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1Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/10/24(日) 23:29
原題 Analysis by its History
邦題 「解析教程」
を管理人が勝手に読んでいくスレです。
ご意見、疑問質問歓迎です。
万一要望多数になれば輪読会形式に移行してもかまいません。

102Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:14:45
1.4.2級数展開
角をラジアンで計れば,xを非常に小さくすることによってsin xをxで近似できると
オイラーは述べました(1748).
このことは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1122386530/93
で述べましたが,ここではこれをともかく一旦認めることとして話を先に進めましょう.

103Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:15:21
ド・モアブルによる公式
cos nx=cos^nx-(n(n-1)/2*1)sin^2xcos^(n-2)x+(n(n-1)(n-2)(n-3)/4*3*2*1)sin^4xcos^(n-4)x+…,
sin nx=n*sin xcos^(n-1)x-(n(n-1)(n-2)/3*2*1)sin^3xcos^(n-3)x+…
において,
yを任意に固定し,x=(y/n)とおき,nを限りなく大きくすることによってxを0に近づけると
sin xはxに近づきcos xは1に近づきます.
nを限りなく大きくすることにより
cos x=cos(y/n)が1に近づくとはいえ
cos^nx=cos^n(y/n)が1に近づくかどうかは,直ちにはいえません.
>>63のようなことも起こりえますので.
しかし今の場合は>>59の定理によれば,
cos^nx=cos^n(y/n)
=(cos^2(y/n))^(n/2)
=(1-sin^2(y/n))^(n/2)
=1-(n/2)sin^2(y/n)+((n/2)*((n/2)-1)/2*1)sin^4(y/n)+…
となるのでnを限りなく大きくすればcos^nxは1に近づくことがわかります.

104Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:15:43
こうして級数
cos y=1-(1/2!)y^2+(1/4!)y^4-…,
sin y=y-(1/3!)y^3+(1/5!)y^5-…
が得られます(ニュートン(1669),ライプニッツ(1691),ヤコブ・ベルヌーイ(1702)).
この導き方はヤコブ・ベルヌーイとオイラーによるものです.
「て」にグラフをうpしときます.

105Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:16:04
tan xに対する級数
tan xが級数
a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+…
で書けたとすると,ヤコブ・ベルヌーイによる級数から
x-(1/6)x^3+(1/120)x^5-…=(a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+…)(1-(1/2)x^2+(1/24)x^4-…)
であるはずです.
係数を比較すると
a_0=a_2=a_4=…=0,
a_1=1,
a_3-(1/2)a_1=-(1/6),
a_5-(1/2)a_3+(1/24)a_1=(1/120),…
なので
a_0=a_2=a_4=…=0,
a_1=1,
a_3=(1/3),
a_5=(2/15),…
となり
tan x=x+(1/3)x^3+(2/15)x^5+…
が成り立ちます.

106Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:16:52
古代の計算の表
sin15°,sin18°,cos15°,cos18°がわかっていることから
プトレマイオスは>>93の式を使ってsin3°の値を求め,
さらに>>97の式を使ってsin1.5°,sin0.75°の値を求めました.
>>93とそこから派生する式からはsin1°の値は出ないのですが,
彼はなんと幾何学的直感によりxが非常に小さければsin xとxは非常に近いとし,
(4/3)sin0.75°の値をsin1°の近似値であるとしました.
これを認めれば,ド・モアブルの式からsin2°,sin3°,sin4°,…の値は求まります.

107Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:17:18
sin3°
=sin(18°-15°)
=sin18°cos15°-cos18°sin15°
=(sqrt(5)-1/4)*(sqrt(6)+sqrt(2)/4)-(1/2)sqrt(5+sqrt(5)/2)(sqrt(6)-sqrt(2)/4)
=0.309016994*0.965925826-0.951056516*0.258819045
=0.052335956,

>>97の式から
sin1.5°
=sqrt(1-cos3°/2)
=sqrt(1-sqrt(1-sin^23°)/2)
=0.0261769482,

sin0.75°=sqrt(1-sqrt(1-sin^21.5°)/2)
=0.0130895955.

108Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:08
一方
1.5°=(pi/180)*(3/2)=(pi/120)
=0.0261799388,

0.75°=(pi/180)*(3/4)
=(pi/240)
=0.0130899694.

よって
(0.75°/sin0.75°)
=1.00002856,

(1.5°/sin1.5°)
=1.00011425

ですので

sin1°と(4/3)sin0.75°=0.017452794の誤差は0.011425%以下です.

109Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:34
レギオモンタヌスは1464年頃,小数点以下第5位の精度での1'刻みの正弦表を作成しました.
>>97の式を繰り返し使って,sin0.9375'の値を得ますからこの値を(10000/9375)
すればsin1'に近い値が出るというわけでしょう.

110Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:57
sin1°の非常に精密な値はアル・カーシーによって1429年頃計算されています.
>>98の公式より
sin3°=3sin1°-4sin^31°であるので,3次方程式
-4x^3+3x=sin3°
を解けばよいわけです.
まず,xに比べて-4x^3を非常に小さいものとして無視すれば,
xは
sin3°/3に非常に近い値だと考えられます.

111Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:19:18
次に
x=(sin3°/3)+δとして

-4((sin3°/3)+δ)^3+sin3°+3δ=sin3°
となりますがδに比べてδ^2,δ^3を非常に小さいものとして無視すれば
-(4/27)sin^33°-(4δ/3)sin^23°+3δ
は0に非常に近くなり,
δは
(4sin^33°/27(3-(4sin^23°/3)))
=(4sin^33°/9(9-4sin^23°))
に非常に近くなります.

112Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:20:31
これらよりxは
(sin3°/3)+(4sin^33°/9(9-4sin^23°))
=0.0174524064
に近い値であると考えられます.
この値とグーグル検索によるsin1°=0.0174524064はこの桁まで違いがありません.

さて,ヤコブ・ベルヌーイによる級数の威力をこの節の最後に示しておきましょう.
sin x=x-(x^3/3!)+(x^5/5!)-(x^7/7!)+…においてたった3項
(pi/180)-(pi^3/180^3*6)+(pi^5/180^5*120)
=0.0174524064
と計算するだけで先のアル・カーシーによる精度を得ることができます.

えー、この節の文中sqrtとあるのは√, piとあるのはπと読み替えてください。
直すのを忘れてました。
1.4.2読了

113Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:35:15
1.4.3逆三角関数
線分OAの長さを1とします.
Oを中心とする半径1の円を考えます.
円周上に1点BをとってBから線分OAに垂線を下ろし,その足をHとします.
また直線OBと点Aにおける円の接線との交点をCとします.
線分BH,OH,CAの長さをそれぞれx,y,zとするときの弧ABの長さを
arcsin x=arccos y=arctan zと定義します.
三角函数は周期函数ですのでxに対して
arcsin x,arccos x,arctan xの値はそれぞれ一意には決まりません.
ここではxに対して,主値と呼ばれる
-π/2<arcsin x<π/2,0<arccos x<pi,-π/2<arctan x<π/2
の範囲の値をとる函数を考えます.

114Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:35:42
arctan xの級数

arctan xの級数は1671年にグレゴリーが発見し,
1674年にライプニッツが再発見しました.
OAを長さ1の線分とし,Oを中心,半径1の円を考えます.
Bを円周上に∠AOB<π/4となるようにとり,
直線OBと点Aにおける円の接線との交点をCとします.
AC=x,弧ABの長さをyとおくとy=arctan xです.

115Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:36:22
円周上に点Dを弧ABの長さと弧BDの長さが同じになるようにとります.
扇型OABDOの面積は,弧ABD上に等間隔にA_0=A,A_1,A_2,…,A_n=Dと点を打ち,
n個の小さい扇型OA_iA_(i+1)に分け,
その面積が底辺A_iA_(i+1),高さ1の三角形に近いことを利用し,
扇型全体の面積は,これらn個の小扇型の面積の総和と等しい面積をもつ
底辺が弧ABD,高さ1の直角三角形の面積に近く,
nを限りなく大きくすることにより
扇型の真の面積に近づくというケプラーの方法によってy.

116Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:36:50
四角形OACDOの面積は底辺OA=1,高さAC=xの直角三角形二つ分でx.
三日月形ACDBAの面積は次のように分割して求められます.
線分ACをA=C_0,C_1,C_2,…,C_n=Cとn等分し,
各C_iから円に接線を引きます.接点をB_iとすると,
線分C_iC_(i+1),線分C_(i+1)B_(i+1),
弧B_(i+1)B_i,線分B_iC_iで囲まれた部分の面積は,
点B_(i+1)から直線CAに下ろした垂線の足をD_(i+1)とおくと,
底辺C_iC_(i+1),高さD_(i+1)B_(i+1)の直角三角形の面積に近く,>>97を使えば
D_(i+1)B_(i+1)=1-cos∠B_(i+1)OA=2sin^2(∠B_(i+1)OA/2)
=2sin^2 ∠C_(i+1)OA=(2sin^2∠C_(i+1)OA)/(sin^2∠C_(i+1)OA+cos^2∠C_(i+1)OA)
=(2tan^2∠C_(i+1)OA)/(1+tan^2∠C_(i+1)OA)
=(2(C_(i+1)A)^2)/(1+(C_(i+1)A)^2)
となるので
その直角三角形の面積は
(({C_(i+1)A)^2/(1+(C_(i+1)A)^2))*(C_iC_(i+1))
となります.

117Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:37:08
nを限りなく大きくすれば三日月形ACDBAの面積はこの小さな直角三角形の面積の総和に
近づきますが,この総和は
y=t^2/(1+t^2)のグラフとy軸,t軸,直線t=xで囲まれた図形の面積に一致します.
>>54を使えば
t^2/(1+t^2)
=t^2*(1/(1-(-t^2)))
=t^2(1+(-t^2)+(-t^2)^2+(-t^2)^3+…)
=t^2-t^4+t^6-t^8+…
ですので
この面積は>>80の定理(フェルマ)によって
(1/3)x^3-(1/5)x^5+(1/7)x^7-(1/9)x^9+…
となります.
以上より級数
arctan x=x-(1/3)x^3+(1/5)x^5-(1/7)x^7+(1/9)x^9-…
が得られます.

118Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:37:47
arcsin xの級数

これはニュートンによって発見されました.

OAを長さ1の線分とし,Oを中心,半径1の円を考えます.
Bを円周上に∠AOB<π/2となるようにとり,
点Aにおける円の接線へBから下ろした垂線の足をCとします.
AC=x,弧ABの長さをyとおくとy=arcsin xです.

119Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:38:04
線分AC上に等間隔にA_0=A,A_1,A_2,…,A_n=Cと点を打ち,
各A_iをとおり直線OAに平行な直線と円の交点をB_iとします.
点B_(i+1)から直線A_iB_iにおろした垂線の足をC_iとおきます.
このとき弧B_iB_(i+1)の長さと線分B_iB_(i+1)の長さは近く,
線分B_iB_(i+1)の長さはA_(i+1)A_i/√(1-(AA_i)^2)に近い値となり,
nが大きいほど三者の差は小さくなります.
したがって弧ABの長さyは
y=1/√(1-t^2)のグラフとy軸,t軸,t=xで囲まれた図形の面積に一致します.
一般二項定理(>>59)によれば
(1-t^2)^(-(1/2))
=1+(-(1/2))(-t^2)+(1/2)(-(1/2))(-(1/2)-1)(-t^2)^2
+(1/6)(-(1/2))(-(1/2)-1)(-(1/2)-2)(-t^2)^3+…
=1+(t^2/2)+(3/8)t^4+(5/16)t^6+…
となりますので
arcsin x=x+(x^3/6)+(3/40)x^5+(5/112)x^7+…
を得ます.

120Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:48:15
1.4.3読了。

「て」にpdf版をうpしました。

122Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/02(水) 04:05:57
1.4.4πの計算
アルキメデスによるπの近似値計算を再現してみましょう.
半径1の円に内接する正n角形の周は
2n*sin(π/n),
外接する正n角形の周は
2n*tan(π/n)だから
n*sin(π/n)<π<n*tan(π/n)です.
0<θ<(π/2)なら
sinθ<2sin(θ/2),2tan(θ/2)<tanθ
なので
a_n=n*sin(π/n),b_n=n*tan(π/n)
とおくと
a_n<a_(2n)<a_(4n)<…<π<…<b_(4n)<b_(2n)<b_n
となります.
アルキメデスは>>97を何度もつかって
a_(96),b_(96)を求めました.

123Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:05:45
sin(π/12)=√(1-cos(π/6)/2)=√((2-√3)/4),
cos(π/12)=√((2+√3)/4)
より
sin(π/24)=√(1-cos(π/12)/2)=√(2-√((2+√3)/4)),
cos(π/24)=√(2+√((2+√3)/4)).
これより
sin(π/48)=√(1-cos(π/24)/2)=√(2-√(2+√(2+√3))/4),
cos(π/48)=√(2+√(2+√(2+√3))/4).
これより
sin(π/96)=√(1-cos(π/48)/2)=√(2-√(2+√(2+√(2+√3)))/4),
cos(π/96)=√(2+√(2+√(2+√(2+√3)))/4).
これより
tan(π/96)=√(2-√(2+√(2+√(2+√3))))/(2+√(2+√(2+√(2+√3))))
=(2-√(2+√(2+√(2+√3))))/√(2-√(2+√(2+√3))).

124Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:32:59
17^2=(10+7)^2=10^2+14・10+49=289,
18^2=17^2+17+18=324,
173^2=172^2+172+173=29929,
174^2=173^2+173+174=30276,
1732^2=1731^2+1731+1732=2999824,
1733^2=1732^2+1732+1733=3003289,
17320^2=299982400,
17321^2=17320^2+17320+17321=300017041,
173205^2=173204^2+173204+173205=29999972025,
173206^2=173205^2+173205+173206=30000318436,
1732050^2=2999997202500,
1732051^2=1732050^2+1732050+1732051=3000000666601
17320508^2=17320507^2+17320507+17320508=299999997378064,
17320509^2=17320508^2+17320508+17320509=300000032019081.
よって1.7320508<√3<1.7320509.したがって3.7320508<2+√3<3.7320509.

125Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:34:16
19^2=(10+9)^2=10^2+18・10+81=361,
20^2=19^2+19+20=400,
193^2=192^2+192+193=37249,
194^2=193^2+193+194=37636,
1931^2=1930^2+1930+1931=3728761,
1932^2=1931^2+1931+1932=3732624,
19318^2=19317^2+19317+19318=373185124,
19319^2=19318^2+19318+19319=373223761,
193185^2=193184^2+193184+193185=37320444225,
193186^2=193185^2+193185+193186=37320830596,
1931851^2=1931850^2+1931850+1931851=3732048286201,
1931852^2=1931851^2+1931851+1931852=3732052149904,
19318516^2=19318515^2+19318515+19318516=373205060442256,
19318517^2=19318516^2+19318516+19318517=373205099079289.
よって1.9318516<√(2+√3)<1.9318517.
したがって3.9318516<2+√(2+√3)<3.9318517.

126Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:35:17
19^2=361,
198^2=197^2+197+198=39204,
199^2=198^2+198+199=39601,
1982^2=1981^2+1981+1982=3928324,
1983^2=1982^2+1982+1983=3932289,
19828^2=19827^2+19827+19828=393149584,
19829^2=19828^2+19828+19829=393189241,
198288^2=198287^2+198287+198288=39318130944,
198289^2=198288^2+198288+198289=39318527521,
1982889^2=1982888^2+1982888+1982889=3931848786321,
1982890^2=1982889^2+1982889+1982890=3931852752100,
19828897^2=19828896^2+19828896+19828897=393185156236609,
19828898^2=19828897^2+19828897+19828898=393185195894404.
よって
1.9828897<√(2+√(2+√3))<1.9828898.
したがって
3.9828897<2+√(2+√(2+√3))<3.9828898.

127Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:36:38
199^2=39601,
1995^2=1994^2+1994+1995=3980025,
1996^2=1995^2+1995+1996=3984016,
19957^2=19956^2+19956+19957=398281849,
19958^2=19957^2+19957+19958=398321764,
199571^2=199570^2+199570+199571=39828584041,
199572^2=199571^2+199571+199572=39828983184,
1995717^2=1995716^2+1995716+1995717=3982886344089,
1995718^2=1995717^2+1995717+1995718=3982890335524,
19957178^2=19957177^2+19957177+19957178=398288953723684,
19957179^2=19957178^2+19957178+19957179=398288993638041.
よって
1.9957178<√(2+√(2+√(2+√3)))<1.9957179.
したがって
0.0042821<2-√(2+√(2+√(2+√3)))<0.0042822.

128Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:37:53
6^2=36,
65^2=64^2+64+65=4225,
66^2=65^2+65+66=4356,
654^2=653^2+653+654=427716,
655^2=654^2+654+655=429025,
6543^2=6542^2+6542+6543=42810849,
6544^2=6543^2+6543+6544=42823936,
65438^2=65437^2+65437+65438=4282131844,
65439^2=65438^2+65438+65439=4282262721,
654377^2=654376^2+654376+654377=428209258129,
654378^2=654377^2+654377+654378=428210566884.
よって
0.0654377<√(2-√(2+√(2+√(2+√3)))).

したがって
a_(96)>48・0.0654377=4・0.654377+8・0.0654377
=2・1.308754+4・0.1308754=2.617508+2・0.2617508
=2.617508+0.5235016=3.1410096
>3+(71・0.1410096/71)=3+((7・1.410096+0.1410096)/71)
=3+((9.870678+0.1410096)/71)=3+(10.0116876/71)>3+(10/71).

129Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:39:56
1.9828897<√(2+√(2+√3))<1.9828898より
0.0171102<2-√(2+√(2+√3))<0.0171103.
13^2=169,
130^2=16900,
131^2=130^2+130+131=17161,
1308^2=1307^2+1307+1308=1710864,
1309^2=1308^2+1308+1309=1713481,
13080^2=171086400,
13081^2=13080^2+13080+13081=171112561,
130806^2=130805^2+130805+130806=17110209636,
130807^2=130806^2+130806+130807=17110471249,
1308059^2=1308058^2+1308058+1308059=1711018347481,
1308060^2=1308059^2+1308059+1308060=1711020963600.
よって
0.130859<√(2-√(2+√(2+√3))).
0.0042821<2-√(2+√(2+√(2+√3)))<0.0042822と併せて
b_(96)<96・0.0042822/0.130859=96・42822/1308590
=((4282200-4・42822)/1308590)=((4282200-171288)/1308590)
=4110912/1308590=((3・1308590+185142)/1308590)
=3+(185142/1308590)=3+((1・130859+54283)/1308590)
=3.1+(54283/1308590)=3.1+((4・13085.9+1939.4)/1308590)
=3.14+(1939.4/1308590)=3.14+((1・1308.59+630.81/1308590)<3.142<3+(1/7).
以上より
3+(10/71)<π<3+(1/7).

130Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:41:18
この方法でのπの評価の改良はその後およそ千八百年間行われなかったのですが,
アドリアン・ファン・ルーメンがこの計算を何年にもわたってして
小数点以下20桁までを1580年に,ついでルドルフ・ファン・ケーレンが
a_(6・2^(60)),b_(6・2^(60))を計算することにより
小数点以下35桁までを1616年に求めました.

131Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:44:49
ライプニッツの級数

>>117の級数においてx=1とすることにより
π/4=1-(1/3)+(1/5)-(1/7)+…
なるライプニッツの級数(1682年)を得ますが,
4(1-(1/3)+(1/5)-(1/7)+(1/9)-(1/11)+(1/13)-(1/15))
=4.000000000000000000
-1.333333333333333333
+0.800000000000000000
-0.571428571428571428
+0.444444444444444444
-0.363636363636363636
+0.307692307692307692
-0.266666666666666666
=2.997071807071807073
と非常に収束が遅く,実用的ではありません.

132Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:10:27
>>117の級数において x=1/√3とおくことにより
(π/6)=(1/√3)-(1/3√3)+(1/(5・3^2√3))-(1/(7・3^3√3))+(1/(9・3^4√3))-…
なる級数も得られますが(ド・ラニー,1719年),
2√3(1-(1/(3・3))+(1/(5・3^2))-(1/(7・3^3))+(1/(9・3^4)))
=(2√3)(3^6・5・7-3^4・5・7+3^4・7-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(2^3・3^4・5・7+3^4・7-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(3^4・7・41-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(23247-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3・23237)/(3^6・5・7)=3.1548238
と少々ましな値が出ます.

133Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:10:47
S_n=4��[k=1,n]((-1)^(k-1)/(2k-1))
とおくと
S_(2n-1)=4��[k=1,2n-1]((-1)^(k-1)/(2k-1))
=4��[k=1,n-1]((1/(4k-3))-(1/(4k-1)))+(4/(4n-3))
=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3)),
S_(2n)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1)),
S_(2n+1)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1))+(4/(4n+1)),
S_(2n+2)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1))+(4/(4n+1))-(4/(4n+3))
であるので
数列{S_(2n-1)}は減少数列,数列{S_(2n)}は増加数列です.
また,
lim[n→∞]S_(2n-1)=lim[n→∞]S_(2n)=πであり,
S_(2n-1)>S_(2n)<S_(2n+1)ですので
S_(2n)<π<S_(2n+1)となります.
S_(2n+1)-S_(2n)=(4/(4n+1))ですので,
たとえば小数点以下百桁まで正確にπの値を計算したければ,
(4/(4n+1))<10^(-101)となるように即ちおよそ
5・10^(100)項目までの和の計算が必要です.

134Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:16:18
T_n=6��[k=1,n]((-1)^(k-1)/(2k-1)(√3)^(2k-1))
とおいても
T_(2n-1)>T_(2n)<T_(2n+1)で,
T_(2n+1)-T_(2n)=6/((4n+1)(√3)^(4n+1)).
T_(211)-T_(210)=6/(421・(√3)^(421))=6/(421・9^(105)√3)
=6/(421・10^(105*(log[10]9)√3))<6/(421・10^(105・0.95)√3)
<1/(70・10^(99.75)・1.73)
だから小数点以下百桁までの値は210項までの和で十分です.なんという違い!

135Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:22:57
>>119の級数でx=1/2とすれば
π/6=(1/2)+(1/2)・(1/(3・2^3))+(1・3)/(2・4)・(1/(5・2^5))+…というのも得られます.
tanの加法定理(>>95)でu=tan x,v=tan yとすればx=arctan u,y=arctan vなので
-(π/2)<x+y<(π/2)なら
arctan u+arctan v=arctan((u+v)/(1-uv))
となりますが
u=1/2,v=1/3とすると
π/4=arctan(1/2)+arctan(1/3)
が成り立ちます(オイラー,1737年).
4/(331・2^(331))=4/(331・10^(331*log[10]2))<4/(331・10^(331・0.301))
<1/(82.75・10^(331・0.301))<1/(82.75・10^(99.631)).
小数点以下百桁までの値は165項までの和でわかります.

136Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:23:15
また
u=v=1/5とすると
2arctan(1/5)=arctan(5/12),
u=v=5/12とすると
2arctan(5/12)=arctan(120/119)が得られますが,
これらより
4arctan(1/5)=arctan(120/119)が得られます.
よって
u=120/119,v=-1/239とすると
arctan(-x)=y⇔-x=tan y⇔x=-tan y⇔x=tan(-y)⇔arctan x=-y⇔-arctan x=y
より
π/4=4arctan(1/5)-arctan(1/239)が得られます(マチン,1706年).
16/(143・5^(143))=16/(143・10^(143*log[10]5))
<16/(143・10^(143・0.698))<1/(8.9375・10^(99.814)).
小数点以下百桁までの値は72項までの和でわかります.

137Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:30:06
この種の級数はガウスがいろいろと発見してるようです.
その発見を追体験しようとしましたが,うまくいきませんでした.
次のような公式を発見したという記述があったのですが,
これの正しさの検証すらうまくできませんでしたorz.

π/4=12arctan(1/18)+8arctan(1/57)-5arctan(1/239),
π/4=12arctan(1/38)+20arctan(1/57)+7arctan(1/239)+24arctan(1/268).

1.4.4一応読了.

138Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:41:06
えー、pdf版を「て」にうpしました。
。。この作業も半年振りだ。。

139臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/08/03(木) 20:08:33
忙しい中、お疲れ様です!
具体的な計算の跡が豊富ですね。
図書館で本が借りられればなぁ・・・。

140あしぺた:2006/08/03(木) 21:02:05
先生、久しぶりの頑張り乙(笑)


ハイラーワナーって歴史のどうでもいいこと書いてるから、
とても良い本だけどところどころ重たいよね(笑)
数学書としては珍しくないが、入門書としては、そのあたり微妙だなと。

141Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:54:20
1.4.5演習問題
1(ニュートン(1669))
arcsinに対する級数
          z=x+(1/6)x^3+(3/40)x^5+(5/112)x^7+…
を用いて,x=sin zに対する級数を求めよ.
またw=√(1-x^2)を展開してw=cos xの級数を求めよ.

142Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:54:58
解答
          x=a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…
であるとすれば,
          z=(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)
           +(1/6)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^5
           +(5/112)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^7
           +….

143Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:55:27
1次の係数が1であることよりa_1=1.よって
          z=(z+a_2z^2+a_3z^3+…)
           +(1/6)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^5
           +(5/112)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^7
           +….
2次の係数が0であることよりa_2=0.よって
          z=(z+a_3z^3+…)+(1/6)(z+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(z+a_3z^3+…)^5+(5/112)(z+a_3z^3+…)^7+….
3次の係数が0であることよりa_3+(1/6)即ちa_3=-(1/6).よって
          z=(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)+(1/6)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^5+(5/112)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^7+….

144Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:55:46
4次の係数が0であることよりa_4=0.よって
          z=(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)+(1/6)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^5+(5/112)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^7+….
5次の係数が0であることよりa_5+3・(1/6)(1・(-(1/6)))+(3/40)=0即ち
          a_5=(1/12)-(3/40)=((10-9)/120)=(1/120).よって
          z=(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)
           +(1/6)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^5
           +(5/112)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^7+….
6次の係数が0であることよりa_6=0.よって
          z=(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)
           +(1/6)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^5
           +(5/112)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^7+….

145Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:56:06
7次の係数が0であることより
          a_7+(1/6)(3・(-(1/6))^2+3・(1/120))+(3/40)(5・(-(1/6)))+(5/112)=0
即ち
          a_7=-(1/(2・3))((1/(2^2・3))+(1/(2^3・3・5)))+(1/2^4)-(1/(2^4・7))
           =-(1/(2^3・3^2))-(1/(2^4・3・5))+(1/2^4)-(5/(2^4・7))
           =((-2・5・7-3・7+3^2・5・7-3^2・5^2)/(2^4・3^2・5・7))
           =((2^5・7-3^2・5^2)/(2^4・3^2・5・7))
           =-1/7!.
これらより
          sin x=x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+….

146Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:56:25
>>59のニュートンの一般二項定理によると
          √(1-x^2)=(1+(-x^2))^(1/2)
          =1+(1/2)(-x^2)+((1/2)・((1/2)-1)(-x^2)^2/2!)
          +((1/2)・((1/2)-1)・((1/2)-2)(-x^2)^3/3!)
          +…
          =1-(1/2)x^2-(1/8)x^4-(1/16)x^6+…
であるので
          cos x=√(1-sin^2x)
          =1-(1/2)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^2
          -(1/8)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^4
          -(1/16)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^6+…
          =1-(1/2)x^2+((1/2)・2・(1/3!)-(1/8))x^4
          +(-(1/2)・((1/3!))^2-(1/2)・2・(1/5!)-(1/8)・4・(-(1/3!))-(1/16))x^6+…
          =1-(1/2)x^2+((1/(2・3))-(1/(2^3))x^4
          +(-(1/(2^3・3^2))-(1/(2^3・3・5))+(1/(2^2・3))-(1/2^4))x^6+…
          =1-(1/2)x^2+((2^2-3)/(2^3・3))x^4+((-2・5-2・3+2^2・3・5-3^2・5)/(2^4・3^2・5))x^6+…
          =1-(1/2!)x^2+(1/4!)x^4-(1/6!)x^6+….

147Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:23
2 弦関数の加法定理に対するプトレマイオスの原証明を理解せよ.

プトレマイオスの補題
四角形ABCDが円に内接するならば,
          CB・AD+DC・AB=AD・BD.

148Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:38
補題の証明.
辺AC上に点Eを
          ∠EDA=∠CDB
となるようにとる.
∠CBDも∠CAD=∠EADも弧CDに対する円周角であるからこれらは等しい.
よって△EDAと△CDBは相似となるので
          CB/BD=EA/AD.
∠CDE=∠CDB+∠BDE=∠EDA+∠BDE=∠ADE+∠EDB=∠ADB=∠BDA
であり
∠DCE=∠DCAも∠DBAも弧DAに対する円周角であるからこれらは等しい.
よって△DCEと△DBAも相似となるので
          AB/BD=ED/DC.
よって
          CB・AD+DC・AB=EA・BD+ED・BD=(AE+ED)・BD=AD・BD.
補題の証明終わり.

149Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:54
BDが外接円の直径であるとき,
∠CDB=∠CAB=α/2,∠BDA=∠BCA=β/2とおくと,
          CB=BDsinα/2,AD=BDcosβ/2,DC=BDcosα/2,AB=BDsinβ/2.
CFを外接円の直径とすると,(α+β)/2=∠CDA=∠CFAとなるので
          CA=CFsin((α+β)/2)=BDsin((α+β)/2).
補題より
          2sin((α+β)/2)=2sin(α/2)cos(β/2)+2cos(α/2)sin(β/2).
よって
          chord(α+β)=chordαcos(β/2)+cos(α/2)chordβ,
即ち
          chord(α+β)=(1/2)(chordαchord(π-β)+chord(π-α)chordβ)


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