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利水・治水スレ

1642とはずがたり:2020/09/04(金) 11:06:22
ここは発電を計画に入れて九電の参加を要請すべき。まあ嫌がりそうだな。国策の電力会社が必要だな。新電源開発だっ。

誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意
相川俊英:ジャーナリスト
https://diamond.jp/articles/-/21290
社会 相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記
2012.7.10 0:00 会員限定

山奥に造られた巨大プールの愚
水の貯まらない「底抜けダム」
 まるで山奥に巨大なプールを造るようなものだ。農水省九州農政局は6月18日、水漏れにより利用ができずにいる大蘇ダム(熊本県産山村)を全面補修する案を発表した。

 ダムののり面や底面など地盤全体にコンクリートを吹き付け、水漏れを防ぐという。コンクリートで巨大な器を造り、その中に水を貯めるというものだ。工事費は約100億円にのぼる見込みで、九州農政局ではダム水を利用する地元の自治体にも追加負担を求める方針だという。

 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。

「まさかそんなバカなことが」と思うだろうが、本当に漫画みたいなダムが日本社会に存在している。それも2つもである。

 熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。

 大蘇ダムは、熊本県産山村を流れる大蘇川をせき止めて造られた。農水省九州農政局が「大野川上流農業水利事業」として建設したもので、計画上の有効貯水量は約390万トンとなっていた。

 受益地は大分県と熊本県に広がり、延べ2158ヘクタール。畑作が中心で、受益地の7割以上を大分県竹田市が占める。ハウスでのトマト栽培を手がける農家が中心だった。

 大蘇ダムの堤本体が完成したのは、今から8年前の2004年のこと。工事は基礎掘削時に亀裂が見つかるなど、難航を極め、1979年の事業着手から4半世紀もの時を要した。計画変更は2度に及び、事業費は約595億円と当初(約130億円)の4.6倍にまで膨れ上がった。

2019年3月7日
水漏れ問題かかえる農水省の大蘇ダム、2020年度の供用開始後は地元管理へ
https://yamba-net.org/46299/

 1979年に本体工事に着手し、当初計画では1986年の供用開始が予定されていましたが、基礎掘削時に亀裂が見つかるなど、本体工事は難航を極め、4半世紀もの時間を要しました。
 さらに、2005年のダム本体完成後、試験湛水を行ったところ、ダム湖の底やのり面から漏水が発生。当初、農水省はこのことを伏せていましたが、土地改良区の関係者が試験湛水のデータが示されないことに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めました。計画通りに水が貯まらないダムとしてテレビでも取り上げられた大蘇ダムでは、2013年から100億円以上をかけて漏水対策工事を進め、2020年度からの供用開始を目指しているとのことです。

1643とはずがたり:2020/09/04(金) 11:06:37
>>1642
★農水省九州農政局サイト
 (大蘇ダムの漏水対策工事は「浸透抑制対策」と書かれています。)
 http://www.maff.go.jp/kyusyu/seibibu/kokuei/24/jigyounogaiyou/jigyounogaiyou.html

 昨日の地元紙によれば、熊本県と大分県の地元自治体は、ダム完成後も水漏れの心配があるため、大蘇ダムを国直轄管理にするよう要望してきたとのことですが、国がこれを受け入れないことから、維持管理を行う方針に転換しました。
 2012年の以下の記事によれば、大蘇ダムによる灌漑用水を求めている農家の大半は大分県側にあります。水が足りている熊本県側では、国の欠陥ダムの対策工事費を地元が負担することに対して、当時でも大きな不満があるとのことでした。完成が何十年も遅れたため、当初はダムを望んだ農家も、大蘇ダムなしで生活を営むようになっているということです。
 計画通りに運用できないダムは、地元民にも国民にも過大な負担を強いますが、計画を策定したダム起業者が責任を取ることはありません。

●「誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意」(週刊ダイヤモンド、2012年7月10日、相川俊英:ジャーナリスト)

●「“底抜け”大蘇ダムの修復はきちんと進んでいるのか?
再び現地で見た“ぼったくり工事?”の迷走としわ寄せ」(週刊ダイヤモンド、2012年9月25日、相川俊英:ジャーナリスト)

◆2019年3月6日 熊本日日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190306-00000015-kumanichi-l43
ー大蘇ダム、3市村管理に転換 漏水対策後の監視は国費でー

  2020年度の供用開始を目指し国が漏水対策を進めている大蘇ダム(熊本県産山村)について、阿蘇、産山、大分県竹田の受益地域3市村は、ダム本体の維持管理を担う方針を決めた。国直轄を要望していたが、工事完了後も当面は効果や安全性の監視に国費が充てられることを確認できたとして、方針転換する。

 同ダムは1979年に事業着手。2005年に本体が完成したが、08年に漏水が発覚し、13年から7年計画で対策工事を進めている。

 土地改良法は、ダム本体など基幹施設の管理費は地方公共団体が負担すると定める。しかし3市村は、対策工事完了後に再び漏水が発生した場合の補修費負担を懸念。常駐職員の監視など、国の直轄管理を求めていた。

 これに対し国は、漏水対策完了後もダム本体の監視を100%国費で実施し、補修工事が必要になった場合は地元負担の軽減を検討すると回答。監視期間は学識者らの意見を基に決めるとしている。

 維持管理に伴う負担は事業費の4割で、阿蘇市は年間137万円、産山村は172万円を見込む。

 3市村は3月定例議会に関連議案を提出。3議会の可決を経て、受益農家3分の2以上の同意取得の手続きに入る。熊本側の対象農家は16年時点で199戸。

 同ダムは、事業着手後3回の計画変更で完成時期がずれ込み、漏水発覚で事業費は720億円に膨らんだ。

 漏水対策に関し、国は17〜18年に試験湛水[たんすい]と検証を実施したが、貯水量の減少は確認されなかったとしている。(中尾有希)


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