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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

311名無しさん:2015/03/22(日) 00:07:19
>>310

* * *

 この論説は、プーチン大統領が西側に戦争を仕掛けているとし、その脅威の深刻さをはっきりと認識し、覚悟をもって対応すべきことを説いています。プーチンを強く批判し、ロシアの指導者が世界、国民に敬意を示すとき、ロシアは世界に受け入れられるとして、実質的にロシアでのレジーム・チェンジを主張しています。この号のエコノミスト誌の表紙は、プーチンが闇からいろいろと操っている合成写真です。エコノミスト誌は英国の雑誌ですが、米国を含む英語圏等で広い範囲で読まれ、影響があります。

 ロシアのウクライナ侵略は、ウクライナにとどまらない影響を持ち、旧ソ連諸国への威嚇効果もあるという指摘はその通りでしょう。

 この論説の趣旨は、上に抄訳されたとおりです。全体としてその趣旨に賛成できます。しかし、プーチンが対西側との戦争を計画的に進めており、アサド支援、グルジア侵攻もその計画に沿った行動であったかもしれないとか、近い将来、バルト諸国への侵攻もありうるという判断には賛成しがたいものがあります。プーチンは、基本的に反米、より弱く反欧州ですが、アサド支援やグルジア侵攻を反欧米路線の攻勢的実施として考えたのではなく、アドホックな決定で、主観的には防御的に実施したとみる方が実態に合うと思われます。

 プーチンは、自分の力に余ることをしようとしています。ロシアのGDPは制裁を受ける前の2013年のIMF統計で200兆円、日本の約3分の1、イタリアと同程度でした。その後、制裁に伴い、資金の借り入れはうまくいかず、資本は流出、石油価格の下落とルーブル安で、今のロシアのGDPは日本の5分の1、中国の10分の1、米国の15分の1くらいです。ロシア人の忍耐強さを考慮しても、経済面では勝負になりません。軍事面では、力の行使にプーチンは躊躇しませんが、西側には金融制裁という効果的な武器もあります。

 この論説の最後で、エコノミスト誌は、ロシアが世界や国民を侮蔑ではなく敬意をもって取り扱う指導者を得たとき、世界は偉大な国ロシアを抱擁すると言っています。これは、プーチンではどうにもならないとして、レジーム・チェンジを求めているに等しいものです。

岡崎研究所


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