行政が主導した臨海部開発構想の失敗と、負の遺産としての超高層ビル。二度あることは三度あるというが、この教訓は夢洲開発計画に反映されているだろうか。


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