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社会福祉綜合スレ

504とはずがたり:2017/03/27(月) 22:57:17
>>503-504
それとは反対に、オバマケアによって救われた人もいる。ワシントン州シアトル郊外で2人の娘を育てるBさんは、シングルマザーだ。低所得者用のアパートに住み、徒歩圏内で通えるスーパーマーケットで働き生計を立てている。生活は苦しく、低所得者向けの食料費補助制度「フードスタンプ」も受給している。そんな状況なので、今まで無保険だったが、オバマケアのおかげで保険に入ることができた。彼女は今、そのオバマケア廃止に向かう現状に絶望している。「私たちの権利を奪わないでほしい」と嘆く。

「娘が先日、ケガをしたの。足が大きく腫れてしまい骨折かと思ったわ。幸い捻挫だったけれど、その時には保険があったから、すぐに病院に飛んでいけた。本当にオバマ前大統領には感謝している。でも、その保険が奪われようとしている。私には2人の子どもがいるけれど、頼れる親族は1人もいない。これ以上努力しろと言われても、とても無理。どうしていいのかわからない」

働ける人がオバマケア享受は、アリか?

一方Cさんは、Bさん同様、オバマケアの恩恵にあずかっていた34歳の自称アーティストだ。歌手になる夢を捨てきれず、アルバイトをいくつか掛け持ちしながら食いつないでいる彼は、カントリーミュージックの都、テネシー州ナッシュビル近郊に住んでいる。彼はオバマケア廃止が「自分にチャンスを運んだ」と言って、笑う。

「僕の実家は典型的な中産階級のいちばん底辺だ。親が必死に努力してきている姿をずっと見てきたし、貧困の一歩手前だからいつだって生活は苦しかった。けれど僕は、身勝手な夢を優先して、いつでも親のスネをかじり続けた。そして気づけば独立した後もオバマケアやフードスタンプの恩恵にのうのうとつかって、両親のように苦しんでいる中産階級の底辺からまでも、平気でむしり取って生活していたんだ。こんなことが長く続くわけがない。夢を追いかけるのもほどほどにして、この機会にちゃんと働こうと思うよ」

3人の例を見て問題だと感じるのは、オバマケアが「誰を救済すべきか」という点において極めてアンフェアであることだ。たとえば、Bさんの場合はまだしも、Cさんのような若くて健康な人が、オバマケアの恩恵を享受することに対しては、米国では反感をもつ人が大半だ。世帯収入に応じて補助金を受け取れる現状の制度では、働こうと思えば働けるのに働いていない人の負担までも、必死で働く人が肩代わりすることになってしまう。

事実、共和党がオバマケアに反対した理由の1つには、「施しは人間の自立を奪う」という主張があった。貧困層への最大の救済は雇用であるという共和党の考え方には、個人的には賛成だ。特にCさんのような人は誰かに保障してもらうのではなく、自ら働くべきだろう。

また、「どのように救済するか」についても、Aさんの例を見れば、オバマケアの仕組み自体に問題が山積みなのは明らかだ。オバマケアは、その成立の過程で、最初にオバマ前大統領が語った理想とは、大きくかけ離れてしまったのである。だから、「反対し続けた共和党によって、貧困層救済というオバマ前大統領の崇高な思いは打ち砕かれた」と考えるリベラルはたくさんいる。

中間層に広がるオバマケアへの不信感

しかし、オバマケアを構築する際にアドバイザーを務めたマサチューセッツ工科大学(MIT)のジョナサン・グルーバー教授が、「オバマケアは増税政策だった」という発言をしていること(2014年11月にCBSニュースが報道)や、それを裏付けるかのように、この政策に盛り込まれた21項目の新しい税制度により、結果的に向こう10年間で、5兆ドルの増税が可能になるという事実は見逃せない。こうしたカラクリが明らかになればなるほど、中間層を中心にオバマケアへの反対は加速していったのだ。

オバマケアに悲鳴をあげた中間層は、これ以上の増税は耐えられない。おそらく保障がしっかりとしている大手グローバル企業や、政府で働いているような人は、中間層であっても切羽詰まった感覚はないのかもしれない。だが、中間層の大多数であろう中小企業で働く人や、個人事業主にとっては、増税は死活問題だ。「明日は自分も貧困層に転落するかもしれない」という不安を抱えながら、毎日必死という人も大勢いる。また、貧困になってしまえば、政府が助けてくれるという誘惑に負けてしまっては、一生そこからはい上がれないと、自らを鼓舞して努力を続けている人も。

中間層は、米国の屋台骨だ。そこが崩れては、国家は成り立たなくなるだろう。オバマケアの欠陥にメスを入れようとしているトランプ大統領。批判が絶えないトランプ政権だが、オバマケアにはじまり、機能不全を起こしているさまざまな社会の仕組みに対し、新しい政権に期待を寄せる国民の声は、実は「小さくない」のである。


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